精密機器用除振・免震床の間発 - hitachi142 日立評論 vol.70 no.2(1988-2)...
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u.nc.534.833.る_る:る28.517.4
精密機器用除振・免震床の間発DevelopmentofEarthquakeandMicro-VibrationlsolationFloor
forPr¢CisonMechanicalEquipment
超LSIやレーザ応用製品などの製造設備は,生産性向上のために,清浄度とと
もに微振動の除去に努力が払われてきた。最近では,製品の微細化が進むにつ
れて,ますます高度な防・除振技術が要求されている。同時に,地震時の対策
も重要な課題となってきている。そこで,クリーンルーム内で使用される精密
機器を対象に振動吸収方法を種々検討し,多段積層ゴムを応用した,徴振動の
除去(除振)から地震動の吸収(免震)まで対応可能な床システムを開発した。そ
の性能を評価した結果,除振性能は一般的な空気ばね除振台よりも優れており,
また,免震性能はコイルばね・づアリング方式に比べ同等以上であることが分
かった。これによ†),微振動から強地震動までの振動吸収がほぼできるように
なった。
□ 緒 言
超LSI工場やレーザ応用製品などの精密製品を加工する工
場では,工場内設備からの微振動や近隣の交通機関などから
伝わってくる振動によって製品の歩留まF)は影響される。ま
た,ときおり発生する震度Ⅴ,ⅤⅠあるいはそれ以上の地震動
によって設備や製品が大きな損害を受けることが考えられる。
このような製造設備では,微振動から強地震動までのすべて
の外来振動を吸収する除振・免震対策が要求されている1),2)。
現状では比較的小さい振動については,空気ばね方式による
機器単体での除振,あるいはコンクリートの大形独立基礎と
の併用によって除振を行っている。しかし,これらの方法で
は,低周波の振動(10Hz以下)の除振が難しい,あるいはコス
トが高いという欠点がある。更に,地震などの大きな振動を
対象とする免震については十分な効果が期待できない。
最近,クリーンルーム内で使用する精密機器を対象とした,
より実用的な防・除振対策のニーズが高まってきたので,微
振動から強地震動まで3次元的に振動吸収が可能な除振・免
震床の開発に着手した。なお,性能の目標値として入力値を
÷以下に低減することを目安とした。本稿は,床の除振,免震
システムの基本構造及びその性能試験結果についてまとめた
ものである。
ヨ システムの基本構造
本システム恥4)の基本構造及び主要部材である多段積層ゴム
を図lに,その仕様を表1に示す。システムは微振動から地
震動までの振動吸収を可能にするため,主要部材として多段
積層ゴムとコイノ_レばね,ダンパから構成されている。水平方
鶴田 顕*
福井伊津志*
藤田隆史**
西山国雄***
竹下章治****
肋刀 7七〃γ〟由
J由帖ゐオ 凡々〟オ
7七々年血∽オ叫言ゎ
肋乃わ∧伝ぁかα榔
A々オ鮎川 7七々βSゐオ由
向の振動は多段積層ゴムと粘性せん断形ダンパ(水平ダンパ)
の組合せで,微振動から強地震動までの振動を連続的に吸
収する。鉛直方向の振動は浮床を2次元除振・免震床から
つっているコイルばねとオイルダンパ(鉛直ダンパ)の組合せ
で振動を吸収する。更に,このままでは浮床が浮いた状態で
横揺れが生じるため,浮床と隣接する支柱の部分にローラを
付けその揺れを防いでいる。また,ローラを通して浮床に支
柱から鉛直方向の微振動が伝わらないように,ローラが接す
る支柱に軟質ゴムシートをてん(貼)着した。このシステムの
最大の特徴は全体の質量を支え,かつ水平方向の振動を吸収
表l除娠・免震床仕様 搭載質量,大きさは任意に設計可能で
ある。
項 目 仕 様
m2当たりの搭載質量 -500kg
ユ ニ ッ ト 寸 法 幅l.8×長さ3.6×高さl.8(m)
固 有 振 動 数
徴物陰栃 …:::……芸…芸芸三
免
震〈7二三:≡…芸書芸≡;最 大 許 容 変 位
±0.2m(水平方向)
±0.05m(鉛直方向)
*
日立プラント建設株式会社松戸研究所 **東京大学生産技術研究所工学博士***
R立プラント建設株式会社空調冷熱事業本部
****株式会社日立建設設計建築本部建築設計部
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142 日立評論 VOL.70 No.2(1988-2)
