bpw軸1 締め付けトルク 締め付け箇所 締め付けトルク ハブキャップ...

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BPW軸 20インチ 10スタッド 8スタッド 15インチ 10スタッド 整備要領書 2017

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BPW軸20インチ 10スタッド 8スタッド15インチ 10スタッド     

整備要領書2017

BPW軸20インチ・15インチ整備要領書2017.indd 1 2018/07/25 11:41:16

……………………………………………………………………………… 3

……………………………………………………………………………………… 4

………………………………………………………………… 5~ 13

…………………………………………………………… 14 ~ 21

……………………………………………………… 22 ~ 27

…………………………………………………………………………………………… 28

………………………………………………………………… 29 ~ 31

…………………………………………… 32 ~ 33

……………………………………………………… 34 ~ 39

………………………………………………………………………… 40

………………………………………………………………… 41

…………………………………………………………… 42

…………………………………………………………… 43

…………………………………………………………………………………… 44

目 次

(頁)

BPWトレーラ・アクスル ブレーキ BPW 95S -カムブレーキ SN420(20 インチ)/SN 300(15 インチ)

1. 締め付けトルク表

2. 重要な工具

3. サービスとメンテナンス

4. ブレーキライニングの交換

5. ハブアッセンブリーの分解組立

6. ABS

7. ブレーキカムシャフト

8. オートマティックスラックアジャスター

9. ブレーキチャンバの点検・整備

10. ブレーキドラムの点検

11. ECO ハブシステム給油脂量

12. BPW エコハブアクスル部品名称

13. 消耗部品の検査基準及び交換基準

14. 定期交換部品

注 意 BPW 車軸に取り付ける、いかなる交換部品も純正のBPW パーツを使用して下さい。又、潤滑には必ず BPW ECO-LiPlus 耐熱グリスをお使い下さい。BPW 車軸の寿命と性能はこの条件で保証されています。

以 上

2

BPW軸20インチ・15インチ整備要領書2017.indd 2 2018/07/25 11:41:20

1 締め付けトルク

締め付け箇所 締め付けトルク

ハブキャップ ネジ部に耐熱グリスECO-Li Plus を塗布800Nm

ブレーキドラムのホイールスタッドのロックナット(注 3)

8穴 (JIS)M20 × 1.5 300Nm

10 穴 (ISO)M22 × 1.5 400Nm

アクスルナット(SW85) 150Nm

ホイールナット

8穴 (JIS)スチールホイールM20 × 1.5

エンジンオイル塗布(注 1・注 2)540Nm

8 穴 (JIS)アルミホイールM20 × 1.5

エンジンオイル塗布(注 1・注 2)440Nm

10 穴 (ISO)M22 × 1.5 600Nm

スラックアジャスターのロックナット

M22 × 1.5(SW32)80Nm

カバープレートのロッキングスクリューM10(SW33)

32Nm

注1:特記の無い締め付けトルクはドライ(オイル等は塗布しない)とします。注2:エンジンオイル塗布の方法は下記としてください。

ウエスにエンジンオイルをたらして、ネジ部および指定箇所を拭く。注3:15インチ車軸のホイールスタッドは圧入式のためロックナットはありません。

3

BPW軸20インチ・15インチ整備要領書2017.indd 3 2018/07/25 11:41:20

番号 名  称 スケッチ 使い方

ハブキャップ用ボックススパナ

SW110 988219-0100115インチ、20インチ共通

アクスルナットソケットボックススパナ

SW65 988219-01002(15インチ用)

SW80 988219-01003(20インチ用)

カムシャフトブッシュ用打ち込みマンドレル

ハンドル988219-01004

42φマンドレル988219-01005

15インチ、20インチ共通

圧入工具ローラーベアリングアウターレース用インナーベアリングφ142 15.011.20052

アウターベアリングφ113 15.013.20052

2 最も重要な特殊工具(その他の工具についてはBPW-WPを参照のこと)

25.4

12.7

4

BPW軸20インチ・15インチ整備要領書2017.indd 4 2018/07/25 11:41:20

3 - 1 サービスとメンテナンス  

3ヶ月毎

12ヶ月毎

ライニング交換時

お勧めであって

保証ではありません30万キロ毎

毎BPW特殊長寿命グリースECO‒Li Plusによる潤滑①カムシャフトベアリング インナーとアウター

短距離運行の場合 ①1

長距離運行の場合 ①1

②オートマティックスラックアジャスターECO‒Master短距離運行の場合 ②長距離運行の場合 ②

③ハブベアリンググリスの交換(必ず BPW ECO‒Li Plus 耐熱グリスを使うこと)同時にテーパーローラーベアリングとロータリーシャフトシールの摩耗を検査すること短距離運行の場合 ③長距離運行の場合 ③

④アンカーピンとC‒クランプC‒クランプとブレーキシューの接する面にモリコートCu‒7439を塗布する ④C‒クランプの摩耗を検査する ④C‒クランプを新品と交換する ④

⑤ローラー、ベアリングボルト、リングベアリングブッシュを清掃してBPW耐熱グリスECO‒Li Plus(4g)を塗布する ⑤ローラー、ベアリングボルト、リングを新品と交換する ⑤

1 長期間運行休止した後もブレーキカムシャフトのインナー、アウターのベアリング再潤滑。  最初の運行前にスラックアジャスターを手で動かしながらグリスを補給。

3-1-1 潤滑

5

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運行開始時

3ヶ月毎

12ヶ月毎

ライニング交換時

メンテナンス作業

1ホイールナットの締め付けトルクの確認 11 1 1 1

2ライニングの摩耗確認(残り厚さは5㎜以上有ること) 2 2

3タイヤの偏摩耗のチェック 3 3 3

4ホイールハブベアリングの遊びのチェック、調整 42 42

5全部品に破損摩耗がないか目視検査 5

6ハブキャップの締め付けトルク確認 6 6 6

7オートマティックスラックアジャスターの作動確認 7 7

8カムシャフトのスプラインの損傷確認 8

9ドラムの摩耗限度及びヒートクラックの状態確認 9

10シューリターンスプリングの検査 102

 交換 10

11ブレーキチャンバーのエア漏れ点検 11 11

1 最初の積載運行の後。ホイール交換の際は毎回最初の運行後に。2 建設現場での運行、又は悪路での運行をする場合には頻度を増すこと。

3-1-2 メンテナンス

6

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3 - 2 潤滑作業

1 ブレーキカムシャフトベアリング、アウターとインナー☆長距離運行車輌は毎年1回、短距離運行の車輌は3ヶ月毎、又ブレーキライニング交換の際。グリスニップルからBPW ECO-Li Plus 耐熱グリスをベアリング部からあふれ出るまで補給。(図3-2-1 ①)

