はじめてのar(拡張現実)アプリ導入

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はじめての AR( 拡張現実) アプリ 導⼊ 〜共有型 画像認識 AR 選定 ポイント 第1.3.2版 2016年5⽉7⽇(⼟) ⻲⼭ 悦治 (Etsuji Kameyama) Designed by Freepik.com

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Page 1: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

はじめての AR(拡張現実)アプリ導⼊ 〜共有型 画像認識ARの選定ポイント〜

第1.3.2版 2016年5⽉7⽇(⼟)

⻲⼭ 悦治 (Etsuji Kameyama)Designed by Freepik.com

Page 2: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

この資料について

๏ この数年で数えきれないほどのスマートフォン向け画像認識ARアプリ・サービスが公開されています。しかしながら⾃社に有ったARアプリ・サービスの選定がなかなかできず、少ない情報の中、⽬⽴ったネット広告・売込んできた営業マンのトークに推され、間違った選定をしてしまうことがあるかと思います

๏ あるサービスを契約して利⽤してみたものの、期待していたことが出来なかった、インストールが出来ない端末が多い、Androidでは殆ど認識されない、誤認識する、障害頻度が多い、問い合わせた時の対応が悪い、想定していなかった費⽤がかかる、⼀度契約したら縛りが有って1年間は解約ができない等の問題も発⽣しているかもしれません。

๏ この資料では、画像認識タイプのスマートフォン向けARアプリの導⼊を検討されている企業、団体、学校、個⼈の⽅向けによい選択ができるよう、共有タイプのARアプリ・サービスの選定ポイントを分かりやすく説明します。

Page 3: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

⽬次

1.どんなARアプリがあるの?

2.アプリは共有タイプが良いの?

3.アプリは⽇本のものが良いの?

4.どんなデータが使⽤できるの?

5.画像認識の仕組みってどうなっているの?

6.共有タイプでもARは⾃分で登録できるの?

7.ARが何回使⽤されたか分かるの?

8.ダウンロード数が多いアプリが良いの?

9.アプリってインストールされるの?

10.費⽤ってどのようにかかるの?

11.困った!こんな時はどうしたらいいの?

付録:⻲⼭悦治について

Page 4: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

1.どんなARアプリがあるの?

Page 5: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

1.どんなARアプリがあるの?

๏ ARアプリは、国内外を合わせても数え切れない数が公開されています。その⽤途もさまざまです。あなたは、その100種類を超える中から⾃分が必要とするアプリを探し、決定することが容易にできるでしょうか?きっとARアプリや画像認識などに対する事前の知識がないと、選択することがとても⼤変なことだと思います。多くのAR取り扱い企業に連絡して話を聞き、時間をかけて選定することになるでしょう。この資料を読むことで、⾃社、⾃分に合ったアプリを選定する知識を⾝につけていただけることと思います。

๏ 皆さんがよく⽬にするARアプリは、新聞・雑誌・カタログ・チラシ・名刺などの紙⾯を認識して動画を表⽰する⽅式のもの、商品パッケージから動画や3DCGを表⽰するもの、ゲームができるもの、ぬりえができる「ぬりえAR」、画像認識でアイテムを集めるARスタンプラリー、⼈物やキャラクターなどと⼀緒に写真が撮影できるタイプのARアプリが多いと思います。また、業務⽤や⾝体や顔を認識してパソコンや⼤画⾯モニターに映し出すもの、メガネタイプのものも⾒たことがあるかもしれません

Page 6: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

2.アプリは共有タイプが良いの?

Page 7: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

2.アプリは共有タイプが良いの?

๏ ARアプリに限らず、ある⽬的のために作成されるオリジナルタイプのアプリと、複数の企業・団体・個⼈が共有で使⽤されるタイプのアプリの2種類に分けられます。どちらが良いということではなく、それぞれメリット・デメリットが有りますので⽬的や⽤途によって使い分けます。それぞれの特性については下記をご覧ください。

๏ オリジナルタイプ:

‣ 主なメリット:⾃社製となるためブランディング効果が⾼い/⾃由に必要な機能を決め、さらにアプリを拡張し将来的に成⻑させることができる(⭐ある⽬的のために⻑期間運⽤する場合、特別なキャンペーンを⾏う場合はオリジナルタイプを採⽤することが多いようです)

