特定原産地証明書発給申請の手引き · 2009. 3. 10. · 3...

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=暫定版= 特定原産地証明書発給申請の手引き 経済連携協定共通 平成20年11月 経済産業省貿易経済協力局貿易管理課原産地証明室 監修 日本商工会議所 【二国間経済連携協定】 ・日マレーシア経済連携協定 ・日チリ経済連携協定 ・日タイ経済連携協定 ・日インドネシア経済連携協定 ・日ブルネイ経済連携協定 【多国間経済連携協定】 ・日アセアン包拢的経済連携協定

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  • =暫定版=

    特定原産地証明書発給申請の手引き

    = 経済連携協定共通 =

    平成20年11月

    経済産業省貿易経済協力局貿易管理課原産地証明室 監修

    日本商工会議所

    【二国間経済連携協定】

    ・日マレーシア経済連携協定

    ・日チリ経済連携協定

    ・日タイ経済連携協定

    ・日インドネシア経済連携協定

    ・日ブルネイ経済連携協定

    【多国間経済連携協定】

    ・日アセアン包拢的経済連携協定

    ・日フィリピン経済連携協定

  • 1

    <目 次>

    はじめに

    Ⅰ.「特定原産地証明書」の取得に向けて

    Ⅱ.企業登録について

    Ⅲ.原産品判定依頼について

    Ⅳ.特定原産地証明書の発給申請について

    <参考>各協定における特定原産地証明書の留意事項:

    Ⅴ.発給手数料について

    Ⅵ.こんな時どうするの?(Q&A)

    Ⅶ.お問い合わせ先

    ページ

    ・・・・・・5

    ・・・・・40

    ・・・・・50

    ・・・・・63

    ・・・76~83

    ・・・・・84

    ・・・・・87

    ・・・・・91

  • 2

    はじめに

    我が国は これまで複数の国と経 済連携協定(EPA: Economic Partnership

    Agreement、以下単に「EPA」と言います。)を締結しています。EPAを活用するこ

    とにより、我が国から産品の輸出を行う場合、多くの品目について相手国での輸入時に通常

    の関税率よりも低い関税率(以下「EPA税率」または「特恵税率」と呼びます。)の適用

    を受けることができます。

    ただし、我が国から輸出される全ての産品にEPA税率が適用されるのではなく、輸出さ

    れる産品が我が国と輸入国との間で締結されたEPAに基づく特恵税率の対象となってお

    り、かつ、EPAに定められる原産地規則に基づきEPA税率の適用を受ける資格(「原産

    資格」と呼びます。)を有していることが条件となります。加えて、相手国においてEPA

    税率の適用を受けるためには、我が国での輸出時に輸出される産品が原産資格を満たしてい

    ることを証明する原産地証明書を取得し、輸入国での通関時にこれを税関に提出することが

    求められます。

    我が国においては、このEPA税率の適用を受けるために輸入国の税関に提出する原産地

    証明書を特に「特定原産地証明書」と呼び、「経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発

    給等に関する法律」(平成16年法律第143号、以下単に「証明法」と言います。)に基づ

    き経済産業大臣が指定した発給機関である日本商工会議所において発給を受けることにな

    っています。

    この小冊子は、我が国から輸出される産品の輸出者や生産者が証明法に基づく特定原産地

    証明書の発給申請を行う際の必要な手続きや注意すべき事項等を解説したものです。各企業

    が特定原産地証明書の発給に関係する事務を適正かつ円滑に行えることが、ひいては我が国

    の輸出貿易の健全な発展に寄不するものと考えており、この小冊子が各企業の実務の一助と

    なれば幸いです。

  • 3

    特定原産地証明書を用いるEPA

    「経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律施行令」(平成17年政

    令第18号、以下単に「政令」と言います。)において、特定原産地証明書の発給を受ける

    ことができるEPAが定められています。

    ① 経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定(以下「日メキシ

    コ協定」と言います。)

    ② 経済上の連携に関する日本国政府とマレーシア政府との間の協定(以下「日マレーシ

    ア協定」と言います。)

    ③ 戦略的な経済上の連携に関する日本国とチリ共和国との間の協定(以下「日チリ協定」

    と言います。)

    ④ 経済上の連携に関する日本国とタイ王国との間の協定(以下「日タイ協定」と言いま

    す。)

    ⑤ 経済上の連携に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定(以下「日インドネ

    シア協定」と言います。)

    ⑥ 経済上の連携に関する日本国とブルネイ・ダルサラーム国との間の協定(以下「日ブ

    ルネイ協定」と言います。)

    ⑦ 包拢的な経済上の連携に関する日本国と東南アジア諸国連合構成国の間の協定(以下

    「日アセアン協定」と言います。) ※平成20年12月1日発効予定。

    このうち、今回導入された新しい「JCCI特定原産地証明書発給システム」(以下単に

    「システム」と言います。)を用いて特定原産地証明書の発給を受けることができるのは、

    ②~⑦のEPAです。①の日メキシコ協定に関しては現在別のシステムにより発給を行って

    います。

    ※①の日メキシコ協定についても本年度中に新しいシステムに統合する予定です。

    <日シンガポール協定の特恵原産地証明書>

    「新たな時代における経済上の連携に関する日本国とシンガポール共和国との間の協定」

    (「日シンガポール協定」と言います。)については、各商工会議所において、証明法に基づ

    くシステムを用いることなく「特恵原産地証明書」の発給を受けることができます。

    ※詳しくは、日本商工会議所にお問い合わせください(お問い合わせ先は、91ページ

    参照)。

  • 4

    特定原産地証明書に関する新発給システムのメリット

    日本商工会議所では、平成 20 年 6 月まで、日商システム(JCCI 特定原産地証明書発

    給システム)において、日マレーシア、日チリ、日タイ協定に基づいた特定原産地証明書の

    発給を行ってきましたが、平成 20 年 7 月1日の日インドネシア協定の発効にあわせて、

    これまで政府が進めてきた発給手続きの簡素化なども踏まえた新しい発給システム(特定原

    産地証明発給システム)を導入しました。

    日マレーシア協定、日チリ協定、日タイ協定に係る特定原産地証明書の発給は、平成 20

    年 6 月 30 日から、日インドネシア協定に係る特定原産地証明書の発給は、同協定の発効

    日の 7 月 1 日から、また日ブルネイ協定に係る特定原産地証明書の発給は、同協定の発効

    日の7月31日から、新システムでの運用をスタートしています。

    加えて、日アセアン協定の発効国を仕向地とする特定原産地証明書の発給は、同協定の発

    効日の平成20年12月1日から新システムで行うことができます。

    今回の新システム導入に当たり、利用者から改善要望等をヒアリングし、申請者の利便性

    の向上を最大の目的として開発しました。新システムの主なメリットは以下のとおりです。

    <新システムのメリット>

    ①判定依頼や発給申請後の審査状況を可視化することでの利便性向上

    (メインメニュー画面において、現在の判定依頼や発給申請状況を確認可能に)

    ②判定依頼や発給申請の流れ(画面遷移等)の整理

    (申請者の入力作業の効率化等に向けて画面構成を整理。ガイダンス等も充実)

    ③過去の判定依頼や発給申請等の情報提供機能の追加

    (検索機能を強化、TSVダウンロード等情報提供機能を拡充)

    ④発給申請における産品情報を入力する際に必要であった暗証番号の丌要化

    (原産品判定番号のみの入力で申請可能)

    ⑤証明資料提出同意通知書の電子化の達成

    (申請者側から同意を受けている産品、有効期間等をシステム上で確認可能)

    ⑥再発給申請などを電子的に行う機能の追加

    ⑦証明書の手数料明細をシステム上で確認できる機能の追加 -など

  • 5

    Ⅰ.「特定原産地証明書」の取得に向けて

    1.特定原産地証明書発給の流れ

    各EPAに基づく特定原産地証明書を取得して、我が国から輸出される産品について輸入

    国の特恵税率の適用を受けるためには、次のステップを踏む必要があります。

    (1)発給申請の前に確認しておくべき事項

    特定原産地証明書の発給申請は、後述するとおり、日本商工会議所のシステムを通じて、

    ①企業登録、②原産品判定、③発給申請を行うことになりますが、その前に、各企業にお

    いて確認すべき事項があります。以下の<ステップ1>から<ステップ4>までの事項に

    ついて、事前にご確認ください。

    <ステップ1>輸出産品の HS コードの確認

    輸出しようとする産品の6桁ベースの関税分類番号(以下「HS番号」または「HS コー

    ド」と呼びます。)を調べてください。

    例えば、輸出しようとする産品がサングラスの場合、6桁の HS コードは 9004.10 に

    なります。産品の HS コードを確認したい場合、輸入者に確認するか、または、最寄りの

    税関にお問い合わせください。

    税関 HP: http://www.customs.go.jp/

    実効関税率表: h ttp : / / ww w.cus toms . g o . jp / tar i f f / i nd e x .h tm

    関税率表解説・分類例規: h ttp : / / ww w.cus toms . g o . jp / tar i f f /ka i se tu / ind ex .h tm

