di gra2015夏 日本の80年代ゲーム_公開版
TRANSCRIPT
日本の80年代ゲームを海外インディー市場でリメイクする可能性に
関するスウェーデンでの調査例
Investigation example in Sweden about the possibilityto remake Japanese games from the 1980s
to an overseas indie market
予稿集47-51p
東京工科大学メディア学部
岸本 好弘 三上 浩司
2015年8月1日(土曜)11:40-12:00 ©Yoshihiro KISHIMOTO
1.1 背景
「インディーゲーム」
個人や小規模の開発チーム,新規独立系企業などによって制作されるビデオゲームタイトルの総称
大手ゲーム会社(メジャー)に対して言う
6©thatgamecompany ©Subset Games
1.1 背景
「インディーゲーム」の活性化の歴史
●開発側「Unity」(2005~)などのゲームエンジン
●販売側「Steam」(2003~)「App Store」(2008~)「Google Play」(2008~)などの、各種プラットフォームでのダウンロード販売の普及
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2.1 大手ゲーム会社のリメイク事例
『スーパーマリオブラザース』
(任天堂,1985)
34タイトル以上
『ポケットモンスター 赤・緑』
(任天堂,1996)
42タイトル以上
2Dピクセル画から3Dの高解像度のグラフィックに進化
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2.2 スウェーデンの紹介
「北欧」のモバイルゲーム産業
App Store(2008)以降
急激にゲームの売上が増加
スウェーデン
「インディー」である Mojang社が
『Minecraft』を生み出した
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2.2 スウェーデンの紹介
スウェーデンの大学でのゲーム教育
・Uppsala University
・University of Skovde(シェーブデ)
・(ブレキンゲ) Blekinge University of
Technology
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2.2 スウェーデンの紹介
スウェーデンの大学でのゲーム教育
・Uppsala University
・University of Skovde(シェーブデ)
・(ブレキンゲ) Blekinge University of
Technology
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2.3 GGCの紹介
ウプサラ大学芸術学部ゲームデザイン学科主催
「ゴットランド・ゲーム・カンファレンス
(Gotland Game Conference) 2015」
に招かれ,講演とゲーム展示を行った
(5月24~26日)
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2.4 日本に関する事前知識
事前「日本のゲームの認知度」アンケート調査
対象:ウプサラ大学ゲームデザイン学科の学生
「Super Mario」97%,「Pokemon」93%
「Japanese Animations」「Manga」「Sushi」「Samurai」 「Ninja」「Cosplay」 80%以上
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2.5 『バラデューク』の紹介
「Video games of the 1980s in Japan
(日本の1980年代のビデオゲーム)」
『バラデューク』(ナムコ, 1985 )
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©BNEI
3.1 調査方法
講演内で『バラデューク』の動画を見せ,解説を行った後,ウェブ上でアンケート調査を行った.
(1) 調査対象者:ウプサラ大学でゲーム制作を学ぶ大学生たち
(2) 調査期間:2015年6月1日~6月8日(3) 調査方法:Google Formでのアンケートに無記名で
記入(4) 設問: “How would you do a remake of
Baraduke to be launched outside of Japan, now?” (今,あなたが『バラデューク』を日本以外で販売するために、どのようにリメイクしますか?)に自由記入で回答
(5) 回答数 26名
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4. 結果および考察
スウェーデンの学生たちの『バラデューク』リメイクに向けたアイデアを総合すると次のとおりである.
• PCをプラットフォームとして,Steamで販売• 2Dグラフィック
グラフィックは現代のHDテクスチャーに変更• ゲームシステムは,恐怖,緊張,密室感というオ
リジナリティは残す• 追加仕様として,グローバルハイスコア,協力プ
レイ,業績・レベルアップ・難易度設定の追加• サウンドを強化する• この方向性でのリメイクにより,「世界のイン
ディー市場で十分通用する」との意見であった.
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5. まとめ
今回の調査によって,インディーゲーム開発が盛んなスウェーデンでゲーム制作を学ぶ学生らの意見としては,「日本の1980年代のピクセルアートのビデオゲームのシステムや世界観は評価に値するものであり,主にグラフィックの改変を加えてリメイクすることによって,PCやモバイルフォンのレトロゲーム市場に受け入れられる可能性がある」ことが確認できた.
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引用文献
文 献世界ゲーム革命(2011). NHK取材班他. NHK出版七邊 信重(2014), モバイルゲーム産業の「北欧モデル」―フィンランドとスウェーデンを中心に―,FMMC 研究員レポートマインクラフト―革命的ゲームの真実(2014) . ダニエル ゴールドベリ(著),リーヌスラーション(著) ,羽根 由(訳) .角川書店Gotland Game Conference< http://gotlandgameconference.com/2015/>(2015年7月12日)カタログIPオープン化プロジェクト<http://open.channel.or.jp/>(2015年7月12日)
ゲーム『Minecraft』, Mojang, 2009. (PC)『スーパーマリオブラザース』, 任天堂, 1984. (FC)『ポケットモンスター赤・緑』, 任天堂, 1998, (GB)『バラデューク』,ナムコ,1985.(アーケード)
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12:10-12:40 インタラクティブセッション
学生らの制作した「学習ゲーム」3つ展示
• 「シリアスゲームジャム」による「子供向けインターネット安全知識教育ゲーム」の制作事例
• 世界中のプレイヤーに向けた数学的思考力ゲーム「Global Math 2014コンテスト」での学習ゲームの制作事例
• 英語学習アプリ『WORD BRIDGE』試作の試み
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Q&A
日本の80年代ゲームを海外インディー市場でリメイクする可能性に関するスウェーデンでの調査例
Investigation example in Sweden about the possibility to remake Japanese games from the 1980s to an overseas indie market
岸本 好弘 [email protected]
ご質問、ご意見ございましたら、挙手をお願いいたします.
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日本の80年代ゲームを海外インディー市場でリメイクする可能性に関するスウェーデンでの調査例
概要個人や小規模チームによるインディーゲーム開発の活性化と市場の拡大は,ゲーム産業全体にとって大きなメリットがある.しかし,そこに提供されるゲームは玉石混淆なのが実情である.市場の信頼性を維持し,世界と渡り合うためには,新規のゲーム開発だけでなく,1980年代の良質な「ゲーム資産」の活用にも大きな可能性がある.本研究では,大ヒット作『Minecraft』を生み,インディーゲーム開発の盛んなスウェーデンにおいて,日本のゲーム資産リメイクの可能性を調査した.
キーワードインディーゲーム,インディー市場,リメイク,ゲーム資産,スウェーデン
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