認知症治療研究会 | 認知症患者のqol向上を目指す認知症治療 ...  · web...

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Page 1: 認知症治療研究会 | 認知症患者のQOL向上を目指す認知症治療 ...  · Web view9/21/2017  · NON ONLINE NEWS 78 2017.9.15号 臨床医再教育プロジェクト(連載1)

NON ONLINE NEWS 78 2017.9.15号

臨床医再教育プロジェクト(連載1)

医学部

で習わないことは、たくさんある。経営学、スタッフ管理、患者の人心把握術、そして医療の腐敗構造である。

医学生のうちから、医局で製薬会社がもってくる高級な弁当に「被爆」し飼いならされる。新薬を使う医者はエリートと洗脳され、MRの情報にありがたいと思うようになる。テレビの CMでも薬の名前を出さず、国民のために知識を提供してくれると思わせる。いつしか製薬会社は、国民の味方だと信じ込むようになる。製薬会社が、自分たちの利益を考えないはずがない。医療費が高騰しているのは老人が増えたからだけではない。意味のない新薬を使わされ、ひいては製薬会社に巨額な血税が流れているからである。

そのことをもう一度臨床医に知ってもらうための企画を用意した。もちろん、MRの人格そのものを否定するわけではない。北朝鮮にもよい人はいるし、正しい MRはいる。しかし彼らは上にそむけない立場にあることを十分に理解しなければならない。残念ながら、寄付金をもらっている講座の教授で、正しい人はほとんどいない。

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大人の発達障害1 認知症治療研究会関西支部講演会のアンケート結果。

好評 98%8月 27日(日)認知症と大人の発達障害―新たな社会問題―75分。対象者 227名、回収 150(回収率 60%)。河野講演について、大変よい 131(87%)、よい17(11%)、ふつう0、よくない1(1%)、悪い1(1%)、無回答0.

認知症治療研究会なのに、発達障害の話ばかりさせてもらいました。それでも98%の方がよかったと言ってくれたので、私がいまからやらなければならない課題について、認知症社会とは無縁でないことを含めて認められたのではないかと思います。

●大人の発達障害と認知症の関係性がよくわかりました(7) ●目からウロコでした(6) ●自分もADHDではないかと思った(2) ●子供の発達障害は見ているが大人については目からウロコ(2) ●発達障害を専門に診てもらえる医療機関を教えてほしい(2) ●驚きとショックです(2) ●大変内容の濃い話で勉強になりました(2) ●私たちも認知症になる前の性格を聞くと、精神障害ADHDがあるとわかったケースがあります。●今日はモヤモヤしていたものがすっきりしました。●アスペルガー治療ができれば、子供からの虐待も減ると思います●アルコール依存は発達障害というのは新知見 ●認知症の治療=発想の転換=コウノメソッドなのかなと驚きいっぱいでした

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●河野先生のお話は毎回聞くたびにどんどん進化していくので、毎回衝撃をうけていましたが、今回はこれまでの中でも最大級の衝撃でした。●日々の診療の大切さ(学歴、職歴も)を本当に実感しました ●あっという間に時間が過ぎました ●ここ 2 年の間程の間に発達障害のことをよく聞くようになったと思います●介護職に携わる人達は知らない方が多いと思いました●患者様への熱い思いが伝わって感動しました ●認知症と発達障害の視点から観るのは非常に斬新である

●学歴や生活歴、家族関係等、私たちはケアマネ。アセスメントの重要性をさらに感じました ●母が若年性アルツハイマーと診断されましたがADHDかもと思いました ●“発達障害”を考えて、認知症の方に接する必要性があると知りました ●発達障害に踏み込んでいただけただけ本当にありがたいです ●実践してもられるともっと元気な方が増えると思いました ●ここ半年間の集大成を聞かせていただいた ●使命感で活動されており素晴らしいです ●利用者さんをさまざまな視点から見ることができる ●難しい内容でも笑いを交えてくださりとても楽しかったです ●現場や利用者宅のアセスメントで先生のおっしゃることを薄々感じていたが、確信に変わった●大変興味がある内容でした(7)

