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第 10 回 非上場株式の取引等に関するワーキング・グループ 2020 年2月7日 午後1時 00 分 太陽生命日本橋ビル8階 第4会議室 議 案 ○ 株式投資型クラウドファンディング制度の見直しについて

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第 10回 非上場株式の取引等に関するワーキング・グループ

2 0 2 0 年2月7日 午後1時 0 0 分

太陽生命日本橋ビル8階 第4会議室

議 案

○ 株式投資型クラウドファンディング制度の見直しについて

以 上

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2020年2月7日日本証券業協会 自主規制本部エクイティ市場部

「非上場株式の取引等に関するワーキング・グループ」第10回~非上場株式の一層の活用について~

資料1

〔資料中の赤字は第9回会合からの変更箇所〕

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非上場株式の一層の活用

1

「経済財政運営と改革の基本方針2019」(骨太方針2019)(令和元年6月21日閣議決定)

• 地域に根ざした企業等における、株主コミュニティ制度などを利用した、株式による資金調達の円滑化を図る。

日本証券業協会 「当面の主要課題」(令和元年7月策定)

リスクマネーの供給の円滑化の観点から、株主コミュニティ制度を含む非上場株式を利用した資金調達の在り方等について、地方活性化の観点も踏まえつつ、検討を行う。株式投資型クラウドファンディング制度及び株主コミュニティ制度の適切な利用に向けて、

モニタリングや周知活動を行う。

〇骨太方針2019、日証協「当面の主要課題」(2019年7月策定)

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1.新規・成長企業へのリスクマネー供給の場面で証券業界で取り組むことができる施策

2

エンジェル

ベンチャーキャピタル

研究・技術開発が資金調達の問題等から事業化できず

取引所市場

事業化 上場前 上場後

研究・技術開発

地域における資本調達の枠組み

クラウドファンディング

「死の谷」問題

株主コミュニティ

証券業界で取り組むことができる施策

2.株主コミュニティ制度を利用した資金調達の活用

証券業界で取り組むことができる施策

(最近の動き)海外のファンドやCVCなどの投資ニーズの高まり

1.適格機関投資家に該当しない大規模投資家向けの勧誘規制の見直し(投資ニーズへの対応)

証券業界で取り組むことができる施策

3.株式投資型クラウドファンディングの制度改善(少人数私募併用時の問題点の解決や少額要件の緩和など)

(出典)第4回産業競争力会議・麻生金融担当大臣提出資料(平成25年3月15日)を参考に一部加筆

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2.証券業界で取り組むことができる施策・問題点・解決案(たたき台)

1.適格機関投資家に該当しない大規模投資家向けの勧誘規制の見直し(投資ニーズへの対応)

(問題点)○ 発行会社の資金調達の活用実績なし

(解決案)○株主コミュニティ制度において私募を行う際の規則上の制約の見直し【規則改正】

(解決案)○適格機関投資家に該当しない大規模投資家向けの投資勧誘規制の在り方の検討【規則改正】

(問題点)○ 適格機関投資家に該当しない海外のファンドや事業会社(CVC)などの

大規模投資家の非上場株式への投資ニーズが高まっているが、証券会社が勧誘する場合には目論見書・会社内容説明書の交付が必要となるなど事実上対応できない状況にある

2.株主コミュニティ制度を利用した資金調達の活用

3.株式投資型クラウドファンディングの制度改善 (少人数私募併用時の問題点の解決や少額要件の緩和など)

(解決案)① 少人数私募の人数通算規定から株式投資型クラウドファンディングによる取得勧誘を除くことができないか【法令改正要望】

②調達金額の少額要件について、私募による発行価額を合算しないことにできないか【法令改正要望】

③投資金額の少額要件について、「投資金額の引上げ」や「特定投資家等の一定の投資家の投資上限の撤廃」その他の案を視野に入れた見直しを行えないか。 【法令改正要望】

(問題点)① 株式投資型クラウドファンディング実施後6か月間は、発行会社が少人数

私募(VC向け)を実施できない【少人数私募の人数通算規定に抵触】

② 発行会社が1年以内に私募(VC向けなど)と株式投資型クラウドファンディングで連続して資金調達を行おうとする際、クラウド業者の少額要件(1億円)に私募の調達額が合算される【調達金額の少額要件に抵触】

③ リスク許容度の高い投資者にとっては、発行者毎の投資上限50万円が過剰な制約となっている。また、発行者にとっても投資家側の制約があることで、必要額の調達がしにくくなっている。【投資金額の少額要件に抵触】

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2020年2月7日日本証券業協会 自主規制本部エクイティ市場部

「非上場株式の取引等に関するワーキング・グループ」第10回~株式投資型クラウドファンディング制度

の見直し~

資料2

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審査

応募代金の払込み

募集の取扱いの委託

募集の取扱い(インターネットのみ)

