製造業における人手不足の現状および外国人材の活用について
平成30年7月12日経済産業省 製造産業局
(※)「新たな外国人材の受入れについて」は、関係府省で引き続き検討段階であるため、本日時点(7/12)で判明している最大限の情報提供となる旨、ご了承ください。
「製造業における外国人材受入れに向けた説明会」資料
1
目次
1. 現状認識
2. 対応の方向性(IT投資等を通じた生産性向上)
3. 対応の方向性(技能実習制度等での外国人材の活用)
4. 新たな外国人材の受入れについて(骨太の方針2018)
5. 新制度ポイント、今後のスケジュール、相談窓口
1.現状認識
2
3
製造業における人手不足の現状-全体像
昨年12月に行った最新の調査結果によれば、人手不足は、94%以上の大企業・中小企業において顕在化しており、32%の企業は、「ビジネスにも影響が出ている」と回答。
「ビジネスにも影響が出ている」と回答した上位の業種は、輸送用機械、鉄鋼業、非鉄金属、金属製品。
31.7%
31.5%
39.0%
35.7%
21.7%
35.7%
33.0%
30.5%
39.7%
40.3%
39.7%
35.7%
49.7%
40.6%
39.5%
39.3%
24.1%
22.8%
17.6%
22.1%
22.9%
18.9%
22.5%
22.8%
4.6%
5.4%
3.8%
6.5%
5.7%
4.9%
5.1%
7.4%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
一般機械
電気機械
輸送用機械
鉄鋼業
化学工業
非鉄金属
金属製品
その他(n=615)
(n=558)
(n=421)
(n=154)
(n=175)
(n=143)
(n=792)
(n=1401
)
大きな課題となっており、ビジネスにも影響が出ている
課題ではあるが、ビジネスに影響が出ている程ではない
課題が顕在化しつつある
特に課題はない
29.4%
32.2%
42.8%
39.9%
23.9%
22.0%
3.9%
5.9%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
大企業
中小企業
(n=180)
(n=4105)
大きな課題となっており、ビジネスにも影響が出ている
課題ではあるが、ビジネスに影響が出ている程ではない
課題が顕在化しつつある
特に課題はない
設問:少子化が進み、生産年齢人口の減少の影響が顕在化する中、製造業においても必要となる人材確保の問題が顕在化しつつあると考えられます。そこで、貴社の人材確保の状況についてお尋ねします。貴社の状況にもっとも近いもの1つに○をつけてください。
資料:経済産業省調べ(2017年12月)
4
製造業における人手不足の現状-確保に課題のある人材
人材確保に課題のある人材としては、「技能人材」が突出。 規模別にみると、中小企業ほど「技能人材」の確保に苦労している様相がうかがえる。
設問:確保に課題がある(又は課題が顕在化しつつある)人材のすべてに○をつけてください。また、複数に○をつけた場合は、特に確保が課題となっている人材1つに◎をつけてください。
26.0%
26.0%
83.8%
10.9%
8.9%
25.1%
22.1%
32.0%
3.5%
7.1%
4.1%
59.1%
4.3%
1.0%
8.5%
5.7%
7.5%
2.7%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%
経営人材
デジタル人材
技能人材
期間工
企画・マーケティング人材
設計・デザイン人材
研究開発人材
営業・販売、顧客へのアフターサービス人材
上記以外
(n=4035) 複数回答 (n=3057) 特に確保が課題
9.1%
7.0%
9.9%
3.8%
40.5%
59.8%
12.4%
3.9%
0.8%
1.0%
9.1%
8.6%
9.1%
5.6%
4.1%
7.7%
5.0%
2.7%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
大企業
中小企業(n=121)
(n=2918)
経営人材 デジタル人材
技能人材 期間工
企画・マーケティング人材 設計・デザイン人材
研究開発人材 営業・販売、顧客へのアフターサービス人材
上記以外
特に確保に課題がある人材(規模別)
資料:経済産業省調べ(2017年12月)
3.4%
7.5%
0.0%
5.1%
14.8%
14.1%
37.5%
28.2%
