高等教育の質保証体制を構築するための システムとその要素...

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芝浦工業大学のグローバル人材育成の 取り組みと国際PBL (Global Project Based Learning) 芝浦工業大学 学長補佐 システム理工学部 教授 井上 雅裕 PMI日本フォーラム2013 2013/8/3 Masahiro Inoue, Shibaura Institute of Technology , 2013 1 Shibaura Institute of Technology

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Page 1: 高等教育の質保証体制を構築するための システムとその要素 ......–ホーチミン工科大学(HCMUT)ベトナム –バンドン工科大学(ITB)インドネシア

芝浦工業大学のグローバル人材育成の取り組みと国際PBL

(Global Project Based Learning)

芝浦工業大学 学長補佐

システム理工学部 教授

井上 雅裕

PMI日本フォーラム2013 2013/8/3

Masahiro Inoue, Shibaura Institute of Technology , 2013

1 Shibaura Institute of Technology

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要旨

• 芝浦工業大学は、グローバル人材育成を推進

– 「統合的問題解決能力を備えた世界に貢献できる技術者」を育成する

• 東南アジアの工科系大学との連携

• 国際PBL(Global Project Based Learning)

– プロジェクトの立ち上げ、計画、実施

• 教育の質保証の取り組みを国際連携で実施

• ソフトスキル(人間力)評価法とその国際展開

Masahiro Inoue, Shibaura Institute of Technology , 2013

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芝浦工業大学のグローバル 人材育成の取り組み

平成24年度文科省グローバル人材育成事業に採択され

5年間のプロジェクト実施中

3

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4

平成24年度グローバル人材育成推進事業

Project for promotion of global human resource

development

芝浦工業大学では、国際社会の多様性を理解し、協調性を持ってその発展に寄与できる人材を育成するために、4つの能力を重点的に強化

〇 グローバル人間力: 積極性・チャレンジ精神、協調、使命感を持ち、長期展望に立って国際協調を実現する能力

〇 コミュニケーション力: 工学基盤の上に立ち、語学とモノやサービス等を介して相互に理解できる能力と語学力

〇 問題解決能力: 課題発見能力と倫理観に裏打ちされた解決能力を持ち、技術的経済活動への社会的影響を判断できる能力

〇 異文化理解力: 文化の多様性を認める能力と、自国のアイデンティティーを持ち、それを行動によって発信できる能力

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コミュニケーション力

グローバル人間力

問題解決能力

異文化 理解力

工学の専 門 基 礎 ・ 専 門の知識・応用力

目標: グローバル人材像である 「統合的問題解決能力を備えた世界(社会)に貢献できる技術者」 育成

本学の教育目的や教育の実績・特色を活かした グローバル人材像の実現

本学の教育目的(建学の精神)

社会に学び社会に貢献する技術者の育成

国際・異文化 交流PBL

留学・ 海外インターン

ESP English for

Specific Purposes

グローバル人材 必須能力

グローバル能力 育成科目

(H22大学改革推進事業「PDCA化とIR体制による教育の質保証」)

PDCAサイクルにより質と国際通用性が保証された教育体系の枠組みを構築済み。

産業界の要請

ものづくり人材の海外展開

Global Engineer ★

大学の方針

工学をアイデンティティと する積極人材の育成

★ Global Engineer: アメリカ機械学会(ASME)が定義する人材とその能力

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平成24年度グローバル人材育成推進事業

Project for promotion of global human resource

development

We need a new generation of engineers

able to function in global teams,

appreciating and respecting

professional and cultural diversity.

Anthony Bright Dean, Faculty of Engineering Harvey Mudd College

いま必要とされている新世代のエンジニアとは

多国籍環境で活躍でき、専門や文化の多様性を理解し尊重できる人である

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PBL型教育: 座学から実践へ

Passive learning(受動学習) から

Active learning(能動学習)へ

学生が能動的に学習を進めるPBL型学習

Project based learning

を基本としたカリキュラムを構築

I hear and I forget;

I see and I remember;

I do and I understand.

