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第5回 未来 経営革新大会 開催 : 2017126() 東京ステーションホテル 基本テーマ 「未来を俯瞰し、潮流を創る経営」 <Keynote> 「未来思考で流れを変える経営」 Future Management and Innovation Consulting ⼤岩 和男 <基調講演> 「⾃動⾞のパラダイムシフトと今後の展望」 名古屋⼤学 客員教授/エスペック株式会社 上席顧問 佐藤 登 <未来経営⾰新事例と⼿法紹介> 「Deep Learning 最新事例とビジネス展開」 株式会社クロスコンパス・インテリジェンス 代表取締役社⻑ 佐藤 聡様 「韓国企業のグローバル化とものづくりのSHINKA」 Future Confidence Group 代表 信⼀ 「フューチャーマネジメントとトップチームビル」 株式会社FMIC 未来はじめ研究所 所⻑ 髙橋 淳久 講演概要 *所属・役職は講演時のものです *本内容の無断転載,無断複製を禁じます 本講演概要は、未来経営⾰新⼤会における各企業の皆さまの発表内容を、弊社が概要として まとめ、⽇々経営⾰新を推進されている⽅々に紹介させていただくものです。別途、詳細の講演 録も発⾏することになっています。先⾏各社様の取組みに学びながら、未来経営⾰新について議 論し、共に研究し、実践し、世界に貢献する新世代の企業活動や経営⾰新を切り拓いていきた いと思います。

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第5回 未来経営革新大会

開催 : 2017年1月26日(木)東京ステーションホテル

基本テーマ「未来を俯瞰し、潮流を創る経営」

<Keynote>「未来思考で流れを変える経営」

㈱ Future Management and Innovation Consulting ⼤岩 和男

<基調講演>「⾃動⾞のパラダイムシフトと今後の展望」

名古屋⼤学 客員教授/エスペック株式会社 上席顧問 佐藤 登 様

<未来経営⾰新事例と⼿法紹介>「Deep Learning 最新事例とビジネス展開」

株式会社クロスコンパス・インテリジェンス 代表取締役社⻑ 佐藤 聡様

「韓国企業のグローバル化とものづくりのSHINKA」Future Confidence Group 代表 姜 信⼀ 様

「フューチャーマネジメントとトップチームビル」株式会社FMIC 未来はじめ研究所 所⻑ 髙橋 淳久

講演概要

*所属・役職は講演時のものです

*本内容の無断転載,無断複製を禁じます

本講演概要は、未来経営⾰新⼤会における各企業の皆さまの発表内容を、弊社が概要としてまとめ、⽇々経営⾰新を推進されている⽅々に紹介させていただくものです。別途、詳細の講演録も発⾏することになっています。先⾏各社様の取組みに学びながら、未来経営⾰新について議論し、共に研究し、実践し、世界に貢献する新世代の企業活動や経営⾰新を切り拓いていきたいと思います。

<日本における電動化と車載用電池ビジネスの原動力>

「自動車のパラダイムシフトと今後の展望」名古屋大学 客員教授 / エスペック株式会社 上席顧問 佐藤 登 様

自動車産業と、それと関連する産業に、非常に大きな波が押し寄せており、まさに激動のさなかにある。ここ10年のグローバル競争力で見た時、日本は良い立ち位置にいる。特に技術革新の分野での評価が高い。こういった状況において、我々はこれからどの様な自動車産業を作っていくのかといった未来像を描くことが求められている。

自動車業界の全体動向が大きく変化している。特に環境規制の影響が大きい。アメリカのZEV、欧州CO2の規制、中国の環境規制強化と補助金制度など、各国特有の規制が存在する。この様に自動車の市場はこれからますます変化していく。そうなると、各社の製品戦略も変わらざるを得ない。それに伴って電池戦略、部材戦略が非常に重要な意味を持つようになり、一連の動きとして業界が大きく変化していく。

規制の動きが出ると、アメリカの自動車メーカーは、ロビー活動をして法規を潰そうとする。一方、日本の自動車メーカーは、いかに乗り越え、いかに早く具現化して社会に提供出来るかといった対応をする。こういう考え方の違いが、現在の日本の揺るぎない地位に繋がっていると思われる。そして、実際に多くの日本の自動車メーカーは、電動化の動きをいち早く発表している。

自動車の電動化技術は、日本勢が圧倒的に強い。現在、車載用の電池は、日本勢が優勢ではあるが、韓国による猛追を受けており、更に中国勢がジワジワと力を付けてきており、少しずつシェアを落としつつあるといった状況である。

電池の技術は飛躍的に進歩している。ソニーが1991年にリチウム電池を生産した時と比べて、3倍の性能となり、1/100の価格になっている。ドラスティックな革新が起こっているのである。電池産業は産業の核だと経産省も言っている。今後も更なる革新的な電池の登場を望まれている。しかし、基礎研究に相当な投資をしたにも関わらず、産業界にはほとんど降りてきていないという大きな課題が存在する。

