ctf2016 no.4...
TRANSCRIPT
2016年3月27日(日) 株式会社ソーシャルカンパニー Meetup コミュニティマネージャー 市川裕康 (@socialcompany)
CivicTech Forum 2016
米国シビックテックをめぐるエコシステムとコミュニティの可能性
#civictechjp
①観察者として(2010年〜2015年)2010年7⽉から約5年、200本の記事を『現代ビジネス』に寄稿する過程でレポートしてきたこと。・クライシスマッピング(災害時のテクノロジー活⽤)・オープンガバメント・シビックテック・クラウドファンディング・シェアリングエコノミー・社会起業家・ソーシャルグッド
②コミュニティ・プラットフォーム⽀援の⽴場として (2015年10⽉〜)・⽶国発コミュニティ⽀援プラットフォームサービスMeetup(ミートアップ) のコミュニティマネージャーとして
■シビックテックとの関わり・⾃分の視点
#civictechjp
今⽇お伝えしたいこと
【1】⽶国”シビックテック”をめぐる近年のトレンドについて
【2】持続可能なつながり・コミュニティを活性化するしくみ としてのMeetup (ミートアップ) のご紹介
【3】Q&A
#civictechjp
2010年7⽉から約5年間「現代ビジネス」にて連載。約200本、海外のデジタル・テクノロジー、ソーシャルメディアの公共分野における活⽤事例・トレンドをレポート
2010年8月27日
2010年12月27日 #civictechjp
ケニア発、世界中の危機・災害時に不可⽋な位置関連情報集約サイト、『ウシャヒディ(Ushahidi )』 http://bit.ly/1qgM06x
ウェブ技術者と地域⾏政が出会うプログラム〜「コード・フォー・アメリカ」の試み http://bit.ly/1qgMae1
2010年7⽉から約5年間「現代ビジネス」にて連載。約200本、海外のデジタル・テクノロジー、ソーシャルメディアの公共分野における活⽤事例・トレンドをレポート
2013年6月21日 2015年6月16日
「シビックテックとは、少数ではなく多くの⼈々の⽣活を改善するテクノロジー」 パーソナル・デモクラシー・フォーラム参加レポート #PDF15 http://bit.ly/1WKxywD
「パーソナル・デモクラシー・フォーラム」レポート 〜市⺠と政治・⾏政をつなぐシビック・テクノロジー業界の可能性 http://bit.ly/1SGE5r7
2009/2010[インパクト投資・社会起業家]
2010/2011/2012/2013[社会起業家]
2013/2014/2015[CivicTech]
2014/2015[コミュニティ・マネージャー]
テクノロジー、メディア、コミュニティ、Social Goodを⼿がかりにいくつかのカンファレンスに参加する中で出会った”シビックテック”
#civictechjp
http://socialcapitalmarkets.net/
http://skoll.org/skoll-world-forum/ http://cmxhub.com/summit/
https://personaldemocracy.com/conferences
[ガバメント2.0]政府は⾃動販売機(税⾦の対価としての既成サービス提供者)ではなく政府はプラットフォームになるべき(ティム・オライリー)2009年秋
シビックテックと呼ばれるムーブメントの背景
#civictechjp
【オープンガバメント関連カテゴリー】
①「Data Access & Transparency(データアクセスと透明性)」・Socrata:政府データの公開化、透明化、アカウンタビリティ向上⽀援
②「Data Utility(⾏政データの分析・可視化)」・mySociety:FixMyStreet、TheyWork ForYouなどの⾏政サービスの分析・可視化⽀援・Code for America(1,100万ドル調達):ウェブプロフェッショナルの地⽅⾃体への派遣等
③「Public Decision Making(住⺠による意思決定)」・LocalOcracy:地域住⺠による意思決定参加プラットフォーム提供
④「Resident Feedback(住⺠からのフィードバックプラットフォーム)」・SeeClickFix:市⺠による⾏政機関へのフィードバック伝達サービス
⑤「Visualization & Mapping(ビジュアライゼーション・マッピング)」・Azavea:情報の視覚化と地図上に表⽰させることで市⺠⽣活向上に役⽴つヒントを提供
⑥「Voting(選挙・投票)」・TurboVote:選挙登録促進や公正な選挙プロセスの⽀援
