「co2削減対策の事例と対策」Ž’ガスo2 濃度 ①バーナー ガス量 ガス圧...

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Copyright 2004 © All rights reserved, *** Inc. 「CO2削減対策の事例と対策」 省エネ診断による案件発掘と対策実施まで 平成26年3月4日(火) 東海ミツワ電機株式会社 顧問 大河内 敏博 1 CO2削減・節電ポテンシャル診断セミナー2014

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Copyright 2004 © All rights reserved, *** Inc.

「CO2削減対策の事例と対策」 ~ 省エネ診断による案件発掘と対策実施まで ~

平成26年3月4日(火)

東海ミツワ電機株式会社 顧問 大河内 敏博

1

CO2削減・節電ポテンシャル診断セミナー2014

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Logo マーク 目 次

1. エネルギーの利用と省エネポイント

2. 省エネ診断の目的と案件発掘

3. 計測診断、FU診断の実施例

4. 省エネ実施拡大への今後重点対策

2

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動力

変換 4

放射・伝導等損失

5-1

電気の発生

抵抗等損失 5-2

電気の利用

動力・熱

変換 6

1.燃料の燃焼の合理化

2.加熱及び冷却並びに伝熱の合理化

3.廃熱の回収利用

4.熱の動力等への変換の合理化

5.放射、伝導、抵抗等によるエネルギー の損失の防止

6.電気の動力,熱等への変換の合理化

参考: 省エネ法第4条:判断基準

廃熱の回収利用 3

熱の利用

加熱・冷却

伝熱

燃焼

熱の発生

燃焼バーナー

炉、ボイラー管理

排ガス・ドレン の熱回収

断熱、保温

ポンプ、電気加熱、照明

3

1.1 エネルギー利用の概念と省エネポイント

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1.2. 省エネポイント-1

燃料の燃焼の合理化

空気比の設定と管理

実際の空気量

理論の燃焼空気量 空気比= <1.1~1.3

燃焼における空気供給(空気比)の管理標準化

*排ガスの酸素濃度で概算できる

空気比=21/(21-O2%)

目安:排ガスのO2で3%

4

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連 続 式 間 欠 式 連 続 式 間 欠 式

30T/H≦

10T/H≦

5T/H≦

<5T/H

1.30 /1.05~1.25 1.40 /1.05~1.30 1.25 /1.05~1.20 1.35 /1.05~1.25

1.25 /1.05~1.20 1.35 /1.05~1.30 1.25 /1.05~1.20 1.35 /1.05~1.30

1.25 /1.05~1.20 1.30 /1.05~1.30 1.20 /1.05~1.15 1.25 /1.05~1.25

液 体 燃 料 気 体 燃 料

1.1~1.25 /1.05~1.15

1.15~1.3 /1.15~1.25

1.2~1.3 /1.15~1.3

1.2~1.3 /1.15~1.3

1.1~1.2 /1.05~1.15

1.15~1.3 /1.15~1.25

1.2~1.3 /1.15~1.25

1.2~1.3 /1.15~1.25

金属溶解炉

金属加熱炉

金属熱処理炉

ボイラ

区 分

上段:基準値/下段:目標値

ガス燃料の方が液体燃料と比べて燃焼性が良いため空気比は低目である。また炉容が大きい方が燃焼時間がとれるため空気比は低くできる。したがって、工業炉では容量の大きな炉は低目の値をとるべきである。 一般に、空気比の高い燃焼では、窒素酸化物(NOx)の発生増となるため、NOx抑制のためにも低空気比燃焼が好ましい。

貫流ボイラーの排ガス空気比基準: 液体:1.3~1.45、 気体:1.25~1.4

5

空気比の基準(省エネ法:判断基準)

