atherosclerosis, upolipoprotein e , and pre...2017/09/18 · atherosclerosis, upolipoprotein e ,...
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アロマセラピーと認知症予防
鳥取大学医学部保健学科・教授
日本認知症予防学会・理事長
浦 上 克 哉
フォーラム
たけしの健康エンターテインメントみんなの家庭の医学
2014年2月25日(火)
19時~20時54分
ABC朝日放送
認知症予防
嗅覚障害と
アロマセラピー
アロマセラピー
リラクゼーション
趣味
ファッション
メディカルアロマセラピー
認知症の中核症状にアプローチ
アルツハイマー型認知症患者は嗅覚機能が低下
腐った食べ物に気づかない
嗅覚機能(OSIT-J)が早期から低下
全対象者についての検討では、AD群の嗅覚機能が、コントロール群に比べて、有意に低下している。
Control AD
p<0.01
アルツハイマー型認知症はアミロイドβ蛋白の蓄積から始まる
アミロイドβ蛋白 → リン酸化タウ蛋白→ 神経細胞死
(もの忘れ)
嗅神経へのアミロイドβ蛋白の沈着
東京都健康長寿医療センター 高尾昌樹先生のご厚意による
アルツハイマー型認知症は嗅覚が最初に障害される
嗅神経 → 海馬の神経
(匂いが分らない) (もの忘れ)
アロマの香りで嗅神経を刺激!
3
4
5
6
7
8
9
10
11
アロマセラピーで嗅覚障害が改善
Before After 6 weeks
P=0.05↑改善
GBS-A 点数
33
34
35
36
37
38
39
40
前 後① 後②
全患者 GBS-A
AD GBS-A
*
*:P<0.05
アロマセラピーは認知機能を改善するクロスオーバー法による検討
認知症予防に有効なアロマオイル
1)昼用アロマは、認知機能改善
(ローズマリー・カンファーとレモン)
2)夜用アロマは、睡眠の改善!
(真正ラベンダーとスイートオレンジ)
「アロマペンダント」(昼用にお勧め)
昼用精油・・・専用のアロマペンダントに2~3滴ほど滴下し着用。少なくとも2時間の拡散を目安。
交換が必要な状態
「アロマディフューザー」(夜用にお勧め)
夜用精油・・・専用の芳香器に同様に2~3滴ほど滴下し使用。少なくとも2時間の拡散を目安。
対象
【ADとMCIの診断】
問診、内科学的・神経学的診察、神経心理検査、画像検査(CT/MRI、SPECT)などを行い、NINCDS-ADRDA診断基準を満たすものをAD、PetersenのMCI基準を満たすものをMCIと診断。
年齢 人数(男/女)
正常 75.0±6.87歳 6(1/5)
MCI 81.3±6.83歳 16(5/11)
AD 79.4±11.1歳 6(2/4)
タッチパネル式ADAS(TDAS)
ADAS
Alzheimer’s disease assessment scale
世界的に最も信頼性が高い治療評価法
ADAS TDAS臨床心理士 必要 → 不要
所要時間 1時間 → 20分
Inoue M, Urakami K, et al: Touch panel-type dementia assessment acale: A new computer-based rating scale for Alzheimer’s disease. Psychogeriatrics 11: 28-33, 2011.
TDASとADASと有意な相関を示す
0
10
20
30
40
50
0 10 20 30 40 50TDAS(点)
AD
AS(
点)
(参考文献: Inoue M et al. Psychogeriatrics 2011; 11; 28-33. を改変)
r=0.69(p<0.01)
ADAS : Alzheimer’s Disease Assessment Scale
TDAS (日本光電社製)
アロマテラピーを継続することで良好な状態を保っている。(5例)
0
2
4
6
8
10
12
14
0 5 10 15 20 25
TDAS(
点数)
期間(ヶ月)
正常 (未発症 AD)
元々症状良好であったが、症状が悪化した症例(アロマテラピーの中断による) (3例)
0
2
4
6
8
10
12
14
0 2 4 6 8 10 12
TDAS(
点数)
期間(ヶ月)
正常 (未発症 AD)
アロマ中断
MCIでアロマテラピーを継続することによって症状が徐々に良くなっている。
(6例)
0
2
4
6
8
10
12
14
0 5 10 15
TDAS(
点数)
期間(ヶ月)
MCI
認知症状が進行した方でもアロマテラピーを続けると症状進行が抑制されている
(3例)
0
5
10
15
20
25
30
0 2 4 6 8 10
TDAS(
点数)
期間(ヶ月)
高度AD症例
アロマテラピーを続けても症状の良好もしくは悪化を繰り返す状態
(11例)
アロマペンダント着用していない アロマ芳香器のファンを回していない
アロマの量を増やすよう指示
0
2
4
6
8
10
12
14
0 10 20 30 40
TDAS(
点数)
期間(ヶ月)
不安定症例
Q1.匂いが分からない人でもアロマテラピーは効果があるのですか?
A1.効果があります。
全ての香りが分からなくなるわけではありません。嫌な匂いは分からなくなるが、良い匂いは分かります。
Q2.嫌いな香りを嗅いで効果があるのでしょうか?使った方が良いのでしょうか?
A2.趣味で楽しむ場合は、好きな香りを香りが良いですが、認知症予防にはこの組み合わせで効果があります。
Q4.最近多くの精油を組み合わせたものが出ていますが、どれでも効果があるのでしょうか?
A4.オーガニックな栽培をした植物から抽出した本物の精油を使ってください。化学合成して類似の香りを出すものでは効果は期待できません。
Q5.ローズマリーには種類がありますが、どれでも良いのでしょうか?
A5.ローズマリー・カンファーを使ってください。
Q6.ローズマリー・カンファーは、神経毒性があると聞きました。危険ではないのでしょうか?
A6.ローズマリー・カンファーは、神経系に移行性が良いので神経毒性があると書いてある本があります。適量使えば問題ありません。
ローズマリーに3種類のケモカインがある
1)ローズマリー・カンファー(ケトン類)
神経毒性? ⇒ 神経系に効果!
2)ローズマリー・シネオール(オキシド類)
呼吸器系に効果
3)ローズマリー・ベルべノン(ケトン類)
肌に効果
ローズマリーの逸話
若返り効果「ハンガリアンウオーター」
ハンガリー王妃の水(1370年頃)ローズマリーを漬けた水
王妃エリザベートは70歳を過ぎたころ老齢のため健康を害した。この効果により健康を取り戻すと共に若返り、20代のポーランド王子からプロポーズされた。
後にレモンも加えられた
ローズマリーの薬効
Jean Prevot体力を回復、精神を高揚神経を治し、命を長らえさせる
Nicholas Culpeper(1649年)脳卒中、てんかん、めまい、頭痛痴呆、肝臓病、ほかに効果あり
ポリフェノールの含有量が高い抗酸化作用、アミロイド蓄積防止作用
認知症予備群も増えている!
認 知 症 462万人
認知症予備群 400万人
軽度認知障害(Mild cognitive impairment: MCI )
正常と認知症の移行状態
正常 MCI 認知症
(AD)
アロマオイルによる認知症予防!
日本認知症予防学会の3本柱
エビデンスの創出予防活動の実践・普及学会主導の大規模な治験予防ツールの検証
人材の育成認知症予防専門士認定認知症領域検査技師認知症予防専門医
地域連携の実現多職種が意見交換できる場の提供
2016/9/24
日本認知症予防学会のホームページ
ご清聴ありがとうございました
Thank you very much for your attention