応募、入金

投資者

取扱業者 発行者

インターネットのみを通じた募集の取扱い

少額要件

• 投資者による同一発行者への投資:年間50万円以下

• 一発行者による調達総額:年間1億円未満

取扱業者による発行者や事業計画等の審査

募集終了後も、発行者の事業の状況について投資者に対し定期的に適切な情報を提供

情報提供

少額要件

少額要件

1.制度概要(1) 主な特徴

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株式投資型クラウドファンディング制度の創設

金融商品取引法令の改正等

…投資型クラウドファンディング制度の基本的な枠組みを整備

本協会自主規制規則の整備

…金融商品取引法令を補完する形で、株式投資型クラウドファンディング制度の細目を整備

金融審議会「新規・成長企業へのリスクマネーの供給のあり方等に関するワーキング・グループ」報告書(2013年12月)

• 我が国においては、起業・新規ビジネスの創出が重要な課題であり、事業者が技術やアイデアを事業化する段階において、必要とされるリスクマネーの供給促進が重要

• こうした観点から、新規・成長企業に対するリスクマネーの供給促進策として、クラウドファンディング等によるベンチャー企業への投資促進等について検討

1.制度概要(2) 制度創設の背景

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金融商品取引法

有価証券(みなし含む)を用いたクラウドファンディング業務

→ 「電子募集取扱業務」として定義

→ 金融商品取引業登録(第一種又は第二種)が必要

非上場・非開示の有価証券等をクラウドファンディング業務で取り扱う場合

→ 「電子募集取扱業務」を行う旨の金融商品取引業登録が必要

→ 発行者の審査・ウェブサイト管理等に関する業務管理体制を整備

→ クラウドファンディング期間中は、ウェブサイトでの情報提供を行う

クラウドファンディング専業業者

→ 少額(投資者一人50万円、調達総額1億円)のクラウドファンディング業務のみを行う金融商品

取引業者は、「少額電子募集取扱業者(第一種又は第二種)」として登録

→ 参入要件の緩和

3

1.制度概要(3) 法規制の主な内容

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株式投資型クラウドファンディング業務に関する規則

❶ 株式投資型クラウドファンディング業務について、投資勧誘を認める。

❷ 発行者についての審査及び反社会的勢力排除のための措置

❸ 株式投資型クラウドファンディングの案件についてのウェブサイトにおける表示

❹ 契約締結前交付書面の交付

❺ 投資者からの確認書の徴求

❻ 少額要件

• 一発行者による調達総額:年間1億円未満

• 一投資者による同一発行者への投資:年間50万円以下

❼ インターネット以外(電話及び対面等)の勧誘手法との併用禁止

❽ 募集終了後に発行者が顧客に定期的に適切な情報を提供すること

❾ 業務管理体制の整備

❿ 月間実績の報告・公表

(2015年5月29日施行)

1.制度概要(4) 自主規制の主な内容

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(金商法29条の4の2第10項、金商法施行令15条の10の3、金商業等府令16条の3、クラウド規則4条3項・13条)

株式投資型クラウドファンディングを行う場合は、少額要件を満たしている必要がある。

※金商法では 第一種少額電子募集取扱業者(クラウドファンディング専業業者)のみに少額要件を課しているが、本協会規則では、第一種金融商品取引業者(証券会社)についても少額要件を課している。

少額要件(調達金額)

以下の金額を合算して「1億円未満」

今回の募集(又は私募)に係る発行価額の総額

同一発行者・同一種類の有価証券の募集又は私募に係る発行価額の総額(募集開始前1年以内のもの)

同一発行者・同一種類の有価証券の募集又は私募に係る発行価額の総額(申込期間が重複するもの)

新株予約権証券の場合は、その行使価額も合算(投資者の少額要件でも同様)

※ 同一種類の有価証券=株券・新株予約権証券(投資者の少額要件でも同様)

少額要件(投資金額)

同一発行者に対する個別払込額が、以下の金額を合算して「50万円以下」

今回の募集(又は私募)に係る個別払込額同一発行者・同一種類の有価証券の募集又は私募に係る個別払込額(今回の募集(又は私募)に係る払

込みが行われた日前1年以内に応募又は払込みを行ったもの)※ 新株予約権証券・同一種類の有価証券の考え方は発行者の少額要件と同様

1.制度概要(5) 少額要件

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1.制度概要(6) 開示規制(CF関連の主な規制の概略)

適格機関投資家私募特定投資家私募少人数私募

募集

1千万円以下 1千万円超~1億円未満 1億円以上

不要 不要 有価証券通知書有価証券届出書

(監査報告書の添付が必要)

有価証券届出書等の提出(非開示会社の場合)

半年間の人数通算により募集となる場合の届出

半年間で以下の人数を通算して「50名以上」の場合、少人数私募には該当しない。

当該有価証券の取得勧誘の相手方の人数

同種の新規発行証券の取得勧誘を行った相手方の人数(発行日前6月以内のもの)

※ 同種の新規発行証券(株券の場合)=発行者が同一であり、剰余金の配当等が同一である有価証券

※ 適格機関投資家私募や有価証券届出書の提出が行われた募集等、一部の例外は人数通算から除外される

1年間で合計1億円となる募集の届出

➡人数通算で50名以上となり募集に該当することとなった場合、当該有価証券の発行価額の総額+当該有価証券の発行日前6月以内に発行された同種の新規発行証券の発行価額の総額=合計1億円以上で届出が必要

