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Page 1: 「読み方を学ぼう」一覧 - 三省堂 総合ウェブサイト(SANSEIDO ... · 2020. 4. 22. · 「読み方を学ぼう」では,文章を正確に読み解き,深く読み味わうための「技」や「こつ」

学年 読み方 教科書で取り上げた教材 こんなときに使える(一例)

❶ 説明文の基本構造 クジラの飲み水「間の文化」「フロン規制の物語」「『文殊の知恵』の時代」などの説明的文章を読むとき

1年

❷ 人物相関図 空中ブランコ乗りのキキ「握手」「坊っちゃん」などの物語や小説,随筆を読むとき

❸ 行動描写 字のない葉書「握手」「故郷」「坊っちゃん」「おくのほそ道」などの物語や小説,随筆を読むとき

❹ 三角ロジック 玄関扉「間の文化」「フロン規制の物語」「情報社会を生きる」などの説明的文章を読むとき

❺ 詩の表現技法 それだけでいい「岩が」「初恋」「さくら(独唱)」などの詩や小説,短歌・俳句を読むとき

❻ 情景描写 トロッコ「故郷」「おくのほそ道」「高瀬舟」などの物語や小説,詩,随筆を読むとき

❼ 要約 意味と意図「間の文化」「情報社会を生きる」「『文殊の知恵』の時代」などの説明的文章を読むとき

❽ 語り手・視点 少年の日の思い出「岩が」「握手」「故郷」「坊っちゃん」などの物語や小説,詩,随筆を読むとき

❶ 人物設定 セミロングホームルーム「握手」「故郷」「坊っちゃん」「高瀬舟」などの物語や小説を読むとき

❷ 発展的な論の展開 人間は他の星に住むことができるのか

「間の文化」「フロン規制の物語」「情報社会を生きる」などの説明的文章を読むとき

2年

❸ 想像 短歌の世界/短歌十首「岩が」「初恋」「故郷」「希望」などの小説や詩,短歌・俳句,随想を読むとき

❹ 図表と文章 一〇〇年後の水を守る「フロン規制の物語」などの説明的文章を読むとき,理科や社会科などの資料を読むとき

❺ 物語の転換点 平家物語「故郷」「坊っちゃん」「サシバ舞う空」などの物語や小説を読むとき

❻ 象徴 小さな手袋「握手」「故郷」「坊っちゃん」「高瀬舟」「初恋」などの小説や詩,短歌・俳句を読むとき

❼ 例示 動物園でできること「間の文化」「フロン規制の物語」「『文殊の知恵』の時代」などの説明的文章を読むとき

❽ 心内語 走れメロス「握手」「故郷」「坊っちゃん」「高瀬舟」などの物語や小説を読むとき

❶ 回想 握手「故郷」「希望」「高瀬舟」などの物語や小説,随想を読むとき

3年

❷ 批判的な読み 間の文化「フロン規制の物語」「情報社会を生きる」などの説明的文章を読むとき

❸ 省略 俳句の世界/俳句十句「岩が」「おくのほそ道」「論語」「初恋」などの小説や詩,短歌・俳句を読むとき

❹ 具体と抽象 フロン規制の物語「間の文化」「情報社会を生きる」「『文殊の知恵』の時代」などの説明的文章を読むとき

❺ 状況・背景 おくのほそ道「希望」「故郷」「論語」などの小説や詩,短歌・俳句,随想を読むとき

❻ 反復 故郷「握手」「初恋」「高瀬舟」などの小説や詩,短歌・俳句を読むとき

 「読み方を学ぼう」では,文章を正確に読み解き,深く読み味わうための「技」や「こつ」

を3年間で 22種類示しました。この「技」と「こつ」を応用したり組み合わせたりしなが

ら何度も使うことで,文章を読み解く力や物事を考える力が向上します。

 さらに,取り上げた「読み方」以外にも,自分の考えを深めたり,表現したりする方法を

自覚的に活用することへと広がります。

※ここでは,3年の教材での活用例を示しています。

この資料は,一般社団法人教科書協会が定めた「教科書発行者行動規範」に則って作成しています。

例例

例例

例例 例

説明文の基本構造

詩の表現技法

人物相関図

行動描写

要約

三角ロジック

語り手・視点

情景描写

クジラの飲み水

それだけでいい

空中ブランコ乗りのキキ

字のない葉書

意味と意図

玄関扉

少年の日の思い出

トロッコ

▼基本構造を捉えると、説明

の道筋や要点がよくわかる。

▼表現技法に着目して詩を読

むと、読者の心を揺さぶる

仕掛けが理解できる。

▼人物相関図を作ると、物語

の全体像や展開のしくみが

よくわかる。

▼行動描写に着目して読むと、

小説や随筆の登場人物の心

情がより深く捉えられる。

▼要約する力をつけると、文

章や話の中心的な内容がつ

かめる。

▼主張と事実と理由づけの三

つを区別することで、論理

的に文章を読み解くことが

できる。

