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フード・ポリシー・カウンシル の可能性 2016年 7 16 日( 土 ) 1 4 : 0 0 - 1 6 : 3 0 京 都 商 工 会 議 所  第 2 会 議 室 【主 催】総合地球環境学研究所、北海道大学工学研究院 / 国際連携研究教育局食水土資源グローバルステーション フード・ポリシー・カウンシルの成立背景と歴史 立川 雅司(茨城大学農学部 教授) フード・ポリシー・カウンシルの役割と問題点 大賀 百恵(同志社大学総合政策科学研究科 博士課程) 総合地球環境学研究所 FEAST プ ロ ジ ェ ク ト 公開勉強会 今日、日本において食べものの生産と消費はかけ離れており、そのあいだの流通、加工、小売、廃棄などの過程はとても見えにくくなっています。 私たち、総合地球環境学研究所の「持続可能な食の消費と生産を実現するライフワールドの構築」(略称、FEAST)プロジェクトは、食と農に関す る問題を、生活、農業、環境、産業、文化の複合的問題として捉えています。 食と農に関する問題は、生産・流通・小売・消費・廃棄を含むシステム全体として考えなければなりません。そのような食農システムのなかにい るいろいろな人が共同で取り組むことで、将来にわたって生活の質を高める食と農の新たなあり方への転換が、初めて可能になります。 「フード・ポリシー・カウンシル」(以下、FPC)は、そのような共同の取り組みを可能にするツールになると、FEASTプロジェクトは考えてい ます。FPC とは、食と農のあり方に対して、広く地域住民(市民)の声を反映させる活動・組織です。近年、北米ではその数が増加しており、新鮮 な食品へのアクセス格差の是正、肥満や生活習慣病の対策、都市農業ガイドラインの作成など、食と農に関して北米で切迫した課題を、それぞれの 地域の行政とともに解決する役割を果たしています。 今回、そのような北米でのFPC の取り組みをふまえて、日本での展開の可能性について、会場の皆さまと意見交換を行う場を持ちたいと思います。 皆さまのご参加を心よりお待ちいたします。 カナダ・トロント市のFPCの事例 ・1991年に市民委員会として創設。構成メンバーは30人で、全員無給です。 ・メンバーには、NPO・NGOの代表、農家の後継者、新規就農者、種苗店、食 品加工業者、小売事業者、子育てに関わる消費者団体、学校の先生、研究者、 そして行政の各部門の担当者などの方々がいらっしゃいます。専任のコー ディネーターがおり、トロント市の公衆衛生局が雇用しています。 ・メンバーは、それぞれの分野の代表として任命されるわけではありませ ん。それぞれの分野が抱えている食と農に関する問題点についてよく知っ ている者として参加しています。 ・議論の主なテーマは変化します。例えば、 「貧困対策」 (80年代)から「フード アクセスの向上」 (90年代)など。 ・トロントでは、FPCと行政が非常に強く結びついています。これは成功し ているFPCの特徴でもあります。 ・具体的な取り組みは、専門的なNGO・NPO、行政を通じて行っています。 ――日本での活動の形を一緒に考えてみませんか? お問い合わせ:太田和彦 / (075)707-2384 報告

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Page 1: 総合地球環境学研究所FE A STプロジェクト公 開勉強会 フード ... · 2016-07-12 · Title: 総合地球環境学研究所 FEASTプロジェクト公開勉強会【フード・ポリシー・カウンシルの可能性】

フード・ポリシー・カウンシルの可能性

2 0 1 6 年 7 月 16 日( 土 )

1 4 : 0 0 - 1 6 : 3 0京都商工会議所  第2会議室

【主 催】総合地球環境学研究所、北海道大学工学研究院 /国際連携研究教育局食水土資源グローバルステーション

フード・ポリシー・カウンシルの成立背景と歴史 立川 雅司(茨城大学農学部 教授)

フード・ポリシー・カウンシルの役割と問題点 大賀 百恵(同志社大学総合政策科学研究科 博士課程)

総 合 地 球 環 境 学 研 究 所 FEAST プ ロ ジ ェ ク ト 公 開 勉 強 会

▼ 今日、日本において食べものの生産と消費はかけ離れており、そのあいだの流通、加工、小売、廃棄などの過程はとても見えにくくなっています。私たち、総合地球環境学研究所の「持続可能な食の消費と生産を実現するライフワールドの構築」(略称、FEAST)プロジェクトは、食と農に関する問題を、生活、農業、環境、産業、文化の複合的問題として捉えています。

▼ 食と農に関する問題は、生産・流通・小売・消費・廃棄を含むシステム全体として考えなければなりません。そのような食農システムのなかにいるいろいろな人が共同で取り組むことで、将来にわたって生活の質を高める食と農の新たなあり方への転換が、初めて可能になります。

▼ 「フード・ポリシー・カウンシル」(以下、FPC)は、そのような共同の取り組みを可能にするツールになると、FEASTプロジェクトは考えています。FPCとは、食と農のあり方に対して、広く地域住民(市民)の声を反映させる活動・組織です。近年、北米ではその数が増加しており、新鮮な食品へのアクセス格差の是正、肥満や生活習慣病の対策、都市農業ガイドラインの作成など、食と農に関して北米で切迫した課題を、それぞれの地域の行政とともに解決する役割を果たしています。

▼ 今回、そのような北米での FPCの取り組みをふまえて、日本での展開の可能性について、会場の皆さまと意見交換を行う場を持ちたいと思います。皆さまのご参加を心よりお待ちいたします。

カナダ・トロント市のFPCの事例・1991年に市民委員会として創設。構成メンバーは30人で、全員無給です。・メンバーには、NPO・NGOの代表、農家の後継者、新規就農者、種苗店、食品加工業者、小売事業者、子育てに関わる消費者団体、学校の先生、研究者、そして行政の各部門の担当者などの方々がいらっしゃいます。専任のコーディネーターがおり、トロント市の公衆衛生局が雇用しています。・メンバーは、それぞれの分野の代表として任命されるわけではありません。それぞれの分野が抱えている食と農に関する問題点についてよく知っている者として参加しています。・議論の主なテーマは変化します。例えば、「貧困対策」(80年代)から「フードアクセスの向上」(90年代)など。・トロントでは、FPCと行政が非常に強く結びついています。これは成功しているFPCの特徴でもあります。・具体的な取り組みは、専門的なNGO・NPO、行政を通じて行っています。

――日本での活動の形を一緒に考えてみませんか?

お問い合わせ:太田和彦 / (075)707-2384

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