Xun-zi (荀子)

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分野横断でのプロジェクト 実践教育

大学教育カリキュラムでの国際PBLの位置づけ

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芝浦工大システム理工学部の教育体系 工学基礎教育

共通工学系基礎科目

数学・自然科学・情報技術の知識・応用能力育成

専門分野の知識とシステム思考による 問題解決能力育成

総合科目 人文社会科目

(システム科学を強化)

社会現象を観察・認識・判断する力をつける

学習・教育目標 地球的視野から多面的に物事を考えるシステム思考 学際的チームで活躍できる(チーム活動能力) 職業倫理 専門分野の知識とそれを応用した問題解決力 数学・自然科学・情報技術とその応用能力 コミュニケーション能力 システム思考・システム手法・システムマネジメント 自主的継続的学習能力

自律的な問題解決遂行に必要な人間力育成

環境問題、少子高齢化問題などを題材に社会での問題解決力をつける。

分野横断の広い知識を得る

21世紀の市民が行動できるための素養を育成

工学リベラルアーツ教育

各学科の

専門科目 の教育

(講義、演習、実験、総合研究)

電子情報システム学科

機械制御システム学科

環境システム学科

生命科学科

数理科学科

システム工学教育(1-2年)

他分野への「聞く耳」を他学科概論で学ぶ

社会的問題の工学的解決を題材にした、 学科横断型のPBLを通じて、システム思考、コミュニケーション能力、問題解決力を学ぶ

システム工学教育(3年)

プロジェクトマネジメント

専門科目との融合PBL

実践教育用専門知識

専門科目の理解度向上

外国語科目

理工系学生のための英語を強化

計画

初年次 工学リベラルアーツ教育

高学年 工学リベラルアーツ教育

専門科目

工学基礎教育

9

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講義科目 システム工学A (システム計画)

2学年前期

PBL 創る

1学年前期

PBL システム

工学演習A 2学年前期

PBL システム

工学演習B 2学年後期

講義科目 システム工学B

(数理計画) 2学年後期

PBL システム

工学演習C 3学年前期

講義科目 プロジェクト マネジメント 3学年前期

プロジェクトを通した実践・経験

哲学・理論・技法

*問題を把握する *解決策の検討と最適化 *意志を決定する *プロジェクト計画・運営

*協調する *創造する *思考する

講義科目 (総合科目)

システムとは, 1学年後期

大学院

システム工学

特別演習

前期

システム

マネジメント

特論

後期

大学院 システム工学

特論 修士前期

システム理工学部

大学院システム理工学専攻

10

プロジェクト演習と 理論・技法の講義を

繰り返しながら レベルアップする。 国際PBL

年度末

*グローバル人材育成 *リーダシップ

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システム工学特別演習(修士前期) 大学院修士1年生と学部3年生 合同PBL

問題定義,(再定義)

テーマは,一つの専門分野の枠を越える.

現状分析,要求分析・定義

たくさんのアイディアを創出

レビュー,

プレゼンテーション

その解決策は,環境,社会生活を通じて,様々な技術や科学の関連づけにより形成される.

実際に実行

総合的な

問題解決策の提案 環境,社会,市場

からの要求・要望

さまざまな領域の背景を

有した院生,学部生の共同作業

院生の研究分野とその周辺

11

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東南アジアの工科系大学との 連携推進

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South East Asian Technical University Consortium(SEATUC)

• 東南アジアの工科系大学と芝浦工業大学により、2006年5月コンソーシアムSEATUCを設立

• 国際連携、交換プログラムを実施している。 • 加盟大学

– 芝浦工業大学(SIT) – キングモンクット工科大学トンブリ校(KMUTT)タイ – スラナリ工科大学(SUT)タイ – マレーシア工科大学(UTM)マレーシア – ハノイ理工科大学(HUST)ベトナム – ホーチミン工科大学(HCMUT)ベトナム – バンドン工科大学(ITB)インドネシア – ガジャマダ大学(UGM)インドネシア

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Global Project Based Learning

国際連携教育の計画・実施

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大学間連携プロジェクトの立上げ • 目的:グローバル環境でイノベーションを推進で

きる技術者の育成

• 手段: SEATUC(東南アジア工科大学コンソーシアム)のフレームワークを活用

• 内容: システム工学特別演習を国際化(PBL)(Project Based Learning)

• 対象学生: 国際+大学院・学部+領域間 混成 – 学生数:30+30=60名

• 場所: King Mongkut‘s University of Technology Thonburiと共同でタイにて実施

• 時期:2013年2-3月 15

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大学間連携プロジェクト計画

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gPBL Work Breakdown Structure担当機関