▼語り手と視点に着目して読

むと、作品の仕掛けがより

深く理解できる。

▼情景描写を読み解くと、直

接書かれていない心情がよ

り深く捉えられる。

●「間の文化」「フロン規制の物

語」「『文殊の知恵』の時代」な

どの説明的文章を読むとき

こんなときに使える

●「岩が」「初恋」「さくら(独唱)」

などの詩や小説、短歌・俳句を読

むとき

こんなときに使える

●「握手」「坊っちゃん」などの物

語や小説、随筆を読むとき

こんなときに使える

●「握手」「故郷」「坊っちゃん」

「おくのほそ道」などの物語や

小説、随筆を読むとき

こんなときに使える

●「間の文化」「情報社会を生き

る」「『文殊の知恵』の時代」な

どの説明的文章を読むとき

こんなときに使える

●「間の文化」「フロン規制の物

語」「情報社会を生きる」など

の説明的文章を読むとき

こんなときに使える

●「岩が」「握手」「故郷」「坊っちゃ

ん」などの物語や小説、詩、随

筆を読むとき

こんなときに使える

●「故郷」「おくのほそ道」「高瀬

舟」などの物語や小説、詩、随

筆を読むとき

こんなときに使える

読み方を学ぼう 11年読み方を学ぼう 51年

読み方を学ぼう 21年

読み方を学ぼう 31年読み方を学ぼう 71年

読み方を学ぼう 41年読み方を学ぼう 81年 読み方を学ぼう 61年

人物設定

発展的な論の展開

セミロングホームルーム

人間は他の星に住むことが

できるのか

▼人物設定の仕方を捉えると、

小説の内容とストーリー展

開の仕掛けをより深く理解

できる。

▼発展的な論の展開を捉える

ことで、筆者の説明の道筋

や表現の工夫がわかる。

●「握手」「故郷」「坊っちゃん」

「高瀬舟」などの物語や小説を

読むとき

こんなときに使える

●「間の文化」「フロン規制の物

語」「情報社会を生きる」など

の説明的文章を読むとき

こんなときに使える

読み方を学ぼう 12年

読み方を学ぼう 22年

想像

図表と文章

短歌の世界/短歌十首

一〇〇年後の水を守る

▼想像する力を鍛えると、

詩・短歌・俳句や小説が、

より鮮やかに読み味わえる。

▼文章と図表の対応を確かめ

ることで、筆者の考えや考

えのもととなる事実を的確

に理解することができる。

●「岩が」「初恋」「故郷」「希望」

などの小説や詩、短歌・俳句、

随想を読むとき

こんなときに使える

●「フロン規制の物語」などの説

明的文章を読むとき、理科や社

会科などの資料を読むとき

こんなときに使える

読み方を学ぼう 32年

読み方を学ぼう 42年

「読み方を学ぼう」一覧

令和3年度版

『現代の国語』

令和3年度版 中学校国語教科書

内容解説資料

三省堂

03中国_内容見本投げ込み資料.indd 1-4 2020/03/11 11:58

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例 例

例例

例示

物語の転換点

象徴

心内語

動物園でできること

平家物語

小さな手袋

走れメロス

▼例示の効果を意識して具体

例を読むと、筆者の主張を的

確に把握することができる。

▼物語の転換点に気をつけて

読むと、物語の展開の巧み

さとその効果が理解できる。

▼象徴のはたらきに気づくと、

直接書かれていない思いや

価値を読み解くことができ

る。

▼心内語に気をつけて読むと、

読み手の心情を登場人物に

引き寄せるしくみがわかる。

●「間の文化」「フロン規制の物

語」「『文殊の知恵』の時代」な

どの説明的文章を読むとき

こんなときに使える

●「故郷」「坊っちゃん」「サシバ

舞う空」などの物語や小説を読

むとき

こんなときに使える

●「握手」「故郷」「坊っちゃん」

「高瀬舟」「初恋」などの小説や

詩、短歌・俳句を読むとき

こんなときに使える

●「握手」「故郷」「坊っちゃん」

「高瀬舟」などの物語や小説を

読むとき

こんなときに使える

読み方を学ぼう 72年 読み方を学ぼう 52年

読み方を学ぼう 62年読み方を学ぼう 82年

例例

例例 例

例 批判的な読み

具体と抽象

回想

状況・背景

省略

反復 間

の文化

フロン規制の物語

握手

おくのほそ道

俳句の世界/俳句十句

故郷

▼批判的に読むことで、筆者の論

理の展開や表現の工夫を捉えた

り、自分の考えを確かなものに

したりすることができる。

▼具体と抽象を意識して読む

