第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ ·...

32
第1章【安心】安全・安心に生活できるまち 第3節 生活の安全・安心を確保する 第1章 【安心】 安全・安心に生活できるまち 第1節 おもいやりに満ちた福祉社会を築く (1) みんなで支え合う地域福祉を進める 〈現状と課題〉 本市では、誰もが地域で安心して暮らし続けられるよう、法的サービスのほか、 様々な相談体制や各種福祉サービスの充実に取り組んでいます。 近年、人々の価値観の多様化や社会環境の変化により、地域での相互扶助機能が 低下したことに伴い、行政に対する福祉ニーズが増加する傾向があります。 今後、団塊の世代が高齢期を迎え、支援を要する高齢者が増加するなど、様々な 課題を抱え地域で孤立する世帯が増加することが予想されています。 このような状況の中、保健・医療・福祉・教育等の関係分野が連携を図り 密にし、 地域福祉推進体制の充実を図るとともに、家庭、地域コミュニティ、福祉団体等が 新たなネットワークを構築し、公的サービスだけでは対応できない生活課題を解決 するため、地域で相互に助け合う地域福祉活動を推進していくことが必要となりま す。 また、 高齢者や障がい者、 子ども等すべての人にやさしく、 安心して暮らせる 「ユ ニバーサル社会 」の実現に向け、道路や施設のバリアフリー化などの推進ととも に、地域住民が、ともに支え合いながら活動することへの意識を高めていくことが 重要となってきます。 〈基本方針〉 市民が住み慣れた地域で支え合いながら、関係機関・団体等とネットワークを構 築し、支援が必要な人が地域で孤立することなく安心して暮らせるまちづくりを進 めます。 また、ユニバーサル社会の創造に向け、あらゆる 一人ひとりの立場になって考 え、 みんなで一緒に実践し、 すべての人にやさしい福祉のまちづくりを推進します。 〈施策の展開〉 ①地域福祉推進体制の充 ○本市の特色を活かした市民にわかりやすい「地域福祉計画」の 策定に取り組みます。 ○保健・医療・福祉・教育等の関係機関、事業者等が緊密に連携 し、要援護者に迅速にサービスを提供します。 ○市民が抱える生活課題をいつでも相談できる体制を充実し、 援護者など相談者の生活課題の解消を図ります。

Upload: others

Post on 19-Jul-2020

3 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第1章【安心】安全・安心に生活できるまち

第3節 生活の安全・安心を確保する

第1章 【安心】 安全・安心に生活できるまち 第1節 おもいやりに満ちた福祉社会を築く

(1) みんなで支え合う地域福祉を進める

〈現状と課題〉

本市では、誰もが地域で安心して暮らし続けられるよう、法的サービスのほか、

様々な相談体制や各種福祉サービスの充実に取り組んでいます。

近年、人々の価値観の多様化や社会環境の変化により、地域での相互扶助機能が

低下したことに伴い、行政に対する福祉ニーズが増加する傾向があります。

今後、団塊の世代が高齢期を迎え、支援を要する高齢者が増加するなど、様々な

課題を抱え地域で孤立する世帯が増加することが予想されています。

このような状況の中、保健・医療・福祉・教育等の関係分野が連携を図り密にし、

地域福祉推進体制の充実を図るとともに、家庭、地域コミュニティ、福祉団体等が

新たなネットワークを構築し、公的サービスだけでは対応できない生活課題を解決

するため、地域で相互に助け合う地域福祉活動を推進していくことが必要となりま

す。

また、 高齢者や障がい者、 子ども等すべての人にやさしく、 安心して暮らせる 「ユ

ニバーサル社会 ※ 」の実現に向け、道路や施設のバリアフリー化などの推進ととも

に、地域住民が、ともに支え合いながら活動することへの意識を高めていくことが

重要となってきます。

〈基本方針〉

市民が住み慣れた地域で支え合いながら、関係機関・団体等とネットワークを構

築し、支援が必要な人が地域で孤立することなく安心して暮らせるまちづくりを進

めます。

また、ユニバーサル社会の創造に向け、あらゆる人一人ひとりの立場になって考

え、 みんなで一緒に実践し、 すべての人にやさしい福祉のまちづくりを推進します。

〈施策の展開〉

①地域福祉推進体制の充

○本市の特色を活かした市民にわかりやすい「地域福祉計画」の

策定に取り組みます。

○保健・医療・福祉・教育等の関係機関、事業者等が緊密に連携

し、要援護者に迅速にサービスを提供します。

○市民が抱える生活課題をいつでも相談できる体制を充実し、 要

援護者など相談者の生活課題の解消を図ります。

Page 2: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第1章【安心】安全・安心に生活できるまち

第3節 生活の安全・安心を確保する

②地域福祉活動の推進

○社会福祉協議会、各種福祉団体、市民ボランティアの活動を支

援し、地域での福祉活動の活性化を図るとともに、市民が福祉

活動に参加しやすい体制を整備します。

○市民、各種福祉団体、行政等が一体となった新たな重層的ネッ

トワークを構築するとともに、 住民自らがお互いに支え合う地

域福祉活動を促進します。

○ボランティアが相互に交流できる拠点機能の充実を図るとと

もに、情報提供を行い、自主活動のできるボランティア育成を

図ります。

○福祉意識の醸成を図るため、関西福祉大学等と連携を図り、福

祉教育を通じて人材と組織の育成を図ります。

③人にやさしい福祉のま

ちづくりの推進

○都市施設等のバリアフリー化とともに、 ユニバーサル社会づく

りを推進し、あらゆる人が暮らしやすく、社会活動に参加しや

すいまちづくりを行います。

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

福祉ボランティア登録グループ数 44 グループ 48 グループ 50 グループ

民生委員児童委員年間相談支援件数 2,263 件 2,700 件 2,900 件

〈市民等の役割〉

○隣近所のお互いが日頃から気軽に声をかけ合う。

○地域福祉活動やボランティアに積極的に参加する。

※ユニバーサル社会:

年齢や性別、障がい、文化などの違いにかかわりなく、誰もが地域社会の一員として支え合う中で安心

して暮らし、一人ひとりが持てる力を発揮して元気に活動できる社会。

Page 3: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第1章【安心】安全・安心に生活できるまち

第3節 生活の安全・安心を確保する

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

子育てしやすい環境にあると思う 人の割合

71.1% (平成 20 年度) 73% 75%

仕事と生活の調和がとれていると 感じる人の割合

59.3% (平成 20 年度) 63% 65%

子育てに対して不安や負担を感じ る人の割合

19.2% (平成20年度) 17% 15%

児童館の設置数 2館 4 館 5 館

アフタースクール設置校区 6小学校区 10 小学校区 10 小学校区

〈市民等の役割〉

○家庭では父親も積極的に子育てに参加し、家族が協力して子育てを行う。

○地域ぐるみで子育てする意識を持ち、親を孤立させない環境づくりに努める。

○事業所は、子育てと仕事が両立できるように職場の意識改革や働き方を改革する。

※食育:

食に関する様々な体験を通して、「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を

実践することができる人間を育てること。

※ドメスティック・バイオレンス(Domestic Violence):

