我が国石油産業の 国際競争力...我が国石油産業の 国際競争力 経済産業省...
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我が国石油産業の
国際競争力 経済産業省
資源エネルギー庁
石油精製・流通研究会
構成員 佐藤克宏
機密・専有情報
本資料の著者による個別の明示的な承諾を得ることなく、この資料を使用することを固く禁じます。
討議用資料 | 2016年11月7日
資料4
2
内 容
我が国の石油産業の概況
石油市場の概況
石油化学市場の概況
我が国の石油産業の将来展望
3
日本の石油精製は世界的に見れば中~小規模
資 料: Refinery capacity database (2015年)
408
467
570571
7287858408859249421,0251,1191,1351,1391,2101,3201,400
1,5381,7451,7951,8611,8741,970
2,3302,4082,523
2,4662,5962,573
3,1163,445
4,5785,192
5,677
Valero PDVSA
Shell Petrochina ExxonMobil Sinopec
Rosneft
Saudi Aramco
Lukoil
BP Phillips 66
NIORDC
Total Petrobras
Chevron
JX Group Reliance
Pemex
Marathon
Showa Shell
Idemitsu
Cosmo
TonenGeneral
Repsol Pertamina
SK Gazprom Neft
KPC
Koch EGPC CPC Tesoro Iraq state
IOC
原油処理能力 千BD; 各社別合算ベース ネルソンコンプレキシティ指数
1 2 3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
35 36
47
10.1
7.8
6.18.2
9.03.9
6.710.9
4.97.3
5.56.2
4.96.3
6.68.2
9.56.7
8.75.4
10.49.9
8.810.2
7.75.6
5.910.6
7.66.9
7.56.2
8.57.0
54
推 計
世界合計: 91,742
4
日本の原油処理能力の稼働率は欧州・アジアと並んで低位
資 料: IEA、Refinery capacity database (2015)
日本 79.3 % (2015年)
地域別原油処理能力稼働率 %
50
60
70
80
90
100
2120 232216 18172015 19 202524
Asia2
Europe3
North America1
能力新増設の予測ベース 既知の能力新増設ベース
1 北米はPADD 3
2 アジアは韓国、台湾、東南アジア
3 欧州は北欧・西欧・東欧・地中海沿岸地域
5
日系企業の資本収益性は海外他社と比較して高くはない
資 料: Corporate Performance Analysis Tool
160 140 120 280 100 240 220 200 180 260 80 40 60 300
0
340
8
320
2
-2
16
12
18
14
10
20
6
4
-4 0 20
GAZPROM
TOTAL CHINA PETROLEUM & CHEMICAL
ROYAL DUTCH SHELL
投下資本 (IC2)
CHEVRON
BP
EBITA1
EXXON MOBIL
PETROCHINA
石油開発・生産2社
海外企業
石油精製・元売5社 十億ドル; 2015
1 Earning Before Interest, Tax and Amortization 支払利息前税引前のれん償却前利益
2 Invested Capital 投下資本=有形固定資産+無形資産+運転資本
6
内 容
我が国の石油産業の概況
石油市場の概況
石油化学市場の概況
我が国の石油産業の将来展望
7
世界の今後の石油需要はアジア太平洋地域が牽引
資 料: World Energy Outlook 2015
推 計
28 31 36
16 1614
22 22 20
10
69
84
91
6 6
4 84
2020 2014
88 5
2030
北米
南米
中東
アフリカ
アジア・ 太平洋州
欧州
予 想
世界の石油需要
百万BD
1.5
2.3
0.5
-0.6
-0.9
1.7
年平均成長率 %; 2014~30
8
インド、インドネシア等で需要が供給を上回るペースで増加する見込み
資 料: FACTS Spring 2016 Databook
1 需要-供給
2 軽油への転換が進む前提
推 計
需要>供給の伸び 需要減少・需要のわずかな伸び 自給自足の伸び
50KBD未満の伸び 100KBD以上の伸び 50~100KBD の伸び
50KBD 未満の減少 100KBD以上の減少 50~100KBD の減少 需要
供給
ガソリン
軽油
ジェット燃料油・灯油
合計
現在の需給 (ネット1)
1,558
1,378
281
388
405
371
2,244
2,137
中国
107
5
8
-7
0
17
2
16
10
台湾
6
61
85
80
93
13
21
199
154
ベトナム
45
105
36
22
50
27
12
153
99
マレー シア
54
4
46
14
71
0
13
17
131
