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2021年7月

FUTURE THEMES

ゲノム検査と医療の未来

要旨ゲノム(全遺伝情報)検査はいずれ標準治療になる可能性があります。様々な用途の中でも特にがん患者、さらには新生児や健康な成人向けにより多くのシークエンシング(ゲノム配列の読み取り)が行われるようになると考えられます。

現在、バイオテクノロジー企業や製薬会社には多数の遺伝子治療薬候補があります。これらの新薬により今後10年間で治療法が広がり、多くの患者にようやく希望の光が届くと共に、数多くの投資機会が生まれると期待されます。

こうしたイノベーション(革新)は、治療のコスト構造や治療期間に大きな影響をもたらし、各国の医療制度を変える可能性があります。

ゲノム(全遺伝情報)検査の発展は、医療の未来における新たな一章となるかもしれません。遺伝子スクリーニング、検査、解析の進歩は数え切れないほどの疾患の治療に革命をもたらす可能性があります。特に希少疾患の遺伝子治療を確立する大きな可能性を秘めています。こうしたイノベーション(革新)の多くは、継続的な治療に代わる長期的な治癒を実現すると考えられます。そのため、ゲノム検査の精度向上は社会に大きなインパクトを与えるでしょう。また、医療費の面でも大きな影響を及ぼすとみられており、世界の医療制度を一変させることもあり得ます。

本稿では、ゲノム検査の将来性とその進歩が生み出す治療法、そして世界の医療制度全体への影響について考察します。

ゲノム検査における革命人間のゲノムの塩基配列をすべて解読する「ヒトゲノム計画」(1990年に開始、2003年に解読完了)は画期的なものであり、とてつもない大きなイノベーション(革新)の可能性を創出しました。ここ数十年でゲノム解析の費用は1ゲノムあたり数百万米ドル(数億円以上)からわずか数百米ドル(数万円)にまで低下しており、近いうちに100米ドル(約1万円)まで下がるかもしれません。ゲノム解析の費用が下がったことでゲノムに関する理解が飛躍的に高まっており、今では希少疾患の治療法を含む、創薬などの下流工程の開発に重点が置かれています。

革新的なシークエンシング(ゲノム配列の読み取り)技術などの開発ペースが減速している様子はみられません。シークエンシングの費用が低下し、臨床シークエンシングの新たな応用が実用化されるにつれ、需要の勢いが一層増すと予想されます。特にがん患者、さらには新生

アダム・イルフェルダー、CFA株式ポートフォリオ・マネジャー

ファイアズ・ムジタバグローバル産業アナリスト

当資料は、個人投資家向けに作成されたものではありません。

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児や健康な成人向けにより多くのシークエンシングが行われるようになり、将来的には標準治療になる可能性があります。

• 新生児のシークエンシング:新生児の健康や家族と将来世代にも影響を及ぼす可能性のある遺伝子の突然変異を特定するのに役立ちます。遺伝子疾患につながる遺伝子の変異を持って生まれてくる子供の割合は約6%と推定されます2。これらの疾患の多くは処置や治療が手遅れになる段階まで診断がつかないため、早期発見につながる分野の進歩は非常に重要です。このようなケースでは、予防は治療に勝るかもしれません。さらに、将来のための長期的な研究の実現も考えられます。すでに、ゲノム検査は遺伝性の希少疾患のシークエンシングに大きな影響を与えており、これによって新生児に関する診断の難しさが解消され、従来よりも早い段階で一層適切な治療ができるようになると期待されます。

• がん患者のシークエンシング:今後数年のうちに、あらゆるステージのがん患者のシークエンシングの実用化が可能になると予想されます。例えば、無症候性の全がんスクリーニング検査(健康な人向け)、遺伝性がんのリスクを検査する生殖細胞系列シークエンシング(健康だがリスクの高い人向け)、分子標的療法のための体細胞腫瘍シークエンシング(新たにがんと診断された患者向け)、がん再発モニタリング検査(回復期のがん患者向け)などです。この分野での進展が続けば、がんを早期に発見し、特定の患者が特定の治療薬にどう反応するかを見極め、治療方針を変更するのに役立ちます。がんの既知の性質(サブタイプ)の数は劇的に増加しており、その結果、標的治療の数も大幅に増えています。

