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会計検査における指摘事項について
平成27年5月18日農政部工事監査
公益社団法人 鹿児島県測量設計業協会平成27年度第2回CPDセミナー
<参考>会計実地検査指摘事例集抜粋
(農林水産省関係)
<参考>H25年次までの指摘事項会計実地検査指摘事例集抜粋 (農林水産省NN関係H26.3)
<設計>1. 鉄筋コンクリート水路の浮力の検討
2. パイプラインの埋設形式の選定(溝型と突出型)
3. トンネル工(鉄筋径の図示の誤り)
4. 橋梁の支承部(固定と可動)
5. ボックスカルバート(土被り厚)
6. ブロック積護岸の底版の鉄筋位置
7. L型水路の背後地形の作用土圧
8. 法面保護工の選定(土壌硬度等)
9. 橋梁の落橋防止構造(斜橋)
10. 橋梁の落橋防止構造(落橋防止構造と変位制限構造)
11. 法面保護工の選定(法面勾配)
12. 農業用排水路(基礎杭)
13. 擁壁の構造計算
14. 用排水機場の基礎杭の選定
15. かご工の背面に吸出し防止マットを未設置
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16. 橋梁の落橋防止構造(落橋防止構造と変位制限構造)
17. H鋼杭による擁壁工(溶接部に作用する合成応力度)
18. 護岸工の根入れ&裏込材不足
19. 護岸工で吸出し防止材を設置せず
20. 埋戻し土の土圧及び躯体自重を考慮せずに設計
21. 擁壁工背面の盛土高変更に伴う設計見直しせず
22. 堰本体と取付擁壁の受動土圧
23. コンクリート版の上に施工したアスファルト舗装へのクラックの発生
24. 接合方法が適切でなく引抜き力に対する耐力不足
25. 水路兼用農道で進入路を考慮せずに設計
26. 食害対策及び施工後の管理が不十分
27. 用排兼用水路の鉄筋許容応力度の適用間違い
28. 外水の進入が遮断できない樋管構造
29. 落差工の安定計算の誤り、遮水工の未設置
30. 既設橋りょうの耐震補強工事の設計
31. 法枠工の枠内排水の経済性
4.H25年次までの指摘事項会計実地検査指摘事例集抜粋 (農林水産省NN関係H26.3)
<工事施工>1. ボックスカルバートの鉄筋の配置2. 環境保全型ブロックの中詰め材の吸い出し3. アンカーボルトの施工4. 用水路の目地補修工5. 河川改修工事の盛土工6. コンクリート舗装の施工7. コンクリートの締固めが不十分8. モルタル吹付工の出来高不足によりクラック
4.H25年次までの指摘事項会計実地検査指摘事例集抜粋 (農林水産省NN関係H26.3)
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鉄筋コンクリート水路の浮力の検討 設計-1
○指摘(H10農水省)
鉄筋コンクリート水路で浮力の検討を行っておらず、安全度が確保されていない
○原因と対策
・設計業務の成果品の設計計算で現場の状況に合わせた浮力の検討が必要であるが行っていないミスを、業務監督及び検査で指摘していない
・業務監督及び検査で成果品に対して、現場の実態を反映した設計計算となっているかを確認
・業務監督について、主任監督職員が再度確認・コンサルが行う点検・照査の徹底を指導
○類似事例 : 他1件
浮力の検討を行っていない
パイプラインの埋設形式の選定(溝型と突出型) 設計-2
○指摘(H10農水省)
設計計算では溝型(矢板)の土圧計算を行い管種を選定していたが、施工では突出型(オープン掘削)であったため、管の所要の安全度が確保されていない
○原因と対策
・設計業務の成果品の設計計算で現場の掘削方法と合わない土圧計算となっているミスを、業務監督及び検査で指摘していない
・業務監督及び検査で成果品に対して、現場の実態を反映した土圧計算となっているかを確認
・業務監督について、主任監督職員が再度確認・コンサルが行う点検・照査の徹底を指導