1年間で以下の金額を合算して「1億円以上」の場合、有価証券届出書の提出が必要

当該有価証券の発行価額の総額

同一の種類の有価証券の募集・売出しに係る発行価額・売出価額の総額(募集開始日前1年以内のもの)

新株予約権証券の場合は、その行使価額も合算

※ 同一の種類の有価証券=株券・新株予約権・新株予約権付社債券

※ 有価証券届出書の提出が行われた募集等、一部の例外は除外される

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【少人数私募の人数通算規定】以下の人数を通算して「50名以上」の場合、少人数私募には該当しない。 当該有価証券の取得勧誘の相手方の人数

同種の新規発行証券の取得勧誘を行った相手方の人数(発行日前6月以内のもの)

※ 同種の新規発行証券(株券の場合)=発行者が同一であり、剰余金の配当等が同一である有価証券

※ 適格機関投資家私募や有価証券届出書の提出が行われた募集等、一部の例外は人数通算から除外される

(金商法2条3項2号ハ、金商法施行令1条の6、定義府令第10条の2)

2.制度上の課題・解決策(案)(1) 少人数私募の人数通算(開示規制)

解決策(案)少人数私募の人数通算規定から、株式投資型クラウドファンディングによる取得勧誘を除くことができ

ないか。【法令改正要望】

制度上の課題①発行者が、株式投資型クラウドファンディングによる資金調達の後に少人数私募(VCなど)により資

金調達を行おうとする際、少人数私募の人数通算規定に抵触するため実施できないといった制約がある。

※種類株を利用する場合は、この限りでない。

現行

企業

🏢 CF 9千万(不特定多数)

少人数私募 2億(1名)

実質半年以上の間隔が必要※

機動的な資金調達ができず、成長を阻害

半年間は人数通算対象(計50名以上となる)

解決策

企業

🏢 CF 9千万(不特定多数)

少人数私募 2億(1名)

実質半年以上の間隔が不要

機動的な資金調達ができ、成長を促進

通算の対象外

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2.制度上の課題・解決策(案)(1) 少人数私募の人数通算(開示規制)

規制緩和に対する許容性・考え方の整理(案)少人数私募の人数通算規定は、発行日等の条件を少しずつずらすことで勧誘人数を50名未満に抑える等

の潜脱行為を防止することが規制趣旨であると思われる。

一方、株式投資型クラウドファンディングはインターネット上で不特定多数の投資者に勧誘を行うものであり、一般的な少人数私募とは明確に形態が異なる。

このため、株式投資型クラウドファンディングによる募集を人数通算から除外しても、規制趣旨を損なうものではないと考えられるのではないか。

期待される効果アーリーステージの企業の資金調達の多様化・円滑化

今後の検討課題(法令改正要望にあたって必要な情報)・制度上の課題に関する具体的な事例や具体的ニーズの集約

・解決策の妥当性の精査

・規制緩和に対する許容性(根拠・理由)の精査・補強/考え方の整理

・その他意見・提案

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【調達金額の少額要件】以下の金額を合算して「1億円未満」 今回の募集(又は私募)に係る発行価額の総額

同一発行者・同一種類の有価証券の募集又は私募に係る発行価額の総額(募集開始前1年以内のもの)

同一発行者・同一種類の有価証券の募集又は私募に係る発行価額の総額(申込期間が重複するもの)

新株予約権証券の場合は、その行使価額も合算

※ 同一種類の有価証券=株券・新株予約権証券

(金商法29条の4の2第10項、金商法施行令15条の10の3第1号、金商業等府令16条の3第1項、クラウド規則4条3項)

2.制度上の課題・解決策(案)(2) 調達金額の少額要件(業規制)

解決策(案)少額要件について、私募による発行価額を合算しないことにできないか。【法令改正要望】

制度上の課題②発行者が、少人数私募(VCなど向け)と株式投資型クラウドファンディング(CF)で連続して資金

調達を行おうとする際、クラウド業者の少額要件に抵触するため実施できないといった制約がある。

現行

企業

🏢 私募 2億 CF 9千万

1年以上の間隔が必要

機動的な資金調達ができず、成長を阻害

1年間は金額合算対象(計1億以上となる)

解決策

企業

🏢 私募 2億 CF 9千万

1年以上の間隔が不要

機動的な資金調達ができ、成長を促進

合算対象外

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2.制度上の課題・解決策(案)(2) 調達金額の少額要件(業規制)

規制緩和に対する許容性・考え方の整理(案)制度創設当時、発行総額の少額要件は米国(上限100万ドル)を参考としたほか、「開示規制が基本的

にかからないところをターゲットにすること」や「必要となる調達金額も数千万円といったところが通常ではないかと言われていることなどを勘案」し、「発行総額1億円」という提案がなされていた。

開示規制上で有価証券届出書の提出要否である1年間1億円の金額通算の対象は「募集・売出し」であり、「私募」は含まれない。しかし、投資型クラウドファンディングの政令・府令制定の段階において、少額要件の「発行総額1億円」=「過去1年間の募集・私募の発行価格の総額」と定義され、届出書提出のハードルと少額要件のハードルでずれが生じることになった。

