特に乳幼児と高齢者は重症化しやすいので要注意! ·...
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大腸菌は、動物や人の腸内にも存在しています。ほとんどのものは無害ですが、人に下痢などを起こすものは、
病原大腸菌と呼ばれています。 その中には、毒素をつくり、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を
起こす腸管出血性大腸菌と呼ばれるものがあります。
東京都西多摩保健所 生活環境安全課
食品衛生第一担当(0428‐22‐6141)
食品衛生第二担当(042‐596‐3113)
平成 30年2月 15日発行
症状 感染後4~8日程度の潜伏期間を経て、
激しい腹痛と下痢、血便がみられます。
溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳障害と
いった重い合併症を起こすことがあり、
重症の場合は死に至ることもあります。
腸内で増殖
毒素産生
腹痛、下痢、血便
原因食品と感染経路
腸管出血性大腸菌を持っている牛などのふん便
が食肉、井戸水や野菜を汚染し、それを食べるこ
とで感染します。
主な原因食品は、生または加熱不十分な食肉、
生野菜サラダ、あえもの、浅漬け、井戸水や沢水
などです。
生肉など菌の付いた食品が調理器具を介して他
の食品を汚染したり(二次汚染)、感染者のふん便
に含まれる菌が手指を介して食品に付着したりす
るため、あらゆる食品が原因食品となりえます。
HUS
少量の菌でも感染
汚染された食品を食べる
少量の菌でも感染 発症するまで平均4~8日
少ない菌数でも感染
特に乳幼児と高齢者は重症化しやすいので要注意!
症状の出ない人もいます
(気が付かないうちに感染しているかも・・)
* 非常に少ない菌数(100個程度)で感染 食品が新鮮でも食中毒を起こす
* 腸管内で増殖する際に、毒素を産出 重い合併症を起こすことがある
* 食べてから発症するまでの潜伏期間が長い(平均4~8日) 原因食品の特定が困難
特 徴
牛には症状がない
もともとは牛などの腸にいる菌
野菜を汚染
食肉を汚染
井戸水、
沢水を汚染
シンクやまな板など 調理器具を汚染
感染した人の ふん便など
調理する人の 手指を汚染
あらゆる食品が原因になりうる
二次汚染
処理工程等で
土壌等から
生野菜や浅漬は、加熱や発酵の工程がなく、製造工程で殺菌できないことから、腸管出血性大腸菌に
よる食中毒が多く発生しています。
発生年月 都道府県 原因施設 原因食品 患者総数 死者数
2011年6月 金沢市 その他 千切りキャベツ 19 0
2011年8月 栃木県 病院(給食) ナスと大葉のもみ漬け 15 0
2011年9月 石川県 老人ホーム 大根おろし大葉 9 0
2012年8月 札幌市 製造所 漬物(白菜きりづけ) 169 8
2014年7月 静岡県 露店 冷やしキュウリ(浅漬け) 510 0
2016年7月 沖縄県 飲食店 サトウキビジュース 28 0
2016年8月 千葉県 老人ホーム きゅうりゆかり和え 52 5
2016年8月 東京都 老人ホーム きゅうりゆかり和え 32 5
★ 浅漬けや、加熱せずに喫食するカット野菜・カット果物を調理するときは、手をしっかり洗い、
野菜は流水で3回以上洗いましょう。
★ 調理したものは、室温に放置せず、冷蔵庫で保存しましょう。
★ 野菜等の腸管出血性大腸菌を除菌するには、湯がき(100℃の湯で5秒間程度)が
有効であるとされています。乳幼児や高齢者等に提供する野菜は「湯がき」又は「次亜塩素酸
ナトリウム等による殺菌※」すると安心です。※食品には、食品添加物の次亜塩素酸ナトリウム等を使用します。
参考 野菜・漬物による食中毒発生状況(厚生労働省資料)
野菜等による腸管出血性大腸菌食中毒
野菜等による腸管出血性大腸菌食中毒の予防方法
低温管理!(10℃以下)
大
×2回 ×3回
or
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「食品衛生の窓」(東京都の食品安全情報サイト)
・知って安心~トピックス~:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anshin_topics.html 「東京都西多摩保健所」
・たべもの安全情報:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/nisitama/shokuhin/anzen.html
次亜塩素酸ナトリウム溶液200mg/ℓ (0.2%溶液):塩素系漂白剤(5%) 20ml+水 で 計500mlにする。(25倍希釈)
次亜塩素酸ナトリウム溶液100mg/ℓ (0.1%溶液):塩素系漂白剤(5%) 10ml+水 で 計500mlにする。(50倍希釈)
使用例
大 次亜塩素酸ナトリウム溶液200mg/ℓで5分間 又は 100mg/ℓで10分間 又は これと同等の効果を有する亜塩素酸水で殺菌
腸管出血性大腸菌による 食中毒を防ぐポイント
① 調理前、食事前、トイレ後などは、しっかり 手洗い
② 包丁、まな板などの調理器具の使い分けと、洗浄・消毒
③ 食材は中心部まで十分に 加熱(75℃1分間以上)