再生医療・細胞療法を担う 高度な医療専門職業人の育成 · 2018-10-25 ·...

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再生医療・細胞療法を担う 高度な医療専門職業人の育成 国立大学法人山口大学 参考資料

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Page 1: 再生医療・細胞療法を担う 高度な医療専門職業人の育成 · 2018-10-25 · ★山口県との共同事業: 地域イノベーション・ エコシステム形成

再生医療・細胞療法を担う高度な医療専門職業人の育成

国立大学法人山口大学

参考資料

Page 2: 再生医療・細胞療法を担う 高度な医療専門職業人の育成 · 2018-10-25 · ★山口県との共同事業: 地域イノベーション・ エコシステム形成

【YOKOHAMA宣言2013】(H25.3)再生医療実現のための今後の取り組み事項として〇専門知識を有する医療専門技術者の認定制度〇医療専門技術者の教育システムの構築 が提言される。

★ 「培養自己骨髄細胞による低侵襲な

肝臓再生療法」の臨床研究開始(H27.2.17~)

【改正薬事法,再生医療等安全性確保法】(H26.10.25施行)○再生医療等製品の特性に応じた早期承認制度の開始○細胞培養加工について,医療機関から企業への外部委託の開始○細胞培養加工施設の許可が義務付けられる→ 専門的知識を有する医療専門技術者のニーズが高まる

★ 臨床培養士育成コースの開設

学会(日本再生医療学会)

企業

【H24年以前】 【H25年】再生医療元年【H26年】

【再生医療推進法の成立】(H25.4.26)〇専門的知識を有する人材の確保,養成及び資質の向上のための施策→ 専門の人材を養成する必要性の高まり〇細胞・組織の培養・加工を医療機関外に委託することが明確に認可→ 新たな雇用創出

再生医療を取り巻く近年の社会的背景と山口大学の取り組み

【H27年以降】

★ 再生医療推進法の成立

★ YOKOHAMA宣言2013

★ 再生医療関連2法案の成立(改正薬事法,再生医療等安全性確保法)

【再生医療関連2法案の成立】(H25.11.20)再生医療推進法の施行を受けての具体的な施策〇改正薬事法(アクセル) → 実用化プロセスの大幅な期間短縮〇再生医療安全性確保法(ブレーキ) → 安全性の基準を設置→ 再生医療分野における市場の活性化

★ 細胞検査士養成課程の開設

★ 国家基幹研究開発事業「再生医療の実現化ハイウェイ」に採択

★ 再生医療教育研究センタ-の設置

再生医療にかかる高度な教育と研究実績、設備【教育実績】〇医学部保健学科に細胞検査士養成課程を開設(平成13年度~)※国立大学では本校を含め3校のみ【研究実績】○「肝硬変症に対する自己骨髄細胞投与療法」が先進医療Bに正式承認(H25.5.18)

【施設・設備】○再生医療教育研究センターの設置(H25.*.**)

「成長戦略」の柱として再生医療の拡大を掲げる

★ 「臨床培養士」認定制度の開始

【臨床培養士認定制度の開始】(H26.3.4施行)(認定条件)・再生医療の臨床における細胞/組織培養の経験が2年以上・筆記試験及び実地試験 etc.

再生医療の将来市場予測1.0兆円(2030年)→2.5兆円(2050年)(参考:再生医療の実現化・産業化に関する報告書)

山口大学

全国初!【臨床培養士養成コースの開設】○大学院医学系研究科保健学専攻(博士前期課程) に臨床培養士育成コースを開設(平成27年度~)【医科学者養成コースの開設】○大学院医学系研究科保健学専攻(博士後期課程) に医科学者育成コースを開設(平成29年度~)

★ 「肝硬変症に対する自己骨髄細胞投与療法」が先進医療Bに正式承認

★ 医科学者育成コースの開設

「認定制度」により再生医療に携わる人材のクオリティコントロール

★山口県との共同事業:地域イノベーション・エコシステム形成プログラム(H29.9.1~)

