第35号 新袋井フォーラム会報 2014.4.1 新しい町づくり・人づく … ·...

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-1- 新しい町づくり・人づくりを考える有志の会 新しい町づくり・人づくりを考える有志の会 新しい町づくり・人づくりを考える有志の会 新しい町づくり・人づくりを考える有志の会 新袋井フォーラム 新袋井フォーラム 新袋井フォーラム 新袋井フォーラム 会報 第35号 会報 第35号 会報 第35号 会報 第35号 平成26(2014)年4月1日発行 平成26(2014)年4月1日発行 平成26(2014)年4月1日発行 平成26(2014)年4月1日発行 平成25年度メロープラザ発!! 平成25年度メロープラザ発!! 平成25年度メロープラザ発!! 平成25年度メロープラザ発!! 地域が元気になり笑顔があふれる提案事業の記録 地域が元気になり笑顔があふれる提案事業の記録 地域が元気になり笑顔があふれる提案事業の記録 地域が元気になり笑顔があふれる提案事業の記録 第8回俳句創作大会表彰式 新袋井フォーラム教育部会 平成26年2月15日(日) メロープラザ・1階会議室 あいさつ 新袋井フォーラム会長 小原 新袋井フォーラム教育部会によります「小 中学生と家族で俳句を楽しもう」の表彰式に たくさんの御参加をくださり、厚くお礼申し 上げます。 自然と大宇宙の美しさ優しさに厳しさを五 感をもって感動し、自らの夢と志との接点を 見いだし、季節の美しい言葉でうたいあげる 俳句は心を染みます。 これらを感じさせるこのたびの作品の数々 にただただ関心するばかりです。 元文科大臣の有馬朗人先生は、「少年の立志 大きく夏木立」 と詠んでます。 夢いっぱいの皆 さんも大きな志 をもって、努力 することを勧め ています。家族、 友達と俳句づく りに精ををだし てほしいと願っ ています。 <小原会長のあいさつ> 最後になりましたが、入賞された方々にお 祝い申し上げ、挨拶とします。 2月15日(日)午前10時から、メロープラ ザで新袋井フォーラム主催「俳句創作大会表 彰式」が行われました。会場には俳句の表彰 を受ける小、中学生や家族の方など、約70名 の方々に参加していただきました。 小学生662句、中学生476句の応募が ありました。また、本年度も、240句の家 族の応募がありました。合計で1,378句のたく さんの応募があり大変うれしく思いました。 袋井市長賞3人、袋井市教育長賞3人、新 袋井フォーラム会長賞3人の三賞に加え、メ ロープラザ賞3人を創設し、優秀賞、入選、 合わせて61人の子供たち、家族の入賞者た ちに賞を用意しました。 表彰式には、29人とその家族の皆様に出 席して頂きました。原田市長、小林教育長に も参列していただき、御挨拶をいただきまし た。 村松達也選考委員長に選評を報告してただ きました。優秀作品が多く、選考を慎重に進 めたとのことです。 受賞者には、本会の小原望会長から一人ず つ表彰が手渡されました。 表彰式後、原田英之市長、小林教育長も加 わって頂き、小学生・中学生・家族の部ご とに記念撮影をすることができました。その 後、入賞者や家族の方々と歓談していただき ました。 受賞された児童生徒、家族の皆さんのお名 第35号 新袋井フォーラム会報 2014.4.1

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    新しい町づくり・人づくりを考える有志の会新しい町づくり・人づくりを考える有志の会新しい町づくり・人づくりを考える有志の会新しい町づくり・人づくりを考える有志の会

    新袋井フォーラム新袋井フォーラム新袋井フォーラム新袋井フォーラム 会報 第35号会報 第35号会報 第35号会報 第35号

    平成26(2014)年4月1日発行平成26(2014)年4月1日発行平成26(2014)年4月1日発行平成26(2014)年4月1日発行

    平成25年度メロープラザ発!!平成25年度メロープラザ発!!平成25年度メロープラザ発!!平成25年度メロープラザ発!!

