第 回 発光ダイオード・発電機・コンデンサー...3 第 回...
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発光ダイオード(LED) 1
新しい信号機,駅の電光掲けい
示じ
板ばん
,ビルのかべにある大型テレビなどをよく見ると,光っているのは小さな点のようなものだと気づきます。この小さな点のようなものは,発光ダイオード(LED)という部品です。発光ダイオードは,LED電球にも使われています。
⑴ 発光ダイオードのつくり 2,3
発光ダイオードには,+極と-極があります。発光ダイオードが光るのは,+極から電流が流れたときだけです。反対につなぐと光りません。+極と-極は足の長さで区別することができ,長い方が+極,短い方が-極です。
⑵ 豆電球とのちがい 発光ダイオードも豆電球も電流が流れると光りますが,
発光ダイオードには豆電球と比べて次のようなちがいがあります。
① +極から電流が流れないと光らない。 ② 小さな電力で光る。電気を光に効率的に変える。 ③ こわれにくく,長く使うことができる。
参 考 発光ダイオードに加える電圧が小さいと,電流が流れず光らない。
電気をつくる,ためる,使う 電気をつくることを発電,発電するための機械を発電機と
いいます。発電機によってつくられた電気は, 電気器具によって光,運動,音などに変えることができます。また,電気をためてから使うこともできます。
⑴ 手回し発電機 ① 手回し発電機のしくみと使い方 4,5
手回し発電機にはモーターが入っています。ハンドルを回すとモーターのじくと電
でん
機き
子し
(電でん
磁じ
石しゃく
)が回り,このときに電気がつくられます。モーターに電流を流すと電機子が回りますが,これとは反対のことが起こっているわけです。手回し発電機のハンドルは,手回し発電機やつないだ電気器具がこわれないように,速く回しすぎないようにします。また,発光ダイオードや電子オルゴールのように+極と-極の区別がある電気器具とは,手回し発電機と電気器具の+極どうし,-極どうしをつなぐようにします。
1 ▼1 発光ダイオードを使った信号機
▼2 発光ダイオード(電気用図記号)
(+極)
+極
➡足の長い方が+極。
-極
(-極)
▼3 電流の向きと光り方
➡発光ダイオードの+極から電流が流 れると光る。
� 1993年に青色に光る発光ダイオードが開発され,さまざまな色が表現できるようになった。
参 考
� 注 意 電気用図記号は,三角形がぬりつぶされているもの,矢印がないもの,矢印が左ななめ上を向いているものなどもある。
▼4 手回し発電機
歯車
ハンドル
クリップ
-極+極モーター
▼5 手回し発電機どうしをつなぐ
➡片方のハンドルを回すと,もう片方 のモーターに電流が流れ,ハンドル が回る。
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☆ 発光ダイオード・発電機・コンデンサー第 回
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第☆回 発光ダイオード・発電機・コンデンサー ② ハンドルの回す速さ,向きを変える 6
手回し発電機に豆電球,発光ダイオード,モーター,電子オルゴールを別々につなぎ,ハンドルを回す速さと向きを変えて電気器具のようすを比べます。
6の表のAとBより,ハンドルを速く回すと,電流が大きくなることがわかります。また,AとCより,ハンドルを回す向きを反対にすると,電流の向きが反対になることがわかります。
③ ハンドルの手ごたえを比べる 手回し発電機に豆電球と発光ダイオードを別々につなぎ,それぞれを光らせたときのハンド
ルを回す手ごたえを比べます。すると,豆電球よりも発光ダイオードの方が,手ごたえが軽くなります。このようになるのは,豆電球よりも発光ダイオードの方が,光っているときに流れる電流が小さいからです。ハンドルを回す手ごたえは,電流が大きいほど強くなります。
⑵ コンデンサー ① コンデンサーに電気をためる 7
