CENTERLINE (WINDSOR) LIMITED産業機械業界

課題：カナダの産業オートメーション・プロセスおよびテクノロジー企業のCenterLine (Windsor) Limitedは、物理的な装置を工場内に設置する前にデジタル・シミュレーションを行うことで、ロボットの作業セルの設計を最適化したいと考えていました。

ソリューション：CenterLineは、ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォーム上にDELMIAを実装して、製品、プロセス、工場オペレーションを仮想的にシミュレーションすることで、ロボットの挙動、工場のレイアウト、資材や治工具の流れ、エルゴノミクスの最適化を行いました。

成果： すべてのロボット作業セルにDELMIAを実装したことで、CenterLineは、治工具作成時の問題と手戻りを最大90%削減して、現場でのプログラミング時間を最大75%短縮できました。その結果、納期と予算を順守しながら、顧客の競争力を高めるソリューションを提供することが可能になりました。

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— CenterLine (Windsor) Limited

企業マーケティング・ディレクター

Marc Levesque氏

競争力強化には不可欠CenterLineは、シミュレーション目標と顧客ニーズに対応するため、DELMIA Roboticsを選びました。ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォーム上にDELMIA Roboticsを実装することで、デジタル・モデルを作成し、製品、プロセス、工場オペレーションを仮想的にシミュレーションできます。DELMIAにより、ロボットの挙動を可視化および検証して、作業スペースの使い方、資材や治工具の流れ、および人間工学に基づく安全性を最適化できます。

「DELMIA Roboticsにより、機器を実際に製造して工場内に設置する前に、設計を可視化および概念化できます」とMancini氏は述べます。「そのおかげで、事前に問題を解決し、製品を最初から適切に設計できます。DELMIA Roboticsによって、お客様にも安心感を与えることができます。仮想的に組み立てることで、納期と予算を順守しながら、お客様が必要とする複雑なシステムを構築できることを実証し、それがお客様のオペレーションをどのくらい向上できるのかを正確に示すことができます」

CenterLineは、ロボット作業セルにDELMIAを活用することで、すでに大きな成功を収めています。「すべてのロボット作業セルにDELMIA Roboticsを実装してから、ロボットの配置変更が必要になったことは一度もありません」とMancini氏は言います。「その結果、時間の大幅な節約となっています。また、治工具作成時の問題と手戻りを最大90%削減して、現場でのプログラミング時間を最大75%短縮できました」とMancini氏は言います。

Mancini氏によると、CenterLineはDELMIA Roboticsでオフライン・プログラミング（OLP）を実行しています。工場内の物理的な

リソースを停止することなく、ロボット・システムのプログラムを工場現場およびロボットに転送することで、試運転期間を大幅に短縮しています。

「DELMIA OLPにより、現場でのティーチング時間もかなり短縮できています」とCenterLine (Windsor) Limitedのロボット・シミュレーション技術者であるCraig Clayton氏は述べます。「設計に変更があった際にロボットのパスをアップロードして設計図通りに配置されていることを確認したり、プログラムをダウン

ロボット作業セルのシミュレーションで開発コストを削減 工場内に設備を設置する後に、その設備に問題（ロボットのアームが隣の機械と干渉してしまう、操作対象の目的物に届かない、作業員を危険にさらしてしまうなど）があることに気付いても手遅れです。工場の設備の費用は数億円規模にも上る場合があり、完成したシステムを物理的に設置した後に設計ミスを修正しようとすると高コストにつながります。

カナダを拠点に高度な製造およびテクノロジーを提供するCenterLine (Windsor) Limitedは、革新的なソリューションを通じて、メーカーのコスト削減、生産性向上、市場投入時間の短縮を支援しています。同社は、抵抗溶接、金属成形、冷却スプレー用の高度なオートメーション・プロセスと接合テクノロジーを専門としています。垂直統合型の製品群には、溶接用消耗品から全自動型の製造システムまで、幅広い製品が含まれています。

