電力先物取引の概要 - tokyo commodity exchange · 2020-07-02 ·...
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電力先物取引の概要
2019年8月
電力先物取引の役割
電力先物の取引要綱
電力先物取引の特徴
取引における注意点
電力先物取引の参加方法
電力先物に対応する商品先物取引業者等
電力先物取引の利用例
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電力先物取引の役割
⇒ 電力スポット価格の固定化ツール
⇒ 取引相手のクレジットリスクをクリアリングハウスに移転
電力価格の価格変動リスクヘッジ手段の提供 ・ 電力スポット価格の大きな価格変動
・ 新電力の電力調達に占めるスポット調達量の増加
⇒ 電力スポット価格の固定化ツール
信用リスクヘッジ手段の提供 ・ 電力市場への多様な新規参入者の増加
・ 取引相手の与信管理の煩雑化
⇒ 取引相手のクレジットリスクをクリアリングハウスに移転
電力フォワードカーブの提供
⇒ 電力売買における意思決定ツール
⇒ 電力スワップ等、相対取引の時価評価の基準
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取引エリア/ 電力ロード
西エリア ベースロード電力
東エリア ベースロード電力
西エリア 日中ロード電力
東エリア 日中ロード電力
取引の種類 現金決済先物
取引対象 JEPXスポット市場の関西エリアベースロード(0:00~24:00)
価格
JEPXスポット市場の東京エリアベースロード(0:00~24:00)
価格
JEPXスポット市場の関西エリア日中ロード(8:00~20:00)
価格
JEPXスポット市場の東京エリア日中ロード(8:00~20:00)
価格
取引単位
※限月により異なる
“月物” 100kWh × 24h × 当該月の暦日数 例)2019年11月限72,000kWh =100kWh×24時間×30日
“月物” 100kWh × 24h × 当該月の 暦日数 例)2019年11月限72,000kWh =100kWh×24時間×30日
“月物” 100kWh × 12h x 当該月の平日日数 例)2019年11月限24,000kWh=100kWh×12時間×20日
※ 平日はTOCOMが指定
“月物” 100kWh × 12h x 当該月の平日日数 例)2019年11月限24,000kWh=100kWh×12時間×20日
※ 平日はTOCOMが指定
呼値とその値段 0.01円/kWh
最終決済価格
JEPXスポット市場における、関西エリアプライスのベースロード(0:00~24:00)の対象期間の月間平均価格
JEPXスポット市場における、東京エリアプライスのベースロード(0:00~24:00)の対象期間の月間平均価格
JEPXスポット市場における、関西エリアプライスの日中ロード(8:00~20:00)の対象期間の月間平均価格
JEPXスポット市場における、東京エリアプライスの日中ロード(8:00~20:00)の対象期間の月間平均価格
限月 直近15限月
(2019年9月の取引開始の場合は、2019年9月限~2020年11月限まで)
取引最終日 各当月の最終暦日の前営業日 各当月の最終暦日の前営業日 各当月の最終平日の前営業日 各当月の最終平日の前営業日
新甫発会日 取引最終日の翌営業日
最終決済日 取引最終日の翌月第1営業日
電力先物の取引要綱① 2
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取引エリア/ 電力ロード
西エリア ベースロード電力
東エリア ベースロード電力
西エリア 日中ロード電力
東エリア 日中ロード電力
立会時間
[日中立会] 8:45~15:15 [夜間立会] 16:30~19:00
※日中及び夜間立会の開始時と終了時の1日4回、シングルプライスオークション(板合せ)を実施。その間はザラバ取引を行う。
証拠金額 SPAN証拠金制度により決定
(取引開始日における証拠金額は、9月初旬以降に公表予定)
取引参加者の 建玉制限※1
各限月につき、ネット数量(売り買いの差し引き数量)で
10,000枚 (31日間の限月の場合、744,000MWh相当)
