新卒看護師の成長を促進する関わり - uminjanap.umin.ac.jp/mokuji/j1402/10000004.pdf30...

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30 日看管会誌 Vol. 14, No. 2, 2010 The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol. 14, No. 2, PP 30-38, 2010 報告 新卒看護師の成長を促進する関わり Involvement in Promoting the Development of Newly-Graduated Nurses 佐藤真由美 Mayumi Sato Key words : newly-graduated nurses, socialization, growth, clinical competency キーワード : 新卒看護師,社会化,成長,臨床実践能力 Abstract This research focused on the socialization of newly-graduated nurses and their clinical compentencies for nursing. The growth and development of newly-graduated nurses was viewed in terms of socialization, the improvement of their practical nursing capabilities, and in the way that newly- graduated nurses are perceived. Forms of involvement in promoting the growth and development of newly-graduated nurses were clarified retroactively. At two facilities of an acute hospital provided by the local government, a group interview was conducted with the use of a semi-constructive questionnaire targeting nurses who had been working for a period of two years since completing their basic nursing education, and the data with regard to “their actual experience in the first year of socialization, the improvement of their clinical competencies for nursing, and the different types of effective involvement” were collected. Word-for-word data was encoded into types of action, and then categorized. All 6 nurses whose consent I obtained were female of average age of 23.3 years. They belonged to the general ward of the department of internal medicine, or the department of surgery. They responded that there was a full-time worker in charge of training in the ward where all the nurses worked. As forms of involvement in promoting the growth and development of newly-graduated nurses, “the teaching of practical nursing skills for the carrying out of duties,” “the formation of a constructive learning culture,” “approval,” “attention to important circumstantial information,” “nursing safety,” “motivation,” “the nurturing of socially responsible nurses,” and “role models” were selected. I believe that a focus on the socialization of newly-graduated nurses and the clarification of their place within society and nursing will be useful for the training of newly-graduated nurses in the future. 本研究は,新卒看護師の成長を「新卒看護師が認識した,社会化と臨床実践能力の向上」と とらえ,成長を促進する関わりについて遡及的に明らかにした. 地方の急性期型病院2施設において,看護基礎教育を終え直ちに就職した2年目の看護師を 対象に,半構成的質問紙を用いたグループインタビューを行い,「1年目を振り返って,社会 化や臨床実践能力の向上を実感する体験,どのような関わりが効果的だったか」についてデー タを収集した.逐語化したデータを行動レベルまでコード化したのちカテゴリー化した. 同意の得られた看護師6名は全て女性で,平均年齢が 23.3 歳,内科系および外科系の一般 病棟に所属していた.全員が勤務する病棟に専任の教育担当者がいたと答えた. 新卒看護師の成長を促進する関わりとして,【職務遂行のための実践的看護技術の教示】,【建 設的学習風土の形成】,【承認】,【状況での重要な情報への注意喚起】,【看護実践の安全弁】,【動 受付日:2010 年 1 月 12 日  受理日:2010 年 9 月 18 日 弘前大学大学院保健学研究科 Hirosaki University Graduate School of Health Sciences

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30 日看管会誌 Vol. 14, No. 2, 2010

The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol. 14, No. 2, PP 30-38, 2010

報告

新卒看護師の成長を促進する関わりInvolvement in Promoting the Development of Newly-Graduated Nurses

佐藤真由美Mayumi Sato

Key words : newly-graduated nurses, socialization, growth, clinical competency

キーワード : 新卒看護師,社会化,成長,臨床実践能力

AbstractThis research focused on the socialization of newly-graduated nurses and their clinical

compentencies for nursing. The growth and development of newly-graduated nurses was viewed in terms of socialization, the improvement of their practical nursing capabilities, and in the way that newly-graduated nurses are perceived. Forms of involvement in promoting the growth and development of newly-graduated nurses were clarified retroactively.

At two facilities of an acute hospital provided by the local government, a group interview was conducted with the use of a semi-constructive questionnaire targeting nurses who had been working for a period of two years since completing their basic nursing education, and the data with regard to “their actual experience in the first year of socialization, the improvement of their clinical competencies for nursing, and the different types of effective involvement” were collected. Word-for-word data was encoded into types of action, and then categorized.

All 6 nurses whose consent I obtained were female of average age of 23.3 years. They belonged to the general ward of the department of internal medicine, or the department of surgery. They responded that there was a full-time worker in charge of training in the ward where all the nurses worked.