    【関税分類番号(HSコード)とは】

    HS:85類(電機機器及びその部分品)

    HS:HS:85018501(電動機)

    HS:HS:85028502(発電機)

    HS:HS:85038503(部分品)

    HS:HS:85048504

    ・・・

    HS:HS:85448544(電気絶縁をした線、ケーブル)

    HS:HS:8544.118544.11(銅の巻線)HS:HS:8544.198544.19(その他の巻線)

    ・・・・・HS:HS:8544.608544.60

    (その他の電子導体)

    HS:HS:8544.208544.20(同軸ケーブル)

    HS:HS:8544.60.0108544.60.010(自動車用)

    HS:HS:8544.60.0908544.60.090(その他用途)

    7桁以降は各国によって自由に決められています。日本は9桁を採用しています。

    一番大きい分類は世界共通で2桁のコードで1類~97類まで存在します。

    6桁までは全世界共通のコードが使用されます。

    HSコードが細かくなるにつれ、品目が特定されます。

    2桁(類) 4桁(項) 6桁(号)

    HS:85類(電機機器及びその部分品)

    HS:HS:85018501(電動機)

    HS:HS:85028502(発電機)

    HS:HS:85038503(部分品)

    HS:HS:85048504

    ・・・

    HS:HS:85448544(電気絶縁をした線、ケーブル)

    HS:HS:8544.118544.11(銅の巻線)HS:HS:8544.198544.19(その他の巻線)

    ・・・・・HS:HS:8544.608544.60

    (その他の電子導体)

    HS:HS:8544.208544.20(同軸ケーブル)

    HS:HS:8544.60.0108544.60.010(自動車用)

    HS:HS:8544.60.0908544.60.090(その他用途)

    7桁以降は各国によって自由に決められています。日本は9桁を採用しています。

    一番大きい分類は世界共通で2桁のコードで1類~97類まで存在します。

    6桁までは全世界共通のコードが使用されます。

    HSコードが細かくなるにつれ、品目が特定されます。

    2桁(類) 4桁(項) 6桁(号)

    http://www.customs.go.jp/http://www.customs.go.jp/tariff/kaisetu/index.htmhttp://www.customs.go.jp/tariff/kaisetu/index.htm

  • 6

    <ステップ2>特恵税率の有無、税率の確認

    輸出しようとする産品の税率を確認してください。日本貿易振興機構(ジェトロ)ホーム

    ページ「世界各国の関税率」において、HS コードで特恵税率の有無や税率を確認できます。

    日本貿易振興機構 HP: http://www.jetro.go.jp/biz/tariff/

    ※日本貿易振興機構 HP の「World Tariff」を利用するためには、あらかじめ登録が

    必要です。氏名、住所等を入力するだけで登録できます。

    <ステップ3―1【二国間EPA】>

    各EPAに定められた輸出産品に係る規則等の確認

    ①まず、輸出しようとする産品が各EPAにおいてEPA税率が認められているかどうかを

    調査します。このためには、締約相手国側の品目別関税撤廃スケジュールを確認します。

    <日マレーシア協定の品目別関税撤廃スケジュール>

    外務省 HP に掲載されている以下のファイル137ページ(249ページと記されてい

    ます。)以降を参照してください(ただし、英語のみ)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/malaysia/epa/annex1.pdf

    <日チリ協定の品目別関税撤廃スケジュール>

    外務省 HP に掲載されている以下のファイル148ページ(270ページと記されてい

    ます。)以降を参照してください(ただし、英語のみ)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/region/latin/chile/joint0703/annex.pdf

    <日タイ協定の品目別関税撤廃スケジュール>

    外務省 HP に掲載されている以下のファイル190ページ(309ページと記されてい

    ます。)以降を参照してください(ただし、英語のみ)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/thailand/epa0704/annex1.pdf

    <日インドネシア協定の品目別関税撤廃スケジュール>

    外務省 HP に掲載されている以下のファイル149ページ(261ページと記されてい

    ます。)以降を参照してください(ただし、英語のみ)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/indonesia/epa0708/annex1.pdf

    <日ブルネイ協定の品目別関税撤廃スケジュール>

    外務省 HP に掲載されている以下のファイル124ページ(221ページと記されてい

    ます。)以降を参照してください(ただし、英語のみ)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/brunei/epa0706/annex1.pdf

    http://www.jetro.go.jp/biz/tariff/http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/malaysia/epa/annex1.pdfhttp://www.mofa.go.jp/region/latin/chile/joint0703/annex.pdfhttp://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/thailand/epa0704/annex1.pdfhttp://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/indonesia/epa0708/annex1.pdfhttp://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/brunei/epa0706/annex1.pdf

  • 7

    ②次に、その産品に関する各EPA上の原産地規則、品目別規則を確認します。それぞれ、

    外務省 HP で確認できます。

    <日マレーシア協定の原産地規則および品目別規則>

    原産地規則は、日マレーシア協定の本体テキスト(日本語)の43ページ以降を参照して

    ください(英語のテキストは27ページ以降)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/malaysia/kyotei/pdfs/w

    abun.pdf

    (英語) http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/malaysia/epa/content.pdf

    品目別規則は、日マレーシア協定の附属書2を参照してください(日本語、英語)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/malaysia/kyotei/pdfs/fu

    zoku02.pdf

    (英語) http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/malaysia/epa/annex2.pdf

    <日チリ協定の原産地規則および品目別規則>

    原産地規則は、日チリ協定の本体テキスト(日本語)の26ページ以降を参照してくださ

    い。(英語のテキストは17ページ以降)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_chile/pdfs/kyotei.pdf

    (英語) http://www.mofa.go.jp/region/latin/chile/joint0703/agreement.pdf

    品目別規則は、日チリ協定の附属書2を参照してください(日本語は202ページ以降、

    英語は316ページ以降)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_chile/pdfs/fuzokusho.pdf

    (英語) http://www.mofa.go.jp/region/latin/chile/joint0703/annex.pdf

    <日タイ協定の原産地規則および品目別規則>

    原産地規則は、日タイ協定の本体テキスト(日本語)の41ページ以降を参照してくださ

    い(英語のテキストは25ページ以降)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/thailand/pdfs/mokuji.pdf

    (英語) http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/thailand/epa0704/agreement.pdf

    品目別規則は、日タイ協定の附属書2を参照してください(日本語、英語)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/thailand/pdfs/fuzoku02.pdf

    (英語) http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/thailand/epa0704/annex2.pdf

    http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/malaysia/kyotei/pdfs/wabun.pdfhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/malaysia/kyotei/pdfs/wabun.pdfhttp://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/malaysia/epa/content.pdfhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/malaysia/kyotei/pdfs/fuzoku02.pdfhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/malaysia/kyotei/pdfs/fuzoku02.pdfhttp://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/malaysia/epa/annex2.pdfhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_chile/pdfs/kyotei.pdfhttp://www.mofa.go.jp/region/latin/chile/joint0703/agreement.pdfhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_chile/pdfs/fuzokusho.pdfhttp://www.mofa.go.jp/region/latin/chile/joint0703/annex.pdfhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/thailand/pdfs/mokuji.pdfhttp://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/thailand/epa0704/agreement.pdfhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/thailand/pdfs/fuzoku02.pdfhttp://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/thailand/epa0704/annex2.pdf

  • 8

    <日インドネシア協定の原産地規則および品目別規則>

    原産地規則は、日インドネシア協定の本体テキスト(日本語)の43ページ以降を参照し

    てください(英語のテキストは27ページ以降)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/indonesia/pdfs/mokuji.pdf

    (英語) http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/indonesia/epa0708/agreement.pdf

    品目別規則は、日インドネシア協定の附属書2を参照してください(日本語、英語)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/indonesia/pdfs/fuzoku02.pdf

    (英語) http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/indonesia/epa0708/annex2.pdf