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Logo マーク 主要な気体燃料の特性値

市販品の例

種 類 プロパン ブタン 都市ガス

13A

都市ガス

6B

分子式 C3H8 C4H10 ― ―

密度 [kg/m3N] 2.03 2.54 0.85 0.76

比重 (空気=1) 1.56 2.05 0.66 0.61

高発熱量 [MJ/m3N] 105.2 130.8 46.05 20.93

低発熱量 [MJ/ m3N] 97.01 121.0 41.66 18.63

理論空気量 [m3N/ m3N] 23.8 30.0 11.0 4.6

爆発範囲 [%] 2.2~7.3 1.9~8.5 4.3~14.4 5.6~31.3

6

*発熱量は一般に低発熱量(真発熱量とも言う)を用いる

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種 別 C重油 B重油 A重油 灯 油

比重 (15/4[℃]) 0.93 0.89 0.86 0.80

化 学

成 分

(wt[%])

H

85.3

10.48

0.48

0.29

2.85

86.00

11.34

0.36

0.18

2.10

86.58

11.83

0.70

0.03

0.85

86.70

13.00

0.004

高発熱量 [MJ/kg]

[MJ/L]

43.29

40.26

44.96

40.03

45.41

39.05

46.10

36.88

低発熱量 [MJ/kg]

[MJ/L]

40.92

38.06

42.40

37.74

42.73

36.75

43.15

34.52

引火点 [℃] 70 60 60 40

理論空気量 [m3N/kg] 10.4 10.7 10.9 11.2

7

主要な液体燃料の燃焼特性値

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各種燃料の空気比とO2及びCO2の関係 8

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1.3. 省エネポイント-2

加熱及び冷却並びに伝熱の合理化

2-1 工場設備・・・以下の設定が適切か?

温度、圧力、流量

投入量、処理時間、稼働台数、自動制御

2-2 空調、給湯設備・・・基準があるか?

温度、湿度、圧力、流量

稼働時間、稼働台数、自動制御

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1.4. 省エネポイント-3

廃熱の回収利用

1.燃焼設備 ・・・・・ 排ガス熱回収設備があるか

熱回収なし ・・・・・ 排ガス温度が十分低いか?

熱回収あり ・・・・・ 熱回収率が高いか>25~35%

ボイラー ・・・・・・・・ 排ガス温度基準<220~250℃

(回収前排ガス温度)-(回収後排ガス温度)

回収前排ガス温度

2.蒸気ドレンの回収 ・・・・・ ボイラー給水に回収、温度の設定

3.加熱物 (固体、液体) ・・・ ボイラーブロー水の熱回収 (給水予熱)

洗浄ライン→温排水で給水予熱

熱回収率 ×100(%) - ~

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1.5. 省エネポイント-4、5

発電設備 ・・・・・ ピーク抑制、平準化の重要度向上

1.発電専用設備 ・・・・・ 発電効率を管理

2.コージェネ設備 ・・・・ (発電+熱)利用効率を管理

効率のよい負荷での運転

廃熱の利用拡大がキー

エネルギー損失の防止

1.放射、伝熱損失の防止 ・・・ 断熱の点検 ・ 保守

工業炉の炉壁外面温度 < 80℃ (炉温900℃未満時)

2.電気抵抗損失の防止 ・・・・ 受・変電設備の容量適正化

変圧器の利用の適正化 、力率は95%以上

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1.6. 省エネポイント-6

電気の利用の合理化

共 通

不要時は止める ・・・・・ 具体策が必要

メーターに使用範囲のマークがあるか

個 別

流体機器は流量制御(インバーター利用等)

加熱は断熱、負荷 (重量、温度) の適正化

電解設備は電極距離、濃度の適正化

照明の照度の適正化、高効率ランプの使用

昇降機は機械ロスを防止 (点検、保守)

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Logo マーク 2. 省エネ診断の目的と案件発掘

省エネ診断では

1~6のエネルギー利用の判断基準に照らし

不適合な箇所を抽出して

その原因の解消と対策を立案する。

・さらに対策の効果と対策費用を試算し

・費用対効果の、ランク付けを行なう。

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   ⑤蒸気本管各部の温度、圧力、電流等を測定して実態把握 保温状況、外面温度測定

