目視試験方法 - jsndijis b 7516 金属製直尺 jis b 7518 デプスゲージ jis z 2300...

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NDIS意見受付 NDIS 3414 原案作成委員会 このNDISは「日本非破壊検査協会規格(NDIS)制定等に関する規則」に基づき関係者 にNDISの制定前の意見提出期間を設けるために掲載するものです。 意見は規格原案決定の際の参考として取り扱いさせていただきます。 掲載されているNDISについての意見提出は下記メールアドレスまでお願いいたします。 意見受付締切日:2014 10 17 () 意見提出先:Email [email protected] 日本非破壊検査協会規格 NDIS 3414XXXX 目視試験方法 Method of visual testing

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  • NDIS意見受付 NDIS 3414 原案作成委員会

    このNDISは「日本非破壊検査協会規格(NDIS)制定等に関する規則」に基づき関係者 にNDISの制定前の意見提出期間を設けるために掲載するものです。 意見は規格原案決定の際の参考として取り扱いさせていただきます。 掲載されているNDISについての意見提出は下記メールアドレスまでお願いいたします。 意見受付締切日:2014 年 10 月 17 日(金) 意見提出先:Email [email protected]

    日本非破壊検査協会規格 NDIS 3414:XXXX

    目視試験方法 Method of visual testing

  • - 1 -

    日本非破壊検査協会規格

    NDIS 3414:0000

    目視試験方法 Method of visual testing

    1 適用範囲

    この規格は,各種の材料,加工品及び製品の目視試験を実施する場合の試験方法について規定する。

    2 引用規格

    次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

    引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

    JIS B 7121 双眼鏡,単眼鏡及びスポッティングスコープの特性

    JIS B 7502 マイクロメータ

    JIS B 7507 ノギス

    JIS B 7512 鋼製巻尺

    JIS B 7516 金属製直尺

    JIS B 7518 デプスゲージ

    JIS Z 2300 非破壊試験用語

    JIS Z 8105 色に関する用語

    JIS Z 8113 照明用語

    JIS Z 8120 光学用語

    NDIS 3413 非破壊検査技術者の視力及び色覚の試験方法

    NDIS 3418 コンクリート構造物の目視試験方法

    3 用語及び定義

    この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 2300,JIS Z 8105,JIS Z 8113 及び JIS Z 8120 によるほか,

    次による。

    3.1

    限界ゲージ

    溶接部の余盛高さ,脚長などの寸法の限界値と実際の寸法を比較するために用いるゲージ

    3.2

    クラックスケール

    コンクリートの場合にあって,そのひび割れの幅の寸法を計測するために用いるゲージで,クラックゲ

    ージなどとも称される。

  • - 2 -

    4 目視試験技術者

    目視試験技術者(以下技術者という)は,次の項目を満足しなければならない。

    a) 遠方視力は 0.7 以上かつ近方視力は 30 cm の測定距離で Times Roman(Times New Roman)N4.5,又は

    Jaeger Number J1 相当以上であること。色の判定を必要とする目視試験を行う場合は,その試験対象物

    が必要とする色についての色覚が正常であること。視力及び色覚の試験方法は,NDIS 3413 による。

    b) 目視試験を実施する試験体の材料,加工方法,製造方法,発生するきずなどに関する必要な知識をも

    つこと。

    5 目視試験手順

    目視試験の対象物ごとに,次の箇条 6 から箇条 13 の内容を記入した目視試験手順を作成する。

    6 目視試験の対象事項

    目視試験を実施するに当たっては,例えば,表面きず,腐食,塗膜の異常,変形,変色,図面との相違,

    左右の取り違え,取付け角度,ボルトナットの異常,漏れなどの具体的対象事項を指示する。

    7 対象事項の判定

    目視試験で合否を判定する場合には,対象事項ごとにその合否基準を明示する。

    8 試験面の明るさと照明及び観察方法

    光学的補助具を用いないで目視試験を行う場合は,次の事項を満足しなければならない。また,光学的

    補助具を用いて目視試験を行う場合は,使用する補助具の性能を考慮して別に規定する確認方法を用いる

    こととする。

    8.1 試験面の明るさ

    試験面の状態を対象事項にする場合の試験面の明るさは 500 lx 以上とする。

    8.2 照明方法

    試験体への照明は,目視観察を妨げない方向から行い,まぶしい光又は反射した光が目に入らないよう

    な観察条件にする。必要な場合は照明方法,採光方法などを明示する。

    8.3 観察方法

    割れなどの表面きずを検出することを目的とする場合,目の位置は,試験部から 600 mm 以内で,試験

    面に対して 30 °以上の角度を満足するようにして近づいて観察する。漏れ,変形などの異状を検出する

    ことを目的とする場合は,それぞれに適した観察方法を状況に応じて別に規定することが望ましい。

    9 補助具

    目視試験に,ノギス,マイクロメータ,デプスゲージなどの目視補助具を用いる場合は,附属書 A によ

    る。目視試験に,拡大鏡(ルーペ),双眼鏡,望遠鏡,内視鏡などの光学的補助具を用いる場合は,附属

    書 B による。

    10 適切な休憩

    技術者が目視試験をする場合,適切な間隔で休憩時間をとる。

  • - 3 -

    11 試験結果の記録

    目視試験の対象事項ごとに附属書 C に基づいて試験結果を記録する。

    なお,型取りを行う場合は附属書 D による。

    12 報告書

    報告書には次の項目を記載する。

    a) 試験体の名称

    b) 試験の対象事項の名称

    c) 試験日時及び試験実施場所

    d) 試験結果

    e) 使用した補助具名

    f) 目視試験技術者氏名

    13 保管

    報告書を必要な期間保管する。

  • - 4 -

    附属書 A (規定)

