第3章 住宅施策の展開方向 - pref.yamaguchi.lg.jp€¦ ·...
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第3章 住宅施策の展開方向
25
第3章 住宅施策の展開方向
山口県住宅マスタープラン
26
第3章 住宅施策の展開方向
施策体系図
1-1 住宅の安全性の確保
1-2 住宅の長寿命化の推進
1-3 環境にやさしい住宅の普及
2-1 山口らしさの継承と創出
2-2 市街地の安全性の確保
2-3 良好な市街地環境の整備
3-1 住情報の提供の促進
3-2 中古住宅の流通促進
3-3 ライフスタイル等に応じた
居住環境の整備
3-4 地域住宅産業の育成・活性化
4-1 住宅セーフティネットの機能向上
4-2 公営住宅の供給等
4-3 優良な民間賃貸住宅の供給
4-4 災害発生時の体制づくり
住住住みみみ良良良さささ実実実感感感
!!!
住住住生生生活活活
やややまままぐぐぐちちち
1 質の高い住空間
で快適に住まう
2 個性豊かな地域
の中で住まう
3 ニーズに合った
住宅に住まう
4 誰もが安心して
住まう
第3章 住宅施策の展開方向
27
(1) 災害に強い住宅の普及・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
(2) 防犯性の高い住宅の普及・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
(3) 住宅のユニバーサルデザイン化の促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
(4) 室内環境の安全確保 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
(1) 高耐久性・維持管理容易性に優れた住宅供給・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
(2) リフォームの促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35
(3) 適正な維持管理による質の確保・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
(1) 省エネ化、省CO2化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37
(2) 新エネルギーの活用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38
(3) 再生可能な木材やリサイクル材を活用する仕組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39
(1) 伝統的まちなみの保全、良好な景観の創出・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42
(2) 伝統的構法による住宅の普及・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43
(3) 地場産材の利用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44
(1) 災害に強いまちづくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45
(2) 住宅市街地の防犯性の向上 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45
(1) 計画的な住環境整備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46
(2) 街なか居住の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47
(1) 住宅性能表示制度等の活用促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50
(2) 住宅相談体制等の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51
(3) 住宅に関する情報提供の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52
(4) 住まいづくりに関する学習等の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52
(1) 安心して取引できる環境づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53
(2) 持家資産の流動化の促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53
(3) 円滑な住替えの促進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 54
(4) 適正な維持管理等による質の確保 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55
(5) 空家活用の仕組みづくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 56
(1) 子育て世帯支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57
(2) 高齢者や障害者等の自立支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58
(3) マルチハビテーション(二地域居住)や田園居住等多様な住まい方の提供 ・・・・ 59
(4) UJIターンの推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60
(1) 中小住宅生産者の供給力の強化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61
(2) 中小住宅生産者の信頼性の向上支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61
(1) 県及び市町による公営住宅の供給 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 65
(2) 多様な供給手法の活用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 66
(3) 公営住宅の供給の目標量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67
(1) 子育て世帯向け賃貸住宅の供給・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 68
(2) 高齢者向け賃貸住宅の供給 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 69
山口県住宅マスタープラン
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4 誰もが安心して住まう 4-1 住宅セーフティネットの機能向上
4-2 公営住宅の供給等
4-3 優良な民間賃貸住宅の供給
4-4 災害発生時の体制づくり
3 ニーズに合った住宅に
住まう 3-1 住情報の提供の促進
3-2 中古住宅の流通促進
3-3 ライフスタイル等に応じた
居住環境の整備
3-4 地域住宅産業の育成・活性化
2 個性豊かな地域の中で
住まう 2-1 山口らしさの継承と創出
2-2 市街地の安全性の確保
2-3 良好な市街地環境の整備
111 質質質ののの高高高いいい住住住空空空間間間ででで
快快快適適適ににに住住住まままううう 1-1 住宅の安全性の確保
