digraj-gd 12/04/2011 ケネス・チャン
TRANSCRIPT
MDA Framework
発表者:ケネス・チャンキューエンタテインメント株式会社
著者: Robin Hunicke, Marc LeBlanc, Robert Zubek
MDAフレームワークとは?• 2004年に筆者らが発表した論文• GDCなどのワークショップで多用される• ゲームデザイン、評価、分析、研究をつなげる
フレームワーク・デザイン手法• ゲームの構造の全体を捉えた総論• 原文 :
– Google ”で MDA Framework”で検索– 一部の日本語訳: https://
docs.google.com/document/pub?id=1pfs_IL2HGQcRDmwYeXSKw91wfPiIAeRphy08B4HECrE
ゲームの基本構造
ルール
システム
楽しさ・面白さ
ゲームの基本構造
Mechanics
メカニックス
Dynamics
ダイナミックス
Aesthetics
アスセティックス
MDAの定義• Mechanics (メカニックス )
– データ、アルゴリズムレベルのゲームの根本的な仕組み
• Dynamics (ダイナミックス )– 様々なMechanicsの相互作用、及びプレイヤーの入力によって生まれてくる展開
• Aesthetics (アスセティックス・表現 )– プレイヤーがゲームとインタラクションをする際感じることが出来る、望まれる感情
2つの異なる視点
Mechanics
メカニックス
Dynamics
ダイナミックス
Aesthetics
アスセティックス
設計者
消費者
設計者の視点
消費者の視点
どっちの視点も重要
Aesthetics(アスセティックス・表現 )
Aesthetics = 楽しさ・面白さ
• Quakeは「面白いし楽しい」• Simsは「面白いし楽しい」• Final Fantasyは「面白いし楽しい」• ?????
Aestheticsを具体化しよう• 1.) Sensation (知覚);知覚的な喜びを与えるゲーム• 2.) Fantasy(ファンタジー):仮想世界として楽しめるゲーム
• 3.) Narrative(物語);物語として楽しめるゲーム• 4.) Challenge(挑戦);障害を乗り越える楽しみを味わえるゲーム
• 5.) Fellowship(仲間意識);ソーシャルフレームワークとしてのゲーム
• 6.) Discovery(探検);見知らぬ領域を探検する楽しみを味わえるゲーうム
• 7.) Expression(表現):自己発見としてのゲーム• 8.) Submission(服従);暇つぶしとしてのゲーム• まだまだた色んな「面白さ」と「楽しさ」がある
Aestheticsを具体化しよう
• Quake: 挑戦、知覚、競争、ファンタジー• The Sims: 探検、ファンタジー、表現、物語
• Final Fantasy: ファンタジー、物語、表 現、探検、挑戦
Aestheticsのモデル化
• Aestheticsを選んで、ゲームのゴールにすることが出来る
• Aestheticsをモデル化することでより明確にゲームの本質を表す
Aestheticモデルの例
• 例:「競争」• 相手が必要• プレイヤーは相手を倒すことに感情移入している必要がある
• 失敗例:–明確な目的がない >競争の理由がない–勝てそうにない >感情移入できない
Dynamics(ダイナミックス )
Dynamicsとは?
• Mechanicsから生み出される• 行動による結果の理由を探る際に使う
Dynamicsモデル
• Aestheticsと同様、多くのモデルが存在する
• Dynamicsモデルは分析的である
Dynamicsモデルの例
2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
確率
合計
2d6のモデル
Dynamicsモデルの例
モノポリーのフィードバックシステム
Mechanics(メカニックス )
既に多くのMechanicsが存在している
• カードゲーム:シャッフル、賭け• FPS:弾薬、復活ポイント• など
Mechanicsと Dynamicsの関係
• Mechanicsによって 2種類の結果がある–直接mechanicsから生み出される結果
• 例 :弾切れ >弾薬出現ポイントから回収–間接的にmechanicsから生み出される結果
• 例:弾切れ>弾薬出現ポイントから回収>弾薬出現ポイントを芋る
Mechanicsはゲームの最も根本的な部分
• Aestheticsと Dynamicsを分析し、Mechanicsを見直そう
• 例:モノポリー– Dynamics:貧富の差が段々開き、やがて 1人や 2人のプレイヤーの一人勝ち状態になってしまう
– Aesthetics:勝てそうにないプレイヤーは感情移入できない
– Mechanics:所持金の量によって上昇する税金システムを導入する
MDA Framework
「フレームワーク」
• ゲームの「どこ」を、「どう」見ればいいかを提案している–が、具体的なことはまだ明らかではない
• 今後何をモデル化すれば良いか、をMDAフレームワークを用いて判断する
現在のMDAの欠点
• MDAは共通言語として使えるほど細かくない–直感的に理解できる分、捕らえられる範囲は限られている
• Dynamicsの分析はある程度の前例がないと出来ない–出来たとしても根拠がない