株式会社メガネトップの ビジネスモデル...9 企業概要 –...
TRANSCRIPT
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株式会社メガネトップのビジネスモデル
-「早期発見・早期解決」に見る学びの経営 -
2011/03/120951102007H 金田江美子0951102006J 東城 真久0951102015C 新井 康久
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1. メガネ業界概要
2. メガネトップ概要
3. 企業戦略
4. まとめ
5. 課題と提言
目次
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1. メガネ業界概要
4
激安メガネ 3プライスショップ'5,7,9千円(が出現し、若年層が
気軽に複数本 購入可能
「メガネ男子」や「ビジョメガネ」、メガネブーム到来
ブームは下火になるが、激安ショップは成長 '大手は停滞(
国際的にはイタリア、中国、日本が主要生産国
三城、メガネスーパー、メガネトップ等、大手チェーンによる積極的
な店舗展開で、小売業全体と比べて堅調に推移'90年代以降(
視力矯正が目的の実用品で 高価格設定が可能
1990年代
2000年代
メガネの歴史は13 世紀のイタリアに遡る戦国時代にフランシスコ・ザビエルが大内義隆に献上'日本の初め(
明治以前
医療器具としての眼鏡からファッション小物としてのメガネへ(半医半商)
1. メガネ業界1-1.メガネ業界の歴史
新業態の登場を機に競争激化
医療器具としての眼鏡 (患者>消費者)
ファッションアイテムとしてのメガネ (消費者>患者)
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市場規模
・丌況と購買人口減少で低価格商品主流。
年率2%で縮小傾向
5,459億円(04) → 4,259億円(08) (週刊ダイヤモンド10年3月(
・メガネ人口6~7千万人
・購入頻度は約3年サイクル
・価格は20,000~35,000円、成熟しきった状態
・ファッション性を求める世代のニーズを捉える方針へ
1. メガネ業界1-2.メガネ市場
低価格メガネの浸透により、市場が成熟し縮小傾向
主要6社 総売上高推移
(業界リサーチ10年12月(
6
¥0
¥10,000,000,000
¥20,000,000,000
¥30,000,000,000
¥40,000,000,000
¥50,000,000,000
¥60,000,000,000
¥70,000,000,000
¥80,000,000,000
¥90,000,000,000
売上高
三城ホールディングス
メガネトップ
メガネスーパー
愛眼
ジェイエヌアイ
1. メガネ業界1-3.業績(売上高の推移)
メガネトップが業界首位に
90000
50000
40000
30000
20000
10000
60000
80000
70000
0
百万円
7
¥2,000,000,000
¥0
¥2,000,000,000
¥4,000,000,000
¥6,000,000,000
¥8,000,000,000
¥10,000,000,000
¥12,000,000,000
¥14,000,000,000
¥16,000,000,000
¥18,000,000,000
営業利益
三城ホールディングス
メガネトップ
メガネスーパー
愛眼
ジェイエヌアイ
1. メガネ業界1-4.業績(営業利益の推移)
メガネトップの一人勝ち
18000
10000
8000
6000
4000
2000
12000
16000
14000
0
-2000
百万円
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2. メガネトップ概要
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企業概要
– 社名 株式会社 メガネトップ
– 代表者 代表取締役社長 冨澤昌宏
– 設立年月日 1980年5月
– 資本金 23億3700万円
– 従業員数 1,600人、臨時従業員1,660人
– 事業内容 メガネ、コンタクトレンズの販売、
その他関連商品の販売
– 上場 東証第一部
– 本社 静岡市葵区伝馬町8番地の6
今までもこれからも常識を超えた大胆な戦略で業界トップを目指します
会長
新たな付加価値を追求し、地域社会に貢献する革新的な企業でありたい
2.メガネトップについて2-1.企業概要
平成22年3月31日現在
社長
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超薄型遠近両用レンズも超薄型焦点レンズも
オールインワンプライス(¥18,900-)
2.メガネトップについて2-3.「眼鏡市場」
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3. メガネトップの企業戦略
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■状況変化の対応
危機: 仙台の一律価格チェーン店'弐萬圓堂(が静岡県進出、低価格競争激化
対策: 4ヶ月後にメガネトップは、「眼鏡市場」ブランドで一律価格の様態に変更
3.企業戦略3-1.戦略のポイント 創業者の言葉から