10,000枚 (31日間の限月の場合、744,000MWh相当)
14,000枚 (20日間の限月の場合336,000MWh相当)
14,000枚 (20日間の限月の場合336,000MWh相当)
委託者の 建玉制限※1
各限月につき、ネット数量(売り買いの差し引き数量)で
5,000枚 (31日の限月の場合372,000MWh相当)
5,000枚 (31日の限月の場合372,000MWh相当)
7,000枚 (20日の限月の場合168,000MWh相当)
7,000枚 (20日の限月の場合168,000MWh相当)
SCO注文
西エリアと東エリアのベースロード電力の同限月同士の組合せ (15シリーズ)
・呼値は『東エリア-西エリア』により計算
西エリアと東エリアの日中ロード電力の同限月同士の組合せ (15シリーズ)
・呼値は『東エリア-西エリア』により計算
電力先物の取引要綱②
※1 建玉数量の制限とは、「特別なヘッジ認定を受けなくても保有できる建玉数(ポジション数)」のことです。 ヘッジャーである電力会社は、「ヘッジ玉取扱要領」に基づきヘッジ認定を受ければ、建玉制限を超えて建玉を保有することが可能です。
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電力先物の取引要綱③ 2
東エリア/西エリア ベースロード電力
限月 取引開始日 取引最終日 最終決済日 取引単位 暦日数
2019年 9月限 2019/09/17 2019/09/27 2019/10/01 72,000 30
2019年10月限 2019/09/17 2019/10/30 2019/11/01 74,400 31
2019年11月限 2019/09/17 2019/11/29 2019/12/02 72,000 30
2019年12月限 2019/09/17 2019/12/30 2020/01/06 74,400 31
2020年 1月限 2019/09/17 2020/01/30 2020/02/03 74,400 31
2020年 2月限 2019/09/17 2020/02/28 2020/03/02 69,600 29
2020年 3月限 2019/09/17 2020/03/30 2020/04/01 74,400 31
2020年 4月限 2019/09/17 2020/04/28 2020/05/01 72,000 30
2020年 5月限 2019/09/17 2020/05/29 2020/06/01 74,400 31
2020年 6月限 2019/09/17 2020/06/29 2020/07/01 72,000 30
2020年 7月限 2019/09/17 2020/07/30 2020/08/03 74,400 31
2020年 8月限 2019/09/17 2020/08/28 2020/09/01 74,400 31
2020年 9月限 2019/09/17 2020/09/29 2020/10/01 72,000 30
2020年10月限 2019/09/17 2020/10/30 2020/11/02 74,400 31
2020年11月限 2019/09/17 2020/11/27 2020/12/01 72,000 30
2020年12月限 2019/09/30 2020/12/30 2021/01/04 74,400 31
2021年 1月限 2019/10/31 2021/01/29 2021/02/01 74,400 31
2021年 2月限 2019/12/02 2021/02/26 2021/03/01 67,200 28
2021年 3月限 2020/01/06 2021/03/30 2021/04/01 74,400 31
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電力先物の取引要綱④ 2
東エリア/西エリア 日中ロード電力
限月 取引開始日 取引最終日 最終決済日 取引単位 平日数 休日相当の日
2019年 9月限 2019/09/17 2019/09/27 2019/10/01 22,800 19
2019年10月限 2019/09/17 2019/10/30 2019/11/01 26,400 22 (注)
2019年11月限 2019/09/17 2019/11/28 2019/12/02 24,000 20