2 オートマティックスラックアジャスター ECO-Master☆長距離運行車輌は毎年1回、短距離運行の車輌は3ヶ月毎、又ブレーキライニング交換の際。

 潤滑と機能の確認の方法に付いては5頁②を参照。(図3-2-2 ①、②)

3 ホイールハブベアリングのグリスの交換☆短距離運行車輌の場合は遅くとも2年以内☆長距離運行車輌の場合は遅くとも300,000㎞ 走行以前。3及び4章を参照してホイールハブを取り外す。再組立て時にハブとベアリングレースの組み合わせを間違えないようにマーキングすること。

ホイールハブの内外を充分清掃する。古いグリスは残らないように除去。テーパーローラーベアリングとロータリーシャフトシールを軽油で洗ってよく検査する。BPW ECO-Li Plus 耐熱グリスをテーパーローラーとレースの間に塗布する。塗布量は9-1章の表①を参照。余ったグリスをハブのアウターベアリングレースに塗り付けること。ホイールハブを取り付けてから3及び4章に従ってベアリングクリアランスを調整する。(図3-2-3)注意 BPWのベアリングは2種類あり、プ

ラスチック製のローラー籠は落とすと破損する。

図.3-2-2

図 .3-2-3

図 .3-2-1

7

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3-2 潤滑作業

4 12ヶ月毎にC‒クランプのシューと接する面にモリコートCu‒7439を塗布する12ヶ月毎にC-クランプの摩耗を検査する。ライニング交換時にC-クランプを新品に交換する。(図3-2-4)

5 12ヶ月毎にローラー、ベアリング、リングベアリングブッシュを清掃してBPW耐熱グリスECO‒Li Plus(4g) を塗布するライニング交換時にローラー、ベアリングボルト、リングを新品と交換する。(図3-2-5)

図.3-2-5

図 .3-2-4

耐熱グリスMOLYKOTE Cu960040‒00019

BPW 耐熱グリスECO-LI PLUS960040‒00010

8

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3 - 3 メンテナンス作業

1 ホイールナットの増し締め☆第1回目の積載状態で走行した後、及び毎回のホイール交換後の積載状態での走行後、ホイールナットを締め直す。ホイールナットは下記の規定トルクで対面線状に締めること。(図3-3-1)ホイールとの接触面に塗装を行うとホイールナットが緩んで走行中にホイールが外れる危険がある。

スタッドマウントのホイールナット

8穴 JIS 10穴 ISOM20×1.5 M22×1.5

エンジンオイル塗布 ドライスチールホイール アルミホイール 600Nm540Nm 440Nm

☆毎3ヶ月ごとホイール・ナット、ボルトに緩みがないかをトルクレンチなどにより点検する。

2 ブレーキライニングの厚さチェック☆毎3ヶ月ごとブレーキドラムのバックプレートのラバーフラップを外し点検窓から点検する。ライニングの残り厚さが5㎜ 又はライニング上の摩耗限度表示溝が無くなりそうになったら交換する。(図3-3-2)オートマティックスラックアジャスターで摩耗インジケーターが付いているときは、ブレーキ解放時にインジケーターレバーが水平になったらライニングを交換する。(図3-3-3、図3-3-4)

ライニング新品時

図.3-3-3

図 .3-3-1

ライニング摩耗限度

図.3-3-4

図 .3-3-2

9

BPW軸20インチ・15インチ整備要領書2017.indd 9 2018/07/25 11:41:22

図.3-4-1

図 .3-4-2

3 - 4 メンテナンス

1 タイヤの偏摩耗のチェック☆毎3ヶ月ごと

2 アクスルの目視点検☆毎3ヶ月ごと アクスルに亀裂、損傷及び変形がないかを目視などにより点検する。

☆毎12ヶ月ごと ブレーキ・ドラムを分解して、構成部品に損傷や摩耗がないかを点検する。(図3-4-1)

 ※ アクスルシャフトのベアリングの嵌合面に赤く錆が付着しているが(図3-4-1矢印部分)、これはBPWの車軸の構造上、インナーレースとの嵌め合いが緩いため、擦過腐食(赤さびが出る)が起きているためであり問題ない。

   ウエス等にて清掃し、BPW専用グリス(青)を塗布する。

   放置すると錆が進行し、ベアリングとシャフトの固着が発生する。最悪、車軸Assy交換が必要となる。

3 ホイールハブの遊びの調整☆毎12ヶ月ごと ホイールハブの遊びのチェックにはタイヤが地面から離れるまで車軸をあげる。ブレーキを解除してバールをタイヤと地面の間に差し込んでガタをチェックする。(図3-4-2)

 もし少しでもガタが有ったら下記に従って調整。

① ハブキャップを外す。  ・ ハブキャップの取り外しは専用ソケットと

長いレバーを使用し、ソケットの肩の部分をハンマーで叩きながら外す。

  ・ インパクトレンチは使用不可。  ・ インパクトレンチを使用するとキャップが

変形し、水の侵入、脱落の恐れがある。 ② アクスルナットの回り止めを外す。  ・ ロッキングリングを外しロックピンを引き

抜く。  ・ 再使用するので変形しないように外す。

10

BPW軸20インチ・15インチ整備要領書2017.indd 10 2018/07/25 11:41:23

図.3-4-3

3 - 4 メンテナンス

  ・ 4-1-3項参照。 ③ タイヤを回しながらトルクレンチを使ってトルク150Nm でアクスルナットを締め込む。

  ・ サークリップ(スナップリング)は外さない。  ・ 締め込み過ぎるとインナーベアリング

を押さえているスラストリング(リティーナー)が変形する恐れがある。

  ・ アクスルナットを緩めてもスラストリングの変形は戻らず、走行中に戻ることがある。

  ・ 走行中にリティーナーが戻った場合、ベアリングの締め付けが強くなり、ベアリングが破損する恐れがある。

④  アクスルナットを直近のロック穴にピンが入る迄戻して(最大15度)、ロックピンを差し込んでロックピンのスプリングで回り止めする。

  5-6-2項参照。⑤ ハブキャップを締め付ける。  締め付けトルク    スチール製ECO    800Nm    (図3-4-3)

