第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-ddt 235 237...

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283 3 節 多成分同時分析法 1 農薬のガスクロマトグラフ質量分析計による一斉分析法 (1) 分析対象化合物 1 α-BHC β-BHC γ-BHC δ-BHC o,p' -DDD p,p' -DDD o,p' -DDE p,p' -DDE o,p' -DDTp,p' -DDTEPN、アセトクロール、アトラジン、アニロホス、アメトリ ン、アラクロール、アリドクロール、アルドリン、アレスリン、イサゾホス、イソ フェンホス、イソフェンホスオキソン、イソプロチオラン、イプロベンホス、エタ ルフルラリン、エチオン、エディフェンホス、エトフェンプロックス、エトフメセ ート、エトプロホス、エトリジアゾール、エトリムホス、エンドリン、オキサジア ゾン、オキシクロルデン、カズサホス、カルフェントラゾンエチル、キントゼン、 クレソキシムメチル、クロルタールジメチル、cis-クロルデン、trans-クロルデン、 クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロルフェナピル、クロルフェンビンホ ス(E 体)、クロルフェンビンホス(Z 体)、クロルプロファム、クロルベンジレ ート、ジクロホップメチル、ジクロラン、シハロトリン、ジフェナミド、ジフェノ コナゾール、ジメテナミド、ジメトエート、ジメピペレート、シラフルオフェン、 ダイアジノン、ターバシル、チオベンカルブ、ディルドリン、テクナゼン、テトラ クロルビンホス、テトラコナゾール、テトラジホン、テブコナゾール、テブフェン ピラド、テフルトリン、デルタメトリン、α-R-デルタメトリン、trans-デルタメト リン 2 、テルブトリン、テルブホス、トラロメトリン 2 、トリアジメホン、トリ アレート、トリフルラリン、トリフロキシストロビン、トリルフルアニド、ナプロ パミド、パラチオン、パラチオンメチル、ハルフェンプロックス、ビフェントリン、 ピペロホス、ピリダフェンチオン、ピリダベン、ピリプロキシフェン、ピリミホス メチル、ビンクロゾリン、フィプロニル、フェナリモル、フェニトロチオン、フェ ノチオカルブ、フェノトリン、フェンチオン、フェントエート、フェンバレレート、 フェンブコナゾール、フェンプロパトリン、ブタミホス、フラムプロップメチル、 フルシトリネート、フルトラニル、フルトリアホール、フルバリネート、フルミオ キサジン、フルミクロラックペンチル、プロシミドン、プロパクロール、プロパジ ン、プロパニル、プロパルギット、プロピコナゾール、プロファム、プロフェノホ ス、プロペタンホス、ブロモブチド、ブロモブチド脱臭素体、ブロモプロピレート、 ブロモホス、ヘキサコナゾール、ベノキサコール、ヘプタクロル、ヘプタクロル- エポキシド、cis-ペルメトリン、trans-ペルメトリン、ペンコナゾール、ペンディメ タリン、ベンフルラリン、ホサロン、ホスチアゼート、ホスメット、ホレート、マ ラチオン、メタクリホス、メチダチオン、メトキシクロール、メトミノストロビン E 体)、メトラクロール及びメビンホス(142 成分) (2) 分析法 A 試薬の調製 農薬混合標準液 各農薬標準品 25 mg を正確に量ってそれぞれ 50 mL の褐色全 量フラスコに入れ、アセトン 10 mL を加えて溶かし、更に標線まで 2,2,4-トリメ チルペンタンを加えて各農薬標準原液を調製する(これらの液 1 mL は、各農薬 として 0.5 mg を含有する。)。

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Page 1: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

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第 3 節 多成分同時分析法 1 農薬のガスクロマトグラフ質量分析計による一斉分析法

(1) 分析対象化合物注 1 α-BHC、β-BHC、γ-BHC、δ-BHC、o,p'-DDD、p,p'-DDD、o,p'-DDE、p,p'-DDE、

o,p'-DDT、p,p'-DDT、EPN、アセトクロール、アトラジン、アニロホス、アメトリ

ン、アラクロール、アリドクロール、アルドリン、アレスリン、イサゾホス、イソ

フェンホス、イソフェンホスオキソン、イソプロチオラン、イプロベンホス、エタ

ルフルラリン、エチオン、エディフェンホス、エトフェンプロックス、エトフメセ

ート、エトプロホス、エトリジアゾール、エトリムホス、エンドリン、オキサジア

ゾン、オキシクロルデン、カズサホス、カルフェントラゾンエチル、キントゼン、

クレソキシムメチル、クロルタールジメチル、cis-クロルデン、trans-クロルデン、

クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロルフェナピル、クロルフェンビンホ

ス(E 体)、クロルフェンビンホス(Z 体)、クロルプロファム、クロルベンジレ

ート、ジクロホップメチル、ジクロラン、シハロトリン、ジフェナミド、ジフェノ

コナゾール、ジメテナミド、ジメトエート、ジメピペレート、シラフルオフェン、

ダイアジノン、ターバシル、チオベンカルブ、ディルドリン、テクナゼン、テトラ

クロルビンホス、テトラコナゾール、テトラジホン、テブコナゾール、テブフェン

ピラド、テフルトリン、デルタメトリン、α-R-デルタメトリン、trans-デルタメト

リン注 2、テルブトリン、テルブホス、トラロメトリン注 2、トリアジメホン、トリ

アレート、トリフルラリン、トリフロキシストロビン、トリルフルアニド、ナプロ

パミド、パラチオン、パラチオンメチル、ハルフェンプロックス、ビフェントリン、

ピペロホス、ピリダフェンチオン、ピリダベン、ピリプロキシフェン、ピリミホス

メチル、ビンクロゾリン、フィプロニル、フェナリモル、フェニトロチオン、フェ

ノチオカルブ、フェノトリン、フェンチオン、フェントエート、フェンバレレート、

フェンブコナゾール、フェンプロパトリン、ブタミホス、フラムプロップメチル、

フルシトリネート、フルトラニル、フルトリアホール、フルバリネート、フルミオ

キサジン、フルミクロラックペンチル、プロシミドン、プロパクロール、プロパジ

ン、プロパニル、プロパルギット、プロピコナゾール、プロファム、プロフェノホ

ス、プロペタンホス、ブロモブチド、ブロモブチド脱臭素体、ブロモプロピレート、

ブロモホス、ヘキサコナゾール、ベノキサコール、ヘプタクロル、ヘプタクロル-

エポキシド、cis-ペルメトリン、trans-ペルメトリン、ペンコナゾール、ペンディメ

タリン、ベンフルラリン、ホサロン、ホスチアゼート、ホスメット、ホレート、マ

ラチオン、メタクリホス、メチダチオン、メトキシクロール、メトミノストロビン

(E 体)、メトラクロール及びメビンホス(142 成分) (2) 分析法

A 試薬の調製

農薬混合標準液 各農薬標準品 25 mg を正確に量ってそれぞれ 50 mL の褐色全

量フラスコに入れ、アセトン 10 mL を加えて溶かし、更に標線まで 2,2,4-トリメ

チルペンタンを加えて各農薬標準原液を調製する(これらの液 1 mL は、各農薬

として 0.5 mg を含有する。)。

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使用に際して、各標準原液の一定量を混合し、2,2,4-トリメチルペンタン-ア

セトン(4+1)で正確に希釈して、1 mL 中に各農薬として 0.02~0.5 µg を含有す

る数点の各農薬混合標準液を調製する。 また、フィプロニルは、上記農薬混合標準液に加えて、別途 1 mL 中にフィプ

ロニルとして 0.005~0.01 µg を含有する数点のフィプロニル標準液を調製する。 更に、ペンディメタリンは、上記農薬混合標準液に加えて、別途 1 mL 中にペ

ンディメタリンとして 0.01 µg を含有するペンディメタリン標準液を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g(乾牧草は正確に 5 g)を量って 200 mL の共栓三角フ

ラスコに入れ、水 15 mL を加え、30 分間静置後、更にアセトニトリル 100 mLを加え、30 分間振り混ぜて抽出する。300 mL のなす形フラスコをブフナー漏斗

の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラスコ及び

残さを順次アセトニトリル 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。 ろ液を 40 °C 以下の水浴で約 15 mL まで減圧濃縮し、カラム処理 I に供する試

料溶液とする。 カラム処理 I 試料溶液を多孔性ケイソウ土カラム(20 mL 保持用)に入れ、試

料溶液の入っていたなす形フラスコを水 5 mL で洗浄し、洗液をカラムに加えた

後、5 分間静置する。300 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、試料溶液

の入っていたなす形フラスコを酢酸エチル-ヘキサン(1+1)20 mL ずつで 3 回

洗浄し、洗液を順次カラムに加え、液面が充てん剤の上端に達するまで自然流下

させて定量する各農薬を溶出させる。更に同溶媒 40 mL をカラムに加えて同様

に溶出させ、溶出液にアセトン-ジエチレングリコール(49+1)1 mL を加える。

溶出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを

送って乾固する。 シクロヘキサン-アセトン(4+1)10 mL を正確に加えて残留物を溶かし、こ

の液を 10 mL の遠心沈殿管に入れ、1,000×g で 5 分間遠心分離する。上澄み液を

メンブランフィルター(孔径 0.5 µm 以下)でろ過し、ゲル浸透クロマトグラフ

ィーに供する試料溶液とする。 ゲル浸透クロマトグラフィー 試料溶液 5.0 mL をゲル浸透クロマトグラフに注

入し、各農薬が溶出する画分を 200 mL のなす形フラスコに分取する。溶出液に

アセトン-ジエチレングリコール(49+1)1 滴を加え、40 °C 以下の水浴でほと

んど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。 酢酸エチル 2 mL を加えて残留物を溶かし、カラム処理 II に供する試料溶液と

する。 ゲル浸透クロマトグラフィー 例

カ ラ ム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 300 mm、粒径 15 µm) ガードカラム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 100 mm、粒径 15 µm) 溶 離 液:シクロヘキサン-アセトン(4+1)

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流 速:5 mL/min 分 取 画 分:60~150 mL

カラム処理 II グラファイトカーボン/アミノプロピルシリル化シリカゲル積層

ミニカラム(500 mg/500 mg)注 3 を酢酸エチル 10 mL で洗浄する。 25 mL のなし形フラスコをミニカラムの下に置き、試料溶液をミニカラムに入

れ、試料溶液の入っていたなす形フラスコを酢酸エチル 2 mL ずつで 2 回洗浄し、

洗液を順次ミニカラムに加え、液面が充てん剤の上端に達するまで自然流下させ

て定量する各農薬を流出させる。更に酢酸エチル 4 mL をミニカラムに加えて同

様に流出させ、流出液にアセトン-ジエチレングリコール(49+1)1 滴を加える。

流出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを

送って乾固する。 ヘキサン-アセトン(7+3)10 mL(試料が乾牧草である場合は 5 mL)を正確

に加えて残留物を溶かし、カラム処理 III に供する試料溶液とする。 カラム処理 III 合成ケイ酸マグネシウムミニカラム(910 mg)をアセトン 5 mL

及びヘキサン 5 mL で順次洗浄する。 25 mL のなし形フラスコをミニカラムの下に置き、試料溶液 4 mL を正確にミ

ニカラムに加える。液面が充てん剤の上端に達するまで流速 1~2 mL/min で流下

させて各農薬を流出させる。更にヘキサン-アセトン(7+3)6 mL をミニカラム

に加えて同様に流出させ、流出液にアセトン-ジエチレングリコール(49+1)1滴を加える。流出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、

窒素ガスを送って乾固する。 2,2,4-トリメチルペンタン-アセトン(4+1)2 mL を正確に加えて残留物を溶

かし、ガスクロマトグラフ質量分析計による測定に供する試料溶液とする。 ガスクロマトグラフ質量分析計による測定 試料溶液及び各農薬混合標準液各 1

µL をガスクロマトグラフ質量分析計に注入し、選択イオン検出クロマトグラム

を得る。 測定条件 例

カ ラ ム:溶融石英製キャピラリーカラム(5 %ジフェニル-

95 %ジメチルポリシロキサンコーティング、内径

0.25 mm、長さ 30 m、膜厚 0.25 µm) キ ャ リ ヤ ー ガ ス:He(1.0 mL/min、初期流量) 試 料 導 入 法:スプリットレス(60 s) 試 料 導 入 部 温 度:280 °C カ ラ ム 槽 温 度:初期温度 70 °C(1 min 保持)→昇温 25 °C/min→

150 °C→昇温 3 °C/min→200 °C→昇温 8 °C/min→280 °C(10 min 保持)

検 出 器:四重極型質量分析計注 4 インターフェース温度:250 °C イ オ ン 源 温 度:230 °C イ オ ン 化 電 圧:70 eV

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イ オ ン 化 法:電子衝撃イオン化(EI)法 モ ニ タ ー イ オ ン:表 1 参照

表 1 各農薬の測定イオン

項目名 定量イオン 確認イオン 項目名 定量イオン 確認イオン

α -BHC 181 219 α -R -デルタメトリン 181 253 β -BHC 181 219 テルブトリン 226 241 γ -BHC 181 219 テルブホス 231 288 δ -BHC 181 219 トリアジメホン 208 181 o ,p' -DDD 235 237 トリアレート 268 86 p ,p' -DDD 235 237 トリフルラリン 306 264 o ,p' -DDE 246 318 トリフロキシストロビン 116 131 p ,p' -DDE 246 318 トリルフルアニド 238 137 o ,p' -DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p ,p' -DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル 263 246 アセトクロール 162 223 ハルフェンプロックス 263 265 アトラジン 200 215 ビフェントリン 181 166 アニロホス 226 184 ピペロホス 122 320 アメトリン 227 212 ピリダフェンチオン 340 199 アラクロール 160 188 ピリダベン 147 364 アリドクロール 132 138 ピリプロキシフェン 136 96 アルドリン 263 265 ピリミホスメチル 290 305 アレスリン 123 136 ビンクロゾリン 212 285 イサゾホス 161 119 フィプロニル 367 213 イソフェンホス 213 255 フェナリモル 219 330 イソフェンホスオキソン 229 201 フェニトロチオン 277 260 イソプロチオラン 118 162 フェノチオカルブ 160 72 イプロベンホス 204 91 フェノトリン 123 183 エタルフルラリン 276 316 フェンチオン 278 125 エチオン 231 384 フェントエート 274 246 エディフェンホス 173 109 フェンバレレート 125 167 エトフェンプロックス 163 183 フェンブコナゾール 129 198 エトフメセート 161 286 フェンプロパトリン 97 181 エトプロホス 158 200 ブタミホス 286 200 エトリジアゾール 211 213 フラムプロップメチル 105 77 エトリムホス 292 181 フルシトリネート 199 157 エンドリン 263 281 フルトラニル 173 281 オキサジアゾン 175 258 フルトリアホール 164 123 オキシクロルデン 115 387 フルバリネート 250 252 カズサホス 159 158 フルミオキサジン 354 287 カルフェントラゾンエチル 312 340 フルミクロラックペンチル 423 308 キントゼン 237 295 プロシミドン 283 285 クレソキシムメチル 116 206 プロパクロール 120 176 クロルタールジメチル 301 332 プロパニル 161 163 cis -クロルデン 375 373 プロパルギット 135 173 trans -クロルデン 375 373 プロパジン 214 229 クロルピリホス 199 314 プロピコナゾール 173 259

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表 1 各農薬の測定イオン〔続き〕 項目名 定量イオン 確認イオン 項目名 定量イオン 確認イオン

クロルピリホスメチル 286 288 プロファム 179 137 クロルフェナピル 59 247 プロフェノホス 208 337 クロルフェンビンホス(E体) 267 323 プロペタンホス 138 194 クロルフェンビンホス(Z 体) 267 323 ブロモブチド 119 232 クロルプロファム 127 213 ブロモブチド脱臭素体 119 233 クロルベンジレート 251 139 ブロモプロピレート 341 183 ジクロホップメチル 253 340 ブロモホス 331 125 ジクロラン 176 206 ヘキサコナゾール 214 83 シハロトリン 197 208 ベノキサコール 120 259 ジフェナミド 167 239 ヘプタクロル 272 237 ジフェノコナゾール 265 323 ヘプタクロルエポキシド 353 237 ジメテナミド 154 230 cis -ペルメトリン 183 163 ジメトエート 125 229 trans -ペルメトリン 183 163 ジメピペレート 119 145 ペンコナゾール 159 248 シラフルオフェン 179 286 ペンディメタリン 252 281 ダイアジノン 179 304 ベンフルラリン 292 264 ターバシル 161 160 ホサロン 182 121 チオベンカルブ 100 257 ホスチアゼート 195 104 ディルドリン 263 277 ホスメット 160 317 テクナゼン 203 261 ホレート 75 121 テトラクロルビンホス 331 329 マラチオン 173 125 テトラコナゾール 336 159 メタクリホス 180 240 テトラジホン 227 356 メチダチオン 145 85 テブコナゾール 250 125 メトキシクロール 227 274 テブフェンピラド 318 333 メトミノストロビン(E体) 196 238 テフルトリン 177 197 メトラクロール 162 238 デルタメトリン 181 253 メビンホス 127 192

計 算 得られたクロマトグラムからピーク高さを求めて検量線を作成し、試

料中の各農薬量を算出する。 注 1 本法は、ここに示したすべての化合物の同時分析を保証したものではない。

化合物同士の相互作用による分解等及び測定への干渉等の恐れがあるので、

分析対象とする化合物の組み合わせごとにあらかじめこれらの点を検証して

おくこと。 2 trans-デルタメトリンは、デルタメトリンとの合量として定量する。また、

トラロメトリンは、ガスクロマトグラフ質量分析計への注入によりデルタ

メトリンに変換されることから、デルタメトリンとの合量として定量する。 3 ENVI-Carb/LC-NH2(Supelco 製)又はこれと同等のもの 4 GCMS-QP2010(島津製作所製)による条件例

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(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

1) α-R-デルタメトリン及び trans-デルタメトリン 添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(mg/kg) (%) RSDr(%)

α -R -デルタメトリン 牛用配合飼料 0.2 3 201 8.91 3 109 11

とうもろこし 0.2 3 176 9.91 3 110 5.5

チモシー乾草 0.5 3 196 6.95 3 101 6.7

trans -デルタメトリン 牛用配合飼料 0.2 3 241 9.31 3 140 14

とうもろこし 0.2 3 208 9.81 3 144 3.6

チモシー乾草 0.5 3 239 8.85 3 131 9.5

繰返し試料の種類農薬名

※ 斜字は、回収率が 50~200 %の範囲にないもの。

2) トラロメトリン 添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) (%以下)

とうもろこし 120~1,200 3 99.0~115.1 16.0ライグラスわら 600~6,000 3 101.5~112.8 14.9

試料の種類 繰返し

3) ブロモブチド脱臭素体

添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(mg/kg) (%) RSDr (%)0.05 5 131 7.7

0.5 5 87.6 8.8

とうもろこし 0.05 5 142 4.1

0.5 5 121 2.6

スーダングラス乾草 0.05 5 114 8.1

0.5 5 99.2 8.9

稲わら 0.05 5 154 11

1.5 5 124 8.1

稲発酵粗飼料 0.02 5 135 2.6

0.4 5 121 3.8

繰返し試料の種類

ブロイラー肥育後期用配合飼料

4) ペンディメタリン

添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSDr(%)

アルファルファ乾草 1500 3 111 7.915000 3 97.8 7.7

スーダングラス乾草 1500 3 103 4.915000 3 104 4.6

稲わら 20 3 115 8.7

試料の種類 繰返し

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5) その他の農薬 添加濃度 50 µg/kg、100 µg/kg 及び 500 µg/kg 相当量 結果は表 2-1 及び表 2-2 のとおり

・共同試験 1) α-R-デルタメトリン及び trans-デルタメトリン

添加濃度 添加回収率 繰返し精度 室間再現精度

(mg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

牛用配合飼料 4 1 107 19 14 0.88とうもろこし 4 1 103 14 11 1.6チモシー乾草 4 5 89.5 11 9.0 0.72牛用配合飼料 4 1 109 13 10 0.60とうもろこし 4 1 102 7.7 6.3 0.40チモシー乾草 4 5 88.9 15 11 0.89

添加成分名試験室数

HorRat試料の種類

trans -デルタメトリン

α -R-デルタメトリン

2) トラロメトリン

添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

とうもろこし 8 76 89.1 18.6 31.1 1.41アルファルファ乾草 8 76 119.3 6.8 38.2 1.74

試料の種類試験室数

HorRat

3) ブロモブチド脱臭素体

添加濃度 添加回収率 繰返し精度 室間再現精度

(mg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

ブロイラー肥育後期用配合飼料 6 1.0 107 8.7 12 0.77とうもろこし 6 1.0 113 7.5 13 0.84稲わら 6 1.5 129 7.9 10 0.66

試料の種類 試験室数 HorRat

4) イソフェンホスオキソン

添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

成鶏飼育用配合飼料 6 50 98.4 13 21 0.96アルファルファ乾草 6 50 107 9.8 22 0.99

試料の種類試験室数

HorRat

5) その他の農薬

添加濃度 100 µg/kg 相当量 結果は表 3-1 及び表 3-2 のとおり

・定量下限 フィプロニル:試料(稲発酵粗飼料は風乾物。以下本項において同

じ。)中 10 µg/kg、デルタメトリン及びトラロメトリン:試料中 100 µg/kg(乾牧草 150 µg/kg)、ペンディメタリン:試料中 50 µg/kg(稲わら 20 µg/kg)、その他の農薬:試料中 各 50 µg/kg

・検出下限 フィプロニル:試料中 3 µg/kg、デルタメトリン及びトラロメト

リン:試料中 30 µg/kg(乾牧草 50 µg/kg)、ペンディメタリン:試料中 20 µg/kg(稲わら 6 µg/kg)、その他の農薬:試料中 各 20 µg/kg

Page 8: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

290

表 2-1 添加回収試験結果(成鶏飼育用配合飼料、繰返し 各 3)

添加回収率 繰返し精度 添加回収率 繰返し精度 添加回収率 繰返し精度

(%) RSD(%) (%) RSD(%) (%) RSD(%)

α -BHC 100.2 8.4 89.1 7.3 107.6 7.9β -BHC 100.6 10.9 88.0 6.7 104.0 10.3γ -BHC 122.2 10.0 96.6 6.3 103.6 10.2δ -BHC 103.6 11.8 90.6 6.6 102.6 11.0o ,p' -DDD 105.2 6.8 97.5 6.6 104.7 14.6p ,p' -DDD 111.4 7.7 103.2 6.8 111.3 13.0o ,p' -DDE 104.4 6.9 94.7 6.2 96.6 12.1p ,p' -DDE 102.4 6.6 97.5 6.2 98.0 10.6o ,p' -DDT 101.0 8.3 91.5 6.7 116.5 13.7p ,p' -DDT 116.4 2.9 92.7 8.1 121.8 16.8EPN 70.4 4.8 98.3 9.4 170.2 19.3アセトクロール 93.0 14.2 100.2 6.7 118.9 10.5アトラジン 105.6 5.9 88.9 11.9 115.6 8.3アニロホス 128.4 7.6 115.6 7.5 158.6 14.8アメトリン 105.2 8.4 70.8 14.1 30.5 25.8アラクロール 98.8 8.5 96.9 9.6 110.7 11.3

添加濃度

添加成分名

50 µg/kg 100 µg/kg 500 µg/kg

Page 9: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

291

表 2-1 添加回収試験結果(成鶏飼育用配合飼料、繰返し 各 3)〔続き〕

添加回収率 繰返し精度 添加回収率 繰返し精度 添加回収率 繰返し精度

(%) RSD(%) (%) RSD(%) (%) RSD(%)

アリドクロール 114.8 13.1 99.9 6.0 114.2 7.6アルドリン 98.0 6.3 84.1 3.6 103.2 12.9アレスリン 97.2 8.7 99.6 7.4 109.6 11.7イサゾホス 98.4 7.3 126.2 7.9 118.7 7.5イソフェンホス 80.6 6.2 111.5 6.2 107.7 12.1イソフェンホスオキソン 139 2.2 124 5.2 150 0.7イソプロチオラン 104.4 7.7 102.4 6.8 118.5 7.7イプロベンホス 124.0 8.1 123.3 7.9 132.7 7.9エタルフルラリン 92.0 7.6 100.5 5.5 138.6 13.0エチオン 107.6 8.6 106.2 8.2 161.9 17.2エディフェンホス 168.0 6.3 126.0 8.4 155.1 11.3エトフェンプロックス 111.4 7.7 105.1 8.8 114.0 12.6エトフメセート 105.0 7.6 113.7 13.6 99.2 5.6エトプロホス 105.0 7.8 104.3 5.8 125.3 6.5エトリジアゾール 93.4 13.3 91.5 10.3 125.2 9.4エトリムホス 96.6 7.0 96.7 8.0 114.0 8.2エンドリン 119.8 5.3 101.5 8.7 129.8 11.3オキサジアゾン 100.6 8.7 97.6 6.3 108.0 14.9オキシクロルデン 115.6 7.1 73.3 9.0カズサホス 115.8 3.3 105.9 5.9 127.3 7.0カルフェントラゾンエチル 107.2 1.7 105.5 8.1 122.0 11.5キントゼン 83.2 6.7 49.3 6.3 103.4 19.3クレソキシムメチル 104.4 9.0 103.8 7.2 126.9 13.7クロルタールジメチル 101.0 8.9 93.2 7.4 108.3 11.9cis -クロルデン 99.4 9.7 71.3 9.0trans -クロルデン 99.2 9.7 69.9 8.6クロルピリホス 84.6 9.0 83.5 11.7 103.5 10.1クロルピリホスメチル 101.6 9.1 85.4 11.2 111.9 14.1クロルフェナピル 122.2 9.5 99.6 7.7 111.8 14.7クロルフェンビンホス(E体) 116.8 7.4 96.7 6.9 134.0 12.1クロルフェンビンホス(Z体) 123.8 6.9 98.8 8.6 134.8 12.6クロルプロファム 154.2 8.9 116.4 11.2 122.0 7.1クロルベンジレート 114.4 7.9 108.3 6.5 119.9 12.0ジクロホップメチル 113.2 5.7 103.2 7.1 115.8 11.6ジクロラン 137.4 13.2 89.3 15.1 132.4 9.4シハロトリン 217.8 68.6 130.6 8.1 156.5 18.9ジフェナミド 95.4 9.0 99.2 7.1 116.2 11.8ジフェノコナゾール 162.4 5.9 119.4 15.2 138.7 23.8ジメテナミド 102.0 8.2 96.6 9.2 105.8 6.8ジメトエート 105.6 15.3 105.3 15.5 122.3 8.2ジメピペレート 140.8 8.8 117.2 7.8 137.9 10.8シラフルオフェン 128.4 12.8 107.3 7.4 115.1 8.6ダイアジノン 109.4 10.1 104.2 8.1 120.2 4.1ターバシル 194.4 8.7 171.3 10.6 155.3 8.9チオベンカルブ 111.6 8.4 97.0 7.3 115.4 9.6

添加濃度

添加成分名

50 µg/kg 100 µg/kg 500 µg/kg

Page 10: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

292

表 2-1 添加回収試験結果(成鶏飼育用配合飼料、繰返し 各 3)〔続き〕

添加回収率 繰返し精度 添加回収率 繰返し精度 添加回収率 繰返し精度

(%) RSD(%) (%) RSD(%) (%) RSD(%)

ディルドリン 100.6 5.4 93.0 5.6 104.2 11.8テクナゼン 101.6 8.1 92.8 10.9 121.2 8.6テトラクロルビンホス 121.4 8.1 106.8 8.1 129.1 13.4テトラコナゾール 96.8 10.7 103.7 7.3 116.5 19.7テトラジホン 99.8 7.4 102.1 8.3 113.5 11.0テブコナゾール 117.8 8.0 95.7 8.7 126.4 22.6テブフェンピラド 115.6 6.9 110.4 7.6 115.7 15.5テフルトリン 107.6 8.2 103.7 9.3 108.1 10.2デルタメトリン 102.6 8.0 97.9 8.2 148.5 16.8テルブトリン 107.6 9.7 96.3 10.0 - -テルブホス 94.0 5.7 93.1 8.1 113.6 7.1トリアジメホン 104.6 8.0 97.7 8.9 125.0 11.3トリアレート 100.4 7.2 102.2 9.9 110.5 11.6トリフルラリン 111.4 7.5 107.1 11.1 178.4 14.0トリフロキシストロビン 102.8 8.4 107.6 6.5 133.6 9.1トリルフルアニド 67.4 6.2 99.1 5.2 128.9 14.8ナプロパミド 126.6 2.8 96.5 9.6 129.4 7.9パラチオン 114.0 6.1 108.2 11.2 214.8 15.7パラチオンメチル 106.4 4.3 111.6 8.5 160.9 11.4ハルフェンプロックス 106.0 6.4 104.8 9.2 165.5 15.4ビフェントリン 112.6 7.1 101.8 7.2 112.8 15.6ピペロホス 146.4 5.6 110.1 7.1 213.4 13.5ピリダフェンチオン 121.0 7.9 110.3 6.6 152.6 14.1ピリダベン 119.6 7.4 105.1 7.9 128.0 15.8ピリプロキシフェン 124.8 7.2 102.1 8.9 117.3 16.7ピリミホスメチル 112.0 9.3 105.7 9.8 130.3 8.4ビンクロゾリン 96.6 5.4 98.9 8.9 109.3 10.2フィプロニル 86.4 8.3 85.8 7.1 110.7 12.7フェナリモル 119.2 8.4 110.3 7.1 121.9 15.3フェニトロチオン 97.0 8.9 105.8 7.8 175.2 16.3フェノチオカルブ 104.8 7.6 99.0 7.0 117.1 6.5フェノトリン 370.2 6.7 180.5 14.7 139.8 15.4フェンチオン 77.6 5.7 90.6 7.4 82.6 8.7フェントエート 90.0 7.3 103.2 7.5 121.3 12.2フェンバレレート 105.3 7.5 107.7 9.9 154.8 15.5フェンブコナゾール 117.8 12.6 88.1 15.9 94.2 41.3フェンプロパトリン 121.0 10.2 116.8 9.0 114.4 13.9ブタミホス 109.0 5.7 104.3 7.6 206.8 18.2フラムプロップメチル 52.6 12.2 109.8 8.6 113.7 11.4フルシトリネート 148.2 9.3 111.4 7.8 152.4 16.7フルトラニル 108.6 8.1 107.0 6.1 129.4 8.2フルトリアホール 97.0 13.2 79.2 15.2 54.6 68.0フルバリネート 105.1 10.1 98.0 8.0 172.3 17.4フルミオキサジン 196.0 5.8 124.9 9.1 184.0 15.9フルミクロラックペンチル 121.0 5.8 121.9 6.0 118.4 13.1

添加濃度

添加成分名

50 µg/kg 100 µg/kg 500 µg/kg

Page 11: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

293

表 2-1 添加回収試験結果(成鶏飼育用配合飼料、繰返し 各 3)〔続き〕

添加回収率 繰返し精度 添加回収率 繰返し精度 添加回収率 繰返し精度

(%) RSD(%) (%) RSD(%) (%) RSD(%)

プロシミドン 104.4 8.0 105.2 6.3 110.9 13.4プロパクロール 101.2 10.5 96.2 7.8 128.5 8.5プロパジン 96.4 6.8 102.4 8.7 93.5 4.9プロパニル 111.4 8.1 89.6 14.5 131.8 7.8プロパルギット 137.7 7.5 119.5 4.4 130.3 17.1プロピコナゾール 136.6 7.6 102.1 8.6 141.6 13.3プロファム 128.2 12.6 107.7 7.9 137.1 8.1プロフェノホス 116.4 4.5 100.5 9.4 114.1 15.5プロペタンホス 133.2 6.3 113.4 6.1 125.0 8.9ブロモブチド 94.2 9.6 95.1 8.7 111.5 8.2ブロモプロピレート 108.8 6.1 102.9 6.5 119.2 14.0ブロモホス 97.2 9.1 84.5 12.2 113.5 10.8ヘキサコナゾール 110.6 5.6 99.6 8.9 112.5 25.5ベノキサコール 99.4 9.3 102.9 8.2 122.5 8.7ヘプタクロル 101.4 8.5 69.5 7.1 132.9 13.8ヘプタクロルエポキシド 101.8 8.1 75.1 6.1 115.8 13.3cis -ペルメトリン 115.2 7.8 98.8 7.9 124.7 13.1trans -ペルメトリン 115.6 7.3 97.8 7.6 120.1 13.5ペンコナゾール 108.2 4.6 107.8 8.3 121.8 13.2ペンディメタリン 85.2 9.2 92.5 9.7 160.9 16.8ベンフルラリン 91.2 7.7 95.2 11.1 153.3 16.4ホサロン 145.2 10.5 93.4 14.3 152.8 15.9ホスチアゼート 210.5 6.2 152.9 14.2 174.5 25.3ホスメット 122.4 9.8 102.6 11.5 138.9 11.5ホレート 83.0 9.9 87.5 9.6 98.2 7.5マラチオン 104.4 8.2 105.2 7.6 138.3 12.8メタクリホス 114.2 12.4 103.9 4.9 134.3 9.1メチダチオン 138.8 4.9 111.7 8.8 146.0 10.1メトキシクロール 109.8 7.8 92.6 8.3 130.8 18.9メトミノストロビン(E体) 113.2 5.8 96.2 7.7 135.4 10.3メトラクロール 99.0 9.1 109.3 6.3 121.6 9.8メビンホス 138.8 1.0 85.1 15.0 116.1 44.6

添加濃度

添加成分名

50 µg/kg 100 µg/kg 500 µg/kg

※ 斜字は、回収率が 50~200 %の範囲にないか、RSD が 20 %を超えたもの。

表 2-2 添加回収試験結果(アルファルファ乾草、繰返し 各 3)

添加濃度

添加回収率 繰返し精度 添加回収率 繰返し精度 添加回収率 繰返し精度

(%) RSD(%) (%) RSD(%) (%) RSD(%)

α -BHC 108.4 1.5 102.7 2.6 101.7 2.1β -BHC 141.8 9.6 114.5 6.6 91.6 2.5γ -BHC 96.6 19.7 89.2 5.0 99.4 4.2δ -BHC 165.2 3.5 116.2 2.5 102.9 4.4o ,p' -DDD 120.0 3.2 109.2 2.3 88.4 5.0

50 µg/kg 100 µg/kg 500 µg/kg

添加成分名

Page 12: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

294

表 2-2 添加回収試験結果(アルファルファ乾草、繰返し 各 3)〔続き〕 添加濃度

添加回収率 繰返し精度 添加回収率 繰返し精度 添加回収率 繰返し精度

(%) RSD(%) (%) RSD(%) (%) RSD(%)

p ,p' -DDD 129.4 4.3 114.3 0.5 95.4 5.3o ,p' -DDE 122.2 2.9 108.7 2.8 76.4 5.4p ,p' -DDE 116.2 3.8 109.2 2.7 78.0 3.7o ,p' -DDT 116.8 3.6 106.0 0.9 91.3 6.2p ,p' -DDT 181.6 3.4 117.6 5.1 95.5 6.9EPN 159.2 6.7 122.6 10.2 115.0 3.7アセトクロール 112.8 2.8 112.6 4.6 111.2 0.7アトラジン 124.2 1.4 110.9 4.7 104.8 0.8アニロホス 166.4 2.4 140.3 9.1 140.1 4.1アメトリン 113.2 3.5 90.4 4.5 31.4 6.8アラクロール 112.8 3.4 104.9 3.4 107.3 4.1アリドクロール 138.6 11.1 113.7 4.7 106.6 4.3アルドリン 113.4 9.7 93.4 0.4 80.0 6.8アレスリン 205.6 6.4 154.1 6.1 94.9 5.4イサゾホス 137.8 15.8 112.7 4.7 106.4 1.7イソフェンホス 118.6 1.7 119.7 5.3 102.5 6.6イソフェンホスオキソン 161 5.6 155 14 147 8.1イソプロチオラン 120.6 1.5 116.1 6.0 108.3 1.0イプロベンホス 156.2 2.6 142.8 5.3 116.9 1.9エタルフルラリン 116.8 3.9 111.1 4.5 91.8 5.2エチオン 133.4 2.1 121.1 5.5 113.6 6.6エディフェンホス 210.0 0.7 161.4 1.8 146.1 7.2エトフェンプロックス 120.8 5.6 117.5 4.1 79.3 7.0エトフメセート 128.8 0.9 115.9 6.8 97.2 4.5エトプロホス 135.0 1.5 112.7 0.9 113.2 2.5エトリジアゾール 99.8 9.2 102.9 5.0 110.3 1.4エトリムホス 114.2 2.5 101.8 5.3 101.1 2.5エンドリン 148.4 2.8 116.4 3.6 117.9 3.2オキサジアゾン 113.2 5.8 107.7 2.0 90.5 7.2オキシクロルデン 95.0 1.3 74.0 4.5カズサホス 195.0 4.5 141.5 5.9 117.4 5.3カルフェントラゾンエチル 141.6 2.5 125.3 6.5 106.6 2.9キントゼン 99.2 11.9 46.4 12.9 79.5 23.8クレソキシムメチル 115.8 3.8 118.7 4.7 105.6 3.3クロルタールジメチル 123.8 2.7 105.8 2.6 95.1 2.9cis -クロルデン 108.8 1.1 73.7 18.5trans -クロルデン 108.6 1.3 74.0 16.8クロルピリホス 115.0 4.0 97.1 6.7 84.0 3.4クロルピリホスメチル 115.8 2.6 96.2 8.2 96.4 2.2クロルフェナピル 141.8 2.0 126.5 1.4 97.1 2.2クロルフェンビンホス(E体) 143.4 2.8 111.3 2.7 113.3 4.0クロルフェンビンホス(Z体) 94.8 4.6 111.8 2.1 116.9 5.6クロルプロファム 179.8 13.3 141.6 2.7 118.2 4.8クロルベンジレート 140.4 0.6 123.0 5.7 105.2 1.9ジクロホップメチル 137.8 6.0 116.5 1.5 98.6 5.1

50 µg/kg 100 µg/kg 500 µg/kg

添加成分名

Page 13: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

295

表 2-2 添加回収試験結果(アルファルファ乾草、繰返し 各 3)〔続き〕 添加濃度

添加回収率 繰返し精度 添加回収率 繰返し精度 添加回収率 繰返し精度

(%) RSD(%) (%) RSD(%) (%) RSD(%)

