磁歪材料を用いた 振動発電技術の実用化 · 磁歪材料を用いた...
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電気エネルギー
振動発電の概念とメリット 振動発電が利用できる場所
発電素子
振動
利用されないエネルギーから
半永久的に発電
ボタン電池が不要
(年間10億個が廃棄されている)
振動発電のメリット
振動発電+センサ+ワイヤレス信号送信回路
電源ケーブルが不要(自動車,プラント等でメリット)
自動車でのWSN
Power cable
ケーブル不要
振動発電の実用化
• タイヤの空気圧モニタシステム 米国では装着を義務化
市場規模 7000万台
発生する振動は400Hz~500Hz
振動発電ボタン電池不要
インフラ,工場,プラントでのWSN
インフラ設備(橋や道路),工場やプラントの
• 状態量の監視システム (振動発電+センサ+無線通信)
• LED照明(ワットオーダ)
発電スイッチ
• ボタンを押す動作で発電
照明用リモコン 電池フリーリモコン
電池が不要
従来の振動発電
圧電素子 エレクトレット 永久磁石可動
原理 圧電効果 永久電荷の移動による電流
電磁誘導
発生電圧 高 数10~数100V
高 数10~数100V
低 ~数V
動作周波数 高 数10~数100 Hz
低 ~20 Hz
低 ~10 Hz
内部抵抗 大 大 小
発電床 (音力発電)
エレクトレット発電機 (オムロン)
乾電池型発電機 (ブラザー工業)
圧電素子の欠点
• セラミックス(脆性材料)壊れやすい
• 加工不可小型化に不利 (薄膜は使えない)
• キャパシタ(高インピーダンス)負荷で取り出せる電力小
ほとんど実用化されていない。
クリーンエネルギーの啓蒙活動など
磁歪材料
磁歪効果とは 磁化すると形状が変化する(伸びる)効果
磁歪効果
伸びる量は 鉄でだいたい 6ppm(6×10-6)程度 例えば1kmの 長さの鉄の棒で 6mmの伸び 非常に小さい!!
革新的な磁歪材料の開発
アメリカ海軍研究所(NSWC)で 鉄系磁歪材料の開発に成功
鉄-ガリウム合金(Fe81.4Ga18.6) 磁歪 ~300 ppm
ヤング率 70 GPa
比透磁率 100
延性材料 頑健で,機械加工ができる!
きっかけ
鉄ガリウム合金を用いて 画期的な振動発電素子ができる!!
小型 頑健 高効率
電気エネルギー 機械エネルギー(振動,音)
機械エネルギー(振動) 電気エネルギー
逆磁歪効果
力 磁束の変化
逆磁歪効果
1 T(テスラ)の磁束密度の変化
構成と原理(特許)
構成 原理
平行梁構造 曲げ力を一軸方向の力として効率よく磁歪素子に負荷!
平行梁構造のメリット
大きな軸力 Fa
小さな曲げ力 Fb < 1/20 Fa
軸方向の応力分布
20MPa
20MPa
20 N
1 N - 20MPa
20MPa
Area 0.5 ×1 mm2
均一
磁歪振動発電のメリット
• シンプルで作製が容易
• 堅牢
• 逆磁歪(縦)効果を用いた高効率な発電
• 共振振動での高出力の発電
• 低出力インピーダンス (負荷とのマッチングがよい)
• 広温度使用範囲(-100℃~100℃)
試作機(小型版)
評価結果
• 発生電力 2mW (300~400Hz, 出力密度10mW/cm3)
• エネルギー変換効率 15%以上
• 共振振動でも破損しない (堅牢な構成,接合方法を確立)
• 作製,組み立てが容易(切削やワイヤー放電で可,MEMSプロセスは不要)
• 低出力インピーダンス (20~100Ω,負荷とのマッチングがよい)
• 広温度使用範囲(-100℃~100℃),要確認
振動発電の比較
圧電素子 エレクトレット 永久磁石可動 磁歪
発生電圧 高 数10~数100V
高 数10~数100V
低 ~数V
低 ~数V
(調整可能)
共振周波数 高 ~数100 Hz
低 ~20 Hz
低 ~10 Hz
高 ~数100 Hz
内部抵抗 大 大 小 小
耐久性 × × ○ ○
温度特性 △ × ○ ○
コスト ○ △ △ △○
発電床 (音力発電)
エレクトレット発電機 (オムロン)
乾電池型発電機 (ブラザー工業)
磁歪
試作機(大型版)
大型発電素子 体積比で小型版に対しおおよそ1000倍
発電の動画
電力 体積
出力 2W
将来的に,kWオーダの電力を取り出すことも可能!!
応用:自動車での利用
100Hz ~ 500Hz
~ 20Hz
エンジンや路面の振動 発電
mW オーダ 発生電力
応用:人の動きから発電
mJ オーダ 電気エネルギー
動きに伴う慣性力や押しつけ力自由振動発電
現状
• 原理,構成,設計方法は確立済み。
• 改良により2倍程度出力の向上が可能。
• 基本,応用特許(発電スイッチ)済み。 発明の名称:発電素子および発電素子を備えた発電装置(PCT/JP2011/003276)
出願人:金沢大学 発明者:上野敏幸、山田外史、池畑芳雄
発明の名称発電スイッチ(2011-109928)
出願人:金沢大学 発明者:上野敏幸、山田外史、池畑芳雄
• 実用化のための温度特性,耐久性試験を実施予定。
• 磁歪材料は量産化で安価に大量に供給される可能性大。
• 磁歪振動発電は、当学(上野)が発明、大きく先行している。
• いち早くノウハウを取得し、研究を開始するのが有利。
連絡先
(有)金沢大学ティ・エル・オー(KUTLO/キュトロ)
ライセンシング・アソシエイト
山田 光俊
TEL: 076-264-6114
FAX: 076-234-4018
e-mail: [email protected]