配偶者や恋人などによって振るわれる夫やパートナーなど親しい関係の男性から女性に向けられる暴力

のこと。身体的暴力だけでなく、言葉の暴力や相手妻の存在を理由なく無視するなど、心理的に苦痛を与

えることも含んでいる。

Page 4: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第1章【安心】安全・安心に生活できるまち

第3節 生活の安全・安心を確保する

(3) 障がい者が自立しやすい環境をつくる

〈現状と課題〉

本市では、障がい者が地域で安心して暮らせる社会の実現に向け「赤穂市障害福

祉計画」を策定し、サービス提供体制の整備を推進しています。

一方で、発達障がいに対する理解の深まりや、高齢化の進行に伴う障がい者の増

加などにより、多様化する障がい福祉へのニーズに対応した、制度設計が求められ

ています。

今後、障がい者の自立と社会参加を基本とする障害者基本法の理念を踏まえ、障

がい者や家族、地域、事業者、行政などが一体となって構成する自立支援協議会を

中心に相談支援機能を強化するとともに、障がい者が自己選択・自己決定に基づい

て適切に利用できる、さらなる障がい福祉の整備・充実を図る必要があります。

〈基本方針〉

障がい者が地域の中で自立した生活を送り、自分らしく生きることができるよ

う、ライフステージ ※ に応じた施策展開や障がい福祉サービスの基盤整備を進めま

す。

〈施策の展開〉

①自立の支援 ○障がいの程度や個々に考慮すべき事項を踏まえた給付等の実

施により、日常生活の安定と負担の軽減を図ります。

②地域生活の支援

○相談支援やコミュニケーション支援事業により、 必要な情報の

提供や権利擁護などを支援します。

○ライフステージに即した支援のしくみや施策の推進により、 障

がい者の地域での暮らしを支援します。

③社会的自立の推進

○障がい者の雇用の拡大や就労へ向けた取組により、社会的・経

済的自立を支援します。

○赤穂市立障害者自立支援施設「さくら園」の運営により、一般

就労に向けた訓練および働く場を充実します。

④療育体制の充実

○関係機関との連携強化により、 発達に障がいがあり支援を必要

とする児童生徒を早期に発見し、早期療育へ結びつけます。

○赤穂市児童デイサービス事業「あしたば園」の運営により、早

期療育の場を充実します。

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

地域生活への移行数(施設入所者 数の減少)

70 人 62 人 62 人

福祉施設・特別支援学校からの一 般就労者数

9 人 7 人 7 人

Page 5: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第1章【安心】安全・安心に生活できるまち

第3節 生活の安全・安心を確保する

④地域におけるケア体制

の充実

○「高齢者を見守る支えるネットワーク」の構築に向け、関係機

関と連携し、地域でのふれあいサロン ※ など、住民の自主的な

活動を支援します。

○地域包括支援センターの体制を充実させ、総合相談支援の強化

を図ります。

○成年後見制度 ※ 等に関する相談・支援や高齢者虐待防止ネット

ワークの推進を図り、高齢者の尊厳ある暮らしを守ります。

○認知症サポーター ※ 養成講座により、認知症への理解を深め、

地域での見守りや家族の支援を行います。

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

困った時の相談相手がいる人の割 合

90.7% (平成 20 年度) 95% 100%

認知症サポーターの人数 771 人 2,000 人 3,000 人

介護予防リーダーの人数 49 人 100 人 150 人

ふれあいサロンの開設数 27 カ所 60 カ所 95 カ所

〈市民等の役割〉

○できる限り自立した生活を送るため介護予防に努める。

○いくつになっても社会参加するなど生きがいを持ち続ける。

○ひとり暮らしや高齢者のいるだけの世帯などを見守る。

※介護予防:

介護が必要になることをできるだけ遅らせ、介護されるようになってからは、その状態を維持、改善し

て悪化させないようにすること。

※介護予防リーダー:

要支援・要介護状態にならないよう介護予防に関する知識の普及啓発および地域における自主的活動を

行うことができるボランティア。

※ふれあいサロン:

ひとり暮らしや閉じこもりがちな高齢者等が歩いて行ける地区集会所等において、地域住民が季節の行

事や健康チェックなどを自主的に企画運営する活動。

※成年後見制度:

認知症、知的障がい、精神障がいなどの理由で判断能力の不十分な方々の不動産や預貯金などの財産の

管理や契約を支援する制度。

※認知症サポーター:

認知症サポーター養成講座を受講することで、認知症について正しい知識を持ち、自分のできる範囲で

認知症の人や家族を応援できるボランティア。

Page 6: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第1章【安心】安全・安心に生活できるまち

第3節 生活の安全・安心を確保する

(5) 社会保障制度を適切に運営する

〈現状と課題〉

少子高齢化の進行、経済の低迷や雇用環境の変化などにより、本市の社会保障費

は増加し、財政的に厳しい状況にあります。

このような状況において、国民健康保険制度の運営については、今後、団塊の世

代の退職等、加入者の増加が見込まれる中、増加する医療費の適正化を推進すると

ともに、保険税の収納率向上による財源の確保に努めるなど、健全運営に向けた取

組が必要です。

一方、国においては、後期高齢者医療制度の廃止をするなど、平成 25 年 4 月を

目途に新たな高齢者医療制度への移行に向け、国民健康保険を含む医療制度全般に

わたる幅広い議論が行われており、的確な対応が求められています。

また、医療を必要とする障がい者やひとり親家庭等の経済的負担の軽減を図る福

祉医療費助成制度については、今後も持続可能な制度として推進していく必要があ

ります。

年金については、国民年金の相談や各種申請・届出を受け付けていますが、制度

を安定させるため、さらに制度の理解を進めていくことが必要です。

生活保護受給世帯については、雇用情勢の悪化等により増加しており、引き続き

民生委員児童委員などとの連携を強化し、相談体制を充実していく必要があります。

これら社会保障にまつわる課題に対応するためには、社会全体で支える社会保障

制度の適切な運営と周知徹底が必要です。

〈基本方針〉

国民健康保険制度や高齢者医療制度を健全に運営するとともに、福祉医療費等の

適切な助成を行います。また、国民年金制度のPRをはじめ、生活に困窮している

人や生活保護受給世帯への自立支援体制の充実を図ります。

〈施策の展開〉

①医療保険制度の健全運

○被保険者資格の適用適正化を図ります。

○医療費抑制のための啓発やレセプト点検等の充実により医療費の

適正化を図ります。

○口座振替の勧奨や納付相談の充実、滞納処分の実施などにより保

険税収納の確保を図ります。

○保健衛生、健康の保持・増進に係る保健事業を推進します。

○特定健康診査・特定保健指導 ※ の受診を推進し、生活習慣病の予

防や疾病の早期発見・早期治療を促進します。

②福祉医療費等助成制度

の充実

○市民の健康の保持と適切な医療が受けられるよう、乳幼児や高齢

者、心身障がい者(児)、母子・父子家庭等に対して医療費の適切

な助成を行います。

③国民年金制度の理解促

○国民年金制度の正しい理解と関心を深めるため、制度の周知を図

ります。

10

Page 7: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第1章【安心】安全・安心に生活できるまち

第3節 生活の安全・安心を確保する

④社会的自立および生活

自立への援助

○民生委員児童委員をはじめ、各種関係機関などと連携し、生活

に困窮している市民等の自立を支援します。

○生活保護法による保護を要する世帯については、 法に基づく適

正な保護を行うとともに、生活相談、指導・援助を通して、生

活の安定と自立を支援します。

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

1人あたり医療費 356,030 円

(平成 20 年度) 382,000円 401,000円

※国民健康保険事業による統計

〈市民等の役割〉

○疾病の早期発見、早期治療のため特定健康診査を積極的に受診する。

○健康管理のためにかかりつけ医などを持ち、医療機関を適切に利用する。

※特定健康診査・特定保健指導:

特定健康診査とは、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した検査項目での健康診査の

こと。特定保健指導とは、特定健康診査の結果により、健康の保持に努める必要がある方に対して行う保

健指導のこと。

300,000

350,000

400,000

450,000

500,000

平成 20 25 27 30 32

年度

356,030 円

356,030 円 382,000 円

401,000 円

452,000 円

409,000 円

現状継続(伸び率 2%)

適 正 化(伸び率 1%)

国民健康保険事業による1人あたり医療費

11

Page 8: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第1章【安心】安全・安心に生活できるまち

第3節 生活の安全・安心を確保する

③コミュニティ防災体制

の強化

○市民の自主的な防災活動が被害の防止などに果たす役割を踏 まえ、自主防災組織の育成強化に努めます。

○災害時要援護者に対して、 個人のプライバシー保護に配慮しつ つ、所在把握できるリストの作成を進めます。

○地域の自主防災組織などと連携し、 避難場所のあり方や避難方 法・避難訓練などに取り組みます。

④防災意識啓発の推進

○防災訓練などにより、防災意識を高揚させるとともに、ハザー ドマップ ※ の配布、広報紙、ホームページ、携帯メール、イン ターネットを活用したわかりやすい防災関連情報の提供によ り、防災意識の啓発を推進します。