    地域が元気になり笑顔があふれる提案事業の記録地域が元気になり笑顔があふれる提案事業の記録地域が元気になり笑顔があふれる提案事業の記録地域が元気になり笑顔があふれる提案事業の記録

    第8回俳句創作大会表彰式

    新袋井フォーラム教育部会

    時 平成26年2月15日(日)

    所 メロープラザ・1階会議室

    ○ あいさつ

    新袋井フォーラム会長 小原 望

    新袋井フォーラム教育部会によります「小

    中学生と家族で俳句を楽しもう」の表彰式に

    たくさんの御参加をくださり、厚くお礼申し

    上げます。

    自然と大宇宙の美しさ優しさに厳しさを五

    感をもって感動し、自らの夢と志との接点を

    見いだし、季節の美しい言葉でうたいあげる

    俳句は心を染みます。

    これらを感じさせるこのたびの作品の数々

    にただただ関心するばかりです。

    元文科大臣の有馬朗人先生は、「少年の立志

    大きく夏木立」

    と詠んでます。

    夢いっぱいの皆

    さんも大きな志

    をもって、努力

    することを勧め

    ています。家族、

    友達と俳句づく

    りに精ををだし

    てほしいと願っ

    ています。

    最後になりましたが、入賞された方々にお

    祝い申し上げ、挨拶とします。

    2月15日(日)午前10時から、メロープラ

    ザで新袋井フォーラム主催「俳句創作大会表

    彰式」が行われました。会場には俳句の表彰

    を受ける小、中学生や家族の方など、約70名

    の方々に参加していただきました。

    小学生662句、中学生476句の応募が

    ありました。また、本年度も、240句の家

    族の応募がありました。合計で1,378句のたく

    さんの応募があり大変うれしく思いました。

    袋井市長賞3人、袋井市教育長賞3人、新

    袋井フォーラム会長賞3人の三賞に加え、メ

    ロープラザ賞3人を創設し、優秀賞、入選、

    合わせて61人の子供たち、家族の入賞者た

    ちに賞状を用意しました。

    表彰式には、29人とその家族の皆様に出

    席して頂きました。原田市長、小林教育長に

    も参列していただき、御挨拶をいただきまし

    た。

    村松達也選考委員長に選評を報告してただ

    きました。優秀作品が多く、選考を慎重に進

    めたとのことです。

    受賞者には、本会の小原望会長から一人ず

    つ表彰状が手渡されました。

    表彰式後、原田英之市長、小林教育長も加

    わって頂き、小学生・中学生・家族の部ご

    とに記念撮影をすることができました。その

    後、入賞者や家族の方々と歓談していただき

    ました。

    受賞された児童生徒、家族の皆さんのお名

    第35号 新袋井フォーラム会報 2014.4.1

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    前と受賞作品は別項に掲載しました。

    (1)平成25年度

    俳句創作大会選考結果

    ◎ 6年生の作品

    ○ 袋井市長賞

    向日葵がおじぎをしたら新学期

    高南小 安間 幹人

    ○ 袋井市教育長賞

    おはようと言ったとたんに白い息

    袋井南小 佐藤 良亮

    ○ 新袋井フォーラム会長賞

    赤とんぼ初めて乗ったぼくの肩

    袋井南小 古山 裕

    ○ メロープラザ賞

    ほりごたつ家族と共に温まる

    浅羽北小 山田 琴菜

    ○ 優秀賞

    裏路地の風の抜けゆく夕月夜

    袋井南小 清水 翔太

    見上げれば遊ぶとんぼの小学校

    浅羽東小 森川ひまり

    さんま食べはらのにがいのどうしよう

    浅羽東小 望月 大聖

    くり食べて心ほっこり秋ふかし

    袋井北小 水口 宥

    満月の光でできるリフティング

    袋井北小 長野 峻己

    ○ 入 選

    帰り道稲の穂われる波のよう

    袋井南小 西尾 真衣