⑥排ガスファン  調節計電流 ②蒸気圧力 都市ガス圧力 ②蒸気利用ヒーターー

⑥燃焼ブロワー    風量、温度③排ガス測定 空気圧排ガス温度排ガスO2濃度 ①バーナー

ガス量

ガス圧 蒸気伝熱管

2号ボイラー   1号ボイラーエコノマイザー

       

予熱、水温

*スチームトラップ

ドレン温度

⑥給水ポンプ電流値

起動頻度 ③ボイラー給水タンク ③ ドレン回収槽

タンク水温 回収温度、量

2.1. 省エネ診断の例:ボイラーの計測箇所

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排ガス煙道の測定口よりサンプリング、分析計に導入

2.2 排ガスの測定例

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2.3. 電気計測の例

クランプ電流計にて電流の連続測定

低圧電気計測であれば、運転中での 測定も実施可能

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1.ボイラー及び蒸気利用設備 ① 発生蒸気圧、蒸気量 ② 蒸気利用先に適正な減圧設定(ドレンロスの回避) ③ ボイラー給水の管理JIS B8223に準拠 ④ 不要時は元弁を閉止(ドレンロスの回避) ⑤ 蒸気の性状管理(温度、乾き度) ⑥ 複数の蒸気利用設備に対して負荷に応じた稼働台数が

適正か(オフ、オン時のパージ熱ロスの回避) ⑦ 断続的に運転できるものは集約してまとめ運転 ⑧蒸気配管、熱 水配管の保温を徹底する(弁、フランジも)

2.燃焼装置 ①空気比の適正化 ②排ガス温度の適正化(排ガス熱回収) ③ 廃熱回収を徹底する(蒸気ドレン、ブロー、被加熱物顕熱)

2.4. ボイラー設備のデーター評価ポイント

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2.5. ボイラーの省エネ提案例

①空気比の適正化

イ)空気/ガス比例弁の調整(ボイラーメンテ業者に注文)

②廃熱の回収

イ)給水の予熱・・・ドレン回収設備設置

ロ)排ガスの熱回収・・・給水予熱(エコノマイザーの性能評価)

③点検・保守管理の徹底(管理標準の設定)