シハロトリン 395.2 148.0 178.3 127.2 157.3 10.8ジフェナミド 114.6 2.6 112.3 5.6 105.1 0.9ジフェノコナゾール 249.1 2.7 146.3 8.2 120.4 5.9ジメテナミド 125.8 4.0 107.8 1.6 102.0 5.2ジメトエート 1842.2 38.6 648.8 20.7 103.0 0.8ジメピペレート 150.4 4.3 127.8 1.1 128.9 2.4シラフルオフェン 166.2 3.7 130.0 4.6 82.5 15.1ダイアジノン 162.0 6.4 261.3 2.8 144.7 3.6ターバシル 158.8 2.9 121.6 1.1 110.3 4.2チオベンカルブ 134.6 3.1 110.1 1.3 102.1 1.2ディルドリン 122.2 3.4 106.4 8.0 86.4 2.9テクナゼン 117.8 3.1 108.3 7.4 110.3 2.5テトラクロルビンホス 147.6 2.3 123.5 5.3 112.7 4.3テトラコナゾール 119.6 4.5 111.4 4.8 96.9 3.8テトラジホン 129.0 8.8 109.1 7.3 97.7 6.5テブコナゾール 141.8 0.7 111.2 5.3 108.2 7.4テブフェンピラド 136.4 4.1 120.9 6.3 101.0 11.1テフルトリン 113.8 6.2 108.9 2.4 72.5 9.7デルタメトリン 142.4 3.8 119.8 1.5 111.6 8.3テルブトリン 123.8 2.3 105.5 2.8 - -テルブホス 105.2 5.7 105.7 5.2 96.1 4.6トリアジメホン 129.6 4.5 107.3 1.7 110.3 1.7トリアレート 123.8 1.1 112.1 2.7 88.7 5.5トリフルラリン 135.2 4.0 116.3 2.1 116.9 6.6トリフロキシストロビン 129.8 2.3 127.5 5.7 108.8 6.8トリルフルアニド 28.8 2.8 60.8 4.9 70.8 12.3ナプロパミド 150.0 3.5 110.5 3.1 117.5 3.0パラチオン 156.2 3.5 128.7 3.8 157.9 0.9パラチオンメチル 149.8 1.1 126.2 6.7 129.9 5.5ハルフェンプロックス 137.6 0.7 125.1 6.6 106.4 12.7ビフェントリン 117.8 2.7 106.6 1.7 79.0 9.2ピペロホス 428.2 2.4 211.5 6.4 172.2 7.4ピリダフェンチオン 155.6 1.8 127.6 6.7 131.2 3.2ピリダベン 228.8 2.1 145.8 1.7 107.6 15.4ピリプロキシフェン 141.2 2.4 114.8 1.3 95.9 4.5ピリミホスメチル 127.6 4.5 108.2 3.1 100.7 3.8ビンクロゾリン 115.6 3.1 107.6 5.5 97.0 2.6フィプロニル 122.4 3.1 106.3 6.4 111.7 3.1フェナリモル 155.6 6.0 106.6 2.1 119.3 3.6フェニトロチオン 140.0 2.4 121.1 5.0 135.9 3.2フェノチオカルブ 127.0 5.4 113.5 1.9 116.1 4.9フェノトリン 680.1 59.2 218.7 40.1 81.8 7.7フェンチオン 83.2 7.0 98.3 6.2 80.8 4.6フェントエート 119.4 1.0 130.6 5.7 99.7 4.7フェンバレレート 121.1 2.1 121.6 6.2 114.6 12.0

50 µg/kg 100 µg/kg 500 µg/kg

添加成分名

Page 14: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

296

表 2-2 添加回収試験結果(アルファルファ乾草、繰返し 各 3)〔続き〕 添加濃度

添加回収率 繰返し精度 添加回収率 繰返し精度 添加回収率 繰返し精度

(%) RSD(%) (%) RSD(%) (%) RSD(%)

フェンブコナゾール 144.8 2.8 104.4 11.2 75.0 15.2フェンプロパトリン 70.8 26.8 162.7 4.5 87.4 8.5ブタミホス 156.0 5.9 129.5 2.2 156.6 4.8フラムプロップメチル 128.6 1.4 119.7 5.3 102.0 2.7フルシトリネート 131.1 2.3 123.1 3.4 118.9 9.7フルトラニル 121.8 3.8 117.7 4.3 116.7 3.5フルトリアホール 122.0 6.7 92.8 12.4 53.6 35.2フルバリネート 129.4 2.1 127.4 20.3 122.2 11.0フルミオキサジン 334.6 4.4 163.9 4.1 188.3 5.3フルミクロラックペンチル 146.6 4.0 122.7 5.5 100.1 0.4プロシミドン 114.6 1.6 112.1 3.7 98.8 1.1プロパクロール 117.2 2.0 108.4 1.8 118.7 1.9プロパジン 113.4 2.8 113.7 4.7 94.9 1.3プロパニル 142.0 3.7 113.5 2.6 121.4 1.2プロパルギット 136.3 3.5 133.3 3.1 106.0 12.0プロピコナゾール 529.1 6.5 191.2 0.4 123.9 5.9プロファム 109.4 1.3 107.6 1.9 115.3 1.5プロフェノホス 153.8 3.5 117.8 11.9 96.4 5.1プロペタンホス 386.0 2.8 217.0 2.8 119.0 1.1ブロモブチド 108.0 4.8 101.8 2.0 104.4 4.3ブロモプロピレート 127.8 1.9 117.2 6.0 101.5 4.0ブロモホス 115.8 4.0 98.2 8.7 90.4 8.7ヘキサコナゾール 130.2 1.4 112.5 1.1 100.9 11.5ベノキサコール 89.8 10.0 112.1 5.9 115.0 2.1ヘプタクロル 114.2 0.9 84.4 2.4 99.4 7.9ヘプタクロルエポキシド 113.4 0.5 78.7 8.5 95.1 5.4cis -ペルメトリン 124.6 0.3 106.5 0.8 87.2 12.7trans -ペルメトリン 156.4 2.0 116.4 0.6 88.7 12.4ペンコナゾール 121.4 4.0 121.2 4.0 103.8 3.0ペンディメタリン 124.4 1.6 115.3 4.2 107.6 4.5ベンフルラリン 110.6 4.7 103.0 2.3 104.5 2.7ホサロン 178.8 3.8 112.8 3.0 129.5 13.0ホスチアゼート 432.9 4.0 248.3 4.2 158.3 5.1ホスメット 162.8 2.8 131.0 7.8 121.6 6.4ホレート 85.8 2.6 102.2 7.1 92.6 3.2マラチオン 137.8 6.8 120.8 4.2 109.6 1.2メタクリホス 113.4 6.3 109.7 4.7 112.2 0.9メチダチオン 197.8 6.6 143.0 3.4 136.3 1.0メトキシクロール 128.6 1.4 108.9 1.2 107.6 10.4メトミノストロビン(E体) 138.6 2.2 111.8 1.5 121.7 1.8メトラクロール 113.2 3.5 118.9 4.3 97.6 0.6メビンホス 69.2 6.9 78.7 3.4 57.4 14.1

50 µg/kg 100 µg/kg 500 µg/kg

添加成分名

※ 斜字は、回収率が 50~200 %の範囲にないか、RSD が 20 %を超えたもの。

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297

表 3-1 共同試験結果(成鶏飼育用配合飼料、各農薬添加濃度 100 µg/kg) 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(%) RSDr(%) RSDR(%)

α -BHC 9 89.7 5.2 18.7 0.85β -BHC 9 90.5 5.1 22.7 1.03γ -BHC 9 92.6 5.7 24.9 1.13δ -BHC 9 89.3 5.2 21.2 0.96o ,p' -DDD 7 86.0 11.7 20.5 0.93p ,p' -DDD 8 102.1 4.9 20.1 0.91o ,p' -DDE 7 93.6 6.6 10.0 0.45p ,p' -DDE 7 92.3 7.6 9.3 0.42o ,p' -DDT 9 111.7 7.1 29.9 1.36p ,p' -DDT 9 105.7 7.8 24.2 1.10EPN 9 131.9 5.1 37.0 1.68アセトクロール 9 106.5 4.6 25.7 1.17アトラジン 9 87.6 9.5 27.9 1.27アニロホス 8 131.9 5.2 25.5 1.16アメトリン 6 59.9 15.8 37.6 1.71アラクロール 9 97.9 4.7 20.3 0.92アリドクロール 7 101.9 2.5 20.9 0.95アルドリン 9 86.6 8.9 27.3 1.24アレスリン 8 90.9 14.4 28.1 1.28イサゾホス 9 109.9 7.8 21.4 0.97イソフェンホス 8 93.8 8.7 21.7 0.99イソプロチオラン 8 99.5 6.5 33.2 1.51イプロベンホス 9 124.4 12.2 28.0 1.27エタルフルラリン 9 93.1 9.5 30.5 1.39エチオン 9 117.4 5.7 28.1 1.28エディフェンホス 8 140.0 13.0 39.3 1.78エトフェンプロックス 9 113.5 6.9 26.7 1.21エトフメセート 8 102.3 4.6 30.8 1.40エトプロホス 9 105.4 8.5 21.7 0.99エトリジアゾール 8 99.1 4.6 31.4 1.43エトリムホス 7 105.2 6.8 7.7 0.35エンドリン 9 110.5 7.2 21.7 0.99オキサジアゾン 7 93.6 5.7 17.6 0.80オキシクロルデン 9 81.4 8.8 38.3 1.74カズサホス 9 107.0 8.9 22.4 1.02カルフェントラゾンエチル 8 97.6 5.4 23.4 1.06キントゼン 8 82.0 7.9 43.3 1.97クレソキシムメチル 9 107.2 4.0 21.2 0.96クロルタールジメチル 9 88.2 5.9 23.8 1.08cis -クロルデン 9 82.3 6.3 34.0 1.55trans -クロルデン 7 98.2 6.1 11.5 0.52クロルピリホス 9 104.2 8.8 33.1 1.50クロルピリホスメチル 7 100.6 7.4 8.3 0.38クロルフェナピル 9 97.5 6.1 13.2 0.60クロルフェンビンホス(E体) 9 102.5 6.5 25.2 1.14クロルフェンビンホス(Z体) 9 100.2 6.9 22.7 1.03

添加成分名試験室

数HorRat

Page 16: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

298

表 3-1 共同試験結果(成鶏飼育用配合飼料、各農薬添加濃度 100 µg/kg)〔続き〕 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(%) RSDr(%) RSDR(%)

クロルプロファム 9 106.6 6.1 16.0 0.73クロルベンジレート 9 114.7 3.8 23.1 1.05ジクロホップメチル 9 99.3 6.8 19.4 0.88ジクロラン 9 98.6 12.1 26.1 1.19シハロトリン 9 129.5 7.8 30.9 1.41ジフェナミド 9 97.8 3.4 20.3 0.92ジフェノコナゾール 9 112.8 7.6 27.1 1.23ジメテナミド 9 97.3 4.5 18.5 0.84ジメトエート 9 112.9 14.3 32.7 1.49ジメピペレート 9 113.3 6.1 18.2 0.83シラフルオフェン 9 103.7 7.0 23.2 1.06ターバシル 8 133.2 8.4 23.3 1.06ダイアジノン 9 98.9 5.2 19.0 0.86チオベンカルブ 9 100.8 12.6 27.1 1.23ディルドリン 8 81.1 8.5 29.1 1.32テクナゼン 7 91.4 6.3 10.3 0.47テトラクロルビンホス 8 116.8 3.4 22.4 1.02テトラコナゾール 8 91.5 4.8 23.1 1.05テトラジホン 9 95.1 3.6 21.8 0.99テブコナゾール 7 113.4 5.9 25.2 1.15テブフェンピラド 9 111.0 4.6 18.5 0.84テフルトリン 8 91.0 3.0 20.7 0.94デルタメトリン 9 121.5 7.7 41.8 1.90テルブトリン 7 73.1 8.0 41.0 1.86テルブホス 9 85.1 7.6 26.6 1.21トリアジメホン 8 101.6 6.5 19.4 0.88トリアレート 9 90.3 4.6 19.1 0.87トリフルラリン 9 98.5 9.0 30.1 1.37トリフロキシストロビン 8 122.7 5.5 43.7 1.99トリルフルアニド 9 94.2 6.2 28.3 1.29ナプロパミド 7 103.6 6.1 16.6 0.75パラチオン 9 120.6 9.7 33.9 1.54パラチオンメチル 9 114.5 12.4 34.2 1.55ハルフェンプロックス 8 108.4 7.4 20.1 0.91ビフェントリン 8 97.2 6.2 11.2 0.51ピペロホス 9 163.0 7.1 38.3 1.74ピリダフェンチオン 8 135.2 5.3 33.6 1.53ピリダベン 8 101.4 3.5 15.3 0.70ピリプロキシフェン 9 110.8 6.6 17.0 0.77ピリミホスメチル 9 99.0 4.7 23.3 1.06ビンクロゾリン 9 97.3 5.3 24.3 1.10フィプロニル 8 98.7 10.8 37.3 1.70フェナリモル 8 110.6 4.5 9.2 0.42フェニトロチオン 9 126.7 8.7 41.7 1.90フェノチオカルブ 9 108.4 5.0 13.9 0.63フェノトリン 7 93.0 5.5 20.2 0.92

添加成分名試験室

数HorRat

Page 17: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

299

表 3-1 共同試験結果(成鶏飼育用配合飼料、各農薬添加濃度 100 µg/kg)〔続き〕 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(%) RSDr(%) RSDR(%)

フェンチオン 9 75.4 3.2 30.4 1.38フェントエート 8 92.3 4.0 27.2 1.23フェンバレレート 9 128.9 9.3 35.2 1.60フェンブコナゾール 8 96.5 7.0 14.1 0.64フェンプロパトリン 8 105.6 5.6 21.8 0.99ブタミホス 8 121.6 7.6 43.2 1.96フラムプロップメチル 8 94.1 4.1 38.0 1.73フルシトリネート 9 132.3 6.6 27.2 1.23フルトラニル 8 83.9 8.1 27.3 1.24フルトリアホール 4 70.4 19.1 37.2 1.69フルバリネート 9 126.4 7.7 33.1 1.51フルミオキサジン 9 134.3 10.4 43.6 1.98フルミクロラックペンチル 7 120.2 5.3 21.1 0.96プロシミドン 8 99.4 5.6 8.8 0.40プロパクロール 9 101.6 4.3 18.2 0.83プロパジン 9 83.0 7.1 28.0 1.27プロパニル 9 107.8 6.4 20.4 0.93プロパルギット 8 111.5 9.2 15.3 0.69プロピコナゾール 9 116.9 16.4 24.1 1.09プロファム 8 105.0 3.8 17.9 0.81プロフェノホス 8 94.0 11.5 32.7 1.49プロペタンホス 9 98.5 7.4 24.3 1.10ブロモブチド 8 100.7 4.2 19.0 0.86ブロモプロピレート 8 107.7 3.7 21.9 1.00ブロモホス 9 94.4 5.7 22.3 1.01ヘキサコナゾール 7 78.7 11.8 20.5 0.93ベノキサコール 9 106.4 7.5 22.4 1.02ヘプタクロル 9 87.8 6.3 34.5 1.57ヘプタクロルエポキシド 9 82.6 5.9 29.6 1.35cis -ペルメトリン 8 99.8 5.5 14.7 0.67trans -ペルメトリン 9 106.9 3.5 24.4 1.11ペンコナゾール 8 92.0 3.9 20.3 0.92ペンディメタリン 9 107.3 8.1 39.1 1.78ベンフルラリン 9 91.4 8.1 33.4 1.52ホサロン 7 124.6 7.3 13.5 0.62ホスチアゼート 9 137.3 11.3 36.6 1.66ホスメット 8 119.6 4.4 26.2 1.19ホレート 9 80.1 8.0 30.5 1.39マラチオン 8 108.0 4.9 24.0 1.09メタクリホス 9 94.4 5.0 20.8 0.94メチダチオン 8 115.3 11.7 19.0 0.87メトキシクロール 9 107.7 6.3 24.2 1.10メトミノストロビン(E体) 7 98.3 6.5 29.2 1.33メトラクロール 9 100.6 3.1 21.0 0.95メビンホス 9 83.5 10.8 40.7 1.85

添加成分名試験室

数HorRat

Page 18: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

300

表 3-2 共同試験結果(アルファルファ乾草、各農薬添加濃度 100 µg/kg) 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(%) RSDr(%) RSDR(%)

α -BHC 9 103.1 4.4 10.0 0.45β -BHC 9 96.1 4.2 22.0 1.00γ -BHC 8 77.7 6.3 32.1 1.46δ -BHC 8 102.7 6.4 10.3 0.47o ,p' -DDD 9 91.8 4.9 16.9 0.77p ,p' -DDD 9 102.7 5.3 16.6 0.76o ,p' -DDE 8 93.1 4.5 9.7 0.44p ,p' -DDE 9 87.1 5.6 18.9 0.86o ,p' -DDT 9 104.4 6.9 23.5 1.07p ,p' -DDT 7 98.9 4.9 23.7 1.08EPN 7 121.1 5.0 29.8 1.35アセトクロール 7 114.9 5.5 7.7 0.35アトラジン 7 109.0 6.6 7.7 0.35アニロホス 8 140.3 4.7 18.0 0.82アメトリン 8 88.5 10.8 18.6 0.84アラクロール 8 112.2 4.6 6.2 0.28アリドクロール 8 110.7 15.9 26.5 1.21アルドリン 9 82.9 4.8 19.4 0.88アレスリン 8 111.1 9.8 27.7 1.26イサゾホス 9 131.4 6.8 25.9 1.18イソフェンホス 9 105.5 9.2 23.5 1.07イソプロチオラン 7 118.6 5.0 7.7 0.35イプロベンホス 8 132.2 4.6 13.4 0.61エタルフルラリン 9 96.6 8.4 23.8 1.08エチオン 8 111.5 4.9 24.6 1.12エディフェンホス 7 163.8 5.8 14.2 0.65エトフェンプロックス 8 109.9 5.7 24.8 1.13エトフメセート 8 107.4 3.7 8.6 0.39エトプロホス 7 121.8 5.7 8.0 0.36エトリジアゾール 9 99.4 20.2 39.7 1.81エトリムホス 7 107.8 5.8 6.7 0.30エンドリン 8 129.9 5.6 38.3 1.74オキサジアゾン 8 96.3 2.6 15.5 0.71オキシクロルデン 7 91.1 4.6 10.1 0.46カズサホス 9 165.8 7.6 33.6 1.53カルフェントラゾンエチル 9 127.9 6.5 15.4 0.70キントゼン 8 71.5 10.3 31.0 1.41クレソキシムメチル 7 113.8 4.9 9.1 0.41クロルタールジメチル 9 97.3 4.9 19.1 0.87cis -クロルデン 7 92.9 4.8 9.3 0.42trans -クロルデン 9 86.8 6.9 26.6 1.21クロルピリホス 8 93.4 4.8 21.5 0.98クロルピリホスメチル 8 93.3 5.0 19.8 0.90クロルフェナピル 9 102.2 4.4 16.1 0.73クロルフェンビンホス(E体) 9 121.9 6.0 9.3 0.42クロルフェンビンホス(Z体) 9 121.5 5.3 10.2 0.46

添加成分名試験室

数HorRat

Page 19: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

301

表 3-2 共同試験結果(アルファルファ乾草、各農薬添加濃度 100 µg/kg)〔続き〕 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(%) RSDr(%) RSDR(%)

クロルプロファム 9 122.0 4.3 16.0 0.73クロルベンジレート 8 113.0 4.7 17.4 0.79ジクロホップメチル 8 114.2 4.8 16.5 0.75ジクロラン 9 119.0 7.4 22.0 1.00シハロトリン 7 108.5 6.5 22.1 1.01ジフェナミド 8 114.2 3.8 10.3 0.47ジフェノコナゾール 9 144.8 13.9 23.9 1.08ジメテナミド 8 114.1 4.7 6.0 0.27ジメトエート 6 129.0 21.2 20.4 0.93ジメピペレート 9 135.9 7.4 21.1 0.96シラフルオフェン 9 106.5 6.2 19.1 0.87ターバシル 6 172.3 3.2 8.9 0.40ダイアジノン 7 125.8 4.1 7.8 0.35チオベンカルブ 9 110.1 5.2 17.6 0.80ディルドリン 8 95.4 5.3 9.2 0.42テクナゼン 9 91.9 10.4 24.7 1.12テトラクロルビンホス 8 123.0 5.4 17.1 0.78テトラコナゾール 9 104.7 7.0 17.8 0.81テトラジホン 9 99.6 6.7 21.9 0.99テブコナゾール 8 126.2 9.8 15.5 0.71テブフェンピラド 9 118.2 4.8 13.8 0.63テフルトリン 9 89.3 5.5 18.1 0.82デルタメトリン 9 123.6 11.7 29.2 1.33テルブトリン 7 112.2 6.7 8.2 0.37テルブホス 9 99.4 7.7 28.4 1.29トリアジメホン 9 123.4 6.7 17.7 0.80トリアレート 9 95.1 4.6 17.3 0.79トリフルラリン 9 108.7 7.7 17.1 0.78トリフロキシストロビン 8 115.4 4.9 23.9 1.08トリルフルアニド 9 59.8 9.4 34.9 1.59ナプロパミド 9 124.3 6.5 14.7 0.67パラチオン 7 133.6 8.9 7.5 0.34パラチオンメチル 9 130.8 7.5 26.0 1.18ハルフェンプロックス 8 113.9 6.5 35.2 1.60ビフェントリン 9 101.5 5.9 20.3 0.92ピペロホス 9 179.6 5.4 29.9 1.36ピリダフェンチオン 8 137.2 4.7 24.1 1.10ピリダベン 9 125.7 5.3 22.5 1.02ピリプロキシフェン 9 124.2 5.4 18.9 0.86ピリミホスメチル 8 112.2 5.0 8.1 0.37ビンクロゾリン 7 105.0 4.9 6.1 0.28フィプロニル 8 120.0 5.5 15.3 0.69フェナリモル 9 135.4 7.3 15.6 0.71フェニトロチオン 9 134.9 7.8 33.2 1.51フェノチオカルブ 9 117.8 6.3 13.4 0.61フェノトリン 8 103.1 7.1 26.3 1.20

添加成分名試験室

数HorRat

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302

表 3-2 共同試験結果(アルファルファ乾草、各農薬添加濃度 100 µg/kg)〔続き〕 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(%) RSDr(%) RSDR(%)

フェンチオン 9 78.9 14.2 28.9 1.31フェントエート 7 103.9 6.4 10.6 0.48フェンバレレート 8 123.9 13.4 20.4 0.93フェンブコナゾール 9 123.8 11.8 32.8 1.49フェンプロパトリン 8 114.2 13.0 33.6 1.53ブタミホス 9 137.5 7.3 17.5 0.80フラムプロップメチル 7 113.3 3.5 7.8 0.35フルシトリネート 9 152.1 11.0 29.5 1.34フルトラニル 8 120.8 4.5 23.8 1.08フルトリアホール 6 73.4 20.0 29.3 1.33フルバリネート 9 136.4 10.1 29.2 1.33フルミオキサジン 8 147.7 5.2 22.3 1.01フルミクロラックペンチル 7 125.9 4.5 12.2 0.55プロシミドン 8 106.1 4.5 8.5 0.39プロパクロール 8 125.5 5.0 8.9 0.40プロパジン 9 103.8 4.8 26.5 1.21プロパニル 7 122.6 6.1 6.6 0.30プロパルギット 8 111.2 10.8 20.4 0.93プロピコナゾール 9 177.1 13.4 28.6 1.30プロファム 7 111.5 5.3 7.5 0.34プロフェノホス 8 119.0 6.2 14.9 0.68プロペタンホス 8 115.0 6.7 35.5 1.62ブロモブチド 8 113.5 3.9 7.6 0.35ブロモプロピレート 8 113.4 4.2 18.5 0.84ブロモホス 8 93.2 4.7 18.3 0.83ヘキサコナゾール 8 126.0 6.7 17.1 0.78ベノキサコール 9 126.7 8.2 32.2 1.46ヘプタクロル 9 93.1 9.9 23.3 1.06ヘプタクロルエポキシド 9 87.9 5.6 21.4 0.97cis -ペルメトリン 8 104.0 6.9 11.1 0.51trans -ペルメトリン 9 111.0 5.2 18.2 0.83ペンコナゾール 9 110.8 6.2 21.5 0.98ペンディメタリン 9 112.7 8.3 28.1 1.28ベンフルラリン 9 102.5 6.9 17.9 0.81ホサロン 8 131.4 6.7 21.2 0.96ホスチアゼート 9 182.0 6.1 14.3 0.65ホスメット 8 131.6 6.4 22.1 1.01ホレート 9 86.2 11.9 34.0 1.55マラチオン 8 113.6 6.2 19.2 0.87メタクリホス 9 101.9 6.6 20.0 0.91メチダチオン 8 158.7 12.5 29.4 1.34メトキシクロール 9 122.0 8.7 29.6 1.34メトミノストロビン(E体) 9 126.4 6.3 15.2 0.69メトラクロール 9 109.4 5.3 21.8 0.99メビンホス 9 60.8 10.1 26.6 1.21

添加成分名試験室

数HorRat

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303

2 有機塩素系農薬のガスクロマトグラフによる同時分析法 (1) 分析対象化合物 α-BHC、β-BHC、γ-BHC、δ-BHC、o,p'-DDD、p,p'-DDD、

o,p'-DDE、p,p'-DDE、o,p'-DDT、p,p'-DDT、アルドリン、エンドリン、ディルドリ

ン、ヘプタクロル及びヘプタクロルエポキシド(15 成分) (2) 分析法

A 試薬の調製

1) 農 薬 混 合 標 準 液 α-BHC 〔 C6H6Cl6 〕 、 β-BHC 〔 C6H6Cl6 〕 、 γ-BHC〔 C6H6Cl6 〕 、 δ-BHC 〔 C6H6Cl6 〕 、 o,p'-DDD 〔 C14H10Cl4 〕 、 p,p'-DDD〔 C14H10Cl4 〕 、 o,p'-DDE 〔 C14H8Cl4 〕 、 p,p'-DDE 〔 C14H8Cl4 〕 、 o,p'-DDT〔C14H9Cl5〕、p,p'-DDT〔C14H9Cl5〕、アルドリン〔C12H8Cl6〕、エンドリン

〔C12H8Cl6O〕、ディルドリン〔C12H8Cl6O〕、ヘプタクロル〔C10H5Cl7〕及びヘ

プタクロルエポキシド〔C10H5Cl7O〕各 20 mg を正確に量ってそれぞれ 100 mL の

全量フラスコに入れ、アセトン 20 mL を加えて溶かす。更に各全量フラスコの

標線まで 2,2,4-トリメチルペンタンを加えて各農薬標準原液を調製する(これら

の液各 1 mL は、各農薬としてそれぞれ 0.2 mg を含有する。)。 使用に際して、各標準原液の一定量を混合し、2,2,4-トリメチルペンタン-ア

セトン(4+1)で正確に希釈し、1 mL 中に各農薬としてそれぞれ 0.05~0.2 µg を

含有する数点の農薬混合標準液を調製する。 2) ケイ酸マグネシウム 合成ケイ酸マグネシウム(粒径 149~250 µm(100~60

メッシュ))を 130 °C で 5 時間乾燥する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0~50.0 g を量って 500 mL の分液漏斗に入れ、アセトニト

リル-水(13+7)300 mL を加え、30 分間振り混ぜて抽出し、ビーカーをブフナ

ー漏斗の下に置き、ろ紙(5 種 B)で吸引ろ過して抽出液とする。 精 製 抽出液 150 mL をあらかじめ塩化ナトリウム溶液(5 w/v%)600 mL

及びヘキサン 100 mL を入れた 1 L の分液漏斗 A に加え、5 分間激しく振り混ぜ

た後静置する。水層(下層)を 1 L の分液漏斗 B に入れ、ヘキサン 50 mL を加

えて穏やかに振り混ぜた後静置する。水層を捨て、ヘキサン層(上層)を分液漏

斗 A に合わせ、更に分液漏斗 A に水 100 mL を加えて穏やかに振り混ぜた後静

置し、水層を 500 mL の分液漏斗 C に入れる。分液漏斗 A に水 100 mL を加え、

同様に操作し、水層を分液漏斗 C に合わせ、ヘキサン層を 500 mL の三角フラス

コに入れる。分液漏斗 C にヘキサン 100 mL を加え、穏やかに振り混ぜた後静置

し、水層を捨て、ヘキサン層を先の三角フラスコに合わせる。ヘキサン層を適量

の硫酸ナトリウム(無水)で脱水し、500 mL のなす形フラスコに分液ろ紙でろ

過した後、先の三角フラスコ及びろ紙を順次少量のヘキサンで洗浄し、洗液を先

のろ紙を通してろ液を合わせる。ろ液を 40 °C 以下の水浴で約 5 mL まで減圧濃

縮し、カラム処理に供する試料溶液とする。 カラム処理 ケイ酸マグネシウム 9 g 及び硫酸ナトリウム(無水)3 g をそれぞ

れヘキサンに懸濁させてカラム管(内径 15 mm)に順次流し込み、ヘキサン 40 mL を加え、液面が充てん剤の上端から 3 mm の高さに達するまで流出させ、カ

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304

ラムを調製する。 300 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、試料溶液をカラムに入れ、試

料溶液の入っていたなす形フラスコを少量のヘキサンで洗浄し、洗液をカラムに

加える。液面が充てん剤の上端から 3 mm の高さに達するまで流下して定量する

各農薬を流出させる。更にヘキサン-ジエチルエーテル(17+3)150 mL をカラ

ムに加えて同様に流出させ、流出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで

減圧濃縮し、更に窒素ガスを送って乾固する。 2,2,4-トリメチルペンタン-アセトン(4+1)3 mL を正確に加えて残留物を溶

かし、ガスクロマトグラフィーに供する試料溶液とする。 ガスクロマトグラフィー 試料溶液及び各農薬混合標準液各 1 µL をガスクロマ

トグラフに注入し、クロマトグラムを得る。 測定条件 例

検 出 器:電子捕獲検出器 カ ラ ム:溶融石英製キャピラリーカラム(14 %シアノプロピル

フェニル-86 %ジメチルポリシロキサンコーティング、

内径 0.32 mm、長さ 30 m、膜厚 0.25 µm) キャリヤーガス:He(1.5 mL/min) メイクアップガス:N2(60 mL/min) 試 料 導 入 法:クールオンカラム 試料導入部温度:250 °C カ ラ ム 槽 温 度:初期温度 60 °C(1 min 保持)→昇温 20 °C/min→180 °C

(1 min 保持)→昇温 2 °C/min→220 °C(1 min 保持)→

昇温 1 °C/min→250 °C 検 出 器 温 度:280 °C

計 算 得られたクロマトグラムからピーク高さ又は面積を求めて検量線を作

成し、試料中の各農薬量を算出する。 (参考)分析法バリデーション

・添加回収率及び繰返し精度 添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD(%以下)

α -BHC とうもろこし 10~100 3 93.3~96.1 19.8配合飼料 10~100 3 81.7~88.8 10.1

β -BHC とうもろこし 10~100 3 104.5~112.8 13.1配合飼料 10~100 3 103.4~106.1 11.7

γ -BHC とうもろこし 10~100 3 97.0~105.7 14.1配合飼料 10~100 3 81.1~92.5 11.6

δ -BHC とうもろこし 10~100 3 110.6~118.1 7.4配合飼料 10~100 3 92.6~103.1 6.6

試料の種類 繰返し添加成分名

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305

・添加回収率及び繰返し精度〔続き〕 添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD(%以下)

o ,p' -DDD とうもろこし 10~100 3 115.9~117.4 6.6配合飼料 10~100 3 101.6~109.1 7.5

p ,p' -DDD とうもろこし 10~100 3 90.9~99.8 24.8配合飼料 10~100 3 86.6~90.1 7.3

o ,p' -DDE とうもろこし 10~100 3 100.1~104.2 9.6配合飼料 10~100 3 88.9~94.1 8.9

p ,p' -DDE とうもろこし 10~100 3 87.9~97.2 12.1配合飼料 10~100 3 77.9~86.1 9.0

o ,p' -DDT とうもろこし 10~100 3 91.7~97.3 14.5配合飼料 10~100 3 85.8~87.9 6.4

p ,p' -DDT とうもろこし 10~100 3 103.5~117.8 16.4配合飼料 10~100 3 101.4~107.5 6.3

アルドリン とうもろこし 10~100 3 79.6~84.4 14.9配合飼料 10~100 3 73.7~74.2 4.2

エンドリン とうもろこし 10~100 3 81.1~87.8 15.5配合飼料 10~100 3 98.0~103.9 8.0

ディルドリン とうもろこし 10~100 3 105.6~109.4 9.0配合飼料 10~100 3 99.4~105.8 4.9

ヘプタクロル とうもろこし 10~100 3 80.5~86.6 11.4配合飼料 10~100 3 82.5~84.2 16.8

ヘプタクロルエポキシド とうもろこし 10~100 3 83.3~99.3 8.9配合飼料 10~100 3 81.8~89.5 7.0

試料の種類 繰返し添加成分名

・共同試験

添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

α -BHC 成鶏用配合飼料 3 50 94.1 2.8 8.2 0.37β -BHC 成鶏用配合飼料 3 50 104.6 4.7 9.4 0.43γ -BHC 成鶏用配合飼料 3 50 98.0 4.9 3.6 0.16δ -BHC 成鶏用配合飼料 3 50 99.8 8.0 5.7 0.26o ,p' -DDD 成鶏用配合飼料 3 50 89.1 4.8 7.7 0.35p ,p' -DDD 成鶏用配合飼料 3 50 88.7 4.7 11.0 0.50o ,p' -DDE 成鶏用配合飼料 3 50 80.4 4.8 4.4 0.20p ,p' -DDE 成鶏用配合飼料 3 50 73.3 6.2 12.2 0.56o ,p' -DDT 成鶏用配合飼料 3 50 74.4 5.9 7.1 0.32p ,p' -DDT 成鶏用配合飼料 2 50 81.7 5.2 10.3 0.47アルドリン 成鶏用配合飼料 3 50 77.5 10.2 13.8 0.63エンドリン 成鶏用配合飼料 3 50 89.8 5.9 16.9 0.77ディルドリン 成鶏用配合飼料 3 50 93.7 5.9 13.6 0.62ヘプタクロル 成鶏用配合飼料 2 50 80.8 6.3 12.2 0.55ヘプタクロルエポキシド 成鶏用配合飼料 3 50 91.1 4.8 11.4 0.52

HorRat試料の種類試験室

数成分名

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306

3 カーバメート系農薬の液体クロマトグラフによる同時分析法(その 1) (1) 分析対象化合物 XMC、アルジカルブ(アルジカルブスルホキシド及びアル

ジカルブスルホン注 1 を含む。)、イソプロカルブ、カルバリル、カルボフラン、

キシリルカルブ、フェノブカルブ、プロポキスル、ベンダイオカルブ及びメトルカ

ルブ(12 成分) (2) 分析法

A 試薬の調製

農薬混合標準液 XMC〔C10H13NO2〕、アルジカルブ〔C7H14N2O2S〕、アルジカ

ルブスルホキシド〔C7H14N2O3S〕、アルジカルブスルホン〔C7H14N2O4S〕、イソ

プ ロ カ ル ブ 〔 C11H15NO2 〕 、 カ ル バ リ ル 〔 C12H11NO2 〕 、 カ ル ボ フ ラ ン

〔C12H15NO3〕、キシリルカルブ〔C10H13NO2〕、フェノブカルブ〔C12H17NO2〕、

プロポキスル〔C11H15NO3〕、ベンダイオカルブ〔C11H13NO4〕及びメトルカルブ

〔C9H11NO2〕各 20 mg を正確に量ってそれぞれ 100 mL の全量フラスコに入れ、

アセトニトリルを加えて溶かし、更に各全量フラスコの標線まで同溶媒を加えて

各農薬標準原液を調製する(これらの液各 1 mL は、各農薬としてそれぞれ 0.2 mg を含有する。)。 使用に際して、各標準原液の一定量を混合し、アセトニトリルで正確に希釈し、

1 mL 中に各農薬として 0.1~3 µg を含有する数点の農薬混合標準液を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 200 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 15 mL を加えて潤し、30 分間静置後、更にアセトニトリル 100 mL を加え、30 分間

振り混ぜて抽出する。300 mL のなす形フラスコをブフナー漏斗の下に置き、抽

出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラスコ及び残さを順次アセ

トニトリル 40 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。 ろ液を 40 °C 以下の水浴で約 15 mL まで減圧濃縮し、塩化ナトリウム 5 g を加

え、カラム処理 I に供する試料溶液とする。 カラム処理 I 試料溶液を多孔性ケイソウ土カラム(20 mL 保持用)に入れ、5

分間静置する。 300 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、試料溶液の入っていたなす形

フラスコを酢酸エチル 10 mL ずつで 3 回洗浄し、洗液を順次カラムに加え、液

面が充てん剤の上端に達するまで流下して定量する各農薬を溶出させる。更に酢

酸エチル 120 mL をカラムに加えて同様に溶出させ、溶出液を 40 °C 以下の水浴

でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。 シクロヘキサン-アセトン(7+3)10 mL を正確に加えて残留物を溶かし、10 mL の遠心沈殿管に入れ、1,500×g で 5 分間遠心分離した後、メンブランフィル

ター(孔径 0.5 µm 以下)でろ過し、ゲル浸透クロマトグラフィーに供する試料

溶液とする。 ゲル浸透クロマトグラフィー 試料溶液 5.0 mL をゲル浸透クロマトグラフに注

入し、定量する各農薬が溶出する画分を 200 mL のなす形フラスコに分取し、

40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾

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307

固する。 酢酸エチル-メタノール(99+1)5 mL を正確に加えて残留物を溶かし、カラ

ム処理 II に供する試料溶液とする。 ゲル浸透クロマトグラフィー 例

カ ラ ム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 300 mm、粒径 15 µm) ガードカラム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 100 mm、粒径 15 µm) 溶 離 液:シクロヘキサン-アセトン(7+3) 流 速:5 mL/min 分 取 画 分:65~115 mL

カラム処理 II アミノプロピルシリル化シリカゲルミニカラム(360 mg)の下に

グラファイトカーボンミニカラム(250 mg)注 2 を連結し、酢酸エチル-メタノ

ール(99+1)10 mL で洗浄する。 50 mL のなす形フラスコをミニカラムの下に置き、試料溶液 2 mL をミニカラ

ムに正確に入れ、液面が充てん剤の上端に達するまで圧注注 3 して定量する各農

薬を流出させる。更に酢酸エチル-メタノール(99+1)20 mL をミニカラムに加

え、圧注注 3 して同様に流出させる。流出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固

するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。 アセトニトリル 1 mL を正確に加えて残留物を溶かし、メンブランフィルター

(孔径 0.5 µm 以下)でろ過し、液体クロマトグラフィーに供する試料溶液とす

る。 液体クロマトグラフィー 試料溶液及び各農薬混合標準液各 20 µL を液体クロマ

トグラフに注入し、クロマトグラムを得る。 測定条件 例

検 出 器:蛍光検出器(励起波長:340 nm、蛍光波長:445 nm) カ ラ ム:オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(内径 3.9 mm、

長さ 150 mm、粒径 4 µm)注 4 溶 離 液:水-メタノール(22+3)→0.1 min→水-テトラヒドロ

フラン(9+1)→29.9 min→水-テトラヒドロフラン

(7+3)→10 min→水-メタノール(22+3) 反 応 液注 5: I 液(加水分解液) 水酸化ナトリウム 1 g を水に溶か

して 500 mL とする。 II 液(蛍光化試薬) ο-フタルアルデヒド 50 mg をメタ

ノール 5 mL で溶かし、更にホウ酸ナトリウム溶液(四

ホウ酸ナトリウム十水和物 19.1 g を水に溶かして 1 Lとする。)を加えて 500 mL とした後、2-メルカプトエ

タノール 50 µL を加えて混合する(使用時に調製す

る。)。 流 速:溶離液 1.0 mL/min、反応液 各 0.3 mL/min

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308

温 度:カラム槽 40 °C、反応槽 80 °C 計 算 得られたクロマトグラムからピーク高さ又は面積を求めて検量線を作

成し、試料中の各農薬量を算出する。 なお、試料中のアルジカルブ量は、算出したアルジカルブ、アルジカルブスル

ホキシド及びアルジカルブスルホンのそれぞれの量から次式により算出する。 試料中のアルジカルブ(µg/kg) 25856.0922.0 CBA

A :検量線から求めたアルジカルブの重量(ng) B :検量線から求めたアルジカルブスルホキシドの重量(ng) C :検量線から求めたアルジカルブスルホンの重量(ng)

注 1 アルジカルブスルホキシド及びアルジカルブスルホンは、アルジカルブの

酸化代謝体である。 2 Supelclean ENVI-Carb(リザーバー容量 6 mL、Supelco 製)又はこれと同

等のもの 3 流速は 1~2 mL/min とする。 4 Carbamate Analysis(Waters 製)又はこれと同等のもの 5 反応液 I をカラムから溶出した溶離液に合わせて反応槽内の反応コイル内

で加水分解させ、この溶液を室温まで冷却し、更に反応液 II を合わせて蛍

光化した後、直ちに蛍光検出器に送る。 反応コイルは RXN 1000 Coil(内径 0.5 mm、長さ約 5 m、反応容量 1 mL、テフロン製、Waters 製)又はこれと同等のもの