    目視補助具

    A.1 適用範囲

    この附属書は,各種の材料,加工品,製品,設備及び装置の目視試験を実施する場合に使用する目視補

    助具について適用する。

    A.2 種類

    目視補助具の種類は表 A.1 による。

    表 A.1―目視補助具

    目的 種類 器具名 備考 観察 照明器具 固定式電灯,携帯式電灯など

    測定

    測定器具 金属製直尺 1),鋼製巻尺 2),ノギス 3), マイクロメータ 4), 限界ゲージ,デプスゲージ 5),溶接ゲージ, クラックスケール 6),櫛形ゲージなど

    1) JIS B 7516 2) JIS B 7512 3) JIS B 7507 4) JIS B 7502 5) JIS B 7518 6) NDIS3418

    記録

    サンプリング プレパラート,セロファンテープ, ビニールテープなど

    現物記録 型取り材,拓本採取セットなど

    フィルムカメラ,デジタルカメラなど

    マーキング用器具 チョーク,マーカーなど

    A.3 性能

    目視補助具の性能は次による。

    a) 目視試験の対象事項及び許容値を考慮し,適切な性能をもつものを選択して使用する。

    b) JIS が制定されている補助具の場合は,JIS マーク表示製品を使用することが望ましい。

    A.4 取扱い上の注意事項

    目視補助具の取扱いに当たっては,次の事項に注意する。

    a) きずなどがなく,規定の性能をもつことを確認した後に使用する。

    b) 使用後はきずがつかないように注意して保管する。

    A.5 記録

    目視試験の記録には,使用した目視補助具を明記する。

  • - 5 -

    附属書 B (参考)

    光学的補助具

    この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

    B.1 適用範囲

    この附属書は,各種の材料,加工品,製品,設備及び装置の目視試験を実施する場合に使用する光学的

    補助具について,指針を与えるために適用する。

    B.2 種類

    光学的補助具の種類は表 B.1 による。

    表 B.1―目視試験用光学的補助具

    試験対象部 器具名 留意事項 備考 近距離の物体表面 拡大鏡(ルーぺ),鏡な

    ど きず及びくもりがないことを

    確認して使用する。

    遠距離の物体表面 双眼鏡,望遠鏡など

    雨天,曇天,早朝,夕刻などの

    場合,視界の明るさ及び視程に

    留意する。

    JIS B 7121(双眼鏡,単眼鏡及びスポッティングスコープの特性)

    細い管,空洞など

    の内面 内視鏡(ファイバース

    コープ,ビデオスコー

    プ,パイプカメラな

    ど)

    十分な明るさの照明方法を採

    用する。

    B.3 性能

    光学的補助具の性能は次による。

    a) 試験体のきずの大きさ(寸法,面積),きずの位置が読み取れる性能をもつことが必要である。

    b) JIS が制定されている光学的補助具の場合は,JIS マーク表示製品を使用することが望ましい。

    c) 試験体の判定に必要なサンプルを作製し,このサンプルを用いて実際の試験と同等な条件で観察し,

    良否の判定を行う。

    B.4 取扱い上の注意事項

    光学的補助具の取扱いに当たっては,次の事項に注意する。

    a) きずなどがなく,規定の性能をもつことを確認した後に使用する。

    b) 使用後はきずがつかいないように注意して保管する。

    B.5 記録

    目視試験の記録には,使用した光学的補助具を明記する。

  • - 6 -

    附属書 C (参考)

    試験結果の記録方法

    この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

    C.1 適用範囲

    この附属書は,各種の材料,加工品,製品,設備及び装置の目視試験を実施する場合の試験結果の記録

    方法について適用する。なお,型取り法を用いる場合は附属書 D による。

    a) 画像の分類 スケッチ又はカメラなどの器具を用いた静止画像及びビデオカメラなどの器具を用いた

    動画像に分類する。

    b) 記録器具による分類 静止画像用のカメラ(フィルム又はデジタル),動画像用のビデオカメラ(VTR

    又はデジタル)及び記録機能をもった内視鏡などの光学的補助具に分類する。なお手書きスケッチに

    はこれらの器具を用いない。

    c) 表示方法による分類 写真画像(フィルム又はデジタル映像を記録紙に焼き付けたもの),映像モニタ

    ー(パーソナルコンピュータを含む)及び手書きスケッチに分類する。

    d) 記録媒体による分類 フィルム,磁気テープ(VTR),CD,DVD,HDD など(電子ファイル)及び記

    録紙に分類する。

    C.2 記録機材

    記録機材の種類は附属書表 C.1 による。

    表 C.1―記録機材の種類及び使用上の留意点

    記録機材の種類 使用上の留意点 備考 記録器具 静止画像を記録する場合は,レンズ交換が可能な一眼レフフィルムカメラ

    又はデジタルカメラを用いる。 動画像を記録する場合は,ビデオカメラ又は動画像用カメラと記録装置

    (ビデオデッキ)を組合せた装置を用いる。 目視タイプの内視鏡を用いる場合は,接眼部にカメラ類を組み付ける。受

    光素子タイプの内視鏡を用いる場合は,装置内部の記録装置を用いるか映

    像出力端子に記録装置を接続する。

    レンズ 試験対象部の大きさ,目的によって標準,広角,望遠,ズーム,マクロレンズなどを使い分けることが望ましい。

    補助レンズなど カメラ本体のレンズの前に付け,焦点距離を短くするためのクローズアップ・アタッチメントレンズ,カメラ本体とレンズ間に挿入する接写レンズ

    /接写リング,蛇腹式の鏡筒であるベローズなどを補助的に用いる。

    記録媒体 フィルムカメラを用いる場合は,一般的にカラーフィルムが使用されるが,黒白,赤外線フィルムなども用いる。デジタルカメラを用いる場合は,

    選定した機種に合わせた記録メディアを用いる。 動画像を記録する場合は,磁気テープ(VTR),DVD,HDD などを用いる。 スケッチにより記録を行う場合は,鉛筆,ペンなどを用いてケント紙など