激安競争&競合の縄張り進出大きな危機に直面、都度、一歩抜け出す対応策の企画
会長冨澤昌三氏'メガネトップ創業者(
「早期発見、早期解決。 市場の変化とかお客様の変化とかいろいろなものを
常に判断してスピーディーに対応すべきところはしなくてはならないのでしょうね。」
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– 経営企画部の奮闘「データに基づく緻密なシミュレーションの数々原価コントロール、スタッフの教育研修営業サイドや経営陣との打ち合わせなど、あらゆることを猛烈なスピードで行いました」
3.企業戦略3-2.戦略のポイント「眼鏡市場」の経営企画部長の言葉から
牛島氏'経営企画部長(
「メガネトップは狂ったのか?」
大きな危機に、全社挙げての素早い対応
「メガネトップ」 ⇒ 「眼鏡市場」約310店をワンプライスブランドに一気に業態転換
「眼鏡市場」の立ち上げ
– 眼鏡市場業態を試験的にコーナー展開⇒業績が大変好調10店舗程度を「眼鏡市場」に業態転換⇒客数 +180%以上
顧客の反応良かった 「一時的な売上拡大策で、利益は出ないだろう」
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企業戦略のキーワード
3.企業戦略3-3.キーポイント:「早期発見・早期解決」
大きな危機に直面して、一歩抜け出す戦略を考えた
早期発見・早期解決– 「現会長と経営層とは壁を作らず話をする体制をとっております。また会長は店
舗への全店巡回を2年に一度程度のペースでおこなっており、現場の変化を経営者の立場で感じ取り、現場と話をして後の戦略について経営陣と討議している。」
1日1店舗ペースの現場訪問
現場の声、顧客の声を直ぐ反映
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3.企業戦略3-3.キーポイント:「早期発見・早期解決」
ポイントは、トップダウンとボトムアップの融合・相互のフィードバック
現場
ミドル
トップ
トップ(早期発見(
ミドル'早期解決(
トップ
ダウン
トップ
ボトム
アップ
ボトム
アップ
トップの思いを現場の作業化
現場'試み(
現場で事象を読み全社の舵取り
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早期発見・早期解決
「アルク」少数店舗若者向け(ファッション性重視)
激安価格帯3プライス
業績回復業績伸び悩み
弐萬圓堂と顧客アンケート
成功失敗
3.企業戦略3-5.「早期発見・早期解決」してきた戦略の例
「眼鏡市場」ドミナント店舗値ごろ感ミドル向け1プライス
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■「アルク」の新規性
3. 戦略分析3-6.「アルク」で業績が伸びなかった理由
'東洋経済080501(
「アルク」の特徴は激安企業の戦略に追従⇒戦略に丌十分な点が有った
価格設定 激安 3プライス(¥5250,¥8400,¥12600)
△(同質)
店舗 少数店舗(初年度3店舗) ×(認知不足)
ターゲット設定 若者向け(ファッション性重視)
小(マーケット)
商品の魅力 ファッション性重視 ×(若者受けしない)
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5~14歳 15~24歳 25~34歳 35~44歳 45~54歳 55~64歳 65歳~
ニーズの多様化
固定客化
0 20 40 60 80 100%
市場規模
ファッション化
市場の7割が35歳以上
3. 戦略分析3-7.デモグラフィック
'出所:2006年3月 愛眼決算資料(
35歳以上
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ファッション 医療・実用
セレクト・コンセプトショップ メディカルコンサルティングショップ
ファッションコンセプトショップ
ローデンスト
アラン・ミクリ
グラスファクトリー
dekora
フォーナインズ
COMPLEX+
金鳳堂
イワキ
三城
JIN’S
Own days
Zoff
眼鏡市場
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高価格
低価格
和真
弐萬圓堂
メガネドラッグ
ALOOK メガネスーパー
愛眼
メガネトップ
真空地帯
3. 戦略分析3-8.ポジショニング
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眼鏡市場の成功
きっかけは
“弐萬圓堂の出現“と ”1万人アンケート”
単純な安売りではない。適正な利益を確保し、持続的に成長できる自社のビジネスモデルのシナリオを描く。
3. 戦略分析3-9.転機
強みを知り、顧客視点に立ちかえる
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■「眼鏡市場」の新規性
3. 戦略分析3-10.「眼鏡市場」の成功要因
'東洋経済080501(
特徴は価格、素早い全国展開、ターゲット
価格設定 中価格帯 1プライス(¥18900(追加料金なし))
○(差別化)
店舗 ドミナント店舗(1年半で310店舗業態変更)
○(認知)
ターゲット設定 ミドル向け 大(マーケット)
商品の魅力 ファッション性、品質 ○(差別化)