1-2 住宅の長寿命化の推進
1-3 環境にやさしい住宅の普及
第3章 住宅施策の展開方向
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1 質の高い住空間で快適に住まう
● 県民の住生活の基盤となり、生命、財産を守る良質な住宅ストックを形成するために
は、住宅の耐震化や防犯性の高い住宅の普及が重要です。
また、誰もが安全で快適に、健康的な生活を送るためには、住宅のユニバーサルデザ
イン化や室内環境の安全確保が重要です。
● 資源を有効活用し、ライフスタイル、ライフステージの変化に対応した住生活を送り、
良質な住宅ストックを将来世代に承継するためには、高耐久性、維持管理容易性に優
れた住宅の供給やリフォームの促進、住宅の適正な維持管理が重要です。
● 地球環境問題に対応し、限りある資源の有効活用等により持続可能な社会を構築する
ためには、住宅の省エネ化や新エネルギーの活用、木材の活用や建設廃棄物の減量化
等が重要です。
◆成果指標◆
新耐震基準適合率 66.1% (H15) ⇒ 90% (H27)
共同住宅共用部分のユニバーサルデザイン化率 7.1% (H15) ⇒ 15% (H27)
リフォーム実施率 3.2% (H11~15平均) ⇒ 5% (H27)
省エネルギー対策率(二重サッシ等使用率) 11.2% (H15) ⇒ 30% (H27)
誘導居住面積水準達成率【住み良さ指標】 64.0% (H15) ⇒ 80% (H27)
山口県住宅マスタープラン
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1-1 住宅の安全性の確保
(1) 災害に強い住宅の普及
災害時の安全性を確保するため、住宅の耐震化等を推進
します。
■ 耐震診断、耐震改修・建替え等の促進
「山口県耐震改修促進計画」に基づき、耐震化の必要性について
普及啓発し、耐震診断、耐震改修・建替え等を促進するとともに、
耐震診断・耐震改修に関する市町の助成事業への支援を行います。
■ 耐震診断・耐震改修に係る技術者の養成等
県民が安心して耐震診断・耐震改修を受けられる環境を整備す
るため、 耐震診断・耐震改修に精通した技術者の養成のための講
習会を開催するとともに、受講修了者名簿の公表により情報提供
を行います。また、地域特性を活かした住宅の構法・建材の開発に
おいて、耐震改修技術の調査研究を行います。
■ 住宅用防災機器の設置促進等
住宅の火災事故から人命と財産を守るため、消防法に基づく住
宅用防災機器の設置を促進します。
地震対策関連の冊子
いつ起こるかわからない地
震に対して、県民が日頃から
備えるため、誰でもできる住
まいの耐震診断や防災対策の
方法、耐震改修を行った事例
や方法などを掲載した冊子を
作成しています。
耐震診断
耐震改修
耐震化
住宅用防災機器
第3章 住宅施策の展開方向
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1-1 住宅の安全性の確保
(2) 防犯性の高い住宅の普及
住宅への侵入等の犯罪を防止するため、防犯性能の高い住宅
の普及を促進します。
■ 防犯に配慮した住宅の普及啓発
住宅の防犯性能を向上させるため、「山口県犯罪のない安全で安心
なまちづくり条例」や「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」に関す
る情報提供を行います。
■ 防犯モデルコミュニティ認定事業の普及
住宅の防犯性能を向上させるため、防犯性に優れたマンションや
住宅地を認定・公表し、防犯環境、構造・設備の普及を図り、マン
ション等購入者が選択する際の目安となる「防犯モデルコミュニティ
認定事業」の実施、普及を図ります。
■ 防犯性能の高い建物部品に関する情報提供
住宅の防犯性能を向上させるため、性能試験の結果に基づき一定
の防犯性能があると評価された建物部品を掲載した「防犯性の高い建
物部品目録」の情報提供を行います。
■ 防犯性に優れた公営住宅の整備
公営住宅の防犯性能を向上させるため、「住宅性能表示制度」等の活
用による公営住宅の整備を推進します。
住まいの安全・安心で重視する
こと(年齢別)
若い世帯ほど、地震や防犯
性を重視する傾向にあります。
(出典:「山口県の住まいに関する意識調査」平成 18 年 9月)
防犯性の高い建築部品共通商標
防犯性能の高い建物部品で
あることを示すための標章です。
山口県住宅マスタープラン
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1-1 住宅の安全性の確保
(3) 住宅のユニバーサルデザイン化の促進
高齢者、障害者等をはじめ誰もが安全で快適な住生活が営
めるよう、住宅のユニバーサルデザイン化を促進します。
■ ユニバーサルデザインの普及啓発
高齢者、障害者等をはじめ誰もが安心して快適に生活できるよう、
県の施設整備、サービスの提供におけるユニバーサルデザインの取
組について、インターネット等を通じて普及啓発を行います。
■ 新築時、改修時における住宅のバリアフリー化の促進
住宅のバリアフリー化を促進するため、住宅の新築・増改築・改
修時における助成制度や融資制度の活用を推進するとともに、共同
住宅等を整備する際に助言・指導を行う「福祉のまちづくりアドバ
イザー」の派遣を行います。
■ バリアフリー改修の相談体制の充実
市町や市町社会福祉協議会等の相談機関との連携により、バリア
フリー改修の多様なニーズに対応できる相談体制の充実を図ります。
■ 公営住宅のユニバーサルデザイン化の推進
公営住宅のユニバーサルデザイン化を推進するため、「住宅性能
表示制度」の活用や「山口県福祉のまちづくり条例」等に沿った公
営住宅の整備を推進します。
公営住宅のユニバーサルデザ
イン化(県営旗岡団地)
ユニバーサルデザイン
公営住宅
住宅性能表示制度
山口県福祉のまちづくり
条例適合証
玄関(レバーハンドル、手すり)
台所(シングルレバー水栓) 洗面所(大型スイッチ)
屋外共用部(スロープ)
第3章 住宅施策の展開方向
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1-1 住宅の安全性の確保
(4) 室内環境の安全確保
ホルムアルデヒド等やアスベストによる健康被害を防止す
るため、住宅における化学物質等の安全対策を推進します。
■ シックハウス対策・アスベスト等に関する情報提供
県・市町の住宅相談窓口の充実や県民向けのセミナー等を開催す
るとともに、関係法令や関連制度等について、県民や住宅関連事業
者に対して情報提供を行います。
■ 吹付けアスベストの除去工事等への補助、融資の促進
吹付けアスベストの早期除去等を図るため、アスベスト飛散防止
措置等(調査、除去、封じ込め、囲い込み等)に係る費用に対する補
助・融資制度の活用を促進します。
■ アスベスト含有建築物の解体時等における適正処理の徹底
労働安全衛生法等に基づき、アスベスト飛散防止措置等の作業基
準の遵守状況、撤去後の適正処理状況を監視・指導するとともに、関
係法令の改正や指針等の情報提供等を行います。
ホルムアルデヒド
アスベスト
シックハウス
住宅関連事業者
山口県住宅マスタープラン
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1-2 住宅の長寿命化の推進
(1) 高耐久性、維持管理容易性に優れた住宅供給
住宅ストックの量的充足や環境問題等の深刻化を踏まえ、「い
いものを作って、長く大切に使う」社会へ移行するため、住宅
ストックの高耐久性、維持管理容易性の向上を図ります。
■ 長寿命木造住宅等の普及啓発
「長寿命木造住宅整備指針」に関し、住宅関連事業者に対する講習
会を開催するとともに、長寿命化に配慮した住宅の事例集の作成
やコンクールを開催します。
■ スケルトン・インフィル(SI)住宅の普及
ライフスタイルやライフステージの変化等に応じたリフォームに
柔軟に対応できるよう、耐久性に優れ、維持管理がしやすく、内装
