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第四部 安全対策(その2)

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Page 1: 第四部 安全対策(その2)anzen/manual/pdf/h24manual4_0.pdf · (8)人工呼吸器設定指示及び確認チェックリストに設定 条件を記載する。 使用中

第四部

安全対策(その2)

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反応なし

気道確保

呼吸観察

正常な呼吸であれば

気道確保し、応援を待つ

回復体位も考慮

呼吸なし or 死戦期呼吸頸動脈の

拍動は?

拍動あれば

気道確保・人工呼吸を行い、

応援を待つ

拍動なければ、ただちに胸骨圧迫を開始

強く(成人:少なくとも 5cm、小児:胸の厚さの約 1/3)

速く(少なくとも 100 回/分)

絶え間なく(中断を最小にする)

30:2 で胸骨圧迫に人工呼吸を加える

人工呼吸ができない状況では胸骨圧迫のみを行う

応援を呼ぶ(ナースコール、コードブルー)

救急カート、AED を依頼

*未就学児・乳児への AED は、エネルギー減衰機能付小児用パッドを使用

AED/除細動器装着

心電図解析・評価(2分間毎)

VF/無脈性 VT のみ ショック1回

二次救命処置(ALS):胸骨圧迫中断を最小にしながら行う

1 可逆的な原因の検索と是正(とくに気道トラブルのチェック)

2 静脈路/骨髄路確保

血管収縮薬(アドレナリン1回1㎎を 3~5 分間隔、バソプレシン 40 単位を1回)を考慮

VF/VT の場合に抗不整脈薬(アミオダロン 300 ㎎、ニフェカラント 0.3 ㎎/㎏)を考慮

3 気管挿管(気管挿管後は連続した胸骨圧迫を行う)

波形表示のある呼気 CO2 モニタは適切な気管挿管および心拍再開の指標となる

1.心肺蘇生アルゴリズム

「正常な呼吸」や「目的のある仕草」が認められる

→頸動脈の拍動あれば、心拍再開している

→12 誘導心電図を評価

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はい (心拍再開の可能性が

あれば)脈拍の触知

反応なし

無呼吸または死戦期呼吸大声で叫ぶ

コードブルー896番連絡/蘇生チーム要請・

AED依頼

CPR(30:2)

胸骨圧迫中断を最小限・質の高いCPRに集中

除細動器装着

VF/無脈性VT

二次救命処置(ALS)

胸骨圧迫中断を最小限にしながら

・可逆的な原因の検索と是正

・静脈路/骨髄路確保

・血管収縮薬を考慮

・VF/VTの場合に抗不整脈薬を考慮

・気管挿管・声門上気道デバイスを考慮

・気管挿管後は連続した胸骨圧迫

・呼気CO₂モニターを使用

CPR:ただちに胸骨圧迫から再開

30:2で5サイクル(2分間)

心拍再開後のモニタリングと管理

・12誘導ECG・心エコー

・吸入酸素濃度と換気量の適正化

・循環管理(early goal-directed therapy)

・体温管理(低体温療法)

・再灌流療法(緊急CAG/PCI)

・原因の検索と治療

ショック1回

はい いいえ

いいえ

2.ショック時の対応

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緊急院内コール(コードブルー) 内線896

目的

院内で急変した患者等が発生した場合、次の方法で迅速な対応により、救命を

行うため人員を集める。

運用手順

1. 院内で急変した患者等を発見した場合、日中(8-21 時)は発見した者が PHS

あるいは内線電話で 896 をコールする。

2. ピンポーンという音を確認した後で直接「コードブルー、(発生場所)○○」と

2回放送する。

この時、発生場所(病棟、外来、階、部署名)を明確に伝える。

3. 全館に放送が流れる。

4. 放送を聞いた医師、看護師等病院職員は直ちに現場に急行する。

5. 蘇生処置は原則として最初に現場に到着した医師がリーダーとなり治療に当

たる。

ただし早期に蘇生処置に精通した者が到着した場合はリーダーを交代し治療

を継続する。

6. リーダーとなったものは以下の業務の責任を負う。

①治療方針や受け入れ先が決定後連絡を指示する。

②必要以外の人員については通常業務に復帰するよう指示する。

7. コードブルーをした者は患者急変のインシデント報告を行う。

休日は原則的に当直医師全員が駆けつける。

夜間は別図*のとおり(従来通り)担当医に連絡する。

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それでも人が足りないと判断した場合は

夜間の緊急時ショックコール体制

患者の当該当直診療科医師、オンコール医師を呼ぶ

急変患者・ショック状態患者発生

内科系 PHS 5889 内分泌代謝・血液・免疫・呼吸器内科

PHS 5885 循環器・腎臓・脳卒中内科

心臓血管外科

PHS 5890 消化器・神経内科

------------------------------------------------------------

外科系 PHS 5891 消化器外科、総合診療部

呼吸器・乳腺内分泌外科

------------------------------------------------------------

麻酔科 PHS 5878 皮膚科、精神神経科、眼科

耳鼻咽喉科・頭頚部外科

歯・顎・口腔外科

------------------------------------------------------------

整形外科、形成外科美容外科

泌尿器・副腎・腎移植外科、脳神経外科

麻酔科 PHS 5878 (ショックコール 3733)

