【cedec2017】unityを使ったリアルタイムなアニメ映像表現

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Unity を使った リアルタイムなアニメ映像表現 UnityTechnologiesJapan/Artist & Evangelist 京野光平 a.k.a. ntny & 小林信行

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Unityを使ったリアルタイムなアニメ映像表現

UnityTechnologiesJapan/Artist & Evangelist京野光平 a.k.a. ntny & 小林信行

京野 光平a.k.a.ntny

小林 信行

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#cedecunity

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発端

UnityにTimelineEditorが実装されるってよ!発端

まじかよ!

こんな感じのも簡単に作れるようになるって事!?

これ弄り倒すしかない奴!

だがその前に。

これ弄り倒すしかない奴!

最近のユニティちゃん、役割をまっとう出来てた?

原点回帰

最近のユニティちゃん、役割をまっとう出来てた?

原点回帰

残念ながらYesではなかった。

ユニティちゃんには二つの大きなミッションが与えられている。

原点回帰

一つは彼女のファンを増やし彼女を使ったコンテンツのお客さんを増やすこと。

もう一つはUnityの新機能を紹介する「コンテンツ型の案内人」としての仕事。

平たく言うとCRSをもう一度やる必要があった。

原点回帰

レッツビギンでございます!

実践

死ぬかと思った。

死ぬかと思った。というか何度か死んだ。

すべて公開しないと意味がない!

実践

今回のプロジェクトで使ったツールは以下の通り。

モデリング・モーション:Metasequoia、3dsMax、Mayaテクスチャ:SAI、PhotoShopエフェクト:AfterEffects

ただでさえMayaと仲良くするのが困難なntnyさん、Timelineってやつもなかなか手強い相手であった。

実践

なぜならntnyさんの頭の中ではAEのコンポジション操作と同じノリで使える物だと思い込んでいたからだ。

ただでさえMayaと仲良くするのが困難なntnyさん、Timelineってやつもなかなか手強い相手であった。

実践

なぜならntnyさんの頭の中ではAEのコンポジション操作と同じノリで使える物だと思い込んでいたからだ。

そんなわけがなかった

初めて使うMaya。初めて使うTimelineEditor。

あ、これハードモードだわ!!!

いや、言うてタイムラインだろ?

あ、これハードモードだわ!!!

AE

Unity

AE Unity

思ったよりいけんじゃね!?

思いのほかできそう。

実践

やりたいことを分析して再配置。まずはAEでやってた事の再現から。

やりたいことの分析と再配置。

実践

やりたいことの分析と再配置。

実践

めっちゃ使う『フレア効果』

ちょろい!!!

しかもAEにはないSoftParticleでモデルや背景にぶっ差しても境界が綺麗!

調子をノ リこなす

PPS OFF

PPS ON

ちょろい!!!

やりたいことの分析と再配置。

実践

思いのほかAEと同じ発想で結果を出せるTimelineEditorちゃん。

しかしMaya(Max)やAEが不要になるという事ではない。

やりたいことの分析と再配置。

実践

リソース制作自体はこれまでと大きな差はない。

が!

その後の調整コストと運用に大きな違いがある。

やりたいことの分析と再配置。

実践

ゲームエンジンだからこそできたこと。

やりたいことの分析と再配置。

実践

従来の方法では一度仕上げたモデルを再調整するコストが高すぎた。

やりたいことの分析と再配置。

実践

従来の方法では一度仕上げたモデルを再調整するコストが高すぎた。モデルやテクスチャを直すウェイトを振り直すモーションを調整し直す

各種AE用素材を全部出し直す

リファレンス

Maya

やりたいことの分析と再配置。

実践

この神機能は実際神機能だ!

Unityにもあれば楽なのに!

プレファブ

やりたいことの分析と再配置。

実践

シーン上にマテリアルやダイナミクスといった基本セットアップを済ませた大元になるモデルを用意し、カット制作ではそれを複製して使う。

大元モデル(Aスタンス)

カット用モデル(複製)

これによってDCCツール上で調整したデータをFBXで都度上書きすれば勝手に修正される!