    の媒体に書き写す。

  • - 7 -

    また,必要に応じて補助的に用いる記録補助具は附属書表 C.2 による。

    表 C.2―記録補助具の種類及び使用上の留意点

    記録補助具の種類 使用上の留意点 備考 照明器具 室内又は暗所における照明器具として,写真用電球,フラッシュバルブ,

    ストロボ,リングストロボ(撮影レンズの前端に取り付けて使用するリ

    ング状のストロボ。)などがある。

    表示ラベル 試験対象部の名称,記号,場所,撮影年月日などを記載したラベル又はそれに相当するもの。

    スケール 試験対象部及びきずの大きさを知るための目安となるもの。

    カラーチャート 色の指示などを目的とする色紙又は類似の表面色による標準試料を系統的に配列したもので,試験対象部の大きさに合致したものを使用す

    る。

    JIS Z 8105

    無彩色スケール 白色と黒色及びその間の明度の異なる灰色の色見本を配したチャートで,試験対象部の大きさに合致したものを使用する。

    C.3 記録

    C.3.1 記録準備

    記録を行う前に,次の事項について確認する。

    a) 試験対象部の位置,状態など

    b) 照明方法,照明角度など

    c) 記録に用いる画像,記録器具など

    d) 記録の表示方法,記録媒体など

    e) 背景

    f) 表示ラベル,カラーチャート,無彩色スケールなどの記録補助具の配備

    g) ホワイトバランス(動画及びデジタル静止画記録の場合)

    C.3.2 記録条件

    記録を行う場合は,次の事項を考慮することが望ましい。

    a) 表示ラベル,スケール,カラーチャート,無彩色スケールなどの記録補助具を,必要に応じて画面に

    入れて記録する。手書きによるスケッチの場合は,必要な部分に寸法を書き入れる。

    b) 動画又はデジタル静止画を記録する場合は,事前にホワイトバランスをとる。

    c) 自然光線,人工光線などを用いて使用する記録媒体に適した照度を被写体に与える。カメラなどの記

    録器具を用いる場合は,絞り又はシャッタースピードを変え,少なくとも 3 条件で記録する。

    d) カメラによる静止画を記録する場合,シャッタースピードが 1/30 秒より遅い場合は,三脚及び/又は

    レリーズを用いて記録する。

    e) カラーフィルムで多量の記録を行う場合には,同一メーカ,同一乳剤番号のフィルムを使用する。ま

    た,複数本数のフィルムを使用した場合,すべてのフィルムを同時に同じ現像所に依頼する。

    f) 試験片など持ち運びできる小物を記録する場合は,緑色又は被写体の補色を背景とする。

    g) 照明を用いる場合は次の事項を考慮する。

    1) 一般には,極端な陰影ができないように散乱光を多く用いる。近距離でストロボを使用する場合,

    リングストロボなどを使用する。

    2) きずなどを明確に記録する場合は,それに適合した角度から主光源を当てること,またその他の部

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    分にも適量な照明を与える。

    3) ハレーションが起きるような表面状態である場合は,照明に角度を付ける,散乱光を用いる,ハレ

    ーション防止剤を表面に吹き付ける,又は偏光フィルタを使用する。

    4) 日照部分と陰の部分を同時に記録する場合,補助光(電灯,ストロボなど)を用いても距離が遠く

    て光量が不足すると思われるときは銀レフ(アルミ箔反射板など)を使用する。

    5) 動画を記録する場合,予測される変位量を考慮した範囲全体を記録範囲とする。

    C.3.3 記録方法

    次の記録方法のうち,適した方法を選定することが望ましい。

    a) きずなどを記録する場合,全体の状況並びにきずなどの位置関係がわかるように全体を記録する。

    b) 全体の一部分を記録する場合は,クローズアップ・アタッチメントレンズ,接写リング,ベローズ,

    マクロレンズなどを用いて記録する。

    c) 試験対象部を拡大して記録する場合は,拡大撮影用レンズ,ベローズなどを用いる。

    d) 1 枚の記録では全体の状況が判断できない場合,複数枚の画像を組合せて記録する。

    e) 容器及び深いピット内で内面を記録する場合は,記録位置がわかるように全体の基準位置からの方向,

    距離,高さなどの表示を入れて記録する。照明及び撮影角度に注意する。

    f) 内視鏡(ボアスコープ,ファイバースコープ,パイプカメラなど)による記録は,内視鏡の機種,倍

    率,試験対象部の内面状態によって記録条件が異なるので,その都度試験的に記録して条件を設定す

    るか,事前に実施した記録条件に準じて記録する。

    g) 破面を記録する場合,散乱光又はリングストロボを用いる。破面形状が不明確な場合には斜光線を使

    用する。また,現地で破面を記録する場合,光線角度に注意し,光線反射板又は補助光を使用する。

  • - 9 -

    附属書 D (参考)