大人の発達障害2

脳萎縮の強い 70 歳女性。それでもADHDだった。ストラテラ 25mgで

改善。

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この

患者さんが 8 年間名古屋フォレストクリニックに通院してくれたのがすべてだった。愚鈍な私がようやく大人の発達障害を勉強して、彼女が ADHDだと気づくまでの時間をくれた。やっと診断できたのだから、絶対に副作用を出したくない。ストラテラの開始用量は 40mgとされるが、いまは、絶対に逆立ちしても 40mgは出さない。25mgで十分だ。心配なら 10mg2 錠で開始する場合もある。

彼女のADHDアンケートはもはや行っていない。簡単な問診で ADHDとわかるようになったので忙しい外来でアンケートもやらない。ADHDのキャラクター、雰囲気、空気がわかるようになった。きめつけではなく、臨床医の熟練と思ってほしい。すでに ADHD患者は 50名に達した。

大人の発達障害3

ADHDに軽いアルツハイマーが合併した 84 歳女性、という考え方

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2 年半

元気に 1人で通院している高齢者である。いまでも編み物教室の講師をしている。とにかくよくしゃべる人で、改訂長谷川式スケールは 23→19.5→18.5 と脳萎縮も強いのでアルツハイマーには間違いがないのだが、この秘めたる知性と馬力は何だろうと思った。

今度、ボランテイアで 70人分の編み物を作り上げたという。これはむしろ異常なパワーなので、問診をしなおしたらADHDだった。注意スコア7、多動スコア 5.5である。84 歳なのでストラテラ 10mg 錠2錠を朝飲んで、食欲が落ちたら1錠にするように説明して、反応をみることにした。

大人の発達障碍4

HDS-Rが高くて薬を飲み忘れるのは、認知症ではない。

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1 年通

院している 67 歳女性。主訴はもちろんもの忘れだった。初診時、改訂長谷川式スケールは27.アルツハイマー型認知症だと思っていた。6月にADHDだと気づいてストラテラ 40mgを開始。ところが、アスペルガーを合併していたせいか、ものすごく易怒が強まり中止した。途方に暮れた。せっかく診断できたのに。

7月、チアプリド 40日分、レミニール 100日分、ウインタミン 95日、L チロシンが 57 個余っているといった。頭に血が上り、「このやろう」と思った。そこでふと気づいた。改訂長谷川式スケール27の認知症が、こんなに飲み忘れるだろうか?やはり彼女はADHDに間違いないと、逆に思った。改訂長谷川式スケールをやりなおすと28だった。

ほかの薬は全部やめていいからストラテラ25mgだけ飲みなさいと命令した。ADHDの人に複雑な指示をしてはいけない。認知症より記憶できないのだから。25日後、頭がすっきりした と笑顔だった。こんごはストラテラ10mg夕を追加。

28日後、頭につまっていたものはすべてなくなった、と表現した。そして写真のダブルV サインを見せてくれたのである。コウノメソッドは、結果オーライの医療ではあるが、発達障害と認知症の鑑別診断は、絶対に間違えてはならない。使う薬の系統が違うからである。初診患者はとりえず全員 ADHDだと思って問診することである。(整理整頓できたか、衝動買いしたか、友達少なかったか、学歴は比較的高いか)

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大人の発達障碍5

ADHDは時計描画テスト(CDT)でミスをする

軽度認

知障害において認知症とADHDを時計描画で鑑別しようと始めたところ、みごとに裏切られた。2人の男性であるが、平気で描画をミスするのである。これでは仕事もまともにできないと思う。

大人の発達障碍6

名古屋フォレストクリニックでADHDを56人発見。66%に処方

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第1回

集計がまとまった。コンサータは微調整できないので、最近は処方するのが怖くてやめている。18mg 処方して1週間後にまた来てもらうならいいが、それほど暇ではない。もし最初の1カプセルで副作用が出たら、残り6カプセルの薬代が無駄になる。7割を払わされる国民の身にもならないといけない。製造の段階でヤンセンは失敗した。