4.5%
3.7%
0.0%
0.2%
4.5%
14.5%
14.8%
9.7%
5.7%
2.0%
3.4%
0.9%
2.3%
6.3%
4.5%
1.1%
0.0%
0.2%
0.0%
3.2%
4.5%
3.1%
0.0%
0.2%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
大企業
中小企業
(n=
88)
(n=
1294
)
社外のシニア、ベテラン人材の採用強化 主婦層などを含む、女性の採用強化
中途採用の強化 新卒採用の強化
国籍にこだわらない人材活用 フリーランスや兼業・副業を行う人材等の活用
社内のシニア、ベテラン人材の継続確保 人材育成方法の見直し・充実化の取組
女性が長く働き続けることができる職場環境の整備 多様で柔軟な働き方の導入
自動機やロボットの導入による自動化・省人化 IT・IoT・ビッグデータ・AI等の活用などによる生産工程の合理化
テクノロジーを活用した人材マネジメンの効率化 賃金引上げや福利厚生の充実化など待遇の強化
人事評価、昇進・異動等の人事制度の抜本的な見直し その他
2.4%
4.2%
2.4%
3.1%
2.4%
8.7%
14.5%
23.2%
2.4%
5.1%
1.2%0.2%
8.4%
5.9%
14.5%
8.9%
1.2%
1.0%
8.4%
1.7%
3.6%
16.2%
21.7%
7.3%
6.0%
1.5%
1.2%
5.1%
9.6%
7.4%
0.0%
0.4%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
大企業
中小企業(n=83)
(n=1321)
社外のシニア、ベテラン人材の採用強化 主婦層などを含む、女性の採用強化
中途採用の強化 新卒採用の強化
国籍にこだわらない人材活用 フリーランスや兼業・副業を行う人材等の活用
社内のシニア、ベテラン人材の継続確保 人材育成方法の見直し・充実化の取組
女性が長く働き続けることができる職場環境の整備 多様で柔軟な働き方の導入
自動機やロボットの導入による自動化・省人化 IT・IoT・ビッグデータ・AI等の活用などによる生産工程の合理化
テクノロジーを活用した人材マネジメンの効率化 賃金引上げや福利厚生の充実化など待遇の強化
人事評価、昇進・異動等の人事制度の抜本的な見直し その他
人材確保対策に向けた最重視の取組(今後)人材確保対策に向けた最重視の取組(現在)
5
人材確保対策に向けた取組(現在取り組んでいること) 規模を問わず「新卒採用の強化」が最重要視されるが、大企業では、「人材育成方法の見直し・充実化の取
組」が多いのが特徴的。中小企業では、「社内のシニア、ベテラン人材の継続確保」、「社外のシニア、ベテラン人材の採用強化」等を重視する傾向であり、新卒採用を重視すると同時に、中途やシニア・ベテランといった経験のある即戦力に対する期待が大きい傾向。
(今後取り組んでいきたいこと) 大企業の方が「IT・IoT・ビッグデータ・AI等の活用などによる生産工程の合理化」及び 「多様で柔軟な働き方の
導入」の増加率が大きく、人手不足解消のためにIoT等を活用したいとする意向が強く、また働き方改革への意欲の向上も窺われる。一方、中小企業は、人材不足感から「自動機やロボットによる自動化・省人化」という意向が強い。
資料:経済産業省アンケート調査より作成資料:経済産業省アンケート調査より作成
2.対応の方向性(IT投資等を通じた生産性向上)
6
“Connected Industries”の発信 2017年3月に開催されたドイツ情報通信見本市(CeBIT)に、我が国はパートナー国として参加。
安倍総理、世耕経済産業大臣他が出席。日本企業も118社出展。 その際、安倍総理から、我が国が目指す産業の在り方としての「Connected Industries」のコ
ンセプトを発信。①人と機械・システムが協調する新しいデジタル社会の実現、②協力や協働を通じた課題解決、③デジタル技術の進展に即した人材育成の積極推進を柱とする旨をスピーチ。
また、世耕経済産業大臣、高市総務大臣、ツィプリス独経済エネルギー大臣との間で、第四次産業革命に関する日独共同声明「ハノーバー宣言」を署名・発表。この中で、人、機械、技術等がつながることにより価値創出を目指す「Connected Industries」を進めていく旨を宣言。
安倍総理のスピーチ 世耕経済産業大臣とツィプリス経済エネルギー大臣との会談
7
Connected Industries とは?