11

BPW軸20インチ・15インチ整備要領書2017.indd 11 2018/07/25 11:41:23

3 - 5 メンテナンス

1 ハブキャップの増し締め☆毎3ヶ月ごと トルクレンチかパワーツールで増し締め。 (図3-5-1)

 締め付けトルク    スチール    800Nm

 ・ハブキャップの締め付けにインパクトレンチを使ってはならない。トルク制御できるエアガンか、手動のトルクレンチを使うこと。

・インパクトレンチを使用するとキャップが変形し、水の侵入、脱落の恐れがあり、使用不可。

2 ECO-Master オートマティックスラックア  ジャスターの機能確認と潤滑☆毎3ヶ月ごと及びブレーキ異状時。

ゴムキャップを外し、調節スクリューから充分新しいグリスが押し出されるまでECO-Li Plus耐熱グリスを補給する(約 80g)。リングスパナで約3/4 回転調節スクリューを戻す。この際レバー長さ150㎜ で最低 50㎜ の遊びがなければならない。手で数回アジャスターを作動させて自動スラック調整がなされることを確認する。これはクラッチの歯がカチッと音を立てるのが聞こえ、調整スクリューがわずかに時計回転方向に回ることで判る。調整スクリューのスペースが一杯になるまで再度グリスを供給してラバーキャップを取り付ける。(破損したキャップや完全に密閉できないキャップは交換する。)(図3-5-2)

3 カムシャフトの点検☆毎 12ヶ月ごと スラックアジャスタをカムシャフトから取り外し、スプラインに損傷がないか目視により点検する。(図3-5-3)

図.3-5-2

図 .3-5-3

図 .3-5-1

12

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3-6 メンテナンス

1 ドラムの摩耗限度及びヒートクラックの状態   確認

12ヶ月毎に分解して点検する。ドラム摩耗確認エッジにより適当な残厚があることを確認する。摩耗が摩耗確認エッジに近づいていたらドラムの内径を測定し、使用限度に達していたらドラムを新品に交換する。(図3-6-1)      新品内径  摩耗限度20インチ軸  φ420    φ42515インチ軸  φ300    φ304ドラムのヒートクラックの状態は「10 ブレーキドラムの点検」を参照。(図3-6-1)

2 シューリターンスプリングの検査と交換12ヶ月毎に分解して点検する。シューリターンスプリングの錆、伸びを点検する。(スプリングの線間に隙間があったら交換する。)ブレーキライニング交換時には交換する。(図3-6-2)

3 シューのローラ、ベアリングの点検、潤滑12ヶ月毎に分解して点検する。ベアリングブッシュを掃除して、BPW耐熱グリスECO-Li Plusを塗布する。

4 ブレーキチャンバーのエア漏れ点検3ヶ月ごとにエア漏れ検知剤、石鹸水などを塗布してエア漏れの有無を点検する。①よりの漏れはダイヤフラムを交換②よりの漏れはチャンバー本体を交換(図3-6-3)

図.3-6-2

図 .3-6-1

図 .3-6-3

13

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4. ブレーキライニングの交換

ブレーキライニングの使用可否判定基準【欠け】 使用不可。但しブレーキドラム取り外し時の外周縁部の新しい欠けは使用可。

【摩擦面の亀裂】 使用不可。但し表面をペーパーで軽く研磨して消える亀裂は使用可。

【著しい熱損傷】 表面をペーパーで軽く研磨して正常な表面が現れる場合は使用可。熱損傷の例・ライニング表面及び周辺部の炭化。・ライニング表面がスポンジ化しバサバサになる。・ライニングの繊維が露出している。

【ライニング表面の溝】 幅3㎜以下の溝は表面をペーパーで研磨して使用可。ドラムとライニングの間に異物が噛み込むことにより発生します。

【錆、砂、埃による汚れ】 表面を水洗またはペーパーで研磨して使用可。

14

BPW軸20インチ・15インチ整備要領書2017.indd 14 2018/07/25 11:41:24

4 - 1 ブレーキライニングの交換

1 ライニングの厚さのチェックはドラム裏側のバックプレートのラバーフラップを外し点検窓から行う。もしライニングの残り厚さが 5㎜ 以下であるか、ライニングの摩耗表示溝が残っていなければ交換する。(図4-1-1)

2 スラック・アジャスタを緩めるスラック・アジャスタ調整ねじ部のゴム・キャップを外し、19㎜ のボックス・レンチでスリーブを押しながら、反時計方向にS-カムシャフトがゼロ位置に戻るまで回す。(図4-1-2)

3 アクスル・ナットのスプリング・ピンを外すタイヤがフリーになるように車軸を持ち上げる。アクスルナットのロックピンをスプリングごと外す。(図4-1-3)注意 ピンを持ち上げて外してください。   ワイヤーを持ち上げて外すと、ワイヤー   が延びて溝からはみ出て、ロック出来なく   なることがあります。・3-4-3-②項参照。・4-7-2項参照。・5-6-2項参照。

4 アクスルナットを緩める(図4-1-4)

☞ アクスルナットを緩めるにつれてホイール、ハブ、ベアリングとシールが一体で抜けだしてくる。

・サークリップ(スナップリング)は外さない。・ サークリップ(スナップリング)を外し、アクスルナットを外してからプーリー抜きをかけて引き抜くのはNG。注意 BPWのベアリングは2種類あり、プラス