する多段積層ゴムを採用した点にある。一般に,免震用の積
層ゴムは定格搭載質量下で0.5Hz程度の低い固有振動数とな
る水平剛性と,0.2m程度の水平吸収能力とを併せ持つことが
要求される。これまでに実剛ヒされた免震用の積層ゴム構造
では,定格搭載質量が3,000kg以下になると,水平剛性の条件
を満たすと形状が細長くなり,0.2m以下の水平変位で座屈し
て荷重支持ができなくなる。この不具合を解決したのが,今
回用いた多段積層ゴムである。多段積層ゴムは図1に示すよ
うに小形の積層ゴム(要素積層ゴム)を四隅に配置し,安定板
を介して多段に積み重ねた構造である。この多段に積み重ね
た結果,水平剛性の等しい通常の構造の積層ゴムに比べて,
変位吸収能力を相対的に大きくすることができる。本実験に
は定格質量が1,500kg用と3,000kg用の2種類の多段積層ゴ
ムを用いた。
B 3次元振動実験
3.1実験モデル
除振・免震床の実験モデルを図2に示す。本モデルは実規
模レベルで実際のクリーンルーム内に設置することを想定し
て設計したもので,床面は1.8mx3.6mの床はr)(梁)区画で
2区画(3.6mX3.6m)の面積を持ち,高さは1.8mである。片
方の区画は浮床のある3次元除振・免震床である。このモデ
ルでは,前述したように多段積層ゴムを合計6個使用した。
供試体の四隅の柱に用いた多段積層ゴム及び2本の中間の柱
に用いた多段積層ゴムは,共に要素積層ゴムを8段に積み重
ねた構造である。これら6個の多段積層ゴムが支持する総質
量は,定格質量1,200kgに対し9,550kgであり,この質量に対
する全体の国有振動数は水平に0.48Hz,鉛直に14Hzである。
また,水平用粘性せん断形ダンパは2個使用したが,これに
よる減衰は減衰比で設計値20%程度に対し,測定値は約18%
であった。浮床は14本のコイルばねでつられ,その質量は搭
丑さ讃こ田ご
一一■rl-〆--
図2 除振・免震床の実験モデル 写真の左側の部分が3次元除
振・免震床,右側の部分が2次元除振・免震床となっている。
載機器の質量も含めて3,640kgに設定した。そのときの鉛直固
有振動数は0.9Hz(定格荷重下で設計値0.8Hz)であった。た
だし,この値はローラが転がる振幅での固有振動数であり,
徴振動に対しては軟質ゴムシートの剛性が加わるため,鉛直
固有振動数は約2Hzとなった。また,浮床には4本のオイル
ダンパを使用したが,その減衰は減衰比で設計値20~40%に
対し,測定値は上向き側38%,下向き側17%であった。
3.2 実験方法
除振・免震性能評価実験は日立製作所機械研究所の20t3次
元振動台を用いて,微振動実験と正弦波加振及び地震波加振
実験を行った。微振動実験では,振動台を着座させ,地盤振
動と油圧ポンプの運転とによって生じる微振動を入力として,
実験モデルの床面の応答を測定した。正弦波加振実験では3
3次元除糎・免震床(浮床)
軟質ゴム
精密機器
ロー7
鉛 直ダンパ
2次元除振・免震床
、、\コイルばね
ーーーーノ し-------、′--・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ノ
多段積層ゴム 水平ダンパ
(a)システムの基本構造 (b)多段積層ゴム
図l除据・免震床の基本構造と多段積層ゴム 多段積層ゴム,コイルばねのはかに,鉛直ダンパ,水平方向に対する粘性せん断形ダンパ及
びローラと軟質ゴムを使い,除振,免震を可能にする。
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精密機器用除娠・免震床の開発143
JJ J】
J2 J2
〟1,Cl
仔2,C2
C3
〝2
m2
m3
∬2
卜
2次元
除娠・免震床
】。。ズl
l
l1
3次元
除娠・免震床
l
〟1,Cl
∬1,Cl
Zg
‡だ2,C2
____Z∬∬1,Cl
注:之エ X方向地震動入九Zy Y方向地震動入力
図3 水平応答の解析モデル モデルは×一Z平面内の回転がないと
いう実験結果から,Y-Z平面内についてだけ考える。
入力加速度
貰三≡幽遠遠王?0.00 0,50 1,00 1.50時間(s)宝喜・[..∴AX■=4`21×10‾3(m′s2'0■56`s)Ill‥l.l.‥11L‥.1山
1亘
1q>-
・匡†qN
・匡†で><
1亘
特>-
・匡+qN
窒芋照㌘習0,50 1.00 1,50時間(s)
皇喜「._MAX・=4・12×10‾3(m′s2'1■14`s'.lしハーハ.. L.血l山山.