○防災総合訓練、地震津波情報伝達訓練、および小学校の運動会 などを活用したコミュニティ防災訓練等の各種防災訓練を各 地区で順次実施します。

○災害時の要援護者の安否確認や避難誘導が安全かつ円滑にで きるよう各自治会等と連携し、取り組みます。

コミュニティ防災訓練等の各種防災訓練を各地区で順次実施し ます。

○学校における避難・防災訓練等を通じて、子どもの防災意識の 向上を図ります。

○近年の災害事例を盛り込んだ防災講演会などの実施により防 災意識の高揚を図ります。

⑤危機管理対策の推進

○防災行政無線の整備を促進し、 「赤穂市地域防災計画」 、 「赤穂 市国民保護計画」 等に基づく総合的な危機管理体制を構築しま す。

○新型インフルエンザから市民の健康、生活を守るため、 「赤穂 市新型インフルエンザ対策行動計画」等に基づき、全庁的に取 り組みます。

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

耐震性が確保された住宅の割合 65.4%

(平成 20 年度) 97% 98%

〈市民等の役割〉

○防災訓練に積極的に参加する。

○日頃から自助・共助などの防災意識を高める。

○自主防災組織体制の確立、強化を図る。

※減災:

災害時において発生し得る被害を最小化するための取組。

※水源かん養:

森林に降った雨が土壌にゆっくりしみ込むことにより、水を貯え、水質を浄化し、災害を防止する機能。

※ハザードマップ:

自然災害について、予測される被害の範囲や大きさなどの災害情報や避難場所の位置、緊急連絡先など

の避難情報をわかりやすく掲載した地図。

18

Page 9: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第1章【安心】安全・安心に生活できるまち

第3節 生活の安全・安心を確保する

(2) 消防・救急救助体制を充実する

〈現状と課題〉

本市では、消防車両、資機材、消防水利など施設面の充実強化を計画的に図ると

ともに、事業所、危険物施設などへの防火管理指導の徹底、地域の自主防災組織の

育成指導などハード、 ソフトの両面から消防体制の充実に取り組んでいます。 また、

救急業務においては、救急救命士を計画的に養成するとともに、高規格救急自動車

を全署に配備し高度化する救急需要に対応しています。

しかしながら、近年、消防職、団員の高齢化、団員数の減少による組織の弱体化

が懸念される中、増加傾向にある住宅火災での被害の防止や、複雑高度化する救急

需要への対応とともに、消防組織の広域化による、より効率的な消防救急体制の確

立が全国的な課題となっています。

今後は、高齢者の防火対策を強化していくとともに、救急業務においては、救命

率向上のためAED ※ の使い方をはじめとする応急処置の普及啓発、救急隊と医療

機関との連携の強化を図る必要があります。

また、より効率的な消防組織体制を目指し、消防の広域化を検討するとともに、

消防職・団員の資質の向上、消防団への女性の採用、各地域の自主防災組織の育成

強化など、組織体制の強化を図る必要があります。

〈基本方針〉

市民の生命や財産を災害から守り、誰もが安心して暮らせるように、消防・救急

救助体制の充実強化を図ります。

〈施策の展開〉

①消防組織体制の強化

○消防の広域化に向けて関係市町との協議を進めます。

○消防職員および団員の確保と資質の向上を図ります。

○女性消防団員の活動体制の充実を図ります。

②消防装備の充実

○消防車両、資機材、水利および通信指令設備の計画的整備を図

ります。

○安全用装備の充実と各種装備の軽量化省力化を推進します。

③予防活動の推進

○事業所および危険物施設の防火意識の向上と防火管理体制の

強化を図ります。

○一般住宅への住宅用火災警報器の設置や、 小規模社会福祉施設

の防火安全対策の推進を図ります。

○自主防災組織に対する訓練指導を実施し、 組織の育成強化を図

ります。

④救急救助体制の充実

○救急救命士の養成および医療機関とのさらなる連携強化を図

ります。

○応急手当の普及を推進し、 市民による病院到着前救護体制を構

築します。

○高度救助資機材の整備と救助活動体制の充実を図ります。

⑤AEDの普及 ○市民がAEDの使い方を気軽に受講できる講習会を開催しま

す。

19

Page 10: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第1章【安心】安全・安心に生活できるまち

第3節 生活の安全・安心を確保する

(3) 交通安全・防犯意識を高める

〈現状と課題〉

全国的に交通事故発生件数は減少傾向にあるものの、高齢者が事故の当事者とな

るケースが増加しています。本市でも高齢者が関係する事故が3割を超えるなど、

高齢者向けの交通安全対策が一層求められています。今後は、高齢者や市内の小学

生を対象に、警察・交通安全協会・地元自治会等と連携を取りながら、交通安全教

室や交通安全点検を実施し、日頃の交通安全への意識啓発を図るとともに、カーブ

ミラーや公共灯などの交通安全施設の整備を進めます。

防犯対策では、防犯協会が取り組む地域安全活動を支援するとともに、地域、行

政、警察などが連携して防犯パトロール等を実施し、市民の防犯意識の高揚と自主

的な生活安全の推進を図っていきます。また、青少年育成センターによる防犯携帯

メールや各学校に配置されているスクールガードリーダー ※ の活用により地域住民

が一体となって子どもたち達を犯罪から守る取組を行います。

今後も、学校における安全教育をはじめ、防犯活動の推進による地域コミュニテ

ィの強化を図ります。

〈基本方針〉

警察・交通安全協会などと連携し、市民の交通安全意識の向上や交通安全施設の

整備を進め、交通事故のない社会の実現を目指します。

また、市民の防犯意識の高揚や地域ぐるみの防犯活動の実施により、安全で安心

なまちづくりを進めます。

〈施策の展開〉

①交通安全の確保

○交通マナー遵守への呼びかけ運動などの交通安全運動、 交通事

故防止運動を警察、 交通安全協会および交通指導員と一体とな

って推進します。

○高齢者、小学生を主な対象として、交通安全教室の実施を継続

します。

○危険箇所や通学路を中心に、カーブミラーや公共灯の設置な

ど、交通安全施設の整備・更新を継続して実施します。

②防犯活動の充実

○まちづくり防犯グループ等防犯構成団体をはじめ、 警察署との

連携により、 青色回転灯装着車による巡回パトロールの強化な

ど地域の自主的なの防犯活動を促進推進します。

○広報紙、ホームページ、携帯メール、インターネットを活用し

たわかりやすい防犯関連情報の提供により、 防犯意識の高揚を

図ります。

③子どもの安全確保

○地域の様々な団体との連携により、交通安全や防犯活動、声か

け運動など、子どもの安全確保のための活動を推進します。

○子どもが安全で安心して通学できる通学路のルートをPTA

などとの協議により決定・確認します。

④防犯灯の充実 ○地域との協議・連携により、 防犯灯の充実配置に取り組みます。

⑤犯罪被害者支援活動の

推進

○警察等の関係機関、NPO等の支援団体と連携して支援活動を

推進します。

21

Page 11: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第1章【安心】安全・安心に生活できるまち

第3節 生活の安全・安心を確保する

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

交通事故発生件数(人身) 257件

(平成21年) 200件

(平成27年) 180200件

(平成32年)

交通事故発生件数(物損) 1,092件

(平成21年) 850件

(平成27年) 830850件

(平成32年)

高齢者の交通事故発生件数 57件

(平成21年) 40件

(平成27年) 3840件

(平成32年)

犯罪認知件数 570件

(平成21年) 500件

(平成27年) 440件

(平成32年)

〈市民等の役割〉

○交通ルールの遵守と交通マナーの向上を図る。

○防犯意識を高める。

※スクールガードリーダー(地域学校安全指導員):

防犯の専門家や警察官OB等で構成され、各学校を巡回し、学校ボランティアの指導や警備のポイント

等についての指導を行う。

22

Page 12: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第1章【安心】安全・安心に生活できるまち