の可変性を有するスケルトン・インフィル(SI)住宅の普及を図り
ます。
スケルトン・インフィル
(SI)住宅のイメージ図
住宅ストック
住宅関連事業者
スケルトン・インフィル
(SI)
リフォーム
第3章 住宅施策の展開方向
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1-2 住宅の長寿命化の推進
(2) リフォームの促進
ライフスタイル、ライフステージの変化に応じた住まいづく
りを進め、住宅ストックが長期にわたり有効に活用されるよう、
既存住宅のリフォームを促進します。
■ リフォームによる耐震化・省エネ化等の促進
住宅リフォームに併せた耐震改修や省エネ改修の事例集を作成し、
県民や住宅関連事業者に情報提供します。
■ やまぐち住宅リフォームアドバイザー派遣制度の推進
県民が住宅の適切なリフォームを行えるよう、中立的な立場でリ
フォームに関するアドバイスを現地で行う「やまぐち住宅リフォー
ムアドバイザー派遣制度」を推進します。
■ やまぐち住宅リフォーム事業者登録制度の推進
県民がリフォーム事業者を容易に選択できるよう、一定の基準を
満たした事業者に関する情報提供を行う「やまぐち住宅リフォーム
事業者登録制度」を推進します。
■ 良質なリフォームに対する融資に係る優遇措置の検討
民間金融機関と連携して、良質なリフォームに対する融資の金利
等の優遇措置を検討します。
■ 町家・古民家再生活用の推進
空き家となっている町家や古民家を地域交流施設やUJIターン
向け住宅として活用する手法を研究し、成果を市町や住宅関連事業
者に情報提供します。
■ 公営住宅の計画的なリフォームの実施
公営住宅において、全面的改善事業(トータルリモデル事業)やバ
リアフリー改善事業、シルバーリフォーム等のリフォームを計画的
に実施します。
町屋再生事業例(山口市)
住宅ストック リフォーム
耐震化
住宅関連事業者
町家
UJIターン
公営住宅
全面的改善事業(トータル
リモデル事業)
バリアフリー改善事業
シルバーリフォーム
山口県住宅マスタープラン
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1-2 住宅の長寿命化の推進
(3) 適正な維持管理による質の確保
良質な住宅ストックを将来世代へ承継するため、住宅の合理
的で適正な維持管理を促進します。
■ マンション管理や修繕に関する情報の提供
マンション及び管理組合の実態把握に努めるとともに、関係団体
と連携してマンション管理組合向けのセミナーを開催するなど、管
理や修繕に関する情報提供を行います。また、マンションの適切な
維持管理及び計画的な修繕を促進するため、マンション履歴システ
ムの普及を図ります。
■ 住宅のリフォームや維持管理の履歴を蓄積し活用できるシス
テムの検討
住宅ストックが長期にわたり有効に活用されるよう、計画的なメ
ンテナンスやリフォームに関する履歴システムの構築を検討し
ます。
■ 公営住宅におけるエレベーター等の管理の徹底
公営住宅における安全性確保のため、エレベーター等のメンテナ
ンスや定期点検の実施状況の確認、管理計画の作成等により、適正
管理に努めます。
冊子「大切に住まうために~住ま
いの維持管理の仕方と失敗しな
いリフォーム術~」
消費者が大切に住まうために
住まいの維持管理を適切に行い、
リフォームを行う際に、自らの
判断でリフォームに関するトラ
ブルを未然に回避することを目
的とした冊子を作成しました。
住宅ストック
マンション管理組合
リフォーム
履歴システム
公営住宅
第3章 住宅施策の展開方向
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1-3 環境にやさしい住宅の普及
(1) 省エネ化、省CO2化
持続可能な社会の構築に向け、環境への負荷が少ない住まい
づくりを促進します。
■ 省エネルギー住宅の普及
住宅における環境負荷を軽減するため、高断熱・高気密などの一
定の基準を満たす省エネルギー住宅の普及を図ります。また、地域
特性を活かした住宅の構法・建材の開発の成果などを踏まえ、省エ
ネ改修技術の技術研修を実施します。
■ エネルギーの効率的な利用の周知徹底
エネルギーの効率的な利用を促進するため、「エネルギーの使用の
合理化に関する法律」に基づく届け出を周知徹底し、一定規模以上
の共同住宅における省エネ措置を指導します。
■ 環境共生住宅の普及
環境共生居住空間づくりの観点から、建物の構造への配慮や建物
周辺の緑化等の普及に努めるとともに、モデル性の高い住宅市街地
を整備するため、「環境共生住宅市街地モデル事業」の活用を促進し
ます。
■ 建築物総合環境性能評価システム(CASBEE)の普及
環境負荷低減に取り組みやすい環境づくりを推進するため、住宅・
建築物に関する総合的な「建築物総合環境性能評価システム(CAS
BEE)」の普及を図ります。
■ 住宅における緑化の推進
県民、市町、関係団体等と連携し、壁面緑化、緑のカーテン、生
け垣等住宅における緑化の取組を推進します。
CASBEEによる
評価のしくみ
(出典:(財)建築環境・省エネルギー機構 CASBEE ホームページ)
省CO2化
省エネルギー住宅
高断熱・高気密
環境共生住宅
建築物総合環境性能評価
システム(CASBEE)
壁面緑化
緑のカーテン
山口県住宅マスタープラン
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1-3 環境にやさしい住宅の普及
(2) 新エネルギーの活用
持続可能な社会の構築に向け、自然エネルギー等を積極的に
利用できる住まいづくりを促進します。
■ 新エネルギー住宅に対する融資の促進
太陽光発電システム等の新エネルギーの導入を進めるため、「地球
にやさしい環境づくり融資制度」の利用を促進します。
■ 住宅への新エネルギー利用の研究・開発
太陽光、風力、バイオマス等の新エネルギーの利活用を促進する
ための調査・研究等を推進します。
家庭で利用できる新エネルギー
(県営一の宮団地)
太陽光発電 風力発電
太陽光発電システム
バイオマス
第3章 住宅施策の展開方向
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1-3 環境にやさしい住宅の普及
(3) 再生可能な木材やリサイクル材を活用する仕組み
環境への負荷を軽減するため、木材の活用や建設廃棄物の減
量化と分別・リサイクルを進めます。
■ 木造住宅の普及
再生可能な環境負荷の少ない木材の活用や森林吸収源対策の観点
から、県産木材の利用などにより木造住宅の普及を図ります。
■ 公共工事における建設廃棄物の分別・減量化とリサイクル製品
の活用
公営住宅整備事業等において、建設廃棄物の分別・減量化やグリ
ーン購入ガイドに基づく、リサイクル製品の積極的な活用を推進し
ます。
■ リサイクル製品等に関する情報提供
県民や住宅関連事業者に対して、住宅相談窓口や県のホームペー
ジ等において、リサイクル製品に関する情報提供を行います。
■ 建設リサイクル法に基づく、住宅の分別解体・分別回収の徹底
解体工事業者等に対して、講習会等を実施するとともに、建築主
に対しては、住宅相談窓口や県のホームページ等を通じて、住宅解
体時における適正処理の周知徹底を図ります。
森林吸収源対策
公営住宅
グリーン購入ガイド
住宅関連事業者
山口県住宅マスタープラン
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4 誰もが安心して住まう 4-1 住宅セーフティネットの機能向上
4-2 公営住宅の供給等
4-3 優良な民間賃貸住宅の供給
4-4 災害発生時の体制づくり
3 ニーズに合った住宅に
住まう 3-1 住情報の提供の促進
3-2 中古住宅の流通促進
3-3 ライフスタイル等に応じた
居住環境の整備
3-4 地域住宅産業の育成・活性化
1 質の高い住空間で
快適に住まう 1-1 住宅の安全性の確保
1-2 住宅の長寿命化の推進