    型取り法による表面のきず及び形状の測定方法

    この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

    D.1 適用範囲

    この附属書は,各種の材料,加工品,製品,設備及び装置の目視試験を実施し,表面のきず及び形状を

    型取りする方法によって,表面のきず(深さ,幅,長さ,形など)及び溶接ビードなどの表面形状を測定

    する方法について,指針を与えるために適用する。

    D.2 型取り材

    附属書表 D.1 に示すように,粘土状のパテ・タイプ及び中粘度のインジェクション・タイプがあり,そ

    れぞれベースとキャタリストとの 2 成分からなる。精密型取りにはインジェクション・タイプの方がよい。

    表 D.1―型取り材の種類 種類 性状 用法

    パテ・タイプ パテ状 押込 インジェクション・タイプ ペースト状 注入

    D.3 測定準備

    D.3.1 前処理

    形状を測定しようとする表面及びきず箇所の,ほこり,汚れ,油脂などを除去し,特に測定しようとす

    る箇所の溝,凹み,きずなどの中に異物のないように清掃する。

    D.3.2 確認用試験片による形状確認

    型取り作業を行う前に,必要に応じて適切な確認用試験片を作製して,表面きず及び表面形状を測定す

    る場合と同じ型取り材及び測定条件で型取りを行い,採取した型を切断してその寸法を測定し,確認用試

    験片の寸法形状と対比を行うことが望ましい。

    D.4 測定方法

    D.4.1 型取り方法

    型取りは次の手順で行う。

    a) 前処理を行ったきず箇所に,適量の型取り材を指定の割合で取り出し,均一になるように練り合わせ

    て混合した型取り材を適切な力で押しつけて,きず部分に十分充てんさせる。

    b) 型取り材によって指定された時間が経過したならば,硬化したことを確認し,採取した型を取り外す。

    採取した型がきず部の形状を移し取ったか否かを確認する。もし,採取した型にきず部分が認められ

    ない場合には,型取りを再度実施する。

    c) 型取り作業温度は常温を原則とする。低温においては促進剤,高温においては遅延材をキャタリスト

    に添加して,硬化時間を適宜に調整することが必要である。

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    e) 採取する型が硬化するまでの間に,型裏面に何らかの方法でナンバリングを行う。

    D.4.2 寸法測定

    寸法測定は次の手順で行う。

    a) 採取した型の測定しようとする箇所を適切な刃物で検査面に直角に切断する。

    b) 切断した型のきず深さ及び形状は,スケール付き拡大鏡などを用いてその寸法を測定する。

    c) 必要に応じ,採取した型及びその断面を保存する。

    D.5 記録

    表面のきず及び形状の測定に関して,次の項目について記載する。

    a) 測定年月日

    b) 測定者氏名

    c) 使用型取り材の名称及びタイプ

    d) 被測定物の名称及び測定箇所

    e) 表面きず及び形状の名称,位置,形状,寸法(必要に応じて採取した型を保存する)

  • - 11 -

    NDIS 3414:2014

    目視試験方法 解 説

    この解説は,規格に規定・記載した事柄を説明するもので,規格の一部ではない。

    この解説は,一般社団法人日本非破壊検査協会が編集・発行するものであり,これに関する問合せ先は,

    一般社団法人日本非破壊検査協会である。

    1 今回の改正までの経緯

    社団法人日本非破壊検査協会(以下,JSNDI という。)では,1989 年から次の 8 件の日本非破壊検査協

    会規格(以下,NDIS という。)が制定された。

    NDIS 3202:1996 目視試験用補助具

    NDIS 3403:1996 型取法による表面のきず及び形状の測定方法

    NDIS 3412:1996 表面きずの写真撮影方法

    NDIS 3413:1989 非破壊試験技術者の視力,色覚及び聴力の試験方法

    NDIS 3414:1989 目視試験方法通則

    NDIS 3415:1989 目視点検方法通則

    NDIS 3417:1991 光学機器による目視試験方法

    NDIS 3501:1996 目視試験による表面きずの表示分類基準

    2005 年に JSNDI の標準化委員会目視専門別委員会で,目視試験に関連するこれらの NDIS の全体的な

    見直し・再整理が行われた。上記規格のうち NDIS 3413 は,他の規格とは独立しており,その内容が他の

    JIS などの規格に引用され整合性が要求されてきていたため,先行して改正された。その他の規格につい

    ては,それぞれの規格のの関連性及び位置づけを解説図 1 に示すように整理し,NDIS 3414(目視試験方

    法通則)及び NDIS 3415(目視点検方法通則)を基軸に,観察,測定及び記録のための補助具並びにきず

    の分類方法を加え,統合が図られた。

    解説図 1―目視試験に係わる規格(NDIS)の関連性及び位置づけ

    NDT 全般 MT 及び PT を含む

    表面きずを対象

    3414(目視試験方法通則)3415(目視点検方法通則)

    3413(視力,色覚及び聴力)

    3202(補助具)

    3412(写真撮影方法)

    3501(表面きずの分類方法)3403(型取法)

    3417(光学機器)

