cab-o-sil ultrabond™ エポキシ系接着剤用の...
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CAB-O-SIL® ULTRABOND™ エポキシ系接着剤用のヒュームドシリカ
ヒュームド金属酸化物
はじめに当社には、接着剤やシーラントメーカーを長きにわたり支え、新たな性能要件に対応してきた実績がありますヒュームドシリカは、接着剤やシーラントの配合にレオロジーと補強性をもたらします。当社の CAB-O-SIL® ヒュームドシリカ製品は、世界のお客様からの厳しい要件を満たす、またはそれを上回るものです。 CAB-O-SIL ULTRABOND™ ヒュームドシリカは、販売開始後、エポキシ系接着剤の新たな性能基準となりました。
CAB-O-SIL ULTRABOND ヒュームドシリカは、当社製品の中でも最もパフォーマンスが高い表面処理ヒュームドシリカです。他のポリジメチルシロキサン(PDMS)処理シリカに比べると、 CAB-O-SIL ULTRABOND ヒュームドシリカは、たれ止め効果を損なうことなく、塗布時の粘度を減らすことによって、接着剤を改善します。
CAB-O-SIL ULTRABOND ヒュームドシリカは、たれ止め効果の高さと抜群の保存安定性が求められる添加量 5% 以上のエポキシ系接着剤に最適です。
構造用接着剤CAB-O-SIL ULTRABOND ヒュームドシリカは、自動車、航空宇宙関連、建設、電子機器、床材など広範な産業用途のエポキシ配合における接着性能を改善します。
近年、輸送業界においても、 2 つの自動車部品を接合する従来の溶接またはリベット方式に代わる構造用接着剤が求められています。自動車製造における構造用接着剤の使用は、機械的強度が強化された軽量化設計の部品を使用できる性能など、従来の接合技術を上回るメリットがあることから、年々、着実に拡大しています。これら軽量化部品は、輸送業界における積極的な軽量化目標の実現を支え、燃費改善に役立てられています。
たれ止め効果と保存安定性エポキシ樹脂において、 CAB-O-SIL ULTRABOND ヒュームドシリカは、他の PDMS 処理シリカよりも、抜群のたれ止め効果と保存安定性をもたらします。図 1 は、製造直後と、 60°C 環境で 28 日間の保存期間後に、降伏応力測定によって評価されたエポキシ樹脂のたれ止め効果を示します。 CAB-O-SIL ULTRABOND ヒュームドシリカが含まれたエポキシ樹脂には、他社の PDMS 処理シリカを混合したエポキシ樹脂よりも、製造直後と保管期間後のどちらでも、高い降伏応力があることが示されています。
風力発電機タービンの製造に用いられるブレード結合用の接着剤は、性能要件が極めて厳しい重要な部品です。キャボットの接着剤用途開発チームとブレード製造者との共同研究を通じて、 CAB-O-SIL ULTRABOND ヒュームドシリカは、接着剤のたれ止め効果と保存安定性の大幅改善を実現しました。これにより、接着剤の品質保持期間が長くなり、世界中のブレード製造者へ接着剤をお届けできるようになりました。 CAB-O-SIL ULTRABOND ヒュームドシリカは、添加量を抑えて接着剤に加えることができ、たれ止め効果と減粘性はそのまま維持されます。
少ない添加量で実現する性能改善図 2 に示すように、通常は、エポキシベースの接着剤に対して、 8% のヒュームドシリカを添加するところですが、 CAB-O-SIL ULTRABOND ヒュームドシリカは、流れ止め効果をそのまま維持した状態で、他社製品よりもの添加量を 10~15% 減らすことができます。これは、処理時間を効果的に短縮するため、接着剤メーカーは、その分の製造コストを削減しつつも、製造能力を上げることができます。
図 3 に示すデータを生成するために、同等量のシリカをエポキシ樹脂に加えました。相対的に、他社のシリカの混入には、 ULTRABOND ヒュームドシリカの混入よりも、 1.5 倍の時間を要しました。シリカの添加量が多い配合では、 ULTRABOND ヒュームドシリカの混入が高速化し、つまり、バッチ時間が短縮され、スループットが高くなります。