制度創設時は調達金額の想定が数千万程度であったため、このようなずれは問題とならなかったと考えられるが、制度創設後、特に直近ではテック系のスタートアップ企業でシステム開発のために設立当初から多額の資金が必要であると言われており、株式投資型クラウドファンディングや少人数私募が連続して利用されるニーズが実際に出てきている。

このような制度創設当時の想定と異なる資金調達ニーズや、元々の制度趣旨に鑑みれば、「私募」を少額要件の合算対象から除外しても問題ないと考えられるのではないか。

期待される効果アーリーステージの企業の資金調達の多様化・円滑化

今後の検討課題(法令改正要望にあたって必要な情報)・制度上の課題に関する具体的な事例や具体的ニーズの集約

・解決策の妥当性の精査

・規制緩和に対する許容性(根拠・理由)の精査・補強/考え方の整理

・その他意見・提案

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次頁参照

11

【投資金額の少額要件】以下の金額を合算して「50万円以下」 今回の募集(又は私募)に係る個別払込額

同一発行者・同一種類の有価証券の募集又は私募に係る個別払込額(今回の募集(又は私募)に係る払込みが

行われた日前1年以内に応募又は払込みを行ったもの)

新株予約権証券の場合は、その行使価額も合算

※ 同一種類の有価証券=株券・新株予約権証券

(金商法29条の4の2第10項、金商法施行令15条の10の3第2号、金商業等府令16条の3第2項、クラウド規則13条)

2.制度上の課題・解決策(案)(3) 投資金額の少額要件(業規制)

解決策(案)投資者の少額要件の見直しを行えないか。【法令改正要望】(具体案は次頁)

制度上の課題③株式投資型クラウドファンディング(CF)は一律50万円の投資総額の上限があるが、50万円以上の投

資意向があり、かつ、リスク許容度の高い投資者にとっては、過剰な制約となっている。また、発行者にとっても投資家側の制約があることで、事業に必要な金額の調達がしにくくなっているほか、小口株主の増加要因となり、株主管理の負担が大きくなっている。

現行

企業B

🏢

投資家A

👦

募集額5千万円

B社への投資希望額(リスク許容度)

500万円

投資可能額50万のみ

申込額4,550万円

本来のリスク許容度以上に投資額が制限

申込額が不足し、案件不成立(Aが投資希望額どおり投資可能であれば成立していた)

450万円は投資不可

解決策

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2.制度上の課題・解決策(案)(3) 投資金額の少額要件(業規制)

解決策の具体案

A案 投資金額50万円の上限を引き上げる

例:50万円⇒100万円

D案 投資者毎の年間の投資総額の上限を、投資者の資産又は年収に応じて個別に判断する

B案 一定の投資家については投資金額の上限を設けないこととする

例:資産又は年収の10%等

参考:英国は純資産の10%/米国は年収・純資産に応じて2,200~107,000ドル

例:特定投資家等

参考:英国では、①プロ投資家、②ベンチャーキャピタル、③投資判断能力がある投資家の認定を受けた者、④投資判断能力がある投資家の自己申告した者、⑤富裕投資家の認定を受けた者については、投資金額の上限なし

C案 投資制限を撤廃し、一定の投資金額を超えた場合には注意喚起を行うこととする

参考:EUではCFについてEU域内で統一基準策定の動きがあり、投資上限については、1,000ユーロ又は純資産の5%を超える場合に注意喚起を行い、その後4日間の熟慮期間を設けるという仕組みとなる見込み(2019年12月、欧州議会・理事会による合意内容)

資産又は年収の確認を行うことは困難であり、A案・B案が現実的か。

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2.制度上の課題・解決策(案)(3) 投資金額の少額要件(業規制)

規制緩和に対する許容性・考え方の整理(案)【A案:投資上限の引き上げ】

要検討

【B案:一定の投資家の投資上限撤廃】(一定の投資家=特定投資家とする場合)プロ投資家であるため、損失額限定などを目的とした投資総額の制限を法令で義務付ける必要はないと考えられる。

【C案:投資上限の撤廃(一定の投資額を超えた場合の注意喚起)】及び【D案 :各投資者の資産や年収に基づく投資制限】

損失額限定を促す方法は必ずしも一つではなく、現在の日本方式にこだわらず、海外の方式を参考に少額要件の見直しを行っても規制の趣旨を損なうことはないと考えられる。

期待される効果アーリーステージの企業の資金調達の多様化・円滑化、株主管理の負担軽減

今後の検討課題(法令改正要望にあたって必要な情報)・制度上の課題に関する具体的な事例や具体的ニーズの集約

・現在実際に投資している投資家のプロファイリング

・解決策の妥当性の精査

・規制緩和に対する許容性(根拠・理由)の検討・補強/考え方の整理

・その他意見・提案

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2.制度上の課題・解決策(案)(4) 本件に関する具体的なニーズ

規制改革要望2018年2月の規制改革推進会議において、本件に関する規制改革要望が提出されている。

株式投資型クラウドファンディング業者からのヒアリング内容シード期にあるベンチャー企業は、その成長に合わせた資金調達(第三者割当、銀行借入、VC出資等)を計画、実施しており、発行者より、クラウドファンディングを行う場合において、なぜ、少額要件規制があるのかという意見を聞いており、当該規制が原因で調達希望金額を下げざるを得なかった発行者が複数社ある。