チック製のローラー篭は落とすと破損する恐れがある。

図.4-1-1

O

図.4-1-2

図 .4-1-3

図 .4-1-4

15

BPW軸20インチ・15インチ整備要領書2017.indd 15 2018/07/25 11:41:25

11

4-2 ブレーキライニングの交換

� リターン・スプリングのフックを外す

U型リターン・スプリングにマイナス・ドライバー等を

差し込んで、フックを外す。 (図4-2- 1)

� バールをアクスルビームに当ててブレーキシューを

持ち上げる。

� 持ち上げる際にABSセンサーとセン

サーケーブルを傷つけないよう注意する

こと。

ブレーキシューを取り外す。 (図4-2- 2)

� ブレーキシューからリターンスプリングを外す。

(図4-2- 3)

20インチ軸:1本

15インチ軸:2本

図 .4-2-2

図 .4-2-3

図 .4-2-1

4 - 2 ブレーキライニングの交換

1 リターン・スプリングのフックを外すU型リターン・スプリングにマイナス・ドライバー等を差し込んで、フックを外す。(図4-2-1)

・ この後、リターンスプリングは先に取り外しておくと、あとの作業がやりやすい。

2 バール又はパイプ(φ34×400~500ℓ)をアクスルビームに当ててブレーキシューを持ち上げる

☞ 持ち上げる際にABSセンサーとセンサーケーブルを傷つけないよう注意すること。

ブレーキシューを取り外す。(図4-2-2)

3 ブレーキシューからリターンスプリングを外す(図4-2-3)20インチ軸:1本(φ34.5/φ5.5×274ℓ)15インチ軸:2本(φ20/φ3.6×180ℓ)コイル線間にすき間があれば交換する。

16

BPW軸20インチ・15インチ整備要領書2017.indd 16 2018/07/25 11:41:26

1 古いブレーキライニングを取り外しブレーキシューを清掃する。シューの表面の錆や汚れをきれいにしてスムースな表面にする。オーバーサイズしたドラムの場合、ブレーキシューもオーバーサイズのものを使用する。シューの穴全部にリベットを差し込んで位置がずれないようにしっかり保持する。(図4-3-1)

2 図示されるように内側のリベットから外側に向かってかしめる。(図4-3-2)

  リベットのかしめ力:21,000 N  リベット:メッキ鋼製半中空リベット      8 × 15㎜ DIN 7338B 規格

3 ローラ、ベアリング、ボルト、リングを新品と  交換する。(図4-3-3)・ ピンをハンマーで叩き抜く際は、下側のリングの切れ目をシューのリブの内側に来るようにすると良い。

図.4-3-1

図 .4-3-2

図 .4-3-3

4 - 3 ブレーキライニングの交換

17

BPW軸20インチ・15インチ整備要領書2017.indd 17 2018/07/25 11:41:27

1 ベアリングブッシュを掃除して BPW耐熱グリスECO-Li Plus(4g)を塗布する。

2 新しいローラーとスプリングをブレーキシューウェッブに差し込む。(図4-4-1)

3 ベアリングボルトの面を取って有る側を下にして打ち込む。両側のリングがベアリングボルトの溝にしっかりはまり込むことを確認する。(図4-4-2)

4 リターンスプリングを新品と交換する。リターンスプリングをブレーキシューの耳に引っかける。(図4-4-3)20インチ軸:1本(φ34.5/φ5.5×274ℓ)15インチ軸:2本(φ20/φ3.6×180ℓ)コイル線間にすき間があれば交換する。

4 - 4 ブレーキライニングの交換

図.4-4-1

図 .4-4-2

図 .4-4-3

18

BPW軸20インチ・15インチ整備要領書2017.indd 18 2018/07/25 11:41:27

14

4-5 ブレーキライニングの交換

 ABS付きの車輌のみセンサの損傷と押し込み/抜き出し力をチェックする(押し込み/抜き出し力 100 ~ 200N)。必要が有ればクランプブッシュを交換して、ブッシュとセンサにグリスを少量塗布して再組立。ハブを組み付ける際は必ずセンサを一杯まで押し込んでから組み付ける。ハブを組み付けるとセンサはエキサイターリングに対して正しい位置になる。(図4- 5- 1)

 アンカーピンに取り付けてあるC-クランプを新品と交換する。ブレーキシューのリングと接する面にモリコート Cu-7439(微細銅粉入りかじり防止グリス)を塗布。(図4- 5- 2)

 ローラーを組み付けた上側ブレーキシューをSカムに乗せてブレーキシューを軟らかいハンマーでたたいてロックリングにはめる。 (図4- 5- 3)

図 .4-5-1

図 .4-5-2

図 .4-5-3

19

BPW軸20インチ・15インチ整備要領書2017.indd 19 2018/07/25 11:41:27

4 - 6 ブレーキライニングの交換

1 下側のブレーキライニングを組み付けて軟らかいハンマーでたたいてロックリングにはめ込む。(図4-6-1)

2 リターン・スプリングのフックを掛けるU型リターン・スプリングにマイナス・ドライバー等を差し込んで、フックを掛ける。(図4-6-2)

3 アクスルスピンドルのベアリングシートをきれいに掃除して全周にBPW 耐熱グリスECO-Li Plus を薄く塗布する。丁寧にハブのアッセンブリーをスピンドルに取り付ける。(図4-6-3)

☞ アクスルナットを回してディスクの突起をスピンドルの溝に合わせてからハブアッセンブリーをゆっくりと押し込む。アクスルナットを締め込むとハブアッセンブリーはスピンドルに締め込まれる。

図.4-6-1

図 .4-6-2

図 .4-6-3

20

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1 ホイールをゆっくり回しながらアクスルナットをトルク150Nm で締め付けて、少々戻してロッキングピンが差し込める穴と合わせる。(戻し角度は最大15度)(図4-7-1)

 ☞ アクスルナットのピン穴は最大15度戻せばピンが入るように設計されている。

2 ロッキングピンを合った穴に差し込んでロッキングスプリングをアクスルナットの円周上の溝にはめて緩み止めする。 (図4-7-2)