‣ 主なデメリット:初期開発・OSのバージョンアップ等の費⽤が発⽣する/初期開発に時間がかかる(通常は2〜3ヶ⽉程度)/公開後も⾃社での運⽤が必要となる場合がある

๏ 共有タイプ:

‣ 主なメリット:開発が発⽣しないため安価に始めることができる/アプリの申請が必要ないため早期に利⽤できる/多くの優れた実績があるアプリであれば安⼼して使⽤できる

‣ 主なデメリット:他の会社との共有となるためブランディング効果は低い/使⽤しているアプリがバージョンアップし、使い⽅やサービス体系が変わることがある/管理画⾯が公開されているアプリによっては⾃社以外が登録した画像と誤認識することがある/通常は⽉額利⽤費⽤が発⽣するため、⻑期利⽤の場合はオリジナルアプリより⾼額になる場合もある

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3.アプリは⽇本のものが良いの?

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3.アプリは⽇本のものが良いの?

๏ ⽇本製が良い場合と、外国製でも全く問題が無い場合が有りますが、⽇本のアプリと⽐較した場合サービスが急に停⽌したり、サービスの体系が変わり易い傾向は有りますので、そのような理解は必要となるでしょう。利⽤⽬的などにより海外のアプリを避けた⽅が良い場合もありますが、⼀概にはいえません。下記を参考に検討されると良いと思います。

๏ 外国製の場合に確認が必要となること:

‣ アプリをインストールする際の説明⽂は、⽇本語に対応しているか?(※⽇本語対応していないと安⼼されない利⽤者も⽇本では多いようです。

‣ アプリの開発(運営)会社が⽇本語サイトを公開し、⽇本語での対応を⾏っているか? (※⽇本との習慣の違い等で、期待する対応が得られない場合が有ります。)

‣ 緊急性が⾼い障害が発⽣した際、迅速に対応する体制が⽤意されているか? (※特に⽇本との時差が8時間以上の国が運営している場合、回答が1⽇遅くなる場合もあります。⽇本時間で⾦曜⽇に障害が発⽣した場合は⽕曜⽇まで回答が無いということもあります。)

‣ 無料(或いは無料枠)で使⽤できるARを使⽤する場合、サービスレベルが低い、障害に対する対応については⼿厚い対応がされない場合が有るようです。また、無料タイプの場合、もちろん運営する側もいつも無償で問い合わせが⾏えるわけが有りません。そのため、質問に対する回答が無い、回答が遅い等も⾒受けられます。殆どの場合は⽇本語での対応は⾏っていませんので、英語でのやり取りになる場合が多いようです。

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4.どんなデータが使⽤できるの?

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4.どんなデータが使⽤できるの?

๏ 画像認識タイプのARで取り扱える⼀般的なデータ形式は、静⽌画像、動画、動画(背景透明)、⾳声、3DCGです。下記には⽐較的標準的なデータ形式を記載しますが、使⽤されるアプリにより、対応可能なデータ形式が変わりますので、事前の確認が必要となります。

๏ ARアプリで使⽤されるコンテンツの標準的なデータ形式:

‣ 静⽌画像:png(背景透明のタイプも同様)、jpeg など

‣ 動画:mp4(背景透明のタイプも同様:多少特殊な変換が必要) など

‣ ⾳声:mp3、wave など

‣ 3D:fbx など

‣ Webサイト:動画再⽣後の⾃動表⽰、画⾯のボタンをタップすることで、Webサイトへ遷移させることができるタイプもあります。この場合は、表⽰させたいサイトのURLを⽤意します。

๏ ARコンテンツの劣化に関すること:

‣ 利⽤するARサービスによっては、動画などのARコンテンツを全て登録できるようなタイプもあります。実はここで1つ注意しておくべきことがあります。例えばパソコン側で制作した動画をサービス運営側のサイトにアップすると⾃動的にデータを圧縮し画質・映像・⾳質がかなり劣化するものも有るようです。適切なサイズへ変換することでスマホ側へのデータ転送量、転送時間などを減少させることが⽬的だと思いますので、この⽅式が必ずしも悪いとは⾔えません。しかしながら、期待する画質や⾳質、データダウンロードする際の回線速度が得られるか、利⽤決定前に運営会社へ確認されることをお勧めします。

Page 12: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

5.画像認識の仕組みってどうなっているの?