As forms of involvement in promoting the growth and development of newly-graduated nurses, “the teaching of practical nursing skills for the carrying out of duties,” “the formation of a constructive learning culture,” “approval,” “attention to important circumstantial information,” “nursing safety,” “motivation,” “the nurturing of socially responsible nurses,” and “role models” were selected.

I believe that a focus on the socialization of newly-graduated nurses and the clarification of their place within society and nursing will be useful for the training of newly-graduated nurses in the future.

要  旨

本研究は,新卒看護師の成長を「新卒看護師が認識した,社会化と臨床実践能力の向上」ととらえ,成長を促進する関わりについて遡及的に明らかにした.

地方の急性期型病院2施設において,看護基礎教育を終え直ちに就職した2年目の看護師を対象に,半構成的質問紙を用いたグループインタビューを行い,「1年目を振り返って,社会化や臨床実践能力の向上を実感する体験,どのような関わりが効果的だったか」についてデータを収集した.逐語化したデータを行動レベルまでコード化したのちカテゴリー化した.

同意の得られた看護師6名は全て女性で,平均年齢が 23.3 歳,内科系および外科系の一般病棟に所属していた.全員が勤務する病棟に専任の教育担当者がいたと答えた.

新卒看護師の成長を促進する関わりとして,【職務遂行のための実践的看護技術の教示】,【建設的学習風土の形成】,【承認】,【状況での重要な情報への注意喚起】,【看護実践の安全弁】,【動

受付日:2010 年 1 月 12 日  受理日:2010 年 9 月 18 日弘前大学大学院保健学研究科 Hirosaki University Graduate School of Health Sciences

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Ⅰ.はじめに

新卒看護師の早期離職の問題を背景に 2004 年に日本看護協会が行った調査報告書によると,新卒看護師の職場定着を困難にしている第 1 の原因は看護基礎教育終了時点での能力と看護現場で求められる能力とのギャップである(日本看護協会,2005).学生から社会人への移行に沿って生じる,期待・現実感のギャップに由来するものは,リアリティショックと定義されている(Kramer, 1974).新卒看護師の教育方法として前述の調査でも 8 割以上の病院で導入されているプリセプターシップは,このリアリティショックを軽減し新卒看護師の社会化と実践能力を促進するための教育方法として導入された経緯がある(上泉,2001).

社会化とは一般的には集団の成員が,その集団の価値を内面化していく過程を指している(松本,1990).人が職業につくときの社会化の概念には組織社会化と職業的社会化の 2 つの側面があり,組織社会化は組織への新規参入者がその組織や仕事の価値観,行動様式を学習する上で重要な役割を果たしており,社会化がうまくいった結果として離職意思が低下する(高橋,2002)といわれている.看護の社会化についての研究は,Leddy(1998)が看護に適用できる多くの社会化の理論が開発されていることを紹介しており,その中で Davis が社会化は基礎教育に入った段階から始まるとしている(Hinshaw,1976).また,Kramer(1974)は,看護師として仕事に就くとき,働く場で再社会化のプロセスがはじまり,技術とルーチンの習得,対人関係の調整,感情の表出(怒り,フラストレーション,強い不快など),矛盾または不一致を解決し,組織における行動,価値観,専門職性を獲得する,の 4 段階の過程を通して社会化が実現されるとした.看護師の専門職への社会化は,「専門職としてのアイデンティティと専門職役割との一致がより構造化され内面化されるプロセス」と定義されている概念である(Leddy,1998).多くの研究者はこれを連続的で生涯続くプ

ロセスととらえていることから,Kramer(1974)の再社会化の概念は,学生から看護実践の場への移行期の初期におこる葛藤に焦点をあてているといえる.これらのことから,新卒看護師の早期離職の原因は働く場への社会化がうまく進んでいないのではないかと考えた.

医療安全の確保に向けた体制整備は喫緊の課題であり,なかでも新卒看護師の医療安全推進や臨床実践能力の向上に加え,離職防止が期待されている.新卒看護師の看護技術をどう習得させるかに加えて,社会化をどう促進するかは効果的な研修の運営にとっても極めて重要である.

新卒看護師の継続教育についての国内の研究をみると,新卒看護師の臨床実践能力の向上には臨床での経験が大きく影響しており,On The Job Training (以下 OJT とする)が重要な役割を果たすことが示唆されていること(中野ら,2004),プリセプターシップについては教え方などの実質的な役割に対する具体的支援が少ないこと(鈴木ら,2002)などが報告されていた.しかし多くの病院でプリセプターシップを導入している現状にありながら,周囲の先輩看護師が OJT を通して社会化を促進するためにどのようなことを行っているかについての報告は見あたらなかった.そこで,社会化を促進することが離職を防止し専門職としての成長である能力や価値観を変化させることにつながるとすれば,どのような関わりが新卒看護師の社会化を促進し臨床実践能力を身につけていくのかを探求する必要がある.そこで,本研究では新卒看護師の成長を,

「新卒看護師が認識した,社会化と臨床実践能力の向上」ととらえ,成長を促進する関わりを明らかにすることを目的とする.