    <日ブルネイ協定の原産地規則および品目別規則>

    原産地規則は、日ブルネイ協定の本体テキスト(日本語)の37ページ以降を参照してく

    ださい(英語のテキストは23ページ以降)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/brunei/pdfs/mokuji.pdf

    (英語) http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/brunei/epa0706/agreement.pdf

    品目別規則は、日ブルネイ協定の附属書2を参照してください(日本語、英語)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/brunei/pdfs/fuzoku02.pdf

    (英語) http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/brunei/epa0706/annex2.pdf

    <ステップ3―2【日アセアン協定】>

    締約国毎に定められた輸出産品に係る規則等の確認

    ①まず、輸出しようとする産品が日アセアン協定においてEPA税率が認められているかど

    うかを調査します。このためには、日アセアン協定の締約国側の品目別関税撤廃スケジュ

    ールを確認します。なお、日アセアン協定の品目別関税撤廃スケジュールは、国毎に別個

    に定められています(ただし、英語のみ)。

    <日アセアン協定におけるブルネイの品目別関税撤廃スケジュール>

    外務省 HP に掲載されている以下のファイルを参照してください(ただし、英語のみ)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part2.pdf

    http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part2-2.pdf

    <日アセアン協定におけるカンボジアの品目別関税撤廃スケジュール>

    外務省 HP に掲載されている以下のファイルを参照してください(ただし、英語のみ)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part3.pdf

    http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part3-2.pdf

    http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/indonesia/pdfs/mokuji.pdfhttp://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/indonesia/epa0708/agreement.pdfhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/indonesia/pdfs/fuzoku02.pdfhttp://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/indonesia/epa0708/annex2.pdfhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/brunei/pdfs/mokuji.pdfhttp://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/brunei/epa0706/agreement.pdfhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/brunei/pdfs/fuzoku02.pdfhttp://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/brunei/epa0706/annex2.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part2.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part2-2.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part3.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part3-2.pdf

  • 9

    <日アセアン協定におけるインドネシアの品目別関税撤廃スケジュール>

    外務省 HP に掲載されている以下のファイルを参照してください(ただし、英語のみ)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part4.pdf

    http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part4-2.pdf

    <日アセアン協定におけるラオスの品目別関税撤廃スケジュール>

    外務省 HP に掲載されている以下のファイルを参照してください(ただし、英語のみ)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part5.pdf

    http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part5-2.pdf

    <日アセアン協定におけるマレーシアの品目別関税撤廃スケジュール>

    外務省 HP に掲載されている以下のファイルを参照してください(ただし、英語のみ)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part6.pdf

    http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part6-2.pdf

    <日アセアン協定におけるミャンマーの品目別関税撤廃スケジュール>

    外務省 HP に掲載されている以下のファイルを参照してください(ただし、英語のみ)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part7.pdf

    http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part7-2.pdf

    <日アセアン協定におけるフィリピンの品目別関税撤廃スケジュール>

    外務省 HP に掲載されている以下のファイルを参照してください(ただし、英語のみ)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part8.pdf

    http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part8-2.pdf

    <日アセアン協定におけるシンガポールの品目別関税撤廃スケジュール>

    外務省 HP に掲載されている以下のファイルを参照してください(ただし、英語のみ)。

    なお、シンガポールは、協定発効と同時に全ての原産品について関税率をゼロにしています。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part9.pdf

    <日アセアン協定におけるタイの品目別関税撤廃スケジュール>

    外務省 HP に掲載されている以下のファイルを参照してください(ただし、英語のみ)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part10.pdf

    http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part10-2.pdf

    <日アセアン協定におけるベトナムの品目別関税撤廃スケジュール>

    外務省 HP に掲載されている以下のファイルを参照してください(ただし、英語のみ)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part11.pdf

    http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part11-2.pdf

    http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part4.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part4-2.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part5.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part5-2.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part6.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part6-2.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part7.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part7-2.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part8.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part8-2.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part9.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part10.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part10-2.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part11.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part11-2.pdf

  • 10

    ②次に、その産品に関する日アセアン協定上の原産地規則、品目別規則を確認します。それ

    ぞれ、外務省 HP で確認できます。

    日アセアン協定においては、限定された品目に適用される例外的な規則を「品目別規則」

    に記載し、それ以外の品目については、「一般規則」(General Rules)の対象としてい

    ます(一般ルールや品目別規則の説明は、12 ページ参照)。

    輸出しようとする産品についての規則の見つけ方は、まず、その産品が品目別規則の対象

    となっているかどうかを確認するため「品目別規則」を調べます。もし、そこに輸出しよ

    うとする産品の規則が記載されていなかった場合には、「一般規則」の対象となります。

    <日アセアン協定の原産地規則および品目別規則>

    原産地規則は、日アセアン協定の本体テキスト(日本語)の43ページ以降を参照してく

    ださい(英語のテキストは22ページ以降)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/pdfs/ajcep_k.pdf

    (英語) http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/agreement.pdf

    品目別規則は、日アセアン協定の附属書2を参照してください(日本語、英語)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/pdfs/ajcep_k2.pdf

    (英語) http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/annex2.pdf

    ※日アセアン協定では、限定された品目について適用される例外的な規則を「品目別規

    則」に記載し、それ以外の品目については「一般規則」を適用することになっていま

    す。したがいまして、輸出しようとする産品について「品目別規則」に記載がない場

    合には、「一般規則」の対象となります。

    <日アセアン協定の運用上の証明手続き>

    日アセアン協定に係る原産地証明書の発給や取扱い等に関する運用手続きは、日アセアン

    協定の附属書4を参照してください(日本語、英語)。

    外務省 HP: http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/pdfs/ajcep_k4.pdf

    (英語) http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/annex4.pdf

    http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/pdfs/ajcep_k.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/agreement.pdfhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/pdfs/ajcep_k2.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/annex2.pdfhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/pdfs/ajcep_k4.pdfhttp://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/annex4.pdf

  • 11

    <ステップ4>輸出産品に関する原産性の確認

    輸出される産品について、相手国からEPA税率の適用を受けるためには、EPAに定

    められる原産地規則に基づき原産資格を有していること(「原産性」と言います。)を確認す

    る必要があります。一般に原産性を有する産品のことを原産品と呼びますが、証明法ではこ

    れを「特定原産品」と言います。

    <特定原産品とは>

    輸出される産品が特定原産品に該当するかどうかの判断は、EPAに基づく原産地規則

    を満たしているかどうかを確認しなければなりません。日マレーシア協定、日タイ協定、

    日インドネシア協定、日ブルネイ協定および日アセアン協定では、以下の(A)(B)(C)

    のいずれかに該当する産品を「締約国の原産品」と定義しています。

    なお、日チリ協定では、これらの(A)(B)(C)に加えて、カテゴリー(D)が締約

    国の原産品として定義されています。

    特定原産地証明書の発給申請に当たっては、これらの(A)(B)(C)(D)(※(D)

    は日チリ協定のみ。)のいずれに該当する原産品であるか特定する必要があります。特定

    に当たって必要な事項は、13 ページ以降を参照してください。

    (A)完全生産品 (詳細は13 ページを参照してください。)

    ・一ヶ国内で原材料レベルから全て生産・育成・採取された産品。

    ・典型例は農水産品(動植物、魚介類等)、鉱物資源。

    (B)原産材料のみから生産される産品(詳細は14 ページを参照してください。)

    ・他国から輸入した原材料(非原産材料)を用いて生産された材料(原産材料)を

    用いて生産された産品。

    ・最終生産品には非原産材料である材料は使用されていない。

    ・「累積」により締約相手国の原産品を原産材料として使用することができる。

    (C)非原産材料である原材料を用いて生産された産品であって、一般規則(General

    Rules。※日アセアン協定のみに適用。)または品目別規則(PSR:Product

    Specific Rules、以下「品目別規則」または単に「PSR」と呼びます。)を満

    たすもの。(日アセアン協定のカテゴリー(C)の考え方は次ページを、また、各原

    産資格判定方法(基準)の詳細は16 ページ以降を参照してください。)

    ・他国から輸入した原材料(非原産材料)を一部又は全部用いて生産され、以下の

    いずれかの原産資格判定方法(基準)を満たすもの。

    ①関税番号変更基準(CTC:Change in Tariff Classification)

    ②付加価値基準(QVC:Qualifying Value Content 又はVA:Value Added

    Criteria)※日アセアン協定では、RVCと呼びます(次ページを参照ください。)

    ③加工工程基準(SP:Specific Process rule)