こうしたコネクティッド・インダストリーズの実現は、業種・業態やこれまでのIT化の取組み度合いなどによって、多種多様。一工場内の「つながり」にとどまるものもあれば、取引先や同業他社とつながったり、顧客や市場と直接つながっていくものも。既存の関係を越えてつながりが広がれば、新たな産業構造の構築に至る可能性も。
様々な業種、企業、人、データ、機械などがつながって
新たな付加価値や製品・サービスを創出、生産性を向上
高齢化、人手不足、環境・エネルギー制約などの社会課題を解決
これらを通じて、産業競争力の強化→国民生活の向上・国民経済の健全な発展
8
IoT、ロボット等の導入で生産性を向上させたり、単純作業や重労働を省力化し、労務費を削減 。テレワークともあいまって、若者、女性、高齢者が働きやすくなる。→ 人手不足解消、働き方改革
人工知能等によって「匠の技」を見える化し、若い職員のスキル習得を支援。→ 技能継承 職人の技能や創造性をデータ化し、それを生産設備につなぐことで、多品種・単品・短納期加工を実現。新規顧客を獲得。→ 利益の拡大
過疎地での高齢者の移動、遠隔地への荷物配送が可能に。歳をとってもクルマを安全に運転。将来的には、運転できない人も自動運転で目的地へ。 → 社会課題解決(安全運転・移動支援)
事例1 旭鉄工愛知県碧南市、自動車部品製造、従業員480名
• カイゼン活動を加速するセンサーモニタリングシステムを自社開発し、それを生産設備につなぐことによって、部品製造プロセスの問題点を見える化。生産性を短期で向上させ、労務費を大幅低減。
• 単純作業を極力デジタル化し、カイゼン活動の工夫といった人にしかできない仕事に従業員が取り組むことで、「働き方改革」も実現。
・低電力消費の無線技術により電気配線やLAN工事は不要。
・汎用のスマートフォン等で閲覧可能にすることで初期投資を抑制。
自社開発したモニタリングシステム
「Connected Industries」実現のメリット
事例2 全国各地で実証実験を展開中自動運転 福井県永平寺町、石川県輪島市(写真右上)、沖縄県北谷町、茨城県日立市(写真右下)ドローンによる荷物配送 福島県浜通り(写真左)
9
10
生産性向上に向けた具体的な取組①(スマートものづくり応援隊)
IoTやロボット技術を活用した「スマートものづくり」を通じて、こうした人手不足の解消や生産性の向上を支援する「スマートものづくり応援隊」事業を実施中(現在、全国に25拠点あり、来年度は40拠点まで拡大予定。)。
中小企業・小規模事業者等に対し、生産性の向上に資するITツール(ソフトウェア、サービス等)を導入するための費用が補助される「IT導入補助金」による支援も存在。
スクールでの研修生産技術に
秀でた企業OB
リードタイムの短縮・仕掛在庫の極小化・作業動線の短縮・多能工化の推進・作業の合理化・製造指示の作成 等
企業OBの海外流出防止
下請け生産からの脱却
中小企業に派遣
身の丈に合ったロボット・IoT活用促進
IoT・ロボット等に知見ある人材
+ 現場カイゼンノウハウ
IoT・ロボット導入ノウハウ+
全国の拠点整備を本年度から開始
事例:カイゼン×ロボットによる生産性向上の例北九州産業学術推進機構
(FAIS) 「生産技術」と「ロボット技術」に通じたコーディ
ネータ2名が連携して中小企業の生産性向上(カイゼン 活動+ロボ導入)
FAISでは、備えられたロボットを実際に動かして生産の効率化を実験できる。ロボット・IoTは「手の届かない高度なツール」との苦手意識を変え、中小企業の身の丈に合った活用を推進。
スマートものづくり応援隊・ 企業でのカイゼン活動・ IoT・ロボット導入支援
拠点で相談受付
【スマートものづくり応援隊の事業概要】
【参考】平成29年度 スマートものづくり応援隊活動拠点一覧
・山形大学・足利商工会議所・(公財) 群馬県産業支援機構・(公財) さいたま市産業創造財団・(一社) 日本電子回路工業会・(公財) 横浜企業経営支援財団・(特非) 長岡産業活性化協会NAZE・(公財) ふくい産業支援センター・(特非) 諏訪圏ものづくり推進機構・(公財) ソフトピアジャパン・(公財) 静岡県産業振興財団・愛知県幸田町・名古屋商工会議所・(公財) 三重県産業支援センター・(公財) 滋賀県産業支援プラザ・大阪商工会議所・大阪府産業支援型NPO協議会・(公財) わかやま産業振興財団・(公財) 新産業創造研究機構・(公財) ひろしま産業振興機構
・(公財) 北九州産業学術推進機構・佐賀商工会議所・(公財) 大分県産業創造機構・(公財) くまもと産業支援財団・(公財) ながさき地域政策研究所
生産性・付加価値の向上・工場や倉庫の全体の稼働状況を把握・設備故障の予兆をつかみ対応・人手不足への対応・技能伝承の促進 等
11
c
【参考】スマートものづくり応援隊活動(ソフトピアジャパン(岐阜県大垣市))