    葉の下で虫が仲良く雨やどり

    袋井南小 亀川 純空

    秋風はおいしいにおいのたっきゅうびん

    浅羽東小 杉山 竜也

    赤とんぼむれからはぐれ一人旅

    浅羽東小 太田 隼人

    赤黄色ゆられるもみじに君笑う

    浅羽東小 磯部 真菜

    稲かられ忘れさられたかかしかな

    浅羽東小 西尾 優希

    寒い朝ぶるっとふるえて深呼吸

    浅羽南小 神谷 朋華

    旅に出てはあっと一息雪の富士

    浅羽南小 近藤 圭恭

    第35号 新袋井フォーラム会報 2014.4.1

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    実を落としクスクス笑っていちょう散る

    浅羽南小 石原 史奈

    ふうりんがしまわないでと鳴いている

    浅羽南小 山本 有紀

    冬の朝めざまし時計もやくたたず

    山名小 山下ちひろ

    小すずめがいねの海へとダイビング

    山名小 藁科 岳人

    もぐりこむこたつの中にねこ発見

    袋井北小 中川 愛菜

    夏休み勉強やってねころがる

    袋井北小 丹野 零央

    えんぴつをもつ手がふるえる冬の朝

    袋井北小 鈴木 貴水

    すいかわり目かくしずれて大あたり

    袋井西小 大橋 珠妃

    風に耐え残った一柿愛おしい

    今井小 柴田悠一朗

    ◎ 中学生の作品

    ○ 袋井市長賞

    初紅葉拾って本にはさみけり

    浅羽中 園田 蓮

    ○ 袋井市教育長賞

    虫の音のリズムで歩く田んぼみち

    浅羽中 山川 夏菜

    ○ 新袋井フォーラム会長賞

    雪よふれ願いつづけて十五年

    袋井南中 前田羽亜都

    ○ メロープラザ賞

    松虫や定期演奏待ちわびて

    浅羽中 鈴木 沙奈

    第35号 新袋井フォーラム会報 2014.4.1

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    ○ 優秀賞

    稲光りみな集まるは父のそば

    浅羽中 福田 駿輔

    台風も私の心も不安定

    浅羽中 竹林 生

    さそわれた仏壇の前甘い桃

    浅羽中 永田 伶奈

    ○ 入 選

    朝霧のベールをめくれば秋の山

    袋井南中 清水 璃子

    秋の空自分の笑顔うつるかな

    袋井南中 三上 拓馬

    寒い朝ふとんが私を離さない

    袋井南中 杉山 知子

    寒い日の目覚まし時計母の声

    袋井南中 冨永珠弥恵

    朝霧に静寂破る虫の声

    周南中 松浦 恭介

    登下校先祖見守るひがんばな

    周南中 寺井 崇浩

    サツマイモインカ帝国出身です

    周南中 亀澤 拓夢

    グラウンドの隅に枯草

    周南中 井口 力寛

    冬支度昔の香り眠ってた

    浅羽中 福島なつ美

    たんざくにこめたわが夢まいおりた

    浅羽中 大石 桃子

    お父さん野球見ながら新酒飲む

    浅羽中 石塚 達也

    帰り道石ころけったいわし雲

    浅羽中 小杉 周平

    第35号 新袋井フォーラム会報 2014.4.1

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    星月夜天にむかって手をのばす

    浅羽中 藤原 知沙

    ゆらゆらと陽を一身に柿紅葉

    浅羽中 名倉 裕真

    新米が白煙たてて笑い出す

    浅羽中 佐藤 直哉

    テーブルのセンターとってる鍋がある

    袋井中 石川 晃輔

    ◎ 家 族 の 作 品(括弧内は児童・生徒名)

    ○ 袋井市長賞

    のきしたを行ったりきたりはつつばめ

    高南小 名倉美紗子(夢努)

    ○ 袋井市教育長賞

    夏過ぎて孫にぬかれし背丈かな

    袋井南小 鈴木 洋子(祐吾)

    ○ 新袋井フォーラム会長賞

    金木犀我が家の庭の花暦

    高南小 矢内 英直(小和)