    ・CTCについては「De Minimis」、VAについては「累積」、「ロールアップ」

    等の救済規定がある。

  • 12

    <日アセアン協定におけるカテゴリー(C)>

    ※日アセアン協定では、一般規則と品目別規則のどちらかを採用します。

    ・日アセアン協定では、非原産材料である原材料を用いて生産された産品に関して、

    限定された品目について適用される例外的な規則を「品目別規則(Product

    Specific Rules)」に記載し、それ以外の品目については「一般規則(General

    Rules)」を適用することになっています。

    ・輸出しようとする産品について「品目別規則」に記載がない場合、「一般規則」

    の対象となります。

    ・一般規則では、次のいずれかの基準を満たす場合、原産品とされます。

    ①付加価値基準(RVC:Regional Value Content 又はVA)において原産資

    格割合が40%以上となるもの、または

    ②関税番号変更基準(CTC)においてHSコード4桁の変更が生じるもの。

    ※RVCやCTCの説明は、17ページと20ページを参照してください。

    <日チリ協定におけるカテゴリー(D)>

    ※本規定は、日チリ協定のみに適用されます。

    (D)非原産材料を用いて生産される産品であるが、その産品が組み立てていないかま

    たは分解してある状態で輸入された場合であっても、HSコード上は組み立てられ

    た産品として分類されるため、その産品の生産に用いられた非原産材料について関

    税番号の変更が行われないもの。ただし、生産された産品が、日チリ協定に定めら

    れた原産資格割合を満たすもの。(詳細は26ページを参照してください。)

    ・他国から輸入した一つまたは二つ以上の非原産材料を用いて産品を生産する場合

    に、HSコードの規則により、その産品が分解された状態で輸入されても、組み立

    てられた産品とHSコードが同一のものとして分類されていると、輸入された非原

    産材料に関税番号の変更が生じない。

    ・この場合、最終生産品の過程で日チリ協定に定める付加価値基準を満たす場合、

    その産品を原産品とする。

    ・ただし、HSコードの第61類から第63類の産品は除く。

    <ステップ1>から<ステップ4>までを確認した後、EPAに基づく特定原産地証明書

    の発給申請に係る手続きに入ることができます。発給申請手続きの具体的な流れについては、

    31ページ以降を参照してください。

  • 13

    <原産性の判断基準>

    (A)我が国の領域において完全に得られ、又は生産される産品(「WO: Wholly

    Obtained」又は「完全生産品」と呼びます。)。

    → 輸出される産品が完全生産品に該当する場合には、56ページの判定依頼の際

    に「A」を選択します。なお、日タイ協定および日アセアン協定では、発給さ

    れる特定原産地証明書上に、「WO」と記入されます。※WOは、Wholly

    Obtained の略です。

    具体的には、以下のような産品を含みます。ただし、協定毎に多尐異なる場合があります

    ので、自らが輸出する産品が対象となる協定において完全生産品に該当するかどうか、協定

    の原産地規則を参照し、確認してください。

    ○我が国の領域において生まれ、かつ、成育された生きている動物

    ○我が国の領域において狩猟、わなかけ、漁ろう、採集または捕獲により得られる動物

    ○我が国の領域において生きている動物から得られる産品(例:卵、牛乳等)

    ○我が国の領域において収穫、採取または採集される植物および植物性生産品

    ○我が国の船舶により捕獲される水産物その他の産品

    ○我が国の領海外において我が国の工船上で製造・加工される水産物その他の産品

    ○我が国の領域において抽出され、または得られる鉱物その他の天然の物質

    ○我が国が海洋法に関する国際連合条約に基づき、海底またはその下を開発する権利を有

    する場所から得られる産品

    ○我が国の領域において本来の目的を果たすことができず、回復または修理が丌可能であ

    り、かつ、処分または部品もしくは原材料の回収のみに適するもの(例:走行丌能の廃

    車等)

    ○我が国の領域における製造・加工作業または消費から生ずるくずおよび廃品であって、

    処分また原材料の回収のみに適するもの(例:生産工程で得られる木クズ、金属クズ等)

    ○本来の目的を果たすことができず、かつ、回復または修理が丌可能な産品から、我が国

    の領域において回収される部品または原材料(例:走行丌能の廃車から得られる古タイ

    ヤ等)

    ○我が国において、上記の産品のみから得られ、または生産される産品

    ※農林水産品については、産品毎に必要な添付書類が求められます。

    詳しくは、27ページ以降を参照してください。

  • 14

    (B)締約国(我が国)の原産材料のみから締約国(我が国)の領域において完全に生

    産される産品。

    → 輸出される産品が原産材料のみから完全に生産される場合には、56ページの

    判定依頼の際に「B」を選択します。なお、日タイ協定および日アセアン協定

    では、発給される特定原産地証明書上に、「PE」と記入されます。 ※PEは、

    Produced Entirely の略です。

    「締約国の原産材料のみから生産される」とは、最終生産品の生産に使用される材料その

    ものが原産品であり、このような材料のみを用いて生産されることを意味します。また、「完

    全に」とは、生産に関する一連の行為が全て一つの締約国において行われることを言います。

    ※最終生産品の生産過程で一部でも締約国の原産材料と認められない原材料(「非原産材

    料」と言います。)を用いている場合には、カテゴリー(B)には該当しません。この

    場合、カテゴリー(C)に該当する規則を満たしているかどうか確認してください。

    材料を製造する過程で、第三国(日本、締約相手国以外の国)からの輸入された原材料、

    すなわち、締約国の非原産材料を用いている場合があります。この場合、この非原産材料に

    「実質的な変更」を加える形での加工や製造が行われていれば、できあがった材料は原産材

    料になります。このように締約国において加工が施され既に原産材料となった材料を用いて

    生産された最終生産品がこのカテゴリー(B)に該当します。

    ※「実質的な変更」とは、他の国を原産地とする部品や原材料等について製造・加工を施

    して大きな変更を加えることであり、具体的には、次の(C)で説明する①関税番号変

    更基準(CTC:Change in Tariff Classification)、②付加価値基準(QVC:

    Qualifying Value Content 又はVA:Value Added Criteria)、③加工工程基準(S

    P:Specific Process rule)のいずれかを満たす変更を言います。

    例えば、鉄鉱石(HS番号:2601)は輸入原材料(非原産材料)ですが、それを我が国

    で製鉄してできた鉄のインゴット(HS番号:7206)やそれを圧延した鉄の薄板(HS番

    号:7211)は、鉄鉱石から関税番号変更基準を満たすような加工が既に施されており、我

    が国の原産材料になっています。この原産材料となった鉄の薄板をさらに加工して、例えば

    鉄のキャビネット(HS番号:9403)を生産した場合には、できあがったキャビネットは

    原産品であり、このカテゴリー(B)に該当します。

    <累積(Accumulation)>

    最終生産品の生産過程でEPAの締約相手国の原産品を材料として使用した場合、この原

    産品を我が国の原産材料とみなすことができます。これを「累積(Accumulation)」と言

    います。

    → カテゴリー(B)に該当する産品を生産する際、累積を活用した場合には、56ペ

    ージの判定依頼の際に「累積(ACU)」を選択します。

  • 15

    カテゴリー(B)の例

    <カテゴリー(B)に関する確認方法>

    カテゴリー(B)に該当する最終生産品の生産者は、生産過程で用いた材料が全て我が国

    の原産材料であるかどうかを確認します。材料を他社から供給を受けている場合には、材料

    の供給業者からその材料が我が国の原産品に該当する旨の確認を文書(例:念書や宣誓書に

    よる書簡、契約書や納品書上での記載)の形でもらい、証拠書類として保存してください。

    また、累積を活用した場合には、EPA相手国の原産品であることを証する書類(例:相手

    国発給の原産地証明書の写し)を証拠書類として保存してください。

    カテゴリー(B)の確認方法の例(自社で以下のような表を作成し、チェックする。)

    なお、これらの書類は、原産品判定や発給申請の際に日本商工会議所に対してご提出いた

    だく場合があります。また、輸入相手国での通関時または通関後に輸入国の税関当局からの

    原産性の確認要請があった場合には、経済産業省がこれらの書類について提出を求めたり実

    地に確認をしたりする必要がありますので、適切に保存しておいてください。

    累 積A国(第三国)

    日 本

    実質的な変更

    部品B最終生産品

    原産材料

    部品A

    部品C

    原産材料

    非原産材料

    締約国へ輸出

    締 約 国

    部品D

    原産材料

    原 産 品

    累 積A国(第三国)

