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CO-INNOVATION LAB
SAPアプリケーションと SAP
BusinessObjectsアプリケーション
の ThinAppによる GUIの仮想化
SAP Co-Innovation Lab Tokyo :渡邊 周二
VMware K.K.:森田 徹治
ソフトバンクBB:半田 淳、三ッ木 恒幸
SAP Co-Innovation Lab Tokyoプロジェクト
2013年 8月 1.0
© 2013 SAP COIL Tokyo © 2013 VMware, Inc. © 2013 SoftBank BB
SAP Co-Innovation Lab Tokyo
ホワイトペーパー 2013年 8月 ii ページ
目次
1 エグゼクティブサマリー ............................................... 1
2 VMware ThinApp によるアプリケーションの仮想化 ......................... 2
3 SAPアプリケーションの仮想化検証環境 .................................. 5
4 SAP GUIと SAP BusinesObjectsのクライアント・ソフトウェアの仮想化 ...... 5
5 インフォメーションデザインツールの仮想化の手順詳細 .................... 9
6 まとめ .............................................................. 21
7 参考情報 ............................................................ 21
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ホワイトペーパー 2013年 8月 1 ページ
1. エグゼクティブサマリー
このホワイトペーパーでは、SAPのクライアントソフトウェアの SAP GUI、そして SAP
BusinessObjectsのインフォメーションデザインツールとユニバースデザインツールを
VMware ThinAppで仮想化する検証を行い、そのガイドラインを提供します。対象になる
読者は、IT管理者で SAPアプリケーションや SAP BusinessObjectsアプリケーションの
クライアントソフトウェアを社内ユーザーに提供する方や、クライアントソフトウェアを
日々の業務で使っている方々です。
VMware ThinAppはアプリケーションを仮想化するソリューションで、OSと密接に結び
ついているアプリケーションを OSから分離し、DLLや OCXなどの必要なランタイムやコ
ンポーネントを含めてパッケージ化。ホスト OSに依存することなくアプリケーションを
実行することを可能にします。そのため管理者にとっては、ユーザーへの利用教育などあ
まり必要とせずアプリケーションを配布・展開することが可能になります。古い OSでし
か動作しない「レガシーアプリケーション」を Windows 7上で実行したり、複数の OS上
での実行を可能にし、さらに他のアプリケーションへの影響も最小限にとどめることにな
ります。
今回は SAP GUI 7.20/7.30、SAP BusinessObjectsのインフォメーションデザインツー
ル、そして SAP BusinessObjects ユニバースデザインツールの ThinAppによる仮想化の
検証を行いました。これらの SAPのクライアントソフトウェアを仮想化すると以下のよう
なメリットがあると考えられます。
・複数のバージョンの SAPアプリケーションや SAP BusinessObjectsアプリケーションの
クライアントを OSの違いを気にすることなく同一の環境で使用できます。複数のバージ
ョンのクライアントソフトウェアを同一の環境で使い分けることで、バージョン移行をス
ムースに実施できます。
・SAP BusinessObjectsのクライアントソフトウェアはインストールのコンポーネントが
かなり大きく、インストールにも手間や時間がかかります。ThinAppで仮想化したパッケ
ージを配布すればそのインストールの手間を省くことができます。
・IT管理者から見ると、ThinAppの活用で従業員のクライアントソフトウェアの管理をよ
りシンプルにすることができます。クライアントソフトウェアのバージョンが複数ある場
合はさらにその効果が発揮されます。
今回、VMware ThinApp 4.7.3を Windows 7上にインストールし、SAPアプリケーション
のクライアントソフトウェアの仮想化を検証しました。アプリケーション仮想化を実施す
る手順とそのスクリーンショット、そして検証中に判明したさまざまなノウハウや役に立
つ情報を本ホワイトペーパーで提供します。
SAPのクライアントソフトウェアを ThinAppで仮想化することは、SAPが正式にサポー
トしています。SAP Note 66971(サポート対象の SAP GUI プラットフォーム)を参照し
てください。
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ホワイトペーパー 2013年 8月 2 ページ
2. VMware ThinApp によるアプリケーションの仮想化
ThinApp は、エージェントを必要としないアプリケーション仮想化ソリューションです。
基盤となる OSからアプリケーションを分離して、アプリケーションの競合を排除し、ア
プリケーションの導入・展開および管理を効率化します。
