架線による長距離集材システム(安全に・快適に)
井硲啓次
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急峻地の架線集材機の必要性と改良について
架線集材研究会の今までの流れ
・平成24年 作業システム支援事業
タワーヤーダの実証
・平成25年 先進的林業機械緊急実証・普及事業
油圧駆動集材機の製作
・平成26年 次世代架線系高性能林業機械等開発事業
油圧駆動集材機の遠隔操作半自動運転化
・平成27年の希望……
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構想1
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半自動運転集材機として2番目に描いた図面
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油圧集材機の初期構想先山の玉掛け者とプロセッサーオペレータが土場の集材機を遠隔操作
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履帯なし、自動運転なしで描きなおし
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平面図
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ウインチテスト運転
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和歌山県の森林・県の総面積の77%が森林面積
・森林面積の70%以上が35度以上の急傾斜地
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エンドレスタイラー式(誘導索仕様)
フックは誘導索で吊荷の上まで持ってくる
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皆伐における架線集材の優位性
一線で5㌶ 2000㎥3人で50㎥~90㎥
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3人で50㎥~90㎥
大型のタワーヤーダーを選択できないのは‥‥
ガイラインを設定基準値に張れない
谷道がほとんど
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急峻でフックを人力で横引きできない
尾根まで作業道をつけられないのは‥○大型タワーヤーダーはカーブで幅員5メートル以上必要
○折り返し点で8トン車方向転換できない(急こう配の作業道はスイッチバックできない。)
○盛土ができず構造物が必要
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○盛土ができず構造物が必要(切取3分盛土1割2分)
○盛土ができず排土が必要(工事費が高くつく)
○急峻な山腹を横に断ち切ると深層崩壊や濁水、環境破壊の危惧(紀伊半島は有名な多雨地帯)
集材機による架線集材は‥
全木集材で安全な玉掛け危険な作業はなるべく土場で
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○綱元を自由に選べ、公道をふさがない。○フックは誘導索で吊上げ木の真上に静止し、手ぶらで玉掛けできる。○集材機に大きい張力がかからない○1本の架線で出材量が多いので単位当たりの架設費が安くつく。
昭和50年代にグラップルソー開発当時トラック架装、クレビスジョイント。開発したのは油圧ショベル架装、ヘッドは固定式に。
女性でも乗れる操作性にしたかった
クレーンと違うところは玉掛け玉外し不要
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全木集材で危険な林内作業を少なく、作業 床面の良い 土場作業を多く。枝払いと片付け、整木、積込、土場の敷設
女性でも乗れる操作性にしたかった
空中運搬で低燃費(動画1油圧集材中)
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一本の架線で2,500~5,000立方
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絶滅した機械式集材機
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50年前まではショベルも機械式だった
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油圧駆動は昔ほどエネルギー効率は悪くない・ポンプとモーター、制御の劇的な進化
・多少のデメリットはあるが簡単に大きな力を出せるメリットのほうが大きい
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D37・足回り HST方式
油圧駆動の利点
○設計の自由度が大きい。○部品点数が機械式より少なくて済む。(構造が簡単・安く作れる。)○トラブルが少ない(リペアコストの削減)
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○トラブルが少ない(リペアコストの削減)○クラッチ・ブレーキがなく操作が簡便。○レバーを放せば止まる安全性。○電気と組合せが簡単にでき、いろんな制御が可能。○安全装置を組み込める。
開発のねらいは「進化させられる集材機」
開発の構想
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機械式と油圧式
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完成した油圧式集材機
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エンドレス索とホールバック索の同調
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誘導時のバックテンション
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たるませる・強く張ってとボタン一つで自由に誘導
安全性が格段に向上
誰でもできるオペレートフックが暴れない
油圧集材機の利点のまとめ
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超便利なリアーアンカードラム左右の張力もワンタッチで均等に張れる
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その他の利点=油圧集材機のキャレッジは最後まで動力で走る
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主索巻取機 1.架設撤収の時間短縮と安全性2.楽な主索の取回し
3.着脱が簡単なドラム機構4.メンテナンスが簡単な油圧駆動
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油圧集材機集材中 低燃費動画 2-1油圧集材機前田
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履帯付オートラン集材機(ステップアップ機)○今回は電気制御とインターロック機構の完成○今年はリピーターを使った広範囲無線制御とキャレッジの自動走行。次は履帯をつけて本体の
トラックへの積込と据え付けの合理化
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リードロープの引回し 2-2ラジコンショート
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オートチョーカー
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夢が持てる集材システムがはじまった
模型飛行機・主索巻取機
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先山では
オートチョーカー
オペレータは
列状間伐
●作業道の道上の立木を使えばタワーヤーダー的にインターロックによる快適な作業が行える。
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● 作業道上の材の着床地点にウインチが据わらないので、安定した道路上の平面部を荷卸し場として使える。
●作業終了後の移動もクローラによる走行で素早く簡単に行える。
油圧集材機パートⅡ(2名で半自動運転)
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荷やフックを自分で目視できるということは安全であり作業の効率も格段に違う
全木集材だからできる製紙用チップ材の集荷
・林地残材15年前から年間2万トン集荷
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低コスト造林への挑戦・保安林は素材生産業者にも2年以内の植林義務が課せられた・全木集材での地拵えの省略・植林資材のケーブルクレーン(0.5t未満)資格適用除外による造林地への搬送・搬出した後からすぐ造林
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今回のプロジェクトの副産物
・県と業者の林業における問題点や情報の共有
・若者が県と本音で林業の未来を話せる様に・若者が県と本音で林業の未来を話せる様になった
・急傾斜地林業の未来に一条の光がさし、
若者がやる気を出しだした。
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End
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