    日 本

    実質的な変更

    部品B最終生産品

    原産材料

    部品A

    部品C

    原産材料

    非原産材料

    締約国へ輸出

    締 約 国

    部品D

    原産材料

    原 産 品

    仕向国 経済連携協定

    例:インドネシア 例:日インドネシア協定

    輸入者名 所在地

    HSコード(6桁) 品名(英語) 取引価格(円) 原産判定結果

    HSコード(6桁) 品名(英語) 原産・非原産の区別 備考

    原産材料ABC Co.(輸入)、累積、C/O

    (株)◆◆、宣誓書

    カテゴリー(B)

    原産材料

    原産材料自社製品、付加価値基準

    1.仕向国、利用することとなる経済連携協定

    2.輸入者情報:輸入者名、所在地

    3.原産品情報:原産品判定対象の産品のHSコード(6桁)、産品名(英語)、取引価額(円)

    4.原材料情報:HSコード(6桁)、品名(英語)、原産・非原産の区別、備考(取引先名、取引価額、確認書類、累積等)

    例:10000円

    HSコードや品名(英語)についても確認の上、記入する。

    仕向国 経済連携協定

    例:インドネシア 例:日インドネシア協定

    輸入者名 所在地

    HSコード(6桁) 品名(英語) 取引価格(円) 原産判定結果

    HSコード(6桁) 品名(英語) 原産・非原産の区別 備考

    原産材料ABC Co.(輸入)、累積、C/O

    (株)◆◆、宣誓書

    カテゴリー(B)

    原産材料

    原産材料自社製品、付加価値基準

    1.仕向国、利用することとなる経済連携協定

    2.輸入者情報:輸入者名、所在地

    3.原産品情報:原産品判定対象の産品のHSコード(6桁)、産品名(英語)、取引価額(円)

    4.原材料情報:HSコード(6桁)、品名(英語)、原産・非原産の区別、備考(取引先名、取引価額、確認書類、累積等)

    例:10000円

    HSコードや品名(英語)についても確認の上、記入する。

  • 16

    (C) 非原産材料を使用して締約国の領域において完全に生産される産品であって、

    一般規則(※日アセアン協定のみに適用。)または品目別規則およびEPAの原産地規

    則におけるその他の関連する要件を満たすもの。

    → 輸出される産品が一般規則または品目別規則を満たす場合には、56ページの

    判定依頼の際に「C」を選択します。日タイ協定では、発給される証明書上に、

    「PS」(※PS は、Product Specific (Rules)の略)と記入されます。

    日アセアン協定では、一般規則を採用した場合、適用した基準(RVCまたは

    CTH)にしたがい、発給される証明書上にそれぞれ「RVC」「CTH」と

    記入されます。また、品目別規則を採用した場合には、適用した基準(CTC、

    RVC、SP(※SPは、Specific Process の略))にしたがい、発給される

    証明書上にそれぞれ「CTC」「RVC」「SP」と記入されます。

    「非原産材料を使用して締約国において完全に生産される」とは、最終生産品の生産に使

    用される材料の一部または全部が非原産材料(日本または締約相手国の原産品以外のもの)

    であり、このような非原産材料を用いて生産に関する一連の行為が全て一つの締約国におい

    て行われることを言います。

    「品目別規則(PSR)」は、EPAの附属書になっており、原則としてHS番号の4桁

    又は6桁ベースで品目毎に原産資格を付不するための要件を規定しています。日アセアン協

    定では、品目別規則に掲載されていない産品については「一般規則」を適用します。

    また、「原産地規則におけるその他の関連する要件」とは、原産資格を不えることとなら

    ない作業のみで生産を行っていないこと、代替性のある産品や材料について適切な会計原則

    に従って在庨管理を行っていること等を指します。

    ※代替性のある産品や材料に関する説明は、22 ページを参照してください。

    品目別規則の例

    第八三〇一・一〇号から第八三一一・九〇号までの各

    号の産品への他の号の材料からの変更

    又は、

    原産資格割合が四十パーセント以上であること(第八三

    〇一・一〇号から第八三一一・九〇号まで各号の産品へ

    の関税分類の変更を必要としない。)。

    八三〇一・一〇–

    八三一一・九〇

    協定附属書二(第三章関係) 品目別規則

    = 関税番号変更基準

    又は

    = 付加価値基準

    どちらかの要件を満たせば、原産品と認められます。

    (c)非原産材料を用いて生産される産品の場合、

    を確認します。

    例えば、最終産品が該当する関税番号が8301.10-8311.90であり、該当する関税番号に左の記載が

    あった場合、

    第八三〇一・一〇号から第八三一一・九〇号までの各

    号の産品への他の号の材料からの変更

    又は、

    原産資格割合が四十パーセント以上であること(第八三

    〇一・一〇号から第八三一一・九〇号まで各号の産品へ

    の関税分類の変更を必要としない。)。

    八三〇一・一〇–

    八三一一・九〇

    協定附属書二(第三章関係) 品目別規則

    = 関税番号変更基準

    又は

    = 付加価値基準

    どちらかの要件を満たせば、原産品と認められます。

    (c)非原産材料を用いて生産される産品の場合、

    を確認します。

    例えば、最終産品が該当する関税番号が8301.10-8311.90であり、該当する関税番号に左の記載が

    あった場合、

  • 17

    個々の品目別規則は、主として以下の①、②、③に該当する規則がHS番号の4桁又は6

    桁ベースで品目毎に単独で又は組合せによって構成されています。

    ①関税番号変更基準(CTC:Change in Tariff Classification、以下単に「CTCルー

    ル」と呼びます。):関税番号変更基準とは、非原産材料のHS番号とそれから生産され

    る産品のHS番号とが異なることとなるような生産が行われた場合、その産品を原産品

    とするものです。すなわち、使用する部品や材料が第三国からの輸入品であっても、所

    要のCTCルールを満たせば生産される産品に原産資格が付不されます。

    CTCルールにおいて比較の対象となるのは、産品の製造に用いられた非原産材料の部分

    のみであり、原産材料については確認する必要はありません。確認の方法は、非原産材料の

    HS番号と最終生産品のHS番号を調べて、それらが品目別規則に規定されている基準を満

    たしているかどうかで判断します。CTCルールには、以下の3つがあります。

    (i)HS番号の最初の2桁による変更(CC: Change in Chapter、以下単に「CC」

    または「類変更」と言います。)を求めるもの

    (ii)HS番号の最初の4桁による変更(CTH: Change in Tariff Heading、以下単に

    「CTH」または「項変更」と言います。)を求めるもの

    (iii)HS 番号の最初の6桁による変更(CTSH: Change in Tariff Sub Heading、以下

    単に「CTSH」または「号変更」と言います。)を求めるもの

    1.2桁レベルでの変更(CC:類変更)の例

    2.4桁レベルでの変更(CTH:項変更)の例

    羊毛 毛糸

    51.0751.05

    A国(第三国)

    日本

    4桁が変更(51.05項→51.07項)

    輸入し紡績 締約国

    締約国に輸出羊毛 毛糸

    51.0751.05

    A国(第三国)

    日本

    4桁が変更(51.05項→51.07項)

    輸入し紡績 締約国

    締約国に輸出

    なめし皮 革かばん

    41.11 42.03

    A国(第三国) 日本

    上2桁が変更(41類→42類)

    輸入し加工

    締約国

    締約国に輸出

    なめし皮 革かばん

    41.11 42.03

    A国(第三国) 日本

    上2桁が変更(41類→42類)

    輸入し加工

    締約国

    締約国に輸出

  • 18

    3.6桁レベルでの変更(CTSH:号変更)の例

    <僅尐の非原産材料(De Minimis、デミニマス)>

    最終生産品と非原産材料のHS番号が同一の類、項または号であったために、関税番号変

    更基準(CTCルール)を満たすことができない場合があります。この場合、最終生産品の

    生産に使用される非原産材料が一定の割合以下のものについて無視することができます。E

    PA上、この救済規定を「僅尐の非原産材料(De Minimis、デミニマス)」と言います。具

    体的には、次のように定められています。農産品や一部の鉱工業品(第1類~第27類)に

    ついては、協定ごとにわずかな例外を除き、原則適用されません。

    (i)HS番号の第28類から第49類及び第64類から第97類までの各類に規定する産

    品については、CTCルールを満たさない非原産材料の価格割合がその産品の価額の10%。

    (ii)HS番号の第50類から第63類までの各類に規定する産品については、CTCルー

    ルを満たさない非原産材料の重量がその産品の重量の7%(日タイ協定および日アセアン協

    定の場合は重量の10%)。

    → 関税番号変更基準において、デミニマスによる救済を受けた場合には、56ペー

    ジの判定依頼の際に「デミニマス」を選択します。

    僅尐の非原産材料(デミニマス)の例

    玉(部分品)ベアリング

    8482.91

    A国(第三国) 締約国

    輸入

    日本

    締約国に輸出

    他の部分品

    (原産材料)