ベンチャーキャピタルからのヒアリング内容VC出資とクラウドファンディングが連続又は並行して行われるような資金調達ニーズは確かに存在しており、当該規制が原因で資金調達を断念した事例がある。

【投資家側の意見】• 自らのリスクで多額の投資を望む人や一定のポーションを取りたい人にとっては、各投資家の投資

額の上限規制50万円以下が足かせ。→潜在的に出し手として存在するリスクマネーが結局供給されないまま、目詰まり

【発行会社側の意見】• 各投資家の投資額の上限規制により、投資家の人数が多くなり株主管理コストが大きくなる

• 発行価額の総額の上限規制により、調達額が頭打ち。総額1億円にはクラウドファンディング以外の調達も合算され、制約が厳しい。→応援をしたいというファンからの資金を必要額調達してイノベーションを起こしていくという機

動的な循環、エコシステムの形成が不十分

※新経済連盟作成資料:「クラウドファンディングに係る規制改革要望(2018年2月27日)」より抜粋

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2017年4月に取扱いが開始され、2019年12月末現在の取扱状況は、累計取扱件数131件(うち92件成立)、累計調達金額は29億円を突破。また、同年12月末現在、取扱業者は5社となっている。

3.参考資料・統計情報等(1) 取扱状況の推移

5

20

29

18

60

92

0

5

10

15

20

25

30

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

2017 2018 2019

累計調達金額【右目盛】 成立件数【左目盛】

(件) (億円)

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※ 2019年12月末までに募集が終了した案件を対象に集計。取扱実績のある業者のみ記載。

※ 上記のほか、ユニバーサルバンク(2018.10.15~)及びSBI Capital Base(2019.8.15~)が本協会の特定業務会員として加入している。

※「発行価額」、「新規発行株数/個数」及び「発行価額の総額」については、成立案件分のみを記載。

※「1件平均」は、それぞれの項目につき「成立件数」で除して得た値。

取扱業者名有価証券の種類

取扱件数(成立件数)

発行価額(1件平均)

新規発行株数/個数累計(1件平均)

発行価額の総額累計(1件平均)

日本クラウドキャピタル(2016.11.1~)

株式103件 ― 14,698,317株 2,505,835千円

(73件) (23,935円) (201,347株) (34,327千円)

新株予約権2件 ― 1,743個 17,430千円

(1件) (10,000円) (1,743個) (17,430千円)

DANベンチャーキャピタル(2017.9.1~)

株式16件 ― 56,740株 119,050千円

(9件) (47,324円) (6,304株) (13,228千円)

ユニコーン(2019.2.1~)

株式1件 ― 2,873株 57,460千円

(1件) (20,000円) (2,873株) (57,460千円)

エメラダ(2017.11.1~2019.10.25)

新株予約権9件 3,385個 236,950千円

(8件) (70,000円) (423個) (29,619千円)

小計

株式120件 ― 14,757,930株 2,682,345千円

(83件) (26,424円) (177,806株) (32,317千円)

新株予約権11件 ― 5,128個 254,380千円

(9件) (63,333円) (570個) (28,264千円)

合計株式+

新株予約権

131件 ― ― 2,936,725千円

(92件) (30,035円) ― (31,921千円)

3.参考資料・統計情報等(2) 取扱業者毎の取扱実績

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発行者による調達金額の分布(2019年12月末時点で募集が終了した案件のうち、成立案件計92件)

3.参考資料・統計情報等(3) 調達金額の分布

6

15

24

24

18

2

1

0

2

0

0 5 10 15 20 25 30

~999

1,000~1,999

2,000~2,999

3,000~3,999

4,000~4,999

5,000~5,999

6,000~6,999

7,000~7,999

8,000~8,999

9,000~9,999

調達金額

(万円)

件数(件)

CFの発行総額が全体的に抑制的になっている(制度上の課題②:少額要件の合算が要因か?)

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株式投資型クラウドファンディングにより2回以上調達を行った案件(2019年12月末時点)

3.参考資料・統計情報等(4) 2回以上の調達案件

2回以上調達を行った企業総数 (取扱件数) 13社 (14件)うち成立案件数 10件

1,460

3,238

3,332

2,000

3,300

4,004

3,740

4,975

4,000

3,630

5,975

3,504

2,214

700

5,000

2,996

1,890

4,210

4,390

1,420

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000

J社

I社

H社

G社

F社

E社

D社

C社

B社

A社

1回目調達金額 2回目調達金額

4か月後

7か月後

(万円)

6か月後

1回目及び2回目の調達金額(成立案件のみ)

16か月後

8か月後

6か月後

2週間後

15か月後

12か月後

9か月後

スタートアップ企業の資金調達サイクルは早い

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投資者一人当たり申込金額の分布(2019年12月末時点で募集が終了した案件のうち、成立案件92件、投資者計17,499人)

3.参考資料・統計情報等(5) 申込金額の分布

1,703

12,495

966

885

197

1,253

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000

~9

10~19

20~29

30~39

40~49

~50

申込金額

(万円)

投資者(人)