「お客様が当社に求めているのは、高品質の設備はもちろんのこと、競争力を高め、継続的な生産が確保できるシステムです」とCenterLine (Windsor) Limitedの企業マーケティング・ディレクターであるMarc Levesque氏は述べます。「CenterLineが設計するシステムは、保守がほとんど不要であり、多くの場合、製造要件の増大に合わせてスケールアップできるようにしています」

CenterLineが携わる業界は、同社が創業した1957年から大きく変わっています。近年では、主な顧客（相手先ブランド製造業者（OEM）、一次サプライヤー、二次サプライヤー、および自動車業界、公共交通業界、航空宇宙業界、防衛業界の機械インテグレーター）が、統廃合、新規テクノロジー、競合の新規参入と競争激化の影響を受けています。CenterLineは、競争力強化にはシミュレーションが必須だと考えています。

「ここ12年で、シミュレーションに対する企業の見方が大きく変化しました」とCenterLine (Windsor) Limitedのロボット・シミュレーション・リーダーであるLuciano Mancini氏は言います。「以前は、1つか2つ程度のロボット作業セルのシミュレーションを行うか、もしくは設置後にシミュレーションを行うだけでした。現在は、設置前にすべてのロボット、すべてのプロセス、すべての機器のシミュレーションを行い、把握するようにしています。設計、構築、製造を事前にデジタル環境で行えるため、工場内に設置してから問題に直面して大幅な再設計が必要になるということがありません」

「お客様が当社に求めているのは、高品質の設備はもちろんのこと、競争力を高め、継続的な生産が確保できるシステムです」

「すべてのロボット作業セルにDELMIA Roboticsを実装してから、ロボットの配置変更が必要になったことが一度もありません。その結果、時間の大幅な節約となっています」

— CenterLine (Windsor) Limited

ロボット・シミュレーション・リーダー

Luciano Mancini氏

ロードしたりするのに最適なツールです。パスが指定されていなければ、溶接などの順序を作業者が判断しなければなりません。DELMIA OLPでは、順序を簡単に変更し、適切なパスを現場に伝えることができるため、現場の作業者が順序の心配をする必要がありません」

またCenterLineは、シミュレーションを用いて新しい製品やプロセスがもたらす競争優位性について購入前に顧客に説明しています。

「DELMIA Roboticsを使用して、当社のメカトロニクスおよび溶接ガン部門の革新的な製品をお客様に紹介しています」とClayton氏は言います。「設計概念を視覚化してほしいとお客様に言われたら、キネマティクスを用いて動画を作成し、実際にどう見えるのか、お客様の業界プロセスにどのようなメリットがあるのかをお見せできます」

適切な角度設定CenterLineは、DELMIA V5から3DEXPERIENCEプラットフォーム上のDELMIA Roboticsにアップグレードしました。その直感的なグラフィカル・ユーザー・インターフェース（GUI）により、さまざまなメリット（生産性の15%向上など）を得ています。

DELMIA Robotics Arc WeldingのGUIにより、CenterLineでは、溶接するシームの形状設計に基づいて、ロボットのアーク溶接ツールのパスを自動的に生成しています。

「当社は、さまざまなお客様からアーク溶接プロジェクトの依頼を受けます。そして、溶接角度に関するパラメータは、多くの場合、お客様によって異なります」とClayton氏は述べます。「アーク軌跡機能により、そのパラメータからの逸脱を回避できます。逸脱が必要な場合は、正確な逸脱角度と測定値をお客様にお知らせし、お客様のプロセス上の問題がないか確認できます」

「当社が進めた主なプロセス変革の1つは、早期段階でのシミュレーションを可能にすることです」とMancini氏は言います。「アーク溶接セルでは、まず、ベア製品にすべてのトーチを取り付けて、それを設計者に渡すことで、すべてのトーチを最適な角度に保っています。シミュレーションと設計の時間を15～20%以上短縮し、設計からツーリングまでの反復作業を6回から2、3回に削減できました」

情報の連携と一元管理3 D E X P E R I E N C Eプラットフォームの強力な機能により、CenterLineは、さまざまな顧客から収集したさまざまなタイプのCADデータや過去のCADリリースからのレガシー・データなどの情報を一元管理しています。