    ○ メロープラザ賞

    法事終え孫の背中に秋あかね

    袋井南小 黒山 金苗(竜希)

    ○ 入 選

    枯れ落ち葉掃いて箒目清々し

    袋井南小 平田 和仁(紘希)

    第35号 新袋井フォーラム会報 2014.4.1

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    第35号 新袋井フォーラム会報 2014.4.1

    原爆忌青空にカメラ向ける吾子

    袋井南小 佐藤 隆子(良亮)

    いわし雲数をかぞえた帰り道

    袋井東小 窪野 薫 (凌也)

    おまつりに子ども会長いそがしい

    高南小 鈴木 伴美(真奈)

    一雨のあとの裏山秋の蝉

    袋井北小 村田 道子(奈津希)

    一人言増える残暑の家事合間

    今井小 匂坂恵里子(竜汰)

    からすうり我が子と見つけた通学路

    浅羽中 小松原幸子(佳織)

    木枯らしや紅く染めゆく子らの頬

    浅羽中 田村早良子(喜世子)

    (2)俳句選評

    村松達也選考委員長選評

    今年は小学校662句、中学校476句、

    計1,138句の応募がありました。

    家族の部は今回で3回目。小中合わせて2

    49句の応募をいただきました。多数の御応

    募ありがとうございました。

    小学生の部

    ○ 袋井市長賞

    向日葵がおじぎをしたら新学期

    高南小 安間 幹人

    ひまわりが「しおれた」とか「枯れた」と

    は言わずに「おじぎをした」と表現しました。

    こういう言い方を擬人法と言います。ひまわ

    りを人間にたとえているわけです。まるでひ

    まわりが夏休み終了のあいさつをしているか

    のようです。夏休みを惜しむ感じがよく出て

    います。そこから「新学期」にぱっと転ずる

    のがこの句の鮮やかなところ。楽しかった夏

    休みが終わってしまうけれど、さあ二学期が

    んばろうと気持ちを切り替えているのです。

    ○ 袋井市教育長賞

    おはようと言ったとたんに白い息

    袋井南小 佐藤 良亮

    「息白し」は冬の季語です。登校の途中でし

    ょうか。友達とあいさつを交わす。寒い朝で

    すが、寒さに負けていない元気な息遣いが感

    じられます。「言ったとたんに」という表現に

    勢いがあって、生き生きとした若いエネルギ

    ーが伝わってきます。文字通り息が弾んでい

    ます。

    ○ 新袋井フォーラム会長賞

    赤とんぼ初めて乗ったぼくの肩

    袋井南小 古山 裕

    とんぼに詩的なおもむきを覚える人は多い

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    第35号 新袋井フォーラム会報 2014.4.1

    と思います。なかでも赤とんぼは秋を感じさ

    せる代表的な季語です。その赤とんぼが「初

    めて乗った」という感動を素直に表現してい

    ます。しかも「ぼくの肩」と自分に引き寄せ

    て、焦点を絞っているので、情景がくっきり

    と浮かび上がります。驚きと喜びが伝わって

    きますね。

    ○ メロープラザ賞

    ほりごたつ家族と共に温まる

    浅羽北小 山田 琴菜

    今は少なくなったのではないでしょうか。

    掘りごたつといえば七輪に練炭を思い起こし

    ます。子供のころ靴下を焦がしてしまったこ

    とを懐かしく思い出します。この掘りごたつ

    は電気かもしれませんが、家族がひとつのあ

    たたかさを分かち合うのは格別です。作者に

    とって大切にしたい空間なのでしょう。

    中学生の部

    ○ 袋井市長賞

    初紅葉拾って本にはさみけり

    浅羽中 園田 蓮

    「初紅葉」はその年初めて目にする紅葉です。

    それを拾うという行為がまず詩的です。そし

    て、しおり代わりに本に挟むというとさらに

    詩情を感じさせます。あるいは初紅葉を大切

    にしまっておこうという気持ちなのかも知れ

    ません。最後にきっぱり「はさみけり」と言

    い切ったので余韻が生まれました。どんな本

    を読んでいるのか、何となく想像できるよう

    な気がしてしまいます。

    ○ 袋井市教育長賞

    虫の音のリズムで歩く田んぼみち

    浅羽中 山川 夏菜

    俳句で「虫の音」と言えばコオロギや鈴虫

    などの秋の虫の鳴き声を指します。この句の

    場合は鉦叩(かねたたき)かもしれません。「虫

    の音のリズム」というのですから、鳴いたり

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    第35号 新袋井フォーラム会報 2014.4.1