フィリ ピン
114
200
56
72
91
13
22
285
169
インド ネシア
116
429
112
428
383
-6
-13
852
481
インド
371
36
23
65
-10
34
12
135
25
タイ
110
17
-29
78
-78
19
-8
114
-115
韓国2
229
-107
-18
-82
15
-34
17
14
-223
オーストラリア
237
-2
-54
392
10
46
-24
437
-68
シンガポール2
505
-130
-166
-114
-207
-2
-106
-245
-480
235
日本
2015~2025年にかけて予想される国別需要・供給の変化 千BD
9
石油製品需要の量的変化および質的変化が進む
資 料: IMO、国土交通省
百万台
需要の量的変化の例 – 自動車 需要の質的変化の例 – IMO船舶バンカー油規制
105
87
2341
都市化 および 経済成長
個人所有 の自動車
115
2015 2030 個人所有 自動車の減少
シェアード 自動車
10
例 示
▪ 2008年より、国際海事機関(IMO)は大気汚染防止対策として、船舶からのSOx排出削減のため、燃料油中の硫黄分濃度の規制を段階的に導入
▪ 2016年10月にロンドンで開催された専門部会では、2020年からの規制強化開始を決定
– 一般海域:硫黄分濃度の規制値を、現行の3.5%以下から、0.5%以下に強化
– 指定海域(北米、米国カリブ海、北海・バルト海):2015年からすでに0.1%(軽油相当)以下に強化済
▪ すべての船舶は規制に適合する燃料油の使用、もしくは同等の効果のあるLNG等の代替燃料油の使用、または廃棄ガス洗浄装置の使用が必要
▪ 自動車の世界では、電動化、自動運転化、カーシェアリング、そして軽量化等が進んでいる
▪ これらの要因が複合的に作用することによって、ガソリン・ディーゼルへの需要が減少していく。2030年までに需要面からの「ピークオイル」が到来する可能性がある
10
内 容
我が国の石油産業の概況
石油市場の概況
石油化学市場の概況
我が国の石油産業の将来展望
11 資 料: ICIS Supply and Demand、 Global Petrochemicals Value Pool Model
世界の石油化学品市場規模は過去10年間で20%増加した
09
125 20%
2015 2014
126
11
124
10
110 103
2005
138
108
07
59
06
113
102
05 04 08
100
エチレン
エチレン誘導品
ブタジエンおよび誘導品
アンモニア
ベンゼンおよび誘導品
キシレンおよび誘導品
プロピレンおよび誘導品
メタノールおよび誘導品
クロロアルカリ
エンジニアリング樹脂
世界の石油化学品の収益プール 十億ドル; EBITDA
12
世界のオレフィンおよび芳香族の需要は、2030年までに
更にほぼ倍増する見込み
資 料: ICIS Supply and Demand
1 ベンゼン(Benzene)、トルエン(Toluene)、キシレン(Xylene)
2 パラキシレンを含む
2025 2020 2030 2015
ミックスキシレン2
44
606 約2倍
62
プロピレン
37
230
137 ベンゼン
71 69
84
19
エチレン
ブタジエン
トルエン 160
521
199
17
47 12
54 14
48
142
58 369
168
441
114 93
31
27
実 績 予 想
世界のエチレン、プロピレン、ブタジエン、BTX1需要 百万トン
推 計
年平均成長率 %; 2015~2030
3 ~ 4
3~4
2 ~ 3
2~3
3~4
3~4
13 資 料: IHS Chemical
パラキシレン市場は中国需要の増加があっても需給ギャップが拡大する
見込み
1 アジアは、北東アジア、東南アジア、およびインド
2 アジアにおける製油所の平均稼働率85%を想定
推 計
パラキシレンとナフサの北東アジアにおける価格スプレッド (ドル/トン; 2016年11月~2018年12月は予想)
アジアにおけるパラキシレンの生産能力と需要1,2
(百万トン)
ナフサ(スポット価格)
PX・ナフサ価格スプレッド
PX(スポット価格)
4
39
31
5
29
39
33
5 3
36
35
21
4
35
3
34
22
4
3
5
39
39
39
5
37
20
3
6
3 3
32
27
16
3
6 33
18
3
29
24
26
3
3
25
29
11
3
26
2
25
23
13
3
26 3
2
7
24
8
9
8 24
25
生産能力
需要
インド
東南アジア
北東アジア
中国
需 要
2010 11 12 13 14 15 2018
実 績 予 想
16 17
500
1,500
1,000
2,000
0
2018 2016 2015 2017 2013 2012 2011 2010 2014
実 績 予 想
14 資 料: ICIS Supply and Demand、Ethylene cost curve model
2025年には中東・北米のエチレンプラントがコスト競争力で
優位になると見込まれ、日本のプラントは後塵
1 実効生産能力は公称生産能力に対し稼働率93%を仮定
中東 北 米 西欧、アジア、日本
製品構成、価格、生産プロセス等に
つき仮定を設けた外部からの推計
実効生産能力1 千トン
中国