○類似事例 : 他6件設計溝型 施工突出型
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トンネル工(鉄筋径の図示の誤り) 設計-3
13㎜で施工
○指摘(H12農水省)
主鉄筋の径22㎜を誤って13㎜で配筋、また鉄筋のかぶり6㎝を9~17.8㎝で施工したため、安全度が確保されていない
○原因と対策
・設計業務の成果品の図面と設計計算書が合っていないというミスを、業務監督及び検査で指摘していない
・業務監督及び検査で図面と設計計算書の整合を確認・業務監督について、主任監督職員が再度確認・コンサルが行う点検・照査の徹底を指導
・現場監督で鉄筋間隔が図面と合っていないのに、指摘していない
・現場監督で鉄筋間隔やスペーサーの幅を確認。また、業者の施工管理の徹底を指導
○類似事例 : 他18件かぶり9-17.8cmで施工
橋梁の支承部(固定と可動) 設計-4
○指摘(H12農水省)
設計図面を作成する際に、設計計算書とは逆に左岸側の支承部を可動、右岸側の支承部を固定とし施工したことから、右岸側橋台の安全度が確保されていない
○原因と対策
・設計業務の成果品の図面と設計計算書が合っていないというミスを、業務監督及び検査で指摘していない
・業務監督及び検査で図面と設計計算書の整合を確認・業務監督について、主任監督職員が再度確認・コンサルが行う点検・照査の徹底を指導
・より応力のかかる固定支承部の杭の本数が少ないのはおかしいと工事の設計書審査で気がつくはずであり、審査の強化を指導
○類似事例 : 他1件
可動で施工 固定で施工
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ボックスカルバート(土被り厚) 設計-5
設計5.5m
最大土被り8.0m
○指摘(H14水産庁)
設計図書ではボックスカルバートの土被り厚を全て5.5mで設計していたが、最大土被り厚は8.0mであり、延長にして9.0m区間の安全性が確保されていない
○原因と対策
・設計業務の成果品の設計計算で現地の状況と合わない設計条件としていたミスを、業務監督及び検査で指摘していない
・業務監督及び検査で成果品に対して、現地の状況に合った設計条件となっているかを確認・業務監督について、主任監督職員が再度確認・コンサルが行う点検・照査の徹底を指導
○類似事例 : 他2件
ブロック積護岸の底版の鉄筋位置 設計-6
誤 引張力下面 正 引張力上面
○指摘(H15農水省)
ブロック積護岸の底版の主鉄筋の配置は上面側とすべきところを、下面側で設計し施工したため安全度が確保されていない
○原因と対策
・設計業務の成果品の設計計算で曲げモーメントの作用を反対に考えていたミスを、業務監督及び検査で指摘していない
・業務監督及び検査で成果品に対して、正しい曲げモーメントの作用となっているかを確認
・業務監督について、主任監督職員が再度確認・コンサルが行う点検・照査の徹底を指導・職員の研修等による技術力強化
・曲げモーメントが上面側に働くのは明らかであり、鉄筋の位置がおかしいと設計書審査で気が付くはずで審査の強化を指導
○類似事例 : 他2件
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L型水路の背後地形の作用土圧 設計-7
○指摘(H23農水省)
開水路の背後の地形を水平として土圧計算を行い設計施工したが、実際の地形は斜面形状であり、開水路の安全度が確保されていない
○原因と対策
・設計業務の成果品の設計計算で現地の状況を考慮しないで設計しているミスを、業務監督及び検査で指摘していない
・業務監督及び検査で成果品に対して、現地の状況が設計に適切に反映されているかを確認
・業務監督について、主任監督職員が再度確認・コンサルが行う点検・照査の徹底を指導
○類似事例 : 他6件
設計上の地形設計上の地形
L型水路概念図
実際の地形
法面保護工の選定(土壌硬度等) 設計-8
勾配8分軟岩で種子吹付
○指摘(H18農水省)