石さL二■■\ ⊂⊃
王10・00
三≡巨〉10.00
三≡包〉?0.00
……E
0.50 1,00
時 間(s)
1.50
入力絶対変位
MAX.=3.34×10-7(m)1.75(s)
0.50 1,00 1.50
時 間(s)
MAX.=2.10×10‾7(m)0.74(s)
0.50 1.00 1.50
時 間(s)
MAX.=9.02×10-8(m)1.27(s)
0.50 1.00 1.50
時 間(s)
2.00
2.00
2.00
一勺.N℃
2∬7
L斤”几
ハし
g10
Cll
斤9
〃
Z
・土T
2
一
汗ClO 打9
c=方
(し
けÅ
ん11
m2
iZ3
¢2Zl
Cll
ClO
〟4,J2
e2
2C8 J3 J3 2∬8 2C9 2∬7 2C8
Jl Jl
注:ZぴZ方向地震動入力 ト図4 鉛直応答の解析モデル モデルは床全体を一つの剛体とみな
し,×方向の並進(礼 Y方向の並進(y),水平面内の回転(¢)の3自由
度が考慮されている。
……ヒ…≡巨三?0.00
……巨三10・00
(a)入力加速度と応答加速度の波形例
2.00
2.00
2.00
ト[0・。。
卜
mOd
の〇.〇-
N〇.〇
TO「×
(∈)
TOLX
(B+
王?0.00
岳喜入
床の応答加速度
MAX.=7.49×10-4(m/s2)1.68(s)
0.50 1.00 1.50
時 間(s)
MAX.=1,31×10‾3(m/s2)0.63(s)
0.50 1.00 1.50
時 間(s)
MAX.=8.92×10-4(m/s2)1.23(s)
0.50 1.00 1.50
時 間(s)
応答絶対変位
MAX.=1,07×10-7(m)0.98(s)
0,50 1.00 1,50
時 間(s)
MAX.=7.02×10‾8(m)0.23(s)
0.50 1.00 1.50
時 間(s)
MAX,=1,74×10‾7(m)0.07(s)
三等甜「訂工芯0.50 1,00 1.50時 間(s)
2.00
2.00
2.00
2.00
2.(二0
2.00
(b)入力絶対変位と応答絶対変位の波形例
図5 微振動除振性能(入力絶対変位と応答絶対変位の波形例) 鉛直方向での増幅は,浮床の微振動に対する減衰が小さいため,固有振動
数(2Hz)での振動が励起されたことによる。
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144 日立評論 〉0+.78 No.2(I988-2)
次元各々の単独方向で加振し,地震波加振実験では3次元同
時加振を行った。この地震波には,実地震の地動波とそれら
から作成した床応答模擬波を用いた。
田 解析モデル
本システムの地震動入力に対する挙動を解析するため,各
要素を解析モデル化した。まず,水平入力による水平面内の
運動と鉛直入力による鉛直面内の運動とを独立に考え,解析
は水平方向解析モデルと鉛直方向解析モデルの二つに分けて
行った。なお,微振動用の解析モデルは装置各部のモデル要
素が複雑すぎるため,省略した。水平方向解析モデルを図3
に,鉛直方向解析モデルを図4に示す。水平方向の振動は床
全体を一つの剛体とみなし,Ⅹ方向の並進,Y方向の並進,水
平面内の回転の3自由度を考えた。鉛直方向の運動は,Ⅹ-Z平
面内の回転がか-という実験結果からY-Z平面内についてだ
け考えた。モデルは床全体を2次元除振・免震床と3次元除
振・免震床の二つの剛体に分け,2次元除振・免震床のZ方向
の並進,その鉛直平面内の回転の4自由度を考えている。搭
載機器の挙動については,床全体の応答を求めた後に,床各
部の加速度を入力して,各方向について非達成の1自由度応
