印刷技術を用いた自己駆動型 ヘルスケアシステム -...
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東京理科大学理工学部工業化学科 講師
四反田 功
東京理科大学新技術説明会
2015年11月26日
印刷技術を用いた自己駆動型ヘルスケアシステム
発表概要
1.プリンタブルエレクトロケミストリー
2.バイオ燃料電池
3.ウェアラブルデバイス
4.新技術の特徴・従来技術との比較・実用化に向けた課題・企業への期待
5.お問い合わせ先
2
「プリンタブル・エレクトロケミストリー」「プリンタブル・エレクトロケミストリー」「プリンタブル・エレクトロケミストリー」「プリンタブル・エレクトロケミストリー」
Printable Electrochemistry
印刷を中心にした印刷を中心にした印刷を中心にした印刷を中心にした
電気化学デバイスの製造・評価技術電気化学デバイスの製造・評価技術電気化学デバイスの製造・評価技術電気化学デバイスの製造・評価技術
プリンタブルエレクトロケミストリーとは
本講演では特にスクリーン印刷を用いた電気化学デバイスの製造・評価について概説
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プリンタブルエレクトロケミストリーによる開発品
マイクロ電気化学セル
小型の溶存酸素センサ
世界一安定な薄膜型参照電極
和紙を基板としたバイオセンシングチップ・バイオ燃料電池
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バイオ燃料電池とは
グルコノラクトングルコノラクトングルコノラクトングルコノラクトン
グルコースグルコースグルコースグルコース
GOD
電子電子電子電子
酸素酸素酸素酸素
水素イオン水素イオン水素イオン水素イオン
水水水水
電子電子電子電子のののの移動移動移動移動
BOD
5
バイオ燃料電池のメリット
• 負極で糖の酸化,正極で酸素還元• 糖などの燃料の酸化の⾃由エネルギー変化を電⼒に変換(理論最⼤起電⼒:
1.2V)• 身近で安全な糖,アルコール,有機酸などから穏やかな条件(中性,常温)で• 発電可能• 理論容量:3900 Wh/kg• シンプルな構造• カーボンニュートラル• 現状:5mW cm-2 @ 0.5V (室温)
軽量,小型,フレキシブル→ マイクロ電池・ユビキタス電源
高い生体親和性→ 生体埋め込み型・ウェアラブル電池
スマートコミュニティーの発展の重要な鍵を握る電源
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バイオ燃料電池のウェアラブルデバイスへの適用
医療
生体情報スポーツ
ヘルスケア
娯楽 安全管理
環境計測
1.シンプルな構造で,室温での作動が可能である,安全性が高い.
2.酵素は工業的に生産可能であり,資源という観点からも環境に優しい.
3.振動や熱エネルギーを活用する発電技術と比べて,低コストで高容量化が可能である.
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ウェアラブルバイオ燃料電池の開発指針
ウェアラブルバイオ燃料電池
アレイの創生
将来的な用途
自己駆動型センサへの活用
アスリートの健康管理
(東京オリンピック2020)
熱中症センサ
介護用
ナノ界面が制御された多孔質炭素電極調製
印刷技術による電池の作製
インピーダンス解析
3つのキーポイント
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ウェアラブル化に向けての研究課題
①作動安定性の向上
②界面電子移動速度・酵素の反応量に依存する出力密度の向上
③空気極の開発によるエネルギー密度の向上
④バイオ燃料電池の利点を生かした安全かつフレキシブルな小型・薄膜型の電池の開発
⑤バイオ燃料電池の特性評価法の確立
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開発したもの
1.紙基板型バイオ燃料電池プラットフォーム開発
3.アレイ化(3種類)
2.乳酸電池
Origami-type(1.1 V, 63 µW)
Circle-type(2.65 V, 400 µW)
Plane-type(2.3 V, 1 mW)
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ma*
ma
*
masol*
ma
*
masol
mama
macoth X
Z
RZR
nn
ZZ
1==
ma*
ma
*
masol*
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*
masolmacoth X
Z
RZRZ =
ma
*
masol
AR
ρ=ma
**
ma*
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L
ZZ =
++−
=
madl
mactmeme
**
ma
CjRAZ
Z
ωξξ 11
1,
me
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*
mesol*
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*
mesolmecoth X
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*
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AR
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**
me*
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L
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medlmect
mect**
me
CRj
RZ
ω+=
1
,
Shitanda et al., Electrochem., 83, 329-331 (2015).
Shitanda et al., Electrochem., 83, 335-338 (2015) .
多孔質炭素電極の解析
11
glucose1
00 mM
Glucose
1 mM
拡散,電子移動,酵素反応を考慮することでシミュレーション
平板電極
EISシミュレーションも可能
有限要素法によるセルデザイン
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紙を用いた印刷型バイオ燃料電池の開発
0
100
200
300
400
500
0
20
40
60
80
100
120
140
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6
Operating Cell Voltage, V / V
Pow
er d
ensi
ty, P
/ µW
cm-2
Current density,I / m
A cm
-2
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
I. Shitanda et al. Chem. Comm. 201313
自分で発電しながら,情報を無線伝送する自己駆動型センシングデバイスへ
4x4 cells are arrayed (1mW)
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5 cells in series (0.34 mW)
尿糖から発電する
介護用デバイスへ
(おむつ電池)
汗中の乳酸や,汗の
電解質から発電可能
→フレキシブルな
ウェアラブル電源へ
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新技術新技術新技術新技術のののの特徴特徴特徴特徴
バイオ燃料電池を搭載した自己駆動型ウェアラブル・デバイスの開発を行う.
自己駆動型デバイスとは,例えばグルコース(ブドウ糖)をバイオ燃料電池の酵素と反応させて電力を取り出し,この電力を使って発信器から信号を飛ばす仕組みで,電源とセンサの両方の役割を備えているものをいう.
上記の場合,バイオ燃料電池の電力はグルコース濃度に依存するため,電力値からグルコース濃度を測ることができる.
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想定される用途想定される用途想定される用途想定される用途
• ウェアラブルデバイス用の軽くて安全な次世代電池
• 介護用の尿糖センサ(おむつ発電)• アスリートの運動強度測定用デバイス(東京オリンピック2020へ)・ 熱中症の危険性を判断するデバイス
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実用化に向けた課題実用化に向けた課題実用化に向けた課題実用化に向けた課題
• 現在、尿糖電池について尿糖で発電可能なところまで開発済み。しかし、実装および無線伝送の点が未解決である。
• 今後、汗から発電するデバイスについて実験データを取得し、ウェアラブルデバイスに適用していく場合の条件設定を行っていく。
• 実用化に向けて、センサの精度を向上できるよう技術を確立する必要もあり。
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企業企業企業企業へのへのへのへの期待期待期待期待
• 未解決のデータ転送については、省電力無線伝送技術により克服できると考えている。
• ウェアラブルデバイスへとの通信技術を持つ、企業との共同研究を希望。
• また、バイオセンサを開発中の企業、ヘルスケア分野への展開を考えている企業には、本技術の導入が有効と思われる。
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産産産産学学学学連携連携連携連携のののの経歴経歴経歴経歴
• 2009年- 北斗電工(株)と共同研究実施中
• 2009年-2010年 JSTシーズ発掘試験事業に採択
• 2009年-2013年 H社と共同研究実施
• 2013年- T社と共同研究実施中
• 2013年-2014年 JSTシーズ顕在化事業に採択
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おおおお問問問問いいいい合合合合わわわわせせせせ先先先先
東京理科大学
研究戦略・産学連携センター
TEL 03-5228-7440
FAX 03-5228-7441
E-mail [email protected]
URA 森谷 麗子