1000 Project Management1100 Project Planning SIT1200 Project Meeting SIT1300 Project Closing SIT

2000 gPBL Design2100 Syllabus SIT2200 Assessment Plan SIT2300 Material for Student SIT2400 Material for Teacher SIT

3000 Participant3100 Staff SIT,KMUTT3200 Teaching Assistant (TA) SIT,KMUTT3300 Student SIT,KMUTT

4000 Local Arrangement4100 gPBL実施環境 KMUTT4300 Icebreaking (Day1) KMUTT4400 Travel to Sothern Thailand KMUTT4500 Cultural exchange (Day 5) KMUTT4600 Local Transportation KMUTT4700 Accomodation KMUTT4800 食事 KMUTT4900 現地会計処理

5000 PROG5100 PROG英語版開発 RIASEC5200 PROG現地実施 RIASEC5300 学生向け解説会 RIASEC5400 全体集計報告 RIASEC5500 PROGグローバルコンピテンシー版開発 RIASEC

6000 Awards6100 SIT Award SIT6200 KMUTT Award KMUTT6300 TA Award TA

7000 履修証明・単位認定7100 履修証明 SIT7200 単位認定 SIT7300 Certification KMUTT

• 両大学の教職員で協働計画・実施

• PBLの設計は芝浦工大が分担

• 現地準備はタイKMUTTが分担

• キックオフ会議の後はテレビ会議等で調整

• 学生アシスタントが計画に参加

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Practical Process for Global PBL

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グローバルPBLのアウトカムズ (成果目標)

• グローバルPBLのアウトカムズ設定

–学生個人の学習成果

–チームのプロジェクト成果

• 国際PBLの開始時に両国の学生に目標として示した.

18

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学生個人の学習成果目標

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Learning Outcomes Competency

Work in multi-culture and

interdisciplinary team

Communicate and teamwork in multi-culture

and interdisciplinary team

Engineering DesignDesign system, service and process which

satisfy needs and constrains

"System Thinking"

- Solve interdisciplinary problem

by understanding engineering

process

1.Understand engineering process and apply

it to solve interdisciplinary problem.

2. Recognize and analyze problem, and

design and evaluate solution.

"Engineering Methodology"

- Apply engineering

methodologies to solve

interdisciplinary problem.

1.Understand engineering methodologies and

apply them to model, and determine system.

Pe

rso

na

l O

utc

om

es

Masahiro Inoue, Shibaura Institute of Technology , 2013

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チームのプロジェクト成果目標

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Project Outcomes Description

Creativity Propose creative system and service

Usefulness Propose useful system and service

Completion

Obtain results with higher degree of

completion through analysis, plan, and

evaluation

FeasibilityTechnically, socially and economically

feasible

Achievement Achieve goal

Written presentation

Oral presentationWritten and Oral Presentation

Te

am

Ou

tco

me

s

Masahiro Inoue, Shibaura Institute of Technology , 2013

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日程

・1日目:タイ入国,アイスブレイクとチーム編成

・2日目:テーマ確定,要求分析と目標設定

・3日目:予算計画,活動計画,実活動

・4日目:実活動、資料作成,デザインレビュー

・5日目:市内見学,実活動,文化交流

・6日目:実活動,資料作成

・7日目:最終発表会,社会人基礎力テスト(PROG)

・8日目:自由,出国(夜)

21

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国際PBL活動テーマ

• 教員からキーワード提示 –Community development, Disaster

prevention, Ecology, Eco-tourism, Education system, Energy, Global leadership, Innovation, Mobility, Multi-language communication, Service, User experience, Welfare and medical system, Others (student's idea)

• 学生がテーマ選定、検討し決定 22

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Day 1: Icebreaking & Team-

Forming

Icebreaking:

自己紹介ゲーム、相手の母国語でニックネーム

チームリーダ選出用のアンケート

ゲームの説明をしている両大学の学生TA Yeeさん(KMUTT,TA)

説明を聞く学生たち

Page 24: 高等教育の質保証体制を構築するための システムとその要素 ......–ホーチミン工科大学(HCMUT)ベトナム –バンドン工科大学(ITB)インドネシア

日本人とタイ人でペアを組みました

自己紹介ゲームの様子

ニックネームの発表

Iceboiling !