答解析を行った。各運動方程式の数値計算はルンゲークッタ
法によって行い,計算の時間刻みは志不少とした。
b 実験及び解析結果とその検討
5.1微振動除振性能
微振動実験で測定された除振性能結果の入力加速度と応答
加速度の波形例を図5(a)に,入力絶対変位と応答絶対変位の
波形例を同図(b)に示す。ただし,入力は振動台上で,水平応
答は2次元除振・免震床上で,鉛直応答は3次元除振・免震
床(浮床)上で測定した。加速度については10-3m/s2オーダの
最大加速度を持つ微振動が,水平方向で約÷~÷に,鉛直方
向では約÷~÷に低減しており,良好な除振効果が得られて
02
0
∈N.〇rX
単
軸
002
50
いる。一方,同図(b)の変位についてみると,10-7mオーダの最
大変位を持つ微振動が,水平方向には÷程度に低減している。しかし,鉛直方向には2倍程度に増幅している。この鉛直方
向の増幅は,浮床の微振動に対する減衰が小さいため,固有
振動数(2Hz)での振動が励起されたことによるものと考える。
このような,低い周波数での変位の増幅は,その固有振動数
が十分に小さい限り(この場合の2Hzの固有振動数は空気ば
ね式除振台のそれと同程度のものである。)問題となることは
ないと考えられる。水平方向の応答波形のスペクトル解析結
果から,本除振・免震床は,微振動に対しても,水平に約0.5
Hzの固有振動数を持つことが明らかになっており,この水平
固有振動数は空気ばね除振台のそれと比べてはるかに低い値
である。また,水平方向の粘性せん断形ダンパは,同図(b)の
結果から明らかなように,微振動に対しても有効であること
が確認された。以上の結果から,本システムは,水平方向で
約0・5~0・6Hzの固有振動数,鉛直方向で2Hzの固有振動数
を持っていることが分かった。本性能は,従来の空気ばね式
除振台と比較して,鉛直方向ではほぼ同等であるが,水平方
向には優れたものであることが分かった。
5.2 免震性能
地震波としてエルセントロ波,八戸波,東北大学彼の3種
類を用いた加振実験結果と,解析モデルによる計算結果とを
図6に示す。地震波はいずれも建屋による増幅を考慮した床
応答模擬波である。同図の下段は加速度であり,左から入力
加速度,非免震時と免震時の応答加速度及び解析モデルの計
算応答加速度を,上段は変位量の測定値と計算値を示す。
なお,非免震時の応答加速度の測定は,実験の安全性を考
慮して,入力加速度を小さくして行い,測定値を線形補正(約
2倍)して求めたものである。応答加速度は地震入力加速度に
対して水平方向で約÷~古,鉛直方向で約ナ~ナに低減されている。また,応答加速度は免震していない状態に比べ,
水平方向で約÷一志に,鉛直方向で約ナ~古に低減されて
什010.8
4.43.4
5.44.1
ハ0060
4=8
2.32.34.5 4.3 3.5 3.1
1
689
,47
∴よ
0
10781
1
404
,14
∴く
0
10688
1
316
,500
7371
1
502
,02
ヾ\
、く、
∴:
0
5351
570
437こミ
6650
395
167/拙09
947
52什
126124
772
552ぎー
j濃盈
701
312:†48175
南 北 東 西 鉛 直 南 北 東 西 鉛 直 南 北 東 西 鉛 直
エルセント口演 八 戸 波 東北大学波
000
N∽\∈N.〇「×
軸確⊂市
図6 免震性能(床応答模擬浪人力の場合) 良好な免震効果が得られている。
床応答模擬波
×,Y3Hz-3% フィルタ
Z地動浪
注:
[二二二ニコ入力
非免震状態
免震状態(実験値)
免震状態(計算値)
-
実験結果
世確⊂や六く
0〇.ト
0〇.ト