道路土工指針に基づく種子吹付工の選定は、切土勾配1割以上で土壌硬度23㎜以下の土砂の場合としているにもかかわらず、切土勾配8分で土壌硬度30㎜以上の軟岩で施工。草本類等の生育が十分でなかった
○原因と対策
・変更設計において指針に基づくことなく種子吹付工を選定、設計している
・変更設計で指針に基づいて設計しているかどうか確認
・工事監督において、変更設計の内容を主任監督職員が再度確認
○類似事例 : 他2件
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橋梁の落橋防止構造(斜橋) 設計-9
○指摘(H19農水省)
橋長25m以下の橋梁は、落橋防止装置を省略できるが、斜橋の場合は、必要性を判定式で判定する必要があり、本橋梁においては、設置の必要があるにもかかわらず設置しておらず、安全度が確保されていない
○原因と対策
・設計業務の成果品の設計計算で基準(道路橋仕方書)に則していないというミスを、業務監督及び検査で指摘していない
・業務監督及び検査で、成果品に対して基準に則して落橋防止装置の検討を行っているかを確認
・業務監督について、主任監督職員が再度確認・コンサルが行う点検・照査の徹底を指導・職員の研修等による技術力強化
○類似事例 : 他3件
必要があるが設置していない
橋梁の落橋防止構造(落橋防止構造と変位制限構造) 設計-10
○指摘(H20農水省)
橋梁を設置する地盤に液状化層がある場合には、基準では落橋防止構造と変位制限構造を設置する必要があり、兼用してはならないとしているが兼用しており、安全度が確保されていない
○原因と対策
・設計業務の成果品の設計計算で基準(道路橋仕方書)に則っていないというミスを、業務監督及び検査で指摘していない
・業務監督及び検査で成果品に対して、基準に則って落橋防止構造の検討を行っているかを確認
・業務監督について、主任監督職員が再度確認・コンサルが行う点検・照査の徹底を指導・職員の研修等による技術力強化
○類似事例 : 他7件
両構造は兼用できず
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法面保護工の選定(法面勾配) 設計-11
○指摘(H19農水省)
基準では、盛土高5~15mの安定勾配は1:1.8~1:2.0とされ、網柵工は植物が十分に生育するまでの間設置することとなっているが、現地は盛土高8.2m法面勾配1:1.0で網柵工を施工、斜面崩壊を生じたのは設計が不適切であった。
○原因と対策
・変更設計において基準(道路土工指針)に基づくことなく、設計している
・変更設計で根拠となる基準や指針等に基づいて設計しているかどうか確認
・工事監督において、変更設計の内容を主任監督職員が再度確認
1割の盛土勾配
農業用排水路(基礎杭) 設計-12
○指摘(H20農水省)
開水路の荷重計算を誤り、上載荷重も考慮せずに設計し、そのまま施工したため、杭の安全度が確保されていない。また、杭の先端支持力も不足
○原因と対策
・設計業務の成果品で設計基準に則って設計計算をしていないというミスを、業務監督及び検査で指摘していない
・業務監督及び検査で成果品に対して、基準に則って設計を行っているかを確認
・業務監督について、主任監督職員が再度確認
・コンサルが行う点検・照査の徹底を指導・荷重の大きな、ボックスカルバートと開水路が同じ本数の杭支持ではおかしいと設計書審査で気がつくはずであり、審査の強化を指導
○類似事例 : 他5件
m当1本<2.5N値26<30
m当1本<11.8N値26<30
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擁壁の構造計算 設計-13
○指摘(H20国交省)
ガードレールの設置に当たって、鉄筋コンクリート基礎を擁壁上部に設けるなどガードレールを擁壁と分離するための措置を行わず構造上一体のものとして 擁壁上部に直接設置していたが、車両がガードレールに衝突する時の荷重を考慮した擁壁の安定計算等を行わなかった