------------------------------------------------------------

内科系 PHS 5889 内分泌代謝・血液・免疫・呼吸器内科

PHS 5885 循環器・腎臓・脳卒中内科

心臓血管外科

PHS 5890 消化器・神経内科

------------------------------------------------------------

外科系 PHS 5891 消化器外科、総合診療部

呼吸器・乳腺内分泌外科

------------------------------------------------------------

整形外科、形成外科美容外科

泌尿器・副腎・腎移植外科、脳神経外科

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3.人工呼吸器

医 師 看 護 師

始業前

(1)電源は無停電回路(赤コンセント)を使用する。

(2)回路は正確に清潔操作で組み立てる。

(3)回路の破損・亀裂がないか確認する。

(4)接続部のリーク・ガス漏れがないか確認する。

(5)加温・加湿器の水位は適切か確認する。

(6)人工鼻と加温・加湿器またはネブライザーを併用

していないことを確認する。

(7)正常作動を確認する。

(8)人工呼吸器設定指示及び確認チェックリストに設定

条件を記載する。

使用中

(1)設定どおりの換気ができているか確認する。

(2)呼吸器回路の漏れはないか確認する。

(3)加温・加湿器の温度と水位を確認する。

(4)人工鼻を使用している場合、24時間毎に交換して

いるかを確認する。

(5)電源は無停電電源(赤コンセント)を使用しているか

確認する。

(6)アラーム設定を確認し、チェックリストに記録する。

(7)設定値を変更した場合は、人工呼吸器設定指示

及び確認チェックリストに設定値を記録する。

回路交換時

(1)新しい回路に破損・亀裂はないか確認する。

(2)ジャクソンリースはすぐに使用できる状態にして

おく。

(3)正しく回路を組み立てる。

(4)人工鼻と加温・加湿器またはネブライザーを併用

していないことを確認する。

(5)交換前の設定条件で作動しているか確認する。

始業前

(1)電源は無停電回路(赤コンセント)を使用する。

(2)回路は正確に清潔操作で組み立てる。

(3)回路の破損・亀裂がないか確認する。

(4)接続部のリーク・ガス漏れがないか確認する。

(5)加温・加湿器の水位は適切か確認し、加湿器の

電源を入れる。

(6)人工鼻と加温・加湿器またはネブライザーを併用

していないことを確認する。

(7)医師が正常作動を行った事を確認し、チェックリスト

に記録後、サインする。

使用中

(1)設定どおりの換気ができているか確認する。

(2)呼吸器回路の漏れがないことを確認する。

(3)加温・加湿器の温度と水位を確認する。

(4)人工鼻を使用している場合、24時間毎に交換して

いるかを確認する。

(5)加湿器の水位は適切か確認する。

(6)電源は無停電電源(赤コンセント)を使用しているか

確認する。

(7)アラーム設定を確認し、チェックリストに記録する。

(8)受け持ち開始時、チェックリストに添って記録し、

サインする。

回路交換時

(1)新しい回路に破損・亀裂はないか確認する。

(2)ジャクソンリースはすぐに使用できる状態にして

おく。

(3)医師と一緒に交換する。

(4)正しく回路を組み立てる。

(5)人工鼻と加温・加湿器またはネブライザーを併用し

ていないことを確認する。

(6)交換前の設定条件で作動しているか確認する。

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4.除細動

医 師 看 護 師

(1)心電図(モニター)で心室細動や心室性頻拍など

の不整脈が、意識消失、血行動態の悪化の原因

であることを確認する。

(2)心静止状態のときに除細動を施行しない。

(3)感電防止の手袋を着用する。

(4)専用のパット(あるいは濡らしたガーゼ)を、心臓

の長軸に沿って、その上縁(胸骨右縁上方)と下

縁(心尖)に貼布する。

(5)上記の位置に除細動器のパドルをあてる。

(6)施行者以外が患者から離れていることを確認

する。

(7)心電図同期はせずに、ただちに器機の使用

方法に従い通電する。

(緊急時以外の心房細動などの除細動に関して

は、脳塞栓などの危険性を施行前に評価する

必要があるため循環器科にコンサルトするこ

と)

(心停止時の除細動の際は、胸骨圧迫を中断す

る時間ができるだけ短くなるよう配慮し、除細

動後は脈拍を確認せず直ちに胸骨圧迫を再

開する。)

(1)未使用時も、電源コードをさし込んでおき、いつでも

使用できるよう充電しておく。

(2)手袋と専用パットは、除細動器と一緒に置いておく。

(3)使用時以外は定位置に置いておく。

(4)医師の指示した出力数を復唱し、画面でも指さし

声だし確認する。

(5)通電時はベッドから離れる。

(6)通電した時間、出力数、通電回数を記録する。

(7)医師の指示に従って蘇生の介助を行う。

(8)使用後、除細動器にパットを補充し、定位置で電源

コードをさし込み充電しておく。

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5.AED

AED(自動体外式除細動器)の管理について

1.日常管理

(1)設置ボックスアラーム停止用鍵について

設置ボックスにはアラーム停止の為の鍵が 2つ付いている。

(60秒たつとアラームは停止する。)

24時間対応するために、1 つをボックス内に備え付けており、もう一方の鍵は西病棟で

管理している。

(2)日常点検

1.MEセンター・病棟看護師が週2回、院内に設置されている 14 台の AED の点検を行う。

2.異常を発見した場合や使用した場合はME機器管理センターに報告する。

夜間、休日は翌日に連絡する。

2.保守点検

(1)保守点検(ME機器管理センターで行う)

1.日常点検で発見された異常を整備補充する。

2.年 1回の定期点検

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ハートスタート FR2+のチェック項目

※チェックは目視確認のみなので、BOX を開ける必要はありません。

(1)右上のステータス・インジケータのチェック

黒の砂時計が点滅していることを確認します。

点滅していない場合は、「トラブルシューティング」を参考にしてください。

(2)除細動パッドのチェック

使用済み、破損、使用期限切れの場合は交換します。

使用期限は、除細動パッドに貼付されている”USE BEFORE”の期日までです。

(3)外観のチェック(ひび、破損の有無を確認します。)