2019年12月限 2019/09/17 2019/12/26 2020/01/06 24,000 20 12/30,31
2020年 1月限 2019/09/17 2020/01/30 2020/02/03 22,800 19 1/2,3
2020年 2月限 2019/09/17 2020/02/27 2020/03/02 21,600 18
2020年 3月限 2019/09/17 2020/03/30 2020/04/01 25,200 21
2020年 4月限 2019/09/17 2020/04/27 2020/05/01 24,000 20 4/30
2020年 5月限 2019/09/17 2020/05/28 2020/06/01 20,400 17 5/1
2020年 6月限 2019/09/17 2020/06/29 2020/07/01 26,400 22
2020年 7月限 2019/09/17 2020/07/30 2020/08/03 25,200 21
2020年 8月限 2019/09/17 2020/08/28 2020/09/01 24,000 20
2020年 9月限 2019/09/17 2020/09/29 2020/10/01 24,000 20
2020年10月限 2019/09/17 2020/10/29 2020/11/02 26,400 22
2020年11月限 2019/09/17 2020/11/27 2020/12/01 22,800 19
2020年12月限 2019/09/30 2020/12/28 2021/01/04 25,200 21 12/30,31
2021年 1月限 2019/10/31 2021/01/28 2021/02/01 22,800 19
2021年 2月限 2019/11/29 2021/02/25 2021/03/01 21,600 18
2021年 3月限 2019/12/27 2021/03/30 2021/04/01 27,600 23
(注)10月22日は休日になったものの、平日扱いとしています。
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電力先物取引の特徴
• 電力先物では現物の受渡しはありません。
• 取引は全て、最初に取引した価格と最後に決済した価格の差額を金銭で授受して終了します。
• 電力先物とJEPXスポット取引を併用することで、将来の価格を固定しながら現物調達・販売が可能です。
• 電力先物では、電力会社だけではなく、国内外の金融プレーヤーも参加可能です。
• 取引所のメンバー以外も、商品先物取引業者に口座を開設して取引に参加することが可能です。
• 電力先物では、取引にあたって、売り手も買い手も、取引の担保金である証拠金を預託する必要があります。
• 電力先物では、毎日、全ての建玉価値をその日の値段で洗い替え(値洗い)して、評価損(値洗損)が生じたほうから評価益(値洗益)が生じたほうに金銭が移動します。
• 電力先物は、全て匿名で取引されますが、清算機関(クリアリングハウス)が、取引のカウンターパーティとなって取引の履行を保証するため、取引相手の与信リスクを気にする必要はありません。
• 電力先物の取引を行わなくても、クリアリング機能だけを利用するOTCクリアリングも可能です。
現金決済取引 多様な参加者・取引形態
清算機関が取引履行保証 証拠金と値洗い
電力先物取引は、将来のJEPXスポット市場における販売・購入価格を、予め決める取引ですが、以下のような特徴があります。
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• 商品先物取引法では、相場操縦を目的とする不公正な取引行為を禁止しています。
• 取引所は、市場で行われたすべての取引(発注、取消、訂正及び約定)や建玉状況を把握しており、不公正な取引の有無について調査しています。
• 電力先物取引では、卸電力市場と同様にインサイダー規制が導入されます。
• 公表前の重要事実(インサイダー情報)に基づくインサイダー取引はインサイダー規制の対象となりますのでご注意下さい。
• 電力先物取引については、法人のみが取引に参加できます。
• 取引を受託する商品先物取引業者は取引の受託にあたって確認が求められます。