注意  サークリップ (内径φ65)についてはアクスルナットの溝に確実に止めること。

    ワイヤーが延びて溝からはみ出るときは新品と交換すること。

3-4-3-③、④項参照。5-6-2項参照。

3 ハブキャップのねじの全周にBPW ECO-Li Plus 耐  熱グリスを塗布してハブにねじ込み、トルク800Nm  で締め付ける。(図4-7-3)

  ブレーキの初期調整  オートマティックスラックアジャスターECO-Masterは  自動調整機構を有しているが、ブレーキライニング  の交換を実施した時には、初期調整をマニュアル  にて実施する。 調整は31頁及び32頁参照。

図.4-7-1

図 .4-7-2

図 .4-7-3

4 - 7 ブレーキライニングの交換

21

BPW軸20インチ・15インチ整備要領書2017.indd 21 2018/07/25 11:41:28

1    ハブアッセンブリの取り外し組付けは   4章を参照。

  ハブからサークリップを抜き取る。(図5-1-1)

2 アクスルナット、ディスク及びテーパーローラーベアリングを抜き出す。(図5-1-2)

  テーパーローラーベアリングとハブ内側のスペースをきれいに掃除し、摩耗又は傷が無いか検査する。

  必要が有れば交換する。

 ☞ 組立の際にディスクの位置に注意。     4-6-3項を参照。

3 サークリップを外してインナーテーパーローラーベア  リングを抜き出す。(図5-1-3)  テーパーローラーベアリング、ロータリーシャフトシー  ルと一緒にスラストリングを外す。  テーパーローラーベアリングとハブの内側の空間を  充分掃除し、ローラーベアリングを検査して、必要  が有れば交換する。交換にはベアリングのアウター  レースも一緒に交換しなければならないのでカバー  プレートと一緒にハブから抜き取る。  取り付けの位置は37頁を参照。

図.5-1-1

図 .5-1-2

図 .5-1-3

5 - 1 ハブアッセンブリの分解組立

22

BPW軸20インチ・15インチ整備要領書2017.indd 22 2018/07/25 11:41:28

1 ベアリングアウターレースをハブ(435)から叩き出して外す。(図5‒2‒1)

  注意 この時ハブのベアリングシート部を

傷付けないように充分注意すること。   傷を付けた場合はハブASSYを交換し

なければならない。

2 ローラーベアリングの取付  新しいローラーベアリングアウターレースをホイールハブに挿入する。

  圧入工具とプレス(Min 6Ton)を使用する。  (図5‒2‒2)

  アウターレース間にシールを挿入する。

図.5-2-1

図 .5-2-2

5 - 2 ローラーベアリングのアウターレースの交換

23

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5 -3 ハブアッセンブリの分解と組立

1 JIS8穴の場合  ホイールスタッドを検査して、必要が有れば新しいスタッドを位置決めの溝にはめる。(図5‒3‒1‒1)ホイールスタッドは銅ハンマーで叩き出し、叩き込む。

  ISO10穴の場合  ホイールスタッドを検査して、必要が有れば新しいスタッドに交換する。矢印のピンの位置に注意すること。(図5‒3‒1‒2)

2 スタッドを取り付けたハブをブレーキドラムに取り付ける。芯が出ているか注意する。ロックノッチが上向きになるようにナットを取り付けて規定のトルクで締め付ける。(図5‒3‒2)

締め付けトルク8 穴(JIS)     10 穴(ISO)M20×1.5=300Nm  M22×1.5=400Nm

ハブアッセンブリの取り付けとベアリングの遊びについては3-4の図.3-4-1を参照のこと。15インチ軸はホイールスタッドが圧入式のためロックナットはありません。

図.5-3-1-1

図 .5-3-1-2

図 .5-3-2

24

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1 スラストワッシャーに付いているロータリーシャフトシールとハブの内径のロータリーシャフトシールの当たり面の検査をし傷、摩耗のないことを確認する。

 (図5-4-1)

☞ もし摩耗が有れば新しいシャフトシールを開放面を上にしてスラストリングにしっかり押し込む。シールのリップにBPWECO-Li Plus 耐熱グリスを塗布する。

☞ ベアリングレースに摩耗があって交換する際はシールも一緒に交換する。

  

2 耐熱グリスBPW ECO-Li Plus をテーパーローラーベアリングとレースに充填する。(図5-4-2)

  充填量は36頁表-1記載の量を守ること。余ったグ  リスはハブのアウターベアリングレースに塗布する。

☞ グリスがベアリングの内側まで入り込む様にしっかり塗り込むこと。

 

3 インナーテーパーローラーベアリングをホイールハ  ブに入れる。(図5-4-3)

図.5-4-1

図 .5-4-2

図 .5-4-3

5 - 4 ハブアッセンブリの分解と組立

下側 サイド側 上側

手でもみ込む

25

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21

5-5 ハブアッセンブリの分解と組立

� ロータリーシャフトシールを取り付けたスラストワッ

シャーをベアリングレースに挿入する。(図5-5- 1)

� サークリップで固定する。 (図5-5- 2)

� アウターテーパーローラーベアリングをホイールハ

ブに挿入する。 (図5-5- 3)

図 .5-5-1

図 .5-5-2

図 .5-5-3

26

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1 アクスルナットにグリスでディスクを付けて、ホイールハブに入れる。(図5-6-1)

 注意 ディスクの印字面(BPWの刻印)をベア

リング側にすること。

2 サークリップをハブの溝に挿入する。ハブアッセンブリーの取り付けには第4章を参照のこと。(図5-6-2)

 注意 1.アクスルナットの締め付けはハブ(タ

イヤ)を回しながら、150Nmで締め付けて必ず15度以内で戻すこと。

    締めた際、穴が合ってしまった時は、    そこの穴を使用せず、15度以内に戻    して穴を合わす。

   2.サークリップ (内径φ65)は、必

ずピンの隣の溝に引っ掛ける。

   3-4-3-③、④項参照。

5 - 6 ハブアッセンブリの分解と組立

図.5-6-1

図 .5-6-2

図 .5-6-3

( )

