基礎材料組織学 第 1回 ・授業ガイダンス...
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基礎材料組織学 第 1 回
今回: ・授業ガイダンス
・単位・単位系について
「基礎材料組織学」第 1回
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1.1 本講義に関する注意点
●特定の教科書は使用しない(図表入り配布プリント+スクリーンを用いた説明)
・スクリーン上の記述および説明に集中し,漏らさず配布プリントの空白欄に書き写すこと.
・間に合わなかった場合:講義後,web でアップロードされる「講義ファイル」より補完しておく.
→ 大木研究室 HP(http://mohki.eng.niigata-u.ac.jp/)の“授業関連”のページ
→ web ファイル(pdf 形式)は「印刷不可」の設定になっているので注意
・定期試験時,「自分で記入済みの配布プリント+自分で調べた資料」は持込可.
→ 「他者のプリントのコピー」は不許可
・他者に迷惑をかけない程度の飲食(ガム等)は構わない(他講義では通常禁止).
●授業進行
0-10min:小テスト(前回分内容の復習,ノート持込不可)
10-85min:講義(例題 2 問程度)
85-90min:ミニッツペーパー(その回の講義内容に関する意見・感想・質問の記入)
→ 毎回必ず関数電卓を持参すること(スマホの電卓アプリは不可).
・講義後:復習・予習(みんなの意見・感想,小テスト解答,参考問題も web で公開).
→ 本講義で web を有効活用しない受講者は例年,ほぼ単位を取れない.
●成績評価について
・小テスト 4 割,レポート 1 割,定期試験 5 割 ⇔小テストの比重が高い
●座席について
・長机の両端のみに着席(間を空ける)
・列の最後尾:小テストの回収を行う←不正行為対策(解答のみ前にまわしても受理しない)
●出席について
・小テスト+ミニッツペーパーの両方が揃っている者をその回の出席者とする.
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・「原則として 2/3 以上の出席がないと定期試験の受験を許可しない」[シラバス参照]
⇔6 回欠席するとアウト
1.2 授業予定
6/14,第一回:授業ガイダンス,単位・単位系について
6/18,第二回:有効数字の原則と計算,応力の定義
6/21,第三回:ひずみの定義,弾性変形と塑性変形,変形のメカニズムと理想変形強度
6/25,第四回:金属の結晶構造,格子欠陥,転位とは
6/28,第五回:転位の運動と特徴,パイエルス応力
7/2,第六回:金属材料の強化機構,加工硬化とベイリー・ハーシュの関係,すべり系
7/2,第七回:ミラー指数,ミラー指数の一括表示,分解せん断応力
7/9,第八回:結晶粒微細化の概要,ホール・ペッチの関係,純金属の凝固
7/12,第九回:平衡状態図の概要,1成分系と相律,2成分系
7/16,第十回:固溶体の概要,全率固溶型平衡状態図
冒頭にレポート課題提示(期末試験終了時に提出)
7/19,第十一回:てこの関係,共晶型平衡状態図(Ⅰ)
7/23,第十二回:共晶型平衡状態図(Ⅱ),固溶強化,析出強化
7/26,第十三回:鉄鋼材料の概要,純鉄の変態と結晶構造,鋼の平衡状態図と組織
7/30,第十四回:共析変態,マルテンサイト変態
8/2(定期試験期間),第十五回:鋼の熱処理,炭素量と機械的特性,表面硬化処理
(8/5:定期試験)
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1.3 「機能材料組織学」とは?
●「材料評価学(3年 1期)」「機能性材料評価学特論(大学院)」との関連
「機能材料組織学」:
「材料評価学」:
「機能性材料評価学特論」:
●「材料組織学・材料学」と「材料力学」の捉え方
問い:自動車を高性能化するにはどんな方法があるか?
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1.4 単位・単位系について
・単位系:基本単位や,基本単位を組み合わせた単位(組立単位)をまとめた約束事.
●
●SI単位系:
・基本単位:
・組立単位:
●重力(工学)単位系:
・基本単位:
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・ 例題:工学単位系における 1 kgf / mm2 を,SI 単位系で表わせ.
学籍番号: 氏名: 提出日:
第 1 回講義に関する意見・感想・質問
・理解が困難だった箇所に関して ・その他,授業全般に関して
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1.5 第 1 回講義に関する意見・感想・質問のまとめ
●意見・感想
・理解が困難だったところは特にない,慣れている単位の話だったので分かりやすかった,SI 単位系は理解
できた,ゆっくりと説明してくれて分かりやすかった,丁寧な説明で分かりやすかった,SI 単位系について
の理解が少し深まった,SI 単位系だけでなく重力単位系があるということが分かった,考え方の手順が分
かりやすい講義だと思った,いろいろな工学単位系を SI 単位系で表せるようにする,重力単位系につい
て理解できた,SI 単位系で組立単位と基本単位をどのように使い分ければいいか今まで分からなかった
が今回で理解できた,SI 単位系の復習が出来て良かった:21
・最近車に興味を持ち始めて今日のディスカッションは面白かった,高性能化について周りの人はいろいろ
な意見があり自分では思いつかなかった,ボディを軽くすることを言うか言うまいかぐずぐずしていたら言
われてしまった,今の自分では少ししか思い浮かべることができなかったがこの講義を通してより多くの
答えが見つかるよう多方向から考えることが出来るようになりたい,車体についての討論が面白かった,
自動車の性能を上げるだけでも様々な方向からのアプローチがあることが分かった,自分はたまに車に
乗る程度で全く知識がなかったが興味深く聞くことができた,車の知識自体が乏しかったため問題が困難
だった:11←毎年やっていますが,本当に色々な意見が出るので聞いててこちらも楽しいです.