ソフトピアジャパン取組状況
岐阜県はこれまでの振興策でIT産業が盛ん。受講生の7割がIT系、「IT人材がものづくりを学ぶ」パターン。
27~67歳まで幅広い年齢層の受講者。まずは今期、3社を支援。 ITと製造、ベテランと若者のバランスが上手く取れた「チーム」がうまく機能。
提案内容が優れていたため、うち1社では工場建て替えを機に、「そのまま採用」の可能性も高い。
指導者11名を輩出(OB1名、現役10名)
成功要因の分析・理論化・定型化。実習先となる製造企業へのリーチ拡大
平塚竜彦・ソフトピアジャパン事業連携室長(ITシステム)松島桂樹・法政大客員教授(IT経営、クラウド・IT投資等)
ソフトピアジャパンエリア(大垣市)の特長~数千人規模のIT産業集積地~
岐阜スマートものづくり応援隊(※右側2名は講師)
~多彩なチームメンバーが強みを結集~
運営者・アドバイザーの顔ぶれ
• 約150社・団体が集積しており、県立の情報系大学院が立地。
• エリア内の年間売上高は414億円。約2100人が就労。
• 「IT経営応援隊」等でIoT・VR・AR等のIT企業を多数支援。ものづくり現場とのつながりはこれまで薄かった。
課題・今後の取組方針
12
【参考】スマートものづくり応援隊活動(大阪・北九州商工会議所)
大阪商工会議所 北九州商工会議所取組状況
大阪商工会議所が「IoT・オープンネットワーク活用研究会」を開催。課題の特定、IoTに関心ある企業のネットワークを実施。
強い「ものづくり人材」に対し、IT、IoTを教えるパターン。まずは今期、1社を支援。
受講者は59~68歳。家電メーカー、農業機械、印刷、化学分野等。8名輩出(OB5名、現役3名)
IoTツールありきでなく、経営課題を大局的に捉え、それをIoTツールとつなげて解決する能力・人材の更なる強化。
平成29年度は、IoTカリキュラムをより実践的なものに高度化。公設試、大学等との連携強化。
取組状況 IoTやロボットを前提とせず、経営課題の特定、現場改善や「カラクリ」で済むところはそれで済ませる方針が企業からは好評。
「IoT・第四次産業革命研究会」(九州経済産業局等)にて、中小企業トップのコミットメント、トップダウンの必要性が指摘されるなか、経営者・管理者に焦点を当てて受講を推進。11名輩出。
同市にある北九州産業学術推進機構との連携構築。平成29年度は同機構と連携して申請、採択。
地元に産業医科大学の本部あり。労働環境改善を医学理論的に検証する仕組み(無理なく働きやすい現場作り)等との産学連携も今後の検討課題。
講師の顔ぶれ遠藤和雄・安川情報システムマーケティング本部IoTコンサルティング部長
大坪聖・TOTO DC革新センター(生産技術本部)技術主幹兼製造革新推進グループリーダー
運営者・アドバイザーの顔ぶれ小林裕之・大阪工業大学教授(IoT・ロボット等)土井滋貴・奈良高専准教授(計測工学・組込等)皆川健多郎・大阪工業大准教授(カイゼン指導)
課題・今後の取組方針 課題・今後の取組方針
13
生産性向上に向けた具体的な取組②(IT・デジタル人材育成)
製造業特有のオペレーションノウハウとIT・データ等のデジタル技術を融合した能力・スキル転換が必要。既存のIT・データサイエンス講座では対応できない。
生涯たゆまない学び直し・スキルのアップデート
• 未踏人材、IoT推進ラボ• 指定国立大学、卓越大学院• 産学官連携の加速• 経営人材育成ガイドライン• トップ外国人(セキュリティ等)等
・IT人材需給・ITスキル標準の抜本改訂• 人材育成の抜本拡充等
• 小中高プログラミング教育必修化• 新たな実践的高等教育機関• 数理・データサイエンス教育強化等
内外トップレベルのITテクノロジスト、ビジネスプロデューサー
③ITリテラシーの標準装備
②IT人材の抜本的な能力・スキル転換
①トップ人材の創出・獲得
各産業における中核的IT人材
全てのビジネスパーソンに基礎的ITリテラシー
初等中等教育・高等教育等を通じて日本人全体のIT力を底上げ
分野横断的スキル
産業・専門別スキル
IT・
データ等
デザイン
サービス
製造業
金融業
イノベーション施策と一体で
育成
第4次産業革命下の
ITリテラシーの標準装備
• 大学等とも連携したIT・データスキルの学び直し等
14
専門実践型教育訓練給付の拡充の方向性
個人のキャリアアップへの強力な支援
雇用保険で行う「教育訓練給付」(専門実践型)の拡充(1)助成対象講座の多様化、利便性の向上
ITなど就業者増が見込まれる分野の講座の増設子育て助成のための「リカレント教育」の講座の増設土日、夜間講座の増設。完全e-ラーニング講座の新設
(2)出産等で離職後、子育てでのブランクが長くなっても受給を可能に(「教育訓練給付」(一般型)も同様に措置)
(3)給付率と上限額の引上げ