• 成人のシークエンシング:現在、遺伝子情報、フェノタイプ(遺伝子の表現型)、医療記録などを統合したデータベースを作成するといった、多くの集団遺伝学的分析が進められており、将来の研究を促進すると期待されます。過去10年間に実施された大規模な集団シークエンシングの取り組みにより、医薬品の研究開発を前進させる重要な知見がもたらされるでしょう。このような広範なシークエンシングのプロジェクトは成長が期待できる一方、データ共有の基準がまだ発展途上であるため、倫理や不平等に関する懸念も引き起こすことが考えられます。

前述したように、がん治療におけるこの種のイノベーションはすでに恩恵をもたらしています。こうした変革がもたらすインパクトは非常に大きく、例えば、がんによる死亡率の1%の低下は、生活の質、生産性、生存率の向上に換算して約6千9百50億米ドル(約77兆円)に相当すると推計されます3。しかも、これはほんの始まりに過ぎません。

あらゆる種類の疾患で性質(サブタイプ)の特定が進み、それによって新たな標的治療の開発につながるでしょう。標的治療は細胞治療や遺伝子治療、遺伝情報物質「メッセンジャー RNA(mRNA)」技術を使った治療法など、複数の異なる分野に及んでいます。mRNA技術は、最近の新型コロナウイルス感染症のワクチン開発で特に重要性が増しています。薬理ゲノム学(ファーマコゲノミクス)の発展により、患者の体内で治療薬をどのように代謝し、どのように反応するかについて理解を深めることができるという点です。

遺伝子治療の専門家であるボビー・ギャスパー医学博士は、こうした治療は安全性を高め、有効性を向上させることができるため、数多くの疾患を治療するための正しい方法であると強調しています。博士は、ある疾患に関連する特定の遺伝子を同定できれば、全く新しい治療の世界が開かれると考えています。

1米国食品医薬品局 「Rare Diseases at FDA」(2020年2月時点)2US National Library of Medicine, National Institutes of Health, “Serious Birth Defects Kill At Least Three Million Children a Year,” John Zarocostas.3Grail S-1, SEC �ling. September 2020. 1米ドル110.58円で換算(2021年6月末時点)

希少疾患とは

患者数の少ない疾患の総称で、世界で1万種類以上あるとされます1。米国では対象患者数は20万人未満、日本では対象患者が5万人未満と定めています。適切な治療法や有効な医薬品が乏しい難病が多いとされます。

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治療法の急速なイノベーション遺伝子の異常が原因となる眼疾患、筋萎縮症、鎌状赤血球症(SCD)などの分野では、すでに大きな進展がみられます。これらの疾患では治療法が何年も進んでいなかったケースもありますが、今では遺伝子治療によって新たな希望が生まれています。対症療法ではなく、疾患の根本的な原因を見つけることで、治療しやすくなり、こうした機会は急速に拡大しています。

2007年時点では、希少疾患に関連するとわかっていた原因遺伝子は約2千個で、ゲノムシークエンシングにかかる費用は約1千万米ドル(約11億円)でした4。その後シークエンシングの費用が低下するのに伴い、発見された希少疾患に関連する原因遺伝子の数は2014年までの7年間で4千個以上へと倍増しました。言い換えると、この7年間でそれ以前の100年間よりも多くの遺伝子が発見されたのです5。

ただし、こうした成果が実際の治療に活かされるまでには時間がかかります。例えば、希少眼疾患の画期的な治療法の開発には、1997年の遺伝子の同定(RPE65遺伝子変異)から2017年の新薬承認まで20年を要しました6。