イ)日常の管理・・・燃料量、排水温度、給水温度

ロ)定期の管理・・・年1回程度の定期保全

排ガス温度、 O2%、熱交換器の清掃

ハ)放熱の抑制・・・保温の徹底、スチームトラップの保守

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省エネ対策 輸送用機械器具製造業

紙・パルプ製造業

医療・福祉系

小売施設系

ボイラー空気比の適正化 ○ ○ ○ ○

燃焼炉・ボイラー排気の廃熱回収 ○ ○ ○

蒸気配管・弁の保温強化 ○ ○ ○ ○

蒸気管のトラップ管理とドレン回収 ○ ○ ○ ○

エアーブロー空気量の削減 ○ ○

コンプレッサーの吐出圧力管理 ○ ○

高断熱材を用いた工業炉の導入 ○ ○

不要照明・不要時間帯の消灯 ○ ○ ○ ○

ポンプインバータ設定値見直し ○ ○ ○ ○

冷温水出口温度の調整 ○ ○ ○ ○

冷却水設定温度の調整 ○ ○ ○ ○

CO2濃度による外気導入量適正化 ○ ○ ○ ○

高効率空調機・冷凍機の導入 ○ ○ ○ ○

ウォーミングアップ時の外気取入れ停止 ○ ○

2.6. 業種による主な省エネ対策一覧

出典:事業者のためのCO2削減対策Navi

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計測診断と提案、FU診断と実行までの流れ

1.事前データーからの省エネポイント絞りこみ

2.計測診断計画

3.診断実行、分析、省エネ対策案の抽出

4.省エネ提案:実施内容、工事費、効果の試算

5.提案実施:受入れ側の事情により実施率に差

6.フォローアップの実施

7.実施率の向上

3.計測診断、FU診断の実施例

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3.1.診断対象工場のエネルギー消費分布

①これまで取組みのなかった製鋼LNG消費設備を主体に診断

②電気は製鋼水処理のポンプ台数の適正化に注目して診断

CO2排出量

160千トン/年

LNG 14%

電炉溶解 52%

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取鍋予熱設備の計測ポイント

  バーナ前ガス 予熱バーナ 微圧計

    空気圧力

計測

   鉄皮温度測定     

取鍋NO9空気

    ガス

燃料ガス

φ 3000

排ガスO²分析計

温度記録計

燃焼空気ブロワー

3.2. 取鍋予熱設備の熱診断

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冷却水ポンプ負荷計測状況

冷却水ポンプの運転台数の適正化

冷却水の負荷計測しポンプの必要台数を検討

電気炉、排ガス冷却系統 冷却水温度

     戻り

     往き

  冷却塔

水量測定

各ポンプ電力(電流)

冷却塔

3.3. 製鋼水処理設備の診断

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No. 対策名適用プロセ

ス名適用箇所

CO2削減効果

(t-CO2/

年)

導入コスト増加(千円)

運転コスト増加(千円/

年)

投資回収年数(年)

1 予熱バーナー空気比改善 製鋼 取鍋予熱設備 118.2 1,600 (3,710) 0.4

2 設備へのリジェネ導入 製鋼 取鍋予熱設備 334.5 30,000 (10,500) 2.9

3 予熱バーナー空気比改善 製鋼タンディッシュ

予熱設備39.3 0 (1,235) 0.0

4 予熱カバー開口部ヘの蓋掛け 製鋼タンディッシュ

予熱設備85.7 6,000 (2,690) 2.2

5 燃焼バーナー空気比改善 圧延 小形加熱炉 828.9 0 (26,020) 0.0

6 熱風管断熱補修と強化 圧延 小形加熱炉 197.3 3,000 (6,194) 0.5

7 レキュの空気漏れ改善 圧延 小形加熱炉 92.9 2,000 (2,814) 0.7

8 加熱炉用冷却水ポンプのINV 圧延 小形加熱炉 49.9 2,500 (1,511) 1.7

9 間接冷却水ポンプの運転時間 製鋼水処理ポンプ

場20.0 0 (600) 0.0

10 冬期の冷却水低減によるポンプ1台停止 製鋼水処理ポンプ

場598.0 13,500 (18,120) 0.7

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 *前年の診断結果の実施状況調査結果

エネルギー種類

削減CO2量(t)

   実施状況FU対象

1 ガス 53 千Nm³ 118.2空気比調整用の空気オリフィス取付(H25/10)自社で調整トライしたがうまくいかななった。 ○

2 ガス 150 千Nm³ 334.5メーカーの見積入手、回収年数が長くなるので保留

3 ガス 18 千Nm³ 39.3空気比改善を実施したが、その効果を生かせていない。

4 ガス 38 千Nm³ 85.7簡易カバーを製作し、実施中であるが、効果把握が未実施である。 ○

5 ガス 372 千Nm³ 828.9空気比悪化の原因を究明、改善した。(炉床開口部のシール構造不良を修理した) ○

6 ガス 88 千Nm³ 197.3主要な不良個所を補修した。

7 電気 281 千kWh 92.9不良個所を特定できず、修理未実施。レキュの外部での空気漏れあり、修理予定 ○

8 電気 151 千kWh 49.9炉内パイプの冷却水量は安全を考えて多めにしておきたいので、未実施。 ー

9 電気 60 千kWh 20.0冷却水出口水温を見ながら停止期間の延長を図っている。 ○

10 電気 1,812 千kWh 598.0実施すみ

11 ガス ー ー ー 炉内パイプの断熱強化を図りたい。 ○

合計 原油換算 1,427 kl 2,364.7

1.4%相当

レキュ、空気漏れ改善

加熱炉、冷却水ポンプのINV

製鋼、間接冷却水ポンプの運転

ポンプ1台停止

追加:加熱炉炉内パイプ断熱

取鍋予熱、空気比改善

取鍋予熱、リジェネ導入

TD予熱、空気比改善

TD予熱、開口部ヘの蓋掛け

加熱炉、空気比改善

熱風管断熱補修と強化

FU診断-1

番号対策項目

年間削減効果(推定値) 事前評価

省エネルギー量

3.5. フォローアップ、事前調査(例)