コンデンサーは,電気をためることができる部品です。コンデンサーには+端
たん
子し
と-端子があり,電気をためるときは,コンデンサーの+端子と発電機や乾
かん
電池の+極を,コンデンサーの-端子と発電機や乾電池の-極をつなぐようにします。
② コンデンサーにためた電気を使う 8,9
手回し発電機にコンデンサーをつなぎ,一定の速さで決められた回数ハンドルを回してコンデンサーに電気をためます。その後,すばやくコンデンサーをはずしてから豆電球や発光ダイオードにつなぎ,豆電球や発光ダイオードが光った時間を比べます。 注 意 光った時間を測ったあとは,コンデンサーの+端子と-端子をショートさせ,コンデンサーにためた電気をなくしておく。
9の表のように,ハンドルを回す回数が多いほど,豆電球の光った時間が長くなっています。このことから,ハンドルを回す回数が多いほど,コンデンサーにたまる電気の量が多くなることがわかります。また,ハンドルを回す回数が同じとき,豆電球よりも発光ダイオードの方が長く光っています。このことから,豆電球よりも発光ダイオードの方が,光っているときに使う電気の量が少ないことがわかります。
▼6 �ハンドルの回し方と電気器具のようすハンドルの回し方 豆電球 発光ダイオード モーター 電子オルゴール
A 右回りにゆっくり 光った 光った 回った 音が鳴った
B 右回りに速く Aより明るく光った Aより明るく光った Aより速く回った Aより大きな音で鳴った
C 左回りにゆっくり Aと同じ明るさで光った 光らなかった Aとは逆向きに回った 音が鳴らなかった
▼7 コンデンサーに電気をためるコンデンサー+端子
+極
-極-端子
➡コンデンサーの+端子に発電機の+ 極をつなぐ。電気がたまるにつれて, ハンドルは軽くなる。
▼8 ためた電気を使う
➡コンデンサーの+端子から電流が流 れるので,+端子と発光ダイオード の+極をつなぐ。
回す回数 豆電球 発光ダイオード10回 9秒 1分30秒20回 14秒 2分20秒30回 16秒 3分以上
▼9 �電気器具が光った時間の例
発光ダイオード(LED) 発電機 コンデンサー
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右の図は,新型の信号機などに使われている,電流が流れると光る部品を表しています。これについて,次の問いに答えなさい。● 1
⑴ 図の部品を何といいますか。⑵ 図の部品をアルファベット3文字で何といいます
か。⑶ 図の部品には+極と-極があります。+極は足の長い方ですか,
短い方ですか。⑷ 次の文は,図の部品を光らせる方法について述べたものです。
にあてはまることばを+極,-極からそれぞれ選びなさい。 図の部品が光るのは, 電流が ① から流れたときである。
よって,乾電池を使って図の部品を光らせるためには,図の部品の+極と乾電池の ② を,図の部品の-極と乾電池の ③ をつなぐようにする。
電気をつくったりためたりすることについて,次の問いに答えなさい。● 2
⑴ 電気をつくることを何といいますか。⑵ 次の文は,手回し発電機で電気をつくるしくみについて述べた
ものです。 にあてはまることばを答えなさい。 手回し発電機の中には が入っている。ハンドルを回すと
のじくが回り,このときに電気がつくられる。⑶ 手回し発電機のハンドルを回す速さを速くすると,電流の大き
さはどうなりますか。⑷ 手回し発電機のハンドルを回す向きを反対にすると,電流の向
きはどうなりますか。⑸ 手回し発電機に豆電球と発光ダイオードを別々につないで光ら
せたとき,ハンドルを回す手ごたえが強かったのは豆電球と発光ダイオードのどちらですか。
⑹ 右の図は,電気をためることができる部品です。図の部品を何といいますか。
⑺ 図の部品に電気をためるとき,乾電池や手回し発電機の+極とつなぐのは,+端子,-端子のどちらですか。
⑻ 同じ量の電気をためた図の部品と発光ダイオード, 豆電球を別々につないで光らせたとき,長い時間光ったのは豆電球と発光ダイオードのどちらですか。
⑴
⑵
⑶
⑷①
②
③