今では発見から試験、そして承認に至るまでのこのプロセスは大幅に短縮されています。米国食品医薬品局(FDA)は、こうしたイノベーションに関連する臨床試験(治験)の進歩によって2025年には年間10~ 20件の新たな遺伝子治療が承認されると予想しており、この数は今後増え続けるとみられます7。

ギャスパー博士は、希少疾患の治療で得られた知見が大規模な治療の基盤構築につながると見ています。例えば、博士のチームはクローン病に似た症状を持つ希少疾患の治療法を突き止めました。博士はこの知見を利用して、より規模の大きいクローン病患者集団の一部を治療できると考えています。

遺伝子治療は今後、さまざまな患者集団に対して承認される機会が増えると予想されます。例えば、黒人に多い希少眼疾患の鎌状赤血球貧血症は2020年代の早い時期に、米国で数万人の患者に遺伝子治療が承認される初の主な症例の一つになるでしょう8。これは科学にとって画期的な成果となり、何万人ものアフリカ系米国人の生活の質と生存期間が劇的に改善される見通しです。

現在、バイオテクノロジー企業や製薬会社の新薬候補にはかなりの数の遺伝子治療薬があるため、今後10年間で多くの疾患に対する遺伝子治療の普及が進む可能性があります。このような革新的な治療法の進歩は、多くの患者に希望の光を与える一方で、医療制度全体には莫大なコスト負担が重くのしかかると予想されます。

4National Human Genome Research Institute, “The Cost of Sequencing a Human Genome,” December 2020. 5US National Library of Medicine, National Institutes of Health, “NGS Technologies as a Turning Point in Rare Disease Research, Diagnosis, and Treatment,” Ana Fernandex-Marmiesse, Sofia Gouveia, Maria Couce6Spark Therapeutics, FDA approval,

December 2017.7米国食品医薬品局、2019年1月。8Endpoints News, November 2020.

1米ドル110.58円で換算(2021年6月末時点)

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世界の医療制度への多大な影響希少眼疾患の治療費は1回あたり片目約42万5千米ドル(約4,700万円)に上るケースもあります。鎌状赤血球症の治療費は100万米ドル(約1億円)を超えるケースもあり得ます9。こうした新たな治療法の費用は高額ですが、それらの多くは、生涯治療を続けなければならない疾患を治すことができるかもしれません。

しかし、治療費のコスト構造や治療期間の変化は、従来のモデルに基づいて構築された医療制度に大きな疑問を投げかけています。現在は慢性治療を中心に医療制度が構築されていますが、将来的には毎年繰り返し発生する医療費負担からの脱却が進むかもしれません。これは、米国のように単一支払者制度(政府が保険料を徴収し医療費を負担する国民皆保険)を持たない国では特に重要です。1回限りの高額な治療費は最終的に誰が負担するのか、これらの治療法の期間と持続性はどの程度なのか、高額の初期費用がかかる治療法を承認した場合、現在の支払い制度を維持することはできるのかなど、解決しなければならない多くの問題が残されています。

革新的な医療は、研究から臨床試験、承認、新薬製造に至るまで、医療制度のあらゆる側面を変革する影響力を持っています。慢性治療から1回限りの治療へと移行すれば、医療保険の払い戻し制度もそれに適応せざるを得ないでしょう。

革新的な治療法の急速な進歩は魅力的な投資機会を生み出します。しかし、1回限りの高額な治療法をどのように評価すべきかなど、イノベーションによってもたらされる投資の可能性を理解することは容易ではありません。新たな遺伝子治療は多くの分野で大きな先行者利益が得られると見込まれます。これは初の遺伝子治療の実用化がより多くの患者に影響をもたらすような、特定の希少疾患に特に当てはまるでしょう。ただし、そうした疾患では、競争が激しいため多額の開発費に見合うだけの高い医薬品価格を維持し続けることは難しいかもしれません。