50万円上限に近い投資を行っている投資者は延べ1,000名を超える

50万円上限に近い投資者による申込金額合計の全体に占める割合

0% 20% 40% 60% 80% 100%

申込金額全体の約2割

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株式投資型クラウドファンディング後の募集・私募の実施状況( 2019年12月末時点)

3.参考資料・統計情報等(6) 募集・私募の実施状況

募集(CF除く) 適格機関投資家私募 少人数私募 特定投資家私募

実施時期

CF実施後6カ月未満 3件(半年で1億未満)

0件 1件(種類株利用)

0件

CF実施後1年未満 0件 2件 8件 0件

CF実施後1年後以降 0件 0件 10件 0件

投資者の属性 エンジェル 2名 事業会社 2名 事業会社 8名-

エンジェル 7名

VC 1名 VC(金融系)

1名 VC 1名

その他 5名

クラウドファンディングとその他の募集形態を利用した短期間の連続した資金調達実績あり(CF後の募集・私募の件数 24件/CF成立件数 92件)

※複数回実施している会社があるため、数字は延べ件数

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3.参考資料・統計情報等(7) 海外の取扱状況との比較

5

16

16

27

46

56

65

68

253

266

507

0 100 200 300 400 500 600

日本

韓国

カナダ

ドイツ

スウェーデン

シンガポール

フランス

フィンランド

中国

米国

英国

(億円)

英米中は日本と比べて約50~100倍の金額を調達

2017年における株式投資型クラウドファンディングの調達金額の各国比較

出所:ケンブリッジ・ジャッジ・ビジネス・スクール(https://www.jbs.cam.ac.uk/facultyresearch/centres/alternative-finance/publications/)の公表資料「Shifting Paradigms: The 4th European Alternative Finance Benchmarking Report」、「Reaching new heights: The 3rd Americas Alternative Finance Industry Report (2018)」 、 「The 3rd Asia Pacific Region Alternative Finance Report」、「5th UK Alternative Finance Industry Report」を基に日本証券業協会作成。円換算は2017年末の終値を使用。

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3.参考資料・統計情報等(8) 海外当局の規制

• 2017年10月、米財務省レポートで調達金額の引上げ等を提案 発行総額上限額引上げ:107万ドル→500万ドル 投資総額上限に関する見直し など

• 2019年6月、米SECがクラウドファンディングを含む登録免除の規制枠組み全体の見直しに関するパブコメを実施

• 2019年12月、欧州議会・理事会により、EU域内のクラウドファンディングの統一基準策定等について暫定的に合意(今後、議会承認などが必要) 発行総額上限:500万ユーロ 投資総額制限なし:ただし、1,000ユーロ又は純資産の5%を超える場合に注意喚起 など

米国

日本 米国 英国

年間調達上限額 1億円 107万ドル なし

年間投資上限額(制度通算)

なし 年収・純資産に応じて2,200~10万7,000ドル

純資産の10%(一般投資家のみ)

(銘柄ごと) 50万円 なし なし

取得後の譲渡制限 なし 取得日から1年間(相続等例外あり)

なし

日米英の株式投資型クラウドファンディングの制度比較

出所:野村資本研究所「英国の株式投資型クラウドファンディング―拡大の背景にある政府・業者の取り組み―」、米財務省「A Financial System That Creates Economic Opportunities Capital Markets」(2017年12月)、米SEC「SEC Seeks Public Comment on Ways to Harmonize Private Securities Offering Exemptions」(2019年6月)、欧州議会「EU rules to boost European crowdfunding platforms agreed」(2019年12月)

規制の見直しに関する海外当局の最近の動向

EU

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(関連条文抜粋)

制度上の課題①:人数通算規定(開示規制)

【金融商品取引法施行令】(取得勧誘が少人数向け勧誘に該当しないための要件)第一条の六 法第二条第三項第二号ハに規定する政令で定める要件は、当該有価証券の発行される日以前六月以内に、当該有価証券と同一種類の有価証券として内閣府令で定める他の有価証券(その発行の際にその取得勧誘が同号イに掲げる場合及び第二条の十二に規定する場合に該当するものであつた有価証券並びにその発行の際にその取得勧誘が有価証券の募集に該当し、かつ、当該有価証券の募集に関し法第四条第一項の規定による届出又は法第二十三条の八第一項(法第二十七条において準用する場合を含む。)に規定する発行登録追補書類の提出が行われた有価証券を除く。以下この条において「同種の新規発行証券」という。)が発行されており、当該有価証券の取得勧誘を行う相手方(当該有価証券の取得勧誘を行う相手方が適格機関投資家であつて、当該有価証券が第一条の四に定める場合に該当するときは、当該適格機関投資家を除く。)の人数と当該六月以内に発行された同種の新規発行証券の取得勧誘を行つた相手方(当該同種の新規発行証券の取得勧誘を行つた相手方が適格機関投資家であつて、当該同種の新規発行証券が第一条の四に定める場合に該当するときは、当該適格機関投資家を除く。)の人数との合計が五十名以上となることとする。