※上記の項目で異常がある場合は、ME機器管理センター(内線 3730)に連絡し、使用した場合は

直ちに使用書に必要事項を記入し提出してください。

夜間・日曜祭日の場合は、翌日に ME機器管理センターに連絡してください。

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●トラブルシューティング

症状 原因/対処方法

1 黒の砂時計が点滅しています。

(互に繰り返す)

・バッテリ装着セルフテストに合格。

・前回の定期セルフテストに合格。

いつでも使用できる状態です。

2 赤のX印が点滅しています。

ピッ...ピッ...ピッ...のビープ音が

鳴ります。

・セルフテストでエラーが発生。

・バッテリの容量低下。(バッテリを交換して下さい。

Battery Lowでも 9回のショック、又は 15分間のモニタリング

は可能です。)

・推奨温度範囲を超えた。

・除細動パッドを本体コネクタに装着したまま保管、放置。

使用可能ですが、バッテリ装着テストを行ってください。

3 赤のX印が点灯しています。

(ビープ音あり/なしの場合)

使用できません。

・バッテリが装着されていない。(ビープ音なし。)

・バッテリの容量がない。(ビープ音なし。)

・重大なエラーが発生(ピピピッ...ピピピッのビープ音が同時に

鳴ります。)

バッテリを装着/交換して、セルフテストを実行します。

赤のX印が点滅/点灯している場合は、ME機器管理センター(内線3730)に連絡してください。

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6.救急カート

各部署設置の救急カートは、以下のとおり院内統一とする。

日々点検と整備は、各部署で適正に行う。

救急カートの収納順番

棚 収納内容

トップテーブル なし

1段目 薬品、その投与物品等

2段目 救急カート物品一覧に準ずる。

3段目

4段目

5段目

6段目

カート側面 心臓マッサージ用板

※薬品トレイの薬品名表示場所は、薬品の向こう側とする。

救急カート内薬品一覧

薬品名 定数 薬品名 定数 薬品名 定数

メキシチール点滴静注 125 ㎎(5mL) 1 ワソラン静注 5mg(2mL) 1 メイロン静注 7% 20mL 2

アドレナリン注 0.1%シリンジ「テル

モ」(1mL)

5 静注用キシロカイン 2% 100mg

(5mL)

2 大塚蒸留水 20mL 2

リスモダンP静注 50mg(5mL) 1 ミリスロール注 5mg(10mL) 2 生理食塩液「フソー」100mL 1

イノバン注 0.6%シリンジ 300mg

(50mL)

1 ノボ・ヘパリン注 5 千単位/5 mL 2 大塚生食注 20mL 5

ドブポン注 0.6%シリンジ 300mg

(50mL)

1 ネオフィリン注 250mg(10mL) 2 テルモ生食 500mL 2

注射用オノアクト 50 1 大塚糖液 50%(20mL) 1 ラクテック注 500mL 1

ノルアドレナリン注 1mg(1mL) 5 大塚塩カル注 2%(20ml) 2 メイロン静注 7%250mL 1

ペルジピン注射液 10 ㎎(10mL) 1 ラシックス注 20mg(2mL) 2

ヱフェドリン「ナガヰ」注射液 40 ㎎

(1mL)

2 ソル・コーテフ注射用 100mg 1

アトロピン硫酸塩注 0.5 ㎎「タナベ」

1mL

3 ソル・メドロール静注用 500mg 1

(金庫管理薬品)

薬品名 定数

ドルミカム注射液 10mg(2mL) 1

ペンタジン注射液 15(1mL) 1

セルシン注射液 10mg(2mL) 1

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救急カート内の物品一覧(全部署共通) 平成24年2月3日

物品名 定数 物品名 定数 物品名 定数

2段目 4段目 5段目

注射針(18G) 5 喉頭鏡(ハンドル大) 1 酸素流量計+ニップルナット 1

注射針(21G) 5 喉頭鏡(ブレード MAC3 号) 1 ジャクソンリース 1

注射針(23G) 5 喉頭鏡(ブレード MAC2 号) 1 リザーバーマスク 1

アンギオキャス(18G) 5 キシロカインスプレー インスピロンフェイスマスク

(成人用・赤)

アンギオキャス(20G) 5 カテゼリー インスピロンフェイスマスク

(小児用・青)

アンギオキャス(22G) 5 緑色シリンジ(10ml) 1 ヘッドバンド 1

シリンジ(2.5ml) 3 挿管チューブ(5.0) 2 6段目

シリンジ(5ml) 3 挿管チューブ(5.5)カフなし 2 加圧バック

シリンジ(10ml) 5 挿管チューブ(6.0)カフなし 2 Aラインルート

シリンジ(20ml) 5 挿管チューブ(5.5) 2 輸液セット(大人用) 2

ロックつきシリンジ 10 ml 3 挿管チューブ(6.0) 2 輸液セット(小児用) 1

ロックつきシリンジ 20 ml 3 挿管チューブ(6.5) 2 シュアプラグ輸液セット 20 滴

(SP-TW30PO2)

血液ガスキット 2 挿管チューブ(7.0) 2 延長チューブ(X2-100) 3

3段目 挿管チューブ(7.5) 2 三方活栓 5

ペンライト 挿管チューブ(8.0) 2 保護栓 3

マジック 1 ネーザルエアウェイ(6.0) 1 テガダーム 2

はさみ 1 ネーザルエアウェイ(7.0) 1 エラテックステープ3号

(2.5cm)