○原因と対策
・設計業務の成果品で設計基準に則していないというミスを、業務監督及び検査で指摘していない
・業務監督及び検査で成果品に対して、基準に則して設計を行っているかを確認
・業務監督について、主任監督職員が再度確認
・コンサルが行う点検・照査の徹底を指導・工事発注時の設計書審査の強化
○類似事例 : 他2件
ガードレール
ブロック積擁壁
ガードレール
ブロック積擁壁
鉄筋コンクリートの基礎
擁壁基礎と分離
用排水機場の基礎杭の選定 設計-14
○指摘(H21農水省)耐震設計の重要度をB種とした用排水機場の設計に当たっては、液状化が生ずると判定された土層の土質定数を、レベル1地震動に対する照査を行う際に適用する低減係数を用いて低減することとされているのに、誤って、 レベル2 低減係数を用いて土質定数を低減していた。このため、基礎杭の本数等が過大になっている。(設 計) 鋼管杭30本 (L=47m、外径800mm、最大板厚16mm)(適正な計算後) 鋼管杭24本 (L=47m、外径700mm、最大板厚12mm)
○原因と対策
・設計業務の成果品で手引きに則していないというミスを、業務監督及び検査で指摘していない・業務監督及び検査で成果品に対して、基準に則して設計を行っているかを確認・業務監督について、主任監督職員が再度確認
・コンサルが行う点検・照査の徹底を指導
○類似事例 : 他4件
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10
かご工の背面に吸出し防止マットを未設置 設計-15
○指摘(H23林野庁)護岸工の鋼製かご枠工において、背面が土砂にもかかわらず、吸出し防止材が設置されていないため、土砂が流出するおそれがある(ほかの事業においては、吸い出し防止材の重ね幅なしも不当事項として指摘)
○原因と対策・設計業務の成果品において、背面の一部に吸出し防止材が設置されていないミスを業務監督及び検査で指摘していない・発注時において、関係職員が、吸出し防止材の設置理由を理解していなかったため、設計ミスに気がつかずに発注・コンサルタントが行う点検・照査の徹底を指導・職員の研修等による技術力強化・吸出し防止材がないのはおかしいと工事の設計書審査で気がつくはずであり、審査の強化を指導○類似事例 : 他5件
吸出し防止材が未設置
かご枠護岸工
橋梁の落橋防止構造(落橋防止構造と変位制限構造) 設計-16
○指摘(H22国交省)斜角の小さい斜橋において省略不可、かつ、変異制限構造との兼用不可とされている落橋防止構造の設置を省略しており、安全度が確保されていない。
○原因と対策・設計業務の成果品の設計計算で基準(道路橋示方書)に則していないというミスを業務監督及び検査で指摘していない・業務監督及び検査で、成果品に対して基準に則して落橋防止装置の検討を行っているか確認・コンサルタントが行う点検・照査の徹底を指導・職員の研修等による技術力強化
○類似事例 : 他4件
【参考図】
落橋防止構造
変異制限構造
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H鋼杭による擁壁工(溶接部に作用する合成応力度) 設計-17
○指摘(H22国交省)設計計算において 530mm必要な溶接長を誤って500mmと図示し、この図面により施工したため、安全度が確保されていない。
○原因と対策・設計業務の成果品の図面と設計計算書が整合していないというミスを業務監督及び検査で指摘していない・業務監督及び検査で、図面と設計計算書の整合を確認・業務監督について、主任監督職員が再度確認・コンサルタントが行う点検・照査の徹底を指導
○類似事例 : 他18件
【参考図】
擁壁工概念図
護岸工の根入れ&裏込材不足 設計-18
○指摘(H23林野庁)ブロック積護岸工において、根入れ部分の地質が土砂であるにもかかわらず、軟岩と判定し、岩着タイプで施工したことから、護岸前面の河床が洗掘されるおそれがある。