第3節 生活の安全・安心を確保する

(4) 消費生活の安全を守る

〈現状と課題〉

IT化の進展、規制緩和の促進、経済の国際化等により、消費者の利便性は向上

していますが、架空請求の激増や不当な広告・表示など、全国的に消費者トラブル

はますます複雑化・高度化・広域化し、苦情相談件数も急増しています。

本市においても、若年者を狙ったインターネットトラブルや高齢者・障がい者な

どの社会的弱者をターゲットとした悪質商法も発生しており、中には多重債務問題

へと発展するケースも見受けられます。

消費生活相談員を配置した消費生活センターを整備し、消費者トラブルへの相談

体制を構築するとともに、被害防止に対する消費者への意識啓発を図るなど、消費

生活の安全・安心への取組が必要です。

また、新しいライフスタイルを推進するため、消費者協会と連携し、マイバッグ

推進活動や5R実践運動 ※ などを進めていますが、今後もリサイクルを心がけた消

費スタイルを進めるための意識啓発や実践活動を推進していく必要があります。

〈基本方針〉

消費生活センターの機能強化を図り、関係機関と連携しながら、啓発や積極的な

情報の提供、相談体制の充実、消費者協会活動への支援を行い、市民の消費生活の

安全と利益を守ります。

〈施策の展開〉

①消費者教育・啓発の充実

○消費者協会との連携により、消費者生活に関する知識の普及・

若者を中心とした消費者教育の充実および情報の提供・啓発を

行い、消費者の保護、育成に取り組みます。

②消費者相談体制の充実 ○相談員を設置するなど、相談処理体制を強化します。

③消費者活動の支援 ○リーダーを養成するとともに、 生活に密着した消費者協会活動

への支援と連携を推進します。

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

消費生活相談の相談件数 189件 250件 300件

〈市民等の役割〉

○消費者トラブルに巻き込まれないように正確な知識と判断力を持つ。

※5R実践運動:

①リデュース(Reduce)ゴミになるものを減らそう ②リユース(Reuse)何度も繰り返して使おう

③リサイクル(Recycle)再生して利用する ④リフューズ(Refuse)不要なものは受け取らない

⑤リペア(Repair)修理して長く使おう

23

Page 13: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第2章【快適】自然と共生する住みよいまち

第1節 自然と共生するまちをつくる

第2章 【快適】 自然と共生する住みよいまち

第1節 自然と共生するまちをつくる

(1) 豊かな自然環境を保全する

〈現状と課題〉

本市は、清流千種川等の河川、里山、農地、ため池、水路などの水辺、自然海岸

など多様な自然環境資源を有しています。それらが一体となって自然的景観を醸し

出しています。

しかし、近年の環境の変化や里山管理が行われにくくなったことなどにより、生

物多様性の低下は徐々に進んでいます。

御崎地区の自然海岸では、シマカンギクの移入により純粋なノジギクが減少する

など、生態系のバランスの崩れが生じています。

こうした中、高雄地区では、ビオトープ ※ の整備、ハマウツボ ※ の保全による生物

多様性の維持に向けた自然との共生に対する取組がなされています。

また、山林では、山林火災の跡地において植林等を行い、市民に自然の素晴らし

さを紹介し、体験してもらえる場所として整備した「赤穂ふれあいの森」、「あこう

河鹿の森」は自然観察会や野鳥の観察などを楽しみ、自然のふれあいの場として広

く利用されています。

一部地域では、こうした活動が行われていますが、人口が減少し、高齢化が進行

していく中で、今後も里山、河川・ため池、海岸などの自然環境の保全を地域住民

だけで行うことが困難な状況になりつつあります。

今後、環境ボランティア等との連携により、里山などの自然環境の保全・育成を

図ることが重要な課題となっています。

また、子どもの頃から自然を大切にするこころを育む環境学習を推進していく必

要があります。

〈基本方針〉

里山、河川・ため池、海岸などの自然条件に息づく生態系に配慮して保全・育

成を進めるとともに、市民が自然とふれあう機会の充実を図ります。

26

Page 14: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第2章【快適】自然と共生する住みよいまち

第1節 自然と共生するまちをつくる

〈施策の展開〉

①自然環境の保全と育成

○里山の適正な維持管理を行い、市民・事業者・行政が一体とな

って自然環境の保全、生物多様性の維持に努めます。

○森のボランティア等の市民参加により里山林等の保全を図りま

す。

○自然環境を保全し将来に残していく活動を推進するため、 市民

とともに広域的な環境ボランティア等との連携など、 自然環境

を守るネットワーク化を推進します。

②環境教育の充実

○市民が本市の自然を観察・評価できるように自然環境の調査資

料を整備するとともに、 学習機会の提供やホームページによる

情報提供など、学校や家庭で気楽に学習ができる環境を整え、

市民の環境意識の高揚を図ります。

○赤穂こどもエコクラブや市民専門家による環境学習の場を提

供します。

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

赤穂ふれあいの森利用者数 13,700 人 13,800 人 14,000 人

〈市民等の役割〉

○環境学習や環境保全活動等に参加する。

○清流千種川や瀬戸内海国立公園、緑なす里山などの自然を守り、次世代に引き継ぐ。

※ビオトープ(Biotope):

ビオトープとは、BIO(生き物)とTOP(場所)の合成語であり、あるまとまりのある景観を持つ、野生

生物の生息する地域と定義されている。

ビオトープ整備とは、生物と人間が共存できるような環境を保全、復元していく環境整備事業で、農薬、

化学肥料の過剰使用、河川のコンクリート改修などによって失われた多様性に満ちた自然を復元すること。

※ハマウツボ:

カワラヨモギなどの根に寄生する一年草で、主に砂地の河原や砂丘、浜辺で生育する。「兵庫の貴重な

自然-兵庫県版レッドデータブック-」で絶滅の危機に瀕しているAランクに指定されており、県内では、

淡路島と千種川にしか群生地がないと言われている。

27

Page 15: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第2章【快適】自然と共生する住みよいまち

第1節 自然と共生するまちをつくる

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

生活排水処理普及率 99.3% 99.7% 99.8%

〈市民等の役割〉

○環境美化活動に積極的に参加する。

○台所やトイレなどの排水設備を正しく使う。

○市民・事業者・行政が連携し、さわやかな生活環境の保全に取り組む。

※アドプト(adopt) 制度:

行政に代わって自治会や事業者等が身近な公共空間の清掃や美化活動などの管理を行う制度。

29

Page 16: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第2章【快適】自然と共生する住みよいまち

第2節 魅力ある都市空間を形成する

(3) 自然・歴史・文化と調和した景観をつくる

〈現状と課題〉

本市の誇る自然と歴史、文化遺産を適正に保全活用し、次の世代へ継承していく

ため、水と緑につつまれた歴史を感ずるおもむきのあるまちの実現に向け、「赤穂

市都市景観の形成に関する条例」により、歴史的資源や伝統・文化、自然環境と調

和した都市景観の形成に取り組んでいます。

これまで坂越地区と加里屋地区で行ってきた景観整備事業やまちづくり整備事業

は概ね完了しています。これらの地区については住民との協働による景観やまちな

みを活かしたまちづくりが必要となります。現在、都市基盤整備を行っている地区

においては、地域住民により、うるおいのあるまちなみをつくるための都市景観等

の検討も必要になってきます。

今後は、 地区の特性を活かしたまちづくりを進め、 次の世代へ継承していくため、

子どもたち達がまちの歴史を考え、伝統的行事に参加する機会などを提供し、地域

住民組織等との協働の取組を推進するとともに、市民一人ひとりの身近な景観形成

への取組等に対し情報提供などが必要となります。

〈基本方針〉

豊かな自然環境と歴史・文化との調和のとれた秩序あるまちづくりを推進すると

ともに、快適で美しい都市景観づくりを進めます。

〈施策の展開〉

①良好な都市景観の形成

○市民との協働により、うるおいのある、良好な都市景観形成を

推進します。

○本市の景観のすぐれた地区等については、 法や条例に基づき景

観保全対策を推進します。

○都市景観に関する啓発や情報提供等を行うとともに、 景観アド

バイザー ※ 制度を活用します。

○県等各関係機関と連携して景観施策を推進します。

○屋外広告物の規制を行うことにより、 良好な景観の形成を推進

します。

②歴史的景観の保全と形

○赤穂城跡と一体として、 加里屋地区の緑や歴史的景観の保全と

形成に取り組みます。

○坂越地区、加里屋地区、旧備前街道沿線の歴史的まちなみや建

築物を保全します。

○市街地景観形成地区等においては、 市民との協働により都市景

観の保全と形成を推進するため景観助成を行います。

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

市街地景観形成地区等の数 2 3 4

36

Page 17: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第2章【快適】自然と共生する住みよいまち

