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ASTRO-H衛星搭載 軟ガンマ線検出器の現状と 解析ソフトウェアについて 高橋弘充(広大理) 田島宏康(名大)、深沢泰司(広大理)、渡辺伸(ISAS/JAXA、東 大理)、大野雅功、北口貴雄、田中康之、水野恒史(広大理)、 太田方之、小高裕和、国分紀秀、佐藤悟朗、佐藤理江、武田 伸一郎、林克洋、原山淳、森國城(ISAS/JAXA)、高橋忠幸 (ISAS/JAXA、東大理)、中澤知洋、牧島一夫(東大理)、田中孝 明(京大理)、榎戸輝揚(理研)、片岡淳(早大理)、谷津陽一(東工 大理)、内山泰伸(立教大)、内山秀樹(静岡大)、中森健之(山形 大)、山岡和貴(名大STE研)、Roger Blandford, Grzegorz Madejski(Stanford大)、田代信、寺田幸功(埼大理)、山田真也 (首都大理工)、湯浅孝行(理研)、米徳大輔(金沢大)、Philippe Laurent, Olivier Limousin, Francois Lebrun(CEA Saclay), 他 SGDチーム 1

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Page 1: ASTRO-H衛星搭載軟ガンマ線検出器の現状と 解析ソフトウェ …...•F. Lebrun, O. Limousin, P. Laurent (CEA/DSM/IRFU) ASTRO-H/SGD Team 2 軟ガンマ線検出器(SGD)

ASTRO-H衛星搭載軟ガンマ線検出器の現状と解析ソフトウェアについて

高橋弘充(広大理)

田島宏康(名大)、深沢泰司(広大理)、渡辺伸(ISAS/JAXA、東大理)、大野雅功、北口貴雄、田中康之、水野恒史(広大理)、太田方之、小高裕和、国分紀秀、佐藤悟朗、佐藤理江、武田伸一郎、林克洋、原山淳、森國城(ISAS/JAXA)、高橋忠幸(ISAS/JAXA、東大理)、中澤知洋、牧島一夫(東大理)、田中孝明(京大理)、榎戸輝揚(理研)、片岡淳(早大理)、谷津陽一(東工大理)、内山泰伸(立教大)、内山秀樹(静岡大)、中森健之(山形大)、山岡和貴(名大STE研)、Roger Blandford, GrzegorzMadejski(Stanford大)、田代信、寺田幸功(埼大理)、山田真也(首都大理工)、湯浅孝行(理研)、米徳大輔(金沢大)、Philippe Laurent, Olivier Limousin, Francois Lebrun(CEA Saclay), 他SGDチーム

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• H. Tajima (PI), K. Yamaoka (Solar-Terrestrial Environment Laboratory, Nagoya University)• S. Watanabe (Dep. PI), K. Hayashi, M. Kokubun, H. Odaka, M. Ohta, R. Sato, T. Takahashi

(ISAS, JAXA)• Y. Fukazawa (Dep. PI), T. Mizuno, M. Ohno, H. Takahashi, Y. Tanaka,

T. Kitaguchi (Hiroshima University)• S. Takeda (OIST)• T. Yuasa, T. Enoto (RIKEN)• R. Blandford, K. Gilmore, G. Madejski (KIPAC, Stanford University)• K. Nakazawa, K. Makishima (University of Tokyo)• J. Kataoka (Waseda University)• Y. Yatsu (Tokyo Institute of Technology)• Y. Terada (Saitama University)• Y. Uchiyama (Rikkyo University)• H. Uchiyama (Shizuoka University)• T. Nakamori (Yamagata University)• D. Yonetoku (Kanazawa University)• F. Lebrun, O. Limousin, P. Laurent (CEA/DSM/IRFU)

ASTRO-H/SGD Team

2

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軟ガンマ線検出器(SGD)

-

SGD 1台(非イメージイング)-コンプトンカメラ 3台-それぞれの上にファインコリメータ- BGOシンチレータ 25ユニットコンプトン運動学+狭視野低バックグランド化を実現

- ASTRO-Hの4種類の検出器の1つ-とくに60-600 keVの帯域を従来よりも5倍以上の感度で観測

3

散乱体:Si 32層吸収体:CdTe 8層+2x4層

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SGD1-S

SGD2-S

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2015年春季年会からの進捗

衛星に組み付け前(2015年2月)

・衛星に組み付け総合試験(全動作モードの確認)

- 4/17-4/21: SGD-S, AE installation- 5/11: FIT (SGD check, room temp.)- 5/21-22, 5/24-25: FIT FNC-D (room temp.)- 6/22 FIT FNC-N (before TV test)

・衛星全体の熱真空試験- 6/24-7/9 FIT TV test - 7/10 FIT FNC-N (after TV test)