○原因と対策・設計業務の成果品において、土砂であるボーリングコアを軟岩と判定したミスを業務監督及び検査で指摘していない・施工時において、関係職員が地質の違いに気がつかずに、当初設計のまま施工・コンサルタントが行う点検・照査の徹底を指導・工事監督で、主任監督職員が再度確認・職員の研修等による技術力強化
○類似事例 : なし
ブロック積護岸工
根入れ及び裏込材の不足
2015/5/8
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護岸工で吸出し防止材を設置せず 設計-19
○指摘(H23林野庁)校倉式の木製枠工において、背面に設置された吸出し防止材の重ね幅が確保されておらず、継目部に隙間が生じており、土砂が流出するおそれがある(他の事業では、吸出し防止材の未設置が不当事項として指摘摘)
○原因と対策・設計業務の成果品において、重ね幅が図面に明示されていないミスを業務監督及び検査で指摘していない・発注時において、関係職員が、吸出し防止材の設置理由を理解していなかったため、図面のミスに気がつかずに発注・コンサルタントが行う点検・照査の徹底を指導・工事監督で、主任監督職員が再度確認・職員の研修等による技術力強化
○類似事例 : 他5件
校倉式枠護岸工
埋戻し土の土圧及び躯体自重を考慮せずに設計 設計-20
○指摘(H23農水省)
集排施設の基礎底版の設計において、杭基礎であるにも係わらず、基礎底版自重や埋戻土の荷重が地盤反力と相殺されるとしてその重さを考慮せず、上載荷重のみで設計していたため、基礎底版の鉄筋量が不足していた
○原因と対策
・設計業務の成果品で、杭基礎の場合の荷重計算のミスを、業務監督及び検査で指摘していない
・業務監督において、主任監督職員が成果品を再度確認・職員の研修等による技術力強化・コンサルが行う点検・照査の徹底を指導
○類似事例 : 他1件
基礎底版
集排施設概念図
沈殿槽
基礎杭
地盤が沈下した場合、基礎底版への地盤反力が得られなくなる
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擁壁工背面の盛土高変更に伴う設計見直しせず 設計-21
○指摘(H23農水省)設計変更により盛土高を0.5m高く施工し
たが、増加した土圧を見込んだ設計の見直しを行わなかったため、応力計算上の安全度が確保されていない
○原因と対策・設計変更により擁壁の設計見直しが必要かどうか監督職員が確認していない・監督職員が背面土圧の構造計算を理解していない・職員の研修等による技術力強化て、主任監督職員が再度確認・コンサルタントが行う点検・照査の徹底を
指導
○類似事例 : 他6件ここの荷重が構造計算に
見込まれていない
設計
変更
堰本体と取付擁壁の受動土圧 設計-22
○指摘(H23国交省)受動土圧を考慮してはならない護床工及
び擁壁前面に発生する受動土圧を考慮して設計、施工したことから、所要の安全度が確保されていない。(河川砂防技術基準解説等の基準と不整合)
○原因と対策・設計業務の成果品の設計計算で基準に適合していない土圧計算となっているミスを、業務監督及び検査で指摘していない・業務監督及び検査で成果品に対して、基準の適用誤りをしていないかを確認
・業務監督について、主任監督職員が再度確認
・職員の研修等による技術力強化・コンサルタントが行う点検・照査の徹底を指導
○類似事例 : 他2件
受動土圧は考慮しない
2015/5/8
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設計 -23
コンクリート版の上に施工したアスファルト舗装へのクラックの発生
○指摘(H23国交省)アスファルト舗装要綱では、コンクリート版の上に
アスファルト舗装を施工する場合、舗装に目地等の設置を検討することとされているが、検討しておらずひび割れが多数発生している