【金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令】(同一種類の有価証券等)第十条の二 令第一条の四第一号ロ、第二号ロ及びハ並びに第三号イ及びロ、第一条の五の二第二項第一号イ、第一条の七第二号イ(2)、ロ(2)及び(3)並びにハ(1)及び(2)、第一条の七の四第一号ロ、第二号ロ及びハ並びに第三号イ及びロ、第一条の八の二第一号イ並びに第一条の八の四第三号イ(2)、ロ(2)及び(3)並びにハ(1)及び(2)に規定する同一種類の有価証券として内閣府令で定めるものは、当該有価証券及び当該有価証券と発行者が同一で、次の各号に掲げる有価証券の区分に応じ、当該各号に定める事項が同一である有価証券とする。一~三 (略)四 新株予約権付社債券(会社法第二百四十九条第二号に掲げる新株予約権付社債券をいう。第十三条の三第二項第一号において同じ。)次に掲げる事項イ (略)ロ 新株予約権の行使により発行され、又は移転される株式一株の発行価額並びに株式に係る剰余金の配当、残余財産の分配、株式の買受け及び議決権を行使することができる事項(以下この項において「株式に係る剰余金の配当等」という。)の内容

五~八 (略)九 株券 株式に係る剰余金の配当等の内容十 新株予約権証券 新株予約権の行使により発行され、又は移転される株式に係る剰余金の配当等の内容十一~二十六 (略)

2 令第一条の六及び第一条の八の三に規定する当該有価証券と同一種類の有価証券として内閣府令で定める他の有価証券は、当該有価証券と発行者が同一で、前項各号に掲げる有価証券の区分に応じ、当該各号に定める事項が同一である有価証券とする。

3 (略)

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(関連条文抜粋)

制度上の課題②:調達金額の少額要件(業規制)

【金融商品取引法】(第一種少額電子募集取扱業者についての登録等の特例)第二十九条の四の二 (略)2~9 (略)10 第一項、第二項、第五項、第七項及び前項の「第一種少額電子募集取扱業務」とは、電子募集取扱業務(第二条第一項第九号に掲げる有価証券(金融商品取引所に上場されていないものに限り、政令で定めるものを除く。以下この項において同じ。)の募集の取扱い又は私募の取扱いであつて、当該有価証券の発行価額の総額及び当該有価証券を取得する者が払い込む額が少額であるものとして政令で定める要件を満たすものに限る。以下この項において同じ。)又は電子募集取扱業務に関して顧客から金銭の預託を受けることをいう。

【金融商品取引法施行令】(発行価額の総額及び有価証券を取得する者が払い込む額が少額である有価証券の募集の取扱い等)第十五条の十の三 法第二十九条の四の二第十項及び第二十九条の四の三第四項に規定する政令で定める要件は、次に掲げるものとする。一 発行価額の総額として内閣府令で定める方法により算定される額が一億円未満であること。二 (略)

【金融商品取引業等に関する内閣府令】(発行価額の総額及び有価証券を取得する者が払い込む額の算定の方法)第十六条の三 令第十五条の十の三第一号に規定する内閣府令で定める方法は、募集又は私募に係る有価証券の発行価額の総額(当該有価証券が新株予約権証券である場合には、当該新株予約権証券の発行価額の総額に当該新株予約権証券に係る新株予約権の行使に際して払い込むべき金額の合計額を合算した金額。以下この項において同じ。)に、当該有価証券の募集又は私募を開始する日前一年以内に同一の発行者により行われた募集又は私募及び当該有価証券の募集又は私募と申込期間(第七十条の二第二項第四号に規定する申込期間をいう。)の重複する同一の発行者により行われる募集又は私募に係る当該有価証券と同一の種類(法第二条第一項第九号に掲げる有価証券であるか同条第二項の規定により有価証券とみなされる同項第五号又は第六号に掲げる権利であるかの別をいう。次項において同じ。)の有価証券の発行価額の総額を合算する方法とする。

2 (略)

【株式投資型クラウドファンディング業務に関する規則】(発行者についての審査)第4条 (略)2 (略)3 会員等は、株式投資型クラウドファンディング業務に係る店頭有価証券の募集又は私募が金融商品取引法施行令(以下「金商法施行令」という。)第15条の10の3第1号に掲げる要件を満たすものでなければ、株式投資型クラウドファンディング業務を行ってはならない。

4 (略)

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(関連条文抜粋)

制度上の課題③:投資金額の少額要件(業規制)

【金融商品取引法】(第一種少額電子募集取扱業者についての登録等の特例)第二十九条の四の二 (略)2~9 (略)10 第一項、第二項、第五項、第七項及び前項の「第一種少額電子募集取扱業務」とは、電子募集取扱業務(第二条第一項第九号に掲げる有価証券(金融商品取引所に上場されていないものに限り、政令で定めるものを除く。以下この項において同じ。)の募集の取扱い又は私募の取扱いであつて、当該有価証券の発行価額の総額及び当該有価証券を取得する者が払い込む額が少額であるものとして政令で定める要件を満たすものに限る。以下この項において同じ。)又は電子募集取扱業務に関して顧客から金銭の預託を受けることをいう。

【金融商品取引法施行令】(発行価額の総額及び有価証券を取得する者が払い込む額が少額である有価証券の募集の取扱い等)第十五条の十の三 法第二十九条の四の二第十項及び第二十九条の四の三第四項に規定する政令で定める要件は、次に掲げるものとする。一 (略)二 取得する者が払い込む額として内閣府令で定める方法により算定される額が五十万円以下であること。