Ⅱ.研究の前提

本研究では新卒看護師の成長を,「新卒看護師が認識した,社会化と臨床実践能力の向上」ととらえ

機づけ】,【社会人としての態度の育成】,【役割モデル】が抽出された.新卒看護師の社会化に焦点を当て,居場所をつくる働きかけがどのようなことかを明らか

にした点で,今後の新卒看護師育成に活用できるものと考える.

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ている.社会化の定義における共通の要素は,①その集団を構成する成員性の習得である,②基本的に学習の過程である,③他者との相互作用を通してパーソナリティを社会体系(社会システム)に結びつける過程である(柴野,1992).また,一般的に成長とは,育って成熟すること,発育と同じ意味で形態形成あるいは形態変化に対して用いる言葉である(新村,1998)が,社会化は学習の過程であることを前提として,本研究での成長は他者との相互作用の中で学習や経験が加わることでおこる変化として考えた.

新卒看護師の臨床実践能力については,厚生労働省(2004)の「新人看護職員の臨床実践能力の向上に関する検討会」報告書において,新人看護職員が卒後 1 年間に修得すべき臨床実践能力の目標が示された.看護職員として必要な基本姿勢と態度,看護実践における技術的側面,看護実践における管理的側面の 3 要素に分けられており,これらは臨床実践の場で統合されるべきものとして図示されている.また,文部科学省(2004)は看護学教育の在り方に関する検討会報告で「看護実践能力育成の充実に向けた大学卒業時の到達目標」を示す際に,看護実践能力は生涯にわたり向上するものであり,卒業後に自ら研鑽することで意味をなすとしている.このことから,本研究における臨床実践能力は前述の 3 要素を網羅した内容とした.

Ⅲ.用語の定義

本研究では,「新卒看護師」,「成長」,「社会化」,「臨床実践能力」,「新卒看護師の成長を促進する関わり」について,次のように用語を定義した.

新卒看護師:看護基礎教育を終え,直ちに就職して1年目の看護師.

成長:新卒看護師が認識した社会化と臨床実践能力の向上.

社会化:職場の雰囲気や仕事になじみ,チームの一員として周囲との人間関係を良好に保ち,責任ある適切な行動と安全な看護技術の提供が一通りできること.

臨床実践能力:日常生活援助や診療に伴う援助を中心とした直接的な看護ケアにおいて知識,判断,

コミュニケーション技能,手順的技能が総合されたものに加え,看護業務を遂行する上での能率性をあわせたもの(中野ら,2004).

新卒看護師の成長を促進する関わり:新卒看護師が成長に役立ったと認識した,先輩,上司,同僚などから受けた,直接的・間接的対応.

Ⅳ.方法

1.研究デザイン本研究は,新卒看護師の成長を「新卒看護師が認

識した社会化と臨床実践能力の向上」ととらえ,成長を促進する関わりについて遡及的に明らかにする質的因子探索型研究である.

2.研究方法1)対象者新人教育プログラムを有する A 県内の病院 2 施

設において,施設の看護管理者に,看護基礎教育を終えて直ちに就職して 2 年目の看護師全員の紹介を依頼した.紹介された全員を対象として,個別に郵送にて研究依頼を行った2)データ収集方法協力の得られた対象者に,インタビューガイドを

用いたグループインタビューを行った.グループインタビューは,討議をすることによりリラックスした雰囲気を作り出し,非常に幅広いより包括的な参考となるデータが得られる(Vaughn, et al., 1996)ことから,この方法を用いた.インタビューガイドに沿って,社会化については,前述の定義を説明した上で,「職場の一員としてなじんできた」「職場のマナーやしきたりがわかってきた」「もう学生でなく仕事をしていく覚悟ができた」と実感する経験があるかについて質問をした.また,臨床実践能力については,「知識や仕事での経験から判断し,患者さんやほかのスタッフとのコミュニケーションをうまくとりながら,正確な方法で能率よく行えるようになった,ここで自分もメンバーのひとりとして役立っている」と実感する経験があるか,について質問をした.そして,これらについて,「誰によるどのような関わりが役立ったか」についてデータを収集した.また,個人背景として,年齢,勤務する病棟,