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⑴
⑵
⑶
⑷
⑸
⑹
⑺
⑻
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第☆回 発光ダイオード・発電機・コンデンサー
発光ダイオードについて,次の問いに答えなさい。⑴ 発光ダイオードは,アルファベット3文字で何とよばれますか。⑵ 次の図のように発光ダイオードと乾電池を接続したところ,
光った発光ダイオードが2つありました。それはどれとどれですか。図中のA~Dから2つ選び,記号で答えなさい。
右の図のような手回し発電機をいくつかの器具とそれぞれつなぎ,つくった電気を利用しました。これについて,次の問いに答えなさい。⑴ 手回し発電機とプロペラつきモー
ターをつないでからハンドルを右に回すと,プロペラが回りました。
① ハンドルを回す速さを速くすると,プロペラの回る速さはどうなりますか。
② プロペラを逆に回すためには,ハンドルをどのように回せばよいですか。
⑵ 手回し発電機と豆電球,発光ダイオードを別々につないでからハンドルを回すと,どちらも光りました。
① 豆電球と発光ダイオードは,電気を何に変えるための器具ですか。次のア~エから1つ選び,記号で答えなさい。
ア 熱 イ 光 ウ 運動 エ 音 ② ハンドルを回すときの手ごたえは,発光ダイオードを光らせ
たときの方が軽くなりました。このようになるのは,発光ダイオードにどのような特
とく
徴ちょう
があるからですか。次のア~エから1つ選び,記号で答えなさい。
ア 光っているときに流れる電流が豆電球より小さいから。 イ 光っているときに流れる電流が豆電球より大きいから。 ウ +極から電流が流れないと光らないから。 エ -極から電流が流れないと光らないから。
⑴
⑵
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A B
C
D
⑴①
②
⑵①
②
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ハンドル
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基 本 問 題
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右の図のように手回し発電機どうしをつなぎ,右の発電機のハンドルを回すと,左の発電機のハンドルが回り始めました。これについて,次の問いに答えなさい。⑴ 左の発電機のハンドルが回ったのは,右の発電機でつくった電
気が左の発電機の何に流れたからですか。⑵ 右の発電機のハンドルを逆向きに回すと,左の発電機のハンド
ルの回り方はどうなりますか。⑶ 右の発電機のハンドルから手をはなし,今度は左の発電機のハ
ンドルを回しました。右の発電機のハンドルはどうなりますか。
〔図1〕のように手回し発電機と部品Aをつなぎ,ハンドルを20回回して部品Aに電気をためたあと,〔図2〕のように部品Aを豆電球につなぎかえ,豆電球が光った時間を調べました。さらに同じ実験を,豆電球のかわりに発光ダイオードを用いて行いました。これについて,あとの問いに答えなさい。
⑴ 電気をためることができる部品Aを何といいますか。⑵ 〔図1〕のように部品Aに電気をためるとき,手回し発電機のハ
ンドルはどのような速さで回せばよいですか。次のア~エから1つ選び,記号で答えなさい。
ア だんだん速くする。 イ だんだんおそくする。 ウ 一定の速さにする。 エ どのような速さでもよい。
⑶ 電気をためた部品Aと発光ダイオードをつなぐとき,どのようにすればよいですか。次の文の( )からあてはまることばをそれぞれ選びなさい。
部品Aの①(+端子,-端子)と発光ダイオードの+極をつなぎ,部品Aの②(+端子,-端子)と発光ダイオードの-極をつなぐ。
⑷ 実験の結果,豆電球と発光ダイオードの光った時間はどうなりましたか。次のア~ウから1つ選び,記号で答えなさい。