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①実施案件の検証・・・予定通り効果出しているか

具体的に省エネ発揮できるよう支援

②未実施案件・・・運用、調整方法が不明の場合

実際にチューニング実施し見本とする。

③実施停滞案件・・・再度診断を行う。

改善効果の上乗せで実施に拍車

④新たな案件発掘・・・FU調査の過程で新規案件を

発掘

3.6. FU診断実施内容

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TDの天井の中央に溶鋼注ぎ込みのための開口がある。開口のまま、予熱作業を行っていたので、温度の上がりが悪く、ガス消費量も多かった。カバーを製作して運用中であるが、効果の実測ができていない。

空気/ガスは自動流量制御

   カバー掛け予熱を実施 予熱バーナー、2台燃料ガス 100万Kcal/h・台

中央開口空気

    中央

温度左    温度右

温度測定により、効果を検証した。

TD予熱炉の天井開口部のカバー設置による昇温能力改善

3.7. 1. FU診断例-1 効果検証

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TD予熱、カバー掛け 予熱の状況

カバー

3.7.2. FU診断例-1 効果測定状況

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29

乾燥終了、ガス量アップタイミングからの昇温カーブの比較をしめす。

中央部温度

   (℃)

中央部の開口部のカバーで放熱防止となり、内部温度が格段に上昇する。最終ステップのガス量は両方とも160Nm³/hとしているが、今回の条件では120Nm³/hのままで昨年の温度まで十分に達している。

0100200300400500600700800900

10001100120013001400

ガス量変更タイミング

今回

昨年

ガス量を160Nm³/h

80 120 m3/h

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ガスバーナーのチューニング(空気比調整)実施した。

調整前 調整後

ガス過剰(空気不足)で炉蓋の隙間から吹き出し、燃焼している。ガスを絞って、(320→250Nm³/h) 空気比を1.0に調整した。まだ、若干の吹き出し燃焼があるが、大幅に改善している。

3.8.1. FU診断例-2 チューニング

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バーナー調整の実際

空気とガスの均圧制御方式であるが、流量表示がないので、排ガスO2濃度をみながら、ガスまたは空気の流量を微調整する。

ガスコックにより、ガス量を調整する。炉内のO2濃度を見て判断

燃焼空気流量計の取り付けをおこなった。(ガスメーターは設置済)これにより、空気量/ガス量を一定範囲で運転することで維持できる。

3.8.2. FU診断例-2チューニング

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 ⑦ 冷却水損失熱

 鋼材の持出熱

炉体放散熱

⑩その他損失熱

① 燃焼熱 ③ 燃料の持込熱

⑤ 燃焼空気持込熱 ②

鋼材の持込熱

小型加熱炉の熱精算

排ガス損失

(10.3%)

 (55.7%)

(2.2%)

レキュ

(0.5%)

⑥ 排ガス

(31.2%)

加熱炉 本体

(81.8%) (0.0%)

(17.0%)

(1.1%)

3.9.1. FU診断例-3 再測定による効果上乗せと新案件発掘

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対策実施後の改善効果測定として熱精算を実施した。

*評価

 ①前回と比較して、鋼材の持出し熱の増加、燃焼空気持込熱が低下と不利な要因と、空気比

  改善効果とが混合してるが、総合的に原単位の改善、熱効率の向上が確認された。

 ②レキュの空気漏れが進行しており、レキュ入口の排ガス量に対して、50%近くの空気が

  漏れている。

 ・これにより、燃焼空気温度が前回より大幅に低下している。515℃台から340℃へ

 ・廃熱回収率の低下で、燃料増になっているので、早急な修繕が必要である。

 ・破損がおおきいと思われるので、エレメントの更新の方が容易と思われる。

 ・修理により、100℃の温度上昇ができれば、4%の燃料節約が見込まれる。

 ・さらに、燃焼ブロワーのインバーター制御が働き、電力削減も復活できる。

 ・現状は漏れが多いため、燃焼ブロワーのインバーターはほぼ100%運転になっている。

3.9.2. FU診断-3 対策後の熱精算の評価

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レキュペレーター性能評価圧力 温度

 1) 測定フロー 2 2 1 1

排ガス

侵入空気

1 1 2   2

レキュの漏れ空気

O2メータ O2メータ

O2メータ

13A

燃焼ブロワー(モーター電流)