第3節 質の高い都市機能を整備する

69

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

都市計画マスタープラン等に整合

した計画的な整備を推進するまち

づくり活動団体 ※ 数

3 4 5

〈市民等の役割〉

○地域の実情に即した土地利用を検討する。

○地籍調査に協力する。

※特別指定区域:

市街化調整区域において、市や地域のまちづくり団体が住民と協働して、地域の課題を解決し、その将

来の姿を描く土地利用計画を作成した場合に、市からの申出により県が条例で特別指定区域を指定し、市

街化調整区域の建築許可要件の一部を緩和することにより、計画に沿ったまちづくりを実現する。

※地籍調査:

土地における地籍(土地に関する戸籍)の明確化を図ることを目的として、国土調査法に基づき一筆ご

との土地の所有者、地番、地目および境界の調査と面積に関する測量を行い、精度の高い地図等(地籍図、

地籍簿)を作成する事業。

※都市計画マスタープラン等に整合した計画的な整備を推進するまちづくり活動団体

赤穂市まちづくり活動助成要綱に基づき、「地区整備の基本構想の作成や事業手法の調査や研究」等を行

っている団体。

39

Page 18: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第4章【学び】生涯にわたり夢を育むまち

第1節 教育環境を整える

78

第4章 【学び】 生涯にわたり夢を育むまち

第1節 教育環境を整える

(1) 幼児教育を充実する

〈現状と課題〉

本市では、早くから4、5歳児の希望者全員入園を目標として計画的に幼稚園の設

置を進め、教育内容の充実を図っています。また、発達や学びの連続性を踏まえた

幼児教育の充実を図るため、幼稚園訪問指導や研修を通して幼稚園教員の資質向上

に努めています。

子どもを取り巻く家庭環境、また、少子化や社会環境の変化の中で、幼稚園にお

ける幼児教育の役割は、ますます重要になってきています。

今後も、園児数の減少傾向や多様化する子育て支援ニーズに対応するため、3歳

児保育を含めた幼保一体化や預かり保育なども含めた幼児教育のあり方について

検討する必要があります。

また、施設設備については、総体的に老朽化が進んでおり、園舎の耐震化や遊具

などの計画的な整備が必要です。

〈基本方針〉

幼児を持つ家庭や地域社会との連携を深め、幼児教育内容の向上を図ります。ま

た、「豊かな人間性」や「健康・体力」からなる「生きる力 ※ 」の基礎を育み、一

人ひとりの発達や特性に応じたきめ細やかな教育を推進し、施設設備の整備も含め

た教育環境の充実を図ります。

〈施策の展開〉

①教育内容の充実

○同世代とのかかわりや遊びを中心とした生活を通して、 豊かな

社会性を育みかん養します。

○幼児期から本にふれ親しむことのできる環境づくりや地域の

様々な世代とのかかわりづくりなどにより、 生涯にわたる人格

形成の基礎を培います。

○幼児一人ひとりに応じたきめ細やかな指導の充実を図ります。

○幼稚園における預かり保育の充実を実施する幼稚園を増やすと

ともに、保育時間の延長などを図ります。

②教育体制の充実

○教員の研修機会の充実、研究活動の支援、家庭との緊密な連携

関係を構築し、 幼稚園を地域の拠点とする子育てセンターづく

りを進めます。

○幼児教育における幼稚園の役割を明確にし、 保護者へのきめ細

やかな子育て支援を行いながら、 多様化する子育て支援ニーズ

への対応や幼保一体化を進めます。

③施設設備の充実

○園舎の機能充実のための耐震化や情報化への対応、 教育方法の

進歩に対応した設備、教材等の充実を推進します。

○施設設備を地域に開放し、 地域との連携による教育活動を推進

します。

68

Page 19: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第4章【学び】生涯にわたり夢を育むまち

第1節 教育環境を整える

79

(2) 義務教育を充実する

〈現状と課題〉

本市では、体験的な活動を通して、いのちや人権にかかわる豊かなこころを培う

教育を推進し、家庭や地域社会とも協力しながら、児童生徒が社会的自立の基礎を

築けるよう支援しています。また、学校施設は、総体的に老朽化が進んでおり、計

画的な耐震改修補強工事とあわせ、国際化・情報化社会に対応した学校教育環境の

整備を図っています。

人と人とのかかわりが希薄になりがちな現代社会においては、こころの支えを必

要とする児童生徒は増加することが予想されます。 引き続き児童生徒に 「生きる力」

を育むことを目指し、創意工夫を活かした特色ある教育活動の展開が求められてい

ます。

今後も、これまでの教育成果を踏まえながら、「生きる力」のもととなる基本的

な生活習慣を身につけさせ、「こころ豊かな子どもの育成」を一層推進することが

重要です。また、体験的な活動はもとより、いのちや人権に関する教育の推進はよ

り一層重要となり、地域社会全体で取り組むことが求められています。

さらには、必要な施設等の整備を計画的に行うとともに、少子化や社会環境の変

化に伴う児童生徒数の減少傾向に対応するため、学校における教育環境づくりや小

中一貫教育も含めた義務教育のあり方について検討する必要があります。

〈基本方針〉

「こころ豊かな子どもの育成」を目指し、確かな学力の向上をはじめ、「生きる

力」の育成を重視した教育活動を進めます。また、地域社会・学校が一体となって、

子どもたち達が安全・安心に学べる環境づくりに取り組みます。

〈施策の展開〉

①主体的に学ぶ意欲、態

度、能力の形成とこころ

の教育の推進

○「確かな学力」「豊かなこころ」「すこやかな体」など、「生きる力」

を育むため、授業改善や児童生徒の発達段階に応じた体験活動

の充実を図ります。

○道徳教育を充実し、規範意識をはじめとした、道徳性を身につ

けさせるとともに、人権や福祉意識、伝統と文化、歴史を大切

にした教育を推進します。

○児童生徒の健康増進と体力の向上を目指すとともに、 学校給食

等を通しての食育など、健康教育を推進します。

○いじめ・不登校対応など、子どもたち達のこころを支えるシス

テムを充実させます。

○授業に参加しにくい子どもやストレスをうまく処理できない

子どもに対して、 少人数学習の拡充やカウンセラーの配置を進

めます。

②基本的な生活習慣の確

○学校・家庭・地域社会が連携を強化し、「早寝 早起き 朝ご

はん」運動を推進するなど、子どもたち達の基本的な生活習慣

の確立に取り組みます。

70

Page 20: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第4章【学び】生涯にわたり夢を育むまち

第1節 教育環境を整える

80

③国際理解教育の推進

○中学生の海外派遣事業や外国人英語教師招へい事業などの充

実により、言語のみにとどまらず、外国の歴史や文化、伝統等

を一体的に学ぶ国際理解教育を推進します。

④情報教育の推進

○情報処理能力の技術的な育成に加え、 情報モラルなどの教育を

指導します。

○電子黒板、 デジタル教材などの導入を検討するなど、ICT(情

報通信技術)化 ※ を充実させ、情報教育とわかりやすい授業を

推進します。

⑤学校施設の整備

○耐震改修補強工事や老朽化対策をはじめとした施設・設備の計

画的な整備により、 児童生徒が安全で安心して学べる学校づく

りを行います。

○教育施設の改築・建替計画に際しては、施設の耐震化 ※ ととも

に、地球温暖化対策および教育環境の視点から、太陽光発電の

導入をはじめとしたエコ化 ※ (省エネ改修等)を図ります。

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

不登校児童生徒 ※ の人数 57 人 40 人 30 人

午前 7 時までに起床し、朝食をと る児童生徒の割合

88% 93% 98%

学校の耐震化率 56.8% 84% 100%

〈市民等の役割〉

○学校への支援と協働に努める。

○子どもたち達の豊かなこころを育む社会環境を充実する。

※ICT化・耐震化・エコ化:

