小児精神 - gunma...
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小児精神
発達障害
自閉症スペクトラム
医療 • DISCO • ADOS • ADI-R • 自閉症スペクトラムトレーニングセミナー (5日間集中講座・TEACCH構造化) • ソーシャルストーリー • 見える会話 • CAT-kit(感情のコントロール) • 他職種勉強会
小児科医として
• 自閉症スペクトラムの存在にきづくこと
• しかも出来るだけ早期に
• そして地域の教育・支援に連携し、 子どもの育ちを支えて欲しい。
発達障害 という診断名はない
発達障害とは ~文部科学省~
• 自閉症、アスペルガー症候群 その他の広汎性発達障害 • 学習障害 • 注意欠陥多動性障害 • その他これに類する脳機能の障害であって その症状が通常低年齢で発現するものとして 政令で定めるもの
発達障害というくくりかた • 自閉症と、学習障害と、 注意欠陥多動性障害はそれぞれ違う。
• 異なる支援が必要となる。
発達障害とは ~文部科学省~
• 自閉症、アスペルガー症候群 その他の広汎性発達障害 • 学習障害 • 注意欠陥多動性障害 • その他これに類する脳機能の障害であって その症状が通常低年齢で発現するものとして政令で定めるもの
自閉症スペクトラム(連続体)という考え方
• 自閉症、アスペルガー症候群、 その他の広汎性発達障害は各々異なる障害?
自閉症スペクトラム(ASD) • 3つ組みを持つ障害
• 人との関わりの障害(苦手) • 人とのやり取りの障害(苦手) • イマジネーションの障害(苦手)
(Wingによる)
自閉症スペクトラム(ASD) • 広汎性発達障害;PDD(NOS) • アスペルガー症候群 • 高機能自閉症
• このような診断名はなくなりました・・・ • すべて自閉症スペクトラム(ASD)に統一
自閉症スペクトラムをはじめとした 発達障害の発生率 人口の約1~2割
その8割以上が知的障害の合併がない
知的障害と自閉症スペクトラム は異なる障害
知的障害
自閉症スペクトラム
ある ない
厤召
友厦
質問
• 知的障害はどうやって診断しますか? • 診断は、どんなことに役立ちますか?
知的障害と自閉症スペクトラム は異なる障害
知的障害
自閉症スペクトラム
ある ない
厤召
友厦
自閉症スペクトラムの診断
自閉症スペクトラム(ASD) • 3つ組みを持つ障害
• 人との関わりの障害(苦手) • 人とのやり取りの障害(苦手) • イマジネーションの障害(苦手)
(Wingによる)
3つ組みがあるのか、ないのか
• 問診 • 行動観察
• で判断する。
問診 • DISCO (半構造化面接)
行動観察 • 診察室、幼稚園・保育園、学校 • 専門的には、CARSを使うのですが・・・
行動観察のポイント
• 入室時、退室時 • 好きな玩具、保護者、観察者の関係 • 自発的コミュニケーションを拾う (応答のコミュニケーションではなく)
自発的コミュニケーション
• 人に対して • 自ら発する
早期発見・早期支援の必要性
初診時年齢 主訴 診断 10ヶ月 立位不可 1歳6ヶ月 ことばの遅れ 3歳 落ち着きのなさ 1歳6ヶ月 かんしゃく 3歳 注意してもいうことをきかない 1歳6ヶ月 指差し不可 1歳6ヶ月 言葉の遅れ 2歳 低身長 1歳6ヶ月 言葉の遅れ 10ヶ月 ハイハイ不可 1歳6ヶ月 言葉の遅れ 1歳6ヶ月 言葉の遅れ 4ヶ月 からだが柔らかい
自閉症スペクトラム 自閉症スペクトラム 自閉症スペクトラム 自閉症スペクトラム 自閉症スペクトラム 自閉症スペクトラム 自閉症スペクトラム 自閉症スペクトラム 自閉症スペクトラム 自閉症スペクトラム 自閉症スペクトラム 自閉症スペクトラム 自閉症スペクトラム
平成◯◯年度◯月◯日 ◯◯市乳幼児2次健診
運動発達課題の遅れで気づかれる
• 実は、とても多い・・・
• 多くは、医学的検査がされ、リハビリという名のもと、 • 安易に、OT・PTに回され、 • 歩行開始したら、フォロー終了となるケースが続出してます。
アメリカ小児科医学会は、 • 24ヶ月までに自閉症のチェックを 2回以上すること、という推奨を発表した。
• 18ヶ月までの発見が大切 • 早期発見・早期介入の重要性 • 予後を大きく改善する
Dangerous 危険! • “Don’t worry.....” 心配ない、大丈夫 ‒ “Einstein was a late talker.” ‒ “Boys develop more slowly than girls.” ‒ “She’ll grow out of it.”
• “Let’s wait and see.” 様子みましょう
専門外来開設後見えてきたこと • 乳幼児健診でスルーされ、 その子の育ちの違いを感じ悩む保護者
これまで乳幼児健診で大丈夫と言われ続けました。
育て方が悪いのかと思い悩みました。
叱り続けたこともありました。
でも・・・・
ひょっとして自閉症かも?