排ガス

排ガスファン(モーター電流)

TG PG TGPG

PA TA PA TA

レキュペレーター

燃焼炉

3.9.3. FU診断-3 レキュペレーター性能診断

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①炉出口~レキュ出口に至る排ガス量の変化<排ガスO2%> <排ガス量>

% Nm³/h炉出口 侵入空気は少ない。

Nm³/hレキュ入口

レキュの空気漏れが多い。レキュ出口 Nm³/h

レキュの空気漏れが多いので、修理が必要である。修理することで、燃焼空気の温度の上昇が見込まれる。

空気予熱温度の比較前回 今回 改善予測

入口排ガス温度出口排ガス温度出口空気温度

入口温度 予熱温度は温度効率 (560-13)*0.75= 410

改善により → 空気温度が60℃の上昇、燃料節約は3.9%

1.6%3.3 20,289

324

293 170 ー

3.6 20,613

9.6 30,555 9,942 48.2%

699 560 560

0.86 0.63 0.75

605 360 42034 13 13

3.9.4. FU診断-3 レキュの再診断結果

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1.省エネ原点である適正空気比管理の徹底

・管理をサポートする、見える化対策

・現場で空気比が管理できるメーターを工夫

4. 省エネ実施拡大への重点対策

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2.廃熱回収対策 ①排ガスの熱回収 ②ドレンの熱利用 ③製品持去り熱の利用 *②特に③の実施例はまだ少ない

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空気比調整はエネルギー使用の判断基準で最も基本的な事項である。 しかし、燃焼炉の現場においては、空気比が数値的にとらえていないので、 十分管理されているとは言い難い。 下図のように、燃料、空気量を表示することが空気比管理には有効である。

酸素分析計

炉圧発信器

温度検出器

燃料及び空気供給圧力調節弁を用いた空燃比制御

炉内圧力記録計

炉内温度記録計

炉内温度

指示調節計

燃料GAS 流 量 計

O2測定;数回/年

空気元圧調節弁

空気

調節弁

空気ブロワー

燃料GAS

炉圧ダンパー

バーナ

煙道

ガス圧力調節弁

空気流量計 または圧力計

4.1. 重点対策1. 燃焼設備における空気比の見える化

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<特 徴> 究極の排ガス熱回収: リジェネバーナ

4.2. 1. 省エネの重点対策2. 廃熱回収

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Logo マーク 4.2.2. 未利用廃熱の回収利用

洗浄機

ホットウェルタンク (2)

排水

給水

1次予熱

①汚濁水は熱交換器を利用して熱回収

②清浄な排水は直接利用

簡易熱交(コイル)

ピットタンク

※点線は従来の給水系

蒸気

60℃

オーバーフロー 排水

ホットウェルタンク (1) 30℃

58℃

2次予熱

90℃ 加硫缶 ドレン

熱交換器 蒸気配管 ドレン

90℃

90℃ 15℃

洗浄廃温水80℃

15℃

まずできることから着手しよう。

温排水の回収利用 ①

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診断提案の実施率を高めるサポートが大事。

①自ら工事の詳細設計、監理できる会社は少ない。

②運用改善でも、人手不足でできない会社が多い。

③工事案件を実行するかどうかは投資回収で決まる。

メーカーに丸投げは工事が高くなりがちで、経済性

が低下することが多い。

以上の課題に対して、フォローアップ事業が有効で

あり、充実が望まれる。

まとめ

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ご静聴ありがとうございました。

皆様の省エネ推進に、省エネ診断をお役立てください。

東海ミツワ電機株式会社 顧問 大河内 敏博

TEL:052-324-8131

FAX:052-324-8132