「21世紀の学校」にふさわしい教育環境の抜本的充実を図るため、文部科学省より、スクール・ニュー

ディール構想が示されている。構想の3本柱として、ICT化(最先端のICT機器・校内LAN等を駆使

してわかりやすい授業の実現)、耐震化(耐震性のない校舎・体育館等の耐震化)、エコ化(太陽光発電等

の自然エネルギーの利用をはじめとしたエコ改修(省エネ改修等) )の抜本的拡大が掲げられている。

※不登校児童生徒:

1年間に連続または継続して30日以上欠席した児童生徒のうち、何らかの心理的、情緒的、身体的、ある

いは社会的要因・背景により登校しないあるいはしたくてもできない状況にある児童生徒(ただし、病気

や経済的理由による児童生徒を除く) 。

71

Page 21: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第4章【学び】生涯にわたり夢を育むまち

第1節 教育環境を整える

81

(4) 信頼される学校園づくりを進める

〈現状と課題〉

本市では、地域社会との結びつきを強めるため、各学校園において、家庭や地域

社会との良好な関係のもと、学校園の地域への開放、学校園行事への地域参加、地

域社会の高齢者との交流などを進めています。また、各学校園は、地区のまちづく

り協議会の一員として参画するとともに、地域社会と協力して休耕田を利用した米

づくりやオープンスクール ※ 、「トライやる・ウィーク」推進事業および環境体験

事業等の教育活動などを行っています。

信頼される学校園づくりを一層推進していくためには、各学校園は家庭や地域社

会に積極的に情報提供を行い連携をさらに強化することが必要となります。

今後、学校(園)評議員 ※ 制度の活性化や学校園評価の公表などにより、保護者

や地域社会に教育内容や学校運営の状況等についても積極的に情報提供し、学校園

としての説明責任を果たしていくことが重要です。

〈基本方針〉

信頼される学校園づくりを進めます。子どもたち達の目を地域社会に向けさせる

とともに、学校・家庭・地域社会が一体となって、開かれた学校園と地域社会の結

びつきを強めていく施策を展開します。

〈施策の展開〉

①開かれた学校園学校の

開放

○学校(園)評議員制度の活性化を図り、教育内容や学校運営の

状況等について積極的に情報提供し、 学校園としての説明責任

を果たすことによって、 信頼される学校園づくりを一層推進し

ます。

○特色ある学校園施設の整備(個性ある学校園づくりの促進)を

進め、地域社会に開かれた学校園づくりを推進します。

②地域との連携

○郷土の歴史・自然・まちなみ・偉人などについての学習を推進

します。

○地区清掃や海岸清掃等の環境整備など、 地区でのまちづくり活

動への子どもたち達の参加を推進します。

○関西福祉大学等との連携を強め、学習支援、生活支援、部活動

支援などを通して教育内容を充実します。

○地域の教員ОBや専門的な知識や技能を有する地域の人材を

活用できる体制づくりにより、 放課後や休日の子どもの安全な

居場所と教育の場の確保を図ります。

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

学校(園)評議員会の開催回数 3 回 4 回 5 回

オープンスクールの年間実施日数 5 日 7 日 10 日

74

Page 22: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第4章【学び】生涯にわたり夢を育むまち

第1節 教育環境を整える

82

(5) 若い力を健全に育成する

〈現状と課題〉

本市においても都市化や核家族化が進行し、人間関係の希薄化を招いており、地

域社会や家庭の持つ教育力低下の一因となっています。また、青少年を取り巻く受

験競争の激化や塾通いなども一因となり、青少年の社会参加の機会が少なくなって

います。さらに、身近な地域社会の中で、子育てについての相談や情報交換の場が

少なくなっています。

これらに対応するため、学校・家庭・地域社会が一体となった人づくりを進める

必要があります。そして、多様化・個性化する幼児児童生徒に対応する指導や教育

相談活動の継続・拡充が望まれます。

今後は、新しい市民社会を担う自立した個人を育むために、福祉や教育などの関

係機関との連携を図ります。また、若者が社会の一員としての自覚を持てるように

するために、家庭教育力の向上を図り、地域において安心して子どもを育てること

のできる環境づくりを青少年育成推進協議会の活動やPTCA ※ 活動とともに行い

ます。

義務教育終了後の高等教育については、生徒の多様なニーズに応えられるよう、

教育環境を整えることが望まれます。

〈基本方針〉

学校・家庭・地域社会が一体となり、これからの赤穂を担う青少年がすこやかに

育ち、自立した社会の一員として成長できる環境づくりを進めます。

〈施策の展開〉

①指導相談活動の充実

○児童生徒のおかれた家庭環境を支援するために、 中学校区ごと

に地域サポート会議を開催し、 子どもたち達がよりよく学び成

長しやすい環境づくりを行います。

○いじめや家庭環境等、 総合的な課題にいつでも対応できるように、

コーディネーターを配置するなど、指導・相談活動をより充実

します。

②青少年健全育成の推進

○青少年が好ましい環境で成長できるよう、学校・家庭・地域社

会が一体となったネットワークシステムの構築を図ります。

○青少年が参加する地域の行事やボランティア活動など、 地域ふ

れあい活動を推進します。

○地域社会と協働して青少年健全育成事業を推進します。

○DVDなどの啓発資料を通し、ネット犯罪や薬物乱用防止等、

非行や犯罪防止に取り組みます。

○様々な情報を適切に判断し、 活用できる能力を育むための教育

を推進します。

③家庭教育の充実 ○PTCA活動を支援し地域と家庭の結びつきを強め、 家庭の教

育力の向上を図ります。

76

Page 23: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第4章【学び】生涯にわたり夢を育むまち

第2節 生涯学習・スポーツ活動を推進する

89

第2節 生涯学習・スポーツ活動を推進する

(1) 生涯学習を充実する

〈現状と課題〉

本市では、市民の学習意欲に応えるため、公民館を整備し、様々な交流や学習、

情報の発信など、生涯学習の総合的な推進を図っています。

今後は、さらなる情報通信技術の進歩や国際化、健康寿命の延伸に伴い、豊かな

高齢期の過ごし方が求められていることから、学びへのニーズは高まっていくと考

えられるため、 ライフステージに即した生涯学習推進体制の検討・整備が必要です。

また、ボランティア活動や社会参加活動への意欲の高まりにより、地域社会へ還

元したいと望む人が増えると考えられるため、公民館をまちづくり活動の拠点施設

とする必要があります。

図書館においては、開館時間や開館日の拡大、施設の整備など、市民への利便性

の向上を図りながら、読書活動を推進する取組の一環として、保健センターと連携

し、乳児期のブックスタートを実施しています。

さらに、近年、コンピュータなど情報メディアの普及に伴い、子どもの「読書離

れ」「活字離れ」が進んでいると指摘されています。このことから、子どもの読書活

動を総合的かつ計画的に推進するため、新たに「子ども読書活動推進計画」を策定

し、学校園や地域等との連携のもと、子どもたち達の年齢や状況に応じ、自主的に

本に親しむことのできる読書活動の環境を整備する必要があります。

〈基本方針〉

すべての市民が、生涯にわたり自発的、主体的に学び続け、充実した人生が送る

ことができるよう、学べる機会を提供するとともに、学んだ成果をまちづくりに活

かすためのシステムを構築し、生涯学習の充実を図ります。

〈施策の展開〉

①生涯学習推進体制の整

○多様化する市民ニーズに対応した総合的な生涯学習の推進体

制を整備します。

②生涯学習の充実

○公民館等市内公共施設において、 市民ニーズに合った講座等を

行うなど、生涯学習の機会の充実を図ります。

○関西福祉大学等と連携し、講師を紹介するなど、市民の自主的

な学習活動を支援します。

③学習成果の地域社会へ

の還元

○生涯学習の成果をまちづくりへ活かすため、人材の育成や登

録、活動の場の創出を進めます。

④生涯学習施設の計画的

改修

○既存の公民館等の計画的な改修・設備の見直しを進め、利用者

の利便性の向上を図ります。

78

Page 24: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第4章【学び】生涯にわたり夢を育むまち

第2節 生涯学習・スポーツ活動を推進する

90

(2) スポーツ活動を促進する

〈現状と課題〉