【金融商品取引業等に関する内閣府令】(発行価額の総額及び有価証券を取得する者が払い込む額の算定の方法)第十六条の三 (略)2 令第十五条の十の三第二号に規定する内閣府令で定める方法は、募集又は私募に係る有価証券に対する個別払込額(有価証券を取得する者がそれぞれ払い込む額をいい、当該有価証券が新株予約権証券である場合には、当該額に当該新株予約権証券に係る新株予約権の行使に際して払い込むべき金額を合算した金額とする。以下この項において同じ。)に、当該有価証券の募集又は私募に係る払込みが行われた日前一年以内に応募又は払込みを行った同一の発行者による当該有価証券と同一の種類の有価証券の募集又は私募に係る個別払込額を合算する方法とする。

【株式投資型クラウドファンディング業務に関する規則】(払込額が少額要件を満たしていることの確認)第13条 会員等は、株式投資型クラウドファンディング業務により店頭有価証券を取得させようとする顧客からの払込額が、金商法施行令第15条の10の3第2号に掲げる要件を満たすものであることを確認しなければならない。

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(関連条文抜粋)

参考:有価証券届出書の提出(開示規制)

【金融商品取引法】(募集又は売出しの届出)第四条 有価証券の募集(特定組織再編成発行手続を含む。第十三条及び第十五条第二項から第六項までを除き、以下この章及び次章において同じ。)又は有価証券の売出し(次項に規定する適格機関投資家取得有価証券一般勧誘及び第三項に規定する特定投資家等取得有価証券一般勧誘に該当するものを除き、特定組織再編成交付手続を含む。以下この項において同じ。)は、発行者が当該有価証券の募集又は売出しに関し内閣総理大臣に届出をしているものでなければ、することができない。ただし、次の各号のいずれかに該当するものについては、この限りでない。一~四 (略)五 発行価額又は売出価額の総額が一億円未満の有価証券の募集又は売出しで内閣府令で定めるもの(前各号に掲げるものを除く。)

【企業内容等の開示に関する内閣府令】(届出を要しない有価証券の募集又は売出し)第二条 (略)2~4 (略)5 法第四条第一項第五号に規定する発行価額又は売出価額の総額が一億円未満の有価証券の募集又は売出しで内閣府令で定めるものは、次に掲げるもの以外の募集又は売出しとする。一 (略)二 募集又は売出しに係る有価証券の発行価額又は売出価額の総額(当該有価証券が新株予約権証券である場合には、当該新株予約権証券の発行価額又は売出価額の総額に当該新株予約権証券に係る新株予約権の行使に際して払い込むべき金額の合計額を合算した金額。以下この条、第九条の二第二号から第五号まで、第十九条第二項第一号から第二号の二まで及び第十四条の十五第二項において同じ。)に、当該募集又は売出しを開始する日前一年以内に行われた募集又は売出し(令第二条の十二に規定する場合に該当するもの、法第四条第一項の規定による届出をしたもの及び当該届出前にしたもの並びに発行登録追補書類を提出したもの及び当該提出前にしたものを除く。)に係る当該有価証券と同一の種類の有価証券(この条において新株予約権付社債券は、第一条第二号の規定にかかわらず、同条第一号ニに掲げる有価証券又は法第二条第一項第十七号に掲げる有価証券であつて第一条第一号ニに掲げる有価証券の性質を有するものと同一の種類の有価証券とみなす。)の発行価額又は売出価額の総額を合算した金額が一億円以上となる場合における当該募集又は売出し

三 募集(令第一条の六に規定する要件に該当することにより募集に該当することとなつた場合に限る。)に係る有価証券の発行価額の総額に、当該有価証券の発行される日以前六月以内に発行された同種の新規発行証券(同条に規定する同種の新規発行証券をいう。第九条の二において同じ。)の発行価額の総額を合算した金額が一億円以上となる場合における当該募集

三の二~八 (略)

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非上場株式の取引等に関するワーキング・グループの開催スケジュール(案)

開催回(開催時期) 検討テーマ

第 10回

2月7日(金)13時~14時半

●趣旨の説明・意見交換

・株式投資型クラウドファンディング制度の見直し①

第 11回

2月 17日(月)13時~14時半

●具体的施策に関する意見交換

・適格機関投資家に該当しない大規模投資家向け勧誘規制の見直し②

第 12回

2月 26日(水)10時~11時半

●具体的施策に関する意見交換

1.株主コミュニティ制度を利用した資金調達の活用②

2.上場廃止銘柄の受け皿制度としての株主コミュニティ②

●株主コミュニティ制度周知活動案の紹介

第 13回

3月 24日(火)10時半~12時半

●規則改正案の検討

1.適格機関投資家に該当しない大規模投資家向け勧誘規制の見直し③

2.株主コミュニティ制度を利用した資金調達の活用③

3.上場廃止銘柄の受け皿制度としての株主コミュニティ③

第 14回

(3月下旬~4月上旬)

●見直し案に関する意見交換、論点整理

・株式投資型クラウドファンディング制度の見直し②

第 15回

(4月中)

予備日

資料3