胃管(12Fr) 1 ネーザルエアウェイ(8.0) 1 布判 25 ㎜ 1

胃管(14Fr) 1 スタイレット(成人用) 1 駆血帯 1

胃管(16Fr) 1 マギール鉗子 1 アルコール綿花 10

滅菌手袋(6.0) 1~2 吸引チューブ バックバルブマスク一式

マスク(大・小)

1

滅菌手袋(6.5) 1~2 バイドブロック

滅菌手袋(7.0) 1~2 エアウェイ 酸素チューブ 1

滅菌手袋(7.5) 1~2 酸素マスク 背板

滅菌手袋(8.0) 1~2 膿盆

未滅菌手袋 ビニール袋

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7.中心静脈カテーテル(小児)

医 師 看 護 師

穿刺前

(1)患児および家族に処置目的を説明し同意を

得る。

穿刺

(1)手術室で全身麻酔下にて挿入する。

(手技は各カテーテルに添付されている説明書に

従う)。

穿刺後

(1)カテーテルに無理な力がかかったり、ねじれたり

しないよう固定するとともに、患児と家族にこの

旨をよく説明する。

(2)バイタルサイン・全身状態の観察を行い、異常

の有無を確認する。

(3)中心静脈カテーテル挿入部位を観察し、出血・

腫脹などの有無を確認する。

日常の管理

(1)週2回中心静脈カテーテル挿入部位の消毒を

行い、滅菌ガーゼで拭いた後ドレッシングを貼

用する。

(2)中心静脈カテーテル挿入部位の感染、ドレッシ

ング貼用部位の皮膚炎に注意する。

(3)中心静脈カテーテル挿入部位からバックまでの

間のルートやフィルターに、液漏れ・ねじれ等

がないかを確認する。

(4)中心静脈カテーテル挿入部位に近いルートが、

過度に引っ張りすぎないような方法で、体幹部

に確実に固定されていることを確認する。

穿刺前

(1)手術を受ける患者の看護に準ずる。

(2)術前チェックリストの指示を確実に実施する。

穿刺後

(1)バイタルサイン・全身状態の観察を行い、異常の

有無を確認する。

(2)中心静脈カテーテル挿入部位を観察し、出血・腫脹

などの有無を確認する。

(3)異常を認めたら、速やかに医師に報告する。

日常の管理

(1)中心静脈カテーテル挿入部位のドレッシング汚染の

有無や固定状況を確認する。

(2)中心静脈カテーテル挿入部位からバックまでの間

のルートやフィルターに、液漏れ・ねじれ等がない

かを確認する。

(3)中心静脈カテーテル挿入部位に近いルートが,過

度に引っ張りすぎないような方法で、体幹部に確実

に固定されていることを確認する。

(4)輸液ポンプの閉塞が疑われる時には、速やかに医

師に報告する。

(5)輸液ポンプの作動状況・輸液速度・バックの残量を

チェックし、確実に投与されていることを確認する。

(6)輸液セットの交換は、週2回行う。それ以上の頻回

の交換は必要ない。

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8.中心静脈カテーテル(成人)

医 師 看 護 師

穿刺前

(1) 患者及び家族に処置目的を説明し同意を

得る。

穿刺

(1)感染対策上、鼠径部の穿刺はできるだけ

避ける。

(2)穿刺部位の消毒を十分に行い、局所麻酔の

効果が得られている事を患者に確認する。

(3)試験穿刺時、必ず、穿刺部位ごとに穿刺部位

の目印となる鎖骨・胸骨、あるいは鼠径靱帯・

大腿動脈を確認する。

(4)試験穿刺により静脈血が引けることを確認した

上で本穿刺を行う。(動脈血、空気が引けない

事を確認。)

(5)本穿刺においても、静脈血が引けることを確認

し、中心静脈カテーテルのカテーテルを留置

する。(動脈血、空気が引けない事を確認。)