1-3 環境にやさしい住宅の普及
222 個個個性性性豊豊豊かかかななな地地地域域域ののの中中中ででで
住住住まままううう 2-1 山口らしさの継承と創出
2-2 市街地の安全性の確保
2-3 良好な市街地環境の整備
第3章 住宅施策の展開方向
41
2 個性豊かな地域の中で住まう
● 三方を海に開かれ、豊かな自然環境や歴史的な建造物・まちなみ等の多くの良好な景
観に恵まれた山口らしさを守り、育て、活用する取組が必要です。
このためには、地域の気候・風土・文化になじんだ伝統的構法による住まいづくりや伝
統的建造物等の改修を促進するとともに、地場産材を利用した住宅の普及を図ること
が重要です。
● 地震や集中豪雨、火災などの災害に強く、防犯性能の高い市街地の整備が必要です。
● にぎわいのある中心市街地を形成するためには、公共施設と住宅を一体的に整備する
まちづくりや、公共サービスと居住のバランスが取れた市街地を形成する街なか居住
を推進することが必要です。
◆成果指標◆
景観計画等の策定市町数 6市町 (H16) ⇒ 全市 (H22)
市町による住宅マスタープラン策定状況 7市町 (H17) ⇒ 全市町 (H27)
県産木材の生産量 176千m3 (H17) ⇒ 260千m3 (H27)
重点密集市街地の整備率 0.0% (H14) ⇒ 100% (H23)
山口県住宅マスタープラン
42
2-1 山口らしさの継承と創出
(1) 伝統的なまちなみの保全、良好な景観の創出
伝統的なまちなみの保全や、良好な景観の創出に資する住宅の
整備を進めるとともに、豊かな自然に調和した農山漁村の景観の
保全等に努めます。
■ 伝統的なまちなみの保全
伝統的なまちなみ等地域固有の景観を保全し、ゆとりある居住環
境を整備するため、住民と行政が協働して、空き家等を活用した拠
点施設整備、公共施設の整備や住宅等の修景を行います。
■ 地域の景観形成やまちづくり活動への支援
地域景観ワークショップやセミナーの開催等により、地域の美し
い景観に対する関心づくりに取り組むとともに、市町が行う景観計
画等の策定を支援します。また、建築協定やまちづくり協定など住
民主体のルールづくりを促進します。
■ 住宅マスタープランを策定する市町への支援
地域の住宅政策を総合的かつ計画的に進めていくため、住宅マス
タープランを策定する市町に対して、必要な情報提供や技術的助言
等の支援を行います。
■ 良好な景観形成に資する公営住宅の整備
公共空間の景観形成を先導するため、規模・構造・色彩など、地域
の景観に配慮した公営住宅の整備を行います。
白壁のまちなみ(柳井市)
景観計画
建築協定
まちづくり協定
公営住宅
第3章 住宅施策の展開方向
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2-1 山口らしさの継承と創出
(2) 伝統的構法による住宅の普及
伝統に培われた技術を再認識し、地域の気候・風土・文化に馴
染んだ伝統的構法による住まいづくりや伝統的建造物等の改修
を推進します。
■ 伝統的構法の普及啓発
日本の気候風土に適した伝統的構法による木造住宅の良さを「や
まぐち住宅フェア」等を通じて普及啓発します。
■ 伝統的構法を支える技術の継承
伝統的構法を支える技術者を育成するため、「大工育成塾」の普及
を図るとともに、伝統的構法を採用している県内工務店のネットワー
ク化等に対する支援制度を検討します。
■ 伝統的構法における住宅の高性能化と伝統的工法を生かした
住まいづくりの調査研究
伝統的構法における断熱性能・耐震性能等を備えた施工事例やス
ケルトン・インフィルを視野に入れた構造形式、しっくい壁などの伝
統的工法を生かした住まいづくりについて調査研究を行います。
伝統的構法による山口のすまい
伝統的構法
スケルトン・インフィル
山口県住宅マスタープラン
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2-1 山口らしさの継承と創出
(3) 地場産材の利用
住宅産業における地場産材の需要拡大と産地づくりを進め、循
環型社会の形成を図るため、県産木材やリサイクル製品の利用を
促進します。
■ 県産木材を利用した住まいづくりの推進
地産・地消を推進し、住民が地域への愛着を持つことができる地場
産材の利用を促進するため、優良県産木材認証制度や優良県産木材
利用住宅への助成により、「やまぐち木の家」の普及を推進します。
また、公営住宅等の整備においても県産木材の利用を促進します。
■ 山口県認定リサイクル製品の利用促進
循環型社会づくりを進めるため、リサイクル製品の認定とその普
及啓発を図るとともに、グリーン購入ガイドに基づいた調達を進め
ます。
■ 山口独自のブランド品の研究開発及び利用促進
県内で生産される自然素材・副産物を使用した多機能住宅建材の
研究開発を行うとともに、プレゼンテーションやフェア等の開催に
より利用を促進します。
やまぐち木の家(山口県ホーム
ページより)
http://www.pref.yamaguch
i.lg.jp/cms/a17700/1029/
20060614002.html
山口県認定リサイクル
製品認定マーク
循環型社会
地産・地消
公営住宅
グリーン購入ガイド
第3章 住宅施策の展開方向
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2-2 市街地の安全性の確保
(1) 災害に強いまちづくり
地震や集中豪雨、火災などの災害に強いまちづくりを進めるた
め、市街地の整備を促進します。
■ 密集市街地の整備促進
重点的な対応が必要な密集市街地については、ハード、ソフト両
面からの総合的な対策を行い、早急に最低限の安全性の確保に向け
た取組を進めます。
また、防災上整備が必要な密集市街地について、公共施設の整備
や老朽住宅の除却を促進し、密集市街地の解消に努めます。
■ 密集市街地における地域住民活動への支援
防災上整備が必要な密集市街地の防災性を高めるためには、行政
と地域の協働が必要であり、既存のコミュニティなどを活かした地
域住民の主体的な活動を支援します。
■ 危険地域への住宅建築の抑制
災害危険区域内等においては、住宅等について一定の防災工事を
行ったもの以外の建設を規制します。
■ ハザードマップを活用した危険情報の提供
平常時から防災意識の向上を図り、災害時に的確に行動できるよ
うにするため、地震、洪水、高潮及び土砂災害が発生した場合の状
況や避難方法等の情報を記載した「ハザードマップ」の作成について、
市町への支援を行います。
(2) 住宅市街地の防犯性の向上
住民の防犯意識が高まっていることを踏まえ、防犯性の高い住
宅市街地の整備を推進します。
■ 犯罪の起こりにくい住環境づくりの普及啓発
犯罪のない安全で安心なまちづくりに向けて、「犯罪行為の防止に
配慮した道路、公園、自動車駐車場及び自転車駐車場に関する指針」
等の周知徹底を図ります。
■ 住民による自主的な防犯活動を支える関係機関の協力・協働
防犯に配慮した地域づくりや住まい方に関する普及啓発を推進す
るとともに、地域住民による自主的な地域安全活動に対して、関係
機関が協力・協働して支援します。
密集市街地
災害危険地域
山口県住宅マスタープラン
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2-3 良好な市街地環境の整備
(1) 計画的な住環境整備
安全で快適な住環境を形成し、にぎわいのあるまちを創出する
ため、公共施設と住宅を一体的に整備するまちづくりを計画的に
推進します。
■ 道路、公園などの公共施設と住宅の一体的な整備の促進
土地区画整理事業や住宅市街地総合整備事業、まちづくり交付金
などの活用により、公共施設の整備と住宅の一体的な整備を行い、
よりよい住環境の整備を促進します。
■ 地区計画や建築協定の積極的な活用の推進
良好な住環境を整備するため、市町が定める地区計画や住民同士
が行う建築協定について、技術的支援を行います。
■ 景観形成に配慮した住環境整備の推進