#civictechjp
http://knightfoundation.org/features/civictech/
【コミュニティ・アクション関連カテゴリー】
⑦「Civic Crowdfunding(公共分野のクラウドファンディング)」・Neigbor.ly:地域のプロジェクトのためのインターネット上の融資や寄付プラットフォーム
⑧「Community Organizing(コミュニティオーガナイジング)」・Change.org(1,500億ドル調達):地域の社会課題解決のための署名プラットフォーム
⑨「Information Crowdsourcing」(情報のクラウドソーシング)」・waze(3,000万ドル調達):交通量データなど⼤量のデータを集積することで市⺠⽣活向上のためのサービス提供
⑩「Neighborhood Forums」(近隣住⺠のためのフォーラム)」・Nextdoor(4,000万ドル調達):地域住⺠グループをつなぎ、共有、コラボレーションの促進
⑪「Peer-to-Peer Sharing」(⽣活者同⼠のシェアサービス)」・AirBnB(1億1,800万ドル調達):ユーザー同⼠で空いた部屋の貸し借りを可能にするプラットフォームサービス
#civictechjp
http://knightfoundation.org/features/civictech/
シビックテックと呼ばれるムーブメントの背景
2008年に設⽴されたSeeClickFixは市⺠からの⾏政機関へのリクエストをウェブやスマートフォン経由でレポートすることを可能にするサービス合計調達額:337万ドル
#civictechjp
シビックテックと呼ばれるムーブメントの背景
2010年に設⽴されたNextdoorは地域のコミュニティ内でのサービス情報、防犯情報、イベント情報などを共有するプラットフォームサービス。合計調達額:2.1億ドル
#civictechjp
Code for America Annual Report 2012より (http://annual.codeforamerica.org/)
シビックテックと呼ばれるムーブメントの背景
#civictechjp
■アメリカ特有の「この指とまれ」⽂化の歴史
フランス人思想家アレクシス・ド・ トクヴィルによると,アメリカ社会の特徴は,市民が自力で問題解決にとりくむためにつくった,多くのアソシエーションが存在することである(1835 『アメリカの民主主義』)。 「私はアメリカでまったく予想もしなかったいろいろな種類のアソシエーションに出会った。私は,アメリカの住民たちが一定の共通目的に多数のひとびとの努力を集中させ,そしてこの目的にむかって彼らを自由に前進させるようにする限りない術をこころえていることに感嘆したものである」
#civictechjp
■シビックテック⼈材を⽣み出す⼈的ネットワーク
シリコンバレーやテックスタートアップを休職して⻑期間に渡って⼤統領選などの公共的なプロジェクトに関わることで⽣まれる『同じ釜の飯を⾷べる』仲間・ネットワークがうまれることも。
#civictechjp
■シビックテック⼈材を⽣み出す⼈的ネットワーク
2014年⽶医療保険改⾰(オバマケア)の柱であるオンライン保険購⼊システム「HealthCare.gov」がオープン直後にクラッシュしたトラブルに際し、オバマ・キャンペーンで活躍した技術者が次々にリクルートされ、その後ホワイトハウスでのキャリアチェンジをする⼤きな流れにつながった(予算獲得含め)
#civictechjp
■⽶国シビックテック最⼤級のコミュニティカンファレンスパーソナル・デモクラシー・フォーラムについて
毎年6⽉にニューヨークで開催される政治・⾏政・市⺠参画とテクノロジーに関する国際会議「パーソナル・デモクラシー・フォーラム(Personal Democracy Forum : PDF)」PDFには約1,000⼈の起業家、社会起業家、アクティビスト、企業の政策担当者、ハッカー、ジャーナリスト、学者、政治家、連邦政府・地⽅⾃治体政府・財団・NPO職員などが⼀堂に会し、「テクノロジーがいかに⾏政、政治、市⺠活動にインパクトを与えるか」というテーマについて、2⽇間、議論・ネットワーキングが⾏われるカンファレンス。2004年に始まり今年で13年⽬
#civictechjp
■⽶国シビックテック最⼤級のコミュニティカンファレンスパーソナル・デモクラシー・フォーラムについて
“シビックテックとは、少数ではなく、多くの⼈々の⽣活を改善するために使われるあらゆるテクノロジーである”