児に合う医学的診断があれば教えて欲しいです。
ある保健師より
• 自閉症、なんて見つけたって仕様が ないじゃない ! • どうして早期発見が大切なのですか? • 下手に心配させてどうするの?
幼い頃より、丁寧に育てる • うまく育てば誰より立派な社会人に なる
• 自閉症スペクトラムの児とそうでない児では学び方が異なる
早期診断
• 単なるレッテル貼りではない • 児に合った支援・教育への始まり
乳幼児健診の変化 • 従来の乳幼児健診の“異常をみつける” から、“気になる子を支援する”へ
• 子育て支援 が重要
• 医療 < 保健・保育
保健師教育の重要性 • 早期発見・早期支援を学ぶ県内講習会
• あるべきもの がない視点
• 保護者支援の方略
• 年度内DVD 販売予定
気をつけましょう! • 群馬県 ◯◯市では、乳幼児健診で、 異常(?)を指摘されると、
• かかりつけ医に行くことになってます。
• せっかく、保健師が、気づいても・・・ • 医師の 大丈夫、問題ない・・で台無し
医療の役割 ~医師のすべきこと・できないこと~
違いがある
• 認知の仕方
• 学習の仕方
• 注意の集中
• 感覚
• などなど
ちがいを認めて
• 自閉症という障害をもっていても、できることはたくさんあります。得意なこともたくさん あります。その彼らの良いところを伸ばして 社会的な生活ができるように援助するのが 私たち支援者の役割
必要なのは 教え導くこと
• 自閉症スペクトラムの特性に 配慮した支援・教育
• それが、地域で行われること
• 医療ではない
専門外来開設後見えてきたこと • 周囲の不適切な関わりで“つらさ”が 身体症状に出る自閉症スペクトラム の子どもたち
深刻な問題があります •
医療現場に多くの自閉症スペクトラムをもった子どもが 2次的な症状を抱えて受診しています
• 学校に行けない • チック • かんしゃく • 頭痛、腹痛などの不定愁訴 • ひきこもり • などなど
これら全ての症例
• 薬 ??
• カウンセリング ??
• 医療だけで解決可能??
さまざまな身体症状
人との関わりが苦手 疲れを感じるのが苦手でギリギリまで がんばってしまう 嫌だと言えない 周囲にうまく援助を求めることが苦手 選択することが苦手 言葉どおりに受け取ってしまう
この部分のアセスメントと、 ここをどう支援していくか
氷山モデル!
必要なのは教え導くこと
• 自閉症スペクトラムの特性に 配慮した支援・教育
• それが、地域で行われること。
必要なのは
• ASDの情報処理方略の異質性を認識
• その異質性が社会的ハンディキャップにならないように環境を操作する
症例のご紹介
11歳女児 • 繰り返す腹痛、下痢で6歳より医療機関を受診 • 様々な検査を繰り返すも異常は見つからない • 診断は、過敏性腸症候群?
• 医療だけでフォロー:投薬のみ • これで、解決はできない
11歳女児
• その後、症状は悪化 • 腹痛・下痢は止まらず • 学校に行くと、息ができない・・・
身体の病気が本当にないか?
• 稀な疾患が隠れてないか・・・ 見逃さないよう • これは、医療の重要な役割
• 役割分担が必要 • 消化器グループとのコラボ
器質的疾患がない・・・ • 伝統的な医師-患者モデルでは解決できない
• 病院、クリニックだけでは解決できない
ASDがあるかないか
• これは、とても大切なこと • ようやく、小児科医の間でも少しずつ 認識されつつあります。 • ASDの存在に気づくことは、小児科医の役割
11歳女児 • 発達歴を聞いてみると・・・
2歳まで・・・ • 夜は、母乳から離れない • 2歳まで添い寝をしていた
• 寝ているときに奇声を上げる
• 抱っこしても泣き止まない時期が続いた
• お気に入りの玩具で一人で遊ぶことが多く
• 独り言を言いながら遊んでいた
• 9ヶ月より歩き始めたが、 • 乳母車に乗るのを嫌がり、とにかく出たがった
• 外出すると迷子になりそう、いつもいなくってしまう
• 興味の共有というより、興味があると自分のみで行ってしまった
そして診断にいたる • ASDの2次障害
ここからが、問題
• 児の応援団をいかに、作るか? • 保護者・教育・医療そして地域との連携
まずは、保護者! • 診断告知をする人(専門医がします) • 告知後、保護者を支える人
• その際、家庭背景・地域を把握することは、とても大切
そして、現場の教諭!
• 学齢期の最も大切な応援団
• 支援会議の開催
この子たちに必要なのは • 認知の違いに合わせた教育・支援です。
医療現場に多くの自閉症スペクトラムをもった子どもが 2次的な症状を抱えて受診しています
• 学校に行けない • チック • かんしゃく • 頭痛、腹痛などの不定愁訴 • ひきこもり • などなど
小児科医の役割は・・・
• まずは、ASDの存在にきづくこと
• しかも出来るだけ早期に(2歳前に)
• そして地域の教育・支援に連携し、 子どもの育ちを支える
• 発達障害は診断名ではない • 自閉症スペクトラムの診断 • 早期発見・早期支援の重要性 • 医療のできること・できないこと • 明日からでもできるコミュニケーション支援
まとめ