    鳴きやんだりするタイミングが、歩調と一致

    するということでしょう。それが心地良いの

    です。秋の「気」に虫もこの作者も大きく包

    まれているような感じがします。

    ○ 新袋井フォーラム会長賞

    雪よ降れ願い続けて十五年

    袋井南中 前田羽亜都

    袋井のような暖かい土地で暮らしていると

    めったに雪が積もることはありません。何年

    かに一度は積もることもありますが、じきに

    消えてしまいます。作者は「雪よ降れ」とも

    の心ついたころからずっと思っていたのでし

    ょう。「願い続けて十五年」とおどけたように

    言ったのがこの句のおもしろいところです。

    五七五の型にうまく収まりました。

    ○ メロープラザ賞

    松虫や定期演奏待ちわびて

    浅羽中 鈴木 沙奈

    「チンチロリン」と鳴くのが松虫です。作

    者は吹奏楽部に所属しているのでしょうか。

    あるいはそれを聞きに行くのが楽しみなのか

    もしれません。いずれにしても定期演奏会の

    日が待ち遠しいのでしょう。松虫の音色を聞

    いているとそれが頭にぱっと思い浮かんだの

    です。楽しい連想の句になりました。

    家族の部

    ○ 袋井市長賞

    のきしたを行ったり来たりはつつばめ

    名倉美紗子

    (高南小 夢努さんの家族)

    その年の最初に目にするのが「初燕」です。

    「初」という一文字には、燕が来るのを待っ

    ていたという気持ちがこめられています。巣

    を掛ける場所を見定めているのでしょうか。

    その姿を見て春の到来を実感しているのです。

    「今年も来てくれたなあ。」という感じですね。

    袋井にはこういうお宅がまだまだあるのです。

    実にめでたい俳句です。

    ○ 袋井市教育長賞

    夏過ぎて孫にぬかれし背丈かな

    鈴木 洋子

    (袋井南小 祐吾さんの家族)

    夏は活動的な時期です。お孫さんは一夏で

    だいぶ背が伸びたのでしょう。ふとした拍子

    に背丈が追い抜かれていることに気付いた。

    その成長に目を細めている。そして、たくま

    しさも感じているのではないでしょうか。「夏」

    ならではの俳句ですね。

    ○ 新袋井フォーラム会長賞

    金木犀我が家の庭の花暦

    矢内 英直

    (高南小 小和さんの家族)

    御承知のように金木犀は袋井市の木です。

    あの香りはまさに秋の訪れを実感させてくれ

    ます。まして、お宅の金木犀となればなおさ

    ら楽しみにしているのでしょう。季節の移り

    変わりに心をゆだねる豊かな暮らしぶりが想

    像できます。「我が家の庭の花暦」という表現

    のリズムからも喜びが感じられますね。

    ○ メロープラザ賞

    法事終え孫の背中に秋あかね

    黒山 金苗

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    第35号 新袋井フォーラム会報 2014.4.1

    (袋井南小 竜希さんの家族)

    法事を営むのは一仕事です。無地終えてほ

    っとしていると、お孫さんの背中に赤とんぼ

    がとまっている。まるで赤とんぼという秋の

    使者が誰かのメッセージを伝えに来ているか

    のようです。ひょっとすると、ご先祖様がお

    礼を言いたいのかもしれません。命のつなが

    りを感じさせる句になっています。

    ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

    平成25年度第4回(通算15回)平成25年度第4回(通算15回)平成25年度第4回(通算15回)平成25年度第4回(通算15回)