2500講座→5000講座
4年以内→10年以内
最大3年で144万円年以内→168万円給付率6割→7割
第3回働き方改革実現会議 塩崎大臣提出資料より
失業者や就業スキル習得中心の給付から在職者・ミドル層・産業界のニーズに合致した給付へと転換
10年間で3回最大168万円の受給を可能に
初回に使い残した分についても、2回目以降に支給可能に
産業界ニーズの高い分野の職業訓練について、経済産業大臣認定を行い指定基準を緩和• 民間事業者による講座• 資格とヒモ付かない講座• 120時間以下の授業時間の講座
技術変化に応じて3年ごとにスキルアップする学び直しに対応
更なる拡充の方向性
【参考】専門実践型教育訓練給付の拡充(第四次産業革命スキル習得講座認定制度)
急激な産業構造の転換に対応するため、産業構造の将来変化等を織り込み、IT・データ等の分野に重点化した「人材育成の抜本的強化」と「成長産業への転職・再就職支援」が鍵。
在職者も産業界ニーズの高い成長分野に対応するため、働きながら第四次産業革命を見据えた能力・スキルを獲得できる職業訓練の充実が必要。
社会人向けに提供するIT・データ分野を中心とした専門性・実践性の高い教育訓練講座について、経済産業大臣が認定する「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」を2017年7月に創設(告示公布:7月31日)。
15
民間事業者が、社会人向けに提供するIT・データ分野を中心とした専門性・実践性の高い教育訓練講座について、経済産業大臣が認定する「第4次産業革命スキル習得講座認定制度」を2017年度に創設(初回として1月に16事業者23講座を認定、平成30年4月から開講。今後は、半年に1度の頻度で申請・認定を行う。)。
経済産業大臣が認定した教育訓練講座のうち、厚生労働省が定める一定の要件を満たすものは、「専門実践教育訓練給付」の対象となる。
<認定対象分野>※ いずれもITSSレベル4相当以上を目指す①IT分野⇒ AI、IoT、クラウド、データサイエンス 等 【将来成長が見込める新技術・システムの習得】(デザイン思考、アジャイル開発等の新たな開発手法を含む)
⇒ 高度なセキュリティ 等 【必須スキルの習得】② IT利活用分野(今後、拡大の予定)⇒ 自動車分野のモデルベース開発、生産システムデジタル設計 等 【(製造業向け等の)ITによる高度化対応】
■講座の要件 育成する職業、能力・スキル、訓練の内容を公表 必要な実務知識、技術、技能を公表 実習、実技、演習又は発表などが含まれる実践的な講座がカリキュラムの半分以上
審査、試験等により訓練の成果を評価 社会人が受けやすい工夫(e-ラーニング等) 事後評価の仕組みを構築 等
■実施機関の要件 継続的・安定的に遂行できること(講座の実績・財務状況等)
組織体制や設備、講師等を有すること 欠格要件等に該当しないこと 等
■認定の期間 適用の日から3年間
※ IPA等からの専門的な助言を踏まえ、外部専門家による審査を経て認定を行う
【参考】第四次産業革命スキル習得講座認定制度(概要)
16
17
3.対応の方向性(技能実習制度を中心とした外国人材の活用)
132,571 147,296 167,301 200,994 238,412 7,735 9,475 12,705 18,652 26,270 136,608 145,426 168,296 211,108
257,788 121,770 146,701
192,347 239,577
297,012 318,788
338,690 367,211
413,389
459,132
32 39
36
49
56
0
200,000
400,000
600,000
800,000
1,000,000
1,200,000
1,400,000
2013 2014 2015 2016 2017
5か年推移専門的・技術的分野特定活動技能実習資格外活動身分に基づく在留資格不明
(資料)厚生労働省:「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(平成29年10月末現在)」より作成
【国籍別】
ベトナム240,259人
18.8%
【国籍別】
【業種別】
製造業385,997人
30.2%
中国(香港等を含む)
372,263人、29.1%
18
我が国の外国人労働者数は、着実に増加傾向にあり、過去最高を更新(約128万人)。そのうち、国籍別では中国人、業種別では製造業が最も多い(全体の約30%)。
-外国人労働者の現状 労働者数の推移・国籍別・業種別
19
製造業における外国人労働者の現状-外国人労働者数と雇用事業所数
(資料)厚生労働省:「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(平成29年10月末現在)」より作成
