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令和2年度 学校経営方針
東村山市立南台小学校 校長 栗原 康裕
新型コロナウイルス感染による年度当初の数か月にも及ぶ教育活動の空白と,今後もそ
の懸念が払拭てきない令和2年度の学校教育は危機的状況です。
しかし,このようななかでも第一に考えなければいけないことは,学校は子供のために
あるということです。学校は子供たちにこれからの時代を生き抜く力「生きる力」を育ん
でいくことに変わりはありません。
(1)学校の教育目標の達成に努める
人間としての調和がとれ,心身共に健康で,主体的に学ぶことができる児童の
育成を目指します。
◎やさしい子 ○たくましい子 ○まなびあう子
(2)こんな学校を目指します 【笑顔あふれる南台小】
「かよって良かった南台小」
○ 分かる楽しさ,できる喜びを十分に味わわせます。
自ら学ぶ楽しさを身に付けさせます。何を学んだかよりどのように学んだ
かを認め励ましていきます。そして分かった達成感やできた成就感を十分に
もたせます。
○ かかわる楽しさを十分に味わわせます。
人は人によって育ちます。人を認めることで自分を知り,人に認められるこ
とで自分を高めます。遊びや学習の中で人とのかかわりを支援していきます。
「かよわせて良かった南台小」
○ 保護者や地域の方々へ積極的に情報を発信します。
学校からの情報をホームページ等で積極的に発信します。また,児童の学
校生活についてはプラス情報を積極的に保護者に伝えます。
○ 保護者や地域の方々の声に謙虚に耳を傾け,期待に応えていきます。
保護者会や学校評価,学校評議員会等において,学校からの一方的な発信で
はなく,意見を相互に交換して期待に応えられるような学校づくりを目指し
ます。
1 はじめに
2 基本方針
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「つとめて良かった南台小」
○ 教える喜びと子供の成長の喜びとを共感できる教職員集団を目指します。
子供たちと向き合う学校に勤めているからこその喜びを大切にします。そ
してそれを全職員で共感できる学校とします。一人一人の子供に対して複数
の目で見ていきます。
○ 全教職員の協力と信頼による学校作りを目指します。
独りで抱え込まず,オープンにしていく姿勢を大切にします。特に学級担任
はいつでも,どこでも,誰にでも開かれた学級とします。学校は特殊な組織で
す。しかし,独りでは解決できないこともあるのは事実ですから,学校の組織
としての機能を高めます。
(3)目指す児童像
『笑顔あふれる南台小の子』
やさしい子 たくましい子 まなびあう子
体育 徳育 知育
~豊かな心と社会性をはぐくむ教育の推進~「やさしい子」
・身体的距離を確保しながらも心理的距離を縮めていくかかわりあいの工夫 ・教師と児童とが向き合う時間の確保による不登校やいじめなどの問題行動
の未然防止。
・特別の教科 道徳を要とした全教育活動を通した道徳教育,人権教育の推
進。
・「いのちとこころの教育」の取組等による生命尊重の精神の醸成。
・新たな人権課題「性同一性障害」をはじめ,偏見や差別,いじめを許さない
指導の徹底。
・ふふふあいさつ運動や中学校参観,児童との交流や異校種訪問等を通した
幼保小中高の連携及び異校種間の円滑な接続の推進。
・自分のよさを自覚し,互いの良さを認め合う場面設定等,自尊感情や自己
有用感の向上
si
3 今年度の学校経営の重点
徳
育
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(1)学力向上
~心と体の健康・安全教育の推進~「たくましい子」
・感染症に対する正しい理解と拡大防止への取組。
・家庭・地域との連携による心身の健康づくりや基本的な生活習慣の定着。
・東京都統一体力テストや南台小アクティブプラン to 2020活用等,
・保護者,地域,異校種,関係諸機関と連携した安全教育の充実。
・入学時,転入時のアレルギー調査の実施や保護者面談を通しての食物アレル
ギー事故の未然防止。
~確かな学力を身に付ける教育の推進~「まなびあう子」
・学習指導要領に基づいた学びの保障とカリキュラムの柔軟な編成。
・主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善推進プランの見直し。
・習熟度別指導の積極的な活用や基礎・基本の確実な定着と活用力の向上。
・全教育活動で言語活動の充実と家庭との連携による言語環境の整備。
・社会科や家庭科の学習を通した消費者教育の推進。
・東村山子ども読書活動推進計画(第三次)に基づいた子供たちが自主的に読
書に取り組む活動の推進。
・東村山市特別支援教育推進計画(第四次実施計画)に基づき,特別支援教室
や副籍交流等の充実を図るなど個に応じた特別支援教育の推進。
<一人一人のよさを生かしながら確かな学力を育む教育を基本に指導にあたります>
① 3年生以上の算数で習熟度別指導を取り入れ,東京ベーシック・ドリルや東村山
市版算数基礎ドリルを活用します。
② 個々の児童の学習状況に応じて前の学年に立ち戻る指導を徹底することを通し
て,基礎・基本の確実な定着を図ります。
③ 目的を明確にした体験的な学習や問題解決型学習を重視し,授業のユニバーサ
ルデザイン化を図ります。
④ 保護者ボランティアや異学年間の読み聞かせ,読書月間,図書集会,地域図書館
の活用などを通して読書活動の充実を図ります。
⑤ 情報教育年間指導計画に基づいて,ICT教育の充実を図るとともに,プログラ