  • - 12 -

    審議の過程で,一般に,目視試験は,材料,加工品及び製品を対象として,きず,腐食,変形,変色,

    図面との相違,その他の異常,漏れなどを検出する試験として定義されるのに対して,目視点検は,設備

    及び装置を対象として,表面状況,変形,き裂,音,温度などの異常部を検出することとして定義されて

    いることを考慮して,目視試験と目視点検を別規格とし,他の付随する規格は目視試験の附属書として構

    成し直すことになり,次のとおり再整理され,2006 年に NDIS 3414(目視試験方法通則)を「目視試験方

    法」としてこの規格が制定された。

    なお,NDIS 3501:1996(目視試験による表面きずの表示分類基準)は,使用事例がなく,他の基準に置

    き換えることも含めて検討されたが,廃止することとなった。

    改正後の規格 改正前の規格

    NDIS 3414 目視試験方法 本体 NDIS 3414:1989 目視試験方法通則

    附属書 A(規定)目視補助具 NDIS 3202:1996 目視試験用補助具

    附属書 B(参考)光学的補助具 NDIS 3417:1991 光学機器による目視試験方法

    附属書 C(参考)試験結果の記録方法 NDIS 3412:1996 表面きずの写真撮影方法

    附属書 D(参考)型取法による表面のきず

    及び形状の測定方法

    NDIS 3403:1996 型取法による表面のきず及び形

    状の測定方法

    今回の改正は,JSNDI の標準化委員会目視専門別委員会のメンバーを中心として,NDIS 改正原案作成

    委員会を組織し,NDIS 原案を作成した。

    2 今回の改正の趣旨

    今回の改正は,主に,この規格で引用する光学機器の規格である JIS B 7121,JIS B 7122 及び JIS B 7154

    が統合され,新たに JIS B 7121 が制定されたことによるものであるが,合わせて全体を見直し,光学機器

    の現状に合わせ,また,これまで得られた知見を踏まえて一部を修正した。

    なお,附属書 D(型取法による表面のきず及び形状の測定方法)の削除が検討されたが,賛否の意見が

    あって明確な結論が得られず,また,実際に型取法が用いられていることから,削除しないこととした。

    3 主な改正点

    今回の主な改正点を次に示す。

    a) 引用規格(箇条 2) 新たに制定された JIS B 7121 を追加し,廃止された旧 JIS B 7121,JIS B 7122

    及び JIS B 7154 を削除した。

    b) 試験面の明るさ(8.1) 旧規格では「500 lx 以上とするが,1 000 lx 以上が望ましい」としていたが,

    1 000 lx では明るすぎる(眩しさを伴う)との実験結果が報告されたことから,500 lx 以上と改めた。

    ただし,1 000 lx 以上の明るさを規定している規格もあるので注意を要する。

    c) 附属書 B 表 B.1・「遠距離の物体表面」備考欄 新たに制定された JIS B 7121 を追加し,廃止された

    旧 JIS B 7121,JIS B 7122 及び JIS B 7154 を削除した。

    d) 附属書 B B.3 b) 「JIS の規定を満足するものを使用する。」を「JIS マーク表示製品を使用すること

    が望ましい。」に改めた。

    e) 附属書 C 表 C.1・「記録器具」使用上の留意点 内視鏡に関する文章を製品の仕様に沿うように改め

    た。

  • - 13 -

    f) 附属書 C 表 C.1・「記録媒体」使用上の留意点 現状に即して文章表現を改めた。

    4 懸案事項

    2006 年のこの規格の制定時に,近方視力の要求事項に関して,小数視力の採用と Jaeger 視力表による評

    価方法の問題点の提示(下記 a)~d))があり,議論された結果,今後の検討事項となった。JIS Z 3413(非

    破壊検査技術者の視力及び色覚の試験方法)の改正で,小数視力による近方視力の評価が採用されたこと

    によって,目視試験技術者の近方視力を小数視力によって規定することも可能となったが,今回の改正に

    当たって,上記の検討事項についての結論が得られなかったため,従来どおり,Times (New) Roman 活字

    又は Jaeger 視力表による方法のままとした。これらの検討事項については,JSNDI の標準化委員会目視専

    門別委員会で引き続き検討していくこととした。

    4.1 Jaeger 視力表による近方視力と分数視力又は小数視力による近方視力の対応

    一般に,Jaeger 視力表には指標ナンバー(J1,J2 など)の他に,指標の大きさに対応する視角 5 分にお

    ける距離(in.)が数値として併記されている。J1 に併記されている数値は 15 であり,測定距離を 12 in.

    (30 cm)とした場合,分数視力で表すと 12/15(=20/25:測定距離 20 ft での視力との対応で表した場合)

    となり,小数視力で表せば 0.8 である。この視力は,アメリカの航空機関連の NDT 技術者の認定規格であ

    る NAS 410 で要求している最小の近方視力 20/25 と符合する。また,眼科医で治療後の目安としている近

    方視力も 0.8 である。

    4.2 近方視力の測定距離

    近方視力の測定距離は,年齢又は個人差で,長くすることで見え難くなるとは限らず,かえってよく見

    える場合もあり,近方視力の測定距離は固定せず,幅をもたせるべきとした報告もある。

    4.3 単眼,両眼での視力

    一般に,単眼よりも両眼の方が視力が勝っているとの認識で,単眼については付帯的に記載している場

    合が多いが,左右の視力が大きく異なる場合,また,乱視の場合などでは,単眼の視力が両眼の視力より

    勝ることがある。

    4.4 小数視力の優位点

    小数視力は,Landolt 環のすき間の視角(分)の逆数(単位:1/degree)として求められることから,そ

    の値を基に空間周波数(単位:cycles/degree)を計算できる。空間周波数より line pair(ラインペア)値へ

    の換算が可能となり,要求される視力を小数視力で与えることによって,将来的な目視試験の間接化及び

    自動化といった対応にも分解能の要求 値を計算で与えることが可能となる。

    5 その他の解説事項

    5.1 目視試験関連の規格の現状

    目視試験は,非破壊試験(以下,NDT という。)方法の一手法として重要な役割をもっており,また適

    用される対象物も工業プラントの各種機器・容器,橋梁・建築などの大形構造物から各種製品,そのパー

    ツなどの小形部品に至るまで非常に広範囲にわたっている。現在,日本国内ではこのような目視試験方法

    に関連した JIS は存在しない。ただし,溶接部の外観試験に関しては,1994 年に制定された日本溶接協会

    規格 WES 2031(溶接継手の外観試験方法指針)が,1999 年に提案された ISO/CD 17637(Non-destructive

    examination of fusion welds-Visual examination)の内容を加えて,2003 年に改正された。その後,2004 年

    に ISO/FDIS 17637 として承認されたことから,国内の実情にも合致し,かつ国際的に整合性のある規格

    として JIS Z 3090(溶融溶接継手の外観試験方法)が制定された。この中で,外観試験は,試験の内容に

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    よって目視試験と計測試験に分類されている。

    5.2 目視試験技術者の視力

    目視試験では,表面きずの検出を目的とした至近距離での観察と,設備類の形状・機能の不具合の検出

    を目的とした遠距離での観察が必要となることから,この規格では,それぞれに対応して近方視力と遠方

    視力を規定した。

    5.2.1 遠方視力

    遠方視力については,我が国で広く用いられている小数視力(0.7,1.0 など)を採用し,一般の自動車

    の運転に支障がないとされる視力にならって 0.7 以上とした。

    5.2.2 近方視力

    一方,近方視力については,NDT の分野で普及している Jaeger 視力表又は JIS Z 2305(非破壊検査技術

    者の資格及び認証)で採用している Times (New) Roman 活字を用いることとし,サブミリオーダーのきず

    の検出を必要とすることから,要求する視力を,Jaeger 視力表を用いた場合は J1,Times (New) Roman 活

    字を用いた場合は 4.5 ポイントとした。

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    解説表 1-記録器具の種類及び使用上の留意点(2014/05) 記録器具の種類 フィルムカメラ