○原因と対策・設計業務の成果品において舗装構造が基準に適合していないというミスを業務監督及び検査で指摘していない・発注時において、関係職員が目地の必要性をよく理解しておらず、設計ミスに気がつかないまま発注・コンサルタントが行う点検・照査の徹底を指導・職員の研修等による技術力強化
○類似事例 : 他3件
ひび割れ状況
アスアァルト系舗装3cm
コンクリート版
遊歩道状況図
設計-24
接合方法が適切でなく引抜き力に対する耐力不足
○指摘(H24農水省(林野庁))建築基準法等に基づく告示で定められている
接合金物を用いて接合することとされているが、誤った接合金物を使用したり、設計図面に記載がなく、一部に接合金物を使用せず施工をしていたため、引抜き力に対する耐力が不足している。
○原因と対策・設計業務の成果品において基準に適合していないというミスを業務監督及び検査で指摘していない・関係職員が接合金物の必要性をよく理解しておらず、設計ミスに気がついていない・業務監督について、主任監督職員が再度確認・コンサルタントが行う点検・照査の徹底を指導・職員の研修等による技術力強化
○類似事例 : 他1件引抜き力に対する耐力が不足
2015/5/8
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設計-25
水路兼用農道で進入路を考慮せずに設計
○指摘(H24農水省)農道からほ場へ出入りするための進入路
を全く考慮せずに設計、施工していた。施工後に、ほ場へ出入りするため、水路壁が撤去され、排水路としての機能が低下していた
○原因と対策・設計業務の成果品において、進入路が全く考慮していないというミスを業務監督及び検査で指摘していない・ほ場への進入路設置の必要性に対する検討が十分でなかった・業務監督において、主任監督職員が成果品を再度確認・コンサルタントが行う点検・照査の徹底を指導・職員の研修等による技術力強化
○類似事例 : 他2件
水路壁撤去により排水路機能が低下
水路兼用農道
設計 -26
食害対策及び施工後の管理が不十分
○指摘(H24農水省)近隣における被害の発生を把握していた
のに、被害を防止するための防護ネットを設置するなどの工法を選択しておらず、食害等のため、植物が十分生育していないまた、施工後の管理においても、指針に
従った点検等を行っておらず、適切な処置がなされていない(指針:道路土工切土工・斜面安定工指針)
○原因と対策・関係職員が植生工の設計及び管理についての理解が十分でなかった・業務監督において、主任監督職員が成果品を再度確認・コンサルタントが行う点検・照査の徹底を指導・職員の研修等による技術力強化
○類似事例 : 他1件
植物の食害植生基材の踏み荒し
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設計-27
用排兼用水路の鉄筋許容応力度の適用間違い
○指摘(H24農水省)用水路の場合は、排水路よりも高い水密性
が求められるため、用水路の場合の鉄筋許容応力度を用いて応力計算を行う必要があったが、誤って排水路の場合を用いて応力計算を行っていたまた、コンクリート版の上載荷重を考慮して
いない
○原因と対策・設計業務の成果品で、応力計算の適用間違い及び上載荷重が考慮されていないというミスを業務監督及び検査で指摘していない・業務監督において、主任監督職員が成果品を再度確認・コンサルタントが行う点検・照査の徹底を指導・職員の研修等による技術力強化
○類似事例 : 他1件
応力計算で鉄筋許容応力度の適用間違い
コンクリート版の荷重を考慮せず
設計-28
外水の進入が遮断できない樋管構造
○指摘(H24国交省)樋門の設計において、フラップゲートを
採用しているが、樋門の構造が角落し等によって容易かつ確実に外水を遮断できる構造となっておらず、浸水による被害を受ける恐れがある
○原因と対策・改定解説・河川管理施設等構造令等の基準についての理解が十分でなかった・角落しを設ける必要性についての検討が十分でなかった・業務監督において、主任監督職員が成果品を再度確認・コンサルタントが行う点検・照査の徹底を指導・職員の研修等による技術力強化