    新袋井フォーラム講座の記録新袋井フォーラム講座の記録新袋井フォーラム講座の記録新袋井フォーラム講座の記録

    ・日時:平成26年2月23日(日)

    14時~15時30分

    ・場所:メロープラザ 2階会議室

    ・講師:寺田一清寺田一清寺田一清寺田一清さん

    (不尽叢書刊行会代表)

    ・演題:「「「「あすこそは」の実践あすこそは」の実践あすこそは」の実践あすこそは」の実践

    ・参加者:76名

    ・主催:新袋井フォーラム・袋井市教育委員会

    【以下、講演要旨/文責=本誌編集部】

    生涯の師となる森信三先生と出会ったのは

    私が38歳の時でした。当時私は呉服屋の二代

    目をしていましたが、学校の恩師から森信三

    全集25巻が出たから買わないかと勧められた

    のです。呉服屋の二代目に全集25冊など何の

    必要もないと思ったのですが、恩師の勧めで

    すから購入したのです。

    その後すぐに、縁があって森信三先生と直

    接お目にかかる機会がありました。お会いす

    る前に、一応は本を読んでおかないと失礼に

    なるので、少しだけ読んだのですが、その時

    に心を打たれたことがあります。それは、森

    先生は日常のごく些細なことを、しかも具体

    的に書いていたことです。例えば「飯菜別食、

    完全咀嚼」です。ご飯とおかずは一緒に食べ

    ないで別々に食べなさい、しかもよく咀嚼し

    て、ということですが、これをすれば胃を患

    うことはないんですね。こういうことを具体

    的に考えて教えてくれる人は、他にいないの

    です。

    お会いして5分でお会いして5分でお会いして5分でお会いして5分で

    森先生にお会いして 5 分、私はこの先生こ

    そ自分の「生涯の師」であると確信しました。

    その出会い以来、今日まで、私は森先生に対

    して批判的に考えたり、思ったりしたことが

    一度もありません。私が森先生と出会ったの

    は私が38歳のときで(寺田氏は昭和2年生)、

    森先生が96歳で亡くなったのが平成4年です

    が、その間、ずっと先生にお仕えしましたが、

    いまなお師への思いは変わりがありません。

    これは大変に幸せなことで、有難いことです。

    森先生は日本の教育界にとって「師父」と

    仰がれた人です。沢山の著作を遺されました

    が、いずれも観念論ではなく具体論ばかりで

    す。そこに私は惚れました。しかも、他の人

    たちとは惚れ様が違うのです。惚れに惚れた

    のです。

    森先生は、人間いかに生くべきかを説いた

    「生き方宗」の宗祖であると言ってよいと思

    います。森先生は「全一学」を提唱されまし

    たが、これは知、情、意の三つをまとめてと

    らえよ、ということです。知識だけではダメ

    で、情が根本になくてはならない。情の持続

    が意識ということで、これがないと実践はで

    きない。情を根本に人の生き方を考えた方で

    す。

    しかも実践の内容が具体的に示されている

    のが森先生の特長です。「飯菜別食」は先ほど

    言いましたが、その他の例を申しますと、例

    えば、お風呂に入るときは、胸より下だけの

    半身浴を十分にしてから、全身浴をするよう

    に、と言われます。心臓に負担がかからない

  • - 10 -

    第35号 新袋井フォーラム会報 2014.4.1

    ようにするためですね。

    「しつけの3か条」「しつけの3か条」「しつけの3か条」「しつけの3か条」

    あるいは、生き方を子供に教える基本とし

    て説かれた「しつけの3か条」があります。

    第1は、親に挨拶をすること、第2に、親に返

    事がきちんとできること、第3に、ぬいだ靴を

    きちんと揃えること、この3つだけです。森

    先生は何でもだいたい3つなんですね。しか

    も、当たり前のことですね。

    問題はその実践ですが、挨拶ができる子供

    にするためにはどうしたらいいかというと、

    まず親から子供に挨拶をすることです。それ

    も「おはよう」と言うのではないんです。「お

    はようございます」というのです。それを続

    けていたら子供も「おはようございます」と

    言わざるを得なくなります。我が家では、女

    房にも私は「おはようございます」と言って、

    女房も「おはようございます」と言います。

    模範的な夫婦です(笑)。

    子供に何かをさせたかったら、まずは親が

    それを実行することです。会社なら社長から

    実行することです。社会なら年長者から実行

    することです。イエローハットの創業者であ

    る鍵山秀三郎さんは、掃除で有名な方ですね。

    いまや日本だけでなく海外でも、鍵山さんの

    掃除に学ぶ会が活躍しています。先日、東京

    のホテルで鍵山さんのお祝いのパーティーが

    ありました。会社で鍵山さん自身が掃除を始

    めて10年たって、ようやく社員の中から私も

    やらせて下さいと申し出てくる人があったそ

    うです。それ以前は、社長の鍵山さんが

    トイレで這うように掃除をしているその

    上を社員が跨いで用を足していたそうで

    す。10年続けたら、周りも変わってきま

    した。継続することがいかに大事である

    かが分かりますね。

    人にあれこれ言葉で説いても、それだ

    けでは人のしつけは出来ないのです。実

    践で示すことです。その生き方の実践の

    仕方を細かく、しかも具体的に教えて下

    さったのが森信三先生です。

    腰骨を立てる腰骨を立てる腰骨を立てる腰骨を立てる

    具体的な話の次の例として、「立腰」につい

    てお話しましょう。腰骨を立てるということ

    ですが、これは第3腰椎を前に突き出すように

    姿勢を注意する(更にできれば肛門を締める)