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD(%以下)

XMC 大すう育成用配合飼料 200~1,000 3 94.7~103.3 13.0乳用牛飼育用配合飼料 200~1,000 3 97.7~102.3 4.7オーツヘイ 200~1,000 3 90.3~93.7 13.2

アルジカルブ 大すう育成用配合飼料 200~1,000 3 87.0~96.0 13.5乳用牛飼育用配合飼料 200~1,000 3 90.0~92.7 5.7オーツヘイ 200~1,000 3 46.0~63.0 28.2

アルジカルブスルホキシド 大すう育成用配合飼料 200~1,000 3 74.0~79.3 21.1乳用牛飼育用配合飼料 200~1,000 3 68.7~74.0 15.6オーツヘイ 200~1,000 3 78.7~91.0 20.1

アルジカルブスルホン 大すう育成用配合飼料 200~1,000 3 78.7~86.0 14.1乳用牛飼育用配合飼料 200~1,000 3 79.3~82.0 14.2オーツヘイ 200~1,000 3 79.0~88.3 15.9

イソプロカルブ 大すう育成用配合飼料 200~1,000 3 96.7~103.3 15.0乳用牛飼育用配合飼料 200~1,000 3 100.7~105.3 3.5オーツヘイ 200~1,000 3 84.7~96.3 15.0

カルバリル 大すう育成用配合飼料 200~1,000 3 95.3~102.7 12.5乳用牛飼育用配合飼料 200~1,000 3 97.7~105.0 1.6オーツヘイ 200~1,000 3 87.0~99.3 9.4

試料の種類 繰返し添加成分名

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309

・添加回収率及び繰返し精度〔続き〕 添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD(%以下)

カルボフラン 大すう育成用配合飼料 200~1,000 3 97.7~105.0 14.5乳用牛飼育用配合飼料 200~1,000 3 93.0~103.7 2.8オーツヘイ 200~1,000 3 88.7~90.7 10.4

キシリルカルブ 大すう育成用配合飼料 200~1,000 3 94.7~107.3 8.2乳用牛飼育用配合飼料 200~1,000 3 101.3~102.3 5.6オーツヘイ 200~1,000 3 88.7~93.7 8.0

フェノブカルブ 大すう育成用配合飼料 200~1,000 3 91.7~102.0 12.4乳用牛飼育用配合飼料 200~1,000 3 99.0~103.0 3.0オーツヘイ 200~1,000 3 87.0~91.7 11.1

プロポキスル 大すう育成用配合飼料 200~1,000 3 93.3~102.3 13.8乳用牛飼育用配合飼料 200~1,000 3 100.3~101.3 10.7オーツヘイ 200~1,000 3 84.0~91.3 8.7

ベンダイオカルブ 大すう育成用配合飼料 200~1,000 3 99.3~104.3 13.7乳用牛飼育用配合飼料 200~1,000 3 98.3~103.3 5.2オーツヘイ 200~1,000 3 87.0~95.0 9.1

メトルカルブ 大すう育成用配合飼料 200~1,000 3 87.3~100.0 16.0乳用牛飼育用配合飼料 200~1,000 3 97.7~100.0 6.1オーツヘイ 200~1,000 3 86.7~91.0 9.8

試料の種類 繰返し添加成分名

・共同試験

添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

XMC 成鶏用配合飼料 3 500 106.2 1.9 3.4 0.19アルファルファ 3 500 98.4 5.9 5.4 0.30

アルジカルブ 成鶏用配合飼料 3 500 108.2 2.2 17.9 1.02アルファルファ 3 500 66.2 15.5 36.4 1.93成鶏用配合飼料 3 500 102.0 2.0 18.1 1.02アルファルファ 3 500 107.3 21.2 22.9 1.30成鶏用配合飼料 3 500 105.6 8.3 12.4 0.70アルファルファ 3 500 90.4 3.6 15.4 0.86

イソプロカルブ 成鶏用配合飼料 3 500 104.7 2.1 4.2 0.24アルファルファ 3 500 97.3 3.1 9.9 0.56

カルバリル 成鶏用配合飼料 3 500 106.4 1.7 3.3 0.19アルファルファ 3 500 97.3 3.1 7.8 0.44

カルボフラン 成鶏用配合飼料 3 500 107.6 0.6 1.6 0.09アルファルファ 3 500 97.8 5.9 7.5 0.42

キシリルカルブ 成鶏用配合飼料 3 500 105.1 1.4 3.8 0.22アルファルファ 3 500 96.7 5.4 5.9 0.33

フェノブカルブ 成鶏用配合飼料 3 500 105.3 1.8 4.1 0.23アルファルファ 3 500 96.2 4.4 7.0 0.39

プロポキスル 成鶏用配合飼料 3 500 106.4 1.8 3.0 0.17アルファルファ 3 500 100.0 3.3 10.1 0.57

ベンダイオカルブ 成鶏用配合飼料 3 500 106.2 1.5 3.3 0.19アルファルファ 3 500 96.0 3.9 7.3 0.41

メトルカルブ 成鶏用配合飼料 3 500 104.0 2.1 3.2 0.18アルファルファ 3 500 96.0 3.9 6.6 0.37

アルジカルブスルホキシド

アルジカルブスルホン

HorRat試料の種類試験室

数成分名

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310

・定量下限 XMC、アルジカルブ、イソプロカルブカルバリル及びカルボフラン:試料中

各 25 µg/kg キシリルカルブ、フェノブカルブ、プロポキスル、ベンダイオカルブ及びメトル

カルブ:試料中 各 10 µg/kg

4 カーバメート系農薬の液体クロマトグラフによる同時分析法(その 2) (1) 分析対象化合物 エチオフェンカルブ(エチオフェンカルブスルホキシド及

びエチオフェンカルブスルホン注 1 を含む。)、ベンダイオカルブ及びメチオカル

ブ(メチオカルブスルホキシド及びメチオカルブスルホン注 2 を含む。)(3 成分) (2) 分析法

A 試薬の調製

1) エチオフェンカルブスルホン標準原液 エチオフェンカルブスルホン

〔C11H15NO4S〕10 mg を正確に量って 50 mL の全量フラスコに入れ、アセトニト

リルを加えて溶かし、更に標線まで同溶媒を加えてエチオフェンカルブスルホン

標準原液を調製する(この液 1 mL は、エチオフェンカルブスルホンとして 0.2 mg を含有する。)。

2) ベンダイオカルブ標準原液 ベンダイオカルブ〔C11H13NO4〕10 mg を正確

に量って 50 mL の全量フラスコに入れ、アセトニトリルを加えて溶かし、更に

標線まで同溶媒を加えてベンダイオカルブ標準原液を調製する(この液 1 mL は、

ベンダイオカルブとして 0.2 mg を含有する。)。 3) メチオカルブスルホン標準原液 メチオカルブスルホン〔C11H15NO4S〕10

mg を正確に量って 50 mL の全量フラスコに入れ、アセトニトリルを加えて溶か

し、更に標線まで同溶媒を加えてメチオカルブスルホン標準原液を調製する(こ

の液 1 mL は、メチオカルブスルホンとして 0.2 mg を含有する。)。 4) 農薬混合標準液 使用に際して、エチオフェンカルブスルホン、ベンダイオ

カルブ及びメチオカルブスルホン各標準原液の一定量を混合し、アセトニトリル

で正確に希釈し、1 mL 中にエチオフェンカルブスルホン、ベンダイオカルブ及

びメチオカルブスルホンとしてそれぞれ 0.1~3 µg を含有する数点の農薬混合標

準液を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 5 g を正確に量って 200 mL の共栓三角フラスコに入れ、水

15 mL を加えて潤し、30 分間静置後、更にアセトニトリル 80 mL を加え、30 分

間振り混ぜて抽出する。300 mL のなす形フラスコをブフナー漏斗の下に置き、

抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラスコ及び残さを順次ア

セトニトリル 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。ろ液を 40 °C 以下の水浴で

約 15 mL まで減圧濃縮し、塩化ナトリウム 5 g を加え、カラム処理に供する試料

溶液とする。 カラム処理 試料溶液を多孔性ケイソウ土カラム(20 mL 保持用)に入れ、5 分

間静置する。300 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、試料溶液の入って

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311

いたなす形フラスコを酢酸エチル 10 mL ずつで 3 回洗浄し、洗液を順次カラム

に加える。液面が充てん剤の上端に達するまで流下してエチオフェンカルブ及び

その酸化代謝体、ベンダイオカルブ並びにメチオカルブ及びその酸化代謝体を溶

出させる。更に酢酸エチル 70 mL をカラムに加えて同様に溶出させ、溶出液を

40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾

固する。 シクロヘキサン-酢酸エチル(1+1)10 mL を正確に加えて残留物を溶かし、

メンブランフィルター(孔径 5.0 µm)でろ過し、ゲル浸透クロマトグラフィー

に供する試料溶液とする。 ゲル浸透クロマトグラフィー 試料溶液 5.0 mL をゲル浸透クロマトグラフに注

入し、エチオフェンカルブ及びその酸化代謝体、ベンダイオカルブ並びにメチオ

カルブ及びその酸化代謝体が溶出する画分注 3 を 200 mL のなす形フラスコに分取

し、40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送っ

て乾固する。 アセトン 2 mL を加えて残留物を溶かし、酸化処理に供する試料溶液とする。

ゲル浸透クロマトグラフィー 例 カ ラ ム:スチレンジビニルベンゼン共重合体(粒径 37.5~75 µm

(400~200 メッシュ))注 4 充てんカラム(充てん量 60 g、内

径 30 mm)注 5 溶 離 液:シクロヘキサン-酢酸エチル(1+1) 流 速:5 mL/min

酸化処理 試料溶液に硫酸マグネシウム七水和物溶液(20 w/v%)3 mL 及び過マ

ンガン酸カリウム溶液(1.6 w/v%)15 mL を加えた後 30 分間静置し、更に塩化

ナトリウム 3 g を加える。この液をあらかじめアミノプロピルシリル化シリカゲ

ルミニカラム(360 mg)を接続した多孔性ケイソウ土カラム(20 mL 保持用)に

入れ、5 分間静置する。 300 mL のなす形フラスコをミニカラムの下に置き、試料溶液の入っていたな

す形フラスコを酢酸エチル 10 mL ずつで 3 回洗浄し、洗液を順次カラムに加え

る。液面が充てん剤の上端に達するまで流下してエチオフェンカルブスルホン、

ベンダイオカルブ及びメチオカルブスルホンを溶出させる。更に酢酸エチル 70 mL を加えて同様に溶出させ、溶出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するま

で減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。 アセトニトリル 1 mL を正確に加えて残留物を溶かし、メンブランフィルター

(孔径 0.5 µm 以下)でろ過し、液体クロマトグラフィーに供する試料溶液とす

る。 液体クロマトグラフィー 試料溶液及び各農薬混合標準液各 20 µL を液体クロマ

トグラフに注入し、クロマトグラムを得る。 測定条件 例

検 出 器:蛍光検出器(励起波長:340 nm、蛍光波長:445 nm)

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312

カ ラ ム:オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(内径 4.6 mm、長さ

150 mm、粒径 5 µm)注 6 溶 離 液:水-メタノール(41+9)→30 min→(3+7)→3 min→(1+9) 反 応 液注 7:I 液(加水分解液) 水酸化ナトリウム 1 g を水に溶かして

500 mL とする。 II 液(蛍光化試薬) o-フタルアルデヒド 50 mg をメタノー

ル 5 mL で溶かし、更にホウ酸ナトリウム溶液(四ホウ酸ナト

リウム十水和物 19.1 g を水に溶かして 1 L とする。)を加えて

500 mL とした後、2-メルカプトエタノール 50 µL を加えて混

合する(使用時に調製する。)。 流 速:溶離液 1.0 mL/min、反応液 各 0.3 mL/min 温 度:カラム槽 40 °C、反応槽 80~90 °C

計 算 得られたクロマトグラムからピーク高さ又は面積を求めて検量線を作

成し、次式によりエチオフェンカルブ〔C11H15NO2S〕量、ベンダイオカルブ量及

びメチオカルブ〔C11H15NO2S〕量を算出する。 試料中のエチオフェンカルブ(µg/kg)=E×20×0.876

E :検量線から求めたエチオフェンカルブスルホンの重量(ng) 試料中のベンダイオカルブ(µg/kg)=B×20×1

B :検量線から求めたベンダイオカルブの重量(ng) 試料中のメチオカルブ(µg/kg)=M×20×0.876

M :検量線から求めたメチオカルブスルホンの重量(ng) 注 1 エチオフェンカルブスルホキシド及びエチオフェンカルブスルホンは、エチ

オフェンカルブの酸化代謝体である。 2 メチオカルブスルホキシド及びメチオカルブスルホンは、メチオカルブの酸

化代謝体である。 3 調製したカラムのエチオフェンカルブ及びその酸化代謝体、ベンダイオカル

ブ並びにメチオカルブ及びその酸化代謝体の溶出画分を確認して分取する。 4 Bio-Beads S-X3 Beads(Bio Rad 製)又はこれと同等のもの 5 充てん剤 60 g をシクロヘキサン-酢酸エチル(1+1)で一夜膨潤させた後、

カラム管に充てんする。(充てん剤の高さ約 360 mm) 6 STR ODS-II(信和化工製)又はこれと同等のもの 7 カラムから溶出した溶離液に反応液 I を合わせて反応槽内の反応コイル内で

加水分解させ、この溶液を室温まで冷却し反応液 II を合わせて蛍光化した後、

直ちに蛍光検出器に送る。 反応コイルは RXN 1000 Coil(内径約 0.5 mm、長さ約 5 m、反応容量 1 mL、テフロン製、Waters 製)又はこれと同等のもの

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313

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD(%以下)

エチオフェンカルブ 成鶏飼育用配合飼料 100~1,000 3 87.3~90.3 3.4とうもろこし 100~1,000 3 84.7~90.0 4.7アルファルファミール 100~1,000 3 81.7~84.0 6.7

ベンダイオカルブ 成鶏飼育用配合飼料 100~1,000 3 96.7~101.3 5.2とうもろこし 100~1,000 3 97.0~100.3 5.7アルファルファミール 100~1,000 3 95.3~96.7 8.9

メチオカルブ 成鶏飼育用配合飼料 100~1,000 3 75.7~81.7 2.0とうもろこし 100~1,000 3 77.7~84.7 9.0アルファルファミール 100~1,000 3 84.7~90.7 10.4

試料の種類 繰返し添加成分名

・共同試験

添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

エチオフェンカルブ 成鶏飼育用配合飼料 3 250 73.7 2.5 17.9 0.87オーツヘイ 3 250 60.8 3.5 17.3 0.81

ベンダイオカルブ 成鶏飼育用配合飼料 3 250 97.0 3.8 5.3 0.27オーツヘイ 3 250 92.4 2.1 6.2 0.31

メチオカルブ 成鶏飼育用配合飼料 3 250 86.6 6.8 13.7 0.68オーツヘイ 3 250 83.4 3.0 9.7 0.48

HorRat試料の種類試験室

数成分名

・定量下限 試料中 各 20 µg/kg

5 カーバメート系農薬のガスクロマトグラフによる同時分析法

(1) 分析対象化合物 XMC、イソプロカルブ、カルバリル、キシリルカルブ、フ

ェノブカルブ、プロポキスル及びメトルカルブ(7 成分) (2) 分析法

A 試薬の調製

1) 農薬混合標準液 XMC〔C10H13NO2〕、イソプロカルブ〔C11H15NO2〕、カル

バリル〔 C12H11NO2 〕、キシリルカルブ〔 C10H13NO2 〕、フェノブカルブ

〔C12H17NO2〕、プロポキスル〔C11H15NO3〕及びメトルカルブ〔C9H11NO2〕各

20 mg を正確に量ってそれぞれ 100 mL の全量フラスコに入れ、アセトン 20 mLを加えて溶かし、更に各全量フラスコの標線まで 2,2,4-トリメチルペンタンを加

えて標準原液を調製する(この液 1 mL は、各農薬として 0.2 mg を含有する。)。 使用に際して、各標準原液の一定量を混合し、2,2,4-トリメチルペンタン-ア

セトン(4+1)で正確に希釈し、1 mL 中に各農薬として 0.5~4 µg を含有する数

点の農薬混合標準液を調製する。 2) 凝固液 塩化アンモニウム 2 g を水 400 mL に溶かし、リン酸 4 mL を加えて

調製する。 3) 過マンガン酸カリウム・リン酸液 過マンガン酸カリウム 2.5 g をリン酸

(1+400)1 L に溶かす。 4) 硝酸銀コーティングアルミナ 130 °C で一昼夜乾燥したカラムクロマトグラ

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314

フ用中性アルミナ(粒径 63~200 µm(230~70 メッシュ))注 1 に 5 v/w%相当量の

硝酸銀溶液(50 w/v%)を加えて振り混ぜる。 5) ケイ酸マグネシウム 130 °C で一昼夜乾燥した合成ケイ酸マグネシウム(粒

径 149~250 µm(100~60 メッシュ))に 5 v/w%相当量の水を加えて振り混ぜる。 6) ケイソウ土 ケイソウ土注 2 を温水及びメタノールで洗浄した後、風乾する。

B 定 量

抽 出 分析試料 20.0 g を量って 500 mL の分液漏斗に入れ、水 30 mL を加え

て潤し、30 分間静置後、更にアセトン 70 mL を加え、30 分間振り混ぜて抽出す

る。500 mL のなす形フラスコをブフナー漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種

B)で吸引ろ過した後、先の分液漏斗及び残さを順次アセトン 50 mL で洗浄し、

同様に吸引ろ過する。ろ液を 40 °C 以下の水浴で約 40 mL まで減圧濃縮し、精製

に供する試料溶液とする。 精 製 試料溶液をあらかじめ塩化ナトリウム溶液(5 w/v%)100 mL 及びジ

クロロメタン 50 mL を入れた 300 mL の分液漏斗 A に加え、3 分間激しく振り混

ぜた後静置し、ジクロロメタン層(下層)を 300 mL のなす形フラスコに入れる。

残留液にジクロロメタン 50 mL を加え、穏やかに振り混ぜた後静置し、ジクロ

ロメタン層を先のなす形フラスコに合わせる。ジクロロメタン層を 40 °C 以下の

水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。 アセトン 20 mL を加えて残留物を溶かし、ケイソウ土約 2 g、凝固液 80 mL 及

び過マンガン酸カリウム・リン酸液 20 mL を加え、軽く振り混ぜた後 5 分間静

置し、上澄み液を 300 mL の分液漏斗 B にろ紙(5 種 A)でろ過する。先のなす

形フラスコにアセトン 10 mL を加えて軽く振り混ぜ、凝固液 40 mL を加え、同

様に操作する。更に、先のなす形フラスコ及びろ紙を順次少量の凝固液-アセト

ン(4+1)で洗浄し、洗液を先のろ紙を通して分液漏斗 B に合わせる。分液漏斗

B にジクロロメタン 50 mL を加え、3 分間激しく振り混ぜた後静置し、ジクロロ

メタン層(下層)を三角フラスコに入れる。分液漏斗 B にジクロロメタン 50 mL を加え、同様に 2 回操作し、各ジクロロメタン層を先の三角フラスコに合わ

せる。ジクロロメタン層を適量の硫酸ナトリウム(無水)で脱水し、500 mL の

なす形フラスコにろ紙(5 種 A)でろ過し、先の三角フラスコ及びろ紙を順次少

量のジクロロメタンで洗浄し、洗液を先のろ紙を通してろ液を合わせる。ろ液を

40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾

固する。 ヘキサン-アセトン(9+1)5 mL を加えて残留物を溶かし、カラム処理に供す

る試料溶液とする。 カラム処理 硫酸ナトリウム(無水)3 g、ケイ酸マグネシウム 2 g、硫酸ナトリ

ウム(無水)3 g、硝酸銀コーティングアルミナ 2 g 及び硫酸ナトリウム(無水)

3 g をそれぞれヘキサン-アセトン(9+1)に懸濁させてカラム管(内径 15 mm)

に順次流し込み、液面が充てん剤の上端から 3 mm の高さに達するまで流出させ、

カラムを調製する。 500 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、試料溶液をカラムに入れ、試

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315

料溶液の入っていたなす形フラスコをヘキサン-アセトン(9+1)5 mL で 5 回洗

浄し、洗液を順次カラムに加える。液面が充てん剤の上端から 3 mm の高さに達

するまで流下して定量する各農薬を流出させた後、更にヘキサン-アセトン

(9+1)200 mL をカラムに加えて同様に流出させる。流出液を 40 °C 以下の水浴

でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。 2,2,4-トリメチルペンタン-アセトン(4+1)5 mL を正確に加えて残留物を溶

かし、ガスクロマトグラフィーに供する試料溶液とする。 ガスクロマトグラフィー 試料溶液及び各農薬混合標準液各 1 µL をガスクロマ

トグラフに注入し、クロマトグラムを得る。 測定条件 例

検 出 器:アルカリ熱イオン化検出器 カ ラ ム:溶融石英製キャピラリーカラム(50 %ジフェニル-

50 %ジメチルポリシロキサンコーティング、内径 0.32 mm、長さ 30 m、膜厚 0.25 µm)

キャリヤーガス:He(4 mL/min) メイクアップガス:He(26 mL/min) 水 素:4 mL/min 乾 燥 空 気:100 mL/min 試 料 導 入 法:クールオンカラム 試料導入部温度:280 °C カ ラ ム 槽 温 度:初期温度 50 °C(1 min 保持)→昇温 20 °C/min→180 °C

(5 min 保持)→昇温 2 °C/min→190 °C(2 min 保持)→

昇温 15 °C/min→230 °C 検 出 器 温 度:300 °C

計 算 得られたクロマトグラムからピーク面積を求めて検量線を作成し、試

料中の各農薬量を算出する。 注 1 Aluminiumoxid 90 Aktiv neutral Art. 1077(Merck 製)又はこれと同等のも

の 2 Hyflo Supercel(Celite Corporation 製)又はこれと同等のもの

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD(%以下)

XMC 配合飼料 100~500 3 92.7~100.7 11.2イソプロカルブ 配合飼料 100~500 3 101.0~105.3 10.5カルバリル 配合飼料 100~500 3 96.3~100.7 9.6キシリルカルブ 配合飼料 100~500 3 93.7~103.7 12.9フェノブカルブ 配合飼料 100~500 3 81.3~85.0 5.1プロポキスル 配合飼料 100~500 3 99.0~107.3 8.5メトルカルブ 配合飼料 100~500 3 99.0~107.0 6.7

試料の種類 繰返し添加成分名

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316

・共同試験 添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

XMC とうもろこし 5 250 99.3 8.0 11.7 0.59イソプロカルブ とうもろこし 5 250 93.9 6.6 13.2 0.66カルバリル とうもろこし 5 250 97.0 13.6 13.4 0.68キシリルカルブ とうもろこし 5 250 99.1 7.3 10.1 0.51フェノブカルブ とうもろこし 5 250 88.7 6.9 13.7 0.68プロポキスル とうもろこし 5 250 100.6 6.5 9.2 0.47メトルカルブ とうもろこし 5 250 97.3 7.6 13.9 0.70

HorRat試料の種類試験室

数成分名

・定量下限 試料中 各 50 µg/kg

6 トリアゾール系農薬のガスクロマトグラフによる同時分析法

(1) 分析対象化合物 トリアジメノール、トリアジメホン及びプロピコナゾール

(3 成分) (2) 分析法

A 試薬の調製

1) トリアジメノール標準原液 トリアジメノール〔C14H18ClN3O2〕20 mg を正

確に量って 100 mL の全量フラスコに入れ、アセトン 20 mL を加えて溶かし、更

に標線まで 2,2,4-トリメチルペンタンを加えて標準原液を調製する(この溶液 1 mL はトリアジメノールとして 0.2 mg を含有する。)。

2) トリアジメホン標準原液 トリアジメホン〔C14H16ClN3O2〕20 mg を正確に

量って 100 mL の全量フラスコに入れ、アセトン 20 mL を加えて溶かし、更に標

線まで 2,2,4-トリメチルペンタンを加えて標準原液を調製する(この溶液 1 mLはトリアジメホンとして 0.2 mg を含有する。)。

3) プロピコナゾール標準原液 プロピコナゾール〔C15H17Cl2N3O2〕20 mg を正

確に量って 100 mL の全量フラスコに入れ、アセトン 20 mL を加えて溶かし、更

に標線まで 2,2,4-トリメチルペンタンを加えて標準原液を調製する(この溶液 1 mL はプロピコナゾールとして 0.2 mg を含有する。)。

4) 農薬混合標準液 使用に際して、トリアジメノール、トリアジメホン及びプ

ロピコナゾール各標準原液の一定量を混合し、2,2,4-トリメチルペンタン-アセ

トン(4+1)で正確に希釈し、1 mL 中に各農薬としてそれぞれ 0.05~2 µg を含有

する数点の農薬混合標準液を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 200 mL の共栓三角フラスコに入れ、アセト

ニトリル-水(3+1)20 mL を加え、10 分間静置後、更にアセトニトリル 100 mL を加え、30 分間かき混ぜて抽出する。300 mL のなす形フラスコをブフナー

漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラスコ

及び残さを順次アセトニトリル 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。ろ液を

40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮し、塩化ナトリウム飽和溶液

20 mL を加え、カラム処理 I に供する試料溶液とする。 カラム処理 I 試料溶液を多孔性ケイソウ土カラム(20 mL 保持用)に入れ、5

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317

分間静置する。300 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、試料溶液の入っ

ていたなす形フラスコをヘキサン-酢酸エチル(9+1)20 mL ずつで 3 回洗浄し、

洗液を順次カラムに加える。液面が充てん剤の上端に達するまで流下して定量す

る各農薬を溶出させる。更に同溶媒 60 mL をカラムに加えて同様に溶出させ、

溶出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを

送って乾固する。 シクロヘキサン-アセトン(4+1)10 mL を正確に加えて残留物を溶かし、メ

ンブランフィルター(孔径 0.5 µm 以下)でろ過し、ゲル浸透クロマトグラフィ

ーに供する試料溶液とする。 ゲル浸透クロマトグラフィー 試料溶液 5.0 mL をゲル浸透クロマトグラフに注

入し、定量する各農薬が流出する画分を 200 mL のなす形フラスコに分取し、

40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾

固する。 ヘキサン-アセトン(29+1)2 mL を正確に加えて残留物を溶かし、カラム処

理 II に供する試料溶液とする。 ゲル浸透クロマトグラフィー 例

カ ラ ム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 300 mm、粒径 15 µm) ガードカラム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 100 mm 粒径 15 µm) 溶 離 液:シクロヘキサン-アセトン(4+1) 流 速:5 mL/min 流 出 画 分:70~100 mL

カラム処理 II 合成ケイ酸マグネシウムミニカラム(910 mg)をヘキサン-アセ

トン(29+1)5 mL で洗浄する。 試料溶液をミニカラムに入れ、試料溶液の入っていたなす形フラスコを同溶媒

2 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順次ミニカラムに加え、液面が充てん剤の上端

に達するまで流出させる。 100 mL のなす形フラスコをミニカラムの下に置き、ヘキサン-アセトン

(17+3)25 mL をミニカラムに加えて定量する各農薬を溶出させる。溶出液を

40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾

固する。 ヘキサン-アセトン(49+1)2 mL を正確に加えて残留物を溶かし、カラム処

理 III に供する試料溶液とする。 カラム処理 III シリカゲルミニカラム(690mg)をヘキサン-アセトン(49+1)

10 mL で洗浄する。 試料溶液をミニカラムに入れ、試料溶液の入っていたなす形フラスコを同溶媒

2 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順次ミニカラムに加え、液面が充てん剤の上端

に達するまで流出させる。 100 mL のなす形フラスコをミニカラムの下に置き、ヘキサン-アセトン

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318

(17+3)20 mL をミニカラムに加えて定量する各農薬を溶出させる。溶出液を

40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾

固する。 2,2,4-トリメチルペンタン-アセトン(4+1)5 mL を正確に加えて残留物を溶

かし、ガスクロマトグラフィーに供する試料溶液とする。 ガスクロマトグラフィー 試料溶液及び各農薬混合標準液各 2 µL をガスクロマ

トグラフに注入し、クロマトグラムを得る。 測定条件 例

検 出 器:アルカリ熱イオン化検出器 カ ラ ム:溶融石英製キャピラリーカラム(5 %ジフェニル-95 %

ジメチルポリシロキサン、内径 0.25 mm、長さ 30 m、

膜厚 0.25 µm) キャリヤーガス:He(1.5 mL/min) メイクアップガス:He(30 mL/min) 水 素:4 mL/min 乾 燥 空 気:140 mL/min 試 料 導 入 法:スプリットレス(60 s) 試料導入部温度:270 °C カ ラ ム 槽 温 度:初期温度 60 °C(2 min 保持)→昇温 30 °C/min→200 °C

→昇温 10 °C/min→280 °C(40 min 保持) 検 出 器 温 度:280 °C

計 算 得られたクロマトグラムからトリアジメノール及びプロピコナゾール

はそれぞれ 2 つのピーク高さの和を、トリアジメホンはピーク高さを求めて検量

線を作成し、試料中の各農薬量を算出する。 (参考)分析法バリデーション

・添加回収率及び繰返し精度 添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD(%以下)

トリアジメノール 成鶏飼育用配合飼料 100~500 3 93.8~96.6 5.2ほ乳期子豚育成用配合飼料 100~500 3 88.4~95.6 10.6アルファルファ 100~500 3 82.7~86.3 4.5とうもろこし 100~500 3 97.0~104.8 1.1

トリアジメホン 成鶏飼育用配合飼料 100~500 3 99.6~102.9 3.7ほ乳期子豚育成用配合飼料 100~500 3 101.4~104.0 4.5アルファルファ 100~500 3 98.1~101.6 5.4とうもろこし 100~500 3 100.7~103.5 2.7

プロピコナゾール 成鶏飼育用配合飼料 100~500 3 99.4~102.8 8.7ほ乳期子豚育成用配合飼料 100~500 3 95.3~101.4 3.3アルファルファ 100~500 3 96.4~96.5 4.5とうもろこし 100~500 3 98.7~104.4 3.7

試料の種類 繰返し添加成分名

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319

・共同試験 添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

トリアジメノール 成鶏飼育用配合飼料 6 100 98.7 4.0 9.2 0.42トリアジメホン 成鶏飼育用配合飼料 6 100 94.9 5.4 8.1 0.37プロピコナゾール 成鶏飼育用配合飼料 6 100 96.4 3.2 8.1 0.37

HorRat試料の種類試験室

数成分名

・定量下限 試料中 各 50 µg/kg

7 2,4-D 及び 2,4,5-T のガスクロマトグラフによる同時分析法

(1) 分析対象化合物 2,4-D 及び 2,4,5-T(2 成分) (2) 分析法注 1

A 試薬の調製

1) 2,4-D 標準原液 2,4-D〔C8H6Cl2O3〕25 mg を正確に量って 50 mL の褐色全量

フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶媒を加えて 2,4-D標準原液を調製する(この液 1 mL は、2,4-D として 0.5 mg を含有する。)。

2) 2,4,5-T 標準原液 2,4,5-T〔C8H5Cl3O3〕25 mg を正確に量って 50 mL の褐色

全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶媒を加えて

2,4,5-T 標準原液を調製する(この液 1 mL は、2,4,5-T として 0.5 mg を含有す

る。)。 3) メチルエステル化農薬混合標準液 使用に際して、2,4-D 及び 2,4,5-T 各標準

原液各 1 mL を 50 mL のなす形フラスコに正確に入れ、窒素ガスを送って乾固し

た後、メタノール 1 mL 及びトリメチルシリルジアゾメタン液 0.5 mL を加え 30分間静置する。この反応液に窒素ガスを送って乾固した後、ヘキサンを加えて残

留物を溶かし、更にヘキサンで正確に希釈し、1 mL 中に 2,4-D 及び 2,4,5-T とし

てそれぞれ 0.002~0.1 µg 相当量を含有する数点のメチルエステル化農薬混合標準

液を調製する。 4) ケイ酸マグネシウム 合成ケイ酸マグネシウム(粒径 149~250 µm(100~60

メッシュ))を 130 °C で 16 時間乾燥し、放冷後、1 v/w%相当量の水を加えて振

り混ぜる。 B 定 量

抽 出 分析試料 20.0 g を量って 200 mL の共栓付き三角フラスコに入れ、水

30 mL 及び塩酸(1 mol/L)5 mL を加えて潤し、30 分間静置後、更にアセトン 70 mL を加え、30 分間振り混ぜて抽出する。200 mL の全量フラスコをブフナー漏

斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過し、更に先の三角フラスコ及

び残さを順次アセトン 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。更に全量フラス

コの標線までアセトンを加え、精製に供する試料溶液とする。 精 製 試料溶液 10 mL を 100 mL のなす形フラスコに正確に入れ、約 5 mL

まで減圧濃縮した後、水酸化ナトリウム溶液(2 mol/L)5 mL を加え、30 分間静

置する。これを塩化ナトリウム溶液(10 w/v%)50 mL 及び塩酸(2 mol/L)50mL で 300 mL の分液漏斗 A に移し、ジエチルエーテル-ヘキサン(2+1)50 mL を加え、5 分間振り混ぜた後静置する。水層(下層)を 300 mL の分液漏斗 B

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320

に入れ、ジエチルエーテル-ヘキサン層(上層)を 200 mL の三角フラスコに入

れる。分液漏斗 B にジエチルエーテル-ヘキサン(2+1)50 mL を加え、5 分間

振り混ぜた後静置し、ジエチルエーテル-ヘキサン層を先の三角フラスコに合わ

せる。ジエチルエーテル-ヘキサン層を適量の硫酸ナトリウム(無水)で脱水し、

300 mL のなす形フラスコに分液ろ紙でろ過する。先の三角フラスコ及びろ紙を

順次少量のジエチルエーテル-ヘキサン(2+1)で洗浄し、洗液を先のろ紙を通

してろ液を合わせる。ろ液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮

した後、窒素ガスを送って乾固する。 残留物をジエチルエーテル 50 mL で 200 mL の分液漏斗 C に移し、炭酸水素ナ

トリウム溶液(4 w/v%)25 mL を加え、5 分間振り混ぜた後静置し、水層(下層)

を 200 mL の分液漏斗 D に入れる。分液漏斗 C に炭酸水素ナトリウム溶液(4 w/v%)25 mL を加え、同様に操作し、水層を分液漏斗 D に合わせる。分液漏斗

D に塩酸(1+5)20 mL を加え、炭酸ガスの発生が収まった後、更にジエチルエ

ーテル 50 mL を加え、5 分間振り混ぜた後静置する。水層を 200 mL の分液漏斗

E に入れ、ジエチルエーテル層(上層)を 200 mL の三角フラスコに入れる。分

液漏斗 E にジエチルエーテル 50 mL を加え、同様に操作し、ジエチルエーテル

層を 200 mL の三角フラスコに合わせる。ジエチルエーテル層を適量の硫酸ナト

リウム(無水)で脱水し、200 mL のなす形フラスコに分液ろ紙でろ過する。先

の三角フラスコ及びろ紙を順次少量のジエチルエーテルで洗浄し、洗液を先のろ

紙を通してろ液を合わせる。ろ液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減

圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。 メチルエステル化 残留物にメタノール 1 mL 及びトリメチルシリルジアゾメタ

ン液 0.5 mL を加えた後 30 分間静置し、窒素ガスを送って乾固する。 ヘキサン 5 mL を加えて残留物を溶かし、カラム処理に供する試料溶液とする。

カラム処理 ケイ酸マグネシウム 5 g 及び硫酸ナトリウム(無水)2 g をそれぞ

れヘキサンに懸濁させてカラム管(内径 10 mm)に順次流し込み、液面が充て

ん剤の上端から 3 mm の高さに達するまで流出させ、カラムを調製する。 試料溶液をカラムに入れ、試料溶液の入っていたなす形フラスコをヘキサン 5 mL で洗浄して洗液をカラムに加え、液面が充てん剤の上端から 3 mm の高さに

達するまで流出させる。ヘキサン-ジエチルエーテル(19+1)50 mL をカラムに

加え、同様に流出させる。300 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、ヘキ

サン-ジエチルエーテル(4+1)100 mL をカラムに加えて 2,4-D メチルエステル

及び 2,4,5-T メチルエステルを溶出させる。溶出液を 40 °C 以下の水浴でほとん

ど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。 ヘキサン 5 mL を正確に加えて残留物を溶かし、ガスクロマトグラフィーに供

する試料溶液とする。 ガスクロマトグラフィー 試料溶液及び各メチルエステル化農薬混合標準液各 1

µL をガスクロマトグラフに注入し、クロマトグラムを得る。 測定条件 例

検 出 器:電子捕獲検出器

Page 39: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

321

カ ラ ム:溶融石英製キャピラリーカラム(50 %トリフルオロプ

ロピルメチル-50 %ジメチルポリシロキサンコーティ

ング、内径 0.25 mm、長さ 30 m、膜厚 0.25 µm) キャリヤーガス:He(1 mL/min) メイクアップガス:N2(60 mL/min) 試 料 導 入 法:スプリットレス(60 s) 試料導入部温度:280 °C カ ラ ム 槽 温 度:初期温度 80 °C(2 min 保持)→昇温 10 °C/min→280 °C

(5 min 保持) 検 出 器 温 度:300 °C

計 算 得られたクロマトグラムからピーク高さ又は面積を求めて検量線を作

成し、試料中の 2,4-D 量及び 2,4,5-T 量を算出する。 注 1 使用する水は、蒸留水 1 L をヘキサン 200 mL で振り混ぜ洗浄したもの

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD(%以下)

2,4-D 肉豚肥育用配合飼料 50~500 3 73.7~95.3 15.3ブロイラー肥育後期用配合飼料 50~500 3 76.7~89.3 17.2イタリアンライグラス 50~500 3 86.7~105.0 15.0

2,4,5-T 肉豚肥育用配合飼料 50~500 3 72.7~82.7 21.4ブロイラー肥育後期用配合飼料 50~500 3 72.7~73.7 17.7イタリアンライグラス 50~500 3 67.3~76.3 18.1

試料の種類 繰返し添加成分名

・共同試験

添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

2,4-D 中すう育成用配合飼料 6 250 81.4 5.2 9.8 0.482,4,5-T 中すう育成用配合飼料 6 250 89.4 5.6 12.5 0.63

HorRat試料の種類試験室

数成分名

8 EPTC 及び二臭化エチレンのガスクロマトグラフ質量分析計による同時分析法 (1) 分析対象化合物 EPTC 及び二臭化エチレン(2 成分) (2) 分析法

A 試薬の調製

1) EPTC 標準原液 EPTC〔C9H19NOS〕25 mg を正確に量って 50 mL の褐色全

量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶媒を加える(こ

の液 1 mL は、EPTC として 0.5 mg を含有する。)。 2) 二臭化エチレン標準原液 二臭化エチレン〔C2H4Br2〕25 mg を正確に量って

50 mL の褐色全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶

媒を加える(この液 1 mL は、二臭化エチレンとして 0.5 mg を含有する。)。 3) 農薬混合標準液 EPTC 及び二臭化エチレン標準原液の一定量を混合した後、

ヘキサンで正確に希釈し、1 mL 中に EPTC 及び二臭化エチレンとしてそれぞれ

Page 40: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

322

0.001~0.5 µg を含有する数点の農薬混合標準液を調製する。 B 定 量

抽 出 試料 20.0 g を量って 1 L 容のディーン・スターク用蒸留フラスコに入

れ、水 400 mL を加え、更にヘキサン 20 mL を正確に加えた後、シリコン油約

0.2 mL を加える。この蒸留フラスコをディーン・スターク蒸留装置注 1 に取り付

け、マントルヒーターで加熱し、沸騰を始めてから 60 分間加熱還流した後放冷

する。蒸留トラップ内の水を捨て、ヘキサン層を分液ろ紙でろ過しガスクロマト

グラフ質量分析計による測定に供する試料溶液とする。 ガスクロマトグラフ質量分析計による測定 試料溶液及び各農薬混合標準液各 2

µL をガスクロマトグラフ質量分析計に注入し、選択イオン検出クロマトグラム

を得る。 測定条件 例

カ ラ ム:溶融石英製キャピラリーカラム(6 %シアノプロピ

ルフェニル-94 %ジメチルポリシロキサン化学結

合型、内径 0.32 mm、長さ 30 m、膜厚 1.8 µm) キ ャ リ ヤ ー ガ ス:He(3.6 mL/min、初期流量) 試 料 導 入 法:スプリットレス(60 s) 試 料 導 入 部 温 度:250 °C カ ラ ム 槽 温 度:初期温度 50 °C→昇温 10 °C/min →180 °C→昇温