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5.画像認識の仕組みってどうなっているの?

๏ 画像認識(解析)と画像検索はどのように⾏われるのでしょう?ARで⽤いられている画像解析の仕組みは各社で異なります(ただし、同じAR技術を採⽤しているアプリは多々存在します)。AR⽤の解析技術に限ったことではありませんが、残念なことに共通化には⾄っていません。「QRコードやバーコードのように、ある程度の規格があるようにAR規格は世界共通にはならないのか?」等の質問を受けることが有ります。しかしながら、イニシアチブがとれる企業が共同で取り組まない限り、実現はしないでしょう。ここでは、⼀般的に採⽤されている画像認識の⽅式について説明します。

๏ ARアプリで使⽤されている⼀般的な認識⽅式:

‣ 画像完全⼀致:画像が完全に⼀致した際に検索される⽅式。古いタイプのARではこのタイプが使⽤されることも有りましたが、最近では殆どの場合採⽤されていません。傾き、⾊あいの調整、すぐに消えてしまうなど開発者・利⽤者にとって不便な点が有ることがその理由となっているようです。

‣ 特徴点⼀致:この画像解析⽅式は、画像のなかで濃淡がはっきりしているエッジの部分を⾃動解析し、バランスよく利⽤できる⽅式です。多くのARではこの⽅式が採⽤されています。カメラで撮影中、アプリよって点々が⾒える箇所がその特徴点部分に該当します。特徴的⼀致の⽅式では、認識時に⼀旦端末内でカラー映像がグレースケール映像に変換された後、特徴点データを⽣成する⽅式となっていることが多いようです。ある程度の⾓度や光の反射が有ったとしても、30-50%程度の⼀致箇所が⾒つかると認識されるようになっているため、利⽤者はストレスなく⾃然に操作することができます。通常、特徴点の解析結果は、⭐印3〜5段階で⾒ることができるようになっており、中間点程度が得られればストレスなく認識されます。印刷物の場合、⼊稿前に事前検証は必須です。次ページに解析結果のサンプルを掲載します。

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5.画像認識の仕組みってどうなっているの?

※上記サンプルは、Vuforiaで解析した場合に得られる情報です。向かって左側が基の画像、左側が解析後のデータです。認識点が多い場合でも必ずしも認識率が⾼いとはいえない場合が有るため、認識箇所の決定前には必ず事前の確認が必要です。

※認識されない・認識率がかなり低い ※認識されるが追従性は低い可能性あり

※問題なく認識・追従される

※普通に認識・追従される

※問題なく認識・追従される

Page 15: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

6.共有タイプでもARは⾃分で登録できるの?

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6.共有タイプでもARは⾃分で登録できるの?

๏ 共有タイプのARアプリは、⼤きく2つの⽅法で運⽤されています。1つ⽬の⽅法は、サービス運営会社がAR⽤のコンテツをお客様から受け取り、運営会社が責任をもって設定を⾏う⽅法です。2つ⽬の⽅法は、契約企業向けにアカウントが⽤意され、契約企業が⾃由に登録できるタイプです。⼀般の利⽤者がスマートフォン端末だけでARコンテツを作成して公開・共有することができる特殊な機能をもったアプリも存在します。それでは、下記に「運営会社がARコンテツを設定する場合」、「契約企業の担当が⾃分で登録できる場合」の注意点を説明します。

๏ サービス運営会社が登録するタイプ:

‣ 主なメリット:専⾨家に任せることができるため、認識しない・誤認識する・期限に間に合わないなどの問題が発⽣し難い/重複することによる誤認識については、運営会社が⼀元管理するため安⼼できる

‣ 主なデメリット:⾃社で運営する場合と⽐較して、データの登録作業や修正作業を度々運営会社に依頼する必要がある/たくさんのARコンテツを登録し継続利⽤する場合に費⽤がかかる可能性がある

๏ 契約企業が登録するタイプ:

‣ 主なメリット:利⽤企業が⾃分で登録できるため安価に運⽤ができる場合が多い/頻繁に変更が発⽣する場合、都度サービス運営会社に設定依頼をする必要がない

‣ 主なデメリット:認識対象データが他の会社と共有されるため、⾃社で登録した画像やイラストと同じものが他企業や⽀店などでも登録される可能性が有り、誤認識の問題が発⽣する可能性が⾼い/画像認識の仕組みに詳しくない担当者が登録した場合、認識しない・認識し難い、他のARコンテンツが表⽰されるなどの問題が発⽣しやすい

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6.共有タイプでもARは⾃分で登録できるの?