一方、ストラテラ 40mgで副作用が出たが、25mgでやり直して改善した女性がいた。このような微調整が効くので、ストラテラは使いやすい。仮にコンサータのほうが効く患者が多いと仮定しても医者が怖くて出せない。

精神病1

12 年間通院している 85 歳女性。「老人性うつ病」と思われる。

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は じ

めのうちは、認知症の夫を共和病院に連れてきていた女性である。彼女が 73 歳のときに、自分も認知症かもしれないということで初診した。そのときの改訂長谷川式スケールは 19.5で、てっきりアルツハイマー型認知症だと思っていた。

ところが、12 年経過して改訂長谷川式は24である。これは進行性と言う認知症の定義にはあてはまらない。彼女の決まり文句は「寂しい」である。これは不安とは違う。寂しいと連呼する、子どもに電話をかけ続ける老人はいったい何かと思い、調べたら老人性うつ病であろうと思われた。

彼女の診断名は、DLB→LPC→VD-MCI+老人性うつ病 とめまぐるしく変化してきた。お恥ずかしい限りである。遅延再生は 6 点なのでアルツハイマー型認知症はきわめて考えにくい。謎の患者の病名がようやく固まりつつある。

精神病2

軽度統合失調症の幻聴を一発改善

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60 歳

女性。50のときから双極性障害と言われていた。幻聴で夜叫ぶので夫が寝られないということで来院。てんかんを疑われたこともあったが真偽は不明である。当院を選んだのは口コミだった。

見た目は、レビー感、ピック感なく問診から ADHDも否定された。改訂長谷川式スケールは24.5で時計描画テスト(CDT)は満点(9/9)。CTで脳萎縮なし。統合失調症と判断し、リスパダール 1mg×2、ニトラゼパム 5mg(寝る前)、100Mを 2 本推奨して 1か月後、一発改善だった。

ただ、足のだるみが出たらしいので、100Mによる抑制系節約効果を期待して、リスパダールの朝を 0.5mgにしておいた。

精神病3

統合失調症の振戦がN-アセチルシステインで解消

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高齢化

社会なので、老人の統合失調症もやってくる。彼女は猛烈にプレコックス感がある。つまり、なんとも言えない嫌な感じ(松下正明先生)を醸し出す統合失調症の雰囲気である。これは直訳すると初老期認知症の意味だそうだが、伝統的に精神科学では、統合失調症の空虚で相手に同調しない冷酷な感じのことをいう。彼女は笑ったことがない。

彼女はADHDではないことを確かめたが海馬萎縮もきっちりしていてアルツハイマー型認知症の兄弟例であって、統合失調症崩れの認知機能低下だけではない。なかなか記憶は改善できないが、振戦がMACで止まったのは朗報であった。薬の副作用を薬で消そうとするのは、実につらいことだからである。そして NACを飲んでおけば、何かしら他にもいいことが起きそうである(抗酸化物質だから)。

精神病4

レビー小体型認知症のうつ状態ではなく、非定型うつ病だったのか?

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5年半

の通院で改訂長谷川式スケールは19から27になった。思い返せば、もともと睡眠薬を12年飲んでいた人である。現在、抗認知症薬はメマリーだけとなっているが、これは不要ではないかと思われる。

CTを見直すと前頭葉は結構萎縮しており、この初診患者が改訂長谷川式スケール19だったら、今の私でもまた認知症と誤診するだろう。どうすればいい?

前頭側頭葉変性症(FTLD)1

ちまき図鑑

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家族が

枚方市のK医大精神科に名古屋フォレストクリニックへの紹介状を依頼してもってきた。診断は前頭側頭葉変性症(FTLD)と正しく、抗認知症薬を処方していなかったので、ましである。しかし激しい陽性症状に抑肝散だけで対応しようとしており、収まるはずがない。コントミン3錠を処方し、フェルラ酸含有食品(弱)を推奨しておいた。側脳室体部がみごとな ちまき形状だったのでここに紹介する。