○類似事例 : なし
確実に外水を遮断できる構造となっ
ていない
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設計-29
落差工の安定計算の誤り、遮水工の未設置
○指摘(H24国交省)落差工の安定計算において、誤った計算
により、静水圧を過小に計算していたまた、揚圧力の計算において遮水工が
考慮されていたが、設計図面に記載をしておらず、遮工が設置されていない
○原因と対策・設計業務の成果品で、計算間違い及び図面に記載していないというミスを、業務監督及び検査で指摘していない・業務監督において、主任監督職員が成果品を再度確認・コンサルタントが行う点検・照査の徹底を指導・職員の研修等による技術力強化
○類似事例 : 他1件
遮水工の未設置
静水圧を過小に計算
設計-30
既設橋りょうの耐震補強工事の設計
○指摘(H24国交省)
既設橋りょうの耐震補強工事で、主に橋脚や橋台(支承含む)を対象とした補強工事が行われているが、基礎を含めた橋りょう全体での耐震性能が検討・確保されていない
○原因と対策既設橋りょうの耐震補強工事において
・優先的に補強する構造や部材は認識
・一方、基礎部分への影響照査が未実施・耐震補強設計の考え方に対する理解が不十分
・橋りょう全体として耐震性能を確保できる工法の選定
・橋脚基礎部分の耐震補強の要否について詳細に検討
耐震補強工事の例
橋りょうの橋脚及び耐震補強工事の概念図
主に橋脚・橋台の補強工事を実施
基礎の検討がされておらず、橋梁全体としての耐震性能が確保されていない
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設計-31
法枠工の枠内排水の経済性
○指摘(H24国交省)現場吹付法枠工の中詰工がモルタル
等であり、水抜きパイプが詰まる可能性が低いのに経済的なパイプ方式ではなく経済的でない水切り方式による設計により施工を行っていた
○原因と対策・現場吹付法枠工の枠内排水の設計について、経済性に対する配慮が十分でなかった・より経済的な設計を行う方法を明確に示されていなかった・経済性や供用期間中の管理の確実性等を考慮したうえで、適切な排水方法を選択するよう周知の徹底
水抜きパイプ方式 水切り方式
ボックスカルバートの鉄筋の配置 施工-1
○指摘(H10農水省)
樋管上流部13m区間について、上面側主鉄筋径13㎜の鉄筋間隔を、設計では12.5cmであるが誤って25cmで施工
○原因と対策
・鉄筋間隔が図面通り施工していないというミスを、工事監督及び鉄筋検査で指摘していない
・工事監督及び鉄筋検査で、図面通り施工を行っているかを現場で確認
・やむを得ず現地確認できない場合は写真で確認
・工事監督について、主任監督職員が再度確認・工事受注者が行う施工管理の徹底を指導
○類似事例 : 他3件
鉄筋間隔12.5cmを25cmで施工
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環境保全型ブロックの中詰め材の吸い出し 施工-2
中詰材がスリット等から流出
○指摘(H17農水省)
契約図書に中詰材は現地発生材使用と書かれていたことから、現地発生の細かい土砂を使用、流水によりスリット等から土砂が流出し、転倒滑動に対し不安定
○原因と対策
・図面、仕様書通り施工しているものの粒径が細かければ、流出することを、工事監督、検査で指摘していない
・承諾願いのブロックカタログでは、ブロック前面等に粒径の大きな石材を充てんとされていたが行っていない
・図面等に粒径までは記載されていないが、細かな土砂では流出するのは明らかであり、工事監督、検査で中詰め材を確認
・カタログ通り施工しているか確認・工事監督で、主任監督職員が再度確認
アンカーボルトの施工 施工-3
○指摘(H20農水省)