通常のアプリケーション(ネイティブ)の動作と、ThinAppで仮想化したアプリケーシ
ョンの動作の違いを図1に示します。ThinAppで仮想化されたアプリケーションは、必要
なランタイムやコンポーネントが一緒にパッケージ化され、ホスト OSにインストールす
ることなくローカル環境で実行されます。仮想化されたアプリケーションはホスト OSが
持つローカルのリソース(CPU、メモリ、ディスク、ネットワークなど)をネイティブア
プリケーションと同じように利用し、その結果ユーザーからは普通のアプリケーションを
使うのとまったく同じ感覚で使用できます。
(図1)通常のアプリケーションと ThinAppで仮想化したアプリケーション
ThinAppによるアプリケーションの仮想化を活用することで、以下のようなメリットが
あります。
Windows 7 への移行の簡素化
アプリケーションの競合の排除
コストのかかる再コーディングとテストの最少化
アプリケーション管理の効率化
IT へのサポート依頼とヘルプデスクコストの削減
統合されたアプリケーションの管理や割り当て
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2.1 ThinApp でパッケージ化されたアプリケーションの構造
ThinAppで仮想化されたアプリケーションの構造や、実行されるアプリケーションの環
境・設定がどのように保存されるかについて簡単に説明します。
Virtual Operating System(VOS):VOSは ThinAppでパッケージ化されるときに組み込
まれるモジュールで、OS上の Win32APIコールをエミュレートします。エミュレートでき
る APIは【レジストリー操作】、【ファイルシステム操作】、【プロセス生成】などです。
パッケージ:ThinAppでキャプチャー・ビルドをした結果として生成されるオブジェクト
で、アプリケーションをカプセル化したものです。パッケージは通常すぐに実行できる
EXEファイルにする場合が多いですが、インストール用の MSI形式にすることもできます。
Sandbox:ローカル内のディレクトリーで、ThinApp化されたアプリケーションの実行で
変更されるユーザ環境(例えばユーザーの構成情報、ブラウザの初期ページの情報など)
が保存されます。次回アプリケーションを立ち上げると、Sandbox内に保存された情報が
設定値として使用されます。Sandboxを削除すると、ThinAppでキャプチャーした状態の
設定値が採用されます。このように Sandboxが使われるために、アプリケーションやユー
ザの設定情報が通常のアプリケーションと同じように保存できます。
2.2 仮想化されたアプリケーションの配置(Deployment)
ThinAppで EXEにパッケージされたアプリケーションを、ユーザーがどこに置いてどのよ
うに使うかはとても簡単です。ThinApp化されたアプリケーションはもはやインストール
は不要で、下記のような使い方が可能です。
ローカルのデスクトップに置く:最も標準的な使用法で、ThinApp化したアプリケーショ
ンの EXEファイルをユーザーの PCの好きな場所に保存し、それを実行するだけです。
ネットワークのシェアフォルダーに置く:ネットワーク上のフォルダーに ThinApp化し
たアプリケーションの EXEファイルを置きます。ユーザーごとにローカル PC内に Sandbox
ができて、ユーザー固有の構成情報などはそこに保存されます。
Horizon View環境で使用する:ThinApp 化されたパッケージを個々のデスクトップやデ
スクトップ・グループに割り当てることで、Horizon View 環境でアプリケーションを効
率的に展開できます。View Composerを使った構成の場合は「VMware ThinApp」(7.参考
情報に記載)のドキュメントを参照してください。
(図2)ThinAppで仮想化されたアプリケーションの活用
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2.3 ThinApp によるアプリケーション仮想化手順の概略
ThinAppを使ってアプリケーションを仮想化し、実行ファイルのパッケージを作成す
る大まかな手順をここで示します。
(図3)ThinAppによるアプリケーション仮想化の手順
まずは仮想化するアプリケーションをインストールする OSを準備します。ThinApp
によるアプリケーションの仮想化は何回もカット&トライを繰り返す場合がありますの
で、VMware vSphereか VMware Workstationなど仮想化上に構成すると便利です。準備す
る OSはプレーンなもので他には何もインストールしません。ThinAppをインストールし
たポイント、或いは ThinApp で Prescanを実施したポイントでスナップショットを取って
おくと、うまくいかなかった場合にすぐにもう一度やり直しができるので便利です。
Prescanした後に、対象のアプリケーションを普通にインストールし、Postscanで
ThinAppがインストール前後の差分を検知し、Wizardに従って進めれば簡単に ThinApp
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化のプロセスが完了します。仮想化されたアプリケーションは、別に用意しておいた
Windows上で実行し、正常に動作するかどうかの確認をしておきます。
3. SAP アプリケーションの仮想化検証環境
SAP COIL Tokyoのラボ施設内の以下の環境で ThinAppによる SAP GUIと SAP