    使用上の留意点 一眼レフカメラ(レンズ交換式,固定式共に可能)が,視差(ファインダー画像と実撮影画像のずれ)が発生しないので望ましい。レンジファインダー方式カメラ(コンパクトカメラのようにファインダー素通し方式)は特に近接撮影を行う際に,ファインダー観察像と実撮影範囲がずれるので推奨しない。

    レンズ,記録方式(動

    画記録装置)又は記録

    方法(スケッチ)

    被写体の大きさ,目的,撮影倍率により,各種レンズを使い分けることが望ましい。(推奨は単焦点マクロレンズ) ●広角レンズ(画角 40 度より広いもの) レンズ設計上歪曲収差(中心部と周辺部の倍率が異なるひずみ)が発生しやすい。 ●標準レンズ(画角 40 度前後) 全体像撮影には最も適切である。しかし最短撮影距離が 50 mm 前後あり拡大(マクロ)撮影には向かない物が多い。 ●望遠レンズ(画角 40 度より狭いもの) 画角が狭くひずみが発生しにくいが,最短撮影距離が長いものが多い。 ●マクロレンズ(接写専用レンズ) 拡大率により広角系(高倍率)から望遠系(低倍率)まである。一般的には 35 mm 換算で 50 mm から 100 mm 程度の間が全体像,拡大像共に撮影できるので望ましい。 ●ズームレンズ(1 本のレンズで画角を変えられるもの) 近年のレンズの主流であり,マクロ機能付きのレンズも増えている。便利さでは一番だが,光学設計の制約上多数のレンズを必要とし,単焦点レンズに比べ大きく重くなる。

    補助レンズ,特殊レン

    ズ(内視鏡)又は表示

    方法(スケッチ)

    基本レンズの焦点距離,画角を変更するためのもの。 ●クローズアップレンズ(簡易拡大) 基本レンズのフィルター枠などに組み付けて最短撮影距離を短くするための凸レンズ。あくまでも簡易拡大用であり周辺

    部はひずみが発生しやすい。 ●接写リング(レンズ) カメラ本体とレンズの間に挟むもの。レンズのバックフォーカスを伸ばすことによって拡大像を撮影できる。 ●ベローズ(可変倍率拡大) カメラ本体とレンズの間に挟むもの。接写リングを複数組合せたように倍率可変できる。最大倍率は約 15 倍。なお,構造上オートフォーカス,自動絞りはできないので専門家向けである。

    フィルム,記録メディ

    ア(デジタルカメラ),

    記録媒体(ビデオカメ

    ラ及び動画記録装置)

    又は記録(内視鏡)

    フィルムには大別してネガフィルムとポジフィルム(スライドフィルム)があり,さらに白黒用,カラー用,赤外線用に分かれる。また,光源にあわせてカラー

    フィルムには,デイライトフィルム(白色光用),タングステンフィルム(タングステン光用)がある。フィルム感度も幅広く分かれており,目的に応じて使い分

    けるのが望ましい。 ●ネガフィルム(補色記録) 紙焼きを前提にした最も普及しているフィルム。フィルム上にはオレンジ色をベースに補色で記録されるため,ネガを見て本来の

    色調を推測することは不可能である。色再現は焼付け時に決定される。ラチチュード(露出補正範囲)が広く,±3EV 程度のずれまでは焼付け時に補正変更できるが,本当の色を再現することは難しい。 ●ポジフィルム(原色記録) フィルム上に本来の色を記録するため正確な再現ができる。保存をするためにはポジフィルムのほうが適している。紙焼きは可能

    だが露出補正は効かないので撮影時に正確な露出決定が必要。 ●フィルム感度 一般的には 64-3200 の範囲で使われる。数字が小さいほうが微粒子で再現性に優れ,大きいほうが暗い被写体に対して高速シャッターを切ることができ,手ぶれを防げる。推奨感度は 100-400。

    照明器具及びホワイト

    バランス 室内又は暗所における補助照明器具として,写真用電球,フラッシュバルブ,ストロボがある。室内灯(蛍光灯、家庭用電球)なども撮影条件に影響を及ぼす。

    各照明によって色温度が異なるので撮影においては注意が必要である。 ●晴天昼間の太陽光(約 5500 K) 標準的な白色光 ●蛍光灯(約 6500 K) 青っぽく写る ●写真用電球(約 3300 K) 赤味がかる ●家庭用電球(約 2800 K) 赤味が強くなる ●ストロボ、フラッシュバルブ(約 5500 K) ほぼ白色光と同じ

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    解説表 2-記録器具の種類及び使用上の留意点(2014/05) 録器具の種類 デジタルカメラ

    使用上の留意点 フィルムカメラに同じ 追記 ●画素数は 300 万画素以上が望ましい。またカメラによって受光素子部の大きさが異なるので撮影倍率はあらかじめ確認しておくこと。 ●デジタルカメラのコンパクトタイプの場合,液晶画面を見ながら撮影すれば実撮影範囲に等しくなるので使用可能。ただし,手振れを起こしやすくなるので扱

    いには注意が必要。 ●デジタル一眼レフカメラではレンズ交換時に受光素子部にほこりが付着しやすいのでエアダスターなどで清掃すること。自己清掃できる機能(超音波防塵フィ