と、文章の内容をより論理

的に理解することができる。

▼回想に注意してできごとの

順序を整理すると、作品の

構造と展開が明確につかめ

る。

▼状況や背景をふまえて小

説・随筆を読むと、より広

く、深い読解が可能になる。

▼省略の技法を理解し、想像

で余白を補うと、俳句や短

歌がより深く読み味わえる。

▼反復に着目して読むと、作

品全体への理解をより深め

ることができる。

●「フロン規制の物語」「情報社会

を生きる」などの説明的文章を

読むとき

こんなときに使える

●「間の文化」「情報社会を生き

る」「『文殊の知恵』の時代」な

どの説明的文章を読むとき

こんなときに使える

●「故郷」「希望」「高瀬舟」など

の物語や小説、随想を読むとき

こんなときに使える

●「希望」「故郷」「論語」などの

小説や詩、短歌・俳句、随想を

読むとき

こんなときに使える

●「岩が」「おくのほそ道」「論語」

「初恋」などの小説や詩、短歌・

俳句を読むとき

こんなときに使える

●「握手」「初恋」「高瀬舟」など

の小説や詩、短歌・俳句を読む

とき

こんなときに使える

読み方を学ぼう 23年読み方を学ぼう 43年

読み方を学ぼう 13年読み方を学ぼう 53年 読み方を学ぼう 33年

読み方を学ぼう 63年

◎「読み方を学ぼう」活用のために 「読み方を学ぼう」は、「学びの道しるべ」の課題に関連づけ

て、その教材に適した読みの方略を示しています。ここでは、

授業の中で活用していただく際のポイントを示しました。

人物相関図(1年「空中ブランコ乗りのキキ」)

●人物の配置を示すときの円や四角などの「大きさ・形・色」の工夫は、

それぞれの登場人物をどう読んだかに関連する。また、矢印の「向き・

     

三角ロジック(1年「玄関扉」)

●「主張」「事実」「理由づけ」の三点に分析することによって、筆者の論

理の組み立てを視覚的に整理することができる。

太さ・色・線の種類」などは、人物どうしの関係をどう捉えたかを反映

する。

●捉えたことを言語化し、矢印などにも言葉(「プレッシャー」「気遣い」

「ライバル」など)を加えることで、物語の内容と構造を表現しながら

理解を深めていくことができる。

●読解したことを「ひとめで見える形」にすることは、協働的問題解決に

有効な方法である。視覚化された具体的な方略を自覚的に用い、その読

解効果を他者と交流しながら確かめることで、学習者は「わかる」「使

える」という実感を得ながら読解力を高めていくことができる。

  他の学習場面で活用できる!

 「竹取物語」での活用例

●日常の会話をはじめとする言語活動の実態としては「理由づけが示され

ない主張」が多い。「理由づけ」が省略される理由の一つには、その認

識や価値観が「共通で当たり前」である(と思い込んでいる)ため、わ

ざわざ表に出さないことがあげられる。

●文章においても、「理由づけ」が本文中に必ずしも示されているわけで

はない。そのため、筆者の「理由づけ」(隠れた前提)を推測しながら

顕在化することがポイントになる。

●筆者の論理を分析・整理するだけでなく、自分の考えを組み立てるツー

ルに活用することで、三角ロジックはより有効なものになる。

  他の学習場面で活用できる!

 書くこと「論説文」での活用例

 ポイント 

•全ての登場人物を書き出す必要はない。

•登場人物どうしの共通点に着目して,枠で

囲ってグループにまとめて整理する。

 ポイント 

•主張を支える部分を「事実」と「理由づ

け」に分けて考える。

•「事実」は,複数あげて,その中で特に説得

力が高まるものを選ぶようにする。

•選んだ事実がどのように主張を支えるかを

考えて,理由づけを明確にする。

例1

例2

・ この 40年間で野生動物が58%減少した。

・ 動物園の動物の8割以上が動物園生まれだ。

動物園の動物は,自然に帰すべきではない。

動物園は,「野生動物の保護」という役割を担にな

っているから。

理由づけ

主張

事実

求婚者

頭中将

兵士たち

父母

育てる

対立

天人たち

迎えに来る

富士山

月の都の人々

求婚者

求婚者

求婚者

くらもちの皇子

五人の貴公子

手紙

求婚

にせの玉の枝

手紙

薬羽衣

燃やしに行く

かぐや姫

03中国_内容見本投げ込み資料.indd 5-8 2020/03/12 11:15

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