BusinessObjectsのクライアントソフトウェアの仮想化の検証を実施しました。
写真上: SAP ジャパンビル(半蔵門) 4F COIL Tokyo Computing Center
写真下: SAP ジャパンビル(半蔵門) 3F COIL Tokyo デモコーナー
ThinAppの動作環境: VMware ESXi 5.1上に Windows 7を新しくインストールし、サービ
スパックやパッチは適用しません。そのクリーンな環境に ThinAppをインストールします。
ThinAppの Version: 4.7.3 Build 891762
ThinAppをインストールした環境や、最初に ThinAppで Prescanを行った環境をテンプレ
ートとして保存しておくか、スナップショットを取っておきます。以後問題があったとき
など何度でもその時点に戻り、すぐにリトライすることが可能です。
4. SAP GUIと SAP BusinessObjectsのクライアント・ソフトウェ
アの仮想化
今回の SAP COIL Tokyoプロジェクトでは、SAPアプリケーションと SAP
BusinessObjectsのクライアント・ソフトウェアを ThinAppを使って仮想化する検証を行
ないました。対象となるソフトウェアは以下のものです。
SAP BusinessObjects インフォメーションデザインツール 4.0 SP6
SAP BusinessObjects ユニバースデザインツール 4.0 SP2、及び SP6
SAP GUI 7.20、及び 7.30
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これら3つのアプリケーションの仮想化は、2.3アプリケーション仮想化手順に示し
た手順に従って実施しました。SAP BusinessObjectsのインフォメーションデザインツー
ルに関しては、ThinApp化の手順を1ステップずつスクリーンショットを入れて詳細な手
順を次章(5.インフォメーションデザインツールの仮想化の手順詳細)で紹介します。
4.1 インフォメーションデザインツールの仮想化
SAP BusinessObjectsのインフォメーションデザインツールは 2.3に示した手順で仮
想化を実施しました。ビルドされた EXEを実行すると、ライブラリーを適切に配置できな
いというエラーが出ました。以下がエラーのスクリーンショットです。
さまざまな要因を調査して原因を特定することができました。ThinAppはビルドに必要な
各種データをローカルに保存しますが、そのパス名(ドライブ名+ディレクトリ名+ファ
イル名)が 260文字以上になると、ビルド時に ThinApp仮想ファイルシステム
Builder(vftools.exe)が 260文字以上のパス名を処理できずに必要なファイルが仮想フ
ァイルシステムに追加されず、仮想化されたアプリケーションの実行時に上記のようなエ
ラーが出てしまいました。
対策としては ThinAppの Setup Captureの Project Settingの場面で、より短いパス
名を指定するということです。詳細は 5.15のスクリーンショットの箇所を参照してくだ
さい。ここで短いパス名を指定すれば、ビルドに含まれるデータのパス名が 260文字以内
に収まり、ThinApp化したアプリケーションは問題なく実行できることを確認しました。
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4.2 ユニバースデザインツールの仮想化
SAP BusinessObjectsのユニバースデザインツールは、インフォメーションデザイン
ツールと同じような手順で ThinAppによるビルドが正常にできることを確認しました。
SAP BusinessObjects ユニバースデザインツール 4.0 SP2の仮想化
ThinAppはビルドするデータを圧縮し、実行ファイルサイズを小さくすることができ
ます。ThinAppがビルドする課程で生成される package.ini内のパラメータを設定するこ
とで以下の3種類の圧縮方法を選択することができます。(このホワイトペーパーでは
package.iniのパラメータ設定に関しては説明しません)
無圧縮
圧縮する際の速度重視の圧縮
圧縮率重視の圧縮
ユニバースデザインツールは非常に大きなアプリケーションで、実行ファイルの大きさは
無圧縮の場合で約 2GB、速度重視の場合で約 1.7GB、そして圧縮率重視の場合は約 1.4GB
でした。これらを実行するときの起動時間は体感的にそれほど差はなかったので、大きな
アプリケーションの場合は圧縮を指定する方が良いと考えられます。圧縮の指定は 5.16
のスクリーンショットの場面で圧縮のチェックボックスをチェックします。その場合、速
度重視の圧縮が実施されます。
ThinApp化してできた実行ファイルを、Windows 7のプレーンな環境で実行し機能確
認をします。SAP HANAへのアクセスの確認したところ、データベースへのアクセスエラ
ーが発生しました。これは ThinAppの問題ではなく、ユニバースデザインツール 4.0 SP2
には HANA JDBCドライバーが含まれていないのが原因です。SAP Note 1591695(7.参考情
報に記載)に従って設定すれば SAP HANAへのアクセスも問題なく実行できます。
SAP BusinessObjects ユニバースデザインツール 4.0 SP6の仮想化
ユニバースデザインツツールの最新バージョンについても同じ手順で ThinApp 化し、
ビルドされた実行ファイルの動作検証を行いました。ユニバースデザインツール 4.0 SP4