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3. 戦略分析3-11.「眼鏡市場」成功
アルクの失敗、眼鏡市場の成功
アルクの失敗
眼鏡市場の成功
18000
10000
8000
6000
4000
2000
12000
16000
14000
0
-2000
百万円
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2006/10 「眼鏡市場」の展開開始
店舗数
超ドミナント
時間をかけずに集中出店
3. 戦略分析3-12.「眼鏡市場」の成功要因 超ドミナント
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4. まとめ
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早期発見 早期解決
激安企業の出現'ファッションアイテム層(
「アルク」同じ価格帯で対抗
弐萬圓堂の出現
1万人アンケートでの売れ筋価格帯の発見
「眼鏡市場」中価格帯の展開
超ドミナント戦略時間 + 集中 =超
4. まとめ4-1.「眼鏡市場」成功の結果
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早期発見・早期解決
4.まとめ4-2. 早期発見・早期解決:スピードを上げるための施策
早期発見・早期解決のプロセスが成功のポイント
危機感の認識 強み分析ターゲット設定
(真空地帯)
実行(経営資本集中投下)
実現
・結果評価
超ドミナント展開
アンケートから真空地帯'競合丌在)の発見
現場主義店舗数自社工場
業界トップを目指すが伸び悩み、激安企業の出現
アルクでの失敗から学び、眼鏡市場で成功させる早く察知し、早く全国展開する、「学びの経営」
アルクの失敗からの学び->眼鏡市場の成功
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5. 課題・提言
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提言1:外的要因への対応
課題:外的環境変化の兆候眼鏡・コンタクトの取扱は「眼科医のみ」にするという法規制の動きが有る今後 医療資格で、業界の変革や淘汰が起こりうる
対応:
法規改定には専門人材補充等、早期解決
5.課題・提言5-1. 外的要因のリスクや環境変化に対する提言
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提言2:内的要因への対応
課題:「顧客数減少」や「店舗中心戦略の弱み化」強みの“超ドミナント戦略”が却って新しいビジネスモデルの阻害になりうる
対応: 「来店しなくてもできる眼鏡」
eコマースや移動店舗、地方や僻地や病院への対応等商圏に縛られず、ターゲットのいる場所を見極め自社の強み「超ドミナント戦略」から転換
5.課題・提言5-2. 内的要因のリスクに対する提言
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企業戦略のキーワード
早期発見・早期解決
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Q&A
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補足資料
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1980年5月 静岡県静岡市御幸町に、㈱メガネトップを資本金1,000万円で設立。1983年10月 本社を静岡県静岡市御幸町から静岡県静岡市常磐町に移転。1988年10月 本社を静岡県静岡市常磐町から静岡県静岡市曲金に移転。1992年10月 トップ光学㈱(当社の商品仕入部門)を吸収合併。1994年10月 静岡県静岡市に日本平研修センターを設置。1997年6月 日本証券業協会に店頭売買銘柄として登録。1998年12月 ㈱キングスターの株式取得による子会社化。2000年12月 東京証券取引所市場第二部上場。2001年3月 M&Aの受入を目的とした㈱ジェイエムジーを設立する。2001年4月 ㈱ジェイエムジーは、㈱カワカミより眼鏡販売事業部門の営業権を譲受する。2001年6月 若者層をターゲットとした超低価格眼鏡の販売を目的とし㈱アルクを設立する。2002年7月 コンタクトレンズ販売を中心とした㈱ウイン(㈱テキストへ社名変更)を買収する。2002年8月 東京証券取引所市場第一部指定。2002年9月 本社を静岡県静岡市曲金から静岡県静岡市伝馬町に移転。2003年4月 ㈱ジェイエムジーを吸収合併。2003年5月 ㈱キングスターは、資生眼鏡㈱(眼鏡枠の製造並びに販売)を買収する。2003年7月 販売子会社㈱フィットミーを設立する。2003年8月 ㈱キングスターは、資生眼鏡㈱を吸収合併。2004年10月 ㈱ファーマフューチャーの株式取得による子会社化。2004年11月 ㈱テキストの株式取得による子会社化。2005年2月 ㈱ウインは、㈱テキストと合併し、㈱ウインを存続会社として社名を㈱テキストに変更。2006年4月 ㈱テキストは、㈱アルクと合併し、㈱テキストを存続会社として社名を㈱ベンシスジャパンに変更。2006年7月 ㈱ベンシスジャパン及び㈱キングスターを吸収合併。2006年10月 オールインワンプライスショップ「眼鏡市場」の展開を開始。2007年3月 ㈱ファーマフューチャーの清算結了。
沿革