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プロジェクトチームメンバの発表

まずは自己紹介

リーダーを中心に進めていく

Day 2: Confirmation of the theme

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どんな課題にするのかを付箋を使いながら議論

先生やTAからコメントや改善

決定したテーマを発表

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Day 3 & 4: Analysis and Definition

2日目にスケジュールを突然変更,1泊2日にてホアヒン(タイ南部のビーチ)へ移動,バンコク帰還後すぐに「デザインレビュー(調査等にかかる費用の見積等を含んだ実行計画書の提出と発表,評価)」を実施

Requirement analysis & Goal setting, Budget planning &

Schedule for activities

移動中: 文化交流している様子 ビーチの目の前で昼食

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ここでもグループワーク

ビーチで遊ぶグループも、しかし1チームのみ

次の日がデザインレビューなので、この日はベッドルームに集合して深夜まで作業

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Day 4: Design Review (DR) The A3 material and budget planning document are used for DR.

The A3 material should include following points.

1. Background and objective

2. Requirement analysis

2.1. Present status and the needs, objective analysis

2.2. Requirements, strategy, and goal

2.3. Criteria plan for evaluation

3. Activities’ schedule

キャンパスに戻ってきて、いよいよDR

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タイの学生によるタイソング

ももクロのダンス ゴールデンボンバーのダンス

Cultural Exchange

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Day 5 & 6: Activities in accordance with the planned schedule

Day 5

Thu 28, Feb Activities (Research/Survey/Production etc.) in accordance with the planned schedule

9:00-12:00 Bangkok City Tour (Royal Palace) 13:00-16:00 Workshop 18:00-20:00 Cultural Exchange

Day 6 Fri 01, Mar Activities in accordance with the planned schedule

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Final Presentation The A3 Material should include following points for the final

presentation.

Background and Objective

Requirement Analysis

Present Status and the Needs, Objective Analysis

Requirements, Strategy, and Goal

Criteria plan for evaluation

Implementation

Summary and Scope

Implementation Plan

Evaluation

Evaluation Method

Evaluation Result

Conclusion

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学生の資料例

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質の保証を伴った大学間連携教育プログラムの構築

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教育の質保証

• 教育の国際的パラダイムシフト – 「教員が何を教えたか」ではなく、「学生が何ができるようになっ

たか(学習成果)」にシフト。

• 高等教育のグローバル化 – 国際的に教育プログラムの質を保証できることが必要 – 複数の教育機関が共同で、ジョイントデグリー、ダブルデグリー

• 教育の質保証 – 適切な学習・教育目標を設定し、その達成のためにすべきことを

確実に実施し、目標を達成した学生を卒業させ、さらに、学習成果の評価にもとづき教育を継続的に改善していること。

• 教育の質保証の手順(PDCAサイクル): – 学習・教育目標を決める(Plan) – カリキュラムを設計し、授業実施(Do) – 学習成果(アウトカムズ)を評価する(Check) – 教育を継続的に改善する(Act)

Masahiro Inoue, Shibaura Institute of Technology , 2012-2013

35

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1 工学知識 数学、サイエンス、工学基礎及び工学専門知識を、複雑なエンジニアリング課題の解決に応用できる。