以降はクライアントパッケージに HANA JDBCドライバーが含まれるため、前述の 4.0 SP2
で SAP HANAへのアクセスがエラーになるような問題は発生せず、ThinAppによる仮想化
が正常に実施できたことを確認しました。
4.3 SAP GUI 7.20 / 7.30 の仮想化
SAP GUIも SAP BusinessObjectsのクライアントソフトウェアと同様の手順で ThinApp
で仮想化することができます。Wizardに従ってビルドされた実行ファイルを、Windows 7
のプレーンな環境で実行したところ、以下のようなエラーが発生しました。
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原因を調査したところ、Windowsの servicesのファイルの中に、SAPの Dialog Service
(dispatcher port)のエントリーが入っていないことが判明しました。SAP GUI のインス
トーラーはこれらのエントリーを servicesに追加しますが、ThinAppによる仮想化の場
合はこれらの servicesのエントリーの変更が、ThinAppによるビルドの中に取り込まれ
ることはありません。
対策としては Windowsの servicesのファイルに以下のエントリーを追加する必要が
あります。Windowsでは servicesのファイルは、c:\Windows\System32\drivers\etc
にあり、そこに以下のエントリーを必要な数記入します。通常は2つもあれば十分です。
sapdp00 3200/tcp
sapdp01 3201/tcp
・・・・・・・・
sapdp98 3298/tcp
sapdp99 3299/tcp
ThinAppで仮想化された実行ファイルを実行する各クライアント PCでは、手動で
servicesのファイルを変更するか、あらかじめメッセージサーバーのエントリーを追加
してある servicesファイルを用意してコピーする、どちらかの方法を選択する必要があ
ります。今回は SAP GUI 7.20と 7.30の両方のバージョンの仮想化を検証し、どちらも同
じ手順で ThinAppによる仮想化が実施できることを確認しました。
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5. インフォメーションデザインツールの仮想化の手順詳細
SAP BusinessObjectsのインフォメーションデザインツールを ThinApp で仮想化する
手順を、最初から順を追って1ステップごとに説明します。
1. ThinAppを起動する
2. Nextをクリック
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3. Prescanをクリック
4. Prescan実行中
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5. Prescanの結果、Warningが表示された。この Warningは問題ないのでそのまま Next
をクリックして次へ進む。
6. 「Install the Application Now!」と表示される画面になるので、ここで ThinApp化
したいアプリケーションをインストールする。
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7. SAP BusinessObjectsインフォメーションデザインツール 4.0 SP6のインストールを
開始。Windowsの PC 上にインストールするのと全く同じように進めればよい。
8. アプリケーションのインストールが終了したら ThinAppに戻り Postscanを実行する。
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9. Postscanの結果、Prescanのときと同じ Warningが表示された。この Warningは問題
ないのでそのまま Nextをクリックして次へ進む。
10. インストールされたアプリケーションの Entry Pointを選択する。1つのアプリケー
ションで ThinApp化で複数の EXEが作成する場合もあるが、今回はインフォメーションデ
ザインツール本体のみにチェックが入り、EXEも1つだけ生成する。
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11. Horizon Application Managerの管理対象のアプリケーションにするかどうかを決め
る。今回は管理対象にしないので、そのまま Nextをクリックする。
12. ThinApp化されるアプリケーションのアクセス可能なグループを設定する。今回は誰
でもアクセスできるタイプに設定する。Nextをクリックする。
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13. ThinApp化したアプリケーションが実行されるローカル環境での書き込み権限を設定
する。今回は Full Write Accessを選択する。Nextをクリックする。
14. アプリケーションの設定情報を保存する Sandboxの場所を指定する。今回はローカル
PC内のデフォルトの場所を使用する。Nextをクリックする。
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15. ThinAppのビルドに必要な各種データを保存する場所を指定する。保存するディレク