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学歴,プリセプターなど教育担当者の有無,同一勤務をした期間などを尋ねた.インタビューの内容は許可を得て録音した.データ収集期間は,2005 年 8月~ 9 月である.3)分析方法インタビュー結果を逐語録化し,新卒看護師のと

らえた「成長を促進する関わり」の行動がわかるように,回答内容を一文にひとつの意味が含まれるように分け,要約した.さらに回答に沿って意味の類似したものや相違について検討・分析し,「成長を促進する関わり」をコード化した.コード化した内容について,類似した内容をカテゴリー化し,カテゴリー名をつけた.これらの過程では,新卒看護師に関する看護管理の研究者にも確認を依頼して複数名で行い,内容の妥当性と信頼性を確保した.

3.倫理的配慮対象者の選定にあたり,施設の看護管理者に対し

て,研究目的,方法,対象者のプライバシーの保護と倫理的配慮について文書で説明して依頼した.また,対象者には,参加は自由意思であること,プライバシーの保護など倫理的配慮について個別に文書で説明し,録音を含めて同意を得た.インタビューの際に再度説明した.なお,本研究は,青森県立保健大学倫理委員会の承認を得て実施した.

Ⅴ.結果

27 名に依頼し,同意の得られたのは 2 施設で 3 名ずつであった.各施設 3 名ずつの 2 グループ,計 6名に,グループインタビューを行った.インタビューに要した時間はそれぞれ約 1.5 時間であった.

1.対象施設の背景対象となった施設は,A 県内の第 3 次救急指定病

院である(表 1).

2.対象看護師の背景対象となった看護師は 6 名で,全て女性であった.

年齢は 23 歳から 24 歳で,平均 23.3 歳,看護基礎教育をうけた教育機関は,大学 4 名,看護専門学校 2名であった.勤務病棟は,内科系および外科系の一

般病棟であった.教育担当者の有無については,全員が勤務する病

棟に専任の教育担当者であるいわゆるプリセプターがいたと答えた.教育担当者による教育の期間は,2 週間一緒の勤務をしたと答えた看護師は 3 名,勤務は必ずしも同じではないが日替わりの担当者と一緒にはじめの 2 週間は同じ勤務をしたと答えた看護師は 3 名であった.また,6 名中 4 名は,1 ヶ月間日替わりで教育担当者がいて同じ勤務をしたと答えた.

3.成長を促進する関わり成長を促進する関わりとして,8 カテゴリーと,

それに含まれるサブカテゴリーが抽出された(表 2).カテゴリーを【 】で示す.【職務遂行のための実践的看護技術の教示】,【建設的学習風土の形成】,【承認】,【状況での重要な情報への注意喚起】,【看護実践の安全弁】,【動機づけ】,【社会人としての態度の育成】,【役割モデル】である.1)【職務遂行のための実践的看護技術の教示】毎日の仕事を通して教える行動と,病院の新卒看

護師教育システムである集合教育の内容がコードに含まれていた.以下,サブカテゴリーを〔 〕,コードを「 」で示す.〔看護技術遂行における自分の目標到達度を自覚

させる〕,〔看護技術の経験機会をつくる〕,〔看護技術の経験状況を確認する〕,〔看護技術の実施を一緒に行う〕,〔看護技術を評価する〕,〔看護業務遂行時の,時間配分や適切な方法を教える〕,〔実際の場面を見せて,知識・技術を教える〕,〔実践的な知識・技術を教える〕,〔習得している看護技術を,実践に役立つ知識・技術にする〕,〔職務遂行に必要な技能について評価する〕の 10 サブカテゴリーからなっていた.

A B

診療科目 26診療科 25診療科

病床数 584床 705床

平均病床利用率(一般病床)

92.0%(82.4%)

85.7%(82.6%)

平均在院日数( 般病床)

16.5日(16 8 )

18.5日(17 3 )

( )の数字は日本の平成16年度の平均(平成16年度病院経営分析調査報告の概要HPより抜粋)

(一般病床) (16.8日) (17.3日)

1日平均入院患者数 532人 617人

表1 対象施設の背景

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2)【建設的学習風土の形成】次の 8 サブカテゴリーが含まれた.