本市では、スポーツ活動の推進拠点である城南緑地運動施設や市民総合体育館を

はじめ、各地区に体育館を整備するとともに、青少年武道館、野外活動センターな

ど、各種のスポーツ・レクリエーション施設の整備・充実を行ってきました。

健康増進への関心から、また、高齢者の生きがいづくりの場として、スポーツを

親しむ人が増加していますが、それとともに、スポーツに対する目的や内容が年々

多様化しています。

今後は、スポーツの持つ多様な意義を踏まえ、恵まれたスポーツ環境を最大限に

活かしながら、新たなスポーツやレクリエーションの拠点として、赤穂海浜公園や

その周辺の未利用地の一体的な利用を、県と連携しながら推進していく必要があり

ます。

また、市民の誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことの

できる「スポーツ先進都市」の実現に向け、「スポーツ振興基本計画」を策定し、

学校やスポーツ団体、民間企業との協働をさらに進め、健康とスポーツを新機軸と

した事業を推進することが必要です。

あわせて、忠臣蔵のふるさと播州赤穂を広く市内外に発信するためにも、全国規

模の大会開催をはじめ、誰もが参加できるスポーツ大会の開催が必要です。

さらに、少子化によるスポーツ少年団員が減少傾向にある中、小中学生から社会

人までのスポーツの連続性と一貫指導を確立していくことが求められています。

〈基本方針〉

健康で活力ある市民生活や地域社会の活性化のため、すべての市民が生活の一部

としてスポーツ活動や健康づくり活動を行うことができる「スポーツ先進都市」を

目指し、スポーツ施設の整備・充実および有効活用を進めるなど、スポーツ活動の

場と機会の充実を推進します。

〈施策の展開〉

①スポーツ施設の充実 ○夜間照明施設や地区体育館およびニュースポーツ ※ 等の施設の

整備充実と、広域的な運動施設の利用推進を図ります。

②スポーツの振興・交流機

会の充実

○健康で豊かな生活を送ることのできる生涯スポーツの促進推

進を図ります。

○柔道大会・剣道大会、ヨットレースなどの広域大会や交流大会

の拡充を図るとともに、 観光施策と連携した赤穂ハーフマラソ

ン大会などの新たなスポーツ大会の開催を推進します。

③青少年スポーツ団体の

育成・強化

○学校の要請に応じ、 外部講師として体育協会等から指導者を派

遣し、スポーツ団体や部活動を育成・強化し、スポーツの連続

性と一貫指導を図ります。

④地区の自然を活かした

市民の健康づくり

○地区の自然を活かした市民の健康づくりとして 「赤穂街並みウ

ォークラリー」を推進し、健康づくりとともに、地区の自然・

歴史などの様々な地域資源にふれあい、楽しめる行事としま

す。

80

Page 25: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第4章【学び】生涯にわたり夢を育むまち

第3節 個性ある地域文化を創造する

88

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

赤穂城跡二之丸庭園整備進捗率 32% 60% 100%

文化財公開施設の入館(場)者数 (5カ所)

77,38677,267 人 90,000 人 92,000 人

市指定文化財の指定件数 47 件 52 件 57 件

〈市民等の役割〉

○身近な郷土の文化財に愛着と誇りを持ち、これを次世代に継承する。

83

Page 26: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第4章【学び】生涯にわたり夢を育むまち

第3節 個性ある地域文化を創造する

89

(2) 文化芸術活動を促進する

〈現状と課題〉

本市では、文化創造拠点である文化会館および公民館において、文化活動の促進

や音楽・舞台・演劇等、質の高い本物の芸術にふれる機会の提供を行うとともに、

市文化協会、公民館登録サークルなどの活動支援および文化団体同士の交流を促進

しています。また、赤穂義士や歴史に関係する講座や歴史資料の収集・展示、赤穂

ゆかりの画家等による美術品の収集や展示を行っています。

今後は、市民の文化活動へのニーズは増大し、多様化していくことが考えられる

ことから、赤穂国際音楽祭をはじめとする文化活動の支援や赤穂義士遺跡などの歴

史資産を活用する施策を展開し、市民の誇りやこころの豊かさを醸成するととも

に、地域固有の文化を内外に向けて発信することが必要です。

〈基本方針〉

各種文化芸術団体を支援・育成するとともに、優れた文化・芸術にふれることや、

その成果を発表する機会の充実を図り、歴史資産を活かした文化の薫るまちづくり

を進めます。

〈施策の展開〉

①文化施設の充実

○市の文化交流、 発信の拠点施設である文化会館および公民館の

施設、設備内容の充実を図ります。

○郷土の歴史の発信拠点である歴史博物館、 郷土ゆかりの美術作

品を紹介展示する美術工芸館の施設、 設備内容の充実を図りま

す。

②文化芸術活動の充実

○質の高い芸術等にふれる機会を増やすとともに、 市内文化関係

団体相互の交流を促進推進します。

○市民文化サークルや文化団体等による自主公演など、 市民の文

化活動の支援と育成を図り、 企業の文化活動の参画を促進しま

す。

③特色ある文化活動の推

進と育成

○赤穂義士や歴史に関する講座の開催や赤穂ゆかりの資料、 美術

品の収集・公開を積極的に行い、市内外に情報発信します。

○伝統文化の継承、活用のため、人材の育成と組織づくりの展開

を図ります。

④文化事業・イベントの充

○新たな地域文化の創出につながるようなイベントの誘致・開催

を推進し、情報発信することで、市民の文化活動機会の創出を

図ります。

○他都市と連携したイベントや地域に根ざしたイベントなどの

創出・充実を図ります。

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

市民1人あたり文化会館利用回数 2.3 回 2.5 回 2.6 回

84

Page 27: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第5章【連携】市民と行政がともに歩むまち

第1節 市民との協働を推進する

88

第5章 【連携】 市民と行政がともに歩むまち

第1節 市民との協働を推進する

(1) 開かれた市政を推進する

〈現状と課題〉

本市では、平成17年より「赤穂市市民参加に関する条例」を施行し、委員の公募

やパブリックコメント ※ により、市民の意見を市政に反映できるよう努めています。

近年、市民の市政への関心が高くなっている中、市民と協働によるまちづくりを

進めていくことで、様々な課題への対応が可能となります。

今後は、誰もが多様な手段で容易に提案でき、意見や情報の交換をしやすいしく

みが求められています。

また、市民と行政だけではなく企業や各種団体、NPO、大学等との協働、市民

同士の協働についても推進していく必要があります。

さらには本市では、市政への関心を高め、まちづくりに対する意識を醸成し、市

民とともに身近で開かれた市政のあり方を検討する必要がありますを推進します。

〈基本方針〉

様々な計画づくりにおいて市民や大学等から広く意見を募集し、また、参加でき

る機会を創出します。さらには、まちづくりの主体となる担い手民間団体の育成・

支援や市民、企業、大学、行政の連携を推進し、市民参加のしくみを構築するなど、

開かれた市政を推進します。

〈施策の展開〉

①広聴の充実

○市民の声が行政に届きやすい体制を構築します。

○地域の問題や市民のニーズを的確に把握し、計画・事業に反映

する体制づくりと対応力の向上に取り組みます。

②計画づくりへの市民参

加の拡大

○市民の率直な意見を募るため、 わかりやすく多様な手段で意見

を募集します。 また、 市政への市民参加意識の向上を促します。

○まちづくりの計画段階から、市民が主体的、積極的に参加する

しくみづくりを進めます。

③学生の市政参加機会の

創出

○関西福祉大学の学生に対し、 市役所業務を体験してもらうイン

ターンシップ ※ 制度や、 職員が自らの職務内容の講義を行う 「赤

穂学」の開講などを通じて、市政への関心と参加を促します。

④協働の担い手の育成・支

○自治会等の地縁型コミュニティ ※ やNPOなどのテーマ型コミ

ュニティ ※ などのまちづくりの主体となる担い手を育成・支援

し、それぞれが持つ意欲と活力をまちづくりに活かすなど、協

働を促進します多くの市民や団体の参加を促進するため、NP

Oも含めた民間団体の育成・支援を行います。

88

Page 28: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第5章【連携】市民と行政がともに歩むまち