30 °C/min→250 °C(10 min 保持) インターフェース温度:250 °C 検 出 器:四重極型質量分析計注 2 イ オ ン 源 温 度:200 °C イ オ ン 化 法:電子衝撃イオン化(EI)法 イ オ ン 化 電 圧:70 eV モ ニ タ ー イ オ ン:定量イオン m/z 189(EPTC)、109(二臭化エチレ

ン)、確認イオン m/z 128(EPTC)、107(二臭化

エチレン) 計 算 得られた選択イオン検出クロマトグラムからピーク面積又は高さを求

めて検量線を作成し、試料中の EPTC 量及び二臭化エチレン量を算出する。 注 1 ヘキサンが揮散しないよう、冷却水温度は 5 °C 以下とする。

2 GCMS-QP2010(島津製作所製)による測定条件例

Page 41: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

323

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 平均回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD(%以下)

EPTC 鶏用配合飼料 25~200 3 88.1~91.9 11牛用配合飼料 10~200 3 88.5~98.3 11とうもろこし 25~200 3 93.5~95.5 8.0ライ麦 25~200 3 93.1~95.5 6.4

二臭化エチレン 鶏用配合飼料 5~200 3 96.2~98.7 3.5牛用配合飼料 5~200 3 101.2~101.3 4.1とうもろこし 5~200 3 99.3~102.7 6.3ライ麦 2~200 3 96.7~99.3 3.3

繰返し添加成分名 試料の種類

・共同試験

添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

EPTC とうもろこし 8 40 109 6.1 7.7 0.35肉用牛肥育用配合飼料 8 40 113 1.9 6.9 0.31とうもろこし 8 10 106 5.8 14 0.61肉用牛肥育用配合飼料 8 10 106 3.9 11 0.51

二臭化エチレン

HorRat試料の種類試験室

数成分名

・定量下限 EPTC 試料中 10 µg/kg、二臭化エチレン 試料中 2 µg/kg ・検出下限 EPTC 試料中 3 µg/kg、二臭化エチレン 試料中 0.7 µg/kg

9 アジンホスメチル及びプロフェノホスのガスクロマトグラフによる同時分析法

(1) 分析対象化合物 アジンホスメチル及びプロフェノホス(2 成分) (2) 分析法

A 試薬の調製

1) アジンホスメチル標準原液 アジンホスメチル〔C10H12N3O3PS2〕25 mg を正

確に量って 50 mL の褐色全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に

標線までアセトンを加えてアジンホスメチル標準原液を調製する(この液 1 mLは、アジンホスメチルとして 0.5 mg を含有する。)。

2) プロフェノホス標準原液 プロフェノホス〔C11H15BrClO3PS〕25 mg を正確

に量って 50 mL の褐色全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標

線までアセトンを加えてプロフェノホス標準原液を調製する(この液 1 mL は、

プロフェノホスとして 0.5 mg を含有する。)。 3) 農薬混合標準液 使用に際して、アジンホスメチル及びプロフェノホス各標

準原液の一定量を混合し、2,2,4-トリメチルペンタン-アセトン(4+1)で正確に

希釈し、1 mL 中にアジンホスメチル及びプロフェノホスとしてそれぞれ 0.02~1 µg を含有する数点の農薬混合標準液を調製する。

B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 200 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 10 mL を加えて潤し 30 分間静置した後、アセトニトリル 100 mL を加え、30 分間

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324

振り混ぜて抽出する。300 mL のなす形フラスコをブフナー漏斗の下に置き、抽

出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラスコ及び残さを順次アセ

トニトリル 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。ろ液を 40 °C 以下の水浴でほ

とんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。シクロヘキサ

ン-アセトン(7+3)10 mL(綿実は 20 mL)を正確に加えて残留物を溶かし、

10 mL の共栓遠心沈殿管に入れ、3,000×g で 5 分間遠心分離した後、上澄み液を

メンブランフィルター(孔径 0.45 µm)でろ過し、ゲル浸透クロマトグラフィー

に供する試料溶液とする。 ゲル浸透クロマトグラフィー 試料溶液 5.0 mL をゲル浸透クロマトグラフに注

入し、アジンホスメチル及びプロフェノホスが溶出する画分を 100 mL のなす形

フラスコに分取し、40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、

窒素ガスを送って乾固する。 ヘキサン 2 mL を加えて残留物を溶かし、カラム処理に供する試料溶液とする。

ゲル浸透クロマトグラフィー 例 カ ラ ム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 300 mm、粒径 15 µm)

ガードカラム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 100 mm、粒径 15 µm)

溶 離 液:シクロヘキサン-アセトン(7+3)

流 速:5 mL/min 分 取 画 分:70 mL~120 mL

カラム処理 合成ケイ酸マグネシウムミニカラム(910 mg)をヘキサン 5 mL で

洗浄する。試料溶液をカラムに加え、試料溶液の入っていた 100 mL のなす形フ

ラスコをヘキサン 2 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順次カラムに加え、液面が充

てん剤の上端に達するまで流出させる。

50 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、ヘキサン-アセトン(17+3)15 mL を加えてアジンホスメチル及びプロフェノホスを溶出させる。溶出液を

40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾

固する。 2,2,4-トリメチルペンタン-アセトン(4+1)1 mL を正確に加えて残留物を溶

かし、ガスクロマトグラフィーに供する試料溶液とする。 ガスクロマトグラフィー 試料溶液及び各農薬混合標準液各 2 µL をガスクロマ

トグラフに注入注 1 し、クロマトグラムを得る。 測定条件 例

検 出 器:炎光光度検出器(リン検出用フィルター)

カ ラ ム:溶融石英製キャピラリーカラム(35 %トリフルオロプ

ロピル-65 %ジメチルポリシロキサン化学結合型、内

径 0.25 mm、長さ 15 m、膜厚 0.25 µm) キャリヤーガス:He(2.0 mL/min、初期流量) メイクアップガス:He(30 mL/min)

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325

水 素:75 mL/min 乾 燥 空 気:100 mL/min 試 料 導 入 法:スプリットレス(45 s) 試料導入部温度:250 °C カ ラ ム 槽 温 度:初期温度 70 °C(1 min 保持)→20 °C/min→250 °C(4

min 保持) 検 出 器 温 度:250 °C

計 算 得られたクロマトグラムからピーク面積を求めて検量線を作成し、試

料中のアジンホスメチル量及びプロフェノホス量を算出する。 注 1 試料導入部にはグラスウールを詰めていないシラン処理済みのインサート

を使用する。 (参考)分析法バリデーション

・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 平均回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD (%以下)

アジンホスメチル 乳用牛飼育用配合飼料 10~3,000 3 76.3~90.9 13成鶏飼育用配合飼料 50~3,000 3 103.6~103.8 3.3小麦 50~3,000 3 86.4~111.3 2.0綿実 20~3,000 3 110.2~116.5 4.6ライグラスストロー 10~10,000 3 78.3~108.1 12

プロフェノホス 乳用牛飼育用配合飼料 10~3,000 3 96.6~111.5 7.7成鶏飼育用配合飼料 50~3,000 3 92.9~109.7 10小麦 50~3,000 3 98.5~110.3 2.8綿実 20~3,000 3 108.9~119.5 4.5ライグラスストロー 10~10,000 3 88.0~105.3 8.3

添加成分名 試料の種類 繰返し

・共同試験

添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

アジンホスメチル アルファルファ 8 100 99.3 4.1 12 0.54乳用牛飼育用配合飼料 8 100 88.0 7.2 9.7 0.44

プロフェノホス アルファルファ 8 100 96.6 6.8 12 0.56乳用牛飼育用配合飼料 8 100 92.4 7.0 14 0.65

HorRat試料の種類試験室数

成分名

・定量下限 飼料(綿実を除く。)中 アジンホスメチル及びプロフェノホス

各 10 µg/kg、綿実中 アジンホスメチル及びプロフェノホス 各 20 µg/kg ・検出下限 飼料(綿実を除く。)中 アジンホスメチル及びプロフェノホス

各 2 µg/kg、綿実中 アジンホスメチル及びプロフェノホス 各 3 µg/kg

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326

10 アトラジン及びシマジンのガスクロマトグラフによる同時分析法 (1) 分析対象化合物 アトラジン及びシマジン(2 成分) (2) 分析法

A 試薬の調製

1) アトラジン標準原液 アトラジン〔C8H14ClN5〕25 mg を正確に量って 50 mLの全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶媒を加えて

アトラジン標準原液を調製する(この液 1 mL は、アトラジンとして 0.5 mg を含

有する。)。 2) シマジン標準原液 シマジン〔C7H12ClN5〕25 mg を正確に量って 50 mL の

全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶媒を加えてシ

マジン標準原液を調製する(これらの液 1 mL は、シマジンとして 0.5 mg を含有

する。)。 3) 農薬混合標準液 使用に際して、アトラジン及びシマジン各標準原液の一定

量を混合し、2,2,4-トリメチルペンタン-アセトン(4+1)で正確に希釈して、1 mL 中にアトラジン及びシマジンとしてそれぞれ 0.01~1 µg を含有する数点の農

薬混合標準液を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 200 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 15 mL を加え、30 分間静置後、更にアセトン 100 mL を加え、60 分間振り混ぜて抽

出する。 300 mL のなす形フラスコをブフナー漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラスコ及び残さを順次アセトン 50 mL で洗浄し、

同様に吸引ろ過する。ろ液を 40 °C 以下の水浴で約 15 mL まで減圧濃縮し、カラ

ム処理 I に供する試料溶液とする。 カラム処理 I 試料溶液を多孔性ケイソウ土カラム(20 mL 保持用)に入れ、5

分間静置する。300 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、試料溶液の入っ

ていたなす形フラスコをヘキサン 10 mL ずつで 3 回洗浄し、洗液を順次カラム

に加える。液面が充てん剤の上端に達するまで流下してアトラジン及びシマジン

を溶出させる。更にヘキサン 120 mL をカラムに加えて同様に溶出させ、溶出液

を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って

乾固する。 シクロヘキサン-アセトン(4+1)10 mL を正確に加えて残留物を溶かし、メ

ンブランフィルター(孔径 0.5 µm 以下)でろ過し、ゲル浸透クロマトグラフィ

ーに供する試料溶液とする。 ゲル浸透クロマトグラフィー 試料溶液 5.0 mL をゲル浸透クロマトグラフに注

入し、アトラジン及びシマジンが溶出する画分を 100 mL のなす形フラスコに分

取し、40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送

って乾固する。 ヘキサン-アセトン(49+1)5 mL を正確に加えて残留物を溶かし、カラム処

理 II に供する試料溶液とする。

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327

ゲル浸透クロマトグラフィー 例 カ ラ ム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 300 mm、粒径 15 µm) ガードカラム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 100 mm、粒径 15 µm) 溶 離 液:シクロヘキサン-アセトン(4+1) 流 速:5 mL/min 分 取 画 分:75~110 mL

カラム処理 II 合成ケイ酸マグネシウムミニカラム(910 mg)をヘキサン 5 mLで洗浄する。 試料溶液 2.0 mL をミニカラムに入れ、液面が充てん剤の上端に達するまで流

出させた後、ヘキサン-アセトン(49+1)8 mL をミニカラムに加え、同様に流

出させる。 50 mL のなし形フラスコをミニカラムの下に置き、ヘキサン-アセトン(9+1)15 mL をミニカラムに加えてアトラジン及びシマジンを溶出させる。溶出液を

40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾

固する。 2,2,4-トリメチルペンタン-アセトン(4+1)2 mL を正確に加えて残留物を溶

かし、ガスクロマトグラフィーに供する試料溶液とする。 ガスクロマトグラフィー 試料溶液及び各農薬混合標準液各 2 µL をガスクロマ

トグラフに注入し、クロマトグラムを得る。 測定条件 例

検 出 器:アルカリ熱イオン化検出器 カ ラ ム:溶融石英製キャピラリーカラム(50 %トリフルオロプ

ロピルメチル-50 %ジメチルポリシロキサンコーティ

ング、内径 0.25 mm、長さ 30 m、膜厚 0.25 µm) キャリヤーガス:He(1.6 mL/min) メイクアップガス:He(30 mL/min) 水 素:3 mL/min 乾 燥 空 気:90 mL/min 試 料 導 入 法:スプリットレス(60 s) 試料導入部温度:250 °C カ ラ ム 槽 温 度:初期温度 60 °C(2 min 保持)→昇温 20 °C/min→170 °C

→昇温 2 °C/min→200 °C→昇温 20 °C/min→280 °C(10 min 保持)

検 出 器 温 度:280 °C 計 算 得られたクロマトグラムからピーク高さ又は面積を求めて検量線を作

成し、試料中のアトラジン量及びシマジン量を算出する。

Page 46: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

328

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD(%以下)

アトラジン 幼すう育成用配合飼料 50~250 3 91.4~98.9 8.7肉豚飼育用配合飼料 50~250 3 96.4~101.7 5.6とうもろこし 50~250 3 98.9~101.3 2.4オーツヘイ 50~250 3 90.5~91.8 8.8

シマジン 幼すう育成用配合飼料 50~250 3 93.1~101.9 10.0肉豚飼育用配合飼料 50~250 3 97.4~105.9 6.7とうもろこし 50~250 3 96.7~97.5 3.0オーツヘイ 50~250 3 90.4~92.0 10.6

試料の種類 繰返し添加成分名

・共同試験

添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

アトラジン 肉用牛肥育用配合飼料 6 100 95.5 2.9 9.4 0.43マイロ 100 92.7 1.4 10.6 0.48

シマジン 肉用牛肥育用配合飼料 6 100 99.6 3.9 8.1 0.37マイロ 100 101.4 3.4 6.7 0.30

HorRat試料の種類試験室

数成分名

・定量下限 試料中 各 20 µg/kg

11 アメトリン、シアナジン及びプロメトリンの液体クロマトグラフ質量分析計による

同時分析法 (1) 分析対象化合物 アメトリン、シアナジン及びプロメトリン(3 成分) (2) 分析法

A 試薬の調製

1) アメトリン標準原液 アメトリン〔C9H17N5S〕25 mg を正確に量って 50 mLの全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線までアセトンを加

えてアメトリン標準原液を調製する(この液 1 mL は、アメトリンとして 0.5 mgを含有する。)。

2) シアナジン標準原液 シアナジン〔C9H13ClN6〕25 mg を正確に量って 50 mLの全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線までアセトンを加

えてシアナジン標準原液を調製する(この液 1 mL は、シアナジンとして 0.5 mgを含有する。)。

3) プロメトリン標準原液 プロメトリン〔C10H19N5S〕25 mg を正確に量って

50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線までアセトン

を加えてプロメトリン標準原液を調製する(この液 1 mL は、プロメトリンとし

て 0.5 mg を含有する。)。 4) 農薬混合標準液 使用に際して、アメトリン標準原液、シアナジン標準原液

及びプロメトリン標準原液の一定量を混合し、アセトニトリルで正確に希釈し、

1 mL 中に各農薬としてそれぞれ 0.5~100 ng を含有する数点の農薬混合標準液を

調製する。

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329

B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 200 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 20 mL(乾牧草は 30 mL)を加えた後 30 分間静置する。更にアセトン 100 mL を加

え、30 分間振り混ぜて抽出する。200 mL の全量フラスコをブフナー漏斗の下に

置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過する。先の三角フラスコ及び残さを順

次アセトン 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。更に全量フラスコの標線ま

でアセトンを加える。 この液 10 mL を 50 mL のなす形フラスコに正確に入れ、40 °C 以下の水浴で約

2 mL まで減圧濃縮し、カラム処理 I に供する試料溶液とする。 カラム処理 I 試料溶液を多孔性ケイソウ土カラム(20 mL 保持用)に入れ、試

料溶液の入っていたなす形フラスコを水 5 mL で洗浄し、洗液をカラムに加えた

後、5 分間静置する。200 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、試料溶液

の入っていたなす形フラスコを酢酸エチル-ヘキサン(17+3)10 mL ずつで 3 回

洗浄し、洗液を順次カラムに加え、液面が充てん剤の上端に達するまで自然流下

させて各農薬を溶出させる。更に同溶媒 50 mL をカラムに加えて同様に溶出さ

せる。溶出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素

ガスを送って乾固する。 乾牧草以外の飼料を分析する場合には、ヘキサン 30 mL を加えて残留物を溶

かし、液液分配に供する試料溶液とする。乾牧草を分析する場合には、ヘキサン

5 mL を加えて残留物を溶かし、カラム処理 II に供する試料溶液とする。 液液分配 試料溶液を 100 mL の分液漏斗に入れ、試料溶液の入っていたなす形

フラスコをヘキサン 2 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を試料溶液に合わせる。更に

分液漏斗にヘキサン飽和アセトニトリル 30 mL を加え、5 分間振り混ぜた後静置

し、アセトニトリル層(下層)を 200 mL のなす形フラスコに入れる。分液漏斗

にヘキサン飽和アセトニトリル 30 mL を加え、同様に操作し、アセトニトリル

層を先のなす形フラスコに合わせる。 アセトニトリル層を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、

窒素ガスを送って乾固する。ヘキサン 5 mL を加えて残留物を溶かし、カラム処

理 II に供する試料溶液とする。 カラム処理 II グラファイトカーボン/アミノプロピルシリル化シリカゲル積層

ミニカラム(500 mg/500 mg)注 1 を酢酸エチル 5 mL 及びヘキサン 10 mL で洗

浄する。 試料溶液をミニカラムに入れ、液面が充てん剤の上端に達するまで自然流下さ

せる。試料溶液の入っていたなす形フラスコをヘキサン 5 mL ずつで 2 回洗浄し、

洗液を順次ミニカラムに加え、同様に流出させる。 50 mL のなす形フラスコをミニカラムの下に置き、先のなす形フラスコをヘキ

サン-酢酸エチル(1+1)5 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順次ミニカラムに加え

て同様に自然流下し、各農薬を溶出させる。更にヘキサン-酢酸エチル(1+1)10 mL をミニカラムに加え、同様に溶出させる。 溶出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガス

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330

を送って乾固する。ヘキサン 3 mL を加えて残留物を溶かし、カラム処理 III に

供する試料溶液とする。 カラム処理 III 合成ケイ酸マグネシウムミニカラム(910 mg)をヘキサン 5 mL

で洗浄する。 試料溶液をミニカラムに加え、液面が充てん剤の上端に達するまで自然流下さ

せる。試料溶液の入っていたなす形フラスコをヘキサン 3 mL ずつで 2 回洗浄し、

洗液を順次ミニカラムに加え、同様に流出させる。 50 mL のなす形フラスコをミニカラムの下に置き、先のなす形フラスコをヘキ

サン-アセトン(17+3)5 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順次ミニカラムに加え

て同様に流下し、各農薬を溶出させる。更にヘキサン-アセトン(17+3)10 mLをミニカラムに加え、同様に溶出させる。 溶出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガス

を送って乾固する。アセトニトリル 1 mL を正確に加えて残留物を溶かし、

5,000×g で 5 分間遠心分離し、上澄み液を液体クロマトグラフ質量分析計による

測定に供する試料溶液とする。 液体クロマトグラフ質量分析計による測定 試料溶液及び各農薬混合標準液各 4

µL を液体クロマトグラフ質量分析計に注入し、選択イオン検出クロマトグラム

を得る。 測定条件 例

カ ラ ム:オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(内径 2.1 mm、

長さ 150 mm、粒径 5 µm)注 2 溶 離 液:0.01 %ギ酸溶液-アセトニトリル(3+1)(5 min 保持)

→2 min→(2+3)(3 min 保持)→2 min→(1+9)(8 min 保持)

流 速:0.2 mL/min カ ラ ム 槽 温 度:40 °C 検 出 器:四重極型質量分析計注 3 イ オ ン 化 法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)法(正イオンモ

ード) フラグメンター電圧:120 V ネブライザーガス:N2(340 kPa) 乾 燥 ガ ス:N2(10 L/min、350 °C) キャピラリー電圧:4,000 V モ ニ タ ー イ オ ン:m/z 228(アメトリン)、241(シアナジン)、242

(プロメトリン) 計 算 得られた選択イオン検出クロマトグラムからピーク高さを求めて検量

線を作成し、試料中のアメトリン量、シアナジン量及びプロメトリン量を算出す

る。 注 1 ENVI-Carb/LC-NH2(Supelco 製)又はこれと同等のもの

2 Inertsil ODS-SP(ジーエルサイエンス製、本測定条件によるアメトリン、

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331

シアナジン及びプロメトリンの保持時間はそれぞれ約 15 分、約 14 分及び

約 17 分)又はこれと同等のもの 3 Agilent 1100 Series MSD SL(Agilent Technologies 製)による条件例

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 平均回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD(%以下)

アメトリン ブロイラー肥育前期用配合飼料 2~100 3 89.5~95.7 9.4スーダングラス 2~100 3 74.7~85.7 5.4

シアナジン ブロイラー肥育前期用配合飼料 2~100 3 81.1~93.5 4.7スーダングラス 2~100 3 77.2~80.6 5.9

プロメトリン ブロイラー肥育前期用配合飼料 2~100 3 85.8~94.5 6.6スーダングラス 2~100 3 73.8~87.2 4.0

繰返し添加成分名 試料の種類

・共同試験

添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

アメトリン ブロイラー肥育前期用配合飼料 9 10.0 98.4 4.3 6.2 0.28スーダングラス 9 10.0 92.2 4.2 15 0.66

シアナジン ブロイラー肥育前期用配合飼料 9 10.0 98.9 6.6 9.4 0.43スーダングラス 9 10.0 94.4 4.1 17 0.76

プロメトリンブロイラー肥育前期用配合飼料 9 10.0 93.6 2.7 6.1 0.28スーダングラス 9 10.0 89.6 3.2 11 0.52

HorRat試験室数

成分名 試料の種類

・定量下限 アメトリン、シアナジン及びプロメトリン:試料中 各 2 µg/kg ・検出下限 アメトリン、シアナジン及びプロメトリン:試料中 各 0.7 µg/kg

12 クロルピリホスメチル及びピリミホスメチルのガスクロマトグラフによる同時分

析法 (1) 分析対象化合物 クロルピリホスメチル及びピリミホスメチル(2 成分) (2) 分析法

A 試薬の調製

1) クロルピリホスメチル標準原液 クロルピリホスメチル〔C7H7Cl3NO3PS〕20 mg を正確に量って 100 mL の褐色全量フラスコに入れ、アセトン 20 mL を加え

て溶かし、更に標線まで 2,2,4-トリメチルペンタンを加えてクロルピリホスメチ

ル標準原液を調製する(この液 1 mL は、クロルピリホスメチルとして 0.2 mg を

含有する。)。 2) ピリミホスメチル標準原液 ピリミホスメチル〔C11H20N3O3PS〕20 mg を正

確に量って 100 mL の全量フラスコに入れ、アセトン 20 mL を加えて溶かし、更

に標線まで 2,2,4-トリメチルペンタンを加えてピリミホスメチル標準原液を調製

する(この液 1 mL は、ピリミホスメチルとして 0.2 mg を含有する。)。 3) 農薬混合標準液 使用に際して、クロルピリホスメチル及びピリミホスメチ

ル各標準原液の一定量を混合し、2,2,4-トリメチルペンタン-アセトン(4+1)で

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332

正確に希釈し、1 mL 中にクロルピリホスメチル及びピリミホスメチルとしてそ

れぞれ 0.1~4 µg を含有する数点の農薬混合標準液を調製する。 4) シリカゲル 開封後シリカゲル(粒径 63~200 µm(230~70 メッシュ))注 1

をデシケーター中で保存する。 5) 凝固液 塩化アンモニウム 1 g を水 1 L に溶かし、リン酸 2 mL を加える。 6) ケイソウ土 ケイソウ土注 2 を温水及びメタノールで洗浄した後、風乾する。

B 定 量

抽 出 分析試料 10.0~20.0 g を量って 500 mL の分液漏斗に入れ、水 60 mLを加えて潤し、30 分間静置後、更にアセトン 140 mL を加え、30 分間振り混ぜ

て抽出する。トールビーカーをブフナー漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の分液漏斗及び残さを順次アセトン-水(7+3)100 mL で

洗浄し、同様に吸引ろ過し、ろ液を精製に供する試料溶液とする。 精 製 試料溶液をあらかじめ塩化ナトリウム溶液(5 w/v%)400 mL 及びジ

クロロメタン 100 mL を入れた 1 L の分液漏斗に加え、3 分間激しく振り混ぜた

後静置し、ジクロロメタン層(下層)を三角フラスコに入れる。残留液にジクロ

ロメタン 100 mL を加え、穏やかに振り混ぜた後静置し、ジクロロメタン層を先

の三角フラスコに合わせる。ジクロロメタン層を適量の硫酸ナトリウム(無水)

で脱水し、500 mL のなす形フラスコにガラス繊維ろ紙注 3 でろ過した後、先の三

角フラスコ及びろ紙を順次少量のジクロロメタンで洗浄し、洗液を先のろ紙を通

してろ液を合わせる。ろ液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮

した後、窒素ガスを送って乾固する。 アセトン 30 mL を加えて残留物を溶かし、ケイソウ土 0.5 g 及び凝固液 40 mLを加え、軽く振り混ぜた後 5 分間静置し、上澄み液を 300 mL の分液漏斗 A にガ

ラス繊維ろ紙注 3 でろ過する。先のなす形フラスコにアセトン 30 mL を加えて軽

く振り混ぜ、凝固液 40 mL を加え、同様に操作する。更に先のなす形フラスコ

及びガラス繊維ろ紙を順次少量の凝固液-アセトン(4+3)で洗浄し、洗液を先

のガラス繊維ろ紙を通して分液漏斗 A に合わせる。分液漏斗 A にヘキサン 50 mL を加え、3 分間激しく振り混ぜた後静置し、水層(下層)を 300 mL の分液

漏斗 B に入れ、ヘキサン層(上層)を三角フラスコに入れる。分液漏斗 B にヘ

キサン 50 mL を加え、同様に操作し、ヘキサン層を先の三角フラスコに合わせ

る。ヘキサン層を適量の硫酸ナトリウム(無水)で脱水し、300 mL のなす形フ

ラスコにガラス繊維ろ紙注 3 でろ過する。先の三角フラスコ及びガラス繊維ろ紙

を順次少量のヘキサンで洗浄し、洗液を先のガラス繊維ろ紙を通してろ液を合わ

せ、ろ液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガス

を送って乾固する。 ヘキサン-ジエチルエーテル(9+1)5 mL を加えて残留物を溶かし、カラム処

理に供する試料溶液とする。 カラム処理 硫酸ナトリウム(無水)5 g、シリカゲル 5 g 及び硫酸ナトリウム

(無水)5 g をそれぞれヘキサン-ジエチルエーテル(9+1)に懸濁させてカラ

ム管(内径 15 mm)に順次流し込み、液面が充てん剤の上端から 3 mm の高さに

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333

達するまで流出させ、カラムを調製する。 200 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、試料溶液をカラムに入れ、試

料溶液の入っていたなす形フラスコをヘキサン-ジエチルエーテル(9+1)5 mLで 4 回洗浄し、洗液を順次カラムに加える。液面が充てん剤の上端から 3 mm の

高さに達するまで流下してクロルピリホスメチル及びピリミホスメチルを流出さ

せた後、更にヘキサン-ジエチルエーテル(9+1)75 mL をカラムに加えて同様

に流出させる。流出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した

後、窒素ガスを送って乾固する。 2,2,4-トリメチルペンタン-アセトン(4+1)5 mL を正確に加えて残留物を溶

かし、ガスクロマトグラフィーに供する試料溶液とする。 ガスクロマトグラフィー 試料溶液及び各農薬混合標準液各 1 µL をガスクロマ

トグラフに注入し、クロマトグラムを得る。 測定条件 例

検 出 器:アルカリ熱イオン化検出器 カ ラ ム:溶融石英製キャピラリーカラム(100 %ジメチルポリシ

ロキサンコーティング、内径 0.32 mm、長さ 30 m、膜

厚 0.25 µm) キャリヤーガス:He(4 mL/min) メイクアップガス:He(26 mL/min) 水 素:4 mL/min 乾 燥 空 気:100 mL/min 試 料 導 入 法:クールオンカラム 試料導入部温度:200 °C カ ラ ム 槽 温 度:50 °C(1 min 保持)→昇温 20 °C/min→180 °C(1 min 保

持)→昇温 3 °C/min→200 °C 検 出 器 温 度:240 °C

計 算 得られたクロマトグラムからピーク面積を求めて検量線を作成し、試

料中のクロルピリホスメチル量及びピリミホスメチル量を算出する。 注 1 Silica Gel 60(Merck 製)又はこれと同等のもの

2 Hyflo Supercel(Celite Corporation 製)又はこれと同等のもの 3 GA-100(東洋濾紙製)又はこれと同等のもの

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334

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD(%以下)

クロルピリホスメチル ブロイラー肥育後期用配合飼料 250~500 3 92.1~94.4 3.7肉豚肥育用配合飼料 250~500 3 88.1~94.1 6.6肉用牛肥育用配合飼料 250~500 3 87.1~100.9 4.0

ピリミホスメチル ブロイラー肥育後期用配合飼料 250~500 3 97.0~99.6 2.3肉豚肥育用配合飼料 250~500 3 102.7~106.8 5.8肉用牛肥育用配合飼料 250~500 3 100.0~104.6 3.7

試料の種類 繰返し添加成分名

・共同試験

添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

クロルピリホスメチルブロイラー肥育後期用配合飼料 6 250 89.8 3.5 4.2 0.21

ピリミホスメチルブロイラー肥育後期用配合飼料 6 250 101.6 4.4 7.9 0.40

HorRat試料の種類試験室

数成分名

13 酸化フェンブタスズ及びシヘキサチンのガスクロマトグラフによる同時分析法 (1) 分析対象化合物 酸化フェンブタスズ及びシヘキサチン(2 成分) (2) 分析法

A 試薬の調製

1) 酸化フェンブタスズ及びシヘキサチン混合標準原液 酸化フェンブタスズ

〔C60H78OSn2〕及びシヘキサチン〔C18H34OSn〕各 20 mg を正確に量って 100 mLの全量フラスコに入れ、酢酸エチル-酢酸(99+1)を加えて溶かし、更に標線

まで同溶媒を加えて酸化フェンブタスズ及びシヘキサチン混合標準原液を調製す

る(この液 1 mL は、酸化フェンブタスズ及びシヘキサチンとしてそれぞれ 0.2 mg を含有する。)。

2) ケイ酸マグネシウム 合成ケイ酸マグネシウム(粒径 149~250 µm(100~60メッシュ))を 130 °C で 16 時間乾燥する。

B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を 200 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 15 mL を加

えて潤し、30 分間静置後、アセトン-酢酸(99+1)80 mL を加え、30 分間振り

混ぜて抽出する。300 mL のなす形フラスコをブフナー漏斗の下に置き、抽出液

をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラスコ及び残さを順次アセトン

50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。ろ液を 40 °C 以下の水浴で約 15 mL まで

減圧濃縮し、カラム処理 I に供する試料溶液とする。 カラム処理 I 試料溶液を多孔性ケイソウ土カラム(20 mL 保持用)に入れ、5

分間静置する。200 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、試料溶液の入っ

ていたなす形フラスコをヘキサン 10 mL ずつで 3 回洗浄し、洗液をカラムに加

え、液面が充てん剤の上端に達するまで流下し、酸化フェンブタスズ及びシヘキ

サチンを溶出させる。更にヘキサン 40 mL をカラムに加えて同様に溶出させ、

溶出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを

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335

送って乾固する。 ヘキサン 5 mL を正確に加えて残留物を溶かし、エチル化反応に供する試料溶

液とする。 エチル化反応 試料溶液 1 mL を 50 mL の試験管に正確に入れ、エチルマグネシ

ウムブロミド液 1 mL を加えた後 20 分間静置し、酸化フェンブタスズ及びシヘ

キサチンをエチル化する。これに硫酸注 1(0.5 mol/L)10 mL を少量ずつ加え、過

剰のエチルマグネシウムブロミドを分解し、更に水 10 mL 及びヘキサン 5 mL を

加えて振り混ぜた後静置する。ヘキサン層(上層)をパスツールピペットで 50 mL の三角フラスコに入れる。先の試験管にヘキサン 5 mL を加えて同様に操作

し、ヘキサン層を先の三角フラスコに合わせる。ヘキサン層を適量の硫酸ナトリ

ウム(無水)で脱水し、100 mL のなす形フラスコに分液ろ紙でろ過した後、先

の三角フラスコ及びろ紙を順次少量のヘキサンで洗浄し、洗液を先のろ紙を通し

てろ液を合わせる。ろ液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮し

た後、窒素ガスを送って乾固する。 ヘキサン 5 mL を加えて残留物を溶かし、カラム処理 II に供する試料溶液とす

る。 カラム処理 II ケイ酸マグネシウム 10 g をヘキサンに懸濁させてカラム管(内

径 15 mm)に流し込み、液面が充てん剤の上端から 3 mm の高さに達するまで流

出させ、カラムを調製する。 200 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、試料溶液をカラムに入れ、試

料溶液の入っていたなす形フラスコをヘキサン 5 mL ずつで 3 回洗浄し、洗液を

順次カラムに加え、液面が充てん剤の上端から 3 mm の高さに達するまで流下さ

せる。 ヘキサン-ジエチルエーテル(99+1)70 mL をカラムに加えてエチル化した酸

化フェンブタスズ及びシヘキサチンを溶出させ、溶出液を 40 °C 以下の水浴でほ

とんど乾固するまで濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。 ヘキサン 2 mL を正確に加えて残留物を溶かし、ガスクロマトグラフィーに供

する試料溶液とする。 標準液のエチル化 酸化フェンブタスズ及びシヘキサチン混合標準原液 1 mL を

50 mL の試験管に正確に入れ、エチル化反応の項と同一条件で操作し、40 °C 以

下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。

ヘキサン 10 mL を正確に加えて残留物を溶かし、この液の一定量をヘキサンで

正確に希釈し、1 mL 中に酸化フェンブタスズ及びシヘキサチンとしてそれぞれ

0.01~2 µg 相当量を含有する数点の混合標準液を調製する。 ガスクロマトグラフィー 試料溶液及び各混合標準液 2 µL をガスクロマトグラ

フに注入し、クロマトグラムを得る。 測定条件 例

検 出 器:炎光光度検出器(スズ検出用フィルター)

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336

カ ラ ム:キャピラリーカラム(50 %トリフルオロプロピルメチ

ル-50 %ジメチルポリシロキサンコーティング、内径

0.32 mm、長さ 30 m、膜厚 0.5 µm) キャリヤーガス:He(2 mL/min) メイクアップガス:N2(30 mL/min) 水 素:80 mL/min 乾 燥 空 気:100 mL/min 試 料 導 入 法:スプリットレス(60 s) 試料導入部温度:250 °C カ ラ ム 槽 温 度:初期温度 150 °C(1 min 保持)→昇温 10 °C/min→280 °C

(5 min 保持) 検 出 器 温 度:280 °C

計 算 得られたクロマトグラムからピーク面積又は高さを求めて検量線を作

成し、試料中の酸化フェンブタスズ量及びシヘキサチン量を算出する。 注 1 有害金属測定用試薬又はこれと同等のもの

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD(%以下)

酸化フェンブタスズ ブロイラー肥育後期用配合飼料 100~1,000 3 84.8~93.6 14.2子豚育成用配合飼料 100~1,000 3 80.0~89.0 17.6アルファルファヘイ 100~1,000 3 84.4~96.0 8.6

シヘキサチン ブロイラー肥育後期用配合飼料 100~1,000 3 84.6~90.6 5.2子豚育成用配合飼料 100~1,000 3 87.1~92.7 8.3アルファルファヘイ 100~1,000 3 85.7~89.6 8.8

試料の種類 繰返し添加成分名

・共同試験

添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

酸化フェンブタスズ 成鶏飼育用配合飼料 7 500 95.3 5.2 9.5 0.53シヘキサチン 成鶏飼育用配合飼料 7 500 78.7 5.6 17.1 0.93

HorRat試料の種類試験室

数成分名

・定量下限 試料中 各 20 µg/kg

14 シアナジン及びミクロブタニルのガスクロマトグラフによる同時分析法

(1) 分析対象化合物 シアナジン及びミクロブタニル(2 成分) (2) 分析法

A 試薬の調製

1) シアナジン標準原液 シアナジン〔C9H13ClN6〕50 mg を正確に量って 100 mL の褐色全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶媒

を加えてシアナジン標準原液を調製する(この液 1 mL はシアナジンとして 0.5 mg を含有する。)。

2) ミクロブタニル標準原液 ミクロブタニル〔C15H17ClN4〕50 mg を正確に量

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337

って 100 mL の褐色全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線ま

で同溶媒を加えてミクロブタニル標準原液を調製する(この液 1 mL はミクロブ

タニルとして 0.5 mg を含有する。)。 3) 農薬混合標準液 使用に際して、シアナジン及びミクロブタニル各標準原液

の一定量を混合し、希釈溶媒で正確に希釈して、1 mL 中にシアナジン及びミク

ロブタニルとしてそれぞれ 0.02~1.0 µg を含有する数点の農薬混合標準液を調製

する。 4) 希釈溶媒 0.1 v/v%ポリエチレングリコール含有アセトン

B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 200 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 15 mL を加えて潤し、30 分間静置後、更にアセトン 100 mL を加え、60 分間振り混

ぜて抽出する。300 mL のなす形フラスコをブフナー漏斗の下に置き、抽出液を

ろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラスコ及び残さを順次アセトン 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。ろ液を 40 °C 以下の水浴で約 15 mL まで減

圧濃縮し、塩化ナトリウム 5 g を加えてカラム処理 I に供する試料溶液とする。 カラム処理 I 試料溶液を多孔性ケイソウ土カラム(20 mL 保持用)に入れ、5

分間静置する。300 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、試料溶液の入っ

ていたなす形フラスコをヘキサン-酢酸エチル(4+1)10 mL ずつで 3 回洗浄し、

洗液を順次カラムに加える。液面が充てん剤の上端に達するまで流下してシアナ

ジン及びミクロブタニルを溶出させ、更にヘキサン-酢酸エチル(4+1)70 mLをカラムに加えて同様に溶出させる。溶出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固

するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。 シクロヘキサン-アセトン(4+1)20 mL を正確に加えて残留物を溶かし、メ

ンブランフィルター(孔径 0.5 µm 以下)でろ過し、ゲル浸透クロマトグラフィ

ーに供する試料溶液とする。 ゲル浸透クロマトグラフィー 試料溶液 5.0 mL をゲル浸透クロマトグラフに注

入し、シアナジン及びミクロブタニルが溶出する画分を 100 mL のなす形フラス

コに分取し、40 °C 以下の水浴でほぼ乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを

送って乾固する。 ヘキサン-アセトン(19+1)5 mL を正確に加えて残留物を溶かし、カラム処

理 II に供する試料溶液とする。 ゲル浸透クロマトグラフィー 例

カ ラ ム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 300 mm、粒径 15 µm) ガードカラム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 100 mm、粒径 15 µm) 溶 離 液:シクロヘキサン-アセトン(4+1) 流 速:5 mL/min 分 取 画 分:80~120 mL