2 課題分析 数学、自然科学、エンジニアリングサイエンスの基本原理を用いて、複雑なエンジニアリング課題を、同

定、定式化、文献調査及び分析し、確実な結論に到達できる。

3 工学デザイン

/問題解決

公衆衛生や安全、文化、社会、環境への適切な配慮をしつつ、定められた要求を満足するように、複雑な

エンジニアリング課題に対する解の設計ができるとともに、そのシステム、部品、プロセスの設計ができ

る。

4 調査・研究 複雑な課題に対し、研究ベースの知識と、実験の設計、分析、データ解釈、情報の総合を含む研究手法

を用い、有効な結論を得るための調査・研究を実施できる。

5 最新のツール

の利用

複雑なエンジニアリング活動に対して、限界を理解しつつ、適切な技法、資源、最新のエンジニアリング・

ツールと IT ツール(予測やモデル化を含む)を創造し、選択し、適用できる。

6 技術者と社会 エンジニアの専門職実務に付随する、社会、健康、安全、法律、文化等の諸問題とそれに伴う責任につ

いて、各問題の文脈・背景に関する知識を使って、それらの重要性や価値を考え、評価することができ

る。

7 環境と持続性 エンジニアリングによる解決策が社会や環境に及ぼす影響を理解するとともに、持続可能な発展につい

ての知識を有し、その必要性を示すことができる。

8 倫理 倫理の基本原則を応用でき、エンジニアリングの実務の場で、職業倫理、責任、職業規範を実践できる。

9 個人およびチ

ームワーク

個人として有効に機能できる、あるいは、チームのメンバーやリーダーとして、様々なチームや異分野に

またがるチームの中で有効に機能できる。

10 コミュニケーシ

ョン

複雑なエンジニアリング活動でエンジニアリング関係者や一般社会と効果的なコミュニケーションができ

る。例えば、効果的な報告書や設計文書を理解、作成したり、効果的なプレゼンテーションができ、明確

な指示のやりとりができる。

11 プロジェクト・

マネジメントと

財務

エンジニアリングとマネジメントの原理についての知識と理解があり、それらをチーム・メンバーおよびチ

ーム・リーダーとして自身の仕事に応用し、異分野間プロジェクトのマネジメントができる。

12 生涯継続

学習

広範な技術変化の可能性の中で、自主的に生涯にわたって学修する必要性を認識し、準備し、取り組む

ことができる。

International Engineering Alliance(国際エンジニアリング連盟)報告書より ワシントン協定(技術者)、シドニー協定(technologist)、ダブリン協定 (技能者)、Engineers Mobility Forum、Engineering Technologists Mobility Forumの連合組織

工学教育プログラムの目標:卒業生属性(Graduate Attribute ) これを参照して各国の認証評価機関の学習・教育目標設定基準を作成することで、教育の質の国際的同等性担保

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Page 37: 高等教育の質保証体制を構築するための システムとその要素 ......–ホーチミン工科大学(HCMUT)ベトナム –バンドン工科大学(ITB)インドネシア

ジェネリックスキルの評価 (グローバル対応)

37

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38

学修成果(アウトカムズ)達成度評価手法 直接的評価法(達成度を課題を与えて直接測定) (知識・理解能力) • 試験・レポート・作品 • 資格試験(技術士1次試験,FE試験,TOEIC, 数学検定試験,工学系数学統一試験、等)

(汎用的能力) • 試験,レポート,課題, の成果(パーフォーマンス)をルーブリックを使用して評価 • 共通の標準化された外部試験 PROGでのコンピテンシー評価(日本、リアセック社) CLA (Collegiate Learning Assessment:米国) AHELO (Assessment of Higher Education Learning Outcomes:OECD) GSA (Graduate Skills Assessment:豪州) 筆記コミュニケーション、問題解決力、Critical Thinking、対人技能、を、選択問題と 筆記問題で直接測定 間接的評価法(達成度を質問などによって間接的に測定) • ルーブリックを用いない主観的評価 • (例: コミュニケーション能力がついたと思いますか?) • 学生に対する満足度調査、口頭試問、アンケート NSSE (National Survey of Student Engagement:米国) CSS (College Senior Survey:米国) CEQ (Course Experience Questionnaire:豪州)

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ルーブリック(Rubric)

• ルーブリックとは

– 学習成果の水準を示した表

– 学生(と教員)に学習・教育目標を明確に伝える手段

– 学習・教育目標の達成度評価の基準

– 評価データに基づいた教育の継続的改善を行う手段

• ルーブリックの使用が効果的な科目

– ジェネリックスキルの育成を狙った科目

– Project Based Learning(正答のない演習)

– 多数の教員の協同運営科目(目標の共有、公平な評価)

Masahiro Inoue, Shibaura Institute of Technology , 2012

39

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• ルーブリックを用いた学習成果(アウトカムズ)達成度の定量的評価

個別のアウトカムの能力を構成しているひとつあるいは複数の行動特性を

評価項目とし、この各行動特性の達成度をそれぞれ定量的に評価すること

で、対応する個別アウトカムの達成度の定量的評価を行う。

• ルーブリックには、各行動特性の内容の定義と、その行動特性をレベル分けし、各レ

ベルにおける行動特性の典型例を観点として記述してある。

• 観点は、学生の行動をこれに照らして、行動特性のレベルを評価するための判定基

準となる。

(例) (個別のアウトカム) (アウトカムの能力を構成している行動特性)

コミュニケーション能力 = 傾聴力、読解力、記述力、提案力、議論力

傾聴力(行動特性の定義:他人の意見を聞き、正しく理解し尊重する)