(N∽\∈)
○の.r
Oの.「-
(N∽\∈)
世増長純増G世
せ拒×
(∈)
単軸G世
世機長只Y
の
q⊂⊃
0〇
⊂〉
d
0∩)0 8.00 16.00 24.00 32.00 40.00
時 間(s)
MAX.=6.89(m/s2)2,75(s)
0∩)0 8.00 16.00 24.00 32.00 40.00
時 間(s)
MAX,=1.07(m/s2)5,84(s)
10.00
○爪.寸
○の
(N∽\∈)
8.00 16.00 24.00 32.00
時 間(s)
MAX.=8.35×10‾2(m)5.86(s)
40.00
0(UO寸-
○の.「
○の.「-
(N∽\∈)
軸確岸純増G世
世特>
単軸G世
00
q⊂)
(コ:〉
q⊂)
8.00 16.00 24.00 32.00 40.00
時 間(s)
MAX.=4.04(m/s2)9.13(s)
0∩)0 8.00 16.00 24.00 32.00 40.00
時 間(s)
MAX.=1.06(m/s2)3.75(s)
10.00
○の.の
○呵M
(N∽\∈)
世職長尺Y
世糊口下軸哩G世
世拇N
8.00 16.00 24.00 32,00
時 間(s)
MAX.=7.69×10‾2(m)4.56(s)
40.00
0β0
0
のト.〇
の卜d-
り〇.〇
(Nの\∈)
TO;ハ
16.00 24.00 32.00 40.00
時 間(s)
MAX.=3.16(m/s2)0.92(s)
00 8.00 16,00 24.00 32.00 40.00
時 間(s)
MAX.=7.27×10‾1(m/s2)0.91(s)
16.00 24,00 32.00 40.00
時 間(s)
MAX.=5.55×10▲3(m)2.81(s)
図7 エルセントロ床応答模擬波の実験と解析による応答波形の比較
(N∽\∈)
(/〕
\
∈
の、・■・■、
∈
∽
\
∈
∽
\
巨
⊂)
q「ヽ、
⊂⊃
の
⊂)
の
精密機器用除振・免震床の開発145
計算結果
8.00 16.00 24,00 32.00
時 間(s)
MAX.=6.89(m/s2)2.75(s)
40.00
10.00
00
q⊂)
⊂0⊂〉
8.00 16.00 24.00 32.00
時 間(s)
MAX.=8.12×10‾l(m/s2)5.75(s)
40.00
?0.00
⊂〕の
寸
⊂)
の
⊂)
の
8.00 16.00 24.00 32.00
時 間(s)
MAX.=7.14×10‾2(m)5.82(s)
40.00
臥00 16.00 24.00 32.00
時 間(s)
MAX.=4.04(m/s2)9.13(s)
40.00
10.00
CO
q⊂)
の
⊂)
8.00 16.00 24.00 32.00
時 間(s)
MAX.=8,76×10‾1(m/s2)4.50(s)
40.00
⊂)
10.00 8.00
⊂)
の
の
⊂)
の
16.00 24.00 32.00
時 間(s)
MAX,=7.26×10‾2(m)4.56(s)
40.00
M
10.00
の
卜:
⊂〉
の
「、
8,00 16.00 24.00 32.00
時 間(s)
MAX.=3,16(m/s2)0.92(s)
⊂)
=).00 8.00
一 CO
l O
⊂)d
X
-‾■、(:X)
∈ ⊂)
16.00 24.00 32.00
時 間(s)
MAX.=7.08×10‾l(m/s2)1.74(s)
⊂〉
18.00 8,00 16.00 24.00 32.00
時 間(s)
MAX.=6.09×10‾3(m)0,60(s)
エルセントロ波(床応答模擬浪)水平 3Hz-3% フィルタ
鉛直 他動浪