E-2920.64.910 BPW

27

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6 - 1 ABS センサー、エキサイターリング    の交換

1 センサーに損傷がないか検査して、必要が有れば交換する(センサー保持のクランピングブッシュの抜き取り力は 100~200N のこと)。クランピングブッシュとセンサーにグリスを少量塗布して組み付ける。ハブに取り付ける前に必ずクランピングブッシュとセンサーを突き当たりまで押し込むこと。(図.6-1-1 )

2 破損したエキサイターリングを交換するにはトーチでエキサイターリングを加熱して抜き取る。新しいエキサイターリングを 80 ~ 最高 120℃ に加熱して押し込む。押し込む前にシートがきれいで傷ついていないことを確認すること。(図6-1-2)

図.6-1-1

図 .6-1-2

28

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24

7-1 ブレーキカムシャフトの交換

� � 4-1を参照してブレーキシューを外す。カ

ムシャフトのナットを外してスラックアジャス

ターを取り外す。 (図7-1- 1)

   注:2006年9月以前の製造車両には矢印

    部にサークリップが取り付けられている

    場合がある。取外し。

� メタルの支持ベアリングの摩耗を検査する。ガタが

0.8㎜以上であれば交換する。

必要であればボルト/ナットを外してベアリング

ボックスを分解する。 (図7-1- 2)

� ラバーシールをクランプと一緒にカムシャフトの中央

に移動してサークリップを溝から外し、カムシャフトを

ブレーキのアンカープレートから外す。 

(図7-1- 3)

図 .7-1-1

図 .7-1-2

図 .7-1-3

29

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1 ブレーキアンカープレートにはまっているブッシュをチェックして必要が有れば交換する。マンドレル(988219-01005)を使って、ブッシュの油溝がグリスニップルの側になるように新しいブッシュを打ち込む。必要が有ればブレーキアンカープレートの反対側に当板をして叩くこと。 (図7-2-1)

2 ブレーキサイズ SN 420(20 インチ軸)ロッキングリング(A)を溝にはめ、段付カラー(B)とO-リング(C)をベアリングシートまで押し込む。O-リング(D)をSカム側の溝にはめ込む。ベアリングの位置にはBPW ECO-Li Plus 耐熱グリスを塗布しておく。(図7-2-2)C:内径 φ40(緑)D:内径 φ37(黒)

3 ブレーキサイズ SN 300(15 インチ軸)ロッキングリング(A)は無し、Bは樹脂カラーとなっている。(φ46/42×4t:茶)組立手順はSN 420(20 インチ軸)と同じ。(図7-2-3)

図.7-2-1

図 .7-2-2

図 .7-2-3

7 - 2 ブレーキカムシャフトの交換

30

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1 カムシャフトをブレーキアンカープレートに半分くらい押し込んで、シーリングリング(E)の出っ張った側が車軸の中心に向くように、ロックリング(F)、ラバーシール(G)、及びクランプ(H)の順にカムシャフトに押し込む。カムシャフトを正規の位置に押し込んで、ロックリングを溝にはめる。(図7-3-1)

  2 ベアリングブッシュの内外にグリスをぬってからベアリングボックスをブラケットにボルト締めする。グリスニップルをホイールの方に向けて取り付ける。カムシャフトが自由に回転することを確認すること。(図7-3-2)  締め付けトルク    28Nm

外側のシールを取り付ける。両側のラバーシールを定位置に移動してクランプで締め付ける。カムシャフトの全ての給油点にグリスニップルからグリスを供給する。グリスはBPW ECO-Li Plus 耐熱グリスを使用すること。

図.7-3-1

図 .7-3-2

7 - 3 ブレーキカムシャフトの交換

31

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1 カムシャフトのスプラインにモリコートCu-7439プラスを塗布する。オートマティックスラックアジャスターをカムシャフトに挿入し、ワッシャー(6)とブレーキライニング摩耗インジケーター(4)が垂直上向きになるように取り付ける。新しいロックナット(5)でトルク80Nmで締め付ける。キャップ(3)を外してメガネスパナ(矢印)でクラッチを押し下げながら左右に回してスラックアジャスターの穴とヨークの円穴又は長溝のエンドと合わせる。ピンを挿入して割ピンで止める。(図8‒1‒2)注意 この時ブレーキチャンバーのプッシュ

ロッドを引っ張ってスラックアジャスターの穴に合わせることはしないこと。

2 シェイプドプレートの2本の固定ねじを緩めて、コントロールレバーの突起を手動で合わせる。その後、シェイプドプレートのM8スクリューとロックナットを固定する。注意 締め付け終了時にコントロールレバーの

突起はコントロールポイントを指していなければならない。(図8‒1‒3)

   ゼロ点調整が正確に行われていないと、ライニングギャップの自動調整が正確に実施されない。

図.8-1-2

図 .8-1-1

シェイプドプレート

コントロールレバー

図.8-1-3

8 - 1 オートマティックスラックアジャスター エコマスター(ECO-Master)

32

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1 ブレーキを掛けたときにチャンバーのプッシュロッドとスラックアジャスターの角度は約90度であることを確認する。

 2 通常では調整の必要はありません。必要な時のみ実施して下さい。

   ☆毎3ヶ月ごと及びブレーキ異状時    ①スラックアジャスターのチャンバーストローク   を確認してください。(図8‒2‒1)

     規定量:5㎜ 以上    ②ドラムとライニングの隙間を測定して下さい。     規定量:0.3㎜ 以上   ※上記、規定量を満足していない場合は、ブレー  キ調整を実施してください。

3 ブレーキの調整  ①スラックアジャスターの調整ナットを反時計方向 に約3/4回転戻してチャンバーストロークを50㎜  以上にしてください。(図8‒2‒2)

  (この時、メガネレンチ等の工具はスラックアジャス   ター側に押しつけるようにして回してください。)