製造業においては、日系人等の「身分に基づく在留資格」(約15万人)を除くと、「技能実習」(約16万人)が最も多い。雇用している事業所数も増加(約4.3万社)。
専門的・技
術的分野,
37,473
特定活動,
5,589
技能実習,
159,112
資格外活動,
28,866
身分に基づ
く在留資格,
154,949
不明, 8
平成29年10月末時点
30,000
32,000
34,000
36,000
38,000
40,000
42,000
44,000
2013 2014 2015 2016 2017
外国人を雇用している事業所数推移
外国人を採用している製造業の事業所数
技能実習制度の概要 製造業の約16万人の「技能実習生」について、現在、技能実習の製造分野は50職種程度(全体は77職種)。技能検定の目標は、技能実習の3年目修了時に3級合格、さらに5年目修了時に2級合格することとなっており、技能実習修了後は、帰国し、技能移転を行うこととなっている。
これに対して、製造業からは、一定の専門性・技能を有する外国人材の受入れを積極的に進めていくべきとの声がある。
(図)JITCO HPより引用20
(参考)技能実習2号移行対象職種1 農業関係(2職種6作業)
職種名 作業名耕種農業* 施設園芸
畑作・野菜果樹
畜産農業* 養豚養鶏酪農
2 漁業関係(2職種9作業)職種名 作業名
漁船漁業* かつお一本釣り漁業延縄漁業いか釣り漁業まき網漁業ひき網漁業刺し網漁業定置網漁業かに・えびかご漁業
養殖業* ほたてがい・まがき養殖作業
3 建設関係(22職種33作業)職種名 作業名
さく井 パーカッション式さく井工事作業ロータリー式さく井工事作業
建築板金 ダクト板金作業内外装板金作業
冷凍空気調和機器施工 冷凍空気調和機器施工作業建具製作 木製建具手加工作業建築大工 大工工事作業型枠施工 型枠工事作業鉄筋施工 鉄筋組立て作業と び とび作業石材施工 石材加工作業
石張り作業タイル張り タイル張り作業かわらぶき かわらぶき作業左 官 左官作業配 管 建築配管作業
プラント配管作業熱絶縁施工 保温保冷工事作業内装仕上げ施工 プラスチック系床仕上げ工事作業
カーペット系床仕上げ工事作業鋼製下地工事作業ボード仕上げ工事作業カーテン工事作業
サッシ施工 ビル用サッシ施工作業防水施工 シーリング防水工事作業コンクリート圧送施工 コンクリート圧送工事作業ウェルポイント施工 ウェルポイント工事作業表 装 壁装作業建設機械施工* 押土・整地作業
積込み作業掘削作業締固め作業
築 炉 築炉作業
4 食品製造関係(9職種14作業)職種名 作業名
缶詰巻締* 缶詰巻締食鳥処理加工業* 食鳥処理加工作業加熱性水産加工 食品製造業*
節類製造加熱乾製品製造調味加工品製造くん製品製造
非加熱性水産加工食品製造業*
塩蔵品製造乾製品製造発酵食品製造
水産練り製品製造 かまぼこ製品製造作業牛豚食肉処理加工業* 牛豚部分肉製造作業ハム・ソーセージ・ベーコン製造 ハム・ソーセージ・ベーコン製造作業パン製造 パン製造作業そう菜製造業* そう菜加工作業
5 繊維・衣服関係(13職種22作業)職種名 作業名
紡績運転* 前紡工程作業精紡工程作業巻糸工程作業合ねん糸工程作業
織布運転* 準備工程作業製織工程作業仕上工程作業
染 色 糸浸染作業織物・ニット浸染作業
ニット製品製造 靴下製造作業丸編みニット製造作業
たて編ニット生地製造* たて編ニット生地製造作業婦人子供服製造 婦人子供既製服縫製作業紳士服製造 紳士既製服製造作業下着類製造* 下着類製造作業寝具製作 寝具製作作業カーペット製造* 織じゅうたん製造作業
タフテッドカーペット製造作業ニードルパンチカーペット製造作業
帆布製品製造 帆布製品製造作業布はく縫製 ワイシャツ製造作業座席シート縫製* 自動車シート縫製作業
6 機械・金属関係(15職種29作業)職種名 作業名
鋳 造 鋳鉄鋳物鋳造作業非鉄金属鋳物鋳造作業
鍛 造 ハンマ型鍛造作業プレス型鍛造作業
ダイカスト ホットチャンバダイカスト作業コールドチャンバダイカスト作業
機械加工 普通旋盤作業フライス盤作業数値制御旋盤作業マシニングセンタ作業
(6 機械・金属関係(続き)職種名 作業名
金属プレス加工 金属プレス作業鉄 工 構造物鉄工作業工場板金 機械板金作業めっき 電気めっき作業
溶融亜鉛めっき作業アルミニウム陽極酸化処理 陽極酸化処理作業仕上げ 治工具仕上げ作業
金型仕上げ作業機械組立仕上げ作業
機械検査 機械検査作業機械保全 機械系保全作業電子機器組立て 電子機器組立て作業電気機器組立て 回転電機組立て作業
変圧器組立て作業配電盤・制御盤組立て作業開閉制御器具組立て作業回転電機巻線製作作業
プリント配線板製造 プリント配線板設計作業プリント配線板製造作業