ア 豆電球の方が発光ダイオードよりも長く光った。 イ 発光ダイオードの方が豆電球よりも長く光った。 ウ 光った時間は豆電球も発光ダイオードも同じくらいだった。
⑴
⑵
⑶
33
⑴
⑵
⑶①
②
⑷
4
〔図1〕 〔図2〕
手回し発電機
電気をためた部品A
豆電球
部品A
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第☆回 発光ダイオード・発電機・コンデンサー
第☆回 発光ダイオード・発電機・コンデンサー
トレーニング (P.4)解答
⑴ 発光ダイオード ⑵ LED ⑶ 長い方 ⑷ ① +極 ② +極 ③ -極 ⑴ 発電 ⑵ モーター ⑶ 大きくなる。 ⑷ 反対になる。 ⑸ 豆電球 ⑹ コンデンサー ⑺ +端子 ⑻ 発光ダイオード
解説 ⑵ LED電球には,その名前のとおり,発光ダ
イオードが使われています。 ⑶ 発光ダイオードの+極と-極は,足の長さ
で見分けることができます。 ⑷ 発光ダイオードが光るのは,+極から電流
が流れるように乾電池や発電機とつないだ場合だけです。
⑴ 発電をするための機械は,発電機といいます。
⑵ モーターに電流が流れると,中にある電機子が回ります。これとは反対に,電機子を回すと,電流が流れます。これと同じようなしくみは,火力発電,水力発電,風力発電などでも用いられています。
⑶⑷ ハンドルを回す速さは電流(電圧)の大きさに,ハンドルを回す向きは電流の向きに関係しています。
⑸ ハンドルを回す手ごたえが強いのは,電流が大きいときです。発光ダイオードよりも豆電球の方が光っているときに流れる電流が大きいため,手ごたえが強くなります。なお,手回し発電機に何もつながないときは,電流が流れないため,ハンドルを回す手ごたえはとても軽くなります。
⑺ +端子と-端子をまちがってつなぐと,コンデンサーがこわれることがあります。
⑻ 発光ダイオードは,豆電球よりも光るときに使う電気の量が少ないため,長い時間光ります。このように光る時間を比べるときは,コンデンサーにためる電気の量が同じになるようにします。
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2
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基本問題 (P.5,P.6)解答
⑴ LED ⑵ B,D ⑴ ① 速くなる。 ② 左に回す。 ⑵ ① イ ② ア ⑴ モーター ⑵ 逆向きに回る。 ⑶ 回る。 ⑴ コンデンサー ⑵ ウ ⑶ ① +端子 ② -端子 ⑷ イ
解説 ⑵ 発光ダイオードの足は, 長い方が+極で
す。発光ダイオードの+極から電流が流れるようになっているものを選びます。
⑴ モーターに流れる電流が大きいほど,モーターは速く回ります。また,モーターに流れる電流の向きが反対になると,モーターの回る向きは反対になります。
⑵ 豆電球も発光ダイオードも電気を光に変えるものですが,発光ダイオードの方が小さな電流で光らせることができるため,電気を効率よく利用しているといえます。
⑴ 右の発電機でつくった電気によって左の発電機のモーターが回るため,左の発電機のハンドルが回ります。この実験では,同時に両方の発電機のハンドルを持たないように注意します。
⑵ ハンドルを逆向きに回すと,電流の向きが逆になります。
⑶ 左の発電機のハンドルを回したときも,右の発電機のハンドルを回したときと同じようになります。
⑵ コンデンサーに電気をためるときは,手回し発電機の+極とコンデンサーの+端子をつなぐようにすることにも注意します。
⑶ 電気をためたコンデンサーからは,+端子から電流が流れます。発光ダイオードは+極から電流が流れないと光らないため,コンデンサーの+端子と発光ダイオードの+極をつなぐようにします。
⑷ コンデンサーにためた電気の量は同じなので,発光ダイオードの方が長く光ったことから,発光ダイオードは豆電球よりも光るときに使う電気の量が少ないといえます。
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