カラム処理 II 合成ケイ酸マグネシウムミニカラム(910 mg)をヘキサン-アセ

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338

トン(19+1)5 mL で洗浄する。 試料溶液をミニカラムに入れ、液面が充てん剤の上端に達するまで流出させ、

試料溶液の入っていたなす形フラスコをヘキサン-アセトン(19+1)5 mL ずつ

で 2 回洗浄し、洗液を順次ミニカラムに加え、同様に流出させる。 50 mL のなす型フラスコをミニカラムの下に置き、ヘキサン-アセトン(7+3)20 mL をミニカラムに加えてシアナジン及びミクロブタニルを溶出させる。溶出

液を 40 °C 以下の水浴でほぼ乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾

固する。 アセトン 2 mL を正確に加えて残留物を溶かし、ガスクロマトグラフィーに供

する試料溶液とする。 ガスクロマトグラフィー 試料溶液及び各農薬混合標準液各 2 µL をガスクロマ

トグラフに注入し、クロマトグラフを得る。 測定条件 例

検 出 器:アルカリ熱イオン化検出器 カ ラ ム:溶融石英製キャピラリーカラム(5 %ジフェニル-95 %

ジメチルポリシロキサンコーティング、内径 0.25 mm、

長さ 30 m、膜厚 0.25 µm) キャリヤーガス:He(2.5 mL/min) メイクアップガス:He(30 mL/min) 水 素:3 mL/min 乾 燥 空 気:90 mL/min 試 料 導 入 法:スプリットレス(60 s) 試料導入部温度:250 °C カ ラ ム 槽 温 度:初期温度 70 °C(2 min 保持)→昇温 30 °C/min→230 °C

→昇温 2.5 °C/min→245 °C→昇温 20 °C/min→280 °C(10 min 保持)

検 出 器 温 度:280 °C 計 算 得られたクロマトグラムからピーク面積を求めて検量線を作成し、試

料中のシアナジン量及びミクロブタニル量を算出する。 (参考)分析法バリデーション

・添加回収率及び繰返し精度 添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD(%以下)

シアナジン 鶏用配合飼料 50~500 3 98.8~108.5 9.6牛用配合飼料 50~500 3 114.4~121.6 5.4とうもろこし 50~500 3 96.1~104.0 4.9大麦 50~500 3 104.7~106.3 3.6

ミクロブタニル 鶏用配合飼料 50~500 3 88.7~92.8 4.5豚用配合飼料 50~500 3 99.4~100.3 7.2とうもろこし 50~500 3 85.0~91.0 4.8大麦 50~500 3 89.7~92.6 4.7

試料の種類 繰返し添加成分名

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339

・共同試験 添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

シアナジンブロイラー肥育前期用配合飼料 7 200 93.4 5.0 13.9 0.68とうもろこし 7 200 94.1 6.9 7.9 0.38

ミクロブタニルブロイラー肥育前期用配合飼料 7 200 89.1 5.3 10.0 0.48とうもろこし 7 200 91.1 5.2 14.9 0.72

HorRat試料の種類試験室

数成分名

・定量下限 試料中 シアナジン 10 µg/kg、ミクロブタニル 20 µg/kg

15 ジコホール及びトリフルラリンのガスクロマトグラフによる同時分析法

(1) 分析対象化合物 ジコホール及びトリフルラリン(2 成分) (2) 分析法

A 試薬の調製

1) ジコホール標準原液 ジコホール〔C14H9Cl5O〕50 mg を正確に量って 100 mL の褐色全量フラスコに入れ、アセトン 20 mL を加えて溶かし、更に標線まで

2,2,4-トリメチルペンタンを加えてジコホール標準原液を調製する(この液 1 mLは、ジコホールとして 0.5 mg を含有する。)。

2) トリフルラリン標準原液 トリフルラリン〔C13H16F3N3O4〕50 mg を正確に

量って 100 mL の褐色全量フラスコに入れ、アセトン 20 mL を加えて溶かし、更

に標線まで 2,2,4-トリメチルペンタンを加えてトリフルラリン標準原液を調製す

る(この液 1 mL は、トリフルラリンとして 0.5 mg を含有する。)。 3) 農薬混合標準液 使用に際して、ジコホール及びトリフルラリン各標準原液

の一定量を混合し、2,2,4-トリメチルペンタン-アセトン(4+1)で正確に希釈し

て、1 mL 中にジコホール及びトリフルラリンとしてそれぞれ 0.01~1.0 µg を含有

する数点の農薬混合標準液を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 200 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 15 mL を加え、30 分間静置後、更にアセトン 80 mL を加え、60 分間振り混ぜて抽

出する。500 mL のなす形フラスコをブフナー漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラスコ及び残さを順次アセトン 50 mL で

洗浄し、同様に吸引ろ過する。ろ液を 40 °C 以下の水浴で約 15 mL まで減圧濃縮

し、精製に供する試料溶液とする。 精 製 試料溶液をあらかじめ塩化ナトリウム溶液(5 w/v%)200 mL 及びヘ

キサン 100 mL を入れた 500 mL の分液漏斗 A に加え、5 分間振り混ぜた後静置

する。水層(下層)を 500 mL の分液漏斗 B に入れ、ヘキサン層(上層)を 300 mL の三角フラスコに入れる。分液漏斗 B にヘキサン 50 mL を加え、5 分間振り

混ぜた後静置し、ヘキサン層を先の三角フラスコに合わせる。ヘキサン層を適量

の硫酸ナトリウム(無水)で脱水し、300 mL のなす形フラスコにろ紙(5 種 B)でろ過した後、先の三角フラスコ及びろ紙を順次少量のヘキサンで洗浄し、洗液

を先のろ紙を通してろ液を合わせる。ろ液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固す

るまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。

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340

シクロヘキサン-アセトン(4+1)10 mL を正確に加えて残留物を溶かし、メ

ンブランフィルター(孔径 0.5 µm 以下)でろ過し、ゲル浸透クロマトグラフィ

ーに供する試料溶液とする。 ゲル浸透クロマトグラフィー 試料溶液 5.0 mL をゲル浸透クロマトグラフに注

入し、ジコホール及びトリフルラリンが溶出する画分を 100 mL のなす形フラス

コに分取し、40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガ

スを送って乾固する。 ヘキサン 5 mL を正確に加えて残留物を溶かし、カラム処理に供する試料溶液

とする。 ゲル浸透クロマトグラフィー 例

カ ラ ム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 300 mm、粒径 15 µm) ガードカラム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 100 mm、粒径 15 µm) 溶 離 液:シクロヘキサン-アセトン(4+1) 流 速:5 mL/min 分 取 画 分:60~110 mL

カラム処理 合成ケイ酸マグネシウムミニカラム(910 mg)をヘキサン 5 mL で

洗浄する。 100 mL のなす型フラスコをミニカラムの下に置き、試料溶液 2 mL をミニカ

ラムに正確に入れる。液面が充てん剤の上端に達するまで流出させた後、ヘキサ

ン-ジエチルエーテル(99+1)30 mL をミニカラムに加えてジコホール及びトリ

フルラリンを溶出させる。溶出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減

圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。 2,2,4-トリメチルペンタン-アセトン(4+1)2 mL を正確に加えて残留物を溶

かし、ガスクロマトグラフィーに供する試料溶液とする。 ガスクロマトグラフィー 試料溶液及び各農薬混合標準液各 2 µL をガスクロマ

トグラフに注入し、クロマトグラムを得る。 測定条件 例

検 出 器:電子捕獲型検出器 カ ラ ム:溶融石英製キャピラリーカラム(50 %ジフェニル-

50 %ジメチルポリシロキサンコーティング、内径 0.25 mm、長さ 30 m、膜厚 0.25 µm)

キャリヤーガス:He(2.5 mL/min) メイクアップガス:N2(60 mL/min) 試 料 導 入 法:スプリットレス(60 s) 試料導入部温度:200 °C 検 出 部 温 度:300 °C カ ラ ム 槽 温 度:初期温度 70 °C(2 min 保持)→昇温 20 °C/min→280 °C

(10 min 保持)

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341

計 算 得られたクロマトグラムからピーク高さ又は面積を求めて検量線を作

成し、試料中のジコホール量及びトリフルラリン量を算出する。 (参考)分析法バリデーション

・添加回収率及び繰返し精度 添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD(%以下)

ジコホール 鶏用配合飼料 100~500 3 88.5~94.8 10.9豚用配合飼料 100~500 3 89.8~98.9 3.8アルファルファ 100~500 3 89.0~94.3 8.2チモシー 100~500 3 85.7~90.4 10.8

トリフルラリン 鶏用配合飼料 100~500 3 90.7~95.4 10.0豚用配合飼料 100~500 3 91.9~106.5 5.2アルファルファ 100~500 3 91.6~101.0 8.8チモシー 100~500 3 87.6~90.1 8.7

試料の種類 繰返し添加成分名

・共同試験

添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

ジコホール 肉豚肥育用配合飼料 5 200 88.2 5.6 14.2 0.68マイロ 5 200 89.9 6.5 17.5 0.84

トリフルラリン 肉豚肥育用配合飼料 5 200 98.6 5.5 9.0 0.44マイロ 5 200 99.7 5.9 11.8 0.58

HorRat試料の種類試験室

数成分名

・定量下限 試料中 ジコホール及びトリフルラリン 各 10 µg/kg

16 テブコナゾール及びフェナリモルのガスクロマトグラフ質量分析計による同時分

析法 (1) 分析対象化合物 テブコナゾール及びフェナリモル(2 成分) (2) 分析法

A 試薬の調製

1) テブコナゾール標準原液 テブコナゾール〔C16H22ClN3O〕25 mg を正確に量

って 50 mL の褐色全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線ま

で同溶媒を加えてテブコナゾール標準原液を調製する(この液 1 mL はテブコナ

ゾールとして 0.5 mg を含有する。)。 2) フェナリモル標準原液 フェナリモル〔C17H12Cl2N2O〕25 mg を正確に量っ

て 50 mL の褐色全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで

同溶媒を加えフェナリモル標準原液を調製する(この液 1 mL はフェナリモルと

して 0.5 mg を含有する。)。 3) 農薬混合標準液 使用に際して、テブコナゾール及びフェナリモル各標準原

液の一定量を混合し、希釈溶媒で正確に希釈して、1 mL 中にテブコナゾール及

びフェナリモルとしてそれぞれ 0.01~1.0 µg を含有する数点の農薬混合標準液を

調製する。 4) 希釈溶媒 ポリエチレングリコール(平均分子量 400)50 µL を 2,2,4-トリメ

チルペンタン-アセトン(4+1)100 mL に加えて希釈溶媒を調製する。

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342

B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 200 mL の共栓三角フラスコに入れ、アセト

ニトリル-水(3+1)20 mL を加えた後 10 分間静置し、更にアセトニトリル 100 mL を加え、30 分間振り混ぜて抽出する。 300 mL のなす型フラスコをブフナー漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラスコ及び残さを順次アセトニトリル 50 mL で

洗浄し、同様に吸引ろ過する。ろ液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで

減圧濃縮した後、水 20 mL を加えてカラム処理 I に供する試料溶液とする。 カラム処理 I 試料溶液を多孔性ケイソウ土カラム(20 mL 保持用)に入れ、5

分間静置する。300 mL のなす型フラスコをカラムの下に置き、試料溶液の入っ

ていたなす形フラスコをヘキサン 20 mL ずつで 3 回洗浄し、洗液を順次カラム

に加える。液面が充てん剤の上端に達するまで流下してテブコナゾール及びフェ

ナリモルを溶出させ、更にヘキサン 60 mL をカラムに加えて同様に溶出させる。

溶出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを

送って乾固する。シクロヘキサン-アセトン(4+1)10 mL を正確に加えて残留

物を溶かし、メンブランフィルター(孔径 0.5 µm 以下)でろ過し、ゲル浸透ク

ロマトグラフィーに供する試料溶液とする。 ゲル浸透クロマトグラフィー 試料溶液 5.0 mL をゲル浸透クロマトグラフに注

入し、テブコナゾール及びフェナリモルが溶出する画分を 100 mL のなす形フラ

スコに分取し、40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素

ガスを送って乾固する。 ヘキサン 2 mL を加えて残留物を溶かし、カラム処理 II に供する試料溶液とす

る。 ゲル浸透クロマトグラフィー 例

カ ラ ム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 300 mm、粒径 15 µm) ガードカラム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 100 mm、粒径 15 µm) 溶 離 液:シクロヘキサン-アセトン(4+1) 流 速:5 mL/min 分 取 画 分:70~125 mL

カラム処理 II 合成ケイ酸マグネシウムミニカラム(910 mg)をヘキサン 5 mLで洗浄する。 試料溶液をミニカラムに入れ、液面が充てん剤の上端に達するまで流出させる。

試料溶液の入っていたなす形フラスコをヘキサン 2 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液

を順次ミニカラムに加え、同様に流出させる。更にヘキサン-アセトン(19+1)10 mL をミニカラムに加え、同様に流出させる。50 mL のなす型フラスコをミニ

カラムの下に置き、ヘキサン-アセトン(7+3)20 mL をミニカラムに加えてテ

ブコナゾール及びフェナリモルを溶出させる。溶出液を 40 °C 以下の水浴でほと

んど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。

Page 61: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

343

希釈溶媒 2 mL を正確に加えて残留物を溶かし、ガスクロマトグラフ質量分析

計による測定に供する試料溶液とする。 ガスクロマトグラフ質量分析計による測定 試料溶液及び各農薬混合標準液各 2

µL をガスクロマトグラフ質量分析計に注入し、選択イオン検出クロマトグラム

を得る。 測定条件 例

カ ラ ム:溶融石英製キャピラリーカラム(5 %ジフェニル-

95 %ジメチルポリシロキサンコーティング、内径

0.25 mm、長さ 30 m、膜厚 0.25 µm) キ ャ リ ヤ ー ガ ス:He(1.0 mL/min、初期流量) 試 料 導 入 法:スプリットレス(60 s) 試 料 導 入 部 温 度:250 °C カ ラ ム 槽 温 度:初期温度 70 °C(2 min 保持)、昇温 20 °C/min、

280 °C(10 min 保持) 検 出 器:四重極型質量分析計注 1 インターフェース温度:280 °C イ オ ン 源 温 度:200 °C イ オ ン 化 法:電子衝撃イオン化(EI)法 イ オ ン 化 電 圧:70 eV モ ニ タ ー イ オ ン:m/z 250(テブコナゾール)、330(フェナリモル)

計 算 得られた選択イオン検出クロマトグラムからピーク面積を求めて検量

線を作成し、試料中のテブコナゾール量注 2 及びフェナリモル量を算出する。 注 1 GCMS-QP2010(島津製作所製)による条件例

2 試料中のテブコナゾール量が 5 mg/kg を超える場合は、本法では回収率が

低下する可能性があるので、第 1 節 106.3 による試験を行う。 (参考)分析法バリデーション

・添加回収率及び繰返し精度 添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD(%以下)

テブコナゾール ブロイラー肥育後期用配合飼料 50~500 3 86.6~91.9 9.8若令牛育成用配合飼料 50~500 3 99.5~101.0 11.1とうもろこし 50~500 3 90.1~91.9 10.8ライグラス 50~500 3 85.4~87.1 4.7

フェナリモル ブロイラー肥育後期用配合飼料 50~500 3 95.3~98.6 9.0若令牛育成用配合飼料 50~500 3 100.1~102.2 5.1とうもろこし 50~500 3 96.9~101.2 4.6ライグラス 50~500 3 97.6~97.9 3.6

試料の種類 繰返し添加成分名

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344

・共同試験 添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

テブコナゾールブロイラー肥育後期用配合飼料 5 200 89.1 2.1 9.3 0.45大麦 5 200 91.0 6.3 11.6 0.56

フェナリモルブロイラー肥育後期用配合飼料 5 200 92.7 5.4 6.0 0.29大麦 5 200 90.9 7.3 10.2 0.49

HorRat試料の種類試験室

数成分名

・定量下限 テブコナゾール:試料中 5 µg/kg、フェナリモル:試料中 10

µg/kg ・定量上限 テブコナゾール 試料中 5 mg/kg

17 フェンバレレート及びペルメトリンのガスクロマトグラフによる同時分析法

(1) 分析対象化合物 フェンバレレート及びペルメトリン (2) 分析法

A 試薬の調製

1) フェンバレレート標準原液 フェンバレレート〔C25H22ClNO3〕10 mg を正確

に量って 100 mL の褐色全量フラスコに入れ、ヘキサンを加えて溶かし、更に標

線まで同溶媒を加えてフェンバレレート標準原液を調製する(この液 1 mL は、

フェンバレレートとして 0.1 mg を含有する。)。 2) ペルメトリン標準原液 ペルメトリン〔C21H20Cl2O3〕10 mg を正確に量って

100 mL の褐色全量フラスコに入れ、ヘキサンを加えて溶かし、更に標線まで同

溶媒を加えてペルメトリン標準原液を調製する(この液 1 mL は、ペルメトリン

として 0.1 mg を含有する。)。 3) 農薬混合標準液 使用に際して、フェンバレレート及びペルメトリン各標準

原液の一定量を混合し、ヘキサンで正確に希釈し、1 mL 中にフェンバレレート

及びペルメトリンとしてそれぞれ 0.05~1 µg を含有する数点の農薬混合標準液を

調製する。 4) ケイ酸マグネシウム 合成ケイ酸マグネシウム(粒径 149~250 µm(100~60

メッシュ))を 130 °C で 5 時間乾燥する。 B 定 量

抽 出 分析試料 5~10 g を正確に量って 200 mL の共栓三角フラスコに入れ、

アセトニトリル-水(7+3)100 mL を加え、30 分間振り混ぜて抽出する。500 mL のなす形フラスコをブフナー漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸

引ろ過した後、先の三角フラスコ及び残さを順次アセトニトリル-水(7+3)10 mL で 2 回洗浄し、同様に吸引ろ過する。ろ液を 50 °C 以下の水浴で約 30 mL ま

で減圧濃縮し、精製に供する試料溶液とする。 精 製 試料溶液をあらかじめ塩化ナトリウム溶液(10 w/v%)100 mL 及びジ

クロロメタン 30 mL を入れた 300 mL の分液漏斗に加える。試料溶液の入ってい

たなす形フラスコをジクロロメタン 10 mL で 2 回洗浄し、洗液を分液漏斗に合

わせ、5 分間振り混ぜた後静置し、ジクロロメタン層(下層)を三角フラスコに

入れる。分液漏斗にジクロロメタン 50 mL を加え、同様に操作し、ジクロロメ

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345

タン層を先の三角フラスコに合わせる。ジクロロメタン層を適量の硫酸ナトリウ

ム(無水)で脱水し、300 mL のなす形フラスコに分液ろ紙でろ過した後、先の

三角フラスコ及びろ紙を順次少量のジクロロメタンで洗浄し、洗液を先のろ紙を

通してろ液を合わせる。ろ液を 50 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃

縮した後、窒素ガスを送って乾固する。 ヘキサン 10 mL を加えて残留物を溶かし、カラム処理 I に供する試料溶液とす

る。 カラム処理 I ケイ酸マグネシウム 10 g 及び硫酸ナトリウム(無水)3 g をそれ

ぞれヘキサンに懸濁させてカラム管(内径 15 mm)に順次流し込み、液面が充

てん剤の上端から 3 mm の高さに達するまで流出させ、カラムを調製する。 試料溶液をカラムに入れ、液面が充てん剤の上端から 3 mm 高さに達するまで

流出させ、更にヘキサン 90 mL をカラムに加え、同様に流出させる。300 mL の

なす形フラスコをカラムの下に置き、ヘキサン-ジエチルエーテル(7+3)100 mL をカラムに加えてフェンバレレート及びペルメトリンを溶出させる。溶出液

を 50 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って

乾固する。 アセトニトリル 5 mL を加えて残留物を溶かし、更に水 5 mL を加え、カラム

処理 II に供する試料溶液とする。 カラム処理 II オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム(360 mg)を水 10

mL で洗浄する。 試料溶液をメンブランフィルター(孔径 0.5 µm 以下)でろ過し、ミニカラム

に入れる。試料溶液の入っていたなす形フラスコ及びメンブランフィルターを少

量のアセトニトリル-水(1+1)で洗浄し、洗液を先のメンブランフィルターを

通してミニカラムに加え、圧注注 1 して流出させる。アセトニトリル-水(1+1)10 mL をミニカラムに加え、同様に流出させてミニカラムを洗浄する。100 mLのなす形フラスコをミニカラムの下に置き、アセトニトリル 15 mL をミニカラ

ムに加え、圧注注 1 してフェンバレレート及びペルメトリンを溶出させる。溶出

液を 50 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送っ

て乾固する。 ヘキサン 5 mL を正確に加えて残留物を溶かし、ガスクロマトグラフィーに供

する試料溶液とする。 ガスクロマトグラフィー 試料溶液及び各農薬混合標準液各 1 µL をガスクロマ

トグラフに注入し、クロマトグラムを得る。 測定条件 例

検 出 器:電子捕獲検出器 カ ラ ム:キャピラリーカラム(14 %シアノプロピルフェニル-

86 %ジメチルポリシロキサンコーティング、内径 0.25 mm、長さ 30 m、膜厚 0.25 µm)

キャリヤーガス:He(1.5 mL/min) メイクアップガス:N2(60 mL/min)

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346

試 料 導 入 法:スプリットレス(60 s) 試料導入部温度:260 °C カ ラ ム 槽 温 度:初期温度 80 °C(1 min 保持)→昇温 30 °C/min→250 °C

(5 min 保持)→昇温 1 °C/min→280 °C 検 出 器 温 度:300 °C

計 算 得られたクロマトグラムからそれぞれ 2 個ずつのピーク面積の和又は

高さの和を求めて検量線を作成し、試料中のフェンバレレート量及びペルメトリ

ン量を算出する。 注 1 流速は 1~2 mL/min とする。

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(µg/kg) (%) RSD(%以下)

フェンバレレート とうもろこし 50~500 3 88.4~105.5 12.5アルファルファ 50~500 3 91.2~118.9 7.9成鶏飼育用配合飼料 50~500 3 91.7~105.9 9.6

ペルメトリン とうもろこし 50~500 3 86.2~100.9 10.2アルファルファ 50~500 3 95.3~113.9 6.0成鶏飼育用配合飼料 50~500 3 89.1~100.1 16.6

試料の種類繰返し

添加成分名

・共同試験

添加濃度 添加回収率 室内繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

フェンバレレート ブロイラー後期用配合飼料 6 250 95.3 8.1 11.1 0.56ペルメトリン ブロイラー後期用配合飼料 6 250 97.0 6.8 8.3 0.42

HorRat試料の種類試験室数

成分名

・定量下限 試料中 各 50 µg/kg

18 イミダクロプリド、クロチアニジン、ジノテフラン及びチアメトキサムの液体

クロマトグラフタンデム型質量分析計による同時分析法 (1) 分析対象化合物 イミダクロプリド、クロチアニジン、ジノテフラン及び

チアメトキサム(4 成分) (2) 適用範囲 稲わら、稲発酵粗飼料及び籾米 (3) 分析法

A 試薬の調製

1) イミダクロプリド標準原液 イミダクロプリド〔C9H10ClN5O2〕25 mg を正確

に量って 50 mL の全量フラスコに入れ、メタノールを加えて溶かし、更に標線

まで同溶媒を加えてイミダクロプリド標準原液を調製する(この液 1 mL は、イ

ミダクロプリドとして 0.5 mg を含有する。)。 2) クロチアニジン標準原液 クロチアニジン〔C6H8ClN5O2S〕25 mg を正確に

量って 50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで

同溶媒を加えてクロチアニジン標準原液を調製する(この液 1 mL は、クロチア

ニジンとして 0.5 mg を含有する。)。

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347

3) ジノテフラン標準原液 ジノテフラン〔C7H14N4O3〕25 mg を正確に量って

50 mL の全量フラスコに入れ、メタノールを加えて溶かし、更に標線まで同溶媒

を加えてジノテフラン標準原液を調製する(この液 1 mL は、ジノテフランとし

て 0.5 mg を含有する。)。 4) チアメトキサム標準原液 チアメトキサム〔C8H10ClN5O3S〕25 mg を正確に

量って 50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで

同溶媒を加えてチアメトキサム標準原液を調製する(この液 1 mL は、チアメト

キサムとして 0.5 mg を含有する。)。 5) 農薬混合標準液 使用に際して、イミダクロプリド標準原液、クロチアニジ

ン標準原液、ジノテフラン標準原液及びチアメトキサム標準原液の一定量を混合

し、水-メタノール(9+1)で正確に希釈し、1 mL 中に各農薬としてそれぞれ

0.25~100 ng を含有する数点の農薬混合標準液を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 300 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 30 mL(籾米は 20 mL)を加え、30 分間静置後、更にアセトン 120 mL(籾米は 100 mL)を加え、30 分間振り混ぜて抽出する。200 mL の全量フラスコをブフナー

漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラスコ

及び残さを順次アセトン 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。更に全量フラ

スコの標線までアセトンを加える。この液 20 mL を 100 mL のなす形フラスコに

正確に入れ、40 °C 以下の水浴で約 2 mL まで減圧濃縮し、カラム処理 I に供す

る試料溶液とする。 カラム処理 I 試料溶液を多孔性ケイソウ土カラム(5 mL 保持用)注 1 に入れ、

試料溶液の入っていたなす形フラスコを水 2 mL で洗浄し、洗液をカラムに加え

た後、10 分間静置する。先のなす形フラスコをヘキサン 25 mL ずつで 2 回洗浄

し、洗液を順次カラムに加え、液面が充てん剤の上端に達するまで流出させる。

200 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、先のなす形フラスコを酢酸エチ

ル 20 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順次カラムに加え、各農薬を溶出させる。 溶出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガス

を送って乾固する。アセトニトリル 5 mL を加えて残留物を溶かし、カラム処理

II に供する試料溶液とする。 カラム処理 II グラファイトカーボン/アミノプロピルシリル化シリカゲル積層

ミニカラム(500 mg/500 mg)注 2 をアセトニトリル 10 mL で洗浄する。 100 mL のなす形フラスコをミニカラムの下に置き、試料溶液をミニカラムに

入れ、液面が充てん剤の上端に達するまで流下し、各農薬を流出させる。さらに、

試料溶液の入っていたなす形フラスコをアセトニトリル 10 mL ずつで 2 回洗浄

し、洗液を順次ミニカラムに加え、同様に流出させる。 流出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガス

を送って乾固する。水-メタノール(9+1)20 mL を正確に加えて残留物を溶か

し、液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定に供する試料溶液とす

る。

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348

液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定 試料溶液及び各農薬混

合標準液各 5 µL を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計に注入し、選択反

応検出クロマトグラムを得る。 測定条件 例 (液体クロマトグラフ部)

カ ラ ム:オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(内径 2.1 mm、長さ 150 mm、粒径 5 µm)注 3

溶 離 液:5 mmol/L 酢酸アンモニウム溶液-アセトニトリル

(9+1)→15 min→アセトニトリル(2 min 保持) 流 速:0.2 mL/min カ ラ ム 槽 温 度:40 °C

(タンデム型質量分析計部注 4) イ オ ン 化 法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)法(正イオン

モード) イ オ ン 源 温 度:120 °C デソルベーションガス:N2(800 L/h、500 °C) キ ャ ピ ラ リ ー 電 圧:0.5 kV コ ー ン ガ ス:N2(50 L/h) コ ー ン 電 圧:下表のとおり コ リ ジ ョ ン ガ ス:Ar(0.25 mL/min) コリジョンエネルギー:下表のとおり モ ニ タ ー イ オ ン:下表のとおり 表 各農薬のモニターイオン条件

175 - 25 20- 209 25 15

132 - 15 15- 169 15 15

129 - 15 10- 157 15 10

211 - 20 15- 132 20 15

256

250

203

292

イミダクロプリド

クロチアニジン

ジノテフラン

チアメトキサム

コーン電圧(V)

コリジョンエネルギー

(eV)測定対象物質

プリカーサーイオン

(m /z )定量用(m /z )

確認用(m /z )

プロダクトイオン

計 算 得られた選択反応検出クロマトグラムからピーク面積又は高さを求め

て検量線を作成し、試料中の各農薬量を算出する。 注 1 Chem Elut、5 mL(Agilent Technologies 製)又はこれと同等のもの

2 InertSep GC/NH2(ジーエルサイエンス製)又はこれと同等のもの 3 ZORBAX Eclipse XDB-C18(Agilent Technologies 製、本測定条件によるイ

ミダクロプリド、クロチアニジン、ジノテフラン及びチアメトキサムの保

持時間はそれぞれ約 5.7、5.3、3.3 及び 4.7 分)又はこれと同等のもの 4 ACQUITY TQD(Waters 製)による条件例

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349

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率(mg/kg) (%)

0.01 5 83.1 5.910 5 90.3 1.8

0.004 5 90.6 8.03.1 5 91.5 2.00.01 5 97.7 9.01 5 93.0 2.30.01 3 77.5 7.30.02 3 81.6 3.70.2 3 91.0 3.52 3 99.5 2.45 3 88.0 3.60.2 3 91.4 2.62 3 86.5 0.75 3 90.0 3.70.09 3 98.0 3.10.9 3 101 2.72.2 3 83.1 2.70.01 3 80.2 160.02 3 93.0 2.30.2 3 91.6 7.02 3 94.0 1.95 3 87.5 4.50.01 3 82.8 4.80.02 3 89.1 5.40.2 3 95.2 9.12 3 99.0 2.85 3 87.0 4.90.2 3 106 8.92 3 85.0 1.45 3 88.0 4.80.09 3 96.0 3.30.9 3 100 2.22.2 3 84.0 6.60.01 3 76.9 130.02 3 86.8 2.10.2 3 81.5 3.42 3 85.7 2.75 3 89.0 5.7

試料の種類

籾米

繰返し繰返し精度

添加成分名 RSDr (%)

稲わら 3

稲発酵粗飼料

稲わら 2

クロチアニジン

ジノテフラン

稲わら 2

稲わら 3

稲発酵粗飼料

イミダクロプリド

稲わら 1

稲発酵粗飼料

籾米

籾米

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350

・添加回収率及び繰返し精度〔続き〕 添加濃度 添加回収率(mg/kg) (%)

0.01 3 96.1 4.60.02 3 79.8 5.90.2 3 102 6.52 3 105 8.05 3 95.0 3.00.2 3 92.0 8.22 3 96.8 2.35 3 93.0 2.00.09 3 87.9 8.70.9 3 101 2.72.2 3 96.0 2.70.01 3 95.6 6.50.02 3 89.0 2.10.2 3 98.8 5.72 3 95.7 1.45 3 91.0 2.1

繰返し繰返し精度

添加成分名 RSDr (%)

チアメトキサム

稲わら 2

稲わら 3

稲発酵粗飼料

籾米

試料の種類

・共同試験

添加濃度 添加回収率 繰返し精度 室間再現精度

(mg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

稲わら 9 0 0.2 90.4 8.3 14 0.68稲発酵粗飼料 8 1 5 注 94.5 4.2 5.9 0.46籾米 8 1 3 92.3 1.8 4.4 0.32稲わら 8 1 0.2 89.3 3.4 15 0.71稲発酵粗飼料 8 1 5 注 94.4 4.0 6.7 0.53籾米 8 1 3 92.3 3.5 8.9 0.65稲わら 9 0 0.2 92.1 9.5 11 0.52稲発酵粗飼料 9 0 5 注 98.6 3.8 9.0 0.72籾米 9 0 3 93.7 3.5 5.8 0.43

HorRat

クロチアニジン

ジノテフラン

チアメトキサム

成分名有効試験室数

試料の種類棄却試験室数

注 分析試料(風乾物)に対する添加濃度

・定量下限 試料中(稲発酵粗飼料は風乾物中) 各 0.01 mg/kg ・検出下限 イミダクロプリド:試料中(稲発酵粗飼料は風乾物中) 0.004

mg/kg、その他の農薬:試料中(稲発酵粗飼料は風乾物中) 各 0.003 mg/kg

19 カルバリルその他の農薬の液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による同時

分析法 (1) 分析対象化合物 カルバリル、カルボフラン、チアクロプリド、テブフェノ

ジド、フェノブカルブ、フラメトピル、フルジオキソニル及びメトキシフェノジド

(8 成分) (2) 適用範囲 稲わら、稲発酵粗飼料及び籾米 (3) 分析法

A 試薬の調製

農薬混合標準液 カルバリル〔C12H11NO2〕、カルボフラン〔C12H15NO3〕、チア

クロプリド〔C10H9ClN4S〕、テブフェノジド〔C22H28N2O2〕、フェノブカルブ

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351

〔 C12H17NO2 〕 、 フ ラ メ ト ピ ル 〔 C17H20ClN3O2 〕 、 フ ル ジ オ キ ソ ニ ル

〔C12H6F2N2O2〕及びメトキシフェノジド〔C22H28N2O3〕各 25 mg を正確に量っ

てそれぞれ 50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線

まで同溶媒を加えて各農薬標準原液を調製する(これらの液各 1 mL は、各農薬

としてそれぞれ 0.5 mg を含有する。)。 各農薬標準原液各 2 mL(フルジオキソニルは 10 mL)を 100 mL の全量フラスコに

正確に入れ、更に標線までアセトンを加えて農薬混合標準原液を調製する(この

液 1 mL は、各農薬としてそれぞれ 10 µg(フルジオキソニルは 50 µg)を含有す

る。)。 使用に際して、農薬混合標準原液の一定量を、アセトニトリル-水(3+2)で

正確に希釈し、1 mL 中に各農薬としてそれぞれ 0.1~2 ng(フルジオキソニルは

0.5~10 ng)を含有する数点の農薬混合標準液を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 300 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 30 mL(籾米は 20 mL)を加え、30 分間静置後、更にアセトン 120 mL(籾米は 100 mL)を加え、30 分間振り混ぜて抽出する。200 mL の全量フラスコをブフナー

漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラスコ

及び残さを順次アセトン 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。更に全量フラ

スコの標線までアセトンを加える。この液をアセトンで正確に 10 倍希釈した後、

希釈試料溶液 2 mL を 50 mL のなす形フラスコに正確に入れ、水 20 mL を加え、

カラム処理に供する試料溶液とする。 カラム処理注 1 オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム(500 mg)注 2 をア

セトニトリル 5 mL 及び水 5 mL で順次洗浄する。試料溶液をミニカラムに入れ、

液面が充てん剤の上端に達するまで流出させる。更に試料溶液の入っていたなす

形フラスコを水-アセトニトリル(9+1)5 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順次ミ

ニカラムに加え、同様に流出させる。10 mL の全量フラスコをミニカラムの下に

置き、アセトニトリル-水(3+2)10 mL をミニカラムに加え、各農薬を溶出さ

せる注 3。更に全量フラスコの標線まで同溶媒を加え、その液の一定量を 5,000×gで 5 分間遠心分離し、上澄み液を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計によ

る測定に供する試料溶液とする。 液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定 試料溶液及び各農薬混

合標準液各 5 µL を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計に注入し、選択反

応検出クロマトグラムを得る。 測定条件 例 (液体クロマトグラフ部)

カ ラ ム:オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(内径 2.1 mm、長さ 150 mm、粒径 5 µm)注 4

溶 離 液:2 mmol/L 酢酸アンモニウム溶液-アセトニトリル

(4+1)→15 min→(1+9)(5 min 保持) 流 速:0.2 mL/min

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352

カ ラ ム 槽 温 度:40 °C (タンデム型質量分析計部注 5)

イ オ ン 化 法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)法 イ オ ン 源 温 度:120 °C デソルベーション温度:350 °C キ ャ ピ ラ リ ー 電 圧:正イオン 3.5 kV、負イオン 1.0 kV コ ー ン 電 圧:下表のとおり コリジョンエネルギー:下表のとおり モ ニ タ ー イ オ ン:下表のとおり 表 各農薬のモニターイオン条件

プリカーサー コーン コリジョン

イオン 電圧 エネルギー

(m/z ) (m/z ) (m/z ) (V) (eV)

126 - 36 20

- 90 36 36

133 - 18 20

- 105 18 42

157 - 36 32

- 290 36 16

180 - 48 28

- 126 48 28

149 - 18 18

- 133 18 28

145 - 24 11

- 127 24 25

165 - 32 11

- 123 32 23

95 - 28 13

- 77 28 35

農薬名

測定モード

プロダクト

イオン

確認イオン

テブフェノジド + 353

チアクロプリド + 253

フラメトピル + 334

メトキシフェノジド + 369

フルジオキソニル - 247

カルボフラン + 222

カルバリル + 202

フェノブカルブ + 208

計 算 得られた選択反応検出クロマトグラムからピーク面積又は高さを求

めて検量線を作成し、試料中の各農薬量を算出する。 注 1 流速は 1 mL/min 程度とする。必要に応じて吸引マニホールドを使用する。

2 InertSep Slim-J C18-B(ジーエルサイエンス製)又はこれと同等のもの 3 全量フラスコの標線を超えるおそれがあるときは、溶出液が標線に達し

た時点で溶出は終了させる。 4 ZORBAX Eclipse XDB-C18(Agilent Technologies 製)又はこれと同等のも

の 5 ACQUITY TQD(Waters 製)による条件例

Page 71: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

353

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率

(mg/kg) (%)チアクロプリド 1.0 3 88.0 1.7

0.2 3 89.9 2.90.1 3 107 111.0 3 94.2 0.40.2 3 89.3 3.40.1 3 99.1 6.91.0 3 91.7 2.60.2 3 89.5 4.00.1 3 97.0 11

テブフェノジド 1.0 3 89.2 1.00.2 3 92.7 2.60.1 3 102 121.0 3 94.2 1.90.2 3 92.7 3.70.1 3 97.3 1.61.0 3 92.9 2.80.2 3 88.8 2.40.1 3 93.0 7.3

フラメトピル 1.0 3 87.0 4.10.2 3 104 9.80.1 3 103 121.0 3 93.8 3.70.2 3 103 110.1 3 104 121.0 3 93.7 3.00.2 3 87.8 7.40.1 3 111 5.7

フルジオキソニル 0.1 3 92.9 2.60.05 3 104 7.60.1 3 92.0 1.70.05 3 99.3 6.80.1 3 95.9 2.70.05 3 98.9 1.7

メトキシフェノジド 1.0 3 91.6 3.70.2 3 92.5 6.30.1 3 95.3 6.71.0 3 92.9 1.10.2 3 77.1 7.70.1 3 96.7 9.61.0 3 93.2 0.40.2 3 90.7 5.10.1 3 89.8 0.7

添加成分名 試料の種類 繰返し

稲発酵粗飼料

籾米

稲わら

稲発酵粗飼料

籾米

繰返し精度RSDr(%)

稲わら

稲発酵粗飼料

稲わら

籾米

稲わら

稲発酵粗飼料

籾米

稲わら

稲発酵粗飼料

籾米

Page 72: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

354

・添加回収率及び繰返し精度〔続き〕 添加濃度 添加回収率

(mg/kg) (%)カルバリル 1.0 3 96.0 4.0

0.2 3 101 0.80.1 3 103 6.71.0 3 99.4 1.60.2 3 97.7 8.20.1 3 115 111.0 3 99.0 0.70.2 3 90.1 6.20.1 3 106 9.3

カルボフラン 1.0 3 89.0 2.50.2 3 101 8.60.1 3 89.4 111.0 3 96.7 1.80.2 3 96.6 3.00.1 3 92.1 161.0 3 96.3 7.10.2 3 82.5 9.10.1 3 94.4 8.0

フェノブカルブ 1.0 3 86.1 1.70.2 3 103 6.40.1 3 99.1 9.31.0 3 94.3 6.90.2 3 96.3 6.90.1 3 101 2.81.0 3 94.4 3.60.2 3 91.4 7.90.1 3 92.3 13