相手に対する暴力はないので、眼窩面萎縮をみたいところだが、持ち込みのCTなのでわからない。大学なのに水平断しかないところが悲しい。前頭葉皮質も激しく萎縮し、しかも左右差がある。前頭側頭葉変性症(FTLD)の所見以外のなにものでもない。ヌーとした表情で音もなく入室してきたので、すぐにピックとわかった。

前頭側頭葉変性症(FTLD)2

薬全廃で改善したピック病

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医師と

しては、敗北感たっぷりの話であるが、長年治療してきた認知症の薬を全部やめたらとてもいい感じになることがある。問題行動を抑えてきたのだから、その時々では処方が役に立っていたのは間違いないのだが、やがて進行か薬の副作用なのかわからなくなってくる。

彼女は陽性症状が強くなり、息子さんの要求でウインタミンを増やしたのだが、彼女は弱ってきて薬が相対的に強すぎる時期がきた。息子はウインタミンもレミニールをやめてみたという。そうしたら疎通性がよくなったという。

サプリメントをずっと飽和状態にしていたから、底に落ちなかったという解釈もできる。サプリメントのおかげであるという証明も難しい。残念ながら結果オーライと言うことになった。

おそらく、息子さんが強迫的な性格なら絶対薬はやめなかっただろうが、仏教的な思想の彼だからやめてみるかという発想になったのだと思う。医師も学ぶところが多い。

サプリメント1(フェルラ酸含有食品)

認知症でなくなった「フロンタルおばさん」

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初診時

から 1人でやってくる女性。改訂長谷川式スケールは23で絶対に治療しないといけないレベルだったが、サプリメントだけでいいというので、その後年に 1回来ていた。その結果、HDS-Rは28.5まで上昇してMCIになってしまった。

前頭葉は結構萎縮しているが、脳回の矮小化はなく、かといってフロンタルレビーの症状もない。私はフロンタルおばさんと呼んでいた。いろいろと友達も増えたと言っていたので環境がよかったのだろうが、フェルラ酸含有食品で改善したとすれば大したものだ。

HDS-Rはいつも遅延再生が満点だったのでアルツハイマー型認知症ではないと思っている。5年間でHDS-Rが5.5上がるATDなどいないだろう。

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脳回の

矮小化が、いかに激烈かはスライドに比較して示した。57 歳女性である。これだけ強く萎縮すると当然無言症、感情不安定で怒ったり泣いたり(二度童)である。関西から通ってくれているが、治しようがないので困っている。陽性症状制御だけは、しっかりさせてもらっているのだが。

サプリメント2(DLPA)

足が出ない変性疾患に、ノルアドレナリン前駆体高用量が効果

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75 歳

女性。5か月前から通院。前医ではMIBG心筋シンチを行い「わからない」と言われたという。おそらく正常だったのでパーキンソン病とレビー小体型認知症が否定的ということだろう。メネシット 300mgが出されていた。

グルタチオン点滴が効くので 10日ごとに来院しているが、最初の一歩がまったく出ないのでイメージ的には PSP-PAGFなのだが、CT所見はCBDパターンである。MSAとの証拠はまったくない。構音障害が明確で、ひもを結ぶのが遅い。

おそらく保険薬では治せないと感じていて、結局 DLPAが効いた。500mgと 1000mgのカプセルが販売されているが、2000mgを使ったのはこの患者が初めてである。

コウノメソッド1

マスコミは、すでにドネペジル=興奮系を常識と悟った

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中日新

聞は、ドネペジルの興奮性を記事にしたが、新井平伊氏が、やはり世の動きを逆向させる反論をしていた。一方の論者だけを掲載するのは、マスコミの報道の均等性からはずれるのだが、すでにドネペジル=興奮剤が世の常識になったのだから それを説明する医師は不要と言うことなのだろう。

薬の減量は主治医に相談、と書いてあるがバカに相談してどうなるのだろう?きれいごとを書いても記事として役には立たない。各方面に波風を立てたくないという編集長の意向なら、最初から書く必要もない。この日は紙面が余っていたのだろう。炎上する新聞もみっともない。

神田川講義 連載6

専門医たる者、気を緩めずに診療にあたれ

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