7 その他(13職種25作業)職種名 作業名
家具製作 家具手加工作業印 刷 オフセット印刷作業製 本 製本作業プラスチック成形 圧縮成形作業
射出成形作業インフレーション成形作業ブロー成形作業
強化プラスチック成形 手積み積層成形作業塗 装 建築塗装作業
金属塗装作業鋼橋塗装作業噴霧塗装作業
溶 接 * 手溶接半自動溶接
工業包装 工業包装作業紙器・段ボール箱製造 印 刷箱打抜き作業
印 刷箱製箱作業貼箱製造作業段ボール箱製造作業
陶磁器工業製品製造* 機械ろくろ成形作業圧力鋳込み成形作業パッド印 刷作業
自動車整備* 自動車整備作業ビルクリーニング ビルクリーニング作業介 護 * 介護
○ 主務大臣が告示で定める職種・作業(1職種1作業)職種名 作業名
空港グランドハンドリング* 航空機地上支援作業
(注) *の職種:「技能実習評価試験の整備等に関する専門家会議」による確認の上,人材開発統括官が認定した職種
(平成29年12月6日時点 77職種139作業)
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(図)厚生労働省HP掲載資料
(参考)
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4.新たな外国人材の受入れについて(骨太の方針2018)
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第2章 力強い経済成長の実現に向けた重点的な取組4.新たな外国人材の受入れ
中小・小規模事業者をはじめとした人手不足は深刻化しており、我が国の経済・社会基盤の持続可能性を阻害する可能性が出てきている。このため、設備投資、技術革新、働き方改革などによる生産性向上や国内人材の確保を引き続き強力に推進するとともに、従来の専門的・技術的分野における外国人材に限定せず、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを構築する必要がある。このため、真に必要な分野に着目し、移民政策とは異なるものとして、外国人材の受入れを拡
大するため、新たな在留資格を創設する。また、外国人留学生の国内での就職を更に円滑化するなど、従来の専門的・技術的分野における外国人材受入れの取組を更に進めるほか、外国人が円滑に共生できるような社会の実現に向けて取り組む。
(1)一定の専門性・技能を有する外国人材を受け入れる新たな在留資格の創設現行の専門的・技術的な外国人材の受入れ制度を拡充し、以下の方向で、一定の専門性・技能
を有し、即戦力となる外国人材に関し、就労を目的とした新たな在留資格を創設する。①受入れ業種の考え方新たな在留資格による外国人材の受入れは、生産性向上や国内人材の確保のための取組(女
性・高齢者の就業促進、人手不足を踏まえた処遇の改善等)を行ってもなお、当該業種の存続・発展のために外国人材の受入れが必要と認められる業種において行う。②政府基本方針及び業種別受入れ方針受入れに関する業種横断的な方針をあらかじめ政府基本方針として閣議決定するとともに、当
該方針を踏まえ、法務省等制度所管省庁と業所管省庁において業種の特性を考慮した業種別の受入れ方針(業種別受入れ方針)を決定し、これに基づき外国人材を受け入れる。
経済財政運営と改革の基本方針2018(平成30年6月閣議決定)
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~続き~③外国人材に求める技能水準及び日本語能力水準在留資格の取得にあたり、外国人材に求める技能水準は、受入れ業種で適切に働くために必要な知識
及び技能とし、業所管省庁が定める試験等によって確認する。また、日本語能力水準は、日本語能力試験等により、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有することが確認されることを基本としつつ、受入れ業種ごとに業務上必要な日本語能力水準を考慮して定める。ただし、技能実習(3年)を修了した者については、上記試験等を免除し、必要な技能水準及び日本語能力水準を満たしているものとする。④有為な外国人材の確保のための方策有為な外国人材に我が国で活動してもらうため、今後、外国人材から保証金を徴収するなどの悪質な
紹介業者等の介在を防止するための方策を講じるとともに、国外において有為な外国人材の送出しを確保するため、受入れ制度の周知や広報、外国における日本語教育の充実、必要に応じ政府レベルでの申入れ等を実施するものとする。⑤外国人材への支援と在留管理等新たに受け入れる外国人材の保護や円滑な受入れを可能とするため、的確な在留管理・雇用管理を実