また、これまでの原動力であった、自動車業界、電池業界、素材・部材業界といった全体の求心力が衰えつつある。この求心力を復活させ、基礎研究と産業界を繋ぐことが出来、一つの大きなサークルの中で展開出来る様になれば、今後ますます強い産業になるはずである。欧米も韓国も弱い部分を持っており、全体像の絵を描けるのは全てに強みを持つ日本だけである。我々は、各々を統合することを提案している。

自動運転に関して、日本政府の目標は2025年に完全自動運転(自動運転レベル4)としている。しかし、フォードは2021年までに実用化すると発表した。VW、BMVも立て続けに、同様の発表をした。このままでは、知財や国際標準等全てを海外に持っていかれると懸念させる。日本も前倒しの目標が必要である。そのためにも自前主義からアライアンスへの方向転換が必要なのである。

IoTを始めとした技術革新により、将来に渡り、車が単なる移動手段ではなく、ホームの役割、オフィスの役割、あるいは健康診断をする役割を担う様になり、生活、業務、ヘルスケア、趣味を繋ぐ自動車社会が登場する。そこには色々な新しいビジネスモデルが登場するはずである。

今後、自動車の電動化と自動運転は両輪となって進んでいく。これら両方を同時に進めるには、相当なリソースが必要となり、大手以外は単独では出来ないと予想出来る。業界勢力図も大きく変わるはずである。また、様々な新たな領域の人材が求められる様になる。特にAIに関しては人材獲得合戦と言われている。そして、業界を超えたアライアンスも今後必然的に盛んに進んでいく。

<IoTが主役になるビジネスモデル例>

佐藤様講演資料より

「Deep Learning 最新事例とビジネス展開」株式会社クロスコンパス・インテリジェンス 代表取締役社長 佐藤 聡 様

当社は2011年10月に東工大発ベンチャーとして創業し、「企業向けに、Deep LeaningやAIのパイロットプロジェクトの実施・コンサルティング」「Deep LeaningやAIの研究開発(AIのプラットフォームの構築、新しいNNW(ニューラルネットワーク)のアルゴリズム開発)」を行なっている。

現在一般的に耳にするAIは全て弱いAIに属する。強いAIは、意識を持ち、自分で思考するといった自立型で、汎用的なものであるが、まだ存在していない。現在の最先端のニューラルネットでも、脳に比べたらほとんどゼロに近いような構造しか持てていない。しかし、画像認識、音声認識、翻訳、時系列のパターンマッチング、強化学習の進歩により、金融への応用(Fintech)等で有効になってきている。また、製造業において、Deep Leaningによってモデルをつくり、AIを訓練し、正確に正常と異常が分かるところまでは来ている。

問題に対して一つ一つNNWを作ってきたが、同じようなテンプレートで同じ問題解決が出来るということに気が付き始めた。そこで「実用的なNNWのテンプレート」、「学習済みのNNW」「処理フロー」「学習用データ」を流通させるようなプラットフォーム(Intelligence eXchange)を作り、人工知能・ビッグデータをビジネスとして成立させようとしている。現在は、重要な部分をGoogleやFacebookといっ

た一部の大企業が握ろうとしている。一方で、我々は、Linuxの様にオープンにして人々の力を集結させるというプラットフォームを構想している。

我々のミッションは、「知」の占有ではなく、関心を持つ人が参画し、共有・共創・交換することによって社会発展するモデルを構築することである。

今韓国の中堅企業において以下の変化が起きている。① 企業革新スタイルが変化している。従来は、日

本の方法論の単純導入に止まっていたが、近年は韓国の風土に合わせて工夫をするリーダーが登場している。

② チームマネジメントや人材開発が変化している。従来の個人主義から脱し、チームで動く様になっており、お客様を含めて家族の様な関係を構築している。

③ 本来持つベンチャー精神やスピードを活かして未来へ向けたコラボレーションが進んでいる。

この様に、韓国中堅企業に対する日本での一般的な認識とは異なるケースが少しずつ生まれてきている。未来志向の企業が育ってきているのである。

グローバル企業であるParker社による、韓国でのグローカリゼーション(グローバリゼーションとローカリゼーションの造語)の取り組みについて紹介する。

韓国の文化・風土には「場を作ってもやらない/ルールを作っても守らない」「会社の繋がりより、同窓会、郷友会、軍隊等の繋がりを優先する」等の特徴がある。これらは良い面もあるが、克服しなければならない面もある。

Parker社では、日本や海外から学んだトヨタ生産方式TPS(英語ではLean Production System)を韓

国風土に合うようにアレンジし、世界トップの生産性を達成した。更に、インド工場を始め、色々な国に展開するに至っている。Parker社での取り組みの特徴は、『Lean Business』というコンセプトの下、戦略的にBusinessとLean Productionが一体化させていることである。そのツールとして、KANBAN、Andon、KPI managementボード等を活用している。

「現場で各自が考えて行動し、助け合いながら楽しくやるという働き方」の大切さを理解する新しい企業が、少しずつ、韓国のなかに育ってきている。

「韓国企業のグローバル化とものづくりのSHINKA」–Parker Hannifin社等の事例を通じて-

Future Confidence group 代表 姜 信一 様

XCompass Intelligence Ltd. All Rights Reserved.

