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CSR 14回「戦略的CSR2014/7/15

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Page 1: 第14回「戦略的CSR › ~k3833 › dlfile › CSR140715.pdf · 社会的課題の解決に、ビジネスを活用すること. 社会的課題の解決が目的ではない

CSR 第14回「戦略的CSR」

(2014/7/15)

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CSRの視点 ① 経営活動のプロセスに社会的公正性・倫理性、環境への配慮を組み入れる

環境対策、採用や昇進の公平性、人権対策、製品の品質や安全性、途上国での労働環境・人権問題、情報公開

② 社会的商品・サービス、社会的事業の開発

ユニバーサルデザイン、環境配慮型商品の開発、障害者・高齢者支援商品・サービスの開発、エコツアー、フェアトレード、地域の再開発や活性化にかかわる事業、NPOへの融資など

③ 企業の経営資源を活用した地域への支援活動

1)(金銭的)寄付による社会貢献

*NPO・財団への寄付、企業財団の設立

*matching gift, dollar for doer, 従業員の参加

2)施設・人材などを活用した社会貢献

*金銭的寄付(in-kind contribution)、従業員・役員のボランティア活動支援

3)本業を通した社会貢献

*本来の業務を通した支援、専門技術を活用した支援、Cause-related marketing 2

① ③ ②

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ソーシャル・ビジネスとは 定義 社会的課題の解決に、ビジネスを活用すること 社会的課題の解決が目的ではない 解説 社会=多様なステイクホルダー 解決=コンフリクトを調整すること。 ビジネス=市場原理を活用する。 これらの3っの要素を組み合わせる ためにはイノベーション(ソーシャル) が必要である。

社会性 革新性

事業性

3

ソーシャル・ビジネスはマルチスステイクホル

ダーのコンフリクトの調整装置の役割を果たす。

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ソーシャル・ビジネスの4つの次元

4/52

貢献

社会的課題を解決

社会的課題を認知させる

ビジネスのクオリティ

商品やサービスの品質

社会的課題をこれ以上悪化させないビジネスや社会貢献

社会的課題を知らしめる

ビジネスを使って社会的課題を解決すること

これまでの企業

ソーシャルビジネスの領域

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ソーシャル・ビジネスの3つの制約

市場の制約

利益と社会性の関係

経営の制約

①市場規模が小さい

②商品やサービスの対価が得られない場

合がある

③ニーズが顕在化していない場合が多い

(EX:環境配慮商品)

①高コスト

(EX:フェアトレードおよび経営哲学/理念)

②リソースの不足

(既存の市場システムでは理解できないため、資金、知識、労働力等が不足する)

① 利益があがるとプロセスを楽にする⇒楽は哲学を失う⇒哲学の喪失は長期的に利益を失う。

② 利益という客観性が、曖昧さをそぎ落とし、社会性をそぎ落とす。イノベーションのシーズを失う。 5

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ソーシャル・ビジネスの特徴

参加・学習システム

対話

オープン・ イノベーショ

① 参加のシステム

市場を活用した参加(出資、消費、クラウドファン

ディング等)の機会

② 学習:ステイクホルダーの行動変容を促す

① 組織を超えたネットワークの構築とコラボレーション・を利用した知識創造

② 模倣を促す

③ マルチステイクホルダー

6

3つの制約を乗り越えるために、2つの特徴がある

多様なステイクホルダーが共働・対話できるツール

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ソーシャル・ビジネスの2つのイノベーション

ソーシャル・イノベーション(社会的価値をもたらす革

新)

ビジネス・イノベーション(経済的価値をもたらす革新)

7

片方だけでは社会的課題の解決に至らない 常に2つの側面がなければSBは成立しない

社会的課題の解決 企業の成長

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中小企業の世界で起こっていること

中小企業

ステイクホルダー基本企業?

ソーシャル・ビジネスへの進出

高田自動車教習所 ヤラカス館 サラヤ

日本理化学工業

パン・アキモト アローワン

日本ポリグル

8

池内タオル 兵左衛門

サラダコスモ

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大企業で起こっていること •リコー、ソフトバンクモバイル、リクルート •例えば、「社会に貢献するビジネスアイディアコンテスト」。まもなくサービスインする。

ソーシャル・イントラプレナー・コンペ

•ノーリツ、ファーストリテーリング、雪国まいたけ、ヤマハ、etc

ソーシャル・ビジネス

•ワタミ and ユヌスで「ソーシャル・ベンチャー・ファンド」を2013年7月に立ち上げた。

担当部署の設置

ファンドの創設 9

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本業とCSRの乖離問題 社会貢献に対する株主からの批判 CSRを活かせない企業に対する批判

戦略的CSR 戦略的に本業とCSRの両立をはかる

⇒ 結果として経済的パフォーマンスを高める

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Creating Shared Value by Porter

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これまでの経営スタイル

スタイル 項目

株主基本主義

CSV (Creating

Shared Value)

マルチステイクホルダー型?

ソーシャル・ビジネス

株主 バリューチェーン マルチ マルチ

最小限の管理 管理と利用 コンフリクトの最小化

特定のステイクホルダー間のコンフリクトの最小化と活

経済的パフォーマンス

経済的パフォーマンス

異なった興味をもったパーティの多元的な目的の追及

社会的パフォーマンス

利益を最大化することが、唯一の社

会貢献

社会的価値を創造することで社会的課題を解決し、バリューチェーンの価

値の向上

社会との関係に配慮した自社の価値に基づいたビジネスをしながらも、同時に社会的課題を

解決する

社会的課題の解決を優先しながらも、ビジネスとしてのパフォーマンスを維

持する

希少性/差別化 希少性/差別化 意識しない 意識しない

厳しく制御 厳しく制御 奨励 奨励

ビジネス・イノベーション

ビジネス・イノベーション

ビジネス・イノベーション/ソーシャル・イノベーション

ソーシャル・イノベーション

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事例:パタゴニア

環境に与える不必要な悪影響を最小限に

抑える

解決に向けて実行する

ビジネスを手段として環境危機に警鐘を

鳴らし

最高の製品を

作り

CSR

ソーシャル・ビジネス

本社:San Buenaventura, CA 年商:約600億円

事業内容: アウトドア―関連 従業員:約1800人

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戦略的な提携 模倣の促進⇒環境問題の解決 自分たちのノウハウを提供することによって、

環境問題を解決するようなシステムの普及 Sustainable Apparel Coalition(持続可能

なアパレル企業連合) Adidas・Asics・BURBERRY・The Coca Cola Company・Columbia・CWS-boco・Esprit・Fenix Outdoor Group ・HanesBrands・IC Companys・Kering・Levi Strauss & Co.・Loomstate・Madura Fashion & Lifestyle・New Balance・Nike・Patagonia・Pentland Brands・PUMA・Reckitt Benckiser・VF Corporation・Retailers・Gap, Inc.・H&M・Inditex・JC Penney・Kohl‘s Department Stores・L.L. Bean, Inc.・Mountain Equipment Co-op・Nordstrom・Otto Group・REI・Walmart・