施する。受入れ企業、又は法務大臣が認めた登録支援機関が支援の実施主体となり、外国人材に対して、生活ガイダンスの実施、住宅の確保、生活のための日本語習得、相談・苦情対応、各種行政手続に関する情報提供等の支援を行う仕組みを設ける。また、入国・在留審査に当たり、他の就労目的の在留資格と同様、日本人との同等以上の報酬の確保等を確認する。加えて、労働行政における取組として、労働法令に基づき適正な雇用管理のための相談、指導等を行う。これらに対応するため、きめ細かく、かつ、機能的な在留管理、雇用管理を実施する入国管理局等の体制を充実・強化する。⑥家族の帯同及び在留期間の上限以上の政策方針は移民政策とは異なるものであり、外国人材の在留期間の上限を通算で5年とし、家
族の帯同は基本的に認めない。ただし、新たな在留資格による滞在中に一定の試験に合格するなどより高い専門性を有すると認められた者については、現行の専門的・技術的分野における在留資格への移行を認め、在留期間の上限を付さず、家族帯同を認めるなどの取扱いを可能とするための在留資格上の措置を検討する。
経済財政運営と改革の基本方針2018(平成30年6月閣議決定)
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(B)技能実習対象職種の追加
現行の技能実習対象職種全77職種うち製造は50職種程度
(A)新制度に基づく在留
(C)その他試験・課程を経た者の受入れ検討がありうる職種
期間
3~5年の技能実習
外国人材受入れ方針(イメージ)
職種
新制度(通算で最大5年)〔技能実習〕 〔労働〕
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生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお、当該業種の存続・発展のために外国人材の受入れが必要と認められる業種
※技能実習から新制度への移行の詳細については制度所管官庁において検討中
新たな在留資格による滞在中に一定の試験に合格するなどにより高い専門性を有すると認められた者については、
現行の専門的・技術的分野における在留資格への移行を認めるなどの在留資格上の措置を検討(在留期間の上限なし、家族帯同可)
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5.新制度ポイント、今後のスケジュール、相談窓口
まずは(IT活用や設備投資、技術革新、働き方改革などによる)生産性向上や国内人材の確保の強力な推進が大前提。
その上で、入管法改正により、就労を目的とした「新たな在留資格」を創設(深刻な人手不足に対応するため)。
政府基本方針(閣議決定)で、受入れに関する「業種横断的な方針」を決定し、併せて、個別業種における「業種別受入れ方針」も決定。
「業種別受入れ方針」に基づき、外国人材の受入れ開始。
ポイント
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新制度のポイント及び今後のスケジュール見込み
今後 : 入管法改正 法成立後 : 改正入管法公布・施行、「政府基本方針」閣議決定及び「業種別受入れ方針」決定
来年度以降~ : 「業種別受入れ方針」に基づき、外国人材の受入れ開始
想定されるスケジュール(※最速の場合)
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業種別相談窓口担当課室 電話番号 主な所管製品金属課 03-3501-1926 鉄鋼、鉄鋼製品、非鉄金属(チタン、アルミ及びマグネシウム等)、
電線、ケーブル、伸銅品、鉛管板、金属くず 等素材産業課 03-3501-1737 化学製品、窯業製品(ガラス、セメント)、紙・紙製品、パルプ、セロ
ファン 等生活製品課 03-3501-0969 繊維(化学繊維含む)、織物、ニット製品、不織布、フェルト、縫製
品、抄繊維製品、家具、台所用品、合成樹脂容器、スポーツ用品、ベビー用品、文房具、楽器、玩具、喫煙具、眼鏡、宝石、石油暖房機、ガス湯沸器、トイレ、皮革・皮革製品、住宅設備機器、インテリア用品、建材 等
産業機械課 03-3501-1691 産業機械(工作機械、建設機械、精密機械、重電機器 等) 等素形材産業室 03-3501-1063 鋳造、鍛造、金型プレス 等自動車課 03-3501-1690 自動車、自動車部品 等航空機武器宇宙産業課 03-3501-1692 航空機、航空機部品 等車両室 03-3501-1694 自転車 等情報産業課 03-3501-6944 事務機器、半導体、電子回路、パネル、コンピュータ、家電製品、電
池、照明機器、制御機器 等コンテンツ産業課 03-3501-9537 印刷、製本 等製造局総務課 03-3501-1689 (※製造業全般にかかるご意見・ご質問について)