やりたいことの分析と再配置。

実践

カット用に複製されたモデルは大元のマテリアル設定を引き継ぐが、あくまでも複製なので個別にマテリアルの再設定もできる。

その気になれば全てのカットに専用のテクスチャを描ける!

より効率的な設計の為のアイディア

実践

カットベースではなくシーンベースの管理による効率化

より効率的な設計の為のアイディア

実践

複数のシーンを行き来するデータを作る際、従来はカット単位で背景なども用意していたが、それらをシーンベースに置き直すことでデータの使い回しや整理がしやすくなった。

より効率的な設計の為のアイディア

実践

ノリとしては実写の撮影に近い。

その場所で撮影すべき物を予め纏めて撮影し、後日編集で時系列を整える。

より効率的な設計の為のアイディア

実践

修正や調整、そして仕上げ。

DCCツールに戻らなければ出来ない事は即ち高コストである!

DCCツールに戻らず、Unity上で最終調整可能な要素を少しでも多くする事を考える。

最終手段を最初に使ったっていいじゃない

実践

手描きエフェクトって素敵

どうしてもやりたかった!

最終手段を最初に使ったっていいじゃない

実践

ポスト処理の後に描かれなければならない。Imageマテリアル(Canvas)を使う事で解決。

3D空間上に直接置いた物もある。

何故最終手段?

実践

これらの手描きエフェクトは、Unityで作った動画をAEに読み込んで、AE上で動きを合わせ、透過PNGシーケンスとして出力した連番画像をUnityにインポートして使っている。

何故最終手段?

実践

まぁ実際アホくさい。AE使うならAEでいいじゃねーかって思う。

何故最終手段?

実践

でもこういう手段を先にやっておきたかった。

これができるってことは、極論最終的に描けばどうにでもなるってことだから。

何故最終手段?

実践

どうにでもなる、という安心感はすごい。これだけで悩みが吹っ飛ぶくらいすごい。

しかし、同時に忍び寄る不安もある。

忍び寄る不安

実践

マスターデータの所在。

絵コンテ至上主義からの脱却変化

絵コンテは何のためにあったか。

絵コンテ至上主義からの脱却

・『設計図』としての絵コンテ

・ストーリーボードとしての絵コンテ

「アーティストたち」への仕事の再分配

絵コンテ至上主義からの脱却

・担当が細かく分かれすぎていた

・前後に人がいなければ解決しない仕事しかなかった

・自分の「前後の仕事」をするようになる必要がある

我々が構えるべき物

絵コンテ至上主義からの脱却

・パワープレイを良しとする心

・絵コンテを『完成図』にしない

・常に変える事ができるという新しい意識

何をどうやっても良い

よりアーティストらしく

・過程にある発想勝負もアーティストの仕事

・必要なのは「創りたい物」

・必ずしもTimelineで完結する必要もないし、最終出力が動画である必要もない。

必要なのは自分たちで料理し、実際に食べる事!

Timeline Editor

最終的に今回のプロジェクトはアーティストだけで完結していない…が!

アーティストがエンジニアに求めた機能は、都度Unity Technologies Japanの内部で作成実装されながら制作された。

これもまた、ユニティちゃんの大事なお仕事の一つである。

Thank you Unity-Chan!

9月末を予定。

The Phantom Knowledge はまだまだ終わらない。今後も技術を携えたエンターテインメントとして継続される。

会場のUnityブースでは一足先にプロジェクトデータを展示中。実際どんな構造になっているのか等を見る事が出来る。

プロジェクトの公開

https://www.twitch.tv/unityjpUnityTechnologiesJapanではTwitchを使って不定期(大抵金曜日)に生配信をしています。

過去の配信では、今回のデモで使われたUnitychan-ToonShaser2.0の使い方などがアーカイブされているので、ご興味ご関心おありの方は覗きに来てみてください。

APPENDIX

Thank you for your time!