イノベーションは治療薬の製造プロセスにも大きな影響を与えるでしょう。革新的な新薬は開発工程が非常に複雑であることから、これらを手掛ける企業は多額の投資をしなければなりません。このことは、企業が規制や品質基準を遵守しながら、作業を自動化し規模を拡大しようとする場合には特に重要です。規模の拡大と長期的な商用化を目指す遺伝子治療関連の小規模企業にとっては、自社で製造するか、それとも大企業と提携するのが理にかなっているのかという経営方針を問うことにもなります。

革新的な医療は規制面の課題ももたらします。ギャスパー博士は「現在の規制は既存の医薬品パラダイムに合わせて設計されており、今のところ遺伝子治療薬に対する柔軟性は持ち合わせていません。遺伝子治療の実用化が進むに伴い、製薬会社などの企業および規制もより多くの治療薬の承認を得るために進化していくことが求められます」と指摘します。規制当局が遺伝子治療に信頼を寄せ、規制面の変更を検討するようになるためには、企業がこうした治療法の長期的な実行性を証明することが必要といえるでしょう。

まだ多くの問題が残っていますが、革新的な医療は新たな治療法以上のものをもたらす可能性を秘めています。また、これらの治療法に対する理解が深まると共に、新薬の研究や承認申請までの期間と不確実性を劇的に減らせるかもしれません。先進的な治療薬開発には高い費用がかかりますが、知識が増えるのに伴いより精度、有効性、安全性が高い標的治療の領域が広がり、新薬を手掛ける企業の成功率も高まっていくでしょう。

9Fierce Pharma, January 2018, JAMA Pediatrics, “A Budget Impact Analysis of Gene Therapy for Sickle Cell Disease,” Patrick DeMartino, Meredith Haag, Alyssa Hersh, et al., March 2021. 1米ドル110.58円で換算(2021年6月末時点)

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イノベーションが急速に進む他の多くの産業と同様に、技術進歩は環境・社会・ガバナンス(ESG)の課題を提起します。例えば、ESGへの意識の高まりにより投資家は製薬会社に薬価引き下げ圧力を促すのか、企業は長い期間をかけて高額な治療費を支払うことが難しい高齢患者のために、遺伝子治療費を進んで引き下げるだろうか、高額な費用を支払えない国・地域では遺伝子治療の実用化はあるのかなどの疑問が浮上すると考えられます。

現在のイノベーションのペースからすると、企業は患者1人当たりに対し高い利益を見込んでいるとみられます。しかし、競争激化や規制強化が進み価格が低下した場合、将来の革新的な医療のためのインセンティブは低下するのかという観点を含め、新たな治療法に医療制度がどのように適応していくかを見守ることが重要です。

結論:投資機会へのインプリケーションゲノムシークエンシングは、医療の未来を左右する革命を推進すると考えられます。この技術革新により希少なものから一般的なものまで、多くの疾患を治療できるようになり、さらには治癒も可能になるでしょう。遺伝子治療の平均価格は次第に低下すると共に、競争は激しくなる見通しです。特に患者数が多く、現時点で治療パラダイムが確立されている疾患では、価格の下押し圧力が最も強くなるとみられます。ただし、短期的には新しい遺伝子治療の実用化が急速に広まることは予想していません。

ゲノム医療がもたらす投資機会は、バイオ医薬、遺伝子検査、シークエンシング装置を手掛ける企業など多岐にわたります。私たちは今、この分野で数十社以上の上場企業と多数の未公開企業に注目しています。2021年の時点では10年前と比較してもはるかに多くの投資機会があり、今後も増え続けると考えています。ただし、遺伝子治療薬の実用化は国ごとにばらつきがあると予想されます。

ゲノム検査とその進歩がもたらす治療は、医療に新境地を開いています。これによって医療が発展し、革新的な治療の機会が生まれると見込まれます。そして、医療業界や各国が共に新たな治療やコストのパラダイムに適応していく中で、医療制度全体に大きなインパクトをもらたすでしょう。

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