    と、背骨がシャンとして、体がシャンとする。

    私もこれを実践して30年かかって、背骨が猫

    背のように湾曲していたのが、逆向きの湾曲

    に変わりシャンとしました。よく人から、寺

    田さんはお年(今年で87歳)の割に元気です

    ねと言われますが、森先生から教えて頂いた

    「立腰」のお陰なんです。生涯の宝を授かっ

    たと思っています。体がシャンとすると、心

    がシャンとするのです。これを「身心相即」

    と言います。「身」が先なのです。

    さらに、「現場再建の3か条」というのがあ

    ります。会社であれ何であれ、よい状態に再

    建したいと思ったら次の3つを実践すればよ

    い、ということです。第1に、時をムダにせ

    ず、やるべきことをしっかりやること(時間)、

    第2に、その場所を清めること(空間)、第3

    に、礼を正すこと(人間=じんかん)で、礼

    で一番大切なのは挨拶ですね。この時間、空

    間、人間の三つの「間」を合わせて「三間」

    と言い、この三間を欠いてはならないという

    のです。

  • - 11 -

    第35号 新袋井フォーラム会報 2014.4.1

    「あすこそは」「あすこそは」「あすこそは」「あすこそは」

    さて、ようやく今日の演題になっている「あ

    すこそは」の話に移りたいと思いますが、実

    はすでにほとんどの内容は話しているのです。

    この言葉は私が実践していることを標語にし

    たものです。「あ」は、「あいさつ」のことで

    す。しつけは言葉で言って聞かせても身につ

    かないので、実践しかありません。その基本

    はあいさつです。「す」は、「すまいる」です。

    近江聖人と言われた中江藤樹が「五事を正す」

    と言っていますが、その五事とは「貌言視聴

    思」(ぼう げん し ちょう し)で、一番

    最初にあるのが「貌」です。見かけ、表情の

    ことですね。笑顔が大事だということです。

    「こ」は、先ほどの出た腰骨を立てるとい

    うことです。「そ」は、掃除です。鍵山先生の

    礼でお話しました。「は」は、葉書です。私は

    今でも一日に20枚以上の葉書を書いて出して

    います。自分自身の行(ぎょう)として自分

    に課しています。「一日一信百日行」という行

    です。

    いまひとつ、私のお題目があります。私の

    以前のお題目は「さむはら」でした。これは

    梵語の言葉なのですが、漢字にすると、辛さ

    を拾う、辛さを払う、辛さを拾う、辛さを抱

    きしめる、という文字をそれぞれ合わせたよ

    うな特別な字があります【ここでは略す…編

    集部注】。最後は辛さを抱きしめるのですね。

    だから「辛抱」と言いますよね。

    以前はこれをお題目としていたのですが、

    今年からは「ハイッ ありがとうございます」

    というのを私のお題目にしています。

    紀野一義(きの かずよし)という仏教の

    先生がいますが、この人は東大在学中に学徒

    出陣で出征して、帰国したら広島の家族が原

    爆で亡くなっており、焼け跡を見て絶望しか

    けたのですが、その時に「肯定、肯定、絶対

    肯定」と思いなおして、現状を全て受け入れ

    るところから再出発しました。すべてを肯定

    して受け入れることで、はじめて安心立命が

    出来たわけです。