写真は今から約120年前、アメリカ⼈のジャーナリスト/写真家だったジェイコブ・リース⽒が当時流⾏し始めていたフラッシュ・カメラを利⽤し、スラム街の様⼦を撮影したもの。当時のニューヨークのスラム街の劣悪な環境と、そこに住まざるを得ない移⺠の姿に光をあて、後の問題解決を促したテクノロジーの例として紹介された。
#civictechjp
▶そもそもなぜPersonal Democracy Forumに参加しようと思ったか? (過去登壇者)
●スコット・ハイファーマン (meetup.com CEO)●エリック・シュミット (グーグル 会⻑)●トーマス・フリードマン (ニューヨークタイムズ コラムニスト)●ジェフ・ジャービス (『パブリック―開かれたネットの価値を最⼤化せよ』著者)●トッド・パーク (ホワイトハウス チーフ・テクノロジー・オフィサー)●クレイグ・ニューマーク (クレイグズ・リスト 創業者)●クレイ・シャーキー (メディア専⾨家)●アリアナ・ハフィントン (ハフィントン・ポスト 創業者)●アレック・ロス (元国務省シニア・アドバイザー)●ラリー・レシッグ (ハーバード⼤学ロースクール教授)●セス・ゴーディン (作家・スピーカー)●伊藤穣⼀⽒ / MITメディアラボ所⻑●ベン・ラトレイ⽒ / チェンジ・ドット・オルグ(Change.org)創設者●イーサン・ザッカーマン⽒ / センター・フォー・シビック・メディア ディレクター ●ネイト・シルバー⽒ / 「FiveThirtyEight 編集⻑ 『シグナル&ノイズ』著者●キャサリン・ブレーシー⽒ / 元コード・フォー・アメリカ 国際プログラムディレクター ●エドワード・スノーデン⽒#civictechjp
▶初めて参加した際の感じたPDFの印象
・初めて参加した時に感じたシビックテック・コミュニティの⼒・未来を覗き⾒てしまったかのような感覚。⽇本で起きていることがスローモーション にさえ感じるほどダイナミックな動き・Code for America との出会い
#civictechjp
テクノロジー、メディア、コミュニティ、Social Goodを⼿がかりにいくつかのカンファレンスに参加する中で出会った PDF
▶「キャンペーンをするものの⼼得」
▶「テック業界が抱える男⼥格差問題」
▶「⼤統領選挙におけるビッグデータ活⽤」
▶「オンライン署名サイトがもたらす次世代型 『⼈』中⼼のムーブメントについて」
▶「プログラミング教育の重要性」
▶「フォー・プロフィット・シビック・テック・ スタートアップ企業がいかに⽭盾しないか」
▶「政治の世界が知っておくべきテック業界」
▶「プライバシーとサイバーセキュリティ」
▶「ウェブ上でバイラルを起こすための秘訣とは」
▶「医療分野でのテクノロジー・ビッグデータ活⽤」#civictechjp
「少数ではなく、多くの⼈々の⽣活を改善するために使われるあらゆるテクノロジー」としてのシビックテック(Personal Democracy Forum)
「テクノロジーによってロボットが私たちの仕事を奪うのではなく、こうしたこと(CrisisTextLine)にこそ、テクノロジーが活⽤されるべきで、(私たちの⽣活を)より早く、より良くするのです」
「クライシス・テキスト・ライン」若者が抱える鬱、⾃殺未遂、過⾷症、いじめなどの悩み相談をテキストで受け付け、専⾨のカウンセラーが対応するサービス。
サービス開始から3年、⼀⽇平均2万件のテキストメッセージ、延べ1500万件以上もの問い合わせが蓄積。メッセージを受けて実際にアクティブに救済のアクションを取る件数は平均1⽇2.4件。膨⼤なビッグデータとして蓄積されていることで、⾃然⾔語処理による分析・解析データを実際の⽀援に活⽤されている。
「少数ではなく、多くの⼈々の⽣活を改善するために使われるあらゆるテクノロジー」としてのシビックテック(Personal Democracy Forum)
[GOV. UK]のプレゼンテーションの翌年に⽬にした US Government Digital Serviceのプレゼンテーション。
#civictechjp
USガバメント・デジタル・サービス
「『Healthcare.gov』はシビックテックのために起きたことの中で最⾼の出来事の1つだった」と語るホワイトハウスデジタルガバメントサービスのDeputy Administrator、Haley Van Dyck⽒
“What weʼre seeing is a 19th Century institution often using 20th Century technology to respond to 21st Century problems. We need to change that.”