・SI 単位系で表すということに初めは戸惑ったが例題をやりながら理解できた,単位の計算を正確にするに
は慣れが必要と感じた,単位変換でミスすることが個人的に多いので注意する:5←単位の計算は確かに
少し慣れが必要ですね.
・授業の進行や評価方法が分かった,材料学がどういうものか再確認できた,この分野の授業について説
明された,材料組織学と材料力学の違いを車を通して考えられた:6
・今回の内容はとても勉強になった,材料プログラムになったからにはこの講義をしっかり学んで今後につ
なげたい,講義をしっかりと受け理解を深めたい,単位はいろいろな分野の基礎になるのでしっかり理解
する:4
・ただスライドを見る講義より同じスピードで板書できるのでやりやすい,授業形態は自分に合ったものと感
じた,学生に意見を出すようにする形式はとても良い,スクリーンも見やすかった:5
・SI 単位に基本単位と組立単位があることが分かった:2←高校では習わないでしょうか?少し驚きです.
・kgf は初めて知った,1kgf=9.0665N は初めて見た:2
・「応力」について今まで何となく聞いたことがあったが今日知れて良かった,応力という言葉を初めて聞い
た:2
・以下一人ずつ
「最適重量理論」という軽ければ良いものではないという考え方がある←これは私の勉強不足でした,調
べてみます.
高齢者が乗ったとき事故を減らせるような車があるといい←昨今の状況からすると本当にそう思います
ね・・・
kg 重は参考書等で見たことがあり意味が分からなかったが今日の講義で理解した←良かったです.
もう少し授業の進むスピードが速くてもいい←今日は初回ですので.
今年は落とさない←頑張ってください!
●質問
・この授業を受けるにあたってあった方が良い予備知識などはあるか?←特にないです.
・kg 単位はよく生活の中で見るが kgf はあまり見ない,どのような場合で使用されるのか?(他 2名)←日常
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生活で言えば,我々が体重計を用いて測っているのは「体の重さ」ですので重量であり,ですから正確に
は「体重 50kgf」と書かなくてはいけません.でも通常は「体重 50kg」と書きますよね?それは地球上では
「重量 50kgf」=「質量 50kg」であるので,無意識に重量→質量の置き換えを行ってしまっている,というこ
とに他なりません.
・授業予定では 8/5 が定期試験だったが 8/6 では?←ご指摘の通り,書き間違いです.修正しておきました.
・授業予定で第 6 回と第 7 回が同じ 7/2 にあるが何限に入るのか?←これも書き間違いで,正しくは「7/5」で
す.
・講義内容が web で公開されるのは何日後か?←可能な限り当日中に公開します.
・発言点は何点ぐらいで,全体の何割を占めるのか?←発言点は,毎回の小テスト(10 点満点)に 5 点プラ
スします(1 回の授業につき一人 1 回までカウント).
・kgf と kgw の違いは?←この二つは表記が異なるだけで意味は同じです.
・プリントの書き方に従うと,例題の「SI 単位系で表せ」は基本単位でも組立単位でも良さそう?←いえ,何
回も言いますが「基本単位のみで表せ」と指定されない限りはしないでください.
・例題について,mm2 を(mm)2 と書かなくていいのか?←「接頭辞は常に累乗に優先する」という原則があり
ますので,括弧を付けなくともこれは「平方ミリメートル」と解釈します.
・「微細組織的特徴」と「巨視的強度特徴」が正直具体的に分からなかった←前者は「材料がどのような微視
的組織を持っているか」ということで,後者は「材料がどのような強度特性を示すか」ということです.
・材料改良と構造改良の具体的な違いがよく分からなかった←前者は「素材自体をより軽量もしくはより強
い材料に改良・交換すること」であるのに対して,後者は「素材はそのままでも,部品の形状を工夫するこ
とでより大きい力に耐えられるようにする」ということです.例えば,下の左右の部品において重さが同じ
(素材&体積が同じ)だとして,左の形状より右の形状の方がより大きな力に耐えることができます.
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参考問題
Q.1 「109」「106」「10-3」「10-6」を表す接頭語の表記および読みを答えよ.
[表記と読みともに○で各 1点]
Q.2 SI単位系における圧力単位の固有名称,および SI基本単位による表記を示せ.
[固有名称:1点,SI基本単位による表記:2点]
Q.3 1.34 kgf/mm2を SI単位系に換算せよ(有効数字を考慮して).[3点]