〔安心感を与える〕は,看護実践場面での「実施場面を見守る」行動である.〔新卒看護師との交流の窓口をつくる〕は,「実施

内容を記入したノートに返事を書く」,「ノートに返事を書いて,見るように言葉をかける」のコードを含み,主となる教育担当者としてのプリセプターがいることで,他の同僚も教育に関わるきっかけとなる.〔新卒看護師の立場に立つ〕は,「かばう」,「焦ら

ずゆっくり吸収するようにと言う」,「気づいた点をメールやメモを媒体に,間接的に伝え,与える影響

を和らげる」のコードを含んでいた.〔話しかけやすい雰囲気をつくる〕は,1対1で

自分の話をじっくり聞いてくれる雰囲気を出すことであり,時間的制約や必要性に迫られた中での仕事に関した〔質問しやすい雰囲気をつくる〕や,〔相談にのる〕などのサブカテゴリーとは,区別された.

これらの他に,上司の面談で〔表出機会を与える〕ことや,主に年の近い同僚が食事会に誘うという,病棟の外での交流機会を設ける〔医療チームのメンバーとの交流しやすい環境をつくる〕などのサブカテゴリーが含まれていた.3)【承認】

〔現状を承認する〕,〔チームの一員として一人前

カテゴリー サブカテゴリー 関わりのコードの例

看護技術遂行における自分の目標到達度を自覚させる

看護技術について,自己評価させる

実施内容を記入したノートを見て,未実施のことは経験するように言葉をかける

未経験の処置について,場の調整をし,その間の仕事を代行する

プリセプターが看護技術経験の状況を確認する

上司がチェックリストの提出を受け,看護技術経験の状況を確認する

看護技術の実施を一緒に行う 糖尿病教室の説明を,補佐役として一緒に行う

看護技術を評価する 実施場面を見て評価する

看護業務を遂行するにあたり,次に何をするかを考えて時間を使うように,指摘する

段取りよく行うための細かな点を伝える

説明の仕方について,いろいろなパターンを見せて教える

実施場面を見せ,必要なものを教える

実践的な知識・技術を教える 看護ケアの手順を教える

集合教育で注射の技術を教える

集合教育で静脈注射の技術を教える

職務遂行に必要な技能について評価する 上司が夜勤に入る時期についての考えを伝える

安心感を与える 実施場面を見守る

医療チームのメンバーとの交流しやすい環境をつくる

医師を含めた同僚と,病棟の外での交流機会をつくる

不明点を質問されたら,他のチームでも答える

質問しやすい雰囲気をつくる

実施内容を記入したノートに返事を書く

ノートに返事を書いて,見るように言葉をかける

かばう

焦らずゆっくり吸収するようにと言う

気づいた点をメールやメモを媒体に,間接的に伝え,与える影響を和らげる

相談にのる 相談をうける

話しかけやすい雰囲気をつくる2人でいる時にナースコールに対応できないことについての相談を受け,話をきく

表出機会を与える 上司が面談する

習得している看護技術を,実践に役立つ知識・技術にする

建設的学習風土の形成

質問しやすい雰囲気をつくる

新卒看護師との交流の窓口をつくる

新卒看護師の立場に立つ

職務遂行のための実践的看護技術の教示

看護技術の経験機会をつくる

看護技術の経験状況を確認する

看護業務遂行時の,時間配分や適切な方法を教える

実際の場面を見せて,知識・技術を教える

表2 成長を促進する関わりのカテゴリー一覧

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に扱う〕,〔役目を与える〕の 3 サブカテゴリーを含んでいた.〔現状を承認する〕ことは,今の時点でのいいところや,努力していることを言葉で伝える直接的な対応と,夜勤のメンバーとして承認することなどの,認めるという共通の行動である.〔チームの一員として一人前に扱う〕には,「患者にとっての良い方法の提案に賛成し,実行に移す」や「看護計画についての意見を求める」など,メンバー役割を果たせるものとして一人前に扱って意見を求め,それを採用する行動のコードが含まれた.〔役目を与える〕は,「後輩の悩みをきく役割を与える」

「糖尿病教室の説明をひとりで任せる」など実施を任せる内容のコードを含んでいた.