傾聴力という行動特性のレベル0の観点: 意見を聞き、理解することができない。

傾聴力という行動特性のレベル2の観点: 相手の意見を十分理解している。

傾聴力という行動特性のレベル4の観点: 相手の意見を十分理解し、自分と異な

る意見にも耳を傾け尊重している。

ルーブリックを構成する要素

(ルーブリック: 採点指針としての、水準別の行動特性を示した表) 40

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行動特性

(評価項目)

水準

5 4 3 2 1

Ⅰ 読者/聴衆が誰である

か明らかにでき,彼らのすでに保有する知識や求めている情報を評価でき,その要求に合う情報をまとめ/設計できる.

・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

Ⅱ 事実として正しく,証拠

がきちんと示され,十分な詳しさで説明がなされ,文書として適切であるようなものを用意できる(記述力).

正しい文章で,他人が十分理解できる記述となるように秀でた工夫をしている.

正しい文章で,他人が十分理解できる記述となるよう工夫をしている.

正しい文章で,他人が十分理解できるよう記述することができる.

正しい文章で,他人が一通り理解できるよう記述することができる.

記述された文章を他人が理解できない,あるいは記述された文章に重大な誤りがある.

Ⅲ 伝えようとするアイディ

アが,いかにうまく読者/聴衆に伝えられたかの反応をテストできる.

・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

Ⅳ スペル,句読点,文

法,」用語使用法の誤りが最小の成果を提出できる.

・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

Ⅴ 図面,グラフ,スケッチ

などを使用して情報を視覚的に提供できる.

・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

Ⅵ 明快で専門家的な口頭発表を行える.

・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

「コミュニケーション能力」(口頭,文章,図また映像で効果的に人に伝達する能力)という学習・教育目標の達成度評価用ルーブリック

学習・教育目標達成度評価のための判断基準(ルーブリック)の例

レベル1:期待した基礎レベルに達しておらず不合格

レベル2: 期待した基礎レベルには達

していて合格、一部の定型的仕事は独立してこなせるが、特に意志決定、概念構築などでは他人の支援が必要な場合が多い。

レベル3: ほとんどの学生がここまで

到達することが望まれるレベル。独立して仕事がこなせ、まとまった概念の説明、構築、応用などができる。

レベル4:基本的に期待される行動特性のレベルを超え、高い独立性、創造性を示し、高度な批判的考察、変革ができる。

レベル5:レベル4の高度なもの(時として、このレベルの記述語の設定は難しい)

記述語

各評価項目に関して学生が示す、いろいろな水準の反応(行動)の典型例で外部に表れた測定できるもの。

(「~できる」と言う形で記述)

41

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システム工学演習Aの学習・教育目標とルーブリック(部分) 芝浦工業大学システム理工学部の例

5 3 1

多分野の人とコミュニケーションができる

・積極的にアイデアを出した。他人の発言を聴き、尊重した。・自分の専門以外の分野に関心を持ち、積極的に理解しようとした。・自分の専門以外の分野を体系的に理解しようと努め、意見をまとめ、最適の問題解決策を得るための活動をした。

・積極的にアイデアを出した。他人の発言を聴き、尊重した。・自分の専門以外の分野に関心を持ち、積極的に理解しようとした。

・消極的に活動し、アイデアを出さなかった。他人の発言を尊重しなかった。・自分の専門以外の分野に関心を持たず、理解しようとしなかった。

学生自身班内相互評価

チームで協力して活動できる

・仕事を発見し、進め方を検討し、実行できた。必要な支援を班員に行った。・仕事の全体像を把握し、仕事を適切に分割し、進捗をチェックし、班が重要点に注力できるように活動した。