実験と解析による応答波形は,良好な一致を示Lている。
-
146 日立評論 VOL.70 No.2(1988-Z)
表2 各種除娠・免震装置,システムの仕様 各種仕様に応じて最適な装置,システムを選択する。
式 造 対象‡辰動l司有振動数*
水 平 鉛 直
標準寸;去
搭載質量
免震床
精密機器
除振
(徴振動)0.4Hz 2Hz
3次元除娠・免震方式 ローフ
グンパー
金属ばね
ダンパ
多段
積層ゴム
免震 0.4Hz 0.8Hz
1.8mX3.6nl
、500kg/m2
多段積層ゴムダン/て
水平免震方式
水平除・振・免震方式
除娠
(微振動)
0.4 ~
1.4Hz
免震0.4~
1.4Hz
1.8mXl.8m
~500kg/m2
積層ゴムダン/( 除・振
(微振動)1~5Hz 5Hz㌧
簡易3次元除娠・免震方式
免震 1Hz
3.6mX3.6m
~500kg/m2
積層ゴム 空気ばね ダンパ
3三欠元除振方式 除娠
(徴振動)
0.5~5Hz 0.5~5Hz0.9mXl.8rn
う00、1,000kg
注:* 固有振動数は,定格質量下での値である。
いる。本結果から,水平,鉛直ともに免震効果は非常に大き
いことが分かる。
図7は,エルセントロ披・床応答模擬波入力の場合の応答
波形について,実験値と解析モデルの計算値を比較したもの
であるが,両者はよく一致している。この結果,本解析モデ
ルは設計に十分適用できる。
田 本システムの応用例
これまでに,微振動から強地震動までの振動を連続的かつ
3次元的に吸収可能なシステムの開発結果について述べた。
しかし,実際の要求は多種にわたr),コスト,耐久性などを
加味した最適な装置や床システムを要求に応じて提供する必
要がある。そこで日立プラント建設株式会社,株式会社日立
建設設計では開発した除振・免震床をベースに,機器レベル
あるいは床レベルでの(1)微振動除振,(2)免震,(3)微振動除
振・免震併用の種々の要利こ応じた装置,床システムを開発
した。表2は,これら開発した種々の除振・免震装置,床シ
ステムの仕様を示すもので,既に一部は実設備に適用し,効
果を発揮している。
8 結 言
今回開発した除振・免震床によって,微振動から強地震動
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までの振動(加速度のオーダでは10▼3~100m/s2,変位のオー
ダでは10【7-10】1mの振動)に対して有効な振動吸収技術を実
現することができた。既に,本システムを応用したタイ70が
実際のクリーンルーム内に設置され,微振動除振台として実
用化されている。しかし,この除振・免震床は他に類をみな
い新しいものであるため,今後改良すべき点も多〈,現在,
よりいっそうの性能向上を目指して研究開発を行っている。
最後に,この開発に当たり御指導,御協力をいただいた日立
製作所機械研究所の笠井洋昭工学博士をはじめ関係各位に対
して,心からお礼を申し上げる。
参考文献
1)藤田:超LSI工場の振動問題一徹振動防振技術と免震技術¶,
日本機械学会誌,89,809,99~104(昭6ト4)
2)藤田:免震技術の現状と将来,日本機械学会論文集,51,461,
1~7(昭60-1)
3)ValterDjordjevic:TestingSensitive Process Equipment
to Determine Reliable Clean Room Vibration Criteria:
SolidStateTechnology/December(1986)
4)藤田:多段積層ゴムを用いた三次元免震・除振床の開発,第7
回目本地震工学シンポジウム論文集(昭和61-12)