(6)挿入後、カテーテルの位置をX 線で確認する。

投薬

(1)カテーテルは原則として輸血などには用い

ない。

(2)同一ルートから昇圧剤、降圧剤を投与している

場合、三方活栓よりの投薬時(側注)は、原則

禁忌である。

(3)シリンジポンプによる昇圧剤、降圧剤、筋弛緩

剤、催眠鎮静剤などの投与時は、投与量を確

認する。

日常の管理

(1)発熱、穿刺部の発赤、腫脹、圧痛の有無に注

意し、カテーテル感染が疑われた場合には、

すぐに抜去し、培養検査に提出する。

(2)看護師より、現場で対処できなかったルート閉

塞の連絡を受けた場合には、必要に応じ再チ

ェックを医師自ら行う。解除できない場合は、

中心静脈カテーテル交換などの必要処置を行

う。

穿刺前

(1)患者が医師の説明に納得し、同意書にて同意して

いることを確認する。

穿刺

(1)医師の穿刺に立ち会い介助するとともに、動脈穿刺・

気胸になっていないかを二重に確認する。

(2)中心静脈カテーテル留置確認後、輸液を接続する。

(3)フィルムドレッシング材で固定を行うとともに、カテーテ

ルのねじれの有無や固定糸の状態を確認する。

投薬

(1)閉鎖式ルートを使用する。側管から投薬時は栓周囲

をアルコール綿で消毒していることを確認する。

(2)シリンジポンプによる昇圧剤、降圧剤、筋弛緩剤、催

眠鎮静剤などの投与時は、投与量を確認し看護記録

に記載する。

日常の管理

(1)カテーテル破損時は、その中枢側をクランプし、すぐ

に医師に報告する。

(2)フィルムドレッシング材及び輸液ラインを定期的に(週

1回以上)交換していることを確認する。

(3)穿刺部の発赤、圧痛を確認する。

(4)閉塞が疑われる場合は、逆血の確認を行い、認めら

れない場合は医師の指示を確認する。

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9.造影剤使用検査

医 師 ・ 看 護 師 ・ 診療放射線技師

(1) 患者確認は,ネームバンド(入院),外来基本カード・診察券(外来)で行う。

(2) 絶食を確認する。

(3) カルテ内の造影剤使用時の同意書(問診表)の有無および内容を確認する。

(4) 患者に造影剤使用の説明を行う。

(5) 外来患者の場合、アルコール綿によるアレルギーの有無を確認し、ルート確保を行う。

(6) 入院患者の場合、ルート確保の有無を確認する。

(7) 造影剤の確認を行う。

(8) 静脈ラインに漏れの無いことを確認し、造影剤と接続する。

(9) 造影剤注入のスピードを指示する。

(10) 造影剤の注入漏れの有無を確認する。

(11) 造影剤注入後、副作用の無いことを確認する。

(12) 造影剤による副作用出現時は医師に報告し、マニュアルに沿って対応を行う。

(13) 遅発性副作用を説明する。

(14) 静脈確保を解除し、テープで穿刺部位を圧迫固定し、止血を確認する。

(15) 水分補給を促す。

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10.化学療法

化学療法開始前

(1)主治医は、治療開始前に化学療法について書面と口頭で患者・家族へ説明を行い、同意を得る。

院内指定の同意書は、電子カルテのコンテンツから作成できる。

(2)主治医は、レジメンオーダーシステムよりレジメンパスを適応し、抗がん剤、前投薬、支持療法のオーダー

入力を行う。

(3)主治医は、各クールの化学療法開始前にプロトコール指示書を出力し、看護師に渡す。

(4)看護師は、プロトコール指示書とレジメン個人指示注射指示内容を照合、確認し指示受けを行う。

(5)薬剤師は、内容が適切か確認し、疑義がある場合は医師に確認する。

化学療法当日

(1)医師は、実施日当日に、実施確定入力を行う。

(2)薬剤部は、実施確定後プロトコール内容、量、前投薬を確認し、調剤作業を開始する。

(3)調剤され、払い出された薬剤を「安全対策マニュアル」注射の項目に基づき確認・準備する。使用薬剤に

よっては適切なルート(PVCフリーなど)を選択する。

(4)使用薬剤によっては、アレルギー予防の前投薬を投与し、必要時モニターを装着してから投与する。

(5)薬剤を患者とともに声を出し確認し、PDA認証を行う。

(6)抗がん剤の投与前、更新時、終了時には挿入部の確認を行う。

(7)末梢ラインから投与の場合は、原則として輸液ポンプは使用しない。

(8)抗がん剤暴露予防に留意し、接続・更新の際はサージカルマスク、ラテックス手袋の装着を行う。廃棄時、

注射器・ルート類は、ビニール袋に入れてから破棄する。

参考資料:抗がん剤投与管理基準

Do Not!! 投与量間違い・患者誤認

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11.中心静脈カテーテル固定について

カテーテルは、挿入の長さを確認できるようにカテーテルにある目盛りが見えるように固定する。

カテーテルの種類に応じて以下のように固定する。

1.ウイングを使用しない、又はウイングのないカテーテル ニプロ バイオラインカテーテルキット等

(1)2カ所以上で皮膚に固定する。

(2)カテーテルで輪をつくり、直接カテーテル刺入部に緊張がかからないようにする。

2.ウイングを使用したカテーテル アーガイル マイクロニードル セルジンガーキット

アロー 中心静脈カテーテルキット等

(1)カテーテルを直接挟み込む器材をカテーテルとともに糸で固定する。

○アーガイル マイクロニードル セルジンガーキットのフィクスチャーウイング

○アロー 中心静脈カテーテルキットのカテーテルプラグ

アーガイル カテーテル アロー カテーテル

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(2)側面のウイングを皮膚に固定する。

○アーガイル マイクロニードル セルジンガーキットのフィクスチャーウイング

○アロー 中心静脈カテーテルキットのカテーテルプラグは、

カテーテルブルークランプを被せてから皮膚に縫合する。

アーガイル カテーテル アロー カテーテル

(3)注意事項

アーガイル マイクロニードル セルジンガーキットのフィクスチャーウイングは、

フィクスチャーを被せにくく、場合によっては、カテーテルが固定されないことがあるので注意が必要で

ある。

原則として、カテーテルの固定は、付属の固定具を用いて皮膚固定する。

抜去の危険性があり、カテーテルに直接糸をかけて固定する場合は、締めすぎによる閉塞や切断の

危険性があるので注意する。

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12.静脈用皮下埋め込み式ポート管理方法

Ⅰ.皮下埋め込み式ポートの特徴

採血、注射、造影剤の注入を経静脈血管に繰り返しアクセスすることが必要な患者の治療に適応される。

1.禁忌

使用器材の種類によっては使用できない薬剤がある。

[抗癌剤(VP16など)、アルコールなど使用前の確認が必要である。]

アレルギー反応の患者、又はポートのサイズに比し身体が小さすぎる場合も埋め込みはできない。

2.合併症

手術による合併症、出血、感染、炎症、血腫やびらんなど

ポートによる拒絶反応

ポートの回転または突出、カテーテルの閉塞、カテーテルの位置異常や断裂

気胸、血胸、心タンポナーデ、不整脈、感染症、血栓、溢出、空気塞栓、腹膜炎など

3.埋め込み方法

無菌的に外科的処置にて行う。

術後は、レントゲン検査で部位の確認をする。位置の確認後は使用可能である。

Ⅱ.刺入方法

1.必要物品

(1)消毒用セット

(2)生理食塩水、ヘパリン Na ロック 10 シリンジ、ヘパリン Na ロック 100 シリンジ 、ヘパリン 3000

単位の4種類から一つを選択する

(3)注射器(圧力をかけ過ぎないため10ml 以下の注射器は使用しない)