「すべてのデータを3DEXPERIENCEプラットフォームに統合して、一元管理しています。標準的な項目を再利用したり、過去のプロジェクトの製品設計やプロセスを活用したりできます」とMancini氏は言います。「データの一元管理により、リーダーとしての私の生産性も向上しました。データや製品の管理から解放されるため、シミュレーション部門の日々の業務に集中できます」

あらゆるタイプのロボットから収集したデータを統合することで、顧客の要件に対応し、新しい業種への参入も可能になったとClayton氏は言います。さらに、DELMIAでは、特定のロボットのネイティブ言語を知らないユーザーでもシミュレーション・パスを簡単に作成できます。

上部画像：シミュレーションにより、工場内の物理的な設備やロボットを停止することなく、ロボット・システムのプログラムを工場現場およびロボットに転送できます。

下部画像：DELMIA Robotics Arc WeldingのGUIにより、CenterLineでは、溶接するシームの形状設計に基づいて、ロボットのアーク溶接ツールのパスを自動的に生成しています。

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ダッソー・システムズの3DEXPERIENCE®プラットフォームでは、11の業界を対象に各ブランド製品を強力に統合し、各業界で必要とされるさまざまなインダストリー・ソリューション・エクスペリエンスを提供しています。 ダッソー・システムズは、3DEXPERIENCEカンパニーとして、人の進歩を促進する役割を果たします。私たちは、企業と人が協力して持続可能な革新技術を生み出すための仮想環境を提供します。3DEXPERIENCEプラットフォームとアプリケーションで作る現実世界の「バーチャル・エクスペリエンス・ツイン」は、お客様のイノベーションや学習、生産の境界を広げます。ダッソー・システムズの2万人の従業員は、140カ国以上、あらゆる規模、業種の27万社以上のお客様に価値を提供しています。詳細については、www.3ds.com（英語）、www.3ds.com/ja（日本語）をご参照ください。

アジア太平洋ダッソー・システムズ株式会社〒141-6020東京都品川区大崎 2-1-1ThinkPark Tower日本

欧州 /中東 /アフリカDassault Systèmes10, rue Marcel DassaultCS 4050178946 Vélizy-Villacoublay Cedexフランス

南北アメリカDassault Systèmes175 Wyman StreetWaltham, Massachusetts02451-1223米国

CenterLine (Windsor) Limitedについて CenterLine (Windsor) Limitedは、同族経営のカナダ企業です。カスタムの自動溶接/組み立てライン、およびファスナー溶接、抵抗溶接（鋼、高強度鋼、ホットスタンプ鋼、アルミニウム）、金属接合、金属コーティングの分野向けの標準ブランド製品を製造しています。

売上高：非公開

本社：カナダ、オンタリオ州、ウィンザー市

詳細は、以下をご確認くださいwww.cntrline.com

今後の展望CenterLineは、自社の成功にシミュレーションが欠かせないことを認識しており、イノベーションを通じて顧客価値を促進し、競争力を強化したいと考えています。

「シミュレーションに関する今後の目標は、デジタル・ツインをサポートすることです」とMancini氏は述べます。「デジタル・ツインに対するニーズは、とりわけOEMや一次/二次サプライヤーにおいて高まっています。バーチャル試運転という考え方は、安全性、PLC（プログラマブル・ロジック・コントローラ）、ロボティクスのすべてが、デジタルの世界と現実の世界との間でどのように影響し合うのかを確認できるシステムの完全なモデルを作ることです。これにより、お客様は、エンジニアリングの変更がシステムに与える影響を事前に特定できるのです」とMancini氏は述べます。

「ダッソー・システムズのソリューションのおかげで、設計した機器の組み立てを仮想的なセッティングでシミュレーションできるため、機器の販売時やロボットのプログラミング時に発生し得る問題を事前に予測ができるようになりました。実物を現場に配置する前にシミュレーションを行えることは大いに役立っています」とLevesque氏は述べます。