・仕事を発見し、進め方を検討し、実行できた。必要な支援を班員に行った。

・他人から言われたことだけを実施した。必要であることが分かっていながら、班員を支援しなかった。

学生自身班内学生相互評価

・章節項が適切に構成され番号で区分されている・ページ数が適切にふってある・丁寧に作成されている・レイアウトが工夫されており、分かり易い

・章節項が構成され、番号で区分されている・ページ数がある

・章節項の構成が不適切、また番号が適切に振られていない・ページ数が記載されていない・乱雑に、作成されている

教員評価

・理解しやすい文章で書かれている。・論理的な飛躍や誤りがない・レポート全体が一貫している・図表を、適切に説明している

・理解できる文章で書かれている。・論理的な飛躍や誤りが少ない・レポートがつぎはぎでない・図表を説明している

・文章は理解しにくい。・論理的な飛躍や誤りが多い。・レポートがつぎはぎであり、一貫していない・図表に対し文章説明がない。図表の羅列である。

教員評価

・図表の番号が適切、図表のキャプションが適切な位置にあり、適切な説明がされている。・図表に工夫があり、丁寧に、分かり易く描かれている

・図表の番号が適切、図表のキャプションが適切な位置にある。

・図表の番号が無い、または不適切である。図表のキャプションが無いまたは、不適切な位置にある。・図表が乱雑で、分かりにくい

教員評価

・課題に対し、深く理解し、検討したことが文章から読み取れる・適切な文章、例示、図表で明確に表現されている・主張の妥当性が適切に説明されている・技術的(理工学的)誤りがない

・課題に対し、ある程度理解し、検討したことが文章から読み取れる・文章、例示、図表を使い、表現されている・主張の妥当性がある程度説明されている・技術的(理工学的)誤りが少ない

・課題に対し、理解しておらず、検討が不十分である。・文章が不適切、例示、図表がないまたは不十分で、明確でない。・主張の妥当性が説明されていない。・技術的(理工学的)誤りが多い。

教員評価

学習・教育目標

文書で適切な報告ができる(レポート)

水準評価者

Masahiro Inoue, Shibaura Institute of Technology , 2012 42

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PROGとは、専攻・専門に関わらず、大卒者として社会で求められる汎用的な能力・態度・志向-ジェネリックスキルを育成するためのプログラムです。

PROGでは、ジェネリックスキルを客観的に測定する「PROGテスト」、およびテスト結果の活用をサポートする「個人報告書」「ハンドブック『PROGの強化書』」、さら

にジェネリックスキルの向上を支援する「育成プログラム」「学生テキスト『問題解決新書』」などを提供します。

PROGの適用評価:

・大学が獲得した競争的資金(グローバル人材育成等)によって運営するプログラムの学修効果の測定(学生が成長したかどうかの評価)に使えるかどうか?

・教員による点数評価が困難な能力(人間力など)の評価が可能かどうか?

リアセック社

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Generic SkillsGeneric Skills

基礎力の2側面

・知識を活用して 課題を解決する 力 ・習得した 知識を 活用する ことで 育てられる

・経験を積むこと で身についた 行動特性 ・ ・経験を 振り返り 意識して 行動することで育成される

リテラシー コンピテンシー

知識を学ぶ

経験を積む

知的

コンピテンス

社会的・ コミュニケー

ション

コンピテンス

学び続ける力

の素養

どんな仕事

にも

移転可能な力

の素養

今回の基礎力は、「リテラシー」と「コンピテンシー」の2側面から測定しています。

「リテラシー」とは、知識を基に問題解決にあたる力で、知識の活用力や学び続ける力の素養をみるものです。

「コンピテンシー」とは、経験から身に付いた行動特性で、どんな仕事にも移転可能な力の素養をみます。

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Generic SkillsGeneric Skills

基礎力の構成要素

領域 構成要素

問題解決力

情報収集力

情報分析力

課題発見力

構想力

リテラシー

領域 構成要素

問題解決力

情報収集力

情報分析力

課題発見力

構想力

コミュニケーション力 マネジメント力

親和力

協働力

統率力

自己管理力

感情制御力

自信創出力

行動持続力

実行力

コンピテンシー

対課題領域

対人領域

対自己領域

基礎力は、以下の構成要素ごとに測定されます。

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グローバル人材評価へのPROGの拡張

●海外マネジメント

経験者(1000人) ■PROG

【Step1】活躍するグローバルIT人材の特性の把握

活躍する

グローバル人材の

要件抽出

●グローバル企業に対するヒアリング調査

●グローバルIT企業

●在校生

【Step2】ギャップの把握

【報告】

●他グローバル企業

●グローバル企業

理系人材ニーズ調査

グルーバル企業における理系人材のニーズ調査

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グローバル人材育成への PROGの拡張と国際(英語)化

• グローバル人材のコンピテンシーの特徴 – 親和力: 他人に配慮して関係を築く

– 統率力: 意見を主張し、場を調整する

– 感情制御力: ストレスに対処し、緊張を力に変える

•ジェネリックスキル試験 PROGの英語化 –今回の国際PBLで初めて実施した。(ソフトスキル評価の国際展開)