    組立

    国内調達

    六桁が変更(8482.91号→8482.10号)

    ○関税番号変更基準(CTC)は非原産の材料にのみ適用 → 原産材料は番号変更の有無を見る必要なし

    8482.10

    玉(部分品)ベアリング

    8482.91

    A国(第三国) 締約国

    輸入

    日本

    締約国に輸出

    他の部分品

    (原産材料)

    組立

    国内調達

    六桁が変更(8482.91号→8482.10号)

    ○関税番号変更基準(CTC)は非原産の材料にのみ適用 → 原産材料は番号変更の有無を見る必要なし

    8482.10

    部分品(ポケット)

    綿糸

    綿織物

    62.05

    52.06

    62.17

    A国(第三国)

    B国(第三国) 日本

    締約国

    締約国に輸出

    衣類

    CTCルールOK

    CTCルール満たさない

    ポケットの重量が衣類の7%以下↓

    CTCを満たすか否か考慮しなくて良い

    (ルール満たさずともそのまま使える)

    衣類の原産地ルール:CC(HS2桁の変更)+特定の加工要件

    部分品(ポケット)

    綿糸

    綿織物

    62.05

    52.06

    62.17

    A国(第三国)

    B国(第三国) 日本

    締約国

    締約国に輸出

    衣類

    CTCルールOK

    CTCルール満たさない

    ポケットの重量が衣類の7%以下↓

    CTCを満たすか否か考慮しなくて良い

    (ルール満たさずともそのまま使える)

    衣類の原産地ルール:CC(HS2桁の変更)+特定の加工要件

  • 19

    <CTCルールに関する確認方法>

    CTCルールにより原産性を確認するためには、最終生産品のHS番号とその産品の生産

    に用いた材料のうち非原産材料のHS番号との間で、品目別規則に規定されている関税番号

    の変更が起こっているかどうかを調べます。比較の対象となるのは、産品の製造に用いられ

    た非原産材料の部分のみであり、原産材料については確認する必要はありません。

    CTCルールの確認方法の例(自社で以下のような表を作成し、チェックする。)

    なお、投入された非原産材料の品目数が膨大で全てのHS番号を把揜することが困難な場

    合には、企業内の仕入・在庨管理に関するルールに従い、CTCルールを満たす範囲でまと

    めた形(例:部品一点一点ではなく、固まりとしての部分品)のHS番号を調べて下さい。

    また、PSRが CC の場合には最初の2桁が、また CTH の場合には最初の4桁が確認の対

    象であるため、万一、生産に用いた非原産材料に関し、確認の対象とされる桁よりも下の桁

    の部分についての番号の確定が困難な場合には、その桁の部分はもっとも近いと思われる番

    号を当てはめても構いません。

    原産性を確認した際の非原産材料のHS番号と最終生産品のHS番号とを比較した結果

    およびデミニマスを利用した場合のこれを裏付けする資料(最終生産品における非原産材料

    の価格割合を示すもの)などは、原産品判定や発給申請の際に日本商工会議所に対してご提

    出いただく場合があります。

    また、輸入相手国での通関時または通関後に輸入国の税関当局からの原産性の確認要請が

    あった場合には、経済産業省がこれらの情報について提出を求めたり実地に確認をしたりす

    る必要がありますので、適切に保存しておいてください。

    仕向国 経済連携協定

    例:インドネシア 例:日インドネシア協定

    輸入者名 所在地

    HSコード(6桁) 品名(英語) 取引価格(円) 原産判定結果

    HSコード(6桁) 品名(英語) 原産・非原産の区別 備考

    8542.21 半導体メモリー 原産材料自社製品、原産性を確認

    Taiwan Elec.、台湾

    CTSH(号変更)

    8471.90 Other units 非原産材料

    8542.21 Electronic integrated circuits (CPU) 非原産材料 Taiwan Elec.、台湾

    8471.30

    1.仕向国、利用することとなる経済連携協定

    2.輸入者情報:輸入者名、所在地

    3.原産品情報:原産品判定対象の産品のHSコード(6桁)、産品名(英語)、取引価額(円)

    4.原材料情報:HSコード(6桁)、品名(英語)、原産・非原産の区別、備考(取引先名、輸入国、取引価額等)

    Portable digital automatic data processingmachine (personal computer)

    例:100000円

    8471.60 液晶画面 原産材料(株)●●、宣誓書、原産性を確認

    8471.70 ハードディスク 原産材料自社製品、原産性を確認

    仕向国 経済連携協定

    例:インドネシア 例:日インドネシア協定

    輸入者名 所在地

    HSコード(6桁) 品名(英語) 取引価格(円) 原産判定結果

    HSコード(6桁) 品名(英語) 原産・非原産の区別 備考

    8542.21 半導体メモリー 原産材料自社製品、原産性を確認

    Taiwan Elec.、台湾

    CTSH(号変更)

    8471.90 Other units 非原産材料

    8542.21 Electronic integrated circuits (CPU) 非原産材料 Taiwan Elec.、台湾

    8471.30

    1.仕向国、利用することとなる経済連携協定

    2.輸入者情報:輸入者名、所在地

    3.原産品情報:原産品判定対象の産品のHSコード(6桁)、産品名(英語)、取引価額(円)

    4.原材料情報:HSコード(6桁)、品名(英語)、原産・非原産の区別、備考(取引先名、輸入国、取引価額等)

    Portable digital automatic data processingmachine (personal computer)

    例:100000円

    8471.60 液晶画面 原産材料(株)●●、宣誓書、原産性を確認

    8471.70 ハードディスク 原産材料自社製品、原産性を確認

  • 20

    ②付加価値基準(QVC:Qualifying Value Content 又はVA:Value Added Criteria):

    付加価値基準とは、産品の生産過程において十分な価値(経費や利益を含みます。)が加

    えられるような加工が行われた場合、その産品を原産品とするものです。

    ※日アセアン協定では、RVC:Regional Value Content と呼びます。

    原産資格を得るために必要な輸出される産品に対して付加された価値の割合(「原産資格

    割合」と言います。)は、EPAによって、また産品によっても若干異なりますが、多くの

    場合、「40%以上」という閾値(しきいち)を設定しています。また、原産資格割合を計

    算する方法は、多くのEPAで「控除方式」が採用されており、日チリ協定では、「控除方

    式(閾値45%以上)」「積み上げ方式(閾値30%以上)」の両方が採用されています。

    我が国においては、運用上、いずれのEPAにおいても、「控除方式」「積み上げ方式」お

    よび後に説明する「非材料費からのアプローチ」のいずれの方法によっても原産資格割合を

    計算することを認めています。※ただし、閾値は各協定に定められた値に従います。

    ○産品の価格から非原産材料の価格を差し引く方法(「控除方式」)

    締約国内における生産・加工等に伴い形成された付加価値を価額換算し、その付加価値が

    一定の閾値を超えた場合、その産品に原産資格が付不されます。

    FOB - VNMQVC(%) = × 100

    FOB

    ※QVC(又はRVC): 原産資格割合(締約国における付加価値)、FOB: 産品の取引価額(本船渡しベ

    ース)、VNM: 非原産材料(第三国からの輸入部品等)の合計価額、QVC の閾値(最低ライン)は多

    くの場合40%(日チリ協定の場合45%)。なお、品目によっても多尐異なるので注意が必要です。

    ※産品の取引価格は、原則としてその産品の輸出における「FOB価格」を用いることとなっています。

    しかし、その産品の生産者が輸出者に代わって原産品判定を行うためFOB価格が分からない場合に

    は、生産者と輸出者との間の取引価格で代用しても差し支えありません。

    ※非原産材料の価格は、非原産材料は通常輸入されるケースが多いため、原則として非原産材料の輸入

    における「CIF価格」を用いることとなっています。しかし、非原産材料を国内から仕入れたため

    その非原産材料のCIF価格が分からない場合には、納入先との間の取引価格で代用しても差し支え

    ありません。

    ※原産材料の価格については、EPAに定められた原産資格割合(例:40%以上)を超えるまで計算

    すれば十分であり、必ずしも全ての原産材料の価格を把揜する必要はありません。

    ※原産材料か非原産材料か分からない場合には、非原産材料としてカウントして下さい。

    なお、産品や原材料に関する価格情報、非原産材料を輸入した場合にはその非原産材料に

    関する輸入時のインボイス、および原産性を確認した際に用いた計算過程や結果などは、原

    産品判定や発給申請の際に日本商工会議所に対してご提出いただく場合があります。また、

    輸入相手国での通関時に輸入国の税関当局からの原産性の確認要請があった場合には、経済

    産業省がこれらの情報について提出を求めたり実地に確認をしたりする必要がありますの

  • 21

    で、適切に保存しておいてください。

    ○原産材料の価格を積み上げる方法(「積み上げ方式」)