(4)ヒューバー(Huber)針(ノンコアリングウイングニードル等)

(5)注入点滴ライン

(6)Y ガーゼ

(7)ガーゼ

(8)絆創膏

(9)輸液バッグなど

2.手順

(1)手洗いをする。

(2)ポート周囲の皮膚をイソジンで消毒する。

(3)生理食塩水を入れた10ml の注射器を接続したヒューバー針を持ち、もう一方の手の第一指、第

二指でポートを固定し[カチッ]と手応えがあるまで(ポート本体底面にあたるまで)垂直に穿刺、血

液の逆流を確かめる。(刺入部位は毎日少しずつかえる。)

(4)穿刺後、ヒューバー針の下にYガーゼを置き、ヒューバー針の固定の高さを調節する。

(5)ヒューバー針が傾いたり揺り動かしたりしないようにヒューバー針の翼状部と注入輸液ラインを絆

創膏で固定する。

(6)輸液を開始し滴下状態を確認する。(原則的に輸液ポンプは使用しない。)

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Ⅲ.抜去方法

1.生理食塩水、又はヘパリン(ヘパリンNaロック10シリンジ、ヘパリン Naロック 100 シリンジ 、ヘパリン

3000 単位等のうちから一つを注入する。

シリンジの内筒に陽圧を加えて陰圧による血液逆流を防止する。

2.片手でポートを固定し、ヒューバー針を垂直(まっすぐ上)に抜去する。

3.アルコール綿で消毒する。

4.止血を確認し、注射バンで覆う。

5.入浴は、抜針後2時間以上経ってから行う。

Ⅳ.注意事項

1.化学療法を施行する場合は、原則的に逆流確認が望ましい。

使用器材によっては逆流防止弁がついているものもあり、診察科に使用の確認をする。

2.ヒューバー針留置時の逆流を確認する場合は、10ml の注射器を使用する。

3.ヒューバー針の穿刺部位は毎日少しずつかえ、痂皮形成、ポートの膜の破損、疼痛過敏を予防する。

4.長期連日使用(針の刺しっぱなし)の場合は、ルート交換に合わせ週に2回程度、針を交換する。

5.穿刺部位の観察を行う。

患者が痛みや異常な感覚の訴える時は、薬液の漏れが考えられるため直ちに注入を中止し、

医師に報告する。

6.滴下不良の原因

(1)ヒューバー針の不完全穿刺

(2)カテーテルの閉塞または血管閉塞

(3)カテーテル先端の位置異常あるいはカテーテルの断裂

7.ポートを長期に使用しない場合は、2~4週間ごとにヘパリンロックを行う。

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13.骨髄穿刺

医 師 看 護 師

(1)患者に検査目的を説明し同意を得て、同意書

に記載して頂く。

(2)患者氏名を呼称しネームバンドで確認する。

(3)局所麻酔剤によるアレルギー反応の既往を確

認する。

(4)穿刺部位を中心に皮膚消毒を行う。

(5)滅菌手袋を装着する。

(6)局所麻酔を行う。

(7)穿刺針抜去後、イソジン消毒をし、滅菌ガーゼ

で止血する。

(8)止血確認し滅菌ガーゼで圧迫する。

胸骨穿刺の場合

(1)胸骨の幅を確認する。

(2)穿刺部位の両側肋間に指をあて針が胸骨から

滑らないようにする。

(3)胸骨を穿刺し、骨髄液を吸引する。

腸骨穿刺の場合

(1)腸骨稜を確認し、同様に穿刺する。

(1)患者が医師の説明に納得し、同意している

ことを確認する。

(2)患者氏名を医師とともにネームバンドで確認

する。

(3)環境を整え、バイタルサインをとり、患者の

準備を確認する。

(4)患者の体位を整え、穿刺部位を必要最小限

に露出する。

(5)必要物品を医師に渡す。

(6)骨髄液吸引時強い痛みがあるが、動いたり

手を出したりしないように説明しておく。

(7)穿刺針抜去後、イソジン消毒・滅菌ガーゼを

医師に渡す。

(8)止血確認後、枕子を当て絆創膏で固定

する。

(9)患者のバイタルサイン・全身状態を観察

する。

(10)穿刺部位に異常がなければ枕子を除去

する。

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14.腰椎穿刺

医 師 看 護 師

(1)患者に検査目的を説明し同意を得る。

(2)患者氏名を呼称しネームバンドで確認する。

(3)体位は処置台の縁に患者の背中がくるような

側臥位をとらせ、腰椎が十分出るように丸くなる

ように指示する。

(4)穿刺部位(L4/5 もしくは L3/4)を中心に皮膚

消毒を2回行う。

(5)滅菌手袋をつけ穿刺部に穴開き覆布をかけ

る。

(6)局所麻酔を行う。

(7)腸骨稜でL4/5(L3/4)を再度確認し、穿刺部

に垂直に針を穿刺する。

(8)脊髄腔に刺入すると、穿刺針の内筒を抜いて髄

液の滴下を確認する。

(9)髄液圧測定を行い、髄液を滴下で採取する。

(10)針を抜去し、穿刺部を消毒する。

(11)滅菌ガーゼで圧迫する。

(12)検査後2時間はベッド上での安静臥床を患者

に指示する。

(1)患者が医師の説明に納得し、同意していること

を確認する。

(2)患者氏名を医師とともにネームバンドで確認す

る。

(3)環境を整え、バイタルサインをとり患者の準備を

確認する。

(4)患者の腰背部が処置台の縁に一直線にくる

位置で側臥位にし、頭の下に枕を入れ、両肩

および骨盤が処置台に対して垂直になるように

する。