個性豊かな景観づくりに向けて、市町が行う景観計画の策定や住
民と一体となって進める景観形成等の取組に対して、「山口県景観ア
ドバイザー」の派遣等により支援するとともに、「街なみ環境整備事業」
の活用を促進します。
■ ユニバーサルデザインに配慮した住環境整備の促進
高齢者や障害者等をはじめ誰もが安心して自由にでかけることが
できるよう、「山口県福祉のまちづくり条例」に基づき、ユニバーサ
ルデザインに配慮した住環境の整備を推進します。
■ 既存ストックの活用
既存の都市基盤を有効に活用しながら、安心して快適に暮らせる
徒歩生活圏を形成するため、事務所等の住宅へのコンバージョン等
を促進します。
■ まちづくり活動等へ住民が主体的に参加する環境づくり
まちづくり活動を進める人材の養成や建築協定制度の活用等によ
り、住民がまちづくりや地域のマネージメント活動に主体的に取り
組むための環境を整備します。
土地区画整理事業
住宅市街地総合整備事業
まちづくり交付金
地区計画
建築協定
景観計画
ユニバーサルデザイン
コンバージョン
第3章 住宅施策の展開方向
47
2-3 良好な市街地環境の整備
(2) 街なか居住の推進
中心市街地活性化や定住人口を確保するため、商業のみならず
居住や公共サービスのバランスがとれた市街地を形成する街なか
居住を推進します。
■ 中心市街地等での優良賃貸住宅の供給促進
民間オーナーとの連携により、ファミリー向けや高齢者向けの優
良な賃貸住宅の供給を促進します。
■ 市街地再開発等の推進
にぎわい空間の創出など都市機能の更新を図るため、都市機能が
低下している市街地において、建築物、敷地及び公共施設の一体的
整備等を行いつつ、街なかへの住宅の供給を推進します。
■ 高齢者街なか居住支援事業の推進
民間事業者と連携しながら、街なかにある空き家を活用し、高齢
者世帯等の郊外から街なかへの住替えを促進します。
■ 街なかの空家情報等の充実
市町及び宅地建物取引業関係団体等と連携し、街なかにある空き
家の情報提供や活用されていない空き家の賃貸化を促進します。
■ 街なか居住再生ファンドの検討
中心市街地等で行われる民間の多様な住宅の整備事業を支援する
ため、それらの事業を主な目的として設立される会社に対して出資
するファンドの造成について検討します。
■ 既成市街地にある老朽公営住宅の建替え促進
「山口県県営住宅ストック総合活用計画」に基づき、老朽化した県
営住宅の計画的な建替えを進めるとともに、市町営住宅の建替えを
促進します。
防府駅てんじんぐち第 1種
市街地再開発事業(防府市)
写真
街なか居住
高齢者街なか居住支
援事業
宅地建物取引業
ファンド
公営住宅
ストック総合活用計画
山口県住宅マスタープラン
48
1 質の高い住空間で
快適に住まう 1-1 住宅の安全性の確保
1-2 住宅の長寿命化の推進
1-3 環境にやさしい住宅の普及
4 誰もが安心して住まう 4-1 住宅セーフティネットの機能向上
4-2 公営住宅の供給等
4-3 優良な民間賃貸住宅の供給
4-4 災害発生時の体制づくり
2 個性豊かな地域の中で
住まう 2-1 山口らしさの継承と創出
2-2 市街地の安全性の確保
2-3 良好な市街地環境の整備
333 ニニニーーーズズズににに合合合っっったたた住住住宅宅宅ににに
住住住まままううう 3-1 住情報の提供の促進
3-2 中古住宅の流通促進
3-3 ライフスタイル等に応じた
居住環境の整備
3-4 地域住宅産業の育成・活性化
第3章 住宅施策の展開方向
49
3 ニーズに合った住宅に住まう
● 県民が安心して住宅を選択できるよう、住宅の性能や管理に関する情報が適正に提供
されるとともに、住宅に関する様々な問題に対応できる相談体制の整備や住まいづく
り、まちづくりに関する意識を高めることができるような、学習の機会が提供される
ことが必要です。
● 豊かな住生活を実現するためには、多様な選択肢の中から、県民がニーズに応じた適
切な住まいを選択できることが必要であり、そのためには既存住宅ストックが市場に
おいて流通・利用される環境を整備することが必要です。
● 少子高齢化や居住ニーズの多様化、高度化に対応するためには、子育て期、高齢期な
どのライフステージや個人の価値観に応じた質の高い住まいを確保、維持できるよう
な取組を進めることが重要です。
● 木造住宅の供給の多くを担ってきた中小住宅生産者においては、多様化する消費者ニー
ズへの機動的な対応や経営基盤の強化が困難であるため、供給力の強化や信頼性向
上への自助努力を行う中小住宅生産者へ支援を行うことが重要です。
◆成果指標◆
住宅性能表示の実施率 12.2% (H17) ⇒ 50% (H27)
住まいに関する相談窓口を設置している市町数 10市町 (H17) ⇒ 全市町 (H22)
既存住宅の流通シェア 14.5% (H15) ⇒ 25% (H27)
滅失住宅の平均築後年数 約 36年 (H15) ⇒ 約 43年 (H27)
市町による空き家バンク設置数 9市町 (H17) ⇒ 全市町 (H27)
子育て世帯の誘導居住面積水準達成率 43.2% (H15) ⇒ 60% (H27)
山口県住宅マスタープラン
50
3-1 住情報の提供の促進
(1) 住宅性能表示制度等の活用促進
県民が安心して住宅を選択できるよう、住宅性能表示制度等
の普及を図ります。
■ 新築住宅・中古住宅の住宅性能表示制度の普及
県民向けセミナーや関係事業者に対する講習会の開催により、「住
宅性能表示制度」の活用を促進するとともに、特に中古住宅の性能
表示については、宅地建物取引業関係団体等と連携し、制度の活用
を促進します。
■ 住宅性能保証制度等の普及
「住宅性能表示制度」の普及と併せて、住宅に係る瑕疵などのトラ
ブルから消費者を保護するため、「住宅性能保証制度」、「既存住宅
保証制度」、「住宅完成保証制度」の活用を促進します。
住宅性能表示制度のイメージ
住宅性能表示制度 宅地建物取引業
住宅性能保証制度
既存住宅保証制度
住宅完成保証制度
第3章 住宅施策の展開方向
51
3-1 住情報の提供の促進
(2) 住宅相談体制等の充実
住宅の取得や維持・管理に対する不安を解消するため、住宅
の様々な問題に関する相談体制の充実を図ります。
■ 県・市町における相談窓口の充実
県民の様々な相談内容に対応できるよう県の相談体制の強化を図
るとともに、市町相談担当者向けの研修などを行い、県民に身近な
市町における相談窓口の積極的な設置を促進します。
■ 住宅相談窓口と専門機関との連携強化
悪質リフォーム被害等の未然防止を図るため、住宅相談窓口と建
築住宅センターや消費生活センターなどの専門機関との連携を強化
します。
■ 民間賃貸住宅における入退去時のトラブル等に関する情報提供
トラブル防止に向け、県民に対し、セミナー等を開催するととも
に、宅地建物取引業関係団体等や市町に対して「原状回復をめぐる
トラブルとガイドライン」等の情報提供を行います。
リフォーム
宅地建物取引業
原状回復をめぐる
トラブルとガイドライン
山口県住宅マスタープラン
52
3-1 住情報の提供の促進
(3) 住宅に関する情報提供の充実
県民がいつでもどこでも満足できる住宅関連情報を得られる
よう、情報提供の機会と内容の充実を図ります。
■ 多様な手段による住宅関連情報の提供
「やまぐち住宅フェア」の開催、「きらめき住まいづくりセンター」
や各種情報メディアの活用など、あらゆる機会を通じて住宅関連情
報の提供を行います。
■ やまぐちリフォーム事業者登録制度や空き家バンク、住まい
の耐震化などの情報内容の充実
リフォーム事業者、空き家情報、耐震診断の技術者などの県民に
身近な情報について、詳細な情報が得られるよう内容の充実に努め
ます。
(4) 住まいづくりに関する学習等の推進
住まいづくり、まちづくりに関し、県民の意識を高め、主体
的な参画を促進するため、学校教育や生涯学習等の場での住ま
いづくりに関する学習・環境教育等の展開を図ります。
■ 住まいづくりに関する学習等の推進
住まいと環境への関心を高めるため、「やまぐち住宅フェア」にお
ける児童画コンクールの実施や「やまぐち県政出前トーク」を通じて、