4)【状況での重要な情報への注意喚起】〔落としてはならない情報を教える〕,〔考えさせ

る〕,〔気づかせる〕の 3 サブカテゴリーからなっていた.〔落としてはならない情報を教える〕のサブカテゴリーは,申し送り時の先輩看護師の反応を表すコードからなっていた.申し送りに落としてはならない情報について,「医師に報告すべき内容を教える」,「報告した内容について,納得し,相づちを打って聞く」,「申し送りで色々質問する」などであった.〔考えさせる〕のサブカテゴリーは,「報告する時

に,まず自分で考えることを勧める」,「考えさせて,わからないところは教える」など,それぞれの状況で報告すべき情報を考えさせ,整理させるコードを

カテゴリー サブカテゴリー 関わりのコードの例

わずかでも良いところを指摘して,励ます

上司が,夜勤を補佐役なしにできることを承認する

患者にとっての良い方法の提案に賛成し,実行に移す

看護計画についての意見を求める

後輩の悩みを聞く役割を与える

糖尿病教室の説明をひとりで任せる

医師に報告すべき内容を教える

報告した内容について,納得し,相づちを打って聞く

申し送りで色々質問する

報告する時に,まず自分で考えることを勧める

考えさせて,わからないことは教える

大事なことに気づかせるために,叱る

的を射たことを言って,どうすれば良いかに気づかせる

看護技術の経験機会を制限する 留置針挿入は1年間はやらせないきまり

行動を見て,気づいたことを言う

行動を見て,もっと良くなると言う

状況に応じて助ける

急変時に行うべき優先順位を教え,助ける

注射の指示を受ける前に,正しいことを確認する

水分出納の計算について,正しいかどうかの確認をする

プリセプター自身の1年目のことを話し,励ます

一緒に喜ぶ

チームの仕事も分担してもらうことを伝える

これからの役割を伝える

仕事に対する気持ちを転換させる 叱ることで,仕事に対する気持ちを変える

2人きりのところで,改善すべき点を指摘する

第3者にわからないように伝える

集合教育で接遇を教える

入職時に行う集合教育がある

電話やナースコールの対応は,存在そのもので示す

ああなりたいと,存在そのもので思わせる

気づかせる

役割モデル 存在そのもので示す

チームの一員として一人前に扱う

役目を与える

承認

現状を承認する

動機づけ

共感する

見通しを持たせる

自尊心を尊重する

社会人としての態度の育成

組織で仕事をするために必要な知識を教える

状況での重要な情報への注意喚起

落としてはならない情報を教える

考えさせる

看護実践の安全弁状況に応じて看護実践をフォローする

正しく行っているかを確認する

行動をモニターする

表2(つづき) 成長を促進する関わりのカテゴリー一覧

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含んでいた.〔気づかせる〕のサブカテゴリーは,「大事なこと

に気づかせるために、叱る」「的を射たことを言ってどうすれば良いかに気づかせる」,などのコードが含まれていた.5)【看護実践の安全弁】

〔看護技術の経験機会を制限する〕,〔行動をモニターする〕,〔状況に応じて看護実践をフォローする〕,〔正しく行っているかを確認する〕の 4 サブカテゴリーが含まれた.

このうち〔状況に応じて看護実践をフォローする〕には,判断を伴う看護実践や経験がないためにひとりで遂行することが困難な状況で,援助するコードを含んでいた.6)【動機づけ】

〔共感する〕,〔見通しを持たせる〕,〔仕事に対する気持ちを転換させる〕,〔自尊心を尊重する〕の 4サブカテゴリーからなっていた.〔自尊心を尊重する〕には,「2 人きりのところで,改善すべき点を指摘する」,「第 3 者にわからないように伝える」など,新卒看護師の立つ瀬を考慮した対応のコードを含んでいた.また,〔仕事に対する気持ちを転換させる〕には,先輩看護師が叱るという行動が含まれていた.7)【社会人としての態度の育成】

〔組織で仕事をするために必要な知識を教える〕のサブカテゴリーからなり,組織で働くためのきまりや社会人としての接遇といった教育内容を含む,病院が提供する新人教育システムについての内容のコードが含まれた.8)【役割モデル】サブカテゴリー〔存在そのもので示す〕からなり,

新卒看護師が見て自然に覚えていったと語る状況に加え,新卒看護師の目標を「ああなりたいと,存在そのもので思わせる」を含む 2 種類のコードからなっていた.

Ⅵ.考察

1.成長を促進する相互作用としての関わり1)仕事のしかたを示すはじめて仕事をする場に入った新卒看護師に対し

て,毎日の仕事を通してどのように教えているかの

内容が抽出された.周囲の人との相互作用で見ると,【職務遂行のための実践的看護技術の教示】は,看護技術について,〔看護技術の経験状況を確認する〕,

〔実際の場面を見せて,知識・技術を教える〕,〔看護技術の実施を一緒に行う〕,〔看護技術の経験機会をつくる〕など,段階的に経験を増やしている.組織社会化の技能的課題は広範な達成課題を含んでおり,学校で習得した専門的知識を実践の場で生かしうるかという「学校から仕事への技能移転」はそのひとつである(高橋,2003).今回対象とした看護師は,採用後の一定期間はいわゆるプリセプターまたはその日の指導担当となる先輩看護師と一緒に仕事をしたと答えていた.初めて臨床の場に参入した新卒看護師にとって,一定期間先輩看護師と一緒に仕事を進めることで次回に自分がどうすれば良いかの学習につながり,仕事のしかたを学ぶことに役立ったと考えられる.したがって,プリセプターと勤務が一緒にできない場合は別の先輩看護師を教育担当者として配置するなどの配慮が必要である.