添加成分名 試料の種類 繰返し繰返し精度

RSDr(%)稲わら

稲発酵粗飼料

籾米

籾米

稲わら

稲発酵粗飼料

籾米

稲わら

稲発酵粗飼料

・共同試験

添加濃度 添加回収率 繰返し精度 室間再現精度

(mg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

チアクロプリド 稲わら 12 0 1.0 99.0 4.5 8.6 0.53籾米 11 1 1.0 103 2.8 5.2 0.33

テブフェノジド 稲わら 11 1 1.0 95.2 5.1 4.7 0.29籾米 12 0 1.0 102 5.1 6.1 0.39

フラメトピル 稲わら 12 0 1.0 98.2 7.6 7.9 0.50籾米 12 0 1.0 100 4.5 9.5 0.60

フルジ 稲わら 12 0 0.1 100 9.8 12 0.55オキソニル 籾米 12 0 0.1 107 3.8 12 0.53メトキシ 稲わら 12 0 1.0 97.3 5.0 7.8 0.49フェノジド 籾米 12 0 1.0 103 5.0 5.9 0.37カルバリル 稲わら 12 0 1.0 97.6 4.4 7.7 0.48

籾米 12 0 1.0 101 4.3 11 0.69カルボフラン 稲わら 12 0 1.0 99.2 4.6 6.1 0.38

籾米 12 0 1.0 102 3.8 7.8 0.49フェノブカルブ 稲わら 12 0 1.0 99.3 5.5 10 0.65

籾米 11 1 1.0 105 5.0 6.2 0.39

HorRat成分名有効試験室数

試料の種類

棄却試験室数

・定量下限 フルジオキソニル:試料中 0.05 mg/kg、その他の農薬:試料中

各 0.1 mg/kg

Page 73: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

355

・検出下限 フルジオキソニル:試料中 0.02 mg/kg、その他の農薬:試料中

各 0.03 mg/kg

20 アゾキシストロビンその他の農薬の液体クロマトグラフタンデム型質量分析計に

よる同時分析法 (1) 分析対象化合物 アゾキシストロビン、イソプロカルブ、ジクロシメット、

ピリミカーブ、プロポキスル、メタラキシル及びメトルカルブ(7 成分) (2) 適用範囲 稲わら、稲発酵粗飼料及び籾米 (3) 分析法

A 試薬の調製

農薬混合標準液 アゾキシストロビン〔C22H17N3O5 〕、イソプロカルブ

〔C11H15NO2〕、ジクロシメット〔C15H18Cl2N2O〕、ピリミカーブ〔C11H18N4O2〕、

プロポキスル〔C11H15NO3〕、メタラキシル〔C15H21NO4〕及びメトルカルブ

〔C9H11NO2〕各 25 mg を正確に量ってそれぞれ 50 mL の全量フラスコに入れ、

アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶媒を加えて各農薬標準原液を調製す

る(これらの液各 1 mL は、各農薬としてそれぞれ 0.5 mg を含有する。)。 各農薬標準原液の一定量を混合し、アセトンで正確に希釈し、1 mL 中に各農

薬としてそれぞれ 10 µg を含有する農薬混合標準原液を調製する。 使用に際して、農薬混合標準原液の一定量を、アセトニトリル-水(3+2)で

正確に希釈し、1 mL 中に各農薬としてそれぞれ 0.25~20 ng を含有する数点の農

薬混合標準液を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 300 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 30 mL(籾米は 20 mL)を加え、30 分間静置後、更にアセトン 120 mL(籾米は 100 mL)を加え、30 分間振り混ぜて抽出する。200 mL の全量フラスコをブフナー

漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラスコ

及び残さを順次アセトン 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。更に全量フラ

スコの標線までアセトンを加える。この液をアセトンで正確に 10 倍希釈した後、

希釈試料溶液 2 mL を 50 mL のなす形フラスコに正確に入れ、水 20 mL を加え、

カラム処理 I に供する試料溶液とする。 カラム処理 I 注 1 オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム(500 mg)注 2 を

アセトニトリル 5 mL 及び水 5 mL で順次洗浄する。試料溶液をミニカラムに入

れ、液面が充てん剤の上端に達するまで流出させる。更に試料溶液の入っていた

なす形フラスコを水-アセトニトリル(9+1)5 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順

次ミニカラムに加え、同様に流出させる。10 mL の全量フラスコをミニカラムの

下に置き、アセトニトリル-水(3+2)10 mL をミニカラムに加え、各農薬を溶

出させる注 3。更に全量フラスコの標線まで同溶媒を加え、この液 5 mL を 50 mLのなす形フラスコに正確に入れ、40 °C 以下の水浴で約 2 mL まで減圧濃縮し、

カラム処理 II に供する試料溶液とする。 カラム処理 II 注 1 試料溶液に水 2 mL を加え、これを多孔性ケイソウ土カラム

Page 74: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

356

(5 mL 保持用)注 4 に入れ、10 分間静置する。100 mL のなす形フラスコをカラ

ムの下に置き、試料溶液の入っていたなす形フラスコを酢酸エチル 5 mL ずつで

4 回洗浄し、洗液を順次カラムに加え、液面が充てん剤の上端に達するまで流下

して各農薬を溶出させる。更に同溶媒 10 mL をカラムに加えて同様に溶出させ、

溶出液を 40 °C 以下の水浴で約 1 mL まで減圧濃縮し、窒素ガスを送って乾固す

る。アセトニトリル-トルエン(3+1)5 mL を加えて残留物を溶かし、カラム処

理 III に供する試料溶液とする。 カラム処理 III 注 1 グラファイトカーボン/アミノプロピルシリル化シリカゲル

積層ミニカラム(500 mg/500 mg)注 5 をアセトニトリル-トルエン(3+1)10 mL で洗浄する。100 mL のなす形フラスコをミニカラムの下に置き、試料溶液

をミニカラムに入れ、液面が充てん剤の上端に達するまで流下して各農薬を流出

させる。試料溶液の入っていたなす形フラスコをアセトニトリル-トルエン

(3+1)5 mL ずつで 3 回洗浄し、洗液を順次ミニカラムに加え、同様に流出させ

る。流出液を 40 °C 以下の水浴で約 1 mL まで減圧濃縮し、窒素ガスを送って乾

固する。アセトニトリル-水(3+2)1 mL を正確に加えて残留物を溶かし、

5,000×g で 5 分間遠心分離し、上澄み液を液体クロマトグラフタンデム型質量分

析計による測定に供する試料溶液とする。また、試料が稲わらである場合は、更

に試料溶液の一定量をアセトニトリル-水(3+2)で正確に 10 倍希釈し、アゾ

キシストロビン及びジクロシメットの定量に用いる。 液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定 試料溶液及び各農薬混

合標準液各 5 µL を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計に注入し、選択反

応検出クロマトグラムを得る。 測定条件 例 (液体クロマトグラフ部)

カ ラ ム:オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(内径 2.1 mm、長さ 150 mm、粒径 5 µm)注 6

溶 離 液:2 mmol/L 酢酸アンモニウム溶液-アセトニトリル

(4+1)→15 min→(1+9)(5 min 保持) 流 速:0.2 mL/min カ ラ ム 槽 温 度:40 °C

(タンデム型質量分析計部注 7) イ オ ン 化 法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)法(正イオン

モード) イ オ ン 源 温 度:120 °C デソルベーション温度:350 °C キ ャ ピ ラ リ ー 電 圧:3.5 kV コ ー ン 電 圧:下表のとおり コリジョンエネルギー:下表のとおり モ ニ タ ー イ オ ン:下表のとおり

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357

表 各農薬のモニターイオン条件 プリカーサー プロダクト 確認 コーン コリジョン

イオン イオン イオン 電圧 エネルギー

(m /z ) (m/z ) (m/z ) (V) (eV)372 20 15

344 20 2595 30 15

137 30 10173 35 23

137 35 47182 35 15

72 35 20111 25 15

93 25 25220 30 15

192 30 20109 11 15

94 11 43

農薬名

アゾキシストロビン 404

イソプロカルブ 194

メタラキシル 280

ジクロシメット 313

メトルカルブ 166

ピリミカーブ 239

プロポキスル 210

計 算 得られた選択反応検出クロマトグラムからピーク面積又は高さを求め

て検量線を作成し、試料中の各農薬量を算出する。 注 1 流速は 1 mL/min 程度とする。必要に応じて吸引マニホールドを使用する。

2 InertSep Slim-J C18-B(ジーエルサイエンス製)又はこれと同等のもの 3 全量フラスコの標線を超えるおそれがあるときは、溶出液が標線に達し

た時点で溶出は終了させる。 4 Chem Elut(Agilent Technologies 製)又はこれと同等のもの 5 ENVI-Carb/LC-NH2(Supelco 製)又はこれと同等のもの 6 Inertsil ODS-SP(ジーエルサイエンス製)又はこれと同等のもの 7 Quattro Premier XE (Waters 製)による条件例

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率、繰返し精度、定量下限及び検出下限

添加濃度 定量下限 検出下限

(mg/kg) (mg/kg) (mg/kg)アゾキシ 稲わら 5.0 3 89.1 2.1 1.0 0.3ストロビン 1.0 3 106 1.7

稲発酵粗飼料 1.0 3 81.4 110.1 3 104 18

籾米 2.0 3 97.2 3.40.1 3 119 14

イソプロカルブ 稲わら 1.0 3 81.0 6.30.1 3 93.6 8.8

稲発酵粗飼料 1.0 3 83.5 5.40.1 3 105 6.3

籾米 1.0 3 87.2 5.40.1 3 107 6.8

0.1 0.03

0.1 0.03

添加回収率

(%)

繰返し精度

RSDr (%)添加成分名 試料の種類 繰返し

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358

・添加回収率、繰返し精度、定量下限及び検出下限〔続き〕 添加濃度 定量下限 検出下限

(mg/kg) (mg/kg) (mg/kg)ジクロシメット 稲わら 15 3 94.8 6.8 1.0 0.3

1.0 3 101 11稲発酵粗飼料 1.0 3 82.1 8.6

0.1 3 90.7 7.5籾米 1.0 3 102 16

0.1 3 91.0 9.1ピリミカーブ 稲わら 1.0 3 88.8 4.0

0.1 3 90.5 2.4稲発酵粗飼料 1.0 3 88.5 8.8

0.1 3 110 2.7籾米 1.0 3 96.7 1.3

0.1 3 113 5.0プロポキスル 稲わら 1.0 3 82.3 3.1

0.1 3 85.4 4.5稲発酵粗飼料 1.0 3 93.0 6.9

0.1 3 110 15籾米 1.0 3 96.7 1.3

0.1 3 114 10メタラキシル 稲わら 1.0 3 91.3 3.9

0.04 3 90.7 3.6稲発酵粗飼料 1.0 3 81.8 8.1

0.04 3 114 1.7籾米 1.0 3 101 5.4

0.04 3 103 6.8メトルカルブ 稲わら 1.0 3 76.2 19

0.4 3 85.6 2.1稲発酵粗飼料 1.0 3 89.2 11

0.4 3 95.2 11籾米 1.0 3 82.0 17

0.4 3 94.9 6.4

0.03

0.4 0.1

0.04 0.01

0.1 0.03

0.1 0.03

0.1

添加回収率

(%)

繰返し精度

RSDr (%)添加成分名 試料の種類 繰返し

・共同試験

添加濃度 添加回収率 繰返し精度 室間再現精度

(mg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

稲わら 9 0 5.0 79.5 8.0 11 0.90籾米 9 0 2.0 84.3 8.8 8.8 0.61稲わら 9 0 1.0 83.5 7.3 15 0.94籾米 9 0 1.0 83.3 3.9 14 0.90稲わら 9 0 15.0 84.0 6.3 10 0.97籾米 8 1 1.0 85.0 8.0 9.5 0.59稲わら 9 0 1.0 97.0 4.6 12 0.76籾米 9 0 1.0 102 5.0 6.3 0.39稲わら 9 0 1.0 86.3 6.6 13 0.80籾米 9 0 1.0 85.1 5.9 10 0.65稲わら 7 2 1.0 94.2 3.4 5.3 0.33籾米 9 0 1.0 99.5 3.5 7.7 0.48稲わら 7 2 1.0 78.8 7.8 6.6 0.41籾米 9 0 1.0 74.5 5.7 12 0.76

ピリミカーブ

プロポキスル

メタラキシル

メトルカルブ

HorRat

アゾキシストロビン

イソプロカルプ

ジクロシメット

成分名有効試験室数

試料の種類棄却試験室数

21 アルジカルブ及びその代謝物の液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による

同時分析法 (1) 分析対象化合物 アルジカルブ、アルジカルブスルホキシド及びアルジカル

ブスルホン注 1(3 成分) (2) 適用範囲 穀類及び乾牧草

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359

(3) 分析法 A 試薬の調製

1) アルジカルブ標準原液 アルジカルブ〔C7H14N2O2S〕25 mg を正確に量って

50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶媒を

加えてアルジカルブ標準原液を調製する(この液 1 mL は、アルジカルブとして

0.5 mg を含有する。)。 2) アルジカルブスルホキシド標準原液 アルジカルブスルホキシド

〔C7H14N2O3S〕25 mg を正確に量って 50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを

加えて溶かし、更に標線まで同溶媒を加えてアルジカルブスルホキシド標準原液

を調製する(この液 1 mL は、アルジカルブスルホキシドとして 0.5 mg を含有

する。) 3) アルジカルブスルホン標準原液 アルジカルブスルホン〔C7H14N2O4S〕25

mg を正確に量って 50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更

に標線まで同溶媒を加えてアルジカルブスルホン標準原液を調製する(この液 1 mL は、アルジカルブスルホンとして 0.5 mg を含有する。)。

4) 農薬混合標準液 使用に際して、アルジカルブ標準原液、アルジカルブスル

ホキシド標準原液及びアルジカルブスルホン標準原液の一定量を混合し、メタノ

ールで正確に希釈し、1 mL 中に各農薬としてそれぞれ 0.0002~0.1 µg を含有する

数点の農薬混合標準液を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 300 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 20 mL(乾牧草は 30 mL)を加え、30 分間静置後、更にアセトン 100 mL(乾牧草は

120 mL)を加え、30 分間振り混ぜて抽出する。200 mL の全量フラスコをブフナ

ー漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラス

コ及び残さを順次アセトン 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。更に全量フ

ラスコの標線までアセトンを加える。この液 4 mL(乾牧草は、更にアセトン

で正確に 10 倍希釈した後、その液 4 mL)を 50 mL のなす形フラスコに正確に

入れ、40 °C 以下の水浴で約 1 mL まで減圧濃縮し、カラム処理 I に供する試料

溶液とする。 カラム処理 I 試料溶液に塩化ナトリウム 1 g 及び水 2 mL を加え、これを多孔

性ケイソウ土カラム(5 mL 保持用)注 2 に入れ、10 分間静置する。200 mL のな

す形フラスコをカラムの下に置き、試料溶液の入っていたなす形フラスコを酢酸

エチル 5 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順次カラムに加え、液面が充てん剤の上

端に達するまで流下して各農薬を溶出させる。更に同溶媒 80 mL をカラムに加

えて同様に溶出させ、溶出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃

縮した後、窒素ガスを送って乾固する。 アセトニトリル 5 mL を加えて残留物を溶かし、カラム処理 II に供する試料溶

液とする。 カラム処理 II グラファイトカーボン/アミノプロピルシリル化シリカゲル積

層ミニカラム(500 mg/500 mg)注 3 をアセトニトリル 10 mL で洗浄する。

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360

50 mL のなす形フラスコをミニカラムの下に置き、試料溶液をミニカラムに入れ、

液面が充てん剤の上端に達するまで流下して各農薬を流出させる。次に、試料溶

液の入っていたなす形フラスコをアセトニトリル 5 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液

を順次ミニカラムに加え、同様に流出させる。更に、アセトニトリル 5 mL をミ

ニカラムに加えて同様に流出させ、流出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固す

るまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。 メタノール 1 mL を正確に加えて残留物を溶かし、5,000×g で 5 分間遠心分離

し、上澄み液を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定に供する試

料溶液とする。 液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定 試料溶液及び各農薬混

合標準液各 2 µL を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計に注入し、選択反

応検出クロマトグラムを得る。 測定条件 例 (液体クロマトグラフ部)

カ ラ ム:オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(内径 2.1 mm、長さ 150 mm、粒径 5 µm)注 4

溶 離 液:2 mmol/L 酢酸アンモニウム溶液-メタノール

(17+3)(2 min 保持)→ 10 min →(1+9)(3 min 保持)

流 速:0.2 mL/min カ ラ ム 槽 温 度:40 °C

(タンデム型質量分析計部注 5) イ オ ン 化 法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)法(正イオン

モード) イ オ ン 源 温 度:150 °C デソルベーション温度:250 °C キ ャ ピ ラ リ ー 電 圧:0.8 kV コ ー ン 電 圧:下表のとおり コリジョンエネルギー:下表のとおり モ ニ タ ー イ オ ン:下表のとおり 表 各物質のモニターイオン条件

(m /z ) (m /z ) (m/z ) (V) (eV)116 - 6

- 89 18132 - 6

- 89 1286 - 8- 148 16

アルジカルブスルホン

223 25

アルジカルブ 208 10

アルジカルブスルホキシド

207 20

コリジョン

エネルギー農薬名プリカーサー

イオン

プロダクト

イオン

確認

イオン

コーン

電圧

計 算 得られた選択反応検出クロマトグラムからアルジカルブスルホンの

ピーク面積又は高さを求めて検量線を作成し、試料中のアルジカルブスルホン量

Page 79: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

361

を算出する。 同様に、アルジカルブ及びアルジカルブスルホキシドのピーク面積又は高さを

求めて検量線を作成し、試料溶液中のアルジカルブ及びアルジカルブスルホキシ

ドのそれぞれの量を求めた後、次式により試料中のアルジカルブ量を算出する。 試料中のアルジカルブ量(mg/kg)=(A + B × 0.922)×5 注 6

A:検量線から求めた試料溶液中のアルジカルブの濃度(µg / mL) B:検量線から求めた試料溶液中のアルジカルブスルホキシドの濃度

(µg/mL) 注 1 アルジカルブスルホキシド及びアルジカルブスルホンはアルジカルブの酸

化代謝体である。 2 InertSep K-solute 5 mL (ジーエルサイエンス製)又はこれと同等のもの 3 InertSep GC/NH2(ジーエルサイエンス製)又はこれと同等のもの 4 ZORBAX Eclipse XDB-C18(Agilent Technologies 製、本測定条件によるア

ルジカルブ、アルジカルブスルホキシド及びアルジカルブスルホンの保持

時間はそれぞれ約 9.4、4.7 及び 5.3 分)又はこれと同等のもの 5 ACQUITY TQD(Waters 製)による条件例 6 乾牧草にあっては 50 を乗じる。

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(mg/kg) (%) RSDr (%)アルジカルブ 0.05 3 81.3 8.3

0.01 3 101 5.90.005 3 83.9 8.80.002 3 104 6.00.02 3 81.7 3.70.01 3 93.7 1.60.005 3 97.3 4.50.002 3 90.5 4.81 3 104 4.50.05 3 118 130.02 3 88.3 160.05 3 95.9 1.60.01 3 97.2 6.80.005 3 105 3.50.002 3 95.8 7.80.02 3 93.7 2.20.01 3 97.4 4.10.005 3 96.2 5.00.002 3 88.2 171 3 91.1 1.60.05 3 89.5 7.70.02 3 82.0 6.5

とうもろこし

スーダングラス乾草

とうもろこし

小麦

スーダングラス乾草

小麦

添加成分名 試料の種類 繰返し

アルジカルブスルホキシド

Page 80: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

362

・添加回収率及び繰返し精度〔続き〕 添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(mg/kg) (%) RSDr (%)0.05 3 99.6 1.40.01 3 93.6 6.00.005 3 96.7 120.002 3 84.5 4.50.02 3 98.7 4.70.01 3 88.5 6.00.005 3 96.5 3.50.002 3 101 191 3 95.6 2.40.05 3 84.7 120.02 3 91.2 2.2

小麦

スーダングラス乾草

添加成分名 試料の種類 繰返し

アルジカルブスルホン

とうもろこし

・共同試験

有効試 添加濃度 添加回収率 繰返し精度 室間再現精度

験室数 (mg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)アルジカルブ とうもろこし 8 0.02 103 5.5 11 0.50

小麦 8 0.01 90.9 9.2 14 0.63スーダングラス乾草 8 0.1 105 5.7 8.2 0.37とうもろこし 8 0.02 96.0 7.5 8.4 0.38小麦 8 0.01 97.9 3.4 5.0 0.23スーダングラス乾草 8 0.1 93.0 4.1 6.5 0.30とうもろこし 8 0.02 102 4.4 7.2 0.33小麦 8 0.01 98.2 6.5 7.5 0.34スーダングラス乾草 8 0.1 93.6 8.8 11 0.50

成分名 試料の種類 HorRat

アルジカルブスルホキシド

アルジカルブスルホン

・定量下限 試料中 各 0.002 mg/kg(乾牧草各 0.02 mg/kg) ・検出下限 試料中 各 0.0006 mg/kg(乾牧草各 0.006 mg/kg)

22 オリサストロビンその他の農薬の液体クロマトグラフタンデム型質量分析計によ

る同時分析法 (1) 分析対象化合物 オリサストロビン、オリサストロビン 5Z 異性体、クミル

ロン、シメコナゾール、シメトリン、ダイムロン、テニルクロール、パクロブト

ラゾール、ピリミノバックメチル(E 体)、ピリミノバックメチル(Z 体)、フェ

ノキサニル、ペンシクロン、ベンゾフェナップ及びメプロニル(14 成分) (2) 適用範囲 稲わら、稲発酵粗飼料及び籾米 (3) 分析法

A 試薬の調製

農薬混合標準液 オリサストロビン〔C18H25N5O5〕、オリサストロビン 5Z 異性

体 〔 C18H25N5O5 〕 、 ク ミ ル ロ ン 〔 C17H19ClN2O 〕 、 シ メ コ ナ ゾ ー ル

〔C14H20FN3OSi〕、シメトリン〔C8H15N5S〕、ダイムロン〔C17H20N2O〕、テニ

ルクロール〔C16H18ClNO2S〕、パクロブトラゾール〔C15H20ClN3O〕、ピリミノ

バックメチル(E 体)〔C17H19N3O6 〕、ピリミノバックメチル( Z 体)

〔 C17H19N3O6 〕 、 フ ェ ノ キ サ ニ ル 〔 C15H18Cl2N2O2 〕 、 ペ ン シ ク ロ ン

〔 C19H21ClN2O 〕 、 ベ ン ゾ フ ェ ナ ッ プ 〔 C22H20Cl2N2O3 〕 及 び メ プ ロ ニ ル

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363

〔C17H19NO2〕各 25 mg を正確に量ってそれぞれ 50 mL の全量フラスコに入れ、

アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶媒を加えて各農薬標準原液を調製す

る(これらの液各 1 mL は、各農薬としてそれぞれ 0.5 mg を含有する。)。 各農薬標準原液の一定量を混合し、アセトンで正確に希釈し、1 mL 中に各農

薬としてそれぞれ 10 µg を含有する農薬混合標準原液を調製する。 使用に際して、農薬混合標準原液の一定量を、アセトニトリル-水(3+2)で

正確に希釈し、1 mL 中に各農薬としてそれぞれ 0.1~5 ng を含有する数点の農薬

混合標準液を調製する。 また、パクロブトラゾールは、上記農薬混合標準液に加えて、別途 1 mL 中に

パクロブトラゾールとして 0.05~5 ng を含有する数点のパクロブトラゾール標準

液を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 200 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 30 mL(籾米は 20 mL)を加え、30 分間静置後、更にアセトン 120 mL(籾米は 100 mL)を加え、30 分間振り混ぜて抽出する。200 mL の全量フラスコをブフナー

漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラスコ

及び残さを順次アセトン 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。更に全量フラ

スコの標線までアセトンを加える。この液をアセトンで正確に 10 倍希釈した後、

希釈試料溶液 2 mL を 50 mL のなす形フラスコに正確に入れ、水 20 mL を加えて、

カラム処理に供する試料溶液とする。 カラム処理注 1 オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム(500 mg)注 2 をア

セトニトリル 5 mL 及び水 5 mL で順次洗浄する。試料溶液をミニカラムに入れ、

液面が充てん剤の上端に達するまで流出させる。更に試料溶液の入っていたなす

形フラスコを水-アセトニトリル(9+1)5 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順次ミ

ニカラムに加え、同様に流出させる。10 mL の全量フラスコをミニカラムの下に

置き、アセトニトリル-水(3+2)10 mL をミニカラムに加え、各農薬を溶出さ

せる注 3。更に全量フラスコの標線まで同溶媒を加え、その液の一定量を 5,000×gで 5 分間遠心分離し、上澄み液を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計によ

る測定に供する試料溶液とする。 液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定 試料溶液及び各農薬混合

標準液各 5 µL を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計に注入し、選択反応

検出クロマトグラムを得る。 測定条件 例 (液体クロマトグラフ部)

カ ラ ム:オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(内径 2.1 mm、長さ 150 mm、粒径 5 µm)注 4

溶 離 液:2 mmol/L 酢酸アンモニウム溶液-アセトニトリル

(4+1)→15 min→(1+9)(5 min 保持) 流 速:0.2 mL/min カ ラ ム 槽 温 度:40 °C

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364

(タンデム型質量分析計部注 5) イ オ ン 化 法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)法(正イオン

モード) イ オ ン 源 温 度:120 °C デソルベーション温度:350 °C キ ャ ピ ラ リ ー 電 圧:1.0 kV コ ー ン 電 圧:下表のとおり コリジョンエネルギー:下表のとおり モ ニ タ ー イ オ ン:下表のとおり 表 各物質のモニターイオン条件

プリカーサー プロダクト コーン コリジョン

イオン イオン 電圧 エネルギー

(m/z ) (m/z ) (m/z ) (V) (eV)205 - 31 16

- 116 31 29205 - 31 16

- 116 31 29185 - 30 12

- 125 30 3670 - 36 18- 73 36 40

68 - 44 32- 124 44 18

151 - 24 14- 91 24 36

127 - 18 20- 53 18 60

70 - 36 18- 125 36 42

330 - 28 12- 284 28 32

330 - 28 14- 75 28 110

302 - 32 12- 86 32 24

125 - 36 24- 89 36 60

105 - 48 30- 119 48 20

119 - 34 22- 91 34 44

メプロニル 270

ペンシクロン 329

ベンゾフェナップ 431

ピリミノバックメチル(Z体)

362

フェノキサニル 329

パクロブトラゾール 294

ピリミノバックメチル(E体)

362

テニルクロール 324

シメコナゾール 294

シメトリン 214

クミルロン 303

農薬成分名

ダイムロン 269

確認イオン

オリサストロビン 392

オリサストロビン5Z異性体

392

計 算 得られた選択反応検出クロマトグラムからピーク面積又は高さを求め

て検量線を作成し、試料中の各農薬量(オリサストロビン及びピリミノバックメ

チルを除く)を算出する。 試料中のオリサストロビンは得られたクロマトグラムからピーク面積又は高さ

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365

を求めて検量線を作成し、試料中のオリサストロビン量及びオリサストロビン

5Z 異性体量を算出し、その合量をオリサストロビン量とする。 同様に、試料中のピリミノバックメチルは得られたクロマトグラムからピーク

面積又は高さを求めて検量線を作成し、試料中のピリミノバックメチル(E 体)

量及びピリミノバックメチル(Z 体)量を算出し、その合量をピリミノバックメ

チル量とする。 注 1 流速は 1 mL/min 程度とする。必要に応じて吸引マニホールドを使用する。

2 InertSep Slim-J C18-B(ジーエルサイエンス製)又はこれと同等のもの 3 全量フラスコの標線を越えるおそれがあるときは、溶出液が標線に達し

た時点で溶出は終了させる。また、流速が維持できない場合は、必要に応

じて二連球等により圧注する。 4 ZORBAX Eclipse XDB-C18(Agilent Technologies 製)又はこれと同等のも

の 5 ACQUITY TQD(Waters 製)による条件例

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(mg/kg) (%) RSDr(%)オリサストロビン 稲わら 0.1 3 81.1 3.5

1.0 3 90.3 0.85.0 3 92.3 1.2

稲発酵粗飼料 0.1 3 92.4 0.80.5 3 96.0 1.91.0 3 98.4 2.8

籾米 0.1 3 101 2.80.5 3 94.0 4.41.0 3 99.8 2.5

オリサストロビン 稲わら 0.1 3 86.5 5.65Z異性体 1.0 3 92.2 5.7

5.0 3 91.5 0.5稲発酵粗飼料 0.1 3 73.8 12

0.5 3 99.7 4.91.0 3 98.6 2.4

籾米 0.1 3 94.5 160.5 3 96.2 1.71.0 3 100 0.5

クミルロン 稲わら 0.1 3 84.2 141.0 3 93.9 1.72.0 3 99.0 2.3

稲発酵粗飼料 0.1 3 86.9 140.5 3 92.2 2.31.0 3 100 2.8

籾米 0.1 3 91.3 0.80.5 3 93.9 4.71.0 3 105 4.3

添加成分名 試料の種類 繰返し

Page 84: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

366

・添加回収率及び繰返し精度〔続き〕 添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(mg/kg) (%) RSDr(%)シメコナゾール 稲わら 0.1 3 83.5 7.3

0.5 3 90.1 0.71.0 3 86.0 1.0

稲発酵粗飼料 0.1 3 85.2 3.20.5 3 93.7 6.51.0 3 95.8 2.1

籾米 0.1 3 93.1 0.50.5 3 98.1 3.71.0 3 98.6 1.9

シメトリン 稲わら 0.1 3 86.4 4.70.5 3 89.1 4.71.0 3 92.4 2.0

稲発酵粗飼料 0.1 3 100 4.80.5 3 96.1 3.01.0 3 94.1 2.5

籾米 0.1 3 84.7 7.00.5 3 94.0 5.71.0 3 96.8 3.9

ダイムロン 稲わら 0.1 3 83.9 5.50.5 3 90.5 3.91.0 3 94.4 1.6

稲発酵粗飼料 0.1 3 97.8 130.5 3 95.8 4.01.0 3 99.2 2.3

籾米 0.1 3 99.7 3.30.5 3 96.8 8.61.0 3 101 3.8

テニルクロール 稲わら 0.1 3 106 4.30.5 3 91.3 4.61.0 3 90.1 1.6

稲発酵粗飼料 0.1 3 109 5.60.5 3 94.8 5.61.0 3 93.4 6.5

籾米 0.1 3 92.3 9.30.5 3 100 6.31.0 3 94.1 1.9

パクロブトラゾール 稲わら 0.05 3 97.9 160.5 3 87.6 4.11.0 3 90.5 4.7

稲発酵粗飼料 0.05 3 105 2.60.5 3 94.8 3.71.0 3 98.4 1.2

籾米 0.05 3 105 3.50.5 3 93.8 4.41.0 3 96.7 0.6

添加成分名 試料の種類 繰返し

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367

・添加回収率及び繰返し精度〔続き〕 添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(mg/kg) (%) RSDr(%)ピリミノバックメチル 稲わら 0.1 3 87.8 13(E体) 0.5 3 91.0 2.0

1.0 3 90.8 1.5稲発酵粗飼料 0.1 3 101 8.8

0.5 3 99.3 1.11.0 3 99.5 1.3

籾米 0.1 3 98.0 8.70.5 3 100 3.01.0 3 101 1.7

ピリミノバックメチル 稲わら 0.1 3 96.8 2.0(Z体) 0.5 3 88.8 8.2

1.0 3 93.8 2.9稲発酵粗飼料 0.1 3 90.8 10

0.5 3 93.2 111.0 3 98.7 2.4

籾米 0.1 3 95.2 3.80.5 3 98.6 5.41.0 3 97.6 2.6

フェノキサニル 稲わら 0.1 3 109 141.0 3 92.4 4.2

30 3 94.3 1.9稲発酵粗飼料 0.1 3 109 7.2

1.0 3 95.0 3.23.0 3 104 1.9

籾米 0.1 3 91.8 9.61.0 3 98.3 3.2

10 3 110 1.3ペンシクロン 稲わら 0.1 3 98.0 7.1

1.0 3 85.2 3.830 3 89.2 11

稲発酵粗飼料 0.1 3 97.3 2.20.5 3 90.9 2.71.0 3 82.8 2.8

籾米 0.1 3 83.5 9.31.0 3 90.7 1.4

10 3 107 0.3ベンゾフェナップ 稲わら 0.1 3 92.5 3.7

0.5 3 89.1 4.91.0 3 88.5 1.0

稲発酵粗飼料 0.1 3 95.0 4.20.5 3 93.8 4.31.0 3 88.4 7.6

籾米 0.1 3 96.2 7.70.5 3 93.5 5.91.0 3 99.1 2.7

添加成分名 試料の種類 繰返し

Page 86: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

368

・添加回収率及び繰返し精度〔続き〕 添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(mg/kg) (%) RSDr(%)メプロニル 稲わら 0.1 3 88.4 9.0

1.0 3 95.0 1.525 3 98.3 2.0

稲発酵粗飼料 0.1 3 85.4 7.70.5 3 95.0 6.71.0 3 99.3 2.8

籾米 0.1 3 92.8 2.41.0 3 98.3 3.47.0 3 108 3.8

添加成分名 試料の種類 繰返し

・共同試験

添加濃度 添加回収率 繰返し精度 室間再現精度

(mg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

稲わら 8 2 2 93.4 3.3 4.6 0.32籾米 10 0 2 96.4 3.6 5.8 0.40稲わら 8 2 2 94.1 3.0 3.9 0.27籾米 10 0 2 96.8 4.0 6.6 0.45稲わら 8 2 2 94.1 6.1 5.9 0.41籾米 10 0 2 95.6 3.9 5.6 0.39稲わら 8 2 2 89.7 3.9 5.0 0.34籾米 10 0 2 93.5 4.1 6.7 0.46稲わら 9 1 2 93.7 4.0 6.4 0.44籾米 9 1 2 93.1 1.5 8.4 0.57稲わら 8 2 2 94.0 2.1 4.7 0.32籾米 10 0 2 96.3 2.1 6.8 0.47稲わら 10 0 2 97.8 3.6 9.3 0.64籾米 10 0 2 97.7 3.0 4.9 0.34稲わら 8 2 2 91.1 1.8 3.6 0.25籾米 10 0 2 93.7 2.4 4.2 0.29稲わら 8 2 2 93.8 3.4 4.7 0.32籾米 10 0 2 96.1 2.9 5.1 0.35稲わら 8 2 2 94.3 3.0 5.8 0.40籾米 10 0 2 95.7 3.1 6.9 0.47稲わら 9 1 2 89.9 3.3 7.2 0.49籾米 10 0 2 93.8 3.8 7.9 0.54稲わら 9 1 2 94.6 2.4 5.7 0.39籾米 10 0 2 96.1 1.8 6.4 0.44稲わら 9 1 2 92.6 3.1 4.8 0.33籾米 10 0 2 93.5 2.4 6.7 0.46稲わら 9 1 2 96.4 3.6 5.3 0.36籾米 10 0 2 96.5 3.5 4.9 0.34

メプロニル

パクロブトラゾール

ピリミノバックメチル(E体)

ピリミノバックメチル(Z体)

フェノキサニル

ペンシクロン

ベンゾフェナップ

HorRat

オリサストロビン

テニルクロール

成分名 試料の種類有効試験室数

棄却試験室数

オリサストロビン5Z異性体

クミルロン

シメコナゾール

シメトリン

ダイムロン

・定量下限 パクロブトラゾール:試料中 0.05 mg/kg、その他の農薬:試料

中 各 0.1 mg/kg ・検出下限 パクロブトラゾール:試料中 0.02 mg/kg、その他の農薬:試料

中 各 0.03 mg/kg

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369

23 グルホシネート及びその代謝物の液体クロマトグラフタンデム型質量分析計によ

る同時分析法 (1) 分析対象化合物 グルホシネート(N-アセチルグルホシネート注 1 を含む。)

及び 3-メチルホスフィニコプロピオン酸(2 成分) (2) 適用範囲 穀類(小麦を除く。)、乾牧草及び稲わら (3) 分析法

A 試薬の調製

1) グルホシネート標準原液 グルホシネート〔C5H15N2O4P〕25 mg を正確に量

って 25 mL の全量フラスコに入れ、水を加えて溶かし、更に標線まで水を加え

てグルホシネート標準原液を調製する(この液 1 mL は、グルホシネートとして

1 mg を含有する。)。 2) 3-メチルホスフィニコプロピオン酸標準原液 3-メチルホスフィニコプロピ

オン酸〔C4H9O4P〕25 mg を正確に量って 25 mL の全量フラスコに入れ、水を加

えて溶かし、更に標線まで水を加えて 3-メチルホスフィニコプロピオン酸標準

原液を調製する(この液 1 mL は、3-メチルホスフィニコプロピオン酸として 1 mg を含有する。)。

3) 農薬混合標準原液 使用に際して、グルホシネート標準原液及び 3-メチル

ホスフィニコプロピオン酸標準原液の一定量を混合し、更に水で正確に希釈し、

1 mL 中にグルホシネート及び 3-メチルホスフィニコプロピオン酸としてそれぞ

れ 100 µg を含有する農薬混合標準原液を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 300 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 200 mL を加えて、30 分間振り混ぜて抽出する。抽出液を共栓遠心沈殿管に入れ

1,500×g で 10 分間遠心分離し、上澄み液を誘導体化に供する試料溶液とする。 誘導体化 試料溶液 2 mL(稲わらを除く乾牧草では、更に水で正確に 10 倍希釈

した後、その液 2 mL)を 200 mL のなす形フラスコに正確に入れ、50 °C 以下の

水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。酢酸

1 mL 及びオルト酢酸トリメチル 4 mL を加えて残留物を溶かし注 2、密栓して

100 °C で 2 時間加熱注 3 した後放冷し、50 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで

減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。 酢酸エチル 4 mL を正確に加えて残留物を溶かし注 2、カラム処理に供する試料

溶液とする。 カラム処理注 4 アミノプロピルシリル化シリカゲルミニカラム(360 mg)の下

にシリカゲルミニカラム(690 mg)を連結し、酢酸エチル 10 mL で洗浄する。 試料溶液 2 mL を連結カラムに正確に入れ、液面が充てん剤の上端に達するま

で流出させる。更に酢酸エチル 18 mL をカラムに加え、同様に流出させる。 50 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、アセトン 10 mL をカラムに加

え、液面が充てん剤の上端に達するまで流下して 3-メチルホスフィニコプロピ

オン酸誘導体を溶出させる。 次に、アミノプロピルシリル化シリカゲルミニカラムをはずし、アセトン-水

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370

(19+1)10 mL をシリカゲルミニカラムに加えて 3-メチルホスフィニコプロピ

オン酸誘導体及びグルホシネート誘導体を溶出させる。 溶出液を 50 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガス

を送って乾固する。0.01 v/v%ギ酸溶液 1 mL を正確に加えて残留物を溶かし注 2、

液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定に供する試料溶液とする。 標準液の誘導体化 農薬混合標準原液 1 mL を 200 mL のなす形フラスコに正確

に入れ、50 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを

送って乾固する。 酢酸 1 mL 及びオルト酢酸トリメチル 4 mL を加えて残留物を溶かし注 2、密栓

して 100 °C で 2 時間加熱注 3 した後放冷し、50 °C 以下の水浴でほとんど乾固す

るまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。 0.01 v/v%ギ酸溶液 10 mL を正確に加えて残留物を溶かし注 2、更に同溶媒で正

確に希釈し、1 mL 中にグルホシネート及び 3-メチルホスフィニコプロピオン酸

としてそれぞれ 1.0~300 ng 相当量を含有する数点の検量線作成用標準液を調製

する。 液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定 試料溶液及び各検量線

作成用標準液各 5 µL を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計に注入し、選

択反応検出クロマトグラムを得る。 測定条件 例 (液体クロマトグラフ部)

カ ラ ム:オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(内径 2.1 mm、長さ 150 mm、粒径 5 µm)注 5

溶 離 液:0.01 v/v%ギ酸溶液-アセトニトリル(93+7)(12 min 保持)→ 3 min →(5+95)(10 min 保持)

流 速:0.2 mL/min カ ラ ム 槽 温 度:40 °C

(タンデム型質量分析計部注 6) イ オ ン 化 法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)法(正イオン