図3: エポキシ樹脂にヒュームドシリカを使用した場合の相対的な処理時間の合計
図1: PDMS 処理のヒュームドシリカが含まれた Hexion EPON 828
エポキシ樹脂のたれ止め効果(60°C で 28 日間の経年処理後) 図2: エポキシ樹脂での降伏応力の成果が求められたヒュームドシリカ
0 0
40 2.0
80 4.0
120 6.0
160 8.0
20
60
100
140
180
200 10.0
6.0
6.97.2 6.9
ULTRABOND
ULTRABOND CAB-O-SIL TS-720 他社品 A 他社品 A
1日 28日間
CAB-O-SILTS-720
他社品A
他社品B
ULTRABOND 他社品A
他社品B
降伏
応力
(Pa)
シリ
カ添
加量
(wgt
. %)
エポキシ樹脂+ 6% のヒュームドシリカ降伏応力 (Pa)
60°C で 28 日後
6.8
8.08.37.9
0
0.5
1.0
1.5
2.0
200 300
CAB-O-SIL® ULTRABOND™ エポキシ系接着剤用ヒュームドシリカ
CAB-O-SIL および ULTRABOND は Cabot Corporation の登録商標です。 EPON は Hexion Inc. の登録商標です。 Ancamide は Air Products and Chemicals, Inc. の登録商標です。Jeffamine は Huntsman International LLC. の登録商標です。
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0.4 sec-10.4 sec-1
図4: 5.4% シリカ添加時のエポキシ樹脂とポリアミド硬化剤のずり流動化効果
図5: 6.2% シリカ添加時のエポキシ樹脂とポリエーテルアミン硬化剤のずり流動化効果
Hexion EPON® 828 エポキシ樹脂に重量 8% のシリカを、 Air Products and Chemicals 社製の Ancamide® 351A 硬化剤と混合した場合(硬化剤 52 に対して樹脂 100 の混合割合)
Hexion EPON 828 エポキシ樹脂に重量 8% のシリカを、 Huntsman Performance Products 社製の Jeffamine® D-230 硬化剤と混合した場合(硬化剤 32 に対して樹脂 100 の混合割合)
エポキシ系接着剤の粘度
ずり流動化と回復速度エポキシ系において、 PDMS 処理シリカがもたらすチクソ性(ずり流動化)の作用は、接着剤のメーカーやユーザーにとって重要なものです。混合またはビード塗布時に与えられたものと同等の高せん断率のまま、粘度が低下し、接着剤の処理、輸送、および分散を円滑にします。図 4 と図 5 に、その様子を図示しています。
高せん断処理後、処理前の配合で示された同程度の粘度がすぐに回復します。これにより、使用時の接着ビードの垂れ下がりや流れ出しを防止したり、フィラーの沈降を防止したりすることができます。
CAB-O-SIL ULTRABOND ヒュームドシリカは、 当社の主力製品である PDMS 処理シリカである CAB-O-SIL TS-720 ヒュームドシリカよりも高い粘度を与えますが、同等のずり流動化効果があり、より速く粘度が回復します。
CAB-O-SIL TS-720 ヒュームドシリカ ULTRABOND ヒュームドシリカ CAB-O-SIL TS-720 ヒュームドシリカ ULTRABOND ヒュームドシリカ
0 0200 200400 400600 600800 8001000 10001200 12000 0
500 1000
1000 2000
1500 3000
2000 5000
2500 5000
粘度(
Pa-s
ec)
粘度(
Pa-s
ec)
時間(秒) 時間(秒)
せん断率 = 0.4 sec-1 せん断率 = 0.4 sec-1
80 sec-1 80 sec-1
CAB-O-SIL® ULTRABOND™ エポキシ系接着剤用ヒュームドシリカ