また,新卒看護師は先輩看護師を【役割モデル】として,存在や行動そのものを見て経験を積み重ねていることに注意を払うべきである.新卒看護師は社会化の過程にあり,そこで見ているのは看護の知識・技術ばかりではない.行動の観察を通じて得られるのは,周囲のスタッフや患者・家族を含めた他者との接し方,態度などを含めた全体であり,仕事上の報告や連絡・相談を誰にどのようにするのか,患者への説明のしかたを見ることを通して組織や仕事の価値観,行動様式を学習してそれらを内面化する過程の中にいる.【役割モデル】が〔存在そのもので示す〕ことを通して,医療チームの一員として身につけてほしいマナー,考え方,職務上の技能,専門的知識・技術が,現場で行う教育であるOJT によって伝えられている.新卒看護師が育つ環境として適切な【役割モデル】はすでに育成されているか,にも配慮する必要を示唆している.周囲の先輩看護師が,組織の価値観や専門職業人としての態度も伝えているのだと自覚して新卒看護師に接することで,伝える内容も洗練されてくると考える.これらはその中にいる人にとってはあたりまえのことや,暗黙のルールを形成して職場の毎日の行動の規範になっていることもあるため,教育方針を病棟スタッフに周知させること,病院や看護部の理念を

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各人が自覚していることで洗練されていくものと考えられる.そのためには,教育方針を病棟スタッフに周知させる役割が重要であると考えられた.伊津美,松田(2008)の研究はプリセプターシップにおける看護師長の役割行動として「対象者へのフィードバック機能」が特に重要であり,プリセプターシップに関わるすべての対象者への情報共有と制度の理解や浸透をすすめる上での看護師長の役割の重要性について明らかにしている.このことから,新卒看護師の成長を促進する環境をつくるためには,新卒看護師の所属する部署の看護師長の役割の重要性が示唆された.2)自立を目指す手助けをする

【状況での重要な情報への注意喚起】は,〔落としてはならない情報を教える〕,〔考えさせる〕,〔気づかせる〕の 3 サブカテゴリーからなっていた.〔落としてはならない情報を教える〕には,申し送りや報告を受けた時の先輩看護師の反応や,「申し送りで色々質問する」のコードが含まれ,〔気づかせる〕には「的を射たことを言って,どうすれば良いかに気づかせる」,「大事なことに気づかせるために,叱る」などのコードが含まれていた.これらのことから,新卒看護師は,自分で考え気づくことを成長だととらえており,質問や苦言を呈する側の意図が伝わっていているものと推察でき,それによって新卒看護師の自立を目指す手助けをすることにつながると考えられた.成長にはそれ自身が育って成熟し変化するという概念を含んでおり,内面の変化につながるような効果的な相互作用が築かれるのが望ましい.考えさせる質問をする際には,新卒看護師の知識をふまえて,そうした意図を意識して行うことに加え,新卒看護師が所属する部署の看護師長は部署の環境をよく見て相互作用を見守り,阻害している要因がないかにも目を向けることが必要であろう.

また,【看護実践の安全弁】は,新卒看護師がひとりで実施できるよう行動をモニターし,正しく行っているかを確認し状況に応じてフォローすることである.この関わりにおいては,新卒看護師が経験すること,すなわち自分で行うことが大事であり,周囲の先輩看護師は行動のモニターや確認という直接的対応を通して,新卒看護師がひとりで実施する際に安全弁としての機能を果たしているものととらえられる.先輩看護師の見守りのもと,安全性を保

証し看護実践を行う場を与えられることは,新卒看護師にとっては挑戦である.うまく課題を達成することで学びを深め持続的変化につながるものと考える.挑戦を実現可能な安全な看護技術にするまで一緒に行い,状況に応じてフォローする環境が成長を促進していた.ここでは新卒看護師をよく見て,挑戦する機が熟しているか判断するのが上司の大事な役割といえる.【看護実践の安全弁】であるためには根底には【承認】があり,それによって学習意欲が高められる.