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SGD1 SGD2

2015年春季年会からの進捗

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・衛星に組み付け総合試験(全動作モードの確認)

- 4/17-4/21: SGD-S, AE installation- 5/11: FIT (SGD check, room temp.)- 5/21-22, 5/24-25: FIT FNC-D (room temp.)- 6/22 FIT FNC-N (before TV test)

・衛星全体の熱真空試験- 6/24-7/9 FIT TV test - 7/10 FIT FNC-N (after TV test)

・現在は、振動試験+アライメント測定を実施中・エンジニアリングモデルを利用して、偏光検出能力を実測予定(2015年11月@SPring-8)

衛星に組み付け後(2015年4月)

熱真空槽に入る様子(2015年6月)

総合試験、熱真空試験とも

検出器を適切に動作させることができ、無事に終了

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・ つくば宇宙センターで 2015/6/24~7/9 に、24時間体制で実施

・ SGD検出器を衛星に取り付けた上で、最初で最後の低温試験・ >600 ksの運用時間・ -23~-25℃で運転(軌道上では-27~-28℃)

・実際の衛星運用を模擬-通常観測- SAA IN/OUT- CdTeポラリゼーション回復のための高圧電源 OFF- UVC (Under Voltage Control)時の動作、復帰

・全てのコンポーネントが、単体試験と同様に適切に動作していることを確認した-コンプトンカメラ(3x2=6台)- BGOシールド(25x2=50ユニット)

-衛星を通して取得したデータでも、時刻(UTC)が正常に付いている

衛星全体の熱真空試験

イベントレート、エネルギースペクトル

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- BGO信号でVETO、コンプトン運動学(ARM Cut)を適用後-ウラン、トリウム系列のバックグラウンドが見えている

SGD2Shield APD HV changed

10 days

エネルギー分解能、バックグランドレベル共には単体試験と同等

ほぼ一定のレートで動作

SGD1 CC1SGD1 CC2SGD1 CC3SGD2 CC1SGD2 CC2SGD2 CC3

SGD1 CC1SGD1 CC2SGD1 CC3SGD2 CC1SGD2 CC2SGD2 CC3

212Pb 238.6 keV 214Pb295.2 keV

214Pb352.0 keV

コンプトンカメラのスペクトル、ライトカーブ(幅田講演)

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- 25ユニットが単体試験と同等のスレッショルドを達成-ガンマ線バースト判定機能も正常動作

SGD1SGD2

BGOシールド部のスペクトル(大野講演)

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SGDの解析ソフトウェア (ftools)

・データ処理の枠組み・ソフトウェアは、日米で共同開発-日本側:衛星データ(raw packet telemetry)をfits形式に変換- NASA/GSFC: fitsをftoolsでプロセス

・Heasoftに含まれる ftools-アルゴリズムを検出器チームが提供- NASA/GSFCがコーディング

SGD用のftools・ ahtime: 時刻付け・ hxisgdsff: 検出器から出力されたバイナリーデータを、コラムに詰め直す・ hxisgdpha: ゲイン変換(ADC値をエネルギーに変換)・ sgdevtid: イベント再構成(コンプトン運動学を適用)

あとは、xselect で解析(スペクトル、ライトカーブ)SGDのftoolsは、CALDBが更新されない限り、ユーザーは動かす必要はない

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検出器チームのプロセス (CERN/ROOT利用) Fits/Ftool process

Ftoolsの検証

全てBGOでVETO & ARM Cut除去された成分(上記の差分)

Energy (keV)

Co

un

ts/s

/keV

全てBGOでVETOBGOでVETO & ARM Cut

1-hit イベント2-hit イベント3-hit イベント4-hit イベントescape イベント

Energy (keV)

Co

un

ts/k

eV

-ゲイン変換:検出器チームと同じ出力であることを確認済み-イベント再構成:複雑であるため、1イベント毎にアルゴリズムを検証中

プロセスしたデータの比較(エネルギースペクトル)

検出器チームと同等の結果が得られている

57Co + 133Ba 照射(単体試験)

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まとめ

・ SGD検出器は、狭視野コンプトンカメラを利用することで、60-600 keVで従来よりも5倍以上の感度の実現を目指している。・ 2015年4月以降、衛星への組付け、総合試験、熱真空試験を実施。コンプトンカメラ、BGOシールドともに、単体試験と同等の性能を示すことが確認できた。

・現在は、振動試験とアライメント測定を実施中。・偏光検出の特性を調べるべく、2015年11月にSPring-8でエンジニアリングモデルに、シンクロトロン放射光を照射する予定。

・解析ソフトウェアも日米共同で開発が進んでおり、時刻付け、ゲイン変換、イベント再構成の全ftoolsが完成し、現在は検証の段階にある。