住まいづくり、まちづくりに関する意識の醸成を図ります。
2006やまぐち住宅フェア
児童画コンクール「木でできた
おうち」最優秀作品より
「高い高い空の上にある夢いっぱいの家」
「わたしのすんでいる木のうちへ遊びにおいでよ」
空き家バンク
耐震化
リフォーム
耐震診断
第3章 住宅施策の展開方向
53
3-2 中古住宅の流通促進
(1) 安心して取引できる環境づくり
安心して中古住宅を取引できる環境を整備するため、的確な
情報提供と市場のルールづくりを推進します。
■ 消費者への的確な情報提供の仕組みづくり
市町や宅地建物取引業関係団体等と連携して、中古住宅の性能表
示制度の普及を図るとともに、「既存住宅保証制度」の活用を促進し
ます。
■ 住宅の修繕や維持管理の状況を適正に評価するルールづくり
新築時の工事内容や性能、入居後の維持管理や修繕・リフォームに
関する履歴情報を保管・蓄積できるシステムを構築することにより、
中古住宅市場において、適切な評価が得られるルールづくりを検討
します。
(2) 持家資産の流動化の促進
中古住宅市場の活性化のため、持家ストックを賃貸化して
利用する方策等を検討します。
■ 定期借家制度の普及
宅地建物取引業関係団体等に対し、「定期借家制度活用マニュアル」
の周知等により、定期借家による賃貸契約を促進します。
■ サブリース方式による空家所有者のリスク軽減の検討
空き家を賃貸化した場合の所有者のリスクを軽減するため、家賃
保証と経営代行の機能を持った「サブリース方式」の導入を検討しま
す。
■ リバース・モーゲージ制度の研究
土地や建物を担保に、高齢者の在宅生活又は他の住宅に移り住む
のに必要な資金を融資する「リバース・モーゲージ制度」について研究
します。
宅地建物取引業
既存住宅保証制度
リフォーム
定期借家制度
サブリース
リバース・モーゲージ制度
山口県住宅マスタープラン
54
3-2 中古住宅の流通促進
(3) 円滑な住替えの促進
ライフステージに応じた住宅を無理なく安心して選択できる
ようにするため、住宅の円滑な売買や持家の賃貸化を促進します。
■ 住替え先の情報提供や相談体制づくり
住替えに関する相談窓口の設置や関係団体との連携により、住替
え支援の体制づくりを推進します。
■ 住替えに伴うワンストップサービスの検討
関係団体と連携して、住替えに伴う動産処分や引越等の付帯業務
のワンストップサービスのあり方について検討します。
■ 空家活用による住替え支援
県内の空家情報の集約化を図るとともに、「移住・住みかえ支援機構
(JTI)」等と連携し、大都市圏からの移住希望者に対する空家情
報を提供します。
移住・住みかえ支援機構(JTI)
が実施するマイホーム借上げ制
度の仕組み
ワンストップサービス
移住・住みかえ支援機構
(JTI)
第3章 住宅施策の展開方向
55
3-2 中古住宅の流通促進
(4) 適正な維持管理等による質の確保
住宅の円滑な流通を促進するため、住宅の質の確保を図ります。
■ 住宅のリフォームや維持管理の履歴を蓄積し活用できるシス
テムの検討(再掲 p.36)
住宅ストックが長期にわたり有効に活用されるよう、計画的なメ
ンテナンスやリフォームに関する履歴システムの構築を検討します。
■ 住宅の修繕や維持管理の状況を適正に評価するルールづくり
(再掲 p.53)
新築時の工事内容や性能、入居後の維持管理や修繕・リフォーム
に関する履歴情報を保管・蓄積できるシステムを構築することによ
り、中古住宅市場において、適切な評価が得られるルールづくりを
検討します。
■ リフォームによる耐震化・省エネ化等の促進(再掲 p.35)
住宅リフォームに併せた耐震改修や省エネ改修の事例集を作成し、
県民や住宅関連事業者に情報提供します。
■ 建築基準法による確認済証、検査済証等の工事関係書類の受
領・保管の徹底
建築に関する関係書類を所有者が業者から確実に受領し、流通時
には次の所有者に引き継ぐことを周知徹底します。
リフォーム
住宅ストック
履歴システム
耐震化
耐震改修
住宅関連事業者
山口県住宅マスタープラン
56
3-2 中古住宅の流通促進
(5) 空家活用の仕組みづくり
住宅ストックを有効活用するため、空き家の市場流通を促進
する仕組みを整備します。
■ 空き家の賃貸化促進に向けた定期借家制度等の情報提供
宅地建物取引業関係団体等に対し、定期借家制度に関する情報の
提供を促進します。
■ 空家情報登録制度の普及
住み手と空き家の所有者を繋ぐ情報提供として有効である空家情
報登録制度(空き家バンク)の全市町への普及を図ります。さらに、
実効性を高めるため、宅地建物取引業関係団体等との協力体制構築
を推進します。
■ 空き家バンクの運営や情報提供を行う街なか居住支援センタ
ーの市町設置の促進
民間のアイデアを取り込み持続可能な取り組みとするため、各市
町における空き家バンクの運営、空家所有者や住替え希望者への相
談対応を行う街なか居住支援センターの設置を促進します。
■ 公的機関による空き家の賃貸化事業の検討
公的機関による空き家の借上げとこれを必要とする者への転貸の
仕組みづくりを検討します。
空き家情報登録制度(空き家バンク)
のしくみ
住宅ストック
定期借家制度
宅地建物取引業
空き家バンク
街なか居住
第3章 住宅施策の展開方向
57
3-3 ライフスタイル等に応じた居住環境の整備
(1) 子育て世帯支援
安心して子どもを生み育てることができるよう、家庭や地域
における子育て支援の住環境整備を促進します。
■ 子育てを支援する住宅の認定制度の検討
子育て世帯が安心して居住できる住環境を整備するため、子育て
に適した規模や間取り、子育てに配慮した住戸内の仕様を有し、子
育て支援施設や支援サービスの提供を受けることができる住宅の認
定制度を検討します。
■ 子育てを支援する住宅の普及
子育てを支援する住宅の普及を図るため、認定住宅に対する融資
の金利等の優遇や市町と連携した支援制度を検討します。
■ ファミリー向けの良質な賃貸住宅の供給促進
ファミリー世帯のニーズに対応できる十分な面積を持つ良質な賃
貸住宅を供給するため、特定優良賃貸住宅の供給を促進します。
■ 高齢者の住替え支援を通じた子育て世代への賃貸住宅供給
家の管理に苦慮している高齢者の住替えを支援することにより、
高齢者の所有する戸建て住宅等を、広い住宅を必要とする子育て世
帯に賃貸しやすい環境づくりを推進します。
■ スケルトン・インフィル(SI)住宅の普及(再掲 p.34)
ライフスタイルやライフステージの変化等に応じたリフォームに
柔軟に対応できるよう、耐久性に優れ、維持管理がしやすく、内装
の可変性を有するスケルトン・インフィル(SI)住宅の普及を図り
ます。
■ 子育て世帯に対する公的賃貸住宅の的確な供給
子育て期の世帯構成に対応できるタイプ別供給など子育てに配慮
した公的賃貸住宅の整備を進めます。また、大規模団地の建替え事
業においては、子育て施設を併設した次世代育成型公的賃貸住宅の
整備について検討します。
特定優良賃貸住宅
スケルトン・インフィル
(SI)
リフォーム
公的賃貸住宅
山口県住宅マスタープラン
58
3-3 ライフスタイル等に応じた居住環境の整備
(2) 高齢者や障害者等の自立支援
高齢者や障害者等の自立した生活を支えるため、高齢者・障
害者等の身体に配慮した住宅の普及や福祉部局と連携した住生
活関連サービスを提供します。
■ 福祉部局と連携した高齢者向け優良賃貸住宅の供給の促進
高齢者単身や高齢者夫婦世帯の居住の安定を図るため、民間活力
を活用し、福祉施設の併設やサービスの提供を行うなど、高齢者に
配慮された良質な賃貸住宅の供給を促進します。
■ グループ居住等の新たな住まい方の普及促進
高齢者や障害者等の自立を支えるため、公営住宅のグループホー
ム事業への活用等により、グループ居住等の新たな住まい方を支援
します。
■ ユニバーサルデザインに配慮した住環境整備の促進
(再掲 p.46)
高齢者や障害者等をはじめ誰もが安心して自由にでかけることが
できるよう、「山口県福祉のまちづくり条例」に基づき、ユニバーサ