運営会社

契約企業A

契約企業B

契約企業C

契約企業A

契約企業B

契約企業C

認識チェック ・認識可否チェック ・誤認識チェック ・重複認識チェック

データ登録

データ登録複数社で同じターゲット画像が登録された場合、A社、B社、D社の、どのデータが表⽰されるか保証されない

予め誤認識さないよう、チェックされているため正しいコンテンツが表⽰される。

๏サービス運営会社が登録するタイプ

๏契約企業が登録するタイプ

同じデザインのターゲット画像が契約企業から提⽰された場合は差し戻す

認識チェック ・認識可否チェック ・誤認識チェック ・重複認識チェック

1アプリに対して、複数の企業に管理画⾯が提供されている場合、登録された認識画像の重複チェックは完全には⾏えません。致命的なことに、同じ画像や誤認識するような画像が登録された場合、企業間の調整ができないためだれも対処することができません。重複するような画像が登録されなければ問題は発⽣しませんが、運営会社がよほどしっかりしたルールや仕組みを⽤意しない限り、この⽅式は殆ど破綻しており、利⽤者は残念な体験をする上、契約企業もクレームを受けることになります。

関係ない動画

が再⽣されたよ。何

バッチリ!

問題ない

Page 18: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

7.ARが何回使⽤されたか分かるの?

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7.ARが何回使⽤されたか分かるの?

๏ 殆どのアプリでは、ARを実⾏した場合、認識した画像などの回数を取得して集計しています。利⽤するサービスがどのようなタイミングで、どのような形式で情報を提⽰しているか、事前に確認を⾏いましょう。無料で使⽤できる共有型のARサービスでは、情報が提供されていないもの、または有償でレポートを提⽰しているもの有るようです。効果測定としての情報が必要となる場合、海外のアプリでは特に事前の確認を⾏いましょう。

Page 20: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

8.ダウンロード数が多いアプリが良いの?

Page 21: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

8.ダウンロード数が多いアプリが良いの?

๏ ダウンロード数が多いアプリは、⽐較的安⼼感が有るようですが、果たしてそうでしょうか。

๏ 海外の有名なARアプリは、⽇本でも利⽤されているもの・されていないものがあります。世界最⼤数のダウンロード実績があるARアプリが2社ありますが、それらは⽇本語化されているにもかかわらず、⽇本で使われている事例は極めて少ないようです。このことから、必ずしもダウンロード数が多いアプリが⾃社の⽬的に合っているとは限りません。

๏ 過去にそのアプリをインストールしている⼈が多いとしても、ユーザ層が異なっていたら新たにインストールされますので、ダウンロード数の多さはそれほど関係しません。また、ダウンロード数が多いアプリでは、過去に⾏われた特定のキャンペーンで多くの⼈に使⽤され、ダウンロード数を急激に伸ばしている場合もあります。

๏ アプリを使⽤する場合は、仮にアプリが無名だとしても、適切なタイミングで、適切な⽅法で告知することで、利⽤者数が上がる場合が多いようです。結果として利⽤者が少なかったとしたら、アプリ側のせいではなく、コンテンツに興味すら持ってもらえなかった、或いは事前の告知を⾏わなかった側の問題となります。いくら素晴らしいコンテンツでも、そのことを知らされていなかったら誰も使うきっかけを得ることができません。

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9.アプリってインストールされるの?

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9.アプリってインストールされるの?

๏ アプリはなかなかインストールされないと感じている⽅も多いようです。しかしながら、今やアプリは当たり前のようにインストールされるようになっていると⾔えます。

๏ インストールされないということは、そのアプリのメッセージが対象ユーザに届いていない、アプリのコンテンツそのものに魅⼒を感じてもらえていないということが多いようです。

๏ アプリが紹介されていない、説明が分かりに難い、⽂字が⼩さくてアプリのことが良くわからないなど、単純なことが原因で使⽤されていない場合が多いようです。当たり前のことがきちんとできているかどうかが重要です。インストール数が多い共有アプリだとしても、ターゲットユーザの⽬に⽌まるよう、アプリの紹介をきっちりと⾏いましょう。このことは、「ダウンロード数が多いアプリが良いの?」で説明したことと似ていると思います。

Page 24: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

10.費⽤ってどのようにかかるの?