電力先物取引における注意点
不公正取引の禁止
インサイダー規制 法人のみが参加可能
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5 電力先物取引の参加方法
電力先物市場には、以下のいずれかの方法によって参加することが可能です。
TOCOMの取引参加者資格とJCCHの清算参加者資格を 取得して、「自己取引・自己清算」を行う方法
TOCOMの取引参加者資格を取得し、商品先物取引業者に口座を開設して「委託取引」を行う方法
TOCOMの取引参加者資格もJCCHの清算参加者資格も取得せず、商品先物取引業者に口座を開設して「委託取引」を行う方法
参加方法1 参加方法2 参加方法3
電力会社・金融機関等
取引参加者 & 清算参加者
電力先物に対応する
ソフトウェアベンダー
(ISVS)
電力会社・金融機関等
取引参加者 & 非清算参加者
商品先物取引業者
受託取引参加者 & 清算参加者
電力会社・金融機関等
非取引参加者 & 非清算参加者
商品先物取引業者
受託取引参加者 & 清算参加者
・ISVS
・対面、電話
・ISVS
・対面、電話
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受託取引参加者(取引所のメンバー) ホームページ 連絡先
岡地株式会社 担当:エネルギー部 宇戸
TEL: 03-3249-9041 MAIL: [email protected]
岡安商事株式会社 TEL: 06-6222-0001
株式会社コムテックス TEL: 06-6543-2118
サンワード貿易株式会社 TEL: 03-3260-0211
日産証券株式会社 TEL : 03-5623-5028 MAIL: [email protected]
フィリップ証券株式会社 TEL : 03-4589-3303 MAIL:[email protected]
豊商事株式会社 TEL: 03-3667-5262
取次者※1 ホームページ 連絡先
SBIフューチャーズ株式会社 https://www.sbifutures.com/ MAIL:[email protected]
商品先物取引仲介業者※2 ホームページ 連絡先
岡藤日産証券プランニング株式会社 TEL: 03-5542-5103
電力先物に対応する商品先物取引業者等
※1 「取次者」とは、東京商品取引所の受託取引参加者に注文を取り次ぐ業務を行う商品先物取引業者
※2 「商品先物取引仲介業者」とは、商品先物取引業者のために媒介を業として行う業者
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<参考>TOCOMの取引資格制度について
取引資格区分 概 要 資格要件※1
国内
市場取引参加者 自己の計算による取引が可能 ・ 上場商品の売買等を業として行なっている当業者
・ プロップハウス、金融機関他
受託取引参加者 自己の計算による取引及び委託者の計算に
よる取引が可能 ・ 商品先物取引業者
海外
遠隔地 市場取引参加者 自己の計算による取引が可能 市場取引参加者と同様
遠隔地 仲介取引参加者
自己の計算による取引及び海外顧客の計算による取引が可能
外国の規制当局からFutures Commission Merchant(FCM)等の許可を得ている外国商品先物取引業者
TOCOMの取引資格は、 当該取引参加者が、①日本国内に所在する場合、または、②海外に所在するの区分と、①自社の取引のみ行う場合、または、②顧客の取引を受託する場合(商品先物取引業の許可が必要。)の区分によって4つに分類されます。
※1 債務超過でないこと又は監査報告書において疑義が呈されていないことなど、営む事業について継続性が認められることも要件となります。
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<参考>TOCOMの取引資格にかかる費用・預託金について
取引資格にかかる費用について、資格取得時には信認金(資格喪失時に返還します)の預託と取引資格取得料の納付が必要となります。その後、毎月の会費としての定額参加料と、取引の都度、定率参加料が発生します。
ゴム 貴金属 農産物 エネルギー
中京石油 石油 電力
信認金 (資格喪失時に返還)
