深層学習を用いた建設・鉱山機械における 生産性・...
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深層学習を用いた建設・鉱山機械における 生産性・安全性向上への取組み ~深層学習の実世界応用に向けて~
コマツ ICT開発センタ 濵田真太郎
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弊社(コマツ)について
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ダンプトラック
ホイール式油圧ショベル クローラー式油圧ショベル
モーターグレーダー ブルドーザー
コマツの主要商品 建設機械
ホイールローダー
比較的固く締まった土砂を掘るのに適した機械で、 配管工事や都市型土木工事で使用される。
工事に使う砂利・砂をダンプトラックに積んだり、 バケットに入れて移動したりする作業に使用する。
砕石、土砂を掘削すると同時に 運搬する機械で、敷きならしや 整地作業にも使用する。
道路の基礎となる路盤を削って 敷きならしや冬場の除雪作業 に使用する。
建設現場で掘削された土砂や、 砕石場/鉱山の表土・原石を運搬する。
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油圧ショベル PC8000
ブルドーザー D575A
ダンプトラック 960E
コマツの主要商品 鉱山機械
ホイールローダー WA1200
最大積載量 369 ton
最高速度 60.7 km/h
全長 15.7 m
全幅 10 m
全高 8 m
重量 152 ton
ブレード容量 96 m3
全長 11.7 m
全幅 7.4 m
全高 4.9 m
重量 720 ton
バケット容量 42 m3
重量 216 ton
バケット容量 20 m3
全長 18.3 m
全幅 6.6 m
全高 7 m
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建設業界を取り巻く環境
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216
350
150
200
250
300
350
400
450
500
2000 2010 2014 2020 2025
単位:万人
建設業界を取り巻く環境
建設技能労働者数の推移と推計
2025年には 約130万人の需給ギャップ
必要労働者数 (推計)
労働者数
労働者数 (推計)
<参照> 総務省 「労働力調査」 一般社団法人日本建設業連合会「再生と進化に向けて~建設業の長期ビジョン~」
約130万人
労働力不足が深刻な問題となる (2025年には技能労働者の4割が離職)
課題解決方法は、労働生産性向上
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7 建設業界を取り巻く環境
建設業は依然として他産業よりも労働時間が長く、 2016年は全産業平均に比べて
約300時間の長時間労働となっている。
建設業ハンドブック2017(一般社団法人日本建設業連合会)より
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8 建設業界を取り巻く環境
全産業の3割以上を占める労働死亡者数。 建設生産は屋外作業、高所作業等を伴うため、労働災害が他産業に比べ多い。
建設業ハンドブック2017(一般社団法人日本建設業連合会)より
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ICT化に向けた取組み
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(Komatsu Machine Tracking System) コムトラックス ⇒ 車両遠隔監視・管理システム ※各車両の位置情報・稼動状況・燃料消費状況等の管理が可能
建設機械車両管理システム
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GPS衛星
KOMTRAX端末
【通信モデム】 車両内 CAN
センサ
センサ
センサ
センサ
センサ
センサ
センサ
センサ
センサ
センサ
GPS アンテナ
通信 アンテナ 建設機械
操作
・
設定
エンジン コントローラ
ポンプ コントローラ
オペレータ モニタ
通信衛星回線 または
携帯電話回線
通信サーバ データベース サーバ
圧力
温度
燃費
温度
ゲージ
レベル
圧力
温度
レバー
操作
・・・ 顧 客 代理店/コマツ
アプリケーションサーバ Webサーバ
インターネット
コマツ (現法・工場) ・・・
分析サーハ BI ツール゙
車両にはポンプコントローラやエンジンコントローラと言った各種コントローラを内蔵。 車両情報をKOMTRAX端末に取り込み、通信衛星/携帯電話回線を経由してデータサーバに収集する。
建設機械車両管理システム
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世界中の車両の位置、稼働状況、故障の有無などの 情報を把握し、蓄積 ・お客様に燃費低減法やメンテナンス時期の情報提供 ・各地域での使われ方を知ることで商品開発に反映
KOMTRAXが装着・登録されている車両数は 全世界合計で40万台以上
建設機械車両管理システム
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13 ICT建機(ICTショベル)
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14 ICT建機(ICTブルドーザ)
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15 ICT建機を使った施工
経験年数が浅い新人オペレータでも ほぼ1日でご覧のような仕上がりで施工を完成することが可能。
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現場に関わるすべてのものをICTで有機的につなぎ、 安全で生産性の高いスマートな「未来の現場」を創造していくソリューション
防潮堤工事 造成工事
道路工事 河川工事
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深層学習応用に向けた取組み
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18 深層学習応用に向けて
各種課題解決に向け、深層学習の応用可能範囲は非常に広い →現在取り組んでいる一部を本日ご紹介致します。
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19 お客様の生産性向上に向けて
お客様の生産性を上げる=現場のボトルネックを解消する
ショベル(積込) ダンプトラック(運搬)
ショベルの動きをもっと詳細に 見える化できないか?