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10.費⽤ってどのようにかかるの?

๏ 費⽤の提⽰⽅法は、各社それぞれ異なりますので⽐較が難しい点だと思います。ここでは、どのような費⽤が発⽣するのか、どのような点に注意するべきか等について説明します。

๏ どんな費⽤項⽬があるの?:

‣ 企画・要件定義:打合せ、シナリオ制作・認識対象物の事前検証など。シンプルなARの場合は簡略化できる項⽬ですが初回は発⽣することが多いようです。

‣ 初期設定費⽤:ARを利⽤するために、企画・案件単位に発⽣する費⽤です。例えばサーバ側の利⽤設定などです。企画・要件定義と同様に初回は発⽣することが多い項⽬です。

‣ 1ARあたりの設定費⽤:1点あたりのAR設定費⽤として発⽣します。設定以外に1ヶ⽉間の利⽤費⽤も含まれていることが多いようです。延⻑利⽤料やオプション設定費⽤も確認しましょう。

‣ ARコンテンツの制作費⽤:動画の場合は動画データの制作が必要です。通常の撮影、デジタルデータ・スライドショーの制作、3DCGの場合はモデル本体・アニメーションの制作が発⽣します。

๏ 契約⽅法はどうなっているの?:

‣ 1案件毎に契約するケースが多いようですが、期間契約制のサービスも有るようです。期間契約で、管理画⾯を貸し出している企業では、最低契約期間を設けて途中解約ができないケース、⽐較的安価で使い放題であるため⻑期契約したものの品質も悪く使えないサービスだったというケースも有るようです。そのサービスの特性、実績、評判をよく確認し、サービス内容をよく理解した上で契約をお勧めします。

Page 26: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

11.困った!こんな時は、どうしたらいいの?

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11.困った!こんな時はどうしたらいいの?(1)

๏ 「格安・作り放題!」というような安価なARを採⽤したものの、誤認識することが多い:

‣ 共有タイプのアプリの選定によっては、誤認識が多発する場合があるようです。それは、アプリの提供側代理店などの契約企業に管理画⾯を提供している場合に発⽣頻度が⾼くなる傾向が⾼くなるようです。画像を設定した代理店(契約)企業は、お客様から企画・広告費⽤などをいただいているでしょうし楽しみにしていた利⽤者も残念な気持ちになることでしょう。

‣ 同じチャンネル(フォルダのようなイメージ)に同じが画像が登録されていたら、どうなるか想像はつきますよね?認識システムはどちらを優先的に認識したら良いか判断がつかないことでしょう。実際に登録してみたら⾃社が設定していない全く関係ない動画が表⽰されたということが発⽣しても⾃社と関係ない他の企業が登録したARコンテンツ削除の依頼は契約上困難でしょう。このような場合、どうしようもなく、まず回避策はありません。絶対に他の企業が使⽤していない、⾃分で撮影した完全なオリジナル画像やイラストを利⽤するような運営を⼼掛けることくらいしかないでしょう。

‣ しかし、このような特性を理解してサービスを提供ているアプリもないわけでも有りません。最初にチャンネルを購読するという⽅式、画像認識前にQRコードを読み取る⽅式、認識した画像に対してIDを設定する⽅法などです。いずれも確実ではありませんし、⾃然に利⽤できる流れではなくなりますので操作側の煩わしさは残りますが間違った動画が表⽰されるという致命的なことが発⽣するよりは安⼼でしょう。

‣ さて、それでは対応策は有るのでしょうか? それは、運営会社に依頼して誤認識や重複チェックを確実に⾏われる共有サービスを利⽤するか、オリジナルアプリを所持し⾃社だけのチャンネルが使⽤できる管理画⾯を使⽤して⾃社運営することです。外観を替えるだけのオリジナルアプリを安価に提供するAR開発企業も有りますので相談してみましょう。

