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GRACE 衛星重力データによる氷床・陸水変動の研究
総合地球環境学研究所山本圭香
1. 地球の静的重力場の精密決定
2. 地球の時間変動重力場
GRACE ミッションの目的
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E PmSmCk
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)(sin)sincos()1(3
)12(),(
→ 地表および地表下の質量の時間変化
< 精度 > 1 m/s : Range Rate between twin satellites= 10 mm : Mass variation (in water thickness equivalent)
大部分の地球物理学的な現象は質量の移動を伴う→ GRACEから時間変動シグナルとして観測が可能
( どの成分が変動しているか → × , 鉛直構造 → ×)
GRACEが観測する質量変化
= 質量変化するすべての成分の鉛直積分
GRACE temporally varying gravity field
•大気、海洋の短周期成分 → モデルにより除去
•海洋潮汐 , 固体地球潮汐 , 極潮汐 , 大気 → モデルにより除去
One day orbit One month orbit
GRACE monthly solution の誤差
300 km filtered 600 km filteredNon filtered
GRACE から見た質量変化 (Jan to Dec 2006)
: Water Equivalent Thickness [mm]
(1) 陸水研究への利用
陸水の年周変化- GRACEからもっともよく観察できるシグナルの1つ
Comparison of GRACE data with global landwater model( JRA-JCDAS LDA and GRiveT (JLG) model )
→ phase difference ~ 1 month
GRACE がとらえた質量の経年変化トレンド (2002-2008)
Chao Phraya 川流域の質量の経年変化トレンド
* 2005 年はじめあたりまで減少のトレンド、 それ以降はほぼ一定*減少のピークは流域全体でなくバンコク あたりにあるように見える
Our concerns are …•質量変化しているのはどの成分か ?
1) 表層水2) 被圧 / 不圧 地下水3) それ以外の成分
•なぜ変化しているのか ?
1) グローバルスケールの気象 / 気候変動2) 地下水くみ上げなどの人間活動の影響によるローカルな環境変化
70x70 km ( UTM-east_640-710 km 、 UTM-north_1490-1560 km)
120×120km ( UTM-east_600-720 km 、 UTM-north_1480-1600 km )
地下水貯留量、井戸水位とも 2002 年以降に回復傾向→GRACE トレンド( peak point で約 50 mm/yr )は被圧帯水層の地下水貯留量とは対応していない
井戸水位
EnviSat 衛星高度計から観測された河川水位変化
グローバルな水文モデル (JLG) との比較
Red: GRACEBlue: Model (Total TWS)
JLG model のインプット :JMA Climate Data
Assimilation System (JCDAS)( 大気客観解析データ )
→The trend caused by large-scale meteorological or climatological factors.
Variations of total mass of Northern and Southern Hemisphere
GRACE から観測されたグローバルスケールの質量移動
Red: 北半球Green: 南半球
•質量変化しているのはどの成分か ?
1) 表層水2) 被圧 / 不圧 地下水3) それ以外の成分
•なぜ変化しているのか ?
1) グローバルスケールの気象 / 気候変動2) 地下水くみ上げなどの人間活動の影響によるローカルな環境変化
なぜ負のトレンドはチャオプラヤ流域のみで観測され、他のインドシナ河川流域では観測されないのか?→ 土地利用の影響 ?
(2) 氷床研究への利用
Ice Sheet Mass Balanceの研究方法(1)質量収支法 ・ ice-core measurements ・ ice thickness + velocity (by GPS, InSAR)(2)氷床表面の高度変化の測定 ・ air-borne altimetry ・ satellite altimetry
(3) 質量変化の測定 ・ GRACE (2002 - ) →大スケールの変動を質量として直接知ることが可能
問題点・ GRACEから得られるのは半径方向の質量変動の積算・表面質量変動と地球内部の質量変動を分離できない
・南極氷床広大な面積をカバーする地上観測が難しい高緯度のため、使用できる衛星データが少ない
南極の場合
GRACE
表面質量変化 ・積雪 ・蒸発散 ・流出・流入 ・融解
地球内部質量変化Glacial Isostatic Adjustment (GIA)
GRACE トレンド( 2002-2008 )(質量の経年変化)
-34 Gt [mm/yr]
Glacial Isostatic Adjustment (GIA)
http://pangea.stanford.edu/courses/gp025/webbook/08_tectonics.html
IJ05(Ivins, 2009)
ICE-5G(Paulson et al., 2007)
ARC3+ANT5(Nakada et al., 2000)
ARC3+ANT6(Nakada et al, 2000)
Mass change [mm/yr in Water Thickness Eq.], up to degree/order 50
•南極における GIA モデル 広域での地上観測の難しさなどの原因により、他の地域のモデル より、精度が低く、モデル間のばらつきも大きい。
GRACE トレンド(質量の経年変化)
ICESat トレンド(表面高度の経年変化)
GRACE ICESat = GIA の質量変化-
GIA 質量変化+氷床質量変化 氷床高度変化のみ検出と仮定
空間分布が未知
X 氷床密度
氷床の密度 [kg/m3]
新雪20 kg/m3
フィルン350 kg/m3
氷床の最大密度917 kg/m3
0 1000
350
917
917
全域でフィルンを仮定 PIG と南極半島で最大氷床密度、残りはフィルンと仮定
•もう 1 つの拘束条件:GRACE の質量変化トレンド(全球)
スマトラ地震、南極以外の GIA (ICE-5G) を除去すると、
海洋のトレンド: 391 Gt南極以外の陸のトレンド: -207 Gt予想される南極の氷床トレンド: -185Gt
南極の GIA+ 氷床トレンド: -34 Gt予想される南極の GIA トレンド: -34-(-185) = 151 Gt
IJ05ICE-5G
ARC3+ANT5 ARC3+ANT6
•GIA モデルとの比較
151 Gt
162 Gt 4 Gt
99 Gt 40 Gt
<空間パターンの違い>大きな正のトレンドの位置 → LGM の ICE Dome の位置と大きさの分布の仮定 地上データでは ICE-5G のような Ross 海のトレンドはないと予想辺縁部に正のトレンドがある構造 → IJ05 の完新世の氷床の分布の仮定に由来<全体のトレンドの総和の違い> → ICE Dome の大きさの仮定 , あるいは氷床融解史 , あるいは 粘性構造の仮定に由来
GIA model ARC3+ANT5 ARC3+ANT6 ICE-5G IJ05
Ice model (Antarctica)
ANT5 ANT6 ICE-5G IJ05
Lithospheric thickness
100 km 100 km 90 km 100 km
Upper mantle
5x1020 Pa s 5x1020 Pa s 9x1020 Pa s 1x1021 Pa s
Lower mantle
5x1022 Pa s 5x1022 Pa s 3.6x1021 Pa s (1) 6x1022 Pa s(2) 1x1022 Pa s
•GRACE satellite gravity data → Mass variation on and beneath the Earth surface•Observed data by GRACE → Vertical integration of mass variation•Spatial resolution of monthly solution → About 200 – 300 km → useful for the study of global to regional scale landwater variation
Summary