モード) イ オ ン 源 温 度:120 °C デソルベーション温度:400 °C キ ャ ピ ラ リ ー 電 圧:3 kV コ ー ン 電 圧:下表のとおり コリジョンエネルギー:下表のとおり モ ニ タ ー イ オ ン:下表のとおり

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371

表 各物質のモニターイオン条件 プリカーサー プロダクト 確認 コーン コリジョン

農薬名 イオン イオン イオン 電圧 エネルギー

(m /z) (m/z) (m/z) (V) (eV)

グルホシネート誘導体 252 210 150 26 14

3-メチルホスフィニコ

プロピオン酸誘導体181 149 93 21 14

計 算 得られた選択反応検出クロマトグラムからグルホシネート誘導体及び

3-メチルホスフィニコプロピオン酸誘導体のピーク面積を求めてそれぞれ検量線

を作成し、グルホシネート(N-アセチルグルホシネートを含む)及び 3-メチル

ホスフィニコプロピオン酸のそれぞれの量を求めた後、次式により試料中のグル

ホシネート量を算出する。 試料中のグルホシネート量(mg/kg)= A + B × 1.3

A :検量線から求めた試料中のグルホシネート(N-アセチルグルホシネ

ートを含む)の濃度(mg/kg) B :検量線から求めた試料中の 3-メチルホスフィニコプロピオン酸の濃

度(mg/kg) 注 1 グルホシネート及び N-アセチルグルホシネートの誘導体は同一であるこ

とから、N-アセチルグルホシネートはグルホシネートとの合量として定量

する。 2 必要に応じて超音波処理し、十分に拡散させる。 3 乾燥器等に入れる。乾燥器を用いる場合は、十分に庫内及び実験室内を

換気すること。 4 流速は 2~3 mL/min 程度とする。必要に応じて吸引マニホールドを使用す

る。 5 ZORBAX Eclipse XDB-C18(Agilent Technologies 製、本測定条件によるグ

ルホシネート誘導体及び 3-メチルホスフィニコプロピオン酸誘導体の保持

時間はそれぞれ約 4 分及び 6 分 )又はこれと同等のもの 6 ACQUITY TQD(Waters 製)による条件例

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率

(mg/kg) (%)グルホシネート 大麦 5 3 95.5 4.9

0.5 3 77.3 7.8とうもろこし 0.1 3 99.3 19

0.05 3 84.5 5.5アルファルファ乾草 15 3 90.1 13

1.5 3 87.9 100.5 3 111 18

稲わら 0.5 3 76.8 5.00.05 3 84.8 7.1

繰返し精度

RSDr (%)添加成分名 試料の種類 繰返し

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372

・添加回収率及び繰返し精度〔続き〕 添加濃度 添加回収率

(mg/kg) (%)大麦 5 3 87.1 8.3

0.5 3 71.6 10とうもろこし 0.1 3 72.3 9.6

0.05 3 79.9 0.9アルファルファ乾草 15 3 78.6 3.2

1.5 3 78.4 100.5 3 93.4 4.5

稲わら 0.5 3 74.2 3.10.05 3 90.8 8.8

大麦 5 3 115 140.5 3 99.0 5.7

とうもろこし 0.1 3 87.7 190.05 3 116 1.6

アルファルファ乾草 15 3 93.5 8.31.5 3 97.5 4.50.5 3 110 6.7

稲わら 0.5 3 94.9 2.30.05 3 111 11

繰返し精度

RSDr (%)

N -アセチルグ

ルホシネート

3-メチル

ホスフィニコプロピオン酸

添加成分名 試料の種類 繰返し

・共同試験

添加濃度 添加回収率 繰返し精度 室間再現精度

(mg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

大麦 8 0 5 101 6.7 8.2 0.66アルファルファ乾草 8 0 15 100 5.1 14 1.3大麦 8 0 5 91.4 8.1 12 0.97アルファルファ乾草 8 0 15 92.8 10 13 1.2

大麦 8 0 5 110 3.1 10 0.77アルファルファ乾草 8 0 15 107 4.4 12 1.1

HorRat

グルホシネート

3-メチルホス

フィニコプロピオン酸

N -アセチルグ

ルホシネート

成分名有効試験室数

試料の種類棄却試験室数

・定量下限 試料中 各 0.05 mg/kg(乾牧草各 0.5 mg/kg) ・検出下限 試料中 各 0.02 mg/kg(乾牧草各 0.2 mg/kg)

24 シハロホップブチル及びベンフレセートのガスクロマトグラフ質量分析計による

同時分析法 (1) 分析対象化合物 シハロホップブチル及びベンフレセート(2 成分) (2) 適用範囲 稲わら及び籾米 (3) 分析法

A 試薬の調製

1) シハロホップブチル標準原液 シハロホップブチル〔C20H20FNO4〕25 mg を

正確に量って 50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標

線まで同溶媒を加えてシハロホップブチル標準原液を調製する(この液 1 mL は、

シハロホップブチルとして 0.5 mg を含有する。)。 2) ベンフレセート標準原液 ベンフレセート〔C12H16O4S〕25 mg を正確に量っ

て 50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶

媒を加えてベンフレセート標準原液を調製する(この液 1 mL は、ベンフレセー

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373

トとして 0.5 mg を含有する。)。 3) 農薬混合標準液 使用に際して、シハロホップブチル標準原液及びベンフレ

セート標準原液の一定量を混合し、希釈溶媒で正確に希釈し、1 mL 中にシハロ

ホップブチル及びベンフレセートとしてそれぞれ 0.005~0.5 µg を含有する数点の

農薬混合標準液を調製する。 4) 希釈溶媒 ポリエチレングリコール(平均分子量 400)50 µL をアセトン

100 mL に加えて希釈溶媒を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 300 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 20 mL(稲わらは 30 mL)を加え、30 分間静置後、更にアセトン 100 mL(稲わらは

120 mL)を加え、30 分間振り混ぜて抽出する。200 mL の全量フラスコをブフナ

ー漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラス

コ及び残さを順次アセトン 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。更に全量フ

ラスコの標線までアセトンを加える。この液 40 mL を 100 mL のなす形フラスコ

に正確に入れ、40 °C 以下の水浴で約 4 mL(稲わらは約 6 mL)まで減圧濃縮し、

カラム処理 I に供する試料溶液とする。 カラム処理 I 試料溶液を多孔性ケイソウ土カラム(20 mL 保持用)注 1 に入れ、

試料溶液の入っていたなす形フラスコを水 5 mL で洗浄し、洗液をカラムに加え

た後、10 分間静置する。200 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、試料溶

液の入っていたなす形フラスコをヘキサン 5 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順次

カラムに加え、液面が充てん剤の上端に達するまで流下して各農薬を溶出させる。

更にヘキサン 70 mL をカラムに加えて同様に溶出させ、溶出液を 40 °C 以下の水

浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。シクロ

ヘキサン-アセトン(4+1)10 mL を正確に加えて残留物を溶かし、メンブラン

フィルター(孔径 0.5 µm 以下)でろ過し、ゲル浸透クロマトグラフィーに供す

る試料溶液とする。 ゲル浸透クロマトグラフィー 試料溶液 5.0 mL をゲル浸透クロマトグラフに

注入し、シハロホップブチル及びベンフレセートが溶出する画分を 200 mLのなす形フラスコに分取し、40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃

縮した後、窒素ガスを送って乾固する。ヘキサン 2 mL を加えて残留物を溶かし、

カラム処理 II に供する試料溶液とする。 ゲル浸透クロマトグラフィー 例

カ ラ ム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 300 mm、粒径 15 µm) ガードカラム:スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(内径 20 mm、

長さ 100 mm、粒径 15 µm) 溶 離 液:シクロヘキサン-アセトン(4+1) 流 速:5 mL/min 分 取 画 分:60~115 mL

カラム処理 II 注 2 エチレンジアミン-N-プロピルシリル化シリカゲルミニカラム

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374

(500 mg)注 3 の下に合成ケイ酸マグネシウムミニカラム(910 mg)を連結し、

ヘキサン 10 mL で洗浄する。 試料溶液をミニカラムに入れ、液面が充てん剤の上端に達するまで流出させる。

試料溶液の入っていたなす形フラスコをヘキサン 8 mL で洗浄し、洗液をミニカ

ラムに加え、同様に流出させる。更にヘキサン-アセトン(99+1)10 mL で試料

溶液の入っていたなす形フラスコを洗浄し、洗液をミニカラムに加え、同様に流

出させる。 次に、エチレンジアミン-N-プロピルシリル化シリカゲルミニカラムを外し、

50 mL のなす形フラスコを合成ケイ酸マグネシウムミニカラムの下に置き、ヘキ

サン-アセトン(19+1)20 mL を合成ケイ酸マグネシウムミニカラムに加えて、

液面が充てん剤の上端に達するまで流下して各農薬を溶出させる。溶出液を

40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾

固する。希釈溶媒 1 mL を正確に加えて残留物を溶かし、ガスクロマトグラフ質

量分析計による測定に供する試料溶液とする。 ガスクロマトグラフ質量分析計による測定 試料溶液及び各農薬混合標準液各 2

µL をガスクロマトグラフ質量分析計に注入し、選択イオン検出クロマトグラム

を得る。 測定条件 例

カ ラ ム:溶融石英キャピラリーカラム(5 %ジフェニル-

95 %ジメチルポリシロキサンコーティング、内径

0.25 mm、長さ 30 m、膜厚 0.25 µm(溶融石英ガー

ドカラム(内径 0.25 mm、長さ 10 m)付き))

キ ャ リ ヤ ー ガ ス:He(1.0 mL/min) 試 料 導 入 法:スプリットレス(60 s) 試 料 導 入 部 温 度:250 °C カ ラ ム 槽 温 度:80 °C(1 min 保持)→昇温 20 °C/min→280 °C(10

min 保持) 検 出 器:四重極型質量分析計注 4 インターフェース温度:280 °C イ オ ン 源 温 度:230 °C イ オ ン 化 電 圧:70 eV イ オ ン 化 法:電子衝撃イオン化(EI)法 モ ニ タ ー イ オ ン:定量イオン m/z 357(シハロホップブチル)、256

(ベンフレセート)、確認イオン m/z 256(シハロ

ホップブチル)、163(ベンフレセート) 計 算 得られた選択イオン検出クロマトグラムからピーク高さ又は面積を

求めて検量線を作成し、試料中のシハロホップブチル量及びベンフレセート量を

算出する。 注 1 InertSep K-solute(ジーエルサイエンス製)又はこれと同等のもの

2 流速は 1~2mL/min 程度とする。必要に応じて吸引マニホールドを使用す

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375

る。 3 Bond Elut PSA(Agilent Technologies 製)又はこれと同等のもの 4 Agilent 5975C inert XL MSD(Agilent Technologies 製)による条件例

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率

(µg/kg) (%)シハロホップブチル 稲わら 2,000 3 77.4 10

300 3 93.5 1020 3 109 4.6

籾米 2,000 3 74.2 13200 3 89.9 1820 3 80.6 5.8

ベンフレセート 稲わら 2,000 3 99.5 4.6300 3 102 4.920 3 119 1.7

籾米 2,000 3 92.6 4.2200 3 113 4.120 3 116 4.110 3 102 1.7

繰返し繰返し精度

RSDr (%)添加成分名試料の種類

・共同試験

添加濃度 添加回収率 繰返し精度 室間再現精度

(µg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

稲わら 9 0 2000 77.9 9.4 27 1.8籾米 9 0 200 80.2 8.2 29 1.4稲わら 9 0 300 96.3 5.5 15 0.80籾米 9 0 30 103 6.8 21 0.96

成分名試料の種類

有効試験室数

HorRat

ベンフレセート

シハロホップブチル

棄却試験室数

・定量下限 シハロホップブチル 試料中 20 µg/kg、ベンフレセート 稲

わら:試料中 20 µg/kg、籾米:試料中 10 µg/kg ・検出下限 シハロホップブチル 試料中 2 µg/kg、ベンフレセート 試

料中 0.3 µg/kg

25 エチプロールその他の農薬の液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による同

時分析法

(1) 分析対象化合物 エチプロール、カルプロパミド、クロマフェノジド、クロラ

ントラニリプロール、チフルザミド、ピロキロン(6 成分)

(2) 適用範囲 稲わら、稲発酵粗飼料及び籾米 (3) 分析法

A 試薬の調製

農薬混合標準液 エチプロール〔 C13H9Cl2F3N4OS 〕、カ ルプロパミド

〔C15H18Cl3NO〕、クロマフェノジド〔C24H30N2O3〕、クロラントラニリプロー

ル〔C18H14BrCl2N5O2〕、チフルザミド〔C13H6Br2F6N2O2S〕及びピロキロン

〔C11H11NO〕各 50 mg を正確に量ってそれぞれ 100 mL の全量フラスコに入れ、

アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶媒を加えて各農薬標準原液を調製す

る(これらの液各 1 mL は、各農薬としてそれぞれ 0.5 mg を含有する。)。

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376

各農薬標準原液各 2 mL を 100 mL の全量フラスコに入れて混合し、更に標線

までアセトンを加えて 1 mL 中に各農薬としてそれぞれ 10 µg を含有する農薬混

合標準原液を調製する。 使用に際して、農薬混合標準原液の一定量をアセトニトリル-水(3+2)で正

確に希釈し、1 mL 中に各農薬として 0.0005~0.05 µg を含有する数点の農薬混合

標準液を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 300 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 30 mL(籾米は 20 mL)を加えて、30 分間静置後、更にアセトン 120 mL(籾米は

100 mL)を加え、30 分間振り混ぜて抽出する。200 mL の全量フラスコをブフナ

ー漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラス

コ及び残さを順次アセトン 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。更に全量フ

ラスコの標線までアセトンを加える。この液 2 mL を 50 mL のなす形フラスコに

正確に入れ、水 20 mL を加えて、カラム処理 I に供する試料溶液とする。 カラム処理 I 注 1 オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム(500 mg)注 2 を

アセトニトリル 5 mL 及び水 5 mL で順次洗浄する。試料溶液をミニカラムに入

れ、液面が充てん剤の上端に達するまで流下させる。更に試料溶液の入っていた

なす形フラスコを水-アセトニトリル(9+1)5 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順

次ミニカラムに加え、同様に流出させる。10 mL の全量フラスコをミニカラムの

下に置き、アセトニトリル-水(3+2)9 mL をミニカラムに加え、各農薬を溶出

させる。更に全量フラスコの標線まで同溶媒を加える。この液 5 mL を 50 mL の

なす形フラスコに正確に入れ、40 °C 以下の水浴で約 2 mL まで減圧濃縮した後、

水 2 mL を加えてカラム処理 II に供する試料溶液とする。 カラム処理 II 注 1 試料溶液を多孔性ケイソウ土カラム(5 mL 保持用)注 3 に入

れ、10 分間静置する。100 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、試料溶液

の入っていたなす形フラスコを酢酸エチル 5 mL ずつで 4 回洗浄し、洗液を順次

カラムに加え、液面が充てん剤の上端に達するまで流下して各農薬を溶出させる。

更に同溶媒 10 mL をカラムに加えて同様に溶出させ、溶出液を 40 °C 以下の水浴

で約 1 mL まで減圧濃縮し、窒素ガスを送って乾固する。アセトニトリル-トル

エン(3+1)5 mL を加えて残留物を溶かし、カラム処理 III に供する試料溶液と

する。 カラム処理 III 注 1 グラファイトカーボン/アミノプロピルシリル化シリカゲル

積層ミニカラム(500 mg/500 mg)注 4 をアセトニトリル-トルエン(3+1)10 mL で洗浄する。100 mL のなす形フラスコをミニカラムの下に置き、試料溶液

をミニカラムに入れ、液面が充てん剤の上端に達するまで流下して各農薬を流出

させる。試料溶液の入っていたなす形フラスコをアセトニトリル-トルエン

(3+1)5 mL ずつで 3 回洗浄し、洗液を順次ミニカラムに加え、同様に流出させ

る。更にアセトニトリル-トルエン(3+1)5 mL をミニカラムに加えて同様に流

出させる。流出液を 40 °C 以下の水浴で約 1 mL まで減圧濃縮し、窒素ガスを送

って乾固する。アセトニトリル-水(3+2)1 mL を正確に加えて残留物を溶かし、

Page 95: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

377

5,000 ×g で 5 分間遠心分離し、上澄み液の一定量を同溶媒で正確に 10 倍希釈し

て液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定に供する試料溶液とする。

また、試料が稲わらである場合は、先の遠心分離した後の上澄み液をクロラント

ラニリプロールの定量に用いるための液体クロマトグラフタンデム型質量分析計

による測定に供する試料溶液とする。 液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定 試料溶液及び各農薬混

合標準液各 5 µL を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計に注入し、選択反

応検出クロマトグラムを得る。 測定条件 例 (液体クロマトグラフ部)

カ ラ ム:オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(内径 2.1 mm、長さ 150 mm、粒径 5 µm)注 5

溶 離 液:2 mmol/L 酢酸アンモニウム溶液-アセトニトリル

(4+1)→15 min→(1+9)(5 min 保持) 流 速:0.2 mL/min カ ラ ム 槽 温 度:40 °C

(タンデム型質量分析計部注 6) イ オ ン 化 法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)法 イ オ ン 源 温 度:120 °C デソルベーション温度:450 °C キ ャ ピ ラ リ ー 電 圧:正イオン 2.0 kV、負イオン 1.0 kV コ ー ン 電 圧:下表のとおり コリジョンエネルギー:下表のとおり モ ニ タ ー イ オ ン:下表のとおり 表 モニターイオン条件

プリカーサー プロダクト 確認 コーン コリジョン

イオン イオン イオン 電圧 エネルギー

(m/z ) (m/z ) (m/z ) (V) (eV)330 - 20 15- 250 20 25

139 - 30 20- 103 30 40

175 - 15 15- 91 15 50

284 - 25 15- 112 25 50

125 - 25 45- 166 25 30

132 - 45 20- 117 45 25

クロラントラニリプロール + 482

測定対象物質測定

モード

エチプロール - 395

クロマフェノジド + 395

カルプロパミド + 334

チフルザミド - 527

ピロキロン + 174

計 算 得られた選択反応検出クロマトグラムからピーク面積を求めて検量線

を作成し、試料中の各農薬量を算出する。 注 1 流速は 1 mL/min 程度とする。必要に応じて吸引マニホールドを使用する。

Page 96: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

378

2 InertSep Slim-J C18-B(ジーエルサイエンス製)又はこれと同等のもの 3 Chem Elut(Agilent Technologies 製)又はこれと同等のもの 4 ENVI-Carb/LC-NH2(Supelco 製)又はこれと同等のもの 5 Inertsil ODS-SP(ジーエルサイエンス製)又はこれと同等のもの 6 Quattro Premier XE (Waters 製)による条件例

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

3 3 90.4 5.00.1 3 83.5 161.3 3 86.5 2.20.044 3 88.8 121 3 94.6 4.30.1 3 86.7 103 3 83.3 3.70.1 3 100 120.89 3 89.9 4.30.044 3 105 3.51 3 91.8 6.60.1 3 102 9.25 3 85.9 1.50.1 3 105 111.3 3 97.4 2.70.044 3 99.9 2.83 3 92.7 1.10.1 3 101 1.60.1 3 95.5 2.80.01 3 96.8 101.3 3 93.5 5.60.044 3 98.3 4.21 3 103 2.90.1 3 103 101 3 85.2 6.70.1 3 87.8 201.3 3 119 6.60.044 3 98.2 3.61 3 92.3 4.60.1 3 90.8 113 3 79.4 130.1 3 103 9.90.89 3 97.4 3.70.044 3 103 3.81 3 88.7 120.1 3 102 5.5

チフルザミド

稲わら

稲発酵粗飼料

籾米

ピロキロン

稲わら

稲発酵粗飼料

籾米

クロマフェノジド

稲わら

稲発酵粗飼料

籾米

クロラントラニリプロール

稲わら

稲発酵粗飼料

籾米

エチプロール

稲わら

稲発酵粗飼料

籾米

カルプロパミド

稲わら

稲発酵粗飼料

籾米

添加成分名 試料の種類 繰返し添加回収率 繰返し精度

(%) RSDr(%)添加濃度

(mg/kg)

・共同試験

添加濃度 添加回収率 繰返し精度 室間再現精度

(mg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

稲わら 8 0 1 92.5 5.0 6.0 0.37籾米 8 0 1 98.5 4.8 8.0 0.50稲わら 8 0 1 91.7 3.5 4.6 0.28籾米 8 0 1 97.0 4.0 4.3 0.27稲わら 8 0 1 94.8 8.1 8.1 0.50籾米 8 0 1 101 1.9 4.3 0.27稲わら 8 0 0.1 75.8 11 25 1.2籾米 8 0 1 95.6 7.3 9.4 0.58稲わら 8 0 1 92.6 5.4 6.4 0.40籾米 8 0 1 99.2 3.5 5.1 0.32稲わら 8 0 1 90.8 4.4 6.3 0.39籾米 8 0 1 94.2 3.8 5.8 0.36

ピロキロン

HorRat

カルプロパミド

クロマフェノジド

クロラントラニリプロール

チフルザミド

エチプロール

成分名試料の種類

有効試験

室数

棄却試験

室数

Page 97: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

379

・定量下限 クロラントラニリプロール:試料(稲発酵粗飼料は風乾物)中

0.1 mg/kg(稲わら 0.01 mg/kg)、その他の農薬:試料(稲発酵粗飼料は風乾物)

中 各 0.1 mg/kg ・検出下限 クロラントラニリプロール:試料(稲発酵粗飼料は風乾物)中

0.03 mg/kg(稲わら 0.003 mg/kg)、その他の農薬:試料(稲発酵粗飼料は風乾物)

中 各 0.03 mg/kg

26 オキサジクロメホンその他の農薬の液体クロマトグラフタンデム型質量分析計に

よる同時分析法

(1) 分析対象化合物 オキサジクロメホン、ジメタメトリン及びピリブチカルブ(3成分)

(2) 適用範囲 稲わら、稲発酵粗飼料及び籾米 (3) 分析法

A 試薬の調製

1) オキサジクロメホン標準原液 オキサジクロメホン〔C20H19Cl2NO2〕25 mgを正確に量って 50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に

標線まで同溶媒を加えてオキサジクロメホン標準原液を調製する(この液 1 mLは、オキサジクロメホンとして 0.5 mg を含有する。)

2) ジメタメトリン標準原液 ジメタメトリン〔C11H21N5S〕25 mg を正確に量っ

て 50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶

媒を加えてジメタメトリン標準原液を調製する(この液 1 mL は、ジメタメトリ

ンとして 0.5 mg を含有する。)。 3) ピリブチカルブ標準原液 ピリブチカルブ〔C18H22N2O2S〕25 mg を正確に量

って 50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同

溶媒を加えてピリブチカルブ標準原液を調製する(この液 1 mL は、ピリブチカ

ルブとして 0.5 mg を含有する。)。 4) 農薬混合標準液 使用に際して、オキサジクロメホン標準原液、ジメタメト

リン標準原液及びピリブチカルブ標準原液の一定量を混合し、アセトニトリル-

水(4+1)で正確に希釈し、1 mL 中にオキサジクロメホン、ジメタメトリン及び

ピリブチカルブとしてそれぞれ 0.1~10 ng を含有する数点の農薬混合標準液を調

製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 300 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 30 mL(籾米は 20 mL)を加え、30 分間静置後、更にアセトン 120 mL(籾米は 100 mL)を加え、30 分間振り混ぜて抽出する。200 mL の全量フラスコをブフナー

漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラスコ

及び残さを順次アセトン 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。更に全量フラ

スコの標線までアセトンを加える。この液 2 mL を 50 mL のなす形フラスコに正

確に入れ、水 20 mL を加えて、カラム処理に供する試料溶液とする。 カラム処理注 1 オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム(500 mg)注 2 をア

Page 98: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

380

セトニトリル 5 mL 及び水 5 mL で順次洗浄する。試料溶液をミニカラムに入れ、

液面が充てん剤の上端に達するまで流出させる。更に試料溶液の入っていたなす

形フラスコを水-アセトニトリル(3+2)5 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順次ミ

ニカラムに加え、同様に流出させる。10 mL の全量フラスコをミニカラムの下に

置き、アセトニトリル-水(4+1)9 mL をミニカラムに加え、各農薬を溶出させ

る注 3。更に全量フラスコの標線まで同溶媒を加え、その液の一定量を 5,000×g で

5 分間遠心分離し、上澄み液を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による

測定に供する試料溶液とする。 液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定 試料溶液及び各農薬混

合標準液各 5 µL を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計に注入し、選択反

応検出クロマトグラムを得る。 測定条件 例 (液体クロマトグラフ部)

カ ラ ム:オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(内径 2.1 mm、長さ 150 mm、粒径 5 µm)注 4

溶 離 液:2 mmol/L 酢酸アンモニウム溶液-アセトニトリル

(4+1)→15 min→(1+9)(5 min 保持) 流 速:0.2 mL/min カ ラ ム 槽 温 度:40 °C

(タンデム型質量分析計部注 5) イ オ ン 化 法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)法(正イオン

モード) イ オ ン 源 温 度:120 °C デソルベーション温度:350 °C キ ャ ピ ラ リ ー 電 圧:3.5 kV コ ー ン 電 圧:下表のとおり コリジョンエネルギー:下表のとおり モ ニ タ ー イ オ ン:下表のとおり 表 モニターイオン条件

プリカーサー プロダクト 確認 コーン コリジョン

イオン イオン イオン 電圧 エネルギー

(m /z) (m /z) (m /z) (V) (eV)190 21 23

162 21 43186 31 27

69 31 63181 16 23

109 16 39

測定対象物質

オキサジクロメホン 376

ピリブチカルブ 331

ジメタメトリン 256

計 算 得られた選択反応検出クロマトグラムからピーク面積又は高さを求め

て検量線を作成し、試料中の各農薬量を算出する得る。 注 1 流速は 1~2 mL/min とする。必要に応じて吸引マニホールドを使用する。

2 InertSep Slim-J C18-B(ジーエルサイエンス製)に適当な容量のリザーバ

Page 99: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

381

ーを連結したもの又はこれと同等のもの 3 流速が維持できない場合は、必要に応じて二連球等により圧注する。 4 ZORBAX Eclipse XDB-C18(Agilent Technologies 製、本測定条件によるオ

キサジクロメホン、ジメタメトリン及びピリブチカルブの保持時間はそれ

ぞれ約 15.4、12.2 及び 16.0 分)又はこれと同等のもの 5 ACQUITY TQD(Waters 製)による条件例

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 平均回収率

(mg/kg) (%)0.3 3 99.0 2.50.01 3 95.5 3.10.1 3 94.2 2.60.01 3 100 4.50.1 3 99.5 7.10.01 3 91.7 4.90.2 3 92.8 3.40.01 3 91.0 3.50.1 3 90.8 1.80.01 3 105 4.70.1 3 98.6 0.60.01 3 88.3 2.20.1 3 84.1 3.90.01 3 93.1 1.10.1 3 90.3 5.30.01 3 95.5 3.60.1 3 91.2 7.80.01 3 104 4.9

RSDr(%)

オキサジクロメホン

稲わら

稲発酵粗飼料

添加成分名 試料の種類 繰返し繰返し精度

籾米

ジメタメトリン

稲わら

稲発酵粗飼料

籾米

ピリブチカルブ

稲わら

稲発酵粗飼料

籾米

・共同試験

添加濃度

添加回収率

繰返し精度

室間再現精度

(mg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

稲わら 8 0 0.1 94.6 4.1 4.1 0.19稲発酵粗飼料 8 0 0.04 94.1 7.4 7.4 0.33籾米 8 0 0.05 96.8 3.1 3.3 0.15稲わら 8 0 0.1 94.1 2.1 3.2 0.15稲発酵粗飼料 8 0 0.04 95.3 3.8 4.0 0.18籾米 8 0 0.05 96.4 2.3 3.2 0.14稲わら 8 0 0.1 81.4 5.0 5.2 0.23稲発酵粗飼料 8 0 0.04 83.1 6.6 7.0 0.32籾米 8 0 0.05 88.0 6.1 6.5 0.30

HorRat

オキサジクロメホン

ジメタメトリン

ピリブチカルブ

成分名 試料の種類有効試験室数

棄却試験室数

・定量下限 試料(稲発酵粗飼料は風乾物)中各 0.01 mg/kg ・検出下限 試料(稲発酵粗飼料は風乾物)中各 0.003 mg/kg

27 含リンアミノ酸系農薬の液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による同時分

析法

(1) 分析対象化合物 グリホサート注 1(N-アセチルグリホサート注 2 を含む。)、グ

ルホシネート(N-アセチルグルホシネート注 3 を含む。)及び 3-メチルホスフィニ

コプロピオン酸(3 成分)

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382

(2) 適用範囲 穀類、稲わら及び稲発酵粗飼料 (3) 分析法

A 試薬の調製

1) グリホサート標準原液 グリホサート〔C3H8NO5P〕25 mg を正確に量って

25 mL の全量フラスコに入れ、水を加えて溶かし、更に標線まで水を加えてグリ

ホサート標準原液を調製する(この液 1 mL は、グリホサートとして 1 mg を含

有する。)。 2) グルホシネート標準原液 グルホシネート〔C5H15N2O4P〕25 mg を正確に量

って 25 mL の全量フラスコに入れ、水を加えて溶かし、更に標線まで水を加え

てグルホシネート標準原液を調製する(この液 1 mL は、グルホシネートとして

1 mg を含有する。)。 3) 3-メチルホスフィニコプロピオン酸標準原液 3-メチルホスフィニコプロピ

オン酸〔C4H9O4P〕25 mg を正確に量って 25 mL の全量フラスコに入れ、水を加

えて溶かし、更に標線まで水を加えて 3-メチルホスフィニコプロピオン酸標準

原液を調製する(この液 1 mL は、3-メチルホスフィニコプロピオン酸として 1 mg を含有する。)。

4) 農薬混合標準液 使用に際して、グリホサート標準原液、グルホシネート標

準原液及び 3-メチルホスフィニコプロピオン酸標準原液の一定量を混合し、更

に水で正確に希釈し、1 mL 中にグリホサート、グルホシネート及び 3-メチルホ

スフィニコプロピオン酸としてそれぞれ 100 µg を含有する農薬混合標準原液を

調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 300 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 200 mL を加え、30 分間振り混ぜて抽出する。抽出液を共栓遠心沈殿管に入れ、

1,500×g で 10 分間遠心分離し、上澄み液の一定量を水で正確に 2.5 倍に希釈し、

カラム処理 I に供する試料溶液とする。 カラム処理 I 注 4 ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体ミニカラム

(500 mg)注 5 の下にスルホン酸修飾ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共

重合体ミニカラム(225 mg)注 6 を連結し、メタノール 6 mL 及び水 12 mL で順

次洗浄する。200 mL のなす形フラスコ注 7 をミニカラムの下に置き、試料溶液 1 mL をミニカラムに正確に入れ、液面が充てん剤の上端に達するまで流出させる。

更に水 18 mL をミニカラムに加え、同様に流出させ、誘導体化に供する試料溶

液とする。 誘導体化 試料溶液を 50 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、

窒素ガスを送って乾固する。酢酸 1 mL 及びオルト酢酸トリメチル 4 mL を加え

て残留物を溶かし注 8、この容器を密栓して 100 °C で 2 時間加熱注 9した後放冷し、

50 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾

固する。酢酸エチル 4 mL を正確に加えて残留物を溶かし注 8、カラム処理 II に供

する試料溶液とする。 カラム処理 II 注 4 アミノプロピルシリル化シリカゲルミニカラム(360 mg)の

Page 101: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

383

下にシリカゲルミニカラム(690 mg)を連結し、酢酸エチル 10 mL で洗浄する。

試料溶液 2 mL をミニカラムに正確に入れ、液面が充てん剤の上端に達するまで

流出させる。更に酢酸エチル 18 mL をミニカラムに加え、同様に流出させる。

50 mL のなす形フラスコをミニカラムの下に置き、アセトン 10 mL をミニカラ

ムに加え、液面が充てん剤の上端に達するまで流下してグリホサート誘導体及び

3-メチルホスフィニコプロピオン酸誘導体を溶出させる。次に、アミノプロピル

シリル化シリカゲルミニカラムをはずし、アセトン-水(19+1)10 mL をシリカ

ゲルミニカラムに加えてグリホサート誘導体、3-メチルホスフィニコプロピオン

酸誘導体及びグルホシネート誘導体を溶出させる。溶出液を 50 °C 以下の水浴で

ほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。0.01 v/v%ギ酸溶液 1 mL を正確に加えて残留物を溶かし注 8、液体クロマトグラフタンデム

型質量分析計による測定に供する試料溶液とする。 標準液の誘導体化 農薬混合標準原液 1 mL を 200 mL のなす形フラスコに正確

に入れ、50 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを

送って乾固する。 酢酸 1 mL 及びオルト酢酸トリメチル 4 mL を加えて残留物を溶かし注 8、なす

形フラスコを密栓して 100 °C で 2 時間加熱注 9 した後放冷する。この液を 50 °C以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。

0.01 v/v%ギ酸溶液 10 mL を正確に加えて残留物を溶かし注 8、更に同溶媒で正確

に希釈し、1 mL 中にグリホサート、グルホシネート及び 3-メチルホスフィニコ

プロピオン酸としてそれぞれ 0.3~300 ng 相当量を含有する数点の標準液を調製

する。 液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定 試料溶液及び各標準液

各 5 µL を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計に注入し、選択反応検出ク

ロマトグラムを得る。 測定条件 例 (液体クロマトグラフ部)

カ ラ ム:オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(内径 2.1 mm、長さ 150 mm、粒径 5 µm)注 10

溶 離 液:0.01 v/v%ギ酸溶液-アセトニトリル(93+7)(12 min 保持)→ 3 min →(5+95)(10 min 保持)

流 速:0.2 mL/min カ ラ ム 槽 温 度:40 °C

(タンデム型質量分析計部注 11) イ オ ン 化 法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)法(正イオン

モード) イ オ ン 源 温 度:120 °C デソルベーション温度:400 °C キ ャ ピ ラ リ ー 電 圧:3 kV コ ー ン 電 圧:下表のとおり

Page 102: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

384

コリジョンエネルギー:下表のとおり モ ニ タ ー イ オ ン:下表のとおり 表 モニターイオン条件

プリカーサー プロダクト 確認 コーン コリジョン

測定対象物質 イオン イオン イオン 電圧 エネルギー

(m /z ) (m /z ) (m /z ) (V) (eV)

グリホサート誘導体 254 102 152 22 17

グルホシネート誘導体 252 210 150 26 14

3-メチルホスフィニコプロピオン酸誘導体

181 149 93 21 14

計 算 得られた選択反応検出クロマトグラムからグリホサート誘導体、グル

ホシネート誘導体及び 3-メチルホスフィニコプロピオン酸誘導体のピーク面積

を求めて検量線を作成し、試料中のグリホサート(N-アセチルグリホサートを含

む。)量、グルホシネート(N-アセチルグルホシネートを含む。)及び 3-メチ

ルホスフィニコプロピオン酸のそれぞれの量を求めた後、次式により試料中のグ

ルホシネート量を算出する。 試料中のグルホシネート量(mg/kg)= A + B × 1.3

A :検量線から求めた試料中のグルホシネート(N-アセチルグルホシネ

ートを含む)の濃度(mg/kg) B :検量線から求めた試料中の 3-メチルホスフィニコプロピオン酸の濃

度(mg/kg) 注 1 本法では、試料中のグリホサート、グリホサートアンモニウム塩、グリ

ホサートイソプロピルアミン塩、グリホサートトリメシウム塩及びグリホ

サートナトリウム塩をグリホサート誘導体に誘導体化し、グリホサートと

して定量する。 2 グリホサート及び N-アセチルグリホサートの誘導体は同一であることか

ら、N-アセチルグリホサートはグリホサートとの合量として定量する。N-アセチルグリホサートの分析法の妥当性は、とうもろこしのみで確認している。

その他の試料に適用する場合は、必要に応じて別表 3 に定めるところにより

妥当性を確認すること。 3 グルホシネート及び N-アセチルグルホシネートの誘導体は同一であるこ

とから、N-アセチルグルホシネートはグルホシネートとの合量として定量

する。 4 流速は 2~3 mL/min 程度とする。必要に応じて吸引マニホールドを使用す

る。 5 Oasis HLB(Waters 製、リザーバー容量 6 mL)又はこれと同等のもの 6 Oasis Plus MCX(Waters 製)又はこれと同等のもの 7 50 mL のなす形フラスコを用いる場合には、同様に操作した後、流出液を

少量の水で 200 mL のなす形フラスコに移し、誘導体化に供する試料溶液と

する。 8 必要に応じて超音波処理し、十分に拡散させる。

Page 103: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

385

9 乾燥器等に入れる。乾燥器を用いる場合は十分に庫内及び実験室内を換

気すること。 10 ZORBAX Eclipse XDB-C18(Agilent Technologies 製、本測定条件によるグ

リホサート誘導体の保持時間は約 7.2 分、グルホシネート誘導体の保持時間

は約 4.4 分、3-メチルホスフィニコプロピオン酸誘導体の保持時間は約 5.8分)又はこれと同等のもの

11 ACQUITY TQD(Waters 製)による条件例 (参考)分析法バリデーション

・添加回収率及び繰返し精度 添加濃度 添加回収率

(mg/kg) (%)0.04 3 117 17

20 3 82.8 6.50.5 3 85.0 7.05 3 86.4 6.1

とうもろこし 0.1 3 85.4 131 3 80.1 7.60.04 3 100 140.2 3 97.3 4.20.04 3 83.0 7.20.2 3 88.6 8.8

とうもろこし 0.04 5 102 7.11 5 118 6.85 5 96.0 7.00.05 3 88.0 140.5 3 100 6.50.05 3 102 160.2 3 93.1 6.20.05 3 103 140.1 3 112 2.60.05 3 103 160.5 3 94.2 5.40.05 3 92.7 110.5 3 84.6 2.20.05 3 81.2 170.5 3 89.9 5.30.05 3 98.0 7.20.2 3 80.0 8.90.05 3 108 5.50.1 3 85.7 7.00.05 3 117 3.30.5 3 92.4 7.20.05 3 91.1 4.10.5 3 76.9 100.05 3 101 190.5 3 89.0 7.00.05 3 74.1 110.2 3 82.2 7.40.05 3 85.4 110.1 3 88.0 5.30.05 3 84.4 160.5 3 82.4 130.05 3 82.3 100.5 3 73.0 8.3

グリホサート

繰返し繰返し精度

RSDr (%)添加成分名

大麦

稲発酵粗飼料

試料の種類

小麦

稲わら

稲わら

稲発酵粗飼料

グルホシネート

大麦

小麦

とうもろこし

稲わら

N -アセチル

グリホサート

大麦

小麦

とうもろこし

稲わら

稲発酵粗飼料

N -アセチル

グルホシネート

3-メチル

ホスフィニコプロピオン酸

稲発酵粗飼料

大麦

小麦

とうもろこし

Page 104: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

386

・共同試験 添加濃度 添加回収率 繰返し精度 室間再現精度

(mg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

とうもろこし 9 1 1 79.7 5.1 20 1.2大麦 10 0 20 75.4 10 22 2.0稲わら 10 0 0.2 88.7 18 32 1.6稲発酵粗飼料 10 0 0.2 81.7 12 23 1.1とうもろこし 10 0 0.1 98.3 8.1 21 0.96大麦 10 0 0.5 99.3 11 15 0.84稲わら 10 0 0.5 96.8 6.5 17 0.93稲発酵粗飼料 10 0 0.5 89.1 8.0 15 0.85とうもろこし 7 3 0.1 90.5 13 33 1.5大麦 9 1 0.5 91.1 10 14 0.77稲わら 9 1 0.5 91.1 6.3 13 0.71稲発酵粗飼料 9 1 0.5 86.2 5.7 17 0.93