    ルターなど)を有している機種が望ましい。

    レンズ,記録方式(動

    画記録装置)又は記録

    方法(スケッチ)

    フィルムカメラに同じ 追記 ●レンズ交換式一眼レフタイプカメラの場合,受光素子の特性からフィルムカメラ用レンズを共用する場合は周辺光量が不足する可能性があるのでデジタル専用

    レンズを使用することが望ましい。

    補助レンズ,特殊レン

    ズ(内視鏡)又は表示

    方法(スケッチ)

    フィルムカメラに同じ 追記 ●クローズアップレンズは周辺ひずみに加えて周辺部光量不足になりやすいので使用推奨しない。

    フィルム,記録メディ

    ア(デジタルカメラ),

    記録媒体(ビデオカメ

    ラ及び動画記録装置)

    又は記録(内視鏡)

    記録メディアはカメラメーカ,機種によって異なるので,使用機種にあわせ選択すること。 ●画像ファイル形式 画像ファイル形式は JPEG もしくは TIFF に設定することが望ましい。RAW 形式は非圧縮で高画質であるが,専用の現像ソフトを必要とする場合があり推奨しない。 ●画質(圧縮率) 使用目的によって設定変更をすることが望ましい。 ●JPEG 低圧縮(高画質) 特に重要な記録,A4 で 1 ページ大以上に印刷する場合に推奨する。 ●JPEG 高圧縮(標準画質) 標準推奨。A4 に 2 枚程度の印刷の場合に推奨する。 ●JPEG 圧縮、画素数変更 画像のメール送信など容量を軽くする場合に推奨する。ただし,加工・再保存での画質の劣化に注意すること。

    照明器具及びホワイ

    トバランス フィルムカメラに同じ 追記 デジタルカメラでは大半の機種がホワイトバランスの調整が可能である。 ●通常はオートホワイトバランスによる撮影でよい。 ●重要な撮影の場合は撮影条件下においてホワイトバランスを取り直すことが望ましい。 ●キズ,変位などを明確にするために意図的にホワイトバランスをずらすことも可能。ただし,その場合は必ず注釈をつけること。

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    解説表 3-記録器具の種類及び使用上の留意点(2014/05) 録器具の種類 ビデオカメラ(動画記録)

    使用上の留意点 使用目的によって業務用カメラ(基本的にレンズ別),民生用カメラ(レンズつきが主流)を選択すること。 ●業務用ビデオカメラ 基本的にカメラ本体だけであり,レンズ,記録装置は別に用意する。周辺環境や設置条件が厳しい場合に推奨される。据え置きで別体モ

    ニター観察する場合に推奨。 ●民生用ビデオカメラ レンズ,記録装置一体型が主流。そのため本体は大きくなるが,取り扱いやすい。持ち運び一時撮影に推奨。

    レンズ,記録方式(動

    画記録装置)又は記録

    方法(スケッチ)

    被写体の大きさ,目的,撮影倍率により,各種レンズを使い分けることが望ましい。 ●ビデオカメラによる動画撮影の場合,被写体全体像から局部アップまで連続して記録を撮ることがあるのでズームレンズを使用することが望ましい。

    補助レンズ,特殊レン

    ズ(内視鏡)又は表示

    方法(スケッチ)

    民生用ビデオカメラにおいて広角域及び望遠域の拡大用に画角を変更する時に補助的に使う。

    フィルム,記録メディ

    ア(デジタルカメラ),

    記録媒体(ビデオカメ

    ラ及び動画記録装置)

    又は記録(内視鏡)

    記録媒体は大きく 3 種類に分けられる。それぞれ規格,フォーマットが複数あるので,なるべく統一方式に限定することが望ましい。 ●磁気テープ記録方式(ビデオテープ) ●デジタル多用途ディスク記録方式(DVD ディスク) ●ハードディスク記録方式(HDD)

    照明器具及びホワイト

    バランス デジタルカメラに同じ

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    解説表 4-記録器具の種類及び使用上の留意点(2014/05) 録器具の種類 内視鏡

    使用上の留意点 被写体の大きさ,形状にあわせて適切な機種を選定,使用することが望ましい。(呼び方は製造メーカーによって異なるので,機能,構造の特徴を表わした総称を以下に示す。) ●ファイバースコープ(軟性目視タイプ) 太さ数ミクロンのガラスもしくはプラスチック繊維を束ねて画像伝送するもの。「胃カメラ」のように遠隔操作で先端

    部を動かすことができるものがある。太さは 0.5 mm から 15 mm くらいまで各種ある。長さはおおむね 6 m まで。接眼レンズ部に各種カメラ(フィルム、デジタル、CCD など)を組み付けることのできるものも多い。繊維の数が少ない場合は網目越しのような見え方をする。 ●硬性鏡(棒状目視タイプ) 挿入部分が棒状に固い構造をしたもの。レンズによる画像伝送(一部ガラス繊維などによるものもある)を行い,ファイバースコ

    ープより鮮明な画像を得ることができる。また,先端部のレンズの向きが各種ある(直視,側視,斜視など)。太さは 0.9 mm から 30 mm くらいが多い。棒状のため,長さは 1 m 以内のものが多い。 ●ビデオスコープ(CCD 内臓タイプ) 内視鏡先端部に超小形 CCD を内臓したもの(一部例外あり)。挿入部分が軟性,硬性共にある。CCD によって画像を取り込むため,映像はモニターで確認する。ファイバースコープに比べて明るく,網目のない高画質を得られるが,CCD の大きさによって太さには制約がある(約 3.8 mm から 40 mm 以上まで)。

    レンズ,記録方式(動

    画記録装置)又は記録

    方法(スケッチ)