<XCIが描く将来>

ビジネス戦略と⼀体化

世界中の事業所へ

挫折からの学び

韓国⾵⼟へ適⽤・成功

多様性を理解した経営

⽇本のTPS学習

グローバルマインド

<PARKER社のグローバル化とものづくりのSHINKA>

姜様講演資料より

「開会挨拶とFMイニシアティブ」 FMIC 大岩 和男

第6回 未来経営革新大会は、2018年1月18日です!

Future Management & Innovation Consulting Inc.〒 105-0001東京都港区虎ノ門4-2-12 虎ノ門4丁目MT ビル2号館 9F

TEL (03)3459-8178 FAX (03)3459-8179 e-mail: [email protected]

「フューチャーマネジメントとトップチームビル」 FMIC未来はじめ研究所 髙橋 淳久

FMICではイノベーションを「未来最適設計」と定義している。我々の調査結果から、企業や組織を未来に引っ張る先導役である「はじめを始める人々」の重要性が分かっている。そして、「はじめを始める人々」が有機的に動くための方策がトップチームビルである。

トップチームビルとは、未来思考による革新の仲間づくりと、ビジョン・戦略・実践の引上げ機能であり、必ずしも、組織階層上のトップとは限らない。

これまでの実践事例を紹介する。①村田製作所殿

経営層と第一線の階層間を繋ぐことと、イノベーション戦略を描くことを狙いとした。

②富士通研究所殿斜め飛びのSHINKAイノベーションを狙いとし、将来のブレークスルーのための研究を加速させた。

③田中貴金属工業殿 HDターゲット事業全社を束ねる骨太新規事業の創出と次世代の技術・事業リーダーの育成を同時に図った。

④富士通ミドルウェア事業本部殿経営幹部と現場が一体となった事業革新のためのチームビルを図り、商品化に結び付けた。

⑤富士通クオリティ・ラボ殿「コストセンターからプロフィットセンターへ」を加速することを狙った。

これらの実践から見えたトップチームビル成功の4つのポイントがある。

• 大局的革新ビジョンと実行エンジン強化戦略の同時化(F-SMILE)

• 2階層の同時展開で、競争とCo-Creationを生み、実行基盤を強化

• 地上戦による全員参加で全員主役• FMICの方策や型を活用した5合目からの着手

未来はじめ研究所も「はじめを始める」べく、「新産業革命の研究」をメインテーマに2017年に臨む。

フューチャーマネジメントとは、「未来は来るものではなく、自ら、今からつくるもの」という基本思想の基、ありたい姿と現在の姿の間を、「未来から」「未来へ」と1周サイクルを回すことである。未来づ、くりというのは今この瞬間に始まっている。日々の仕事の中に、イノベーションや未来づくりをどう織り込むかということが課題である。そこには多くのジレンマが存在し、そこを乗り越えることが未来づくりには必要である。

この一年間で、フューチャーマネジメンは二つの観点で進捗があった。

1つ目は、「自らの革新タイムラインをつくる」である。予想される世の中の変化に対して、ただそれを見るのではなく、自らの革新タイムラインをつくることが必要である。自らのイノベーションに、時間軸を持つことで、自分達の現在の位置がはっきりするのである。

2つ目は、「4-sight」という自分たちの未来づくり活動を点検するための考え方である。現在取り組んでいるイノベーションを、4つの視点(未来コンセプト、儲けるコンセプト、実現するコンセプト、顧客価値コンセプト)で点検すると、自分達の仕事の変えなければならない事が見えてくる。

我々も、今年は「注目したい新産業2025」の研究という未来づくりに挑戦する。AI、IoT等といった

個々の新しい動きを見ながら、次に注目される産業分野を研究する。 Open Energy、Next Mobility、LIFE Management、AI-Experience、Co-Operation、SATO(里)、おもてなしといった切り口である。4月18日「発明の日」 にキックオフする。

<注目したい新産業2025> ドラフト版v2

<ビジネス・イノベーション加速のためのFMトップチームビル>

© 2017 Future Management & Innovation Consulting

11© 2017 Future Management & Innovation Consulting

C

未来思考による⾰新の仲間づくりとビジョン・戦略・実践の引上げ化

DivisionA

Division B

Other Companies

Layer 1Top management

Layer 2Middle Management

Layer 3Operation layer

経営幹部トップチームビルCorporate(社⻑・取締役・執⾏役・M&A先等)対象︓グランドデザイン・将来基盤強化等

D ディビジョン横断トップチームビルDivision(事業部⻑・部⾨幹部・次世代幹部等)対象︓全体最適型の次世代戦略・事業基盤強化等

I 次業開発トップチームビルInnovation(CTO・技術リーダー・マーケティング等)対象︓新規事業企画・新規事業開発等

P 事業⾰新トップチームビル現在事業のProduct/Process/People⾰新対象︓新商品改⾰・プロセス改⾰・⼈材開発等

お客様

未来市場

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