ミング教育を推進します。
⑥ 3年生以上の外国語活動,外国語科を推進し,コミュニケーション能力の向上を
図ります。
まなびあう子・たくましい子
4 教育目標を達成するための具体策
知
育
体
育
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(2)健全育成
(3)健康・体力つくり・安全教育の推進
(4)特色ある学校づくり
<共通理解よりも共通実践を大切にして指導にあたります>
① 「東村山市不登校未然防止・早期発見・早期対応マニュアル」を活用し,早期
発見や未然防止,早期解決等,組織的な対応に努めます。
② いじめを根絶するために,学校いじめ防止基本方針を定期的に見直し,学校い
じめ対策委員会が中心となって年 3回の調査を実施し,早期発見・早期対応を
図ります。
③ 家庭教育の手引き書を活用し,家庭との連携を図りながら基本的な生活習慣の
定着を図り,規範意識を高めていきます。
④ 東村山警察署,東村山消防署や南台小学校避難所運営連絡会と連携し,PTA
の協力のもと,災害や交通安全,不審者,情報モラル,薬物乱用防止教室や安
全マップ作り,危険箇所点検など安全指導を徹底して行うとともに,セーフテ
ィ教室の充実等の活用を図り,自ら安全な生活を送ることができる力を育む防
災教育の徹底を図ります。「ふふふ防災の日」を今年度も実施します。
⑤ 近隣小中学校や幼稚園,保育所,地域等へ学校を開くとともに情報共有を行い,
連携して地域の子を地域で守り,育てる姿勢で取り組みます。
<何といっても第一の財産は健康・安全であることを基本に指導にあたります>
※今年度は感染症に対応した徹底した取組と子供たちへの意識向上を図ることを最優先と
します。
〈異学年交流教育〉
① 年間を通じた全学年での縦割り活動(にじいろ班活動)
② 1,2年生のなかよし班活動や学年間の交流活動
③ 幼・保との交流活動
〈環境教育〉
① 学級園や水田を活用した勤労生産的な活動と活用
② 地域の美化活動,ゴミ減量,節電,リサイクル活動
〈伝統文化教育〉
① 昔遊びや昔のくらしの学習,地域学習,
② お囃子,尺八・箏体験,落語,漫才等
〈食育〉
給食の時間を核とした全教育活動を通しての食育の推進。
~感染症防止の徹底した対応を前提として~
やさしい子・たくましい子
たくましい子
やさしい子・たくましい子・まなびあう子
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(6)環境の整備
(7)校内研修の充実
教師自らの指導力と授業力の向上に努めます。楽しい体育をテーマに授業研究を進
めていきます。もちろん子供たちの「生きる力」をはぐくむためです。
か か わ り
内容的
ゆとり
時間的
ゆとり
空間的
ゆとり
知 育
生きる力
① 人的環境の整備……児童にとって最大の人的環境は教職員です。
→ 目指す教師像 「謙虚な教師」
子供に学び,子供と共に成長します。
「専門性豊かな教師」
自分のキャリアアップを追究します。
「常識的な教師」
誠実で礼儀正しく社会人としての常識を備えます。
「尊敬と信頼される教師」
保護者や地域の方々に対して誠意をもって接します。服務はしっ
かりと守ります。
② 物的環境の整備……自分の家の庭にごみを捨てる人はいません。学校に通うす
べての者(教職員・児童)が自分の家の庭と同じような気持ちで取り組みます。
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「学校のあたりまえとおもっていることを一度疑ってみる」
(1)学校の原点を常に振り返ります。
時間を無視した会議,徹底した指導案検討,校内研究での難しい言葉づくりな
どによって,最も大切な子供たちとの日常がおろそかにならないようにします。
① 一人一人自分の職責をきちんと果たします。
報告・連絡・相談・記録を大切にします。適材適所で
ない分掌でも自分のキャリアアップのチャンスととら
えて取り組みます。
② 会議を効率的に進め,子供たちと向き合う時間を大切に
します。
口頭による連絡のみは控え,別の手段を活用します。
提案事項については,必ず該当する主任や主幹,管理職が事前に承知して
いることを必須とします。
(2)「学校の常識は社会の非常識」を取り除きます。
改善点が明らかになっているのに「昨年度はこうしていました」と前例にとら
われたり,「それは学校評価で」「来年度から実施しましょう」と先送りにしたり
することはやめ,子供たちにとって良いと思ったことはすぐに企画実行してい
きます。
① 一人一人の企画,起案力を高めます。
ボトムアップの考え方で,一人一人が積極的に学校運営に関わるように
します。
② 校務分掌組織に従って決裁を行います。
自分の担当を確認して,積極的に起案,執行します。他の教職員任せにせ
ず,主任教諭による指導助言並びに主幹教諭による指導監督等を受けながら
行います。
(3)「ライフ・ワークバランス」を推進します。
これまであたりまえだと思っていた校務や教育活動を見直します。その際は,
法令遵守の精神で,自ら負荷をかけているようなことはできるだけ取り止めるよ
うにしていきます。
また,月に二度の土曜授業の設定等,授業時数確保
のための増加は,子供たちの生活リズムの不規則化等
による精神的負担のみならず,教職員も週当たりの労
働時間が増えるなど物理的な負担となってきます。
前例にとらわれることなく,より一層効率的な教育
活動が実施できるように配慮していきます。
5 学校運営に関わる方針