トリー名はデフォルトではインストーラーで使っている「SAP BusinessObjects BI プラッ
トフォーム 4.0 クライアントツール SP6」となっている。インフォメーションデザインツールは非常に
多くのデータが深いディレクトリー構造の中にストアされるので、このデフォルトのディ
レクトリー名を使うと、VMware ThinApp/Capture以下に保存されているデータのパス名
が 260文字以上になってしまう。ビルド時に ThinApp仮想ファイルシステム
Builder(vftools.exe)は 260文字以上のパス名を処理できないため、必要なファイルが仮
想ファイルシステムに追加されず、アプリケーションの実行時にエラーが発生する。それ
を避けるため「SAP BO」という短いディレクトリー名を指定した。
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16. ThinApp化する際のデータコンテナの構成を指定する。すべてを単一の EXEファイル
にパッケージするオプションもあるが、今回は別にデータファイルを作成することを選択。
Compressionのチェックボックスをチェックすると、ビルドするデータが圧縮される。
17. ビルドを開始するメニュー。ここでビルドを開始せずに、package.iniファイルを編
集してビルドのパラメーターを調整することもできるが、今回は Buildボタンをクリック
してそのままビルドを開始する。
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18. ビルドが進行している様子。ビルドの時間はアプリケーション、データ圧縮の指定、
ビルドしている OSの環境(CPU、メモリー)、それにストレージの性能に依存する。今回
の検証ではインフォメーションデザインツールのビルドには30分ほど時間を要した。
19. ビルドが終了した。Finishをクリックして ThinAppを終了する。
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20. 15.で指定したパスの「bin」というフォルダーに ThinAppでビルドされた EXEと DAT
ファイルが生成されている。
21. ビルドされた実行ファイルを別に用意したプレーンな Windows上で実行し、正常にと
動作するかを確認する。アプリケーションが立ち上がるときに、画面右下の VMware
ThinAppのロゴが表示されるので、このアプリケーションが ThinAppで作成されたことが
わかる。
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22. インフォメーションデザインツールが正常に起動したことを確認した。
23. データベースに接続して、正常にアクセスできることを確認した。
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6. まとめ
ThinAppの Wizardに従って操作すれば、SAP GUI、BusinessObjectsのユニバースデ
ザインツール、インフォメーションデザインツールは正しく仮想化できることを検証しま
した。ただし実行ファイルを正しく動かすためには、細かいところも含め注意しておくべ
き項目が存在します。
インフォメーションデザインツールはインストールされるファイルが多く、またイン
ストーラーのディレクトリー名がかなり長く、ThinAppがデータを格納するパス名が
260文字を超えて、ビルドされた実行ファイルが正常に実行できない場合があります。
これを回避するために、ThinAppのビルド中に指定するパス名を短くする工夫が必要
でした。
ユニバースデザインツールはバージョンによっては、SAP HANAのドライバーがインス
トールされないので、本質的な問題ではないですがドライバーを手動でインストール
する必要な場合があります
SAP GUIは ThinApp化した実行ファイルを実行する PCの servicesファイルに、SAP
の Dialog Service (dispatcher port)のエントリーの設定が必要になります
日本では ThinApp を活用している SAPユーザーはまだまだ少ないですが、ThinAppに
よるアプリケーションの仮想化が間単にできることが検証されたので、今後多くの SAP
ユーザーに展開されることが期待されます。
7. 参考情報
7.1 VMware の関連情報
Virtualization of SAP GUI with VMware ThinApp
SAP GUIの ThinApp化の手順や考慮点を詳しく解説
http://www.vmware.com/files/pdf/solutions/VMware-ThinApp-Virtualizing-SAP-G
UI.pdf
VMware ThinApp - Guide for Enterprise ThinApp Deployment -
VMware View Integrationの章に、ThinAppで仮想化されたアプリケーションを View
の環境で活用する方法や考慮点を解説
http://www.vmware.com/files/pdf/thinapp-ref-arch.pdf
7.2 SAP の関連情報
SAP ノート番号 66971 - サポート対象の SAP GUI プラットフォーム
SAP ノート番号 1591695 – How to set up HANA JDBC Connectivity for Universes
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