    FOB価額に対する原産材料費の割合が、品目別規則で定められた原産資格割合(多くの

    場合40%、ただし、日チリ協定の場合の積み上げ方式による閾値は30%)以上となるま

    で、原産材料を積み上げる方式によっても計算できます。企業においては、最終生産品の名

    称、価格(FOB価格または取引価格)、原産材料の名称、価格を調べ、原産材料の価格が

    原産資格割合を超えるまで積み上げてください。

    なお、産品や原材料に関する価格情報、他社から原産材料を仕入れた場合は仕入先から入

    手した原産品である旨を確認するために必要な情報や文書、原産性を確認した際に用いた計

    算過程や結果などは、原産品判定や発給申請の際に日本商工会議所に対してご提出いただく

    場合があります。また、輸入相手国での通関時に輸入国の税関当局からの原産性の確認要請

    があった場合には、経済産業省がこれらの情報について提出を求めたり実地に確認をしたり

    する必要がありますので、適切に保存しておいてください。

    <付加価値基準(VA ルール)の原産品判定におけるその他の方法>

    EPAに定められた「控除方式」(日マレーシア、日チリ、日タイ、日インドネシア、日

    ブルネイ、日アセアン)または「積み上げ方式」(日チリ協定)のほか、運用上、以下の方

    式によっても、付加価値基準を満たしているかどうか確認することができます。

    ○材料費以外の付加価値の部分で計算する方法(非材料費からのアプローチ)

    原産材料、非原産材料の価格(材料費)を除いた経費や利益等(非材料費)の部分で計算

    する方式によっても原産資格割合を計算することができます。これは、最終生産品に投じた

    原材料費以外の経費や利益等をその産品に対する付加価値と見なし、この付加価値が産品の

    価格(FOB価格又は取引価格)に対して品目別規則で定められた原産資格割合(例:40%)

    以上となっているかどうかを確認する方式です(以下の1.非材料費からのアプローチの例

    ①のケース)。

    万一、この付加価値部分のみでは原産資格割合(例:40%)を超えない場合、原産材料

    の価格を調べて原産資格割合を超えるまで追加して計算してください(以下の2.非材料費

    からのアプローチの例②のケース)。

    1.非材料費からのアプローチの例①

    FOB価格

    閾値 ( 40%以上の場合)

    材料費

    原産材料 非原産材料

    非材料費

    (FOB-材料費)/FOB>40%

    原産性有り

    FOB価格

    閾値 ( 40%以上の場合)

    材料費

    原産材料 非原産材料

    非材料費

    (FOB-材料費)/FOB>40%

    原産性有り

  • 22

    2.非材料費からのアプローチの例②

    この非材料費からのアプローチによれば、原材料の部分について原産材料か非原産材料か

    を細かく仕分けして確認する必要がありません。ただし、材料費、材料費以外の経費につい

    ての情報、原産性を確認した際に用いた計算過程や結果などは、原産品判定や発給申請の際

    に日本商工会議所に対してご提出いただく場合があります。また、相手国の税関当局からの

    原産性の確認要請があった場合には、経済産業省がこれらの情報について提出を求めたり実

    地に確認をしたりする必要がありますので、適切に保存しておいてください。

    <累積(Accumulation)>

    最終生産品の生産過程でEPAの締約相手国の原産品を材料として使用した場合、これを

    我が国の原産材料とみなして計算することができます。これを「累積(Accumulation)」

    と言います。

    → 付加価値基準において、累積を活用した場合には、56ページの判定依頼の際に

    「累積(ACU)」を選択します。

    <代替性のある産品および材料の取り扱い>

    在庨において、原産地は異なるものの、その特性においては全く同質の産品や原材料が混

    在して保管されるような場合、それらを物理的に区別して原産品であるかどうかを確認する

    のは極めて困難です。例えば、加工食品に用いられる小麦や機械類等の生産に用いられるボ

    ルト・ナットの類です。こうした産品や材料は見かけ上の区別がないため、協定上では「代

    替性のある産品または材料」と言います。

    このような代替性のある産品や材料の原産性を判断するためには、物理的に確認をするの

    ではなく、一般的に認められている会計原則に基づく在庨管理方式(例:先入れ先出し方式、

    後入れ先出し方式、平均方式)に従って決定することが認められています。

    → 原産品判定において、代替性のある産品や材料を用いた場合には、56ページの

    判定依頼の際に「代替性のある産品および材料(FGM)」を選択します。なお、

    日タイ協定および日アセアン協定では、発給される特定原産地証明書上に、「F

    GM」と記入されません。

    閾値 ( 40%以上の場合)

    FOB価格

    材料費

    非原産材料

    非材料費

    (FOB-材料費)/FOB=30%原産材料

    10%

    閾値 ( 40%以上の場合)

    FOB価格

    材料費

    非原産材料

    非材料費

    (FOB-材料費)/FOB=30%原産材料

    10%

  • 23

    <ロールアップ>

    ロールアップは、付加価値基準を計算する場合の救済規定です。最終生産品を生産する過

    程で原産材料である材料を使用した場合、たとえその材料を製造する過程で第三国から輸入

    された非原産材料を用いていたとしても、最終生産品についての原産資格割合を計算するに

    当たっては、その材料に含まれる非原産材料の価格は考慮しなくてもよく、その材料の価格

    全体を原産材料の価格として取り扱っても構いません。

    ロールアップの例

    <トレーシング>

    トレーシングは、日マレーシア協定、日インドネシア協定および日ブルネイ協定において

    のみ適用される付加価値基準を計算する場合の救済規定です。産品を生産する際に用いた原

    材料がたとえ非原産材料と判断された場合でも、その非原産材料の中に含まれる締約国の原

    産材料部分の価格については、その非原産材料の全体の価格から差し引くことができます。

    トレーシングの例

    A国(第三国)

    日 本

    部品C($300) 最終生産品

    ($1000)

    非原産材料

    部品A($200)

    部品D($100)

    原産材料

    非原産材料

    締約国へ輸出

    締 約 国

    部品E($350)

    非原産材料

    原 産 品

    $1000

    $1000 - $550最終生産品のQVC= ×100 = 45%

    ※部品Cに用いられた原産材料の部品B($100)は、非原産材料である部品Cの価格($300)から差し引くことができます。したがって、式の中の$550は、部品Cの価格のうち非原産材料部分($200)と部品Eの価格($350)の合計です。

    部品B($100)

    原産材料

    トレーシングが認められなければ、最終生産品のQVCは、

    $1000

    $1000 - $650×100 = 35%

    となり、原産品になりません。

    A国(第三国)

    日 本

    部品C($300) 最終生産品

    ($1000)

    非原産材料

    部品A($200)

    部品D($100)

    原産材料

    非原産材料

    締約国へ輸出

    締 約 国

    部品E($350)

    非原産材料

    原 産 品

    $1000

    $1000 - $550最終生産品のQVC= ×100 = 45%

    ※部品Cに用いられた原産材料の部品B($100)は、非原産材料である部品Cの価格($300)から差し引くことができます。したがって、式の中の$550は、部品Cの価格のうち非原産材料部分($200)と部品Eの価格($350)の合計です。

    部品B($100)

    原産材料

    トレーシングが認められなければ、最終生産品のQVCは、

    $1000

    $1000 - $650×100 = 35%

    となり、原産品になりません。

    A国(第三国)

    日 本

    実質的な変更

    部品B($300)

    最終生産品($1000)

    原産材料

    部品A($100)

    部品C($100)

    原産材料

    非原産材料

    締約国へ輸出

    締 約 国

    部品D($300)