☞ 回転トルクが最大17Nm を超えるか、または異常に小さい場合、機能不良が考えられるのでAss'y交換する。

  ②スラックアジャスターを手で動かしてスクリューが カチッと音がすることを確認してください。

  ③スラックアジャスターの調整ナットを時計方向に 回してチャンバーストロークが20㎜になるように 調整してください。(この時メガネレンチ等の工 具はスラックアジャスター側に押しつけるように して回してください。)(図8‒2‒3)

  ④トラクタと連結してブレーキ操作を10回程度繰り 返し、ブレーキチャンバーのロッドのストローク が60㎜ を超えないことを確認する。

☞ ストロークが60㎜ を超える場合、機能不良が考えられるので、Ass'y 交換する。

☞ ブレーキチャンバー、カムシャフト又はオートマティックスラックアジャスターを交換した後は必ず図 8 ‒ 1 ‒ 2、 8 ‒ 1 ‒ 3 の調整を行うこと。

図.8-2-1

図 .8-2-2

図 .8-2-3

8 - 2 ブレーキの調整

33

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9-1 整備および定期交換部品1 整備時期・エア漏れ 3ヶ月毎(日常点検)・傷付き、損傷、変形 3ヶ月毎・チャンバーストローク 3ヶ月毎 ロッドストロークは 5㎜以上 15 ~ 20㎜・機能確認 12ヶ月毎(図9-1-1)

2 定期交換部品・サービスブレーキ側ダイヤフラム 2年・スプリングブレーキ側ダイヤフラム 3年  (スプリングブレーキは分解禁止のため本体を交換する。)

【重要】 スプリングブレーキ部は絶対に分解してはならない。致命傷を負う危険がある。

(図9-1-2)

3 3ヶ月毎のエア漏れ点検部位石鹸水を塗布するなどして入念に点検する。【重要】ブレーキチャンバーのエア漏れは制動力

の低下による重大事故の原因になる。

【重要】スプリングブレーキチャンバーのエア漏れはブレーキの引き摺りなどが発生し車両火災など重大事故の原因になる。

図.9-1-1

分解禁止

図.9-1-2

9 ブレーキチャンバーの点検・整備

34

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9-2 スプリングブレーキチャンバーのサービスブ   レーキ部のダイヤフラムの交換1 ブレーキチャンバーを車軸から取り外す。【重要】スプリングブレーキ部は絶対に分解して

はならない。致命傷を負う危険がある。(図9-2-1)

2 ホルダーからスプリングブレーキ解除部品を取り出す。解除部品1.ねじロッド2.ワッシャー3.ナット4.割りピン

スプリングブレーキ部に6bar以上のエアを供給してスプリングブレーキを解除する。(図9-2-2)

3 プラグ5を外してねじロッド1を差し込んで 90°回して位置決めをする。

ワッシャ2を入れ、ナット3を掛けて時計方向に止まるまで巻き上げる。(図9-2-3)

エアを抜く。

図.9-2-1

図 .9-2-2

図 .9-2-3

35

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4 ヨークとロックナットをプッシュロッドから外す。

プッシュロッドを固定するため、取付面にできる限り近い部分をハンドバイスではさむ。

サービスブレーキ部と中間部とバンドに合いマーク(矢印)を付ける。(後の組立を容易にするため)(図9-2-4)

5 クランピングバンドのねじを緩めボルト、プラスチックの押さえ、ナットを外す。(図9-2-5)

6 クランピングバンドを拡げて取り外す。

ハンドバイスを使ってサービスブレーキ部を取り外し中間部のダイヤフラムを交換する。

ダイヤフラムの取付部と接触面を清掃し、損傷していないか点検する。(図9-2-6)

図.9-2-4

図 .9-2-5

図 .9-2-6

36

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7 ハンドバイスを外してハウジングをプッシュロッドから取り出す。

新しいリターンスプリングとセンタリングディスクをプッシュロッドに取り付ける。

ハウジングを取り付け、できる限り下に押し付けハンドバイスでロッドを固定する。(図9-2-7)

8 ダイヤフラムを中間ハウジングに取り付けサービスブレーキハウジングをダイヤフラムのエッジに合わせて置く。

古いバンドの合いマークを新しいバンドに書き写す。クランピングバンドとサービスブレーキ部と中間部の付いたスプリングブレーキを合いマークで合わせる。

新しいプラスチックの押さえをクランピングバンドの間に入れる。(矢印)(図9-2-8)

9 新しいボルトとナットをクランピングバンドに取り付け締め付ける。

締め付けトルク  30Nm(25 ~ 35Nm)(図9-2-9)

ハンドバイスを外す。

図.9-2-7

図 .9-2-8

図 .9-2-9

37

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10 6bar以上のエアをサービスブレーキ側に供給してダイヤフラムにエア漏れが無いか確認する。漏れが有る場合は組立を繰り返して修正する。(図9-2-10)

11 スプリングブレーキチャンバーを車軸に取り付ける。(取り付け詳細は 9-3を参照)スプリング解除ツールを取り外し、収納部に収める。ナット3を締め付ける。締め付けトルク  20Nm

割りピン4を取り付ける。

プラグ5を元に戻す。

エアホースをつなぐ。

(図9-2-11)

図.9-2-10

図 .9-2-11

38

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9-3 スプリングブレーキチャンバーの取り付け1 車輪止めを確実にして全てのブレーキを解除する。プッシュロッド長、ヨーク取付の設定をする。プッシュロッド長(エアサス 110㎜)

ヨーク内は40㎜以上確保すること。(スラックアジャスターと干渉する。)(図9-3-1)

2 ブレーキチャンバー取付ナット、ヨークロックナットの締め付けをする。締め付けトルクチャンバー取付ナット 180Nm(180 ~ 210Nm)(規定トルクに至るまで交互に締め付ける。)ヨークのロックナット 80Nm(図9-3-2)

8-1、8-2に従ってブレーキ調整をする。

注意 カムシャフト交換、オートスラックアジャスタ交換チャンバーおよびダイヤフラム交換作業などでチャンバーとオートスラックアジャスターを分離した場合はコントロールアームブラケット取付け用ボルトを締めなおし、8-2の初期設定を実施すること。車軸交換の場合も同様に実施する。(図9‒3‒3)