Page 28: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

11.困った!こんな時はどうしたらいいの?(2)

๏ ARで認識させるために紙⾯のデザインをしたものの、ほとんど認識されない:

‣ このようなことになる前に事前の準備が必要です。まず最初に⾏うことは、ARで使⽤する予定の仮デザインを決めたら、事前に認識状態を検証しておくことが必要です(契約先の企業に対応いただく場合はそうしてください)。管理画⾯の評価だけではなくアプリで実際に試すことができれば、その⽅が安⼼です。特に「正しく、早く、安定して認識するか」「間違って他のコンテンツが表⽰されないか」という点となります。慣れてくれば、⾒た⽬である程度の判断がつくようになりますが、油断は禁物です。最初の時点で状況が分かれば、⼤きな変更がない限りは⼊稿前に最終チェックを⾏えば良いでしょう。

‣ ⼊稿後に最初の印刷が上がってきました。このタイミングでアプリで実際に実⾏して確認を⾏いましょう。印刷後に⾊調や紙質が変わっている場合があります。事前のチェックでは問題がなくても実物では紙⾯が光ったり、折れ⽬がついていたりして、期待した通りの認識が⾏われない場合もあります。問題があれば、印刷物から画像データを作成して登録することで回避できることがあります。

‣ さて、最後に特殊な例ですが、屋外やイベント会場などで実施する場合は、昼夜の光の状態や照明による反射などが原因で正しく認識がされない場合があります。このようなことに対処するためには、現場に事前に⾜を運ぶか、現地の状態を把握しておくことが必要です。ARはデジタルのツールですが、結局は⼈間が判断し対処することが必須だと思います。

Page 29: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

付録:⻲⼭悦治について

Page 30: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

初のAR記事:2009年2⽉13⽇【2009-2-26 世界初開催!AR(拡張現実)ビジネスの最前線】個⼈運営、現在約6千4百件以上のAR記事、世界50カ国からアクセス、多くのSNSサイトにより拡散

http://development.blog.shinobi.jp/

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付録:亀山悦治について

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2009年より、AR(拡張現実)の普及のために、ARブログの運営、セミナーへの登壇、AR関連書籍の執筆、AR技術を使⽤した企画・提案・開発等幅広い活動を⾏っています。現在はナレッジワークス株式会社の取締役に就任しています。AR導⼊に関するご相談・ご質問は、[email protected] ⼜は[email protected]までお気軽にどうぞ。

Page 31: はじめてのAR(拡張現実)アプリ導入

付録:⻲⼭悦治について

http://www.nts-book.co.jp/item/detail/summary/it/20140700_19.html

次世代のプロモーション⼿法として注⽬を集めるほか、医療や教育といった他分野への幅広い活⽤・発展が期待されているAR〈拡張現実〉の世界がよくわかる⼊⾨書が電⼦書籍で登場。ARとはカメラなどを通して⾒た現実の映像にCGや位置情報といったデジタル情報を重ねて表⽰する技術のこと。本書はその基本的な仕組みから歴史やさまざまな活⽤事例、ARを体験できるアプリの紹介、未来の可能性まで幅広くわかりやすく解説 ---下記の執筆を担当--- 第2章 ARを体験する:代表的なアプリやサービス紹介 第3章 ARの活⽤例を知る:消費とAR/観光とAR/メディアとAR/ビジネスとAR/教育・医療とAR/公共空間とAR/新しいコミュニケーションツールとしてのAR/新しいエンターテイメントとして

http://www.sogensha.co.jp/booklist.php?act=details&ISBN_5=96001

---下記の執筆を担当--- 第3編 感覚デバイスが創る未来⽣活 / 第3章 コミュニケーション 1.コミュニケーション⼿法としての⾔語に関する限界 2.さまざまなコミュニケーション・ツールの出現 3.⾔語とコミュニケーション 4.⼼理療法とコミュニケーション 5.コミュニケーションボードが家庭に⼊り込む 6.学⽣⽣活と教育とコミュニケーション 7.家庭内ロボットの居る⾵景とコミュニケーション 8.遠隔でのコミュニケーション〈ワープして別の⼟地をリアルタイムに体験する〉 9.⾷/トレーサビリティとコミュニケーション 10.感覚デバイスの課題