–タイの学生、大学院生が受験

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4.37

4.79

3.89

4.32

5.00

4.88

5.23

5.044.88

4.354.50

4.69

4.54 4.74

4.32

4.53

4.634.68

3.5

4.0

4.5

5.0

5.5

6.0

親和力 協働力 統率力 感情制御力 自信創出力 行動持続力 課題発見力 計画立案力 実践力

モデル社会人 技術系グローバル人材 文系グローバル人材

日本人学生 タイ学生

グローバル人材

対人基礎力 対課題基礎力対自己基礎力

Level(1-7)

他者に配慮して 関係を築く

意見を主張し 場を調整する

ストレスに対処し 緊張を力に変える

コンピテンシー比較(グローバル人材と国際PBL経験学生との比較)

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国際PBLの前後のコンピテンシーの変化

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

5.5

6.0

対人基礎力

対自己基礎力

対課題基礎力

親和力

協働力

統率力

感情制御力

自信創出力

行動持続力

課題発見力

計画立案力

実践力

SIT前回 SIT今回

コンピテンシー要素別

対人基礎力 対課題基礎力対自己基礎力

「対課題基礎力」の全要素(「計画立案力」、「課題発見力」、「実践力」)、及び、「対人基礎力」の「親和力」、「協働力」の伸びが大きい。

※集計ベース、集計対象数:前回、及び、今回受験した学生 19名。

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国際PBL 前後の自己・相互評価結果

2.00

2.50

3.00

3.50

4.00

4.50

5.00

gPBL前(自己評価)

gPBL後(自己評価)

gPBL後(班員からの評

価)

LEVEL 1-5

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国際PBLの学修成果の評価結果 • PROGから

– 「対課題基礎力」の全要素(「計画立案力」、「課題発見力」、「実践力」)が伸長

– 「対人基礎力」の「親和力」、「協働力」の伸びが大きい。

– 「統率力」、「感情制御力」は変化していない。

• ルーブリックによる相互評価、自己評価

– 学習教育目標の各項目で伸びがあった

• エンジニアリングデザイン全般

• 多文化、多領域環境でのコミュニケーションとチームワーク

51

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ルーブリックとPROGとは相互補完

ルーブリック(評価水準表)

– 目標人材像から目標とする行動特性を設定

– 学生に学習・教育目標を示すことができる

– 学生が達成度を自己評価できる

– >>グローバル人材の行動特性を追加

PROG(コンピテンシー評価)

– 実際の仕事ができる社会人の特性抽出

– 仕事ができる社会人との相関を分析する

– リファレンス人材を変えることで柔軟に変更に対応

– >>グローバル人材との相関により分析可能 52

Masahiro Inoue, Shibaura Institute of Technology , 2013

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53

日刊工業新聞

2013年5月2日

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まとめ

• 「統合的問題解決能力を備えた世界に貢献できる技術者」の育成を目標

• 東南アジアの工科大学との連携教育の推進

• 国際PBL(Global Project Based Learning)を実施し、ソフトスキルの伸張を確認

• 教育の質保証の取り組みを国際連携で実施

• ソフトスキル(人間力)評価法とその国際展開

– 産業界でのグローバル人材育成にも有効

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Global PBL

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ご清聴ありがとうございました

56

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参考文献 1) 文部科学省,グローバル人材育成事業, http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/sekaitenkai/1319596.htm 2) International Engineering Alliance, Graduate Attributes and Professional Competencies Version 2, June 2009. 3) 井上雅裕,陳新開,長谷川浩志,システム工学 -問題発見・解決の方法-,オーム社,2011. 4) 井上雅裕, 長谷川浩志, 発展型プロジェクト演習と連携したシステム工学教育, 工学教育 (J. of JSEE), Vol.58, No.1, pp.89-94, Jan. 2010. 5) 井上雅裕, 長谷川浩志,陳新開, 分野横断教育の体系的カリキュラム構築とその学習成果のアセスメント, 工学教育 (J. of JSEE), Vol.61, No.2, pp.55-61, Mar. 2013. 6) リアセック,PROG, http://www.riasec.co.jp/prog_hp/(2012-12-16)

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