私たちが今⽬にしているのは
「19世紀の制度(政府)で20世紀のテクノロジーを活⽤して21世紀の問題に対処しようとしている。」
変化が必要です。
“Built with, Not for”『誰かのために、ではなく共に』
「少数ではなく、多くの⼈々の⽣活を改善するために使われるあらゆるテクノロジー」としてのシビックテック(Personal Democracy Forum)
#civictechjp
■⽶国シビックテック最⼤級のコミュニティカンファレンスパーソナル・デモクラシー・フォーラムについて
ダナ・ボイド(danah boyd)⽒アメリカにおける若者とインターネット研究の第⼀⼈者。Data & Society創業者。マイクロソフト・リサーチ・シニア研究員。ニューヨーク⼤学助教。専⾨はメディア、⽂化、コミュニケーション。ハーバード⼤学フェロー。
#civictechjp
■⽶国シビックテック最⼤級のコミュニティカンファレンスパーソナル・デモクラシー・フォーラムについて
ステイシー・ダナヒュー(Stacy Donohue)⽒オミディア・ネットワーク投資パートナー過去の投資実績: Code for America, Global Integrity, SeeClickFix, Tumml, Datakind, and NewsDeeply. Code for America and Global Integrityのボードメンバー
ワエル・ゴニム(Wael Ghonim)⽒インターネット活動家(アラブの春の際の⾰命家)Parlio共同設⽴者
シェリー・タークル(Sherry Turkle)⽒MIT教授(⼼理学)『接続された⼼―インターネット時代のアイデンティティ』『Alone Together』『Reclaiming Conversation: The Power of Talk in the Digital Age』
ニューヨークにできた“シビックテック”ムーブメントの⼀⼤拠点グーグル、マイクロソフトなども⽀援する「シビックホール」過去1年でほぼ毎⽇イベントが開催され、延べ2万⼈が参加。会員は約900名
NYシビックテックのコミュニティセンターとしての CivicHall
#civictechjp 紹介動画:https://www.youtube.com/watch?v=AftQ47LqVbw
New York Tech コミュニティハブとしてのNY Tech Meetup全⽶・世界中に広がるCode for America、Code for all
#civictechjphttp://www.meetup.com/ny-tech/
アイディア! → ムーブメントへアイディア!
キュレーション & Blog -----⾃分のメディアをつくる
ミートアップ(オンラインからオフラインへ)
学びのコミュニティの構築(オン&オフ)
サークル、NPO、起業・企業
ムーブメントへ・・・
オンラインコミュニティの構築&運営
データ
⼿段としてのインターネット (インターネットを使ってリアルなコミュニティのつながりを)
#civictechjp
23万以上の Meetupグループ (*国内約2400)
約2500万人の 登録メンバー (*国内約14万人)
180カ国
海外シビックテックトレンドを学び、実践するためのコミュニティ
⽇時:4⽉12⽇(⽕)20:00-21:30
場所:リクルートメディアテクノロジー ラボ(MTL) Cafe
パーソナル・デモクラシー・フォーラムに興味を持っている⽅対象にしたMeetupを開催します。
ぜひお気軽にお越しくださいJ
http://www.meetup.com/TokyoCivicist/events/229884810/#civictechjp
本⽇はどうもありがとうございました。
株式会社ソーシャルカンパニーMeetup コミュニティマネージャー市川裕康 [email protected]
www.socialcompany.orgwww.meetup.com