ルデザインに配慮した住環境の整備を推進します。
■ 新築時、改修時における住宅のバリアフリー化の促進
(再掲 p.32)
住宅のバリアフリー化を促進するため、住宅の新築・増改築・改
修時における助成制度や融資制度の活用を推進するとともに、共同
住宅等を整備する際に助言・指導を行う「福祉のまちづくりアドバイ
ザー」の派遣を行います。
■ 公営住宅における高齢者支援体制
(シルバーハウジング・プロジェクト等)の整備促進
高齢者世帯が安心して快適に生活できるよう、高齢者に配慮され
た住宅の整備(ハード面)のみならず、生活援助員(LSA)による支
援(ソフト面)を行うシルバーハウジング・プロジェクトによる公営住
宅整備を促進します。
シルバーハウジング
(県営中津江団地)
生活相談室
高齢者向け優良賃貸住宅
ユニバーサルデザイン
公営住宅
シルバーハウジング・
プロジェクト
第3章 住宅施策の展開方向
59
3-3 ライフスタイル等に応じた居住環境の整備
(3) マルチハビテーション(二地域居住)や田園居住等多様な住まい方の提供
多様な居住ニーズへの対応や県土の適切な維持管理の観点か
ら、郊外・田園居住や二地域居住等の多様な住まい方を可能と
する仕組みづくりを推進します。
■ マルチハビテーションや田園居住等を支える住宅ストックの
活用促進
週末に中山間地域でゆったりとした時間を過ごすなど、多様なラ
イフスタイルに応じた居住指向へ対応するため、空き家の活用促進
や「優良田園住宅建設計画」の認定などにより「マルチハビテーション
(二地域居住)」に関する居住環境整備を促進します。
■ 魅力ある田園景観の形成支援
地域景観ワークショップやセミナーの開催など、田園景観への関
心づくりに取り組むとともに、市町が行う景観計画の策定や住民と
一体となって進める景観形成等を支援します。
■ 公的賃貸住宅の戦略的供給
中山間地域に多く点在する老朽化した市町営住宅団地の戦略的な
統廃合を進めるため、市町の公営住宅ストック総合活用計画の策定
を促進します。
田園景観(長門市)
二地域居住(周防大島町
滞在型市民農園)
田園居住
マルチハビテーション
(二地域居住)
住宅ストック
中山間地域
景観計画
公的賃貸住宅
公営住宅
ストック総合活用計画
山口県住宅マスタープラン
60
3-3 ライフスタイル等に応じた居住環境の整備
(4) UJIターンの推進
退職期を迎える団塊世代等のUJIターンを推進するため、
定住につながる住環境整備や情報の提供を促進します。
■ UJIターン希望者への移住・定住に関する情報の充実
県・市町や関係機関と連携し、UJIターン希望者のための関連情
報を集積し、県・市町の住宅相談窓口等で情報提供します。
■ 体験ツアー等を通じた定住の促進
市町や関係団体と連携し、ホームページ等の活用による定住関連
情報の一元化を図るとともに、体験ツアーや就農支援の実施を通じ
た円滑な定住を促進します。
■ 福祉部局と連携した高齢者向け優良賃貸住宅の供給の促進
(再掲 p.58)
高齢者単身や高齢者夫婦世帯の居住の安定を図るため、民間活力
を活用し、福祉施設の併設やサービスの提供を行うなど、高齢者に
配慮された良質な賃貸住宅の供給を促進します。
■ 生活関連部局との連携による相談機能の充実
市町や関係機関と連携し、東京都、大阪府、山口県内に設置した
相談窓口において、就労、地域づくり、住まい等のUJIターンに
関する様々な相談に対応するとともに情報の提供を行います。
■ 特定優良賃貸住宅への入居資格の緩和
県外からのUJIターン希望者の円滑な定住を図るため、特定優
良賃貸住宅における入居資格を緩和します。
山口県UJIターン支援サイト
http://www.ymg-uji.jp/
団塊世代
UJIターン
高齢者向け優良賃貸住宅
特定優良賃貸住宅
第3章 住宅施策の展開方向
61
3-4 地域住宅産業の育成・活性化
(1) 中小住宅生産者の供給力の強化
中小住宅生産者における木造住宅の供給力を強化するため、
生産性・技術力の向上や経営基盤の強化に向けた技術支援を
行います。
■ 消費者ニーズに的確に対応できる経営体制への助言指導
中小住宅生産者が技術力の向上を図り、消費者ニーズに的確に対
応できる経営体制を確立するため、セミナーや講習会の開催などを
通じた支援をします。
■ 合理的なコスト形成に向けた検討への支援
消費者に合理的な価格で良質な住宅を提供できるよう、経営基盤
の強化の検討、地域性を反映させた合理化工法や品質管理手法の開
発・普及等の活動について支援します。
(2) 中小住宅生産者の信頼性の向上支援
中小住宅生産者に対する消費者の信頼性を向上させるため、
中小住宅生産者の業務体制等の近代化を促進します。
■ 合理的な見積もり・契約の実施の推進
新築やリフォーム工事等におけるトラブル回避のため、合理的な
見積もり・契約の実施について、関係団体に対し指導・助言を行いま
す。
■ 品質管理やアフターメンテナンスの適切な実施
「住宅性能表示制度」及び「住宅性能保証制度」の活用促進を通じて、
品質管理やアフターメンテナンスが適切に実施されるよう、関係
団体に対し指導・助言を行います。
■ 住宅性能表示制度の活用促進
中小住宅生産者が生産する住宅に対する消費者の信頼性を向上さ
せるため、「住宅性能表示制度」の活用を促進します。
■ 住宅性能保証制度等の普及(再掲 p.50)
「住宅性能表示制度」の普及と併せて、住宅に係る瑕疵などのト
ラブルから消費者を保護するため、「住宅性能保証制度」、「既存住
宅保証制度」、「住宅完成保証制度」の活用を促進します。
リフォーム
住宅性能表示制度
住宅性能保証制度
既存住宅保証制度
住宅完成保証制度
山口県住宅マスタープラン
62
1 質の高い住空間で
快適に住まう 1-1 住宅の安全性の確保
1-2 住宅の長寿命化の推進
1-3 環境にやさしい住宅の普及
2 個性豊かな地域の中で
住まう 2-1 山口らしさの継承と創出
2-2 市街地の安全性の確保
2-3 良好な市街地環境の整備
3 ニーズに合った住宅に
住まう 3-1 住情報の提供の促進
3-2 中古住宅の流通促進
3-3 ライフスタイル等に応じた
居住環境の整備
3-4 地域住宅産業の育成・活性化
444 誰誰誰もももががが安安安心心心しししててて
住住住まままううう 4-1 住宅セーフティネットの
機能向上
4-2 公営住宅の供給等
4-3 優良な民間賃貸住宅の供給
4-4 災害発生時の体制づくり
第3章 住宅施策の展開方向
63
4 誰もが安心して住まう
● 市場重視の住宅政策への転換を図る一方で、市場において自力では適正な水準の住宅
を確保できない住宅困窮者の安定した居住の確保を図ることが重要です。
● 住宅セーフティネットの中心的な役割を担う公的賃貸住宅及び入居制限のない民間賃
貸住宅については、少子高齢化の進行、居住形態の多様化などの社会経済情勢の変化
を踏まえ、多様な住宅困窮者に対して、計画的、公平かつ的確に供給・活用していく
ことが重要です。
● 住まいに関し、地震などの災害に対する備えと、災害発生時に早急な対応ができる体
制づくりが重要です。
◆成果指標◆
高齢者のいる住宅のバリアフリー化率
一定のバリアフリー化(手すり又は段差解消) 27.6% (H15) ⇒ 75% (H27)
高度のバリアフリー化(手すり、段差解消及び廊下幅) 5.0% (H15) ⇒ 25% (H27)
最低居住面積水準未満率 3.2% (H15) ⇒ 早期に解消
高齢者円滑入居賃貸住宅の登録数 640戸 (H17) ⇒ 4,500戸 (H27)
山口県住宅マスタープラン
64
4-1 住宅セーフティネットの機能向上
低額所得者、被災者、高齢者、子どもを育成する家庭等の
居住の安定が確保されるよう、公的賃貸及び民間賃貸住宅に
よる住宅セーフティネットの機能向上を目指します。
■ 計画的、公平かつ的確な公営住宅の供給
市場において自力では適正な水準の住宅を確保することのできな
い低額所得者等の住宅不足を緩和するため、計画的、公平かつ的確
に公営住宅を供給します。
■ 公的賃貸住宅制度の一体的運用、既存ストック間の柔軟な利