    被写体の大きさ,目的,撮影倍率により,各種レンズを使い分けることが望ましい。ファイバースコープ,ビデオスコープにはレンズの交換ができるものもある。 ●直視レンズ(軸方向正面を見る) 内視鏡挿入部に対して正面を見るレンズ。最近は広角化がすすみ,画角 100°以上のものがある。 ●側視レンズ(軸方向側面を見る) 内視鏡挿入部に対して横(壁面方向)を見るレンズ。 ●斜視レンズ(軸方向斜めを見る) 内視鏡挿入部に対して斜め方向を見るレンズ。直視方向と側視方向双方を同時に 1 画面で見渡すことができる。硬性鏡に多く,ファイバースコープ,ビデオスコープにはほとんどない(先端部を遠隔操作で曲げることでその役を果たす)

    補助レンズ,特殊レン

    ズ(内視鏡)又は表示

    方法(スケッチ)

    単体もしくは他のレンズと組み合わせることで特殊な機能をもつレンズ。 ●超広角レンズ(画角 180°以上の範囲を見渡せるもの) パイプ形状の被検体真横全周を見渡せるもの ●ミラーレンズ(直視レンズと組み合わせることで側方や全周を見るもの) 直視レンズ前方に 45°の角度でミラーを置くものや,円すい状のミラーを置くことで側方,全周を見ることができる。ただし反射像になるので裏返った映像になること,表面蒸着ミラーのために汚れ,ほこりが付着すると著しく見づらくなるた

    め取り扱いには十分な注意が必要。 ●2 画面表示レンズ(直側同時、立体表示) ビデオスコープの受光部前部で入射光路を二つに分けたもの。モニター上に二つの画像が投影される。立体表示は特殊な方式(めがねなど)によって凹凸が立体的に見えるようになる

    フィルム,記録メディ

    ア(デジタルカメラ),

    記録媒体(ビデオカメ

    ラ及び動画記録装置)

    又は記録(内視鏡)

    記録方法は目視タイプ,CCD タイプで異なる ●目視タイプ内視鏡の場合は接眼レンズ部にカメラ類を組み付けて記録をとる。 ●CCD タイプの場合は映像出力端子に記録装置を接続して行う。

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    解説表 4-記録器具の種類及び使用上の留意点(2014/05)(続き) 録器具の種類 内視鏡

    照明器具及びホワイト

    バランス 暗所における照明として,内視鏡管路を経由する場合,及び別照明による照明方法がある。 各照明光源によって色温度が異なるので記録においては注意が必要である。 ●ハロゲン光源(約 3000 K) 赤味が強く出る ●メタルハライド光源(約 5500 K) ほぼ白色 ●キセノン光源(約 5500 K) ほぼ白色 ●HID 高輝度光源(約 10000 K) 青味がかかる ●LED 発光ダイオード(設定によって変えられる) 照明用はほぼ白色に設定されることが多い ホワイトバランスは,上記照明装置のほかに,被検体色の反射によって影響されることがあるので事前に調整しておくことが望ましい。 ●キズ,変位などを明確にするために意図的にホワイトバランスをずらすことも可能。ただしその場合には必ず注釈をつけること。

    解説表 5-記録器具の種類及び使用上の留意点(2014/05)

    録器具の種類 動画記録装置

    使用上の留意点 外部動画用カメラなどから信号を入力して記録する。記録媒体,方法が複数あるので極力方式統一をはかることが望ましい。 ●VTR(磁気テープ記録方式) 記録方法によって,デジタル方式,アナログ方式がある。テープの種類によって,記録時間は 20~180 分程度まである。記録速度,密度で長時間記録も可能。ただし画質は落ちるので標準速度での記録を推奨。 ●DVD(デジタル多用途ディスク方式) ディスクにデジタル記録する方式。ディスクの種類によって記録密度,時間が異なる。テープ方式に比べ検索呼び出しが早い。 ●HDD(ハードディスク記録方式) 装置内ハードディスクに記録する方法。連続記録時間が他の方式に比べ長く録れる。VTR,DVD にダビングすることが前提になることが多い。

    レンズ,記録方式(動

    画記録装置)又は記録

    方法(スケッチ)

    動画記録方式には,一般にアナログテレビ信号記録方式(NTSC),及びコンピュータ信号記録方式(MPEG)がある。

    補助レンズ,特殊レン

    ズ(内視鏡)又は表示

    方法(スケッチ) -

    フィルム,記録メディ

    ア(デジタルカメラ),

    記録媒体(ビデオカメ

    ラ及び動画記録装置)

    又は記録(内視鏡)

    記録媒体,方法は複数あるので極力方式統一をはかることが望ましい。 ●VTR(磁気テープ記録方式) ●DVD(デジタル多用途ディスク方式) ●HDD(ハードディスク記録方式)

    照明器具及びホワイ

    トバランス -

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    解説表 6-記録器具の種類及び使用上の留意点(2014/05) 録器具の種類 スケッチ

    使用上の留意点 観察した被写体を鉛筆,ペンなどを用いて模写記録をする。スケッチの場合,特徴のある部分を強調して表現し,そうでない部分は省略して表現することが多いため,他の記録方法の補助説明用途としての位置づけに置くことが望ましい。

    レンズ,記録方式(動画記録

    装置)又は記録方法(スケッ

    チ)

    鉛筆,ペン(必要によって彩色用具)などを用いてケント紙などの媒体に書き写す。 他の記録方法と異なり,記録者が見た様子を模写するため表現方法,描写精度,部分的倍率などは個人技量や記録時の状況で異なることがある。

    補助レンズ,特殊レンズ(内

    視鏡)又は表示方法(スケッ

    チ)

    同一スケッチ上に全体概略図と,特に詳しく表現したい部分を強調した記録を行うことで,読み手に訴えたい部分を具体的に理解させることができる。

    フィルム,記録メディア(デ

    ジタルカメラ),記録媒体(ビ

    デオカメラ及び動画記録装

    置)又は記録(内視鏡)

    照明器具及びホワイトバラン

    ス -