再生医療・細胞療法を担う高度な医療専門職業人を育成するため大学院の教育システムを構築と人材の育成・輩出

教育プログラム(カリキュラム)の提供と普及による社会への貢献

国、学会、企業のニーズと合致

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再生医療および細胞療法における専門の医療技術者の役割

手術室 培養施設(アイソレータ完備CPF,QCR)

肝硬変患者から少量骨髄液採取(局所麻酔) 播種,加工・培養

細胞投与ルーム

【培養ヒト骨髄細胞を用いた低侵襲肝臓再生療法(再生医療の実現化ハイウェイ)】 平成26年8月6日厚生労働大臣了承,平成27年2月17日より臨床研究開始

細胞 加工・分化した細胞

山口大学で進行中の研究プロジェクト

再生医療・細胞療法を担う高度な医療専門職業人、「臨床培養士」・「医科学者」

細胞を点滴投与→肝機能の向上を検証

品質・規格・安全性評価

細胞培養のロボット化 細胞培養の効率化・大量化・期間短縮化方法等の開発 培養細胞の凍結保存法の開発 iPS細胞への活用

●期待される波及効果,発展可能性の例示

※今後,専門的知識を有する医療専門職業人の社会ニーズがますます高まっていく。 → 臨床検査技師の活躍の場の拡大・必要とされる専門知識の深化

臨床検査技師、臨床培養士、医科学者の役割

名称 役割 山口大学の教育課程

臨床検査技師 医師の指示の下、微生物学的検査、血清学的検査、血液学的検査、病理学的検査、寄生虫学的検査、生化学的検査、生理学的検査を行うことを業とする

学部(4年)平成13年開設

臨床培養士(Medical Technologist)

細胞の適切な培養・加工・評価,関連法案の知識,レギュラトリーサイエンス,再生細胞加工の作業手順書(SOP)の作成,培養施設の機器管理

博士前期課程(2年)平成27年開設

医科学者(Medical Scientist)

上記の臨床培養士の役割に加え,新たな研究シーズ・医療技術の開発,開発チームの牽引,研究論文の作成,症例検討,臨床研究の実施,先進医療の推進

博士後期課程(3年)平成29年開設

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臨床培養士養成コース(大学院博士前期課程)の講義概要

Yamaguchi University Graduate School of Medicine

講義内容(一部を例示)

・再生医療に必須の倫理と考え方

(ルールの順守、細胞調製作業の先に患者さんの存在があることを常に意識)

・再生医療関連の法律および用語

(法律の変遷とその狙い、薬機法、GCTP省令、PMDAとは)

・組織からの初代培養細胞~株化細胞までさまざまな種類の細胞の培養について

・細胞製剤の有効性に関する品質管理の試験

(細胞表現型に関する試験―フローサイトメトリーおよび免疫染色)

・再生医療・細胞療法に必要な微生物学的知識

(ヒトの常在菌、環境中の菌、消毒薬の効果と適応範囲、マイコプラズマ、エンドトキシン)

・細胞製剤の安全性に関する品質管理の試験項目

(無菌試験、マイコプラズマ否定試験、エンドトキシン試験、

清浄度管理区域の環境モニタリング法)

・再生医療・細胞療法における医療技術者の役割と将来展望

・再生医療の臨床応用

1年次末には講義内容全般について筆記試験を実施しています

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再生医療・細胞療法コース(大学院)の講義風景

Yamaguchi University Graduate School of Medicine

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1年次:細胞培養技術・QC試験・細胞評価等の実習風景

Yamaguchi University Graduate School of Medicine

手順書の確認共同作業の演習

無菌試験(メンブランフィルター法)

マイコプラズマ否定試験(PCR法)

アイソレーターによる細胞培養実習

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2年次:山口大学病院・細胞治療センターでの実地訓練

Yamaguchi University Graduate School of Medicine

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安全キャビネット内での実技訓練

Yamaguchi University Graduate School of Medicine