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20 深層学習応用事例
各種センサ情報 (CANより取得)
ショベルの動きを時系列に分類 (ショベル作業の見える化) 深層学習
現行
ショベル
単位作業の時系列ヒートマップ出力例
要素作業の時系列ヒートマップ出力例
深層学習によりショベルの動きを詳細に見える化し、 現場のボトルネックを把握する
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21 入力データについて
各種センサ情報 (CANより取得)
ショベルの動きを時系列に分類 (ショベル作業の見える化) 深層学習
現行
ショベル
単位作業の時系列ヒートマップ出力例
要素作業の時系列ヒートマップ出力例
深層学習によりショベルの動きを詳細に見える化し、 現場のボトルネックを把握する
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1)油圧ショベルの操作方法
作業機角の図示
作業機の操作 ブーム
下げ
アーム アーム バケット バケット
伸ばし 曲げ 掘削 開放
ブーム
上げ左旋回
右旋回
○ ○
バケット
アーム
ブーム
上げ
下げ
曲げ 伸ばし
開放 掘削
右旋回 左旋回
作業機の動き
2)各種センサ情報(油圧ショベルの既存センサを利用)
バケット角
アーム角 ブーム角
ブームシリンダ圧
PPC圧
PPC圧: 作業機レバー圧 (作業機をコントロールするためのレバーにかかる元圧)
入力データについて
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23 出力(推論)データについて
各種センサ情報 (CANより取得)
ショベルの動きを時系列に分類 (ショベル作業の見える化) 深層学習
現行
ショベル
単位作業の時系列ヒートマップ出力例
要素作業の時系列ヒートマップ出力例
深層学習によりショベルの動きを詳細に見える化し、 現場のボトルネックを把握する
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24 出力(推論)データについて
単位作業と要素作業
掘削
積荷旋回
排土待ち
排土
空荷旋回
荷台押さえ
掘削積込
土砂等を掘り、その土砂等を トラックの荷台に積み込む作業
掘削積込における要素作業例
単位作業
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25 出力(推論)データについて
掘削積込 法面整形
鋤取り 溝掘削
単位作業の種類(例)
土砂等を掘り、その土砂等を トラックの荷台に積み込む作業
法面(斜面)を作る作業
溝を掘る、または削り取る作業 地面の余分な起伏を所定の高さに 削り取る作業
油圧ショベルの要素作業は単位作業毎に異なる Copyright㈱小松製作所2018
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26 出力(推論)結果例
積込作業
ダンプ不在時の段取り作業
積込作業 積込作業
休車 休車 休車
単位作業
要素作業
排土待ち/荷台押さえの回数から ダンプ台数のカウントが可能
排土回数からダンプ1台あたり の積込回数のカウントが可能
約30分を拡大
推論結果によりショベル稼動の様々な情報が得られる
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27 目的(推論結果の用途)
掘削積込における、1日の作業内訳の統計と概観
• 主作業と付帯作業の比率 • 稼働率の把握
• 主作業と付帯作業が行われた時間帯の把握 • 停車・休車時間帯の把握
主作業 付帯作業 未稼働
ショベル稼動集計 ショベル稼動時系列ヒートマップ
ダンプトラック動態管理
凡例:
ボトルネックはダンプワークかショベルワークか?
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28 目的(推論結果の用途)
サイクルタイム分析
排土待ち(ダンプ待ち)時間が長く、 結果サイクルタイム全体が長くなっている。
積み込み回数が多いことから、バケット満載率が低い(荷こぼれ等)可能性がある。
積み込み回数分析
ダンプワーク
ショベルワーク
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29 システム実現による効果
• ショベルの作業解析コンテンツにより、ショベルの日々の作業内容・作業効率(ショベルの“コト”)が 見える化できる。
• TRUCK VISION(動態管理・ペイロード)とデータ連携することで、「現場全体の見える化」が進み、現場作業の効率化に有効。
• また、ショベルオペレータ毎の技量が見える化されるため、熟練オペのノウハウの蓄積や、 若手オペの教育・指導にも活用可能。
ダンプ配置の最適化
ショベル配置(オペ配置)の最適化
熟練オペのノウハウの蓄積
若手オペの教育・指導
ダンプの位置情報を踏まえた ショベルの段取りの最適化
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30 深層学習を通じた建設機械の進化
深層学習を通して機械を高度化・知能化する。 ⇒ 生産性と安全性の向上を通して「未来の現場」を創造する。
周囲監視/地形認識 ・障害物の認識 (人、車両、建物、etc.) ・現況地形の認識
施工計画 ・現況地形の認識 ・最適な施工手順の作成
車体制御 ・作業機の自動制御 ・走行/旋回の自動制御
姿勢/位置認識 ・車体の位置と姿勢の認識 ・作業機の位置と姿勢認識
建設機械の進化
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ご清聴ありがとうございました。
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