施工承認図では、「おねじ形」ボルトにより固定することとしていたが、実際には「めねじ形」ボルトで施工したため、許容引抜力が大幅に下回っており、機能維持が確保されていない (他の事業では、設計震度を取り違え、耐力不足の材料で設計・施工し不当事項で指摘)
○原因と対策
・施工承認図通り施工していないというミスを、工事監督、検査で指摘していない
・施工承認図通り施工しているかを工事監督で確認・工事監督で、主任監督職員が再度確認・職員の研修等による技術力強化
○類似事例 : 他2件
承認図おねじ
施工めねじ
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用水路の目地補修工 施工-4
目地の断面が設計と施工で大きく
相違
○指摘(H20農水省)
用水路の目地補修の施工が、幅は合っているものの厚さ等が図面と大幅に相違(破壊検査で確認)
○原因と対策
・図面通り施工していないというミスを、工事監督、検査で指摘していない
・完成後目視で検査できない部分は、写真や現場立会で確認することとなっているが行っていない
・図面通り施工しているかどうか、工事監督、検査で確認
・完成後目視で検査できない部分は、写真や現場立会で監督職員等が確認・工事監督で、主任監督職員が再度確認・工事受注者が行う施工管理の徹底を指導
河川改修工事の盛土工 施工-5
○指摘(H21国交省)
河川堤防盛土の施工を降雪時に敷き均し、転圧作業を行ったため、基準高の規格値5cmを超え最大67cm沈下していて、締固め度の規格値(最大乾燥密度の85%)を下回っている
○原因と対策
・完成後目視で検査できない部分は、写真や現場立会で確認することとなっているが行っていない
・完成後目視で検査できない部分は、写真や現場立会で監督職員が確認し、検査では検査職員が写真や現場立会の事実を確認・工事監督で、主任監督職員が再度確認
・工事受注者が行う施工管理の徹底を指導
2015/5/8
21
コンクリート舗装の施工 施工-6
○指摘(H21防衛省)
型枠の固定が不十分のため設計舗装幅を超えるものとなったことから、意図的にカッターで切りそろえ、さらに表面の粗い型枠を使用したことにより目地部のカギ型構造が十分に形成されていなかった。
○原因と対策
・設計図書とおり施工していないというミスを、工事監督及び検査で指摘していない
・完成後目視で検査できない部分は、写真や現場立会で確認することとなっているが行っていない
・完成後目視で検査できない部分は、写真や現場立会で監督職員が確認し、検査では検査職員が写真や現場立会の事実を確認・工事監督で、主任監督職員が再度確認・工事受注者が行う施工管理の徹底を指導
舗装版
施工目地の設計概念図
施工目地の施工概念図
コンクリートの締固めが不十分 施工-7
○指摘(H24農水省)
コンクリートの締固めが十分でなかったことなどから、打ち継ぎ目にジャンカが発生し、一部、内部に空隙が生じていたことにより、打ち継ぎ目から漏水が発生
○原因と対策
・受注者が粗雑な施工を行っていたのに、これに対する監督及び検査が十分でなかった
・完成後目視で検査できない部分は、写真や現場立会で監督職員が確認し、検査では検査職員が写真や現場立会の事実を確認・工事監督で、主任監督職員が再度確認・工事受注者が行う施工管理の徹底を指導
○類似事例 :他1件
打ち継ぎ目から漏水
2015/5/8
22
モルタル吹付工の出来高不足によりクラック 施工-8
○指摘(H24国交省)
モルタル吹付を施工した法面において、モルタルの吹付け厚さが不足していたり、はね返り材等が十分取り除かれておらず、層間に 離が生じていたり、設計と施工が著しく相違しており、工事の目的を達していない
○原因と対策
・受注者の設計図書等に対する理解が十分でなく、モルタル吹付工の施工が設計と施工が著しく相違していて粗雑であったのに、これに対する監督及び検査が十分でなかった
・完成後目視で検査できない部分は、写真や現場立会で監督職員が確認し、検査では検査職員が写真や現場立会の事実を確認・工事監督で、主任監督職員が再度確認・工事受注者が行う施工管理の徹底を指導
○類似事例 :他1件