    非原産材料

    原 産 品

    $1000

    $1000 - $300最終生産品のQVC= ×100 = 70%

    ※部品B(中間材料)に用いられた部品A(非原産材料)の価格は考慮しません。

    A国(第三国)

    日 本

    実質的な変更

    部品B($300)

    最終生産品($1000)

    原産材料

    部品A($100)

    部品C($100)

    原産材料

    非原産材料

    締約国へ輸出

    締 約 国

    部品D($300)

    非原産材料

    原 産 品

    $1000

    $1000 - $300最終生産品のQVC= ×100 = 70%

    ※部品B(中間材料)に用いられた部品A(非原産材料)の価格は考慮しません。

  • 24

    <VAルールに関する確認方法>

    VA ルールにより原産性を確認するためには、控除方式、積み上げ方式、非材料費からの

    アプローチのいずれかで原産資格割合を計算します。

    なお、産品や原材料に関する価格情報、非原産材料を輸入した場合にはその非原産材料に

    関する輸入時のインボイス、および原産性を確認した際に用いた計算過程や結果などは、原

    産品判定や発給申請の際に日本商工会議所に対してご提出いただく場合があります。

    また、輸入相手国での通関時に輸入国の税関当局からの原産性の確認要請があった場合に

    は、経済産業省がこれらの情報について提出を求めたり実地に確認をしたりする必要があり

    ますので、適切に保存しておいてください。

    VA ルールの確認方法(控除方式)自社で以下のような表を作成し、チェックする。

    ※日アセアン協定では、RVCと呼びます。

    仕向国 経済連携協定

    例:インドネシア 例:日インドネシア協定

    輸入者名 所在地

    HSコード(6桁) 品名(英語) 取引価格(円) 原産判定結果

    HSコード(6桁) 品名(英語) 原産・非原産の区別 取引価額 備考

    20000円◆◆商事、宣誓書

    原産材料 自社製品

    8471.30

    8542.21 Electronic integrated circuits (CPU) 非原産材料 ABC Co.(輸入)

    8471.70 ハードディスク 原産材料

    1.仕向国、利用することとなる経済連携協定

    2.輸入者情報:輸入者名、所在地

    3.原産品情報:原産品判定対象の産品のHSコード(6桁)、産品名(英語)、取引価額(円)

    4.原材料情報:HSコード(6桁)、品名(英語)、原産・非原産の区別、取引価額、備考(取引先名、確認書類、累積等)

    Portable digital automatic data processingmachine (personal computer)

    例:100000円 VAルール

    5.原産資格割合の計算

    30000円

    20000円

    30000円

    ◆◆商事、宣誓書

    8471.60 液晶画面 原産材料

    8542.21 半導体メモリー

    HSコードや品名(英語)についても確認の上、記入する。

    100000

    100000 - 30000最終生産品のQVC= ×100 = 70%

    仕向国 経済連携協定

    例:インドネシア 例:日インドネシア協定

    輸入者名 所在地

    HSコード(6桁) 品名(英語) 取引価格(円) 原産判定結果

    HSコード(6桁) 品名(英語) 原産・非原産の区別 取引価額 備考

    20000円◆◆商事、宣誓書

    原産材料 自社製品

    8471.30

    8542.21 Electronic integrated circuits (CPU) 非原産材料 ABC Co.(輸入)

    8471.70 ハードディスク 原産材料

    1.仕向国、利用することとなる経済連携協定

    2.輸入者情報:輸入者名、所在地

    3.原産品情報:原産品判定対象の産品のHSコード(6桁)、産品名(英語)、取引価額(円)

    4.原材料情報:HSコード(6桁)、品名(英語)、原産・非原産の区別、取引価額、備考(取引先名、確認書類、累積等)

    Portable digital automatic data processingmachine (personal computer)

    例:100000円 VAルール

    5.原産資格割合の計算

    30000円

    20000円

    30000円

    ◆◆商事、宣誓書

    8471.60 液晶画面 原産材料

    8542.21 半導体メモリー

    HSコードや品名(英語)についても確認の上、記入する。

    100000

    100000 - 30000最終生産品のQVC= ×100 = 70%

    100000

    100000 - 30000最終生産品のQVC= ×100 = 70%

  • 25

    ③加工工程基準(SP:Specific Process rule)

    主として繊維製品や一部化学品に対して用いられる基準であり、締約国内である特定の

    生産・加工工程が実施された場合、その産品に原産資格が付不するものです。なお、発給

    される特定原産地証明書上にも使用する材料・部品や、工程の内容を具体的に記述します。

    → 日アセアン協定では、品目別規則に定められた加工工程基準を満たす原産品を輸

    出する場合、56ページの判定依頼の際に「SP」を選択します。

    加工工程基準の例

    アパレル製品の原産地規則:『CC(2ケタ変更)、ただし、織物類からの変更の場合を除く。

    締約国において特定の形状に裁断され、かつ縫製されることを条件とする。』

    毛糸 ジャケット

    51.07 62.03

    A国(第三国) 締約国 日 本

    織物

    日本へ輸出

    51.12

    裁断・縫製

    ④付加価値基準 + 関税番号変更基準

    品目によっては、付加価値基準と関税番号変更基準の両方を満たす必要があるものもあ

    ります。(例:みりん)

    → 日アセアン協定では、付加価値基準と関税番号変更基準の両方を満たすHS番号

    2208.90に該当する原産品を輸出する場合、発給される原産地証明書に

    「CTH and RVC」と記載されます。

  • 26

    (D) 非原産材料を使用して締約国において完全に生産される産品(ただし、HSコ

    ード第61類から第63類を除く。)であって、その産品に使用される一又は二以

    上の非原産材料について、その産品が組み立てていないかまたは分解してある状態

    で輸入された場合であっても、HSコード上は組み立てられた産品として分類され

    るため、関税番号の変更が行われないもの。ただし、品目別規則(PSR)に別段

    の定めがある場合を除くほか、原産資格割合が控除方式で45%以上、または積み

    上げ方式で30%以上を満たすもの。

    → 輸出される産品がこのカテゴリー(D)に該当する場合には、56ページの判

    定依頼の際に「D」を選択します。

    ※この規定は日チリ協定のみに適用されます。

    輸入された非原産材料を用いて産品を生産する際に、特別な事情により関税番号変更基準

    を満たさない場合があります。日チリ協定では、HSコードの規則に従った場合、産品を組

    み立てていないかまたは分解してある状態、すなわち、部品のまま状態のHSコードが、組

    み立てられた状態、すなわち完成された産品の状態のHSコードと同一に分類されてしまい、

    関税番号変更基準を満たすことができない場合を特別な事情として考慮し、最終的に産品を

    生産する過程で定められた原産資格割合を満たす場合には、最終生産品を原産品とします。

    日チリ協定に定める原産資格割合とは、PSRに特別の定めがある場合のほか、控除方式

    を採用した場合には45%以上、積み上げ方式を採用した場合には30%以上です。

    カテゴリー(D)の例

    ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

    上述の作業(ステップ1~4)が、EPAに基づく特定原産地証明書の発給申請を行

    う前にご確認する必要がある事項です。発給申請の流れは34ページ以降を参照してく

    ださい。

    日 本

    魔法瓶の完成品魔法瓶の部分品A

    魔法瓶の部分品B

    原産材料

    非原産材料

    締約国へ輸出

    締 約 国

    原 産 品

    96.17

    96.17

    96.17関税番号変更が行われない。

    部分品Bの価格や魔法瓶の生産に投入したコストが大きく、最終的に日チリ協定に定める原産資格割合を超える場合には、魔法瓶が原産品となります。

    日 本

    魔法瓶の完成品魔法瓶の部分品A

    魔法瓶の部分品B

    原産材料

    非原産材料

    締約国へ輸出

    締 約 国

    原 産 品

    96.17

    96.17

    96.17関税番号変更が行われない。

    部分品Bの価格や魔法瓶の生産に投入したコストが大きく、最終的に日チリ協定に定める原産資格割合を超える場合には、魔法瓶が原産品となります。

  • 27

    <農林水産品に関する添付書類>

    農林水産品を輸出する場合には、次ページ以降に掲げる添付書類をその産品の生産者又は

    加工者から入手して、原産品判定を行う際の証拠書類の一つとして使用してください。なお、

    これらの書類は、原産品判定や発給申請の際に日本商工会議所に対してご提出いただく場合

    があります。

    また、相手国の税関当局からの原産性の確認要請があった場合には