(5)頭部及び上半身を前屈、膝及び股関節を強く

屈曲させ、患者本人に下肢を抱きかかえさせ、

椎間腔を広げるためにエビのように腰部を突出

させる。ベッドからの転落、ルート・カテーテル類

の敷きこみや引っ張りに注意し、体位を保持

する。

(6)不潔にならないようにする。

(7)局所麻酔薬の薬品名、濃度、有効期限を確認

する。

(8)穿刺痛に伴う体動に注意し、確実な体位の保持

に努める。

(9)下肢のしびれや電撃痛、頭痛の有無と程度を

観察する。

(10)検体スピッツは滅菌した物を使用する。

(11)止血を確認する。

(12)意識レベル、バイタルサイン、瞳孔、穿刺後頭

痛や穿刺後腰痛の有無と程度を観察し、異常

がある場合は医師に連絡する。特に髄液圧が

高かった場合は脳ヘルニアを起こす可能性が

あるので注意する。また、髄液漏出による低髄

圧症状(頭痛、嘔気・嘔吐)にも注意する。

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15.腹腔穿刺

医 師 看 護 師

(1)患者に検査目的を説明し同意を得る。

(2)患者氏名を呼称しネームバンドで確認する。

(3)患者に処置中の体位、注意事項について説明

する。

1)穿刺時は呼吸を一時止める。

2)穿刺時は咳や深呼吸をしない。

3)痛み、気分不快などの異常があれば、

体を動かさず、口頭で伝える。

(4)超音波検査にて穿刺部位を確認する。

(5)穿刺部位を穿刺する。

(6)腹水を多量に抜く場合は、穿刺針が抜けない

ように固定する。

(7)腹水を抜く場合は、時間1リットルを越えない

ように、量と時間を調節する。

(8)穿刺部痛、気分不快などはないか、患者の状態

を観察する。

(9)穿刺針を抜去する。

(10)止血を確認し滅菌ガーゼで圧迫固定する。

(1)患者が絶食している事を確認する。

(2)患者が医師の説明に納得し、同意していること

を確認する。

(3)患者氏名を医師とともにネームバンドで確認

する。

(4)環境を整え、バイタルサインをとり患者の準備を

確認する。

(5)穿刺時、介助を行う。

(6)腹水が血性の場合は、患者の目に触れない

ように配慮する。

(7)適宜バイタルサインを測定し患者の状態を確認

する。

(8)穿刺針抜去後滅菌ガーゼで保護する。

(9)穿刺後の患者の状態を確認する。

(10)患者に終了したことを告げ、安楽な体位を

保持する。

(11)医師に安静度を確認し患者に説明する。

(12)排液の量、性状、出血、血圧の変動、穿刺部

痛、腹囲、漏出液の状態、患者の一般状態な

どを観察し、記録する。

(13)物品の片づけ時は、未滅菌手袋を着用し使用

後の針の本数とセット内容が揃っているか確認

する。

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16.胸腔穿刺

医 師 看 護 師

(1)患者に検査目的を説明し同意を得る。

(2)患者氏名を呼称しネームバンドで確認する。

(3)患者に処置中の体位、注意事項について説明

する。

1)穿刺時は呼吸を一時止める。

2)穿刺時は咳や深呼吸をしない。

3)痛み、気分不快などの異常があれば、体を

動かさず、口頭で伝える。

(4)超音波検査にて穿刺部位を確認する。

(5)滅菌基本セットを準備する。

(6)穿刺部位を穿刺する。

胸水を多量に抜く場合は、穿刺針が抜けな

いように固定する。

(7)量と時間を調節する。

(8)穿刺部痛、気分不快などはないか、患者の

状態を観察する。

(9)穿刺針を抜去する。

(10)止血を確認し滅菌ガーゼで圧迫固定する。

(1)患者が医師の説明に納得し、同意していること

を確認する。

(2)患者氏名を医師とともにネームバンドで確認

する。

(3)環境を整え、バイタルサインをとり患者の準備を

確認する。

(4)指示された体位の準備を確認する。

(5)穿刺時、介助を行う。

(6)穿刺針抜去後滅菌ガーゼで保護し、その周囲

のイソジンをハイポアルコールで拭き取る。

(7)穿刺後の患者の状態を確認する。

(8)患者に終了したことを告げ、安楽な体位を保持

する。

(9)医師に安静度を確認し、患者に説明する。

(10)排液の量、性状、出血、血圧の変動、穿刺部

痛、漏出液の状態、呼吸状態、疼痛など患者

の一般状態を観察し、記録する。

(11)物品の片づけ時は、未滅菌手袋を着用し、使

用後の針の本数とセット内容が揃っているか

確認する。

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17.胸腔ドレナージ

医 師 看 護 師

挿入前

(1)患者に検査目的を説明し同意を得る。

(2)患者氏名を呼称しネームバンドで確認する。

挿入時

(1)胸部X線、CT、超音波検査で挿入部位を確認

する。

(2)持続吸引器、ドレーン、滅菌基本セットを準備

する。

(3)挿入肋間を確認し、肋骨上縁から挿入する。

(4)皮膚切開後の丁寧な剥離による胸腔内への

到達を実施する。

(5)挿入後のドレーンはしっかりと皮膚に縫合糸で

固定と外気胸を起こさないような縫合を行う。

(6)持続吸引を接続後テープでドレーンを固定す

る。

(7)水封の呼吸性変動を確認する。

(8)挿入後、胸部X線でドレーンの位置を確認

する。