100万円 300万円 100万円 100万円 100万円
取引資格取得料 1,000万円 1,000万円 1,000万円 1,000万円
(電力の試験上場期間中は無料) 1,000万円
定額参加料
市場取引参加者 遠隔地仲介取引参加者 遠隔地市場取引参加者
5万円/月 5万円/月 5万円/月 5万円/月 3万円/月
受託取引参加者 6万円/月 6万円/月 6万円/月 6万円/月 4万円/月
定率参加料
取引: 下記以外商品 59円/枚 ミニ、スポット 20円/枚
オプション 12円/枚 受渡: 144円/枚
取引: 下記以外商品:59円/枚 原油:74円/枚 スワップ・ローリー:20円/枚 受渡:144円/枚
取引: 0.002円/kWh
取引:20円/枚 受渡:144円/枚
※ 取引資格取得料、定額参加料及び定率参加料には消費税が発生します。 ※ 直接取引を行う際には別途、取引システム関連諸費用がかかります。 ※ 定率参加料について、直接取引を行わない場合は、取引を委託する受託取引参加者(商品先物取引業者)が提示した手数料額となります。
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<参考>JCCHの清算参加者制度について
※1 商品清算取引とは、清算資格を持たない取引参加者による取引について、取引参加者に代わって清算を行うことです。
※2 純資産額規制比率は、商品先物取引業者にのみ適用されます。
TOCOMの取引参加者のうち、市場で直接取引を行い、自ら清算を行う場合は、JCCHの清算参加者資格を取得する必要があります。
JCCHの清算参加者となるためには、①TOCOMの取引参加者(国内に営業所又は事務所を有するものに限る)になり、②以下の財務要件を満たすことに加え、③次ページで定める清算預託金を預託する必要があります。(清算預託金は、清算資格返上の際に返戻いたします。)
取得基準 維持基準
自社清算
一般的な自社清算の要件 資本金: 3億円以上 純資産額: 20億円以上 純資産額規制比率 200%以上
資本金: 3億円以上 純資産額: 10億円以上 純資産額規制比率 140%以上
現物の取扱実績がある当業者であって親会社の保証を受けている者(商品先物取引業者を除く)の要件
次の親会社による保証を受けていること 資本金:3億円以上 純資産額:50億円以上
同左
親会社から保証を受けている 者の要件
① 次の親会社による保証を受けていること 資本金: 3億円以上 純資産額: 200億円以上 ② 商品先物取引業者である場合には、上記①の要件と併せて以下の要件を満たしていること。 純資産額規制比率※2 200%以上
同左 ただし、純資産額規制比率は140%以上
他社清算
商品清算取引※1を行う 者の要件
資本金 3億円以上 純資産額 50億円以上 5社まで 100億円以上 10社まで 200億円以上 制限なし 純資産額規制比率※2 200%以上
同左
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<参考>清算参加者にかかる諸費用について
費用及び預託額
清算資格取得手数料 10万円 (既存の清算参加者及び他社清算参加者が追加で資格を取得する場合は不要)
清算手数料 電力:0.001円(税別)/kWh(予定)
清算預託金(預託) 下表を参照のこと
金銭のほか、国債、社債、株などをもって充用することができます。清算資格を喪失する際に返戻します。
清算預託金の額
市場取引参加者 受託取引参加者
当初預託額 清算時預託額 累積限度額 当初預託額 清算時預託額 累積限度額
エネルギー市場 5,000万円 石油:10円/枚
電力:0.001円/kWh 10,000万円 5,000万円
石油:10円/枚 電力:0.001円/kWh
10,000万円
清算預託金は、①累積限度額をはじめに一括して預託する方式(一括方式)と、②当初預託額をはじめに預託し、取引の都度、累積限度額に達するまで清算時預託額を積み立てて預託する方式(積立方式)があり、清算参加者はいずれかの方式を選択することが可能です。
上記の清算資格取得手数料や清算預託金の額は、JCCHとJSCCの統合後に変更になる可能性があります。
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¥/kWh
電力スポット価格
?