棄却試験室数

HorRat

グリホサート

グルホシネート

3-メチルホス

フィニコプロピオン酸

成分名 試料の種類有効試験室数

・定量下限 グリホサート:試料(稲発酵粗飼料は風乾物)中 0.04 mg/kg、そ

の他の農薬:試料(稲発酵粗飼料は風乾物)中 各 0.05 mg/kg ・検出下限 グリホサート:試料(稲発酵粗飼料は風乾物)中 0.01 mg/kg、

その他の農薬:試料(稲発酵粗飼料は風乾物)中 各 0.02 mg/kg

28 アセフェート及びメタミドホスの液体クロマトグラフタンデム型質量分析計によ

る同時分析法 (1) 分析対象化合物 アセフェート及びメタミドホス(2 成分) (2) 適用範囲 飼料 (3) 分析法

A 試薬の調製

1) アセフェート標準原液 アセフェート〔C4H10NO3PS〕25 mg を正確に量って

50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶媒を

加えてアセフェート標準原液を調製する(この液 1 mL は、アセフェートとして

0.5 mg を含有する。)。 2) メタミドホス標準原液 メタミドホス〔C2H8NO2PS〕25 mg を正確に量って

50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶媒を

加えてメタミドホス標準原液を調製する(この液 1 mL は、メタミドホスとして

0.5 mg を含有する。)。 3) 農薬混合標準液 使用に際して、各標準原液の一定量を混合し、アセトンで

正確に希釈し、1 mL 中にアセフェート及びメタミドホスとしてそれぞれ 20 µgを含有する農薬混合標準原液を調製する。この標準原液 1 mL を正確にとり、窒

素ガスを送って乾固した後、水で正確に希釈し、1 mL 中にアセフェート及びメ

タミドホスとしてそれぞれ 2.5~250 ng を含有する数点の農薬混合標準液を調製

する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 300 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 20 mL(乾牧草は 30 mL)を加え、30 分間静置後、更にアセトン 100 mL(乾牧草は

120 mL)を加え、30 分間振り混ぜて抽出する。200 mL の全量フラスコをブフナ

ー漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラス

Page 105: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

387

コ及び残さを順次アセトン 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。更に全量フ

ラスコの標線までアセトンを加える。この液 8 mL(乾牧草(稲わらを除く。)

は、更にアセトンで正確に 10 倍希釈した後、その液 8 mL)を 50 mL のなす形

フラスコに正確に入れ、40 °C 以下の水浴で約 1 mL まで減圧濃縮し、塩化ナト

リウム 1 g 及び水 3 mL を加え、カラム処理 I に供する試料溶液とする。 カラム処理 I 試料溶液を多孔性ケイソウ土カラム(5 mL 保持用)注 1 に入れた

後、10 分間静置する。試料溶液の入っていたなす形フラスコをヘキサン 10 mLずつで 4 回洗浄し、洗液を順次カラムに加え、液面が充てん剤の上端に達するま

で流出させる。 多孔性ケイソウ土カラムの下にあらかじめ酢酸エチル 5 mL で洗浄したグラフ

ァイトカーボンミニカラム(500 mg)注 2 を連結し、200 mL のなす形フラスコを

ミニカラムの下に置く。試料溶液の入っていたなす形フラスコを酢酸エチル 10 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順次カラムに加え、液面が充てん剤の上端に達す

るまで流下させてアセフェート及びメタミドホスを溶出させる。更に酢酸エチル

40 mL をカラムに加え、同様に溶出させる。溶出液を 40 °C 以下の水浴で約 1 mL まで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。ヘキサン-アセトン

(7+3)5 mL を加えて残留物を溶かし、カラム処理 II に供する試料溶液とする。 カラム処理 II シリカゲルミニカラム(690 mg)をヘキサン-アセトン(7+3)

5 mL で洗浄する。試料溶液をミニカラムに入れ、液面が充てん剤の上端に達す

るまで流出させる。試料溶液の入っていたなす形フラスコをヘキサン-アセトン

(7+3)2.5 mL ずつで 3 回洗浄し、洗液を順次ミニカラムに加え、同様に流出さ

せる。 50 mL のなす形フラスコをミニカラムの下に置き、ヘキサン-アセトン(1+1)20 mL をミニカラムに加えてアセフェート及びメタミドホスを溶出させる。溶出

液を 40 °C 以下の水浴で約 1 mL まで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固す

る。水 1 mL を正確に加えて残留物を溶かし、液体クロマトグラフタンデム型質

量分析計による測定に供する試料溶液とする。 液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定 試料溶液及び各農薬混合

標準液各 2 µL を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計に注入し、選択反応

検出クロマトグラムを得る。 測定条件 例 (液体クロマトグラフ部)

カ ラ ム:オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(内径 2.0 mm、長さ 150 mm、粒径 5 µm)注 3

溶 離 液:2 mmol/L 酢酸アンモニウム溶液-メタノール

(19+1) 流 速:0.2 mL/min カ ラ ム 槽 温 度:40 °C

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388

(タンデム型質量分析計部注 4) イ オ ン 化 法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)法(正イオン

モード) イ オ ン 源 温 度:120 °C デソルベーションガス:N2(800 L/h、350 °C) キ ャ ピ ラ リ ー 電 圧:0.5 kV コ ー ン ガ ス:N2(50 L/h) コ ー ン 電 圧:下表のとおり コ リ ジ ョ ン ガ ス:Ar(0.20 mL/min) コリジョンエネルギー:下表のとおり モ ニ タ ー イ オ ン:下表のとおり 表 各物質のモニターイオン条件

プリカーサー コーン コリジョン

イオン 定量用 確認用 電圧 エネルギー

(m/z) (m/z) (m/z) (V) (eV)143 - 5- 49 2094 -

- 12515

アセフェート 184

メタミドホス

測定対象物質

142

20

30

プロダクトイオン

計 算 得られた選択反応検出クロマトグラムからピーク面積又は高さを求め

て検量線を作成し、試料中のアセフェート量及びメタミドホス量を算出する。 注 1 Chem Elut 5 mL(Agilent Technologies 製)又はこれと同等のもの

2 ENVI-Carb(Supelco 製)又はこれと同等のもの 3 TSKgel ODS-100V(東ソー製、本測定条件によるアセフェート及びメタミ

ドホスの保持時間はそれぞれ約 7.2 分及び 4.8 分)又はこれと同等のもの 4 Quattro Premier(Waters 製)による条件例

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389

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(mg/kg) (%) RSDr(%)0.01 3 78.4 1.70.5 3 70.3 6.10.01 3 83.4 3.40.5 3 83.5 5.10.01 3 78.0 8.90.1 3 83.0 9.90.01 3 77.1 8.10.5 3 80.5 4.10.01 3 79.0 3.60.1 3 86.9 2.40.1 3 73.4 8.83 3 79.1 2.30.01 3 90.3 7.00.1 3 83.3 7.70.01 3 79.6 120.1 3 87.6 5.80.01 3 75.8 2.10.02 3 84.3 120.1 3 90.2 2.00.01 3 81.9 9.50.1 3 82.3 5.20.01 3 85.7 130.1 3 72.5 150.1 3 89.0 133 3 73.1 5.8

とうもろこし

メタミドホス

稲わら

アルファルファ乾草

成鶏飼育用配合飼料

小麦

乳用牛飼育用配合飼料

アセフェート

添加成分名 試料の種類 繰返し

成鶏飼育用配合飼料

小麦

アルファルファ乾草

稲わら

とうもろこし

乳用牛飼育用配合飼料

・共同試験

添加濃度 添加回収率 繰返し精度 室間再現精度

(mg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

乳用牛飼育用配合飼料

10 0 0.1 81.9 1.7 11 0.48

とうもろこし 10 0 0.5 82.7 4.8 8.4 0.46

アルファルファ乾草

10 0 3 74.9 3.5 15 1.0

乳用牛飼育用配合飼料

9 1 0.1 81.9 8.4 15 0.70

とうもろこし 10 0 0.01 81.5 2.0 15 0.67

アルファルファ乾草

10 0 0.1 100 4.5 18 0.83

HorRat

アセフェート

メタミドホス

成分名 試料の種類有効試験室数

棄却試験室数

・定量下限 試料中 各 0.01 mg/kg(乾牧草(稲わらを除く。)中 各 0.1

mg/kg) ・検出下限 試料中 各 0.003 mg/kg(乾牧草(稲わらを除く。)中 各 0.03

mg/kg)

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390

29 イマザピック及びイマザピルの液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による

同時分析法 (1) 分析対象化合物 イマザピック及びイマザピル(2 成分) (2) 適用範囲 飼料 (3) 分析法

A 試薬の調製

1) イマザピック標準原液 イマザピック〔C14H17N3O3〕25 mg を正確に量って

50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶媒を

加えてイマザピック標準原液を調製する(この液 1 mL は、イマザピックとして

0.5 mg を含有する。)。 2) イマザピル標準原液 イマザピル〔C13H15N3O3〕25 mg を正確に量って 50

mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶媒を加

えてイマザピル標準原液を調製する(この液 1 mL は、イマザピルとして 0.5 mgを含有する。)。

3) 農薬混合標準液 各標準原液の一定量を混合し、アセトンで正確に希釈し、

1 mL 中にイマザピック及びイマザピルとしてそれぞれ 20 µg を含有する農薬混

合標準原液を調製する。 使用に際して、農薬混合標準原液の一定量を 0.1 v/v%ギ酸溶液-メタノール

(7+3)で正確に希釈し、1 mL 中にイマザピック及びイマザピルとしてそれぞれ

0.0002~2 µg を含有する数点の農薬混合標準液を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 300 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 20 mL(乾牧草は 30 mL)を加え、30 分間静置後、更に塩酸(0.02 mol/L)-メタノ

ール(2+3)100 mL(乾牧草は 120 mL)を加え、30 分間振り混ぜて抽出する。

200 mL の全量フラスコをブフナー漏斗の下に置き、抽出液をあらかじめケイソ

ウ土を 1 cm の厚さに敷いたろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラス

コ及び残さを順次塩酸(0.02 mol/L)-メタノール(2+3)60 mL で洗浄し、同様

に吸引ろ過する。更に全量フラスコの標線まで塩酸(0.02 mol/L)-メタノール

(2+3)を加える。この液 2 mL(乾牧草は、更に塩酸(0.02 mol/L)-メタノー

ル(2+3)で正確に 10 倍希釈した後、その液 2 mL)を 20 mL 以上の試験管等の

ガラス容器に正確に入れ、塩酸(0.01 mol/L)18 mL を加えて、カラム処理に供

する試料溶液とする。 カラム処理注 1 オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム(1 g)注 2 をメタノ

ール 10 mL 及び塩酸(0.01 mol/L)10 mL で順次洗浄する。試料溶液をミニカラ

ムに入れ、液面が充てん剤の上端に達するまで流出させる。先のミニカラムの下

にあらかじめメタノール 10 mL 及び塩酸(0.01 mol/L)10 mL で順次洗浄したベ

ンゼンスルホニルプロピルシリル化シリカゲルミニカラム(500 mg)注 3 を連結

する。試料溶液の入っていたガラス容器を塩酸(0.01 mol/L)-メタノール

(1+1)5 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順次ミニカラムに加え、同様に流出させ

る。

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391

次に、オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラムを外し、メタノール 5 mLをベンゼンスルホニルプロピルシリル化シリカゲルミニカラムに加え、同様に流

出させる。50 mL のなす形フラスコをミニカラムの下に置き、メタノール-アン

モニア水(99+1)10 mL をミニカラムに加え、イマザピック及びイマザピルを溶

出させる。溶出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、

窒素ガスを送って乾固する。0.1 v/v%ギ酸溶液-メタノール(7+3)1 mL を正確

に加えて残留物を溶かし、液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定

に供する試料溶液とする。 液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定 試料溶液及び各農薬混合

標準液各 4 µL を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計に注入し、選択反応

検出クロマトグラムを得る。 測定条件 例 (液体クロマトグラフ部)

カ ラ ム:オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(内径 2.1 mm、長さ 150 mm、粒径 4 µm)注 4

溶 離 液:0.1 v/v%ギ酸溶液-メタノール(4+1)→10 min→(1+9)(5 min 保持)

流 速:0.2 mL/min カ ラ ム 槽 温 度:40 °C

(タンデム型質量分析計部注 5) イ オ ン 化 法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)法(正イオン

モード) イ オ ン 源 温 度:150 °C デソルベーションガス:N2(650 L/h、500 °C) キ ャ ピ ラ リ ー 電 圧:1 kV コ ー ン ガ ス:N2(50 L/h) コ ー ン 電 圧:下表のとおり コ リ ジ ョ ン ガ ス:Ar(0.20 mL/min) コリジョンエネルギー:下表のとおり モ ニ タ ー イ オ ン:下表のとおり 表 各物質のモニターイオン条件

プリカーサー コーン コリジョン

測定対象物質 イオン 定量用 確認用 電圧 エネルギー

(m/z) (m/z) (m/z) (V) (eV)231 - 20- 163 25217 - 25- 69 30

35

35

プロダクトイオン

イマザピック 276

イマザピル 262

計 算 得られた選択反応検出クロマトグラムからピーク面積又は高さを求め

て検量線を作成し、試料中のイマザピック量及びイマザピル量を算出する。 注 1 流速は 1~2 mL/min とする。必要に応じて吸引マニホールドを使用する。

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392

2 InertSep C18-C(ジーエルサイエンス製)に適当な容量のリザーバーを連

結したもの又はこれと同等のもの 3 Bond Elut SCX(Agilent Technologies 製)に必要に応じて適当な容量のリ

ザーバーを連結したもの又はこれと同等のもの 4 Inertsil ODS-3(ジーエルサイエンス製、本測定条件によるイマザピック及

びイマザピルの保持時間はそれぞれ約 7.5 分及び 6.5 分)又はこれと同等の

もの 5 ACQUITY TQD(Waters 製)による条件例

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(mg/kg) (%) RSDr(%)0.005 3 93.2 2.4

0.01 3 96.0 6.5

0.005 3 82.7 3.5

0.01 3 87.8 2.3

0.05 3 100 2.4

0.005 3 89.5 4.4

0.05 3 96.3 3.3

0.5 3 96.2 0.4

0.005 3 87.7 1.7

0.01 3 97.7 5.0

0.005 3 89.9 5.1

0.05 3 106 2.1

0.5 3 102 1.2

0.05 3 91.7 7.0

0.5 3 99.4 1.5

3 3 92.9 0.9

0.005 3 87.9 6.7

0.01 3 93.4 3.8

0.05 3 84.9 0.8

0.005 3 88.9 4.9

0.01 3 98.5 3.5

0.05 3 105 2.2

0.005 3 90.1 6.5

0.05 3 102 1.4イマザピル 5 3 94.0 0.7

0.005 3 95.2 6.2

0.01 3 100 4.9

0.05 3 85.4 0.7

0.005 3 87.1 4.1

0.05 3 107 2.1

7 3 98.5 1.4

0.05 3 100 5.1

0.5 3 109 2.3

30 3 92.5 0.4

繰返し

イマザピック

牛用配合飼料

大豆

とうもろこし

スーダングラス乾草

スーダングラス乾草

小麦

大豆油かす

添加成分名 試料の種類

牛用配合飼料

小麦

大豆

とうもろこし

大豆油かす

Page 111: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

393

・共同試験 添加濃度 添加回収率 繰返し精度 室間再現精度

(mg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

牛用配合飼料 9 0 0.01 87.6 9.3 11 0.50小麦 9 0 0.05 81.4 8.6 13 0.61とうもろこし 9 0 0.01 89.0 10 14 0.64大豆油かす 9 0 0.5 98.2 3.6 6.8 0.37スーダングラス乾草 9 0 3 84.4 6.7 9.1 0.65牛用配合飼料 9 0 0.05 76.6 7.6 19 0.85小麦 9 0 0.05 78.8 13 20 0.90とうもろこし 9 0 0.05 83.7 8.6 19 0.85大豆油かす 8 1 7 89.4 2.2 6.2 0.51スーダングラス乾草 9 0 30 91.0 3.8 4.8 0.49

イマザピル

HorRat

イマザピック

成分名有効試験室数

試料の種類棄却試験室数

・定量下限 試料中 各 0.005 mg/kg(乾牧草中 各 0.05 mg/kg) ・検出下限 試料中 各 0.002 mg/kg(乾牧草中 各 0.02 mg/kg)

30 エスプロカルブその他の農薬の液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による

同時分析法 (1) 分析対象化合物 エスプロカルブ、カフェンストロール、ピラゾキシフェン、

ピラゾリネート及びブプロフェジン(5 成分) (2) 適用範囲 稲わら、稲発酵粗飼料及び籾米 (3) 分析法

A 試薬の調製

農薬混合標準液 エスプロカルブ〔 C15H23NOS〕、カフェンストロール

〔 C16H22N4O3S 〕、ピラゾキシフェン〔 C20H16Cl2N2O3 〕、ピラゾリネート

〔C19H16Cl2N2O4S〕及びブプロフェジン〔C16H23N3OS〕各 25 mg を正確に量って

それぞれ 50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線ま

で同溶媒を加えて各農薬標準原液を調製する(これらの液各 1 mL は、各農薬と

してそれぞれ 0.5 mg を含有する。)。 各農薬標準原液各 1 mL を 50 mL の全量フラスコに正確に入れ、更に標線まで

アセトンを加えて 1 mL 中に各農薬としてそれぞれ 10 µg を含有する農薬混合標

準原液を調製する。 使用に際して、農薬混合標準原液の一定量をアセトニトリル-水(4+1)で正

確に希釈し、1 mL 中に各農薬としてそれぞれ 0.05~10 ng を含有する数点の農薬

混合標準液を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 300 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 30 mL(籾米は 20 mL)を加え、30 分間静置後、更にアセトン 120 mL(籾米は 100 mL)を加え、30 分間振り混ぜて抽出する。200 mL の全量フラスコをブフナー

漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラスコ

及び残さを順次アセトン 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。更に全量フラ

スコの標線までアセトンを加える。この液 2 mL を 50 mL のなす形フラスコに正

確に入れ、水 20 mL を加えて、カラム処理に供する試料溶液とする。

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394

カラム処理注 1 オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム(500 mg)注 2 をア

セトニトリル 5 mL 及び水 5 mL で順次洗浄する。試料溶液をミニカラムに入れ、

液面が充てん剤の上端に達するまで流出させる。更に試料溶液の入っていたなす

形フラスコを水-アセトニトリル(3+2)5 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順次ミ

ニカラムに加え、同様に流出させる。10 mL の全量フラスコをミニカラムの下に

置き、アセトニトリル-水(4+1)9 mL をミニカラムに加え、各農薬を溶出させ

る注 3。更に全量フラスコの標線まで同溶媒を加え、その液の一定量を 5,000×g で

5 分間遠心分離し、上澄み液を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による

測定に供する試料溶液とする注 4。 液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定 試料溶液及び各農薬混合

標準液各 5 µL を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計に注入し、選択反応

検出クロマトグラムを得る。 測定条件 例 (液体クロマトグラフ部)

カ ラ ム:オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(内径 2.1 mm、長さ 150 mm、粒径 5 µm)注 5

溶 離 液:2 mmol/L 酢酸アンモニウム溶液-アセトニトリル

(4+1)→15 min→(1+9)(5 min 保持) 流 速:0.2 mL/min カ ラ ム 槽 温 度:40 °C

(タンデム型質量分析計部注 6) イ オ ン 化 法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)法(正イオン

モード) イ オ ン 源 温 度:120 °C デソルベーションガス:N2(650 L/h、350 °C) キ ャ ピ ラ リ ー 電 圧:3.5 kV コ ー ン ガ ス:N2(50 L/h) コ ー ン 電 圧:下表のとおり コ リ ジ ョ ン ガ ス:Ar(0.25 mL/min) コリジョンエネルギー:下表のとおり モ ニ タ ー イ オ ン:下表のとおり

Page 113: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

395

表 各物質のモニターイオン条件 プリカーサー コーン コリジョン

イオン 定量用 確認用 電圧 エネルギー

(m/z) (m/z) (m/z) (V) (eV)91 - 25- 71 20100 - 16- 72 3691 - 35- 105 2391 - 37- 173 19201 - 14- 116 18

ピラゾリネート 439

ピラゾキシフェン 403

ブプロフェジン

エスプロカルブ 266 35

20

測定対象物質

カフェンストロール 351

306

45

45

35

プロダクトイオン

計 算 得られた選択反応検出クロマトグラムからピーク面積又は高さを求め

て検量線を作成し、試料中の各農薬量を算出する。 注 1 流速は 1~2 mL/min 程度とする。必要に応じて吸引マニホールドを使用す

る。 2 InertSep Slim-J C18-B(ジーエルサイエンス製)に適当な容量のリザーバ

ーを連結したもの又はこれと同等のもの 3 流速が維持できない場合は、必要に応じて二連球等により圧注する。 4 試料中のブプロフェジン含量が多い場合には、最終試料溶液をアセトニ

トリル-水(4+1)で希釈してから液体クロマトグラフタンデム型質量分析

計による測定に供する。 5 ZORBAX Eclipse XDB-C18(Agilent Technologies 製、本測定条件によるエ

スプロカルブ、カフェンストロール、ピラゾキシフェン、ピラゾリネート

及びブプロフェジンの保持時間はそれぞれ約 15.7 分、11.9 分、12.6 分、14.0分及び 16.3 分)又はこれと同等のもの

6 ACQUITY TQD(Waters 製)による条件例 (参考)分析法バリデーション

・添加回収率及び繰返し精度 添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(mg/kg) (%) RSDr(%)0.01 3 93.6 5.20.2 3 94.9 3.10.01 3 98.1 2.40.2 3 103 2.10.01 3 96.6 3.30.02 3 98.0 4.20.01 3 97.0 4.70.2 3 98.0 4.4

カフェンストロール 0.01 3 104 1.30.2 3 103 1.90.01 3 94.2 6.20.02 3 88.5 7.9

エスプロカルブ

添加成分名 試料の種類

稲わら

稲発酵粗飼料

籾米

繰返し

稲わら

稲発酵粗飼料

籾米

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396

・添加回収率及び繰返し精度〔続き〕 添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(mg/kg) (%) RSDr(%)0.01 3 88.3 5.90.2 3 92.6 3.10.01 3 97.6 2.00.2 3 106 1.20.01 3 86.5 1.30.1 3 86.2 5.00.01 3 97.5 1.80.2 3 93.7 3.60.01 3 92.0 7.10.2 3 90.3 6.30.01 3 96.7 3.20.1 3 98.8 5.30.01 3 90.0 7.1

25 3 99.3 5.20.01 3 95.0 1.7

15 3 85.6 3.60.01 3 101 3.5

10 3 99.9 2.4

ピラゾリネート

稲わら

稲発酵粗飼料

籾米

ブプロフェジン

稲わら

稲発酵粗飼料

籾米

籾米

ピラゾキシフェン

添加成分名 試料の種類

稲わら

繰返し

稲発酵粗飼料

・共同試験

添加濃度 添加回収率 繰返し精度 室間再現精度

(mg/kg) (%) RSDr(%) RSDR(%)

稲わら 9 0 0.2 89.3 4.6 10 0.49稲発酵粗飼料 9 0 0.2 88.4 3.3 7.3 0.35籾米 9 0 0.02 94.0 8.0 7.1 0.32稲わら 9 0 0.2 96.1 2.5 9.4 0.46稲発酵粗飼料 9 0 0.2 95.8 3.0 7.7 0.38籾米 9 0 0.02 97.0 7.1 9.6 0.44稲わら 9 0 0.2 88.3 4.0 13 0.65稲発酵粗飼料 9 0 0.2 89.3 3.8 8.9 0.43籾米 9 0 0.1 94.2 3.8 8.7 0.40稲わら 9 0 0.2 94.1 1.8 15 0.71稲発酵粗飼料 9 0 0.2 91.0 5.2 13 0.65籾米 9 0 0.1 99.3 4.5 8.8 0.40稲わら 9 0 25 90.5 2.7 10 1.1稲発酵粗飼料 9 0 15 92.4 2.9 11 1.0籾米 9 0 10 97.6 4.4 7.7 0.68

HorRat

エスプロカルブ

カフェンストロール

ピラゾキシフェン

ブプロフェジン

成分名 試料の種類有効試験

室数棄却試験

室数

ピラゾリネート

・定量下限 試料(稲発酵粗飼料は風乾物)中 各 0.01 mg/kg ・検出下限 試料(稲発酵粗飼料は風乾物)中 各 0.003 mg/kg

31 シハロホップブチル及びベンフレセートの液体クロマトグラフタンデム型質量分

析計による同時分析法 (1) 分析対象化合物 シハロホップブチル及びベンフレセート(2 成分) (2) 適用範囲 稲発酵粗飼料 (3) 分析法

A 試薬の調製

1) シハロホップブチル標準原液 シハロホップブチル〔C20H20FNO4〕25 mg を

正確に量って 50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標

線まで同溶媒を加えてシハロホップブチル標準原液を調製する(この液 1 mL は、

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397

シハロホップブチルとして 0.5 mg を含有する。)。 2) ベンフレセート標準原液 ベンフレセート〔C12H16O4S〕25 mg を正確に量っ

て 50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線まで同溶

媒を加えてベンフレセート標準原液を調製する(この液 1 mL は、ベンフレセー

トとして 0.5 mg を含有する。)。 3) 農薬混合標準液 使用に際して、各標準原液の一定量を混合し、アセトンを

加えて、1 mL 中にシハロホップブチル及びベンフレセートとしてそれぞれ 50 µgを含有する農薬混合標準原液を調製する。この標準原液を水-メタノール(1+1)で正確に希釈し、1 mL 中にシハロホップブチル及びベンフレセートとしてそれ

ぞれ 1~200 ng を含有する数点の農薬混合標準液を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 200 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 20 mL を加え、30 分間静置後、更にアセトン 100 mL を加え、30 分間振り混ぜて抽

出する。200 mL の全量フラスコをブフナー漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラスコ及び残さを順次アセトン 50 mL で

洗浄し、同様に吸引ろ過する。更に全量フラスコの標線までアセトンを加える。

この液 5 mL を 50 mL のなす形フラスコに正確に入れ、40 °C 以下の水浴で約 0.5 mL まで減圧濃縮し、カラム処理 I に供する試料溶液とする。

カラム処理 I 試料溶液を多孔性ケイソウ土カラム(5 mL 保持用)注 1 に入れ、

試料溶液の入っていたなす形フラスコを水 4 mL で洗浄し、洗液をカラムに加え

た後、10 分間静置する。200 mL のなす形フラスコをカラムの下に置き、試料溶

液の入っていたなす形フラスコをヘキサン 5 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順次

カラムに加え、液面が充てん剤の上端に達するまで流下してシハロホップブチル

及びベンフレセートを溶出させる。更にヘキサン 90 mL をカラムに加えて同様

に溶出させ、溶出液を 40 °C 以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、

窒素ガスを送って乾固する。酢酸エチル 2 mL を加えて残留物を溶かし、カラム

処理 II に供する試料溶液とする。 カラム処理 II 注 2 グラファイトカーボン/アミノプロピルシリル化シリカゲル

積層ミニカラム(500 mg/500 mg)注 3 を酢酸エチル 10 mL で洗浄する。 50 mL のなす形フラスコをミニカラムの下に置き、試料溶液をミニカラムに入

れ、液面が充てん剤の上端に達するまで流下してシハロホップブチル及びベンフ

レセートを流出させる。試料溶液の入っていたなす形フラスコを酢酸エチル 2 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順次ミニカラムに加え、同様に流出させる。更に

酢酸エチル 4 mL をミニカラムに加えて同様に流出させる。流出液を 40 °C 以下

の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後、窒素ガスを送って乾固する。水

-メタノール(1+1)1 mL を正確に加えて残留物を溶かし、5,000×g で 5 分間遠

心分離し、上澄み液を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定に供

する試料溶液とする。 液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定 試料溶液及び各農薬混合

標準液各 10 µL を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計に注入し、選択反応

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398

検出クロマトグラムを得る。 測定条件 例 (液体クロマトグラフ部)

カ ラ ム:オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(内径 2.1 mm、長さ 150 mm、粒径 3 µm)注 4

溶 離 液:0.1 v/v%ギ酸溶液-0.1 v/v%ギ酸メタノール溶液

(4+6)(1 min 保持)→ 12 min →(1+99)(15 min 保持)

流 速:0.1 mL/min カ ラ ム 槽 温 度:40 °C

(タンデム型質量分析計部注 5) イ オ ン 化 法:大気圧化学イオン化(APCI)法(正イオンモード) ネ ブ ラ イ ザ ー ガ ス:空気(4.4 L/min) 乾 燥 ガ ス:N2(20 L/min) インターフェース温度:350 °C ヒートブロック温度:300 °C D L 温 度:300 °C コ リ ジ ョ ン ガ ス:Ar(230 kPa) コリジョンエネルギー:下表のとおり モ ニ タ ー イ オ ン:下表のとおり 表 各物質のモニターイオン条件

プリカーサー コリジョン

イオン 定量用 確認用 エネルギー

(m /z ) (m/z ) (m/z ) (eV)256 - 11- 120 28163 - 11- 121 22

プロダクトイオン

シハロホップブチル 358

ベンフレセート

測定対象物質

257

計 算 得られた選択反応検出クロマトグラムからピーク面積又は高さを求め

て検量線を作成し、試料中のシハロホップブチル量及びベンフレセート量を算出

する。 注 1 InertSep K-solute 5 mL(ジーエルサイエンス製)又はこれと同等のもの

2 流速は 1 mL/min 程度とする。必要に応じて吸引マニホールドを使用する。 3 ENVI-Carb/LC-NH2(500 mg/500 mg)(Sigma-Aldrich 製)又はこれと同等

のもの 4 Inertsil ODS-3(ジーエルサイエンス製、本測定条件によるシハロホップブ

チル及びベンフレセートの保持時間はそれぞれ約 15.5 及び 11.1 分)又はこ

れと同等のもの 5 LCMS-8040(島津製作所製)による条件例

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399

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(mg/kg) (%) RSDr (%)0.009 5 93.2 7.70.1 5 87.0 110.009 5 85.3 140.1 5 91.0 5.40.009 5 86.0 6.40.2 5 89.0 110.009 5 91.1 120.2 5 101 2.7

ベンフレセート

稲発酵粗飼料1

稲発酵粗飼料2

添加成分名 試料の種類 繰返し

シハロホップブチル

稲発酵粗飼料1

稲発酵粗飼料2

・共同試験

添加濃度注 添加回収率 繰返し精度 室間再現精度

(mg/kg) (%) RSDr (%) RSDR (%)稲発酵粗飼料1 11 0 0.225 92.7 2.7 22 1.1稲発酵粗飼料2 11 0 0.045 97.0 4.8 32 1.5稲発酵粗飼料1 11 0 0.45 96.1 2.6 8.1 0.45稲発酵粗飼料2 11 0 0.045 94.7 3.7 10 0.45

HorRat

シハロホップブチル

ベンフレセート

成分名 試料の種類有効試験室数

棄却試験室数

注 分析試料(風乾物)に対する添加濃度

・定量下限 試料(風乾物)中 各 0.02 mg/kg ・検出下限 試料(風乾物)中 シハロホップブチル 0.0005 mg/kg、ベンフレ

セート 0.006 mg/kg

32 カルバリル、カルボフラン及びフェノブカルブの液体クロマトグラフタンデム型

質量分析計による同時分析法 (1) 分析対象化合物 カルバリル、カルボフラン及びフェノブカルブ(3 成分) (2) 適用範囲 飼料 (3) 分析法

A 試薬の調製

1) カルバリル標準原液 カルバリル〔C12H11NO2〕25 mg を正確に量って 50 mLの全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線までアセトンを加え

てカルバリル標準原液を調製する(この液 1 mL は、カルバリルとして 0.5 mg を

含有する。)。 2) カルボフラン標準原液 カルボフラン〔C12H15NO3〕25 mg を正確に量って

50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線までアセトン

を加えてカルボフラン標準原液を調製する(この液 1 mL は、カルボフランとし

て 0.5 mg を含有する。)。 3) フェノブカルブ標準原液 フェノブカルブ〔C12H17NO2〕25 mg を正確に量

って 50 mL の全量フラスコに入れ、アセトンを加えて溶かし、更に標線までアセ

トンを加えてフェノブカルブ標準原液を調製する(この液 1 mL は、フェノブカ

ルブとして 0.5 mg を含有する。)。 4) 農薬混合標準液 カルバリル、カルボフラン及びフェノブカルブ標準原液の

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400

一定量を混合し、アセトンで正確に希釈し、1 mL 中にカルバリル、カルボフラ

ン及びフェノブカルブとしてそれぞれ 10 µg を含有する農薬混合標準原液を調製

する。 使用に際して、農薬混合標準原液の一定量をアセトニトリル-水(3+2)で正

確に希釈し、1 mL 中にカルバリル、カルボフラン及びフェノブカルブとしてそ

れぞれ 0.04~600 ng を含有する数点の農薬混合標準液を調製する。 B 定 量

抽 出 分析試料 10.0 g を量って 300 mL の共栓三角フラスコに入れ、水 20 mL(乾牧草は 30 mL)を加え、30 分間静置後、更にアセトン 100 mL(乾牧草は

120 mL)を加え、30 分間振り混ぜて抽出する。200 mL の全量フラスコをブフナ

ー漏斗の下に置き、抽出液をろ紙(5 種 B)で吸引ろ過した後、先の三角フラス

コ及び残さを順次アセトン 50 mL で洗浄し、同様に吸引ろ過する。更に全量フ

ラスコの標線までアセトンを加える。この液 2 mL(乾牧草は、更にアセトンで

正確に 10 倍希釈した後、その液 2 mL)を 50 mL のなす形フラスコに正確に入

れ、水 20 mL を加えて、カラム処理に供する試料溶液とする。 カラム処理注 1 オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム(500 mg)注 2 をア

セトニトリル 5 mL 及び水 5 mL で順次洗浄する。試料溶液をミニカラムに入れ、

液面が充てん剤の上端に達するまで流出させる。試料溶液の入っていたなす形フ

ラスコを水-アセトニトリル(9+1)5 mL ずつで 2 回洗浄し、洗液を順次ミニカ

ラムに加え、同様に流出させる。 10 mL の全量フラスコをミニカラムの下に置き、アセトニトリル-水(3+2)9

mL をミニカラムに加え、各農薬を溶出させる。更に全量フラスコの標線まで同

溶媒を加え、その液の一定量を 5,000×g で 5 分間遠心分離し、上澄み液を液体ク

ロマトグラフタンデム型質量分析計による測定に供する試料溶液とする。 液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による測定 試料溶液及び各農薬混合

標準液各 5 µL を液体クロマトグラフタンデム型質量分析計に注入し、選択反応

検出クロマトグラムを得る。 測定条件 例 (液体クロマトグラフ部)

カ ラ ム:オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(内径 2.1 mm、長さ 150 mm、粒径 5 µm)注 3

溶 離 液:2 mmol/L 酢酸アンモニウム溶液-アセトニトリル

(4+1)→ 15 min →(1+9)(5 min 保持) 流 速:0.2 mL/min カ ラ ム 槽 温 度:40 °C

(タンデム型質量分析計部注 4) イ オ ン 化 法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)法(正イオン

モード) イ オ ン 源 温 度:120 °C デソルベーションガス:N2(650 L/h、350 °C)

Page 119: 第 節 多成分同時分析法 農薬のガスクロマトグラフ …...o,p'-DDT 235 237 ナプロパミド 128 271 p,p'-DDT 235 237 パラチオン 291 109 EPN 157 169 パラチオンメチル

401

キ ャ ピ ラ リ ー 電 圧:1 kV コ ー ン ガ ス:N2(50 L/h) コ ー ン 電 圧:下表のとおり コ リ ジ ョ ン ガ ス:Ar(0.25 mL/min) コリジョンエネルギー:下表のとおり モ ニ タ ー イ オ ン:下表のとおり 表 各物質のモニターイオン条件

プリカーサー コーン コリジョン

測定対象物質 イオン 定量用 確認用 電圧 エネルギー

(m /z ) (m /z ) (m /z ) (V) (eV)

145 - 22 12

- 127 22 28

165 - 24 12

- 123 24 2395 - 24 16

- 77 24 36フェノブカルブ 208

プロダクトイオン

カルバリル 202

カルボフラン 222

計 算 得られた選択反応検出クロマトグラムからピーク面積又は高さを求め

て検量線を作成し、試料中の各農薬量を算出する。 注 1 流速は 1~2 mL/min 程度とする。必要に応じて吸引マニホールドを使用す

る。 2 InertSep Slim-J C18-B(ジーエルサイエンス製)又はこれと同等のもの

3 ZORBAX Eclipse XDB-C18(Agilent Technologies 製、本測定条件によるカ

ルバリル、カルボフラン及びフェノブカルブの保持時間は約 7.9、7.5 及び

10.0 分)又はこれと同等のもの 4 ACQUITY TQD(Waters 製)による条件例

(参考)分析法バリデーション ・添加回収率及び繰返し精度

添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(mg/kg) (%) RSDr (%)0.01 5 89.6 7.20.1 5 96.9 2.50.01 5 92.6 8.82 5 92.9 4.00.01 5 96.0 100.1 5 96.2 4.50.01 5 90.6 7.2

10 5 96.4 1.10.1 5 86.6 6.6

250 5 103 1.1

添加成分名 試料の種類 繰返し

カルバリル

肉用牛肥育用配合飼料

小麦

とうもろこし

マイロ

オーツ乾草

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402

・添加回収率及び繰返し精度〔続き〕 添加濃度 添加回収率 繰返し精度

(mg/kg) (%) RSDr (%)0.01 5 93.2 6.60.05 5 95.8 3.70.01 5 95.1 6.50.2 5 91.3 1.90.01 5 105 7.40.05 5 94.0 1.20.01 5 97.8 4.30.1 5 93.4 6.90.1 5 92.8 5.0

13 5 95.7 2.10.01 5 89.4 6.80.3 5 95.0 1.30.01 5 85.5 110.3 5 91.8 2.70.01 5 92.9 7.30.3 5 94.3 3.10.01 5 86.8 7.30.3 5 95.6 2.20.1 5 95.3 5.5

10 5 99.1 2.6

肉用牛肥育用配合飼料

小麦

添加成分名 試料の種類

カルボフランとうもろこし

マイロ

オーツ乾草

繰返し

フェノブカルブ

肉用牛肥育用配合飼料

小麦

とうもろこし

マイロ

オーツ乾草

・共同試験

添加濃度 添加回収率 繰返し精度 室間再現精度

(mg/kg) (%) RSDr (%) RSDR (%)肉用牛肥育用配合飼料 11 0 0.1 99.4 7.2 15 0.68小麦 11 0 2 95.4 5.9 9.4 0.46とうもろこし 11 0 0.1 99.1 4.6 16 0.74マイロ 10 1 10 97.9 2.6 6.5 0.58オーツ乾草 11 0 10 94.9 5.3 11 0.96肉用牛肥育用配合飼料 11 0 0.1 96.5 3.1 7.5 0.34小麦 11 0 0.2 94.2 5.6 7.0 0.34とうもろこし 11 0 0.05 96.8 3.4 9.9 0.45マイロ 11 0 0.1 98.7 2.3 5.2 0.24オーツ乾草 11 0 10 94.0 2.2 6.1 0.54肉用牛肥育用配合飼料 11 0 0.3 94.9 4.7 5.6 0.29小麦 11 0 0.3 92.5 6.0 7.2 0.37とうもろこし 11 0 0.3 96.3 3.4 8.3 0.43マイロ 11 0 0.3 97.8 3.2 6.7 0.35オーツ乾草 11 0 10 95.4 2.8 7.0 0.61

フェノブカルブ

HorRat

カルバリル

成分名 試料の種類有効試験室数

棄却試験室数

カルボフラン

・定量下限 試料中 各 0.01 mg/kg(乾牧草中 各 0.1 mg/kg) ・検出下限 試料中 各 0.003 mg/kg(乾牧草中 各 0.03 mg/kg)