(9)排液量・性状の確認と再膨張性肺水腫の無い

ことを確認する。

抜去時

(1)胸部X線で挿入部を確認する。

(2)クランプ鉗子、手術器具を確認する。

(3)抜去後は胸部X線で胸部の状態を確認する。

挿入前

(1)患者が医師の説明に納得し、同意していることを

確認する。

(2)患者氏名を医師とともにネームバンドで確認す

る。

挿入時

(1)必要物品を確認する。

(2)チェストドレーンバックの吸引圧・安静度を医師に

確認し、吸引圧をチェストドレーンバックにわかり

やすく表示する。

(3)患者へドレーンの取り扱いについて説明する。

挿入中のドレーンの管理

(1)ドレーンの固定状態を確認する。

(2)排液が 200ml/時以上ではないか確認する。

(3)胸腔ドレーン圧が指示通りであるか確認する。

(4)エアーリークの有無を確認する。

(5)チェストドレーンバックが確実に接続され持続

吸引されているか確認する。

(6)ガーゼ汚染の有無を確認する。

(7)皮下気腫:呼吸状態、SpO₂の観察を行う。

抜去時

(1)必要物品を確認する。

(2)バイタルサインを測定する。

(3)抜去後呼吸状態を確認する。

(4)安静度を医師に確認する。

(5)抜去部位の皮下気腫・出血を確認する。

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18.羊水穿刺

医 師 看 護 師

(1)患者に検査目的を説明し同意書を作成する。

(2)患者本人に氏名を名乗ってもらい、診察券、

基本カードで確認する。

(3)超音波検査を行い胎児、胎盤の位置を確認し

穿刺部位を決定する。

(4)穿刺部位を中心に皮膚消毒を行う。

(5)滅菌の被布をかける。

(6)22G 腰椎穿刺用針で穿刺し羊水の性状を確認

しながら吸引する。

(7)穿刺部位を消毒し滅菌ガーゼで止血する。

(8)止血を確認したら再度、超音波検査にて胎児の

心拍、胎動、子宮内への出血の有無を確認

する。

(9)分娩監視装置で子宮収縮の無い事を確認する。

(1)患者が医師の説明に納得し、同意していることを

確認する。カルテ内に同意書があることを確認

する。

(2)患者本人に氏名を名乗ってもらい、患者氏名を

医師とともに診察券、基本カードで確認する。

(3)排尿を済ませたか、腹部緊満がないか確認す

る。

(4)必要物品を清潔操作で用意する。

(5)決定された穿刺部位をマーキングする。

(6)羊水を吸引したシリンジを受け取り、患者氏名、

ID番号、日付をマジックでシリンジ外筒に直接

フルネームで記載する。

(7)止血確認後、ハンザプラスト等を貼付する。

(8)腹部緊満がある場合は施行医師に報告し指示

を受ける。

(9)帰宅後、腹部緊満や性器出血などの異常症状

が出現した時の連絡先を説明し帰宅させる。

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19.上部消化管内視鏡

医 師 看 護 師

(1)患者に検査目的を説明し同意を得る。

(2)患者氏名を呼称しネームバンドや患者に名のって

もらい確認する。

(3)患者に検査中の体位、注意事項について説明する。

1)左側臥位で右膝を曲げ、首と肩の力を抜く。

2)首を動かしたり、手を出したり、スコープを噛ん

だりしない。

(4)患者の体位は左側臥位とする。

(5)患者に自然開口を指示し、軽く上方アングルをかけ

ゆっくりと挿入する。

(6)咽頭の屈曲に合わせて口蓋垂の横を通過すると、

画面上方に喉頭蓋が、その下方には声帯が見えて

くるので、喉頭蓋に接触しないように、また気管の

ほうに挿入しないように上方アングルをゆっくりと少し

戻して、むしろ後壁に沿って進む。

(7)咽頭部通過時、梨状窩部の穿孔をおこしやすいので

抵抗がある場合は無理をしない。患者が非協力的な

場合は中止する。

(8)終了後、胃部不快・咽頭痛・出血などの症状に注意

し、何か異変があれば連絡するよう説明する。

(9)外来患者には、車の運転を 2 時間くらいはしないよう

に説明する。

(1)検査同意書を確認する。

(2)患者に氏名を名乗ってもらい,ネームバンドを確

認する。(入院患者のみ)

(3)患者と共に問診票を確認し,義歯・眼鏡があれ

ば外す。

(4)絶食を確認する。

(5)前処置を施行する。

①消化管内ガス駆除剤(ガスコンドロップ内用液

2% 2.5ml+水 17.5ml)を飲用する。

②タンパク分解酵素薬(プロナーゼ MS0.5g1包)+

(炭酸水素ナトリウム 1g+微温湯 80ml)を飲用す

る。

③咽頭麻酔を施行する。(キシロカインビスカス

5ml を口内に含み,5分後に紙コップに吐き出

す)

④既往歴などの情報を医師に報告し,鎮痙剤の

有無を確認する。

(6)患者を検査ベッドへ誘導し、患者と共に TV モニ

ター画面の名前を確認する。

(7)左側臥位にて検査体位をとり,マウスピースを噛

む。

(8)スコープを挿入する。

(9)検査中は首と肩の力を抜いて,リラックスするよ

う声掛けする。

①呼吸は鼻から息を吸って,口から吐く。

②唾液は飲み込まずに吐き出す。

(10)検査終了後、患者に飲食に関する注意事項を

説明する。

①1~2時間は飲食禁止する。

②最初、少量の水でむせないこと確認してから飲

食開始する。