活用の検討
既存ストックの有効活用を図りつつ、公営住宅制度を補完する重
層的な住宅セーフティネットの構築を図るため、各種公的賃貸住宅
制度の一体的運用やストック間の柔軟な利活用等を円滑に行うため
の仕組みづくりを進めます。
■ 入居制限を行わない民間賃貸住宅の登録、情報提供等の推進
高齢者、障害者、小さな子どものいる世帯等の居住の安定を確保
するため、高齢者等に対する入居制限を行わない民間賃貸住宅の登
録、情報提供、居住支援等を推進します。
■ 住宅マスタープランを策定する市町への支援 (再掲 p.42)
地域の住宅政策を総合的かつ計画的に進めていくため、住宅マス
タープランを策定する市町に対して、必要な情報提供や技術的助言
等の支援を行います。
住宅セーフティネット
公営住宅
公的賃貸住宅
第3章 住宅施策の展開方向
65
4-2 公営住宅の供給等
(1) 県及び市町による公営住宅の供給
市場において自力では適正な水準の住宅を確保することので
きない低額所得者等の住宅不足を緩和するため、計画的に公営
住宅を供給します。
■ 県営住宅の計画的なストック活用・整備
既存の県営住宅ストックの有効活用を図るため、「山口県県営住
宅ストック総合活用計画」に基づき、県営住宅の建替え、改善等を
計画的に推進します。
■ 市町における公営住宅ストック総合活用計画の策定支援
市町営住宅について計画的な新設・建替え、改善等を適切に実施
するため、市町における公営住宅ストック総合活用計画の策定を強
力に支援します。
■ 建替え等による老朽公営住宅ストックの解消と居住水準・
耐震性の向上
老朽化した公営住宅の建替え、全面的改善事業(トータルリモデ
ル事業)等の推進により、老朽公営住宅ストックの解消と居住水準の
向上を図るとともに、耐震性の低い市町営住宅の耐震改修を促進し
ます。
■ 管理代行制度等によるワンストップサービスの検討
公営住宅への入居手続きの円滑化、適切な情報提供等を推進する
ため、管理代行制度等によるワンストップサービスの提供について
検討します。
全面的改善事業
(県営稗田団地)
建替事業
(山口市営矢原団地)
改善前 改善後
公営住宅
ストック総合活用計画
居住水準
全面的改善事業
(トータルリモデル事業)
耐震改修
管理代行制度
ワンストップサービス
建替前 建替後
山口県住宅マスタープラン
66
4-2 公営住宅の供給等
(2) 多様な供給手法の活用
住宅困窮者の多様化、地方公共団体における財政制約の高ま
りなどの社会経済情勢の変化に対応するため、公営住宅の供給
において、民間活力の一層の導入、福祉施策等との連携等を進
めます。
■ 民間住宅の借上げ等による市町営住宅の供給の促進
直接建設による公営住宅の供給が困難な場合において、初期投資
が少なく、また供給が必要な地域への誘導が可能な借上げ方式によ
る市町営住宅の供給を促進します。
■ PFI手法による整備等の検討
公営住宅の整備等における事業コストの削減やより質の高い公共
サービスを提供するため、事業環境に応じて、民間の資金や経営能
力及び技術的能力を活用するPFI手法による公営住宅の整備等を
検討します。
■ 公営住宅ストック総合改善事業の推進
既存公営住宅ストックの有効活用を図るため、全面的改善事業(ト
ータルリモデル事業)、バリアフリー改善事業、シルバーリフォー
ム等を推進します。
バリアフリー改善事業
(県営赤妻団地)
階段室型エレベーター
公営住宅
PFI
全面的改善事業
(トータルリモデル事業)
バリアフリー改善事業
シルバーリフォーム
階段室型エレベーターの設置
第3章 住宅施策の展開方向
67
公営住宅 公的賃貸住宅
4-2 公営住宅の供給等
(3) 公営住宅の供給の目標量
公営住宅を計画的に供給するため、計画期間内の当初5年間
及び全10年間の公営住宅の供給の目標量をそれぞれ次のとお
り定めます。
平成18~22年度 8,800戸
平成18~27年度 16,300戸
「公営住宅の供給の目標量」
新規の建設・買取の戸数+民間借上戸数+空家募集の戸数+建替後戸数
公営住宅の供給の
目標量の考え方
公営住宅の供給
の目標量
住宅困窮者が新規
に入居可能な戸数
新規の建設・買取戸数
民間借上戸数
+
+
+ 高齢者向け優良賃貸
住宅等のうち活用を
図る戸数
公営住宅
建替後戸数
空家募集戸数
山口県住宅マスタープラン
68
4-3 優良な民間賃貸住宅の供給
(1) 子育て世帯向け賃貸住宅の供給
子育て世帯の居住の安定を確保するため、子育てに適した賃
貸住宅の供給を促進します。
■ ファミリー向けの良質な賃貸住宅の供給促進(再掲 p.57)
ファミリー世帯のニーズに対応できる十分な面積を持つ良質な賃
貸住宅を供給するため、特定優良賃貸住宅の供給を促進します。
■ 子育てを支援する住宅の認定制度の検討(再掲 p.57)
子育て世帯が安心して居住できる住環境を整備するため、子育て
に適した規模や間取り、子育てに配慮した住戸内の仕様を有し、子
育て支援施設や支援サービスの提供を受けることができる住宅の認
定制度を検討します。
■ 市町との連携による子育てを支援する住宅の供給促進
子育てを支援する住宅の供給を促進するため、共同住宅等の認定
住宅に対して、市町と連携した支援制度を検討します。
子育てを支援する住宅の
イメージ図 ●防犯性への配慮
▽オートロックの設置
▽EV内への監視カメラの設置
▽キッズルームの設置
●共用部の安全性への配慮
▽階段などへの子供用
手すりの設置等 ●子育て支援スペースの設置
▽児童遊園等の設置
特定優良賃貸住宅
第3章 住宅施策の展開方向
69
4-3 優良な民間賃貸住宅の供給
(2) 高齢者向け賃貸住宅の供給
高齢者の居住の安定を図るため、高齢者向け賃貸住宅の供給
を促進します。
■ 高齢者円滑入居賃貸住宅・高齢者専用賃貸住宅の登録の促進
高齢者が円滑に入居し、安心して生活できる賃貸住宅市場を整備
するため、高齢者の入居を拒まない賃貸住宅や高齢者専用の賃貸住
宅の登録による情報提供と「家賃債務保証制度」の促進を図ります。
■ 福祉部局と連携した高齢者向け優良賃貸住宅の供給の促進
(再掲 p.58)
高齢者単身や高齢者夫婦世帯の居住の安定を図るため、民間活力
を活用し、福祉施設の併設やサービスの提供を行うなど、高齢者に
配慮された良質な賃貸住宅の供給を促進します。
■ 高齢者等に配慮した住宅の設計指針の活用と普及
加齢による身体的機能の低下に配慮した住宅や在宅介護を容易に
する住宅の整備を進めるため、「高齢者が居住する住宅の設計に係る
指針」の普及を図ります。
■ 終身建物賃貸借制度の普及
高齢者が生涯にわたり安心して賃貸住宅に住み続けられるよう、
「終身建物賃貸借制度」の普及を図ります。
■ 血縁によらない共同居住形態(コレクティブハウジング)等の
普及
高齢者単身や高齢者夫婦のみの世帯の増加を踏まえ、血縁によら
ない者同士がともに暮らす「共同居住形態(コレクティブハウジング)」
に関する情報の収集や提供を行います。
高齢者向け優良賃貸住宅
(山陽小野田市 心遊館)
デイサービスセンターの併設
高齢者向け優良賃貸住宅
終身建物賃貸借制度
山口県住宅マスタープラン
70
4-4 災害発生時の体制づくり
地震や集中豪雨などの自然災害から県民の安心・安全を確保
するためには、日頃から災害の発生に備えた体制づくりを進め
るとともに、災害発生時には、被災者に対する早急な対応が可
能となるよう、情報提供等を行う体制の整備が必要です。
■ 災害発生時における住宅相談窓口の設置
地震や集中豪雨などの災害により、地域住民の居住に大きな支障
が出た場合に、被災地周辺の空家情報や災害復興住宅融資などの情
報を提供するための住宅相談窓口を速やかに設置します。
■ 応急仮設住宅の設置
地震や集中豪雨などの災害により、住宅が滅失した被災者に対し、
応急仮設住宅を速やかに供給できるような体制を整えます。
■ 被災住宅等に対する応急危険度判定の実施
余震などによる二次災害を防止するため、地震により被災した住
宅等の危険性を判定する応急危険度判定士の育成を図るとともに、
応急危険度判定を速やかに実施できる体制を整備します。