本研究での【承認】に含まれるカテゴリーは,〔現状を承認する〕,〔チームの一員として一人前に扱う〕,〔役目を与える〕の 3 要素を含んでいる.「行動を進め,学習を深める」ことはコーチングの目的である(Whitworth, et al., 1998).坂井(2006)は,コーチングで活用するスキルのうち傾聴と承認が重要であり,特に承認はほめることとイコールではないこと,相手の強みをよく見てそれを適切に伝えることの重要性を指摘している.新卒看護師の状況でできていることや努力していることについては小さなことでも大切にし,それを伝えることで,居場所があるという安心感につながるものと考える.

ひとりひとりの先輩看護師が【看護実践の安全弁】になるにあたっては,新卒看護師が役割加重にならないように,新卒看護師にさせない業務を組織のシステムとして決めていた.その上で,〔役目を与える〕に十分だと先輩が【承認】したことを,新卒看護師が正しく行っているかを確認することで安全が保証される.行動を監視されているととらえられていないのも,こうした本人の挑戦を安全に成功させようとする【承認】がベースにあるからではないかと考える.新卒看護師に実施させない業務をある一定期間決めることができる理由としては,本研究の対象者の所属する病院が地方の第 3 次救急指定病院であり,中堅の人材が豊富であること,2 施設での正規職員の新卒看護師採用数が平均 13.5 人という環境も影響しているものと考えられる.

2.新卒看護師の学習が進みやすい環境を整える【建設的学習風土の形成】は,〔新卒看護師との交

流の窓口をつくる〕〔質問しやすい雰囲気をつくる〕,〔新卒看護師の立場に立つ〕,〔相談にのる〕,〔話しかけやすい雰囲気をつくる〕〔医療チームのメンバー

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との交流しやすい環境をつくる〕,実施場面を見守ることによって〔安心感を与える〕,上司の面談による〔表出機会を与える〕のサブカテゴリーからなっていた.新卒看護師の情報について,プリセプターが周囲のスタッフへの情報発信源であることを示唆しており,周囲の人を巻き込んで実施場面を見守り,実践の機会をつくる関わりをして新卒看護師の学習が進みやすいように環境を整えているといえる.これは本来のプリセプターの役割である社会化とリアリティショックの緩和の目的を果たしているといえる.適切にこの役割を果たすためには,新卒看護師の状況を良く理解して対応でき,必要な時には周囲の援助を求められるプリセプターが必要である.そのための教育の充実と計画的な人選は必須であり,ふさわしい人の選択や適切な教育を行ってその内容を保証し,その上でスタッフ全員が新卒看護師の教育に参加していく環境づくりが必要である.水田(2004)は,リアリティショックからの回復過程を妨げる要因として不安感,不調和,自尊感情の低下,ゆとりのなさの 4 つの内容を含む「不安定さ」を挙げて,自尊感情への配慮と不安を表出できることの重要性について述べている.新卒看護師の学習が進みやすい環境にするためには,周囲の先輩看護師が新卒看護師の自尊感情を配慮でき,新卒看護師が不安を表出しやすいことが重要であり,こうした点では同様の結果が得られたといえる.

新卒看護師は実践的看護技術を見て覚え身につけること,そして周囲の先輩看護師は新卒看護師の行動をモニターし状況に応じてフォローすることが安全弁の役目になり臨床実践能力の促進につながることが明らかになった.個々の看護師が役割モデルとしての自分を意識して日々の看護実践を行うことが,新卒看護師に直接的に影響を与えており,建設的な学習風土の形成にも有効である.また,これらの過程での成長は仕事の継続の原動力になるものと考える.本研究は新卒看護師の認識した社会化に焦点を当てており,居場所をつくる働きかけがどのようなことかを明らかにした点で,今後の新卒看護師育成に活用できるものと考える.

謝辞:本研究をまとめるにあたり,ご指導頂きました

上泉和子教授に深謝いたします.調査にご協力頂きまし

た施設の皆さまに深くお礼申し上げます.

なお,本研究は 2005 年度青森県立保健大学大学院修士

論文の一部を加筆修正したもので,第 10 回日本看護管理

学会学術集会で発表した.

■引用文献

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責任著者 佐藤真由美弘前大学大学院保健学研究科〒 036-8564 青森県弘前市本町 66-1E-mail [email protected]

Correspondence: Mayumi SatoHirosaki University Graduate School of Health Sciences66-1 Hon-cho, Hirosaki, Aomori 036-8564, [email protected]