第1節 市民との協働を推進する

89

⑤市民と行政の新たな関

係の構築

○地域課題の解決や地域の活性化に向け、 市民、 企業、 各種団体、

NPO、大学等、行政の連携を進めます。特に、関西福祉大学

を地域のシンクタンクと位置づけ、福祉・医療(看護)分野を

はじめとする今日的な行政課題の解決に向け、 市との協働研究

を行うなど官学連携を推進します。

○公共サービスの供給主体となる意欲と能力を備えた「新たな

公」の担い手との協働を促進します。

○多様な担い手の活動を支援し、 それぞれが持つ意欲と活力をま

ちづくりに活かします。

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

市民からの意見・要望件数 428件 450件 500件

市民対話開催件数 12件 25件 30件

〈市民等の役割〉

○積極的に行政に参加する。

○自主的・自発的な市民活動に参加する。

※パブリックコメント:

市が条例や計画を企画立案する場合に、その計画等の案や、市民が検討するために必要な事項を公表し

て、市民に広く意見等を求めること。

※インターンシップ:

学生が、在学中に自らの専攻や将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと。

※地縁型コミュニティ:

自治会、婦人会、PTAなど既存の組織。

※テーマ型コミュニティ:

NPO、ボランティアなど、誰でも参加でき、目的がはっきりした組織で、知縁型コミュニティとも呼

ばれている。

89

Page 29: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第5章【連携】市民と行政がともに歩むまち

第1節 市民との協働を推進する

90

〈市民等の役割〉

○地域情報を発信し、行政との情報の共有化を進めるする。

※ブログ:

特定の話題について書き綴った文章や感想、画像などを時系列順に配置した日記的なウェブサイトのこ

と。「Web」と「Log」(日誌)という二つの言葉をつなげてつくられた「weblog」という言葉を略してこのよ

うに呼ばれる。

91

Page 30: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第5章【連携】市民と行政がともに歩むまち

第1節 市民との協働を推進する

91

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

市民講座・DV講演会の参加数 208人 250人 270人

男女共同参画フォーラムの参加数 335人 350人 370人

各種審議会等への女性の登用率 20.8% 25% 30%

女性問題相談・女性専門相談の件 数

49件 80件 10080件

〈市民等の役割〉

○男女共同参画意識を持つ。

○企業は、性別にかかわりなく能力や個性が発揮できる職場づくりに努める。

※セクシュアル・ハラスメント(sexual harassment):

性的いやがらせ。特に、職場などで男性から女性に対して、または女性から男性に対して行われる性的、

差別的な言動をいう。

93

Page 31: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第5章【連携】市民と行政がともに歩むまち

第2節 地域コミュニティ活動を活性化する

94

第2節 多様な地域コミュニティ活動を活性化する

(1) 多様な地域コミュニティ活動を活性化する

〈現状と課題〉

近年、地域社会を取り巻く環境の変化や住民意識の多様化により、地域への関心

が希薄化しつつあり、自治会などの地縁型地域コミュニティの弱体化や機能の低下

が見られます。一方で、特定の目的によって集まるテーマ型コミュニティが増加し

つつあり、様々なまちづくり活動が行われています。

今後は地縁型コミュニティとともに、テーマ型誰もが安心して暮らせる明るく住

みよい地域づくりには、「新たな公」と呼ばれる多様な主体による地域コミュニテ

ィの強化や活動の活性化が求められています。

本市においても市民ニーズが多様化する現代社会において、今後は、地域におけ

る課題を身近な地域住民で解決していく「地域力」の向上が求められ、多様な地域

コミュニティによる自発的なまちづくり地域活動が重要となります。

そのため、まちづくり地域活動への意識啓発や多様な地域コミュニティへの支援

を積極的に行い、地域コミュニティのリーダーの担い手を育成していく必要があり

ます。また、地域と市の連携のあり方について検討を進めることも必要です。

〈基本方針〉

地域と密着したきめ細やかな対応により、まちづくり活動への相談・支援体制を

充実させ、地域の個性を活かしたまち地域づくりを推進します。

〈施策の展開〉

①地域の活性化(まちづく

り活動の推進)

○地域の特性を活かしたコミュニティ活動の活性化を図り、 一層

のまちづくり活動の推進を支援します。

○職員の地域活動への積極的な参加を奨励します。

②地区まちづくりビジョ

ンの推進

○それぞれの地域の個性を活かしたまちづくりを継続的に展開

し、 「地区まちづくりビジョン」の実現を目指します。

③地区のまちづくりコー

ディネーターの発掘と

育成

○地域でのまちづくりを先導するリーダー、 コーディネーターな

どの人材の発掘と育成を進めます。

○地域でのまちづくりを行っているNPO等のまちづくりの担

い手と地域づくりのコーディネーターとの連携を図ります。

〈主な目標指標〉

指 標 現状値

(平成21年度) 平成27年度 平成32年度

まちづくり連絡(推進)協議会活 動の延べ参加人員

25,730人 29,000人 30,000人

〈市民等の役割〉

○積極的にまちづくり活動に参加する。

Page 32: 第1章 【安心】 安全 ・安心に生活できるまち€¦ · 養成講座により、認知症 への理解を深め、 地域での見守りや 家族の支援を 行います。

第5章【連携】市民と行政がともに歩むまち

第3節 健全で効率的な行財政運営を行う

17

第3節 健全で効率的な行財政運営を行う

(1) 健全で効率的な行財政運営を行う

〈現状と課題〉

本市では、平成11年度から続いた市税の減収と、国の三位一体改革による地方交

付税、国庫補助金の大幅な減少の中で、第3次~第6次にわたる行政改革大綱ならび

に平成17年度に策定した「行財政改革緊急行動計画(集中改革プラン)」に基づく

行財政改革に取り組み、市債の発行、基金の取り崩しなどの財源措置を講じること

により、各年度の収支均衡を図っています。

少子高齢化の進行に伴い人口減少社会が到来し、社会保障関係経費は増加する一

方、市税収入は低迷し、収支不足額を補うべき地方交付税の先行きも不透明である

ことから、収入の安定的確保が非常に厳しい状況となっています。

今後、「地域住民が自らの判断と責任において地域の諸問題に取り組む」ことを

目的とした地域主権改革が進み、限られた財源の中で、自らの暮らすまちの将来に

責任を持ったまちづくりを実現するためには、行財政改革をさらに推進するととも

に、健全で効率的な行財政運営を推進し、持続可能な行財政構造を築いていく必要

があります。

〈基本方針〉

多様化・高度化し、増大する市民ニーズに的確に対応するため、行政評価システ

ムなどを活用しながら適切かつ健全で効率的な行財政運営を推進します。

〈施策の展開〉

①適切かつ健全で効率的

な行財政運営の推進

○行財政改革を推進するとともに、 事務事業全般にわたり費用対

効果、必要性、後年度の財政負担等を精査し、行政経費の節減

に努めることで、財源の確保を図ります。

○各種財務情報をよりわかりやすく公表します。

○毎年度行政評価を適切に行うことで、行政の透明性を向上さ

せ、市民への説明責任を果たします。

○第三者による行政評価など、 行政の透明性や信頼性を高めるし

くみづくりに努めます。

②地域主権の実現に向け

○住民のニーズが行政サービスに迅速かつ的確に反映される地

域主権型の行政システムへの転換を図ります。

○施策の実施にあたっては、緊急度や必要性などを十分に検討

し、優先順位の厳しい選択を行い、財源の重点的・効率的な配

分に努めます。

③組織や人事管理の適正

○市民のニーズに適切に対応するため、 プロジェクトチーム等も

活用しながら、効果的な組織体制を構築します。

○職員の雇用形態や執行体制を見直し、 民間委託等による執行体

制の見直しを図り、適正な定員管理に努めます。

○職員研修の充実により、職員の資質の向上を図ります。

○職員の自主性・積極性を重視した人事制度の活用により、市民

とともに考え、 何事にも前向きにチャレンジできる職員を育成

します。

95