    私は、この「肯定・・・」を私流に直しま

    して、「ハイッ ありがとうございます」と言

    っています。小さい「ッ」がありますでしょ

    う。これが大事でして、「ハイ」を強調してい

    るんです。強く肯定しているんです。全てを

    全面的にありがたく受け入れる、ということ

    です。そうすれば波風も立たなくて、夫婦の

    間も、日常生活も上手くいくと思います。

    世の中には、幸せになる道を頭では知って

    いても、実践できていないために、日常に活

    かせていない人がたくさんいるように思いま

    す。ぜひ実践して欲しいですね。

    本日はありがとうございました。

    ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

  • - 12 -

    新春方言かるた大会

    時 平成26年1月5日(土)

    13:30~15:00

    所 浅羽北公民館・体育館

    柴田 和夫

    (新袋井フォーラム会員)

    1月5日(日)に、浅羽北公民館にて新春方

    言かるた大会第6回目を開催しました。50

    人の方の参集をいただき、正月らしい楽しい

    時間を過ごすことができました。

    来賓の吉岡伸夫袋井副市長の御祝辞をいた

    だき、次いで、下山好治新袋井フォーラム副

    会長、小栗勝也事務局長のお言葉があり、和

    やかな雰囲気になりました。

    今回は、新企画として、地元の方言につい

    ての講話をする時間を少しだけとりました。

    会員・ボランティア5人によって、方言保存

    の回作成の方言CDから、“朝の登校風景”を朗

    読し、方言に慣れ親しんでいただく試みをし

    ました。和気藹々となったところで、小澤壮

    吉さんがゲームのルールを説明し、笛の音を

    合図にカルタ取りが開始されました。

    ゲームは真剣な中にも笑顔が溢れる情景と

    なり、順調に進行されました。特に子供たち

    は真剣に絵札と向かい合い、札を取ると声を

    あげて喜んでいました。

    チャンピオンは初参加の女性で、賞品を抱

    え喜んでくださいました。他の方もそれぞれ

    賞品を受け取り、楽しい雰囲気のまま終わる

    ことができました。

    来年も、このような大会が行われるよう期

    待します。

    (感想)

    チャンピオン平川香澄さんの感想(談)

    とても楽しかったです。

    初めて絵札を見るので、一番乗りで会場に

    来て、読み札の勉強をしました。難しい遠州

    弁がたくさんあったけれど、遠州弁マスター

    になりたいです。

    広報を見て友達を誘って参加しました。ま

    さか、優勝できるとは思いませんでした。今

    年はいいことがありそうです。

    方言を使った劇もたいへん面白かったです。

    ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

    第35号 新袋井フォーラム会報 2014.4.1

    『新袋井フォーラム会報』第35号

    発行日:平成26(2014)年4月1日

    編集・発行:新袋井フォーラム

    〒437-8555静岡県袋井市豊沢2200-2

    静岡理工科大学総合情報学部

    小栗研究室内 新袋井フォーラム事務局

    (FAX:0538-45-0110大学代表)

    印刷:榑松印刷所(袋井市浅羽)