5
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20
25
¥/kWh
電力スポット価格
1月の購入価格(月間平均価格)を11月時点で固めたい
11円/kWhで買いヘッジ(先物買い)
月間平均:13円/kWhで確定
11円/kWhで買いヘッジ
電力先物利益:2円/kWh
※ 逆に月間平均が9円/kWhで確定した場合は2円/kWhの先物損になるものの、スポット市場で9円/kWhで購入できたので、当初見込んでいた11円/kWhの購入が実現
※ スポット市場で13円/kWhで購入することになったものの、ヘッジ利益のおかげで当初見込んでいた11円/kWhの購入が実現
3ヶ月後
電力先物でヘッジ取引を行うことにより、将来、JEPXから購入/販売する電力の価格を予め固定化して、価格変動リスクを回避することができます。
電力先物取引は金融的取引であり、現物の調達や販売を行うことはできません。しかし、電力先物取引によって価格を固定し、ヘッジ対象月になってからJEPXスポット取引を組み合わせて行うことによって、実質的に「固定価格による調達・販売」が可能になります。
JEPX価格に連動する、再エネの「回避可能費用」のヘッジを行うことも可能です。
電力先物取引の利用例① 価格変動リスクのヘッジ 7
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電力の相対取引等において、取引相手の信用リスクをヘッジすることができます。
① 電力の相対取引では、取引の相手方の信用リスク管理が大きな課題です。
② スワップ取引等の相対契約や、類似施設のプラットフォームで成約した取引を、先物市場の立会外取引(=双方が合意した価格と数量を、取引所に申告するだけで先物建玉を保有できる制度)を利用して、当該契約や取引を先物の建玉に更改し、クリアリングをかけることができます。
③ これにより、清算機関が全ての取引のカウンターパーティー(=取引の債権債務の相手方になること)になり、取引の履行と決済が保証されるため、取引相手の信用リスクから解放されます。
※ 立会外取引は、海外の取引所で行われている「ブロック取引」と同じ制度です。
電力会社A 電力会社B
④立会外取引の成立
①相対スワップ契約締結+クリアリングの合意
受託取引参加者D
B社 口座
②立会外取引の申告(売) ・合意した固定価格・数量
②立会外取引の申告(買) ・合意した固定価格・数量
受託取引参加者C
A社 口座
電力先物取引の利用例② 立会外取引による信用リスクのヘッジ 7
証拠金・値洗い 証拠金・値洗い
③立会外取引の 申告(売)
③立会外取引の 申告(買)
⑤先物売建玉 ⑤先物買建玉
①‘類似施設の取引+クリアリングの合意
⑥取引の履行と決済を保証
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電力先物取引の利用例③ 発電マージンのヘッジ 7
電力価格と燃料価格を固定して発電マージンを事前に固定化できます。
① 日本が輸入する原油の約87%は中東産原油で、その価格はドバイ・オマーン原油をベースに決定されており、TOCOMドバイ原油先物と連動しています。したがって、JCC価格とTOCOMドバイ原油価格は密接に相関しています。
② 日本が輸入するLNGの大部分は、JCCをベースとする原油価格連動での契約です。
③ LNG輸入価格の変動リスクをヘッジするツールとして、TOCOMドバイ原油先物が利用できます。
④ 「製品」である電力の販売価格をTOCOM電力先物で固定化し、「燃料」であるLNGの輸入価格をTOCOMドバイ原油先物で固定化することで、実質的に発電マージンを事前に固定することが可能となります。
電力 先物価格
ドバイ原油 先物価格
電力先物取引 による利益
実際の発電 による利益
ドバイ原油先物による利益
トータルの利益
(スプレッド取引開始時点で確定)
発電 マージン
損益計算書
売上高 XX
売上原価
販管費
XX
X
営業利益 YY 原材料にかかる
買いヘッジ
売上高にかかる 売りヘッジ
価格
時間 買いヘッジ
スプレッド
売りヘッジ
19
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• 業務規程について https://www.tocom.or.jp/jp/rule/Market_Rules_190917.pdf
• 受託契約準則について https://www.tocom.or.jp/jp/rule/jyutakukeiyakujyunsoku_20190917_000.pdf
• 東京商品取引所に対応するソフトウェアベンダー(ISVs) https://www.tocom.or.jp/jp/profile/isv/index.html
• 電力先物取引におけるインサイダー規制について https://www.tocom.or.jp/jp/rule/54_denryokuniokeruinsaidakiseinikakakrusaisoku_190917.pdf
• 商品先物取引法における不公正取引 https://www.tocom.or.jp/jp/guide/compliance/selfregulatory/houkaisetu.html
• 東京商品取引所の規則における取引注意事例 https://www.tocom.or.jp/jp/guide/compliance/selfregulatory/extradepractices.html
【お問合せ先】
東京商品取引所 新市場開拓部
Tel : 03-3661-8202
e-mail : [email protected]
<参考> リンク集