締付けトルク  28Nm

3 スプリングチャンバー下面のプラスチックキャップを必ず外す事。(図9-3-4)

図.9-3-1

図 .9-3-2

図 .9-3-3

図 .9-3-4

39

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31

10 ブレーキドラムの点検

1. 点検時期及び点検方法12ヶ月毎にブレーキドラムを取外し、摩耗限度、ドラム内面の異常摩耗(条痕、偏摩耗、段付摩耗)ヒートクラック、亀裂、損傷等の有無を目視などにより点検する。異常と認められたものは交換する。(長距離走行、悪路走行等シビアコンディションで使用する車両は 3ヶ月毎の点検を推奨する。)2.ヒートクラックの状態ケース 状 態 図 状 況 判 定

1 摺動面の細かい網目状の割れ 使用可能

2 幅1㎜以上、長さ40㎜以上の割れ 使用不可

摺動面幅の L/2 以下の割れ 使用可能

摺動面幅の L/2 以上にわたる連続した割れ 使用不可

4 ドラム端面部に達した割れ 使用不可

5 摺動面の裏側まで達した割れ 使用不可

6 円周方向の割れ 使用不可

3. 摩耗限度新品内径:φ420 使用限度:φ425

幅1㎜以下の割れ

40㎜

1㎜

40

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11 ECO ハブシステムの給油脂量

図.9-1-1

表 -1

車軸能力

BPW ECO-Li Plus 耐熱グリス補充量/ベアリング

インナーベアリング①番号

給油脂量グラム

アウターベアリング②番号

給油脂量グラム

6,000 ~ 9,000㎏(15” 軸)

10,000 ~ 12,000㎏(20” 軸)

33116

33118

120

170

32310

33213

120

120

BPW ECO-Li Plus グリスをテーパーローラーベアリングとレースの間に塗布して下さい。残ったグリスはベアリングが挿入されるハブの内径とシールのリップに塗布して下さい。

エコハブのベアリングは長期間潤滑(短距離運行の場合は最低2年又は長距離運行で300,000㎞)を目標として設計されています。この期間を越したらテーパーローラーベアリング、ハブの内径及びシャフトシールをディーゼルオイルで充分清掃して再使用出来るか検査してから再潤滑して下さい。

41

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33

1 サークリップ

2 スラストリング

3 オイルシール

4 インナーレース、インナーベアリング

5 インナーローラーベアリング

6 ハブナット(ウラ)

7 ブレーキドラム

8 スタッドボルト

9 ホイールナット

10 ハブ

11 アウターローラーベアリング

12 インナーレース、アウターベアリング

13 アクスルナット

14 サークリップ

15 ハブキャップ

16 スピンドル(アクスル)

17 オイルシールハウジング

18 アウターレース、インナーベアリング

19 カバープレート

20 スラストリング

21 アウターレース、アウターベアリング

22 ディスク

23 ロッキングピン

24 ロッキングスプリング

25 O-リング

12. BPW エコハブアクスル部品名称

25

42

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13 消耗部品の検査基準及び交換基準

№ 部   位 項   目交換基準

20インチ軸 15インチ軸新品 限度 新品 限度

1

シューリターンスプリング 抗張力 1750N/㎟ ― 1750N/㎟ ―新品全長 274mm ― 180mm ―

交換時期12ヶ月毎分解点検、コイル間に隙間があったら交換ブレーキライニング交換時に新品と交換

2 アンカーピン 外径 32mm 31.2mm 32mm 31.2mm

3カムローラ 外径 45mm ― 45mm ―

交換時期 12ヶ月毎に給脂。ブレーキライニング交換時に新品と交換

4スラックアジャスタとカムシャフト

ガタ(180mmで)横方向 1mm 2.5mm 1mm 2.5mm      長さ方向 1.5mm 3.0mm 1.5mm 3.0mm

5アンカーピンのC‒クリップ 抗張力 1500N/㎟ ― 1500N/㎟ ―

厚さ ― 1.8mm ― 1.8mm交換時期 12ヶ月毎に給脂。ブレーキライニング交換時に新品と交換

6標準チャンバーストローク L=150 の時ストローク 15 ~ 22.5mm

ドラムクリアランス 0.5 ~1.5mm

7ロータリーシール

交換時期ベアリングレースと接触するリップが丸くなった時径方向で 0.2mm、又はリップの幅が 1mmになった時

8 ABSセンサーのブッシュ 交換時期 ブレーキライニング交換時に新品と交換9 使用グリス ― BPW純正グリスを使用、不使用の場合は保証対応外

10チャンバースプリングのバネ定数

サービス側 2.6N/mmパーキング側 66N/mm

11 ブレーキシューピボット アンカーピン ― 36+0.35mm ― 36+0.35mm

12カムシャフト カム側ブッシュ部 41.8mm 41mm 41.8mm 41mm

スラックアジャスタ側 42mm 41.2mm 42mm 41.2mm13 カムシャフトブッシュ 内径 42mm 42.8mm 42mm 42.8mm

14ブレーキドラム 内径 420.2mm 425mm 300mm 304mm

ヒートクラック 判定例は本書別項を参照

15ブレーキライニング 残厚 5mm

亀裂、欠け、劣化 判定例は本書別項を参照

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14 定期交換部品

定期交換部品項目点検整備 周知方法

備 考年ごと交換単位:年 交換時期 交換方法

制動装置

ブレーキ・チャンバのダイヤフラム及びゴム部品 2 ① ② サービスブレーキ側のみ

ブレーキ・チャンバのスプリング・チャンバ部 3 ① ② 非分解のため本体を交換す

ブレーキ・ホース 2 ① ② (参考)

エア・ブレーキ・ホース・カップリングのパッキン類 1 ① ② (参考)

リレー・エマジェンシ・バルブのゴム部品 1 ① ② (参考)

ブレーキ用機器のゴム部品及びパッキン類 1 ① ② (参考)

注)1.①:取扱説明書 ②:メンテナンスノート(整備要領書)を示す。注)2. _:既届出済点検装備方式に対する変更箇所を示す。

44

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