韓国・台湾・日本
欧州
旧ソ連
東南アジア
中東
南米
北米
0
1,500
1,000
2,000
0 100
500
150 50 200
需要196百万トン
世界のエチレン生産コストカーブ 2025年の生産能力およびキャッシュコスト; 工場出荷ベース; 2015年価格
15
エチレンへの国内需要は減少傾向
6,8856,6486,693
6,145
6,6897,0186,9136,882
7,7397,5227,6187,5707,367
7,152
4,770
5,742
07 06
5,117
09
6,380
08
5,595
12 11
5,206
2015 10 14 13
5,002 5,010
5,771 5,388
05 2002
5,717
03
5,548
04
5,752
4,830
国内年間需要量 年間生産数量
資 料: 経済産業省、石油化学工業協会
日本におけるエチレンの需要 千トン
16
内 容
我が国の石油産業の概況
石油市場の概況
石油化学市場の概況
我が国の石油産業の将来展望
17
アジア太平洋諸国1の中で日本は石油大量消費国であるが、消費量は年々減少
資 料: BP statistics (2016年版)
1
1990
5 1
14
1
3
6
1 2
18
5
6
2
日本
韓国
インドネシア
その他
アジア太平洋諸国
3
2015
32
中国
4
インド
7
7
2000
21
12
4
28
1 3
2
2005 2010
9
5
25
3 2
4
2
1 2
8
3
5
1
1995
6 5
2
2
アジア太平洋諸国 全体に対する 日本の需要の割合
38% 32% 26% 22% 16% 13%
1 日本、韓国、中国、台湾、フィリピン、東南アジア諸国、インド、パキスタン、バングラデシュ、オーストラリア、ニュージーランド等
アジア太平洋諸国の石油消費量 百万BD
18
日本の石油製品需要は大きな減少が予想されている
資 料: 資源エネルギー庁 総合資源エネルギー調査会資料 (2013年6月公表)
5236
30
27
32
27
25
22
22
18
17
15
16
16
21
23
14
17
20
14
165
-15%
133
194
2010
実績
LPG
2030
予想
重 油
13
ナフサ
2020
予想
ガソリン
5
-30%
灯 油
軽 油
5
その他
5 ジェット燃料油
日本の石油製品需要見通し 百万KL
19
日本の製油所の稼働率は足許では改善傾向にある
資 料: 石油連盟「今日の石油産業」(2016年版)
3,947
4,391
4,4784,5594,627
4,8464,895
4,856
4,7964,767
5,2745,221
4,552
4,973
5,9405,940
5,410
82.4
100 6,000
3,000
50
80
5,000
4,000
2,000
90
70
60
0
1,000
77.7
2010
75.9
1985 1995
79.4 79.2
2000
77.3
1990
日本の製油所の 原油処理能力 千BD
原油処理能力 稼働率
%
2009 2008
74.2
2013 2014
74.5
78.5
2012 2011 年度
87.2
2006
82.9
2007
78.9
2005
82.7
66.0
1980 1975
70.7
1973
85.2
62.3
原油処理能力稼働率
原油処理能力
日本の製油所の原油処理能力および原油処理能力稼働率
20
日本国内事業を成長の原資となるキャッシュ創出事業として、海外など
成長ドライブ事業を育成する
石油精製 原油調達 流通・販売
日本 国内
海外 など
▪ 原油の安定調達 ▪ 原油の調達力強化 ▪ ...
▪ 保安・安全操業
▪ 製油所の競争力向上 – オペレーション – 調達 – …
▪ 石油化学の競争力向上
▪ …
▪ 安定供給 ▪ 事業最適化 – 流通 – 販売
▪ ...
▪ 共同調達 ▪ (産業育成) ▪ …
▪ 石油精製 – 製油所投資 – 精製技術供与 – 人材育成 – …
▪ 石油化学 ▪ ...
▪ 現地流通・販売 – 燃料油 – 潤滑油 – SS運営 – …
▪ 石油製品輸出 ▪ …
キャッシュ 創出事業化
成長ドライブ 事業構築
イメージ図
討議用
21
キャッシュ創出事業
(仮定: 市場縮小傾向)
成長ドライブ事業
キャッシュ創出事業をベースとした将来の成長ドライブ事業の育成
縮小均衡だけでは、いずれ再成長の礎を失ってしまう
利益金額
規模
現 在 将 来
イメージ図
討議用
成長ドライブ事業 によって再成長の 軌道を構築
縮小均衡だけでは 再成長の礎を 失ってしまう おそれ
22
石油精製・流通・販売での課題(アジア全般の例)、および日本の石油産業の
立ち位置
例 示
石油精製
流通・販売
石油精製能力の新増設が需要増加を上回るペースで進み精製能力が過剰状態となる
エネルギー効率の向上・電気自動車の増加によって石油製品への需要が減少する
2
石油精製マージンが縮小する中、操業効率改善(利益改善)が必要となる
3
原油価格の変動が見込まれる中で、設備の より高度な柔軟性と複雑性が求められる
4
需要の成長分野を追って、更なる下流 (例: 石油化学)への進出が求められる
5
原油ミックスの複雑化が進む(重質原油、高硫黄原油の割合が高まる)
6
燃料油スペック、製油所からの排出物、バイオ 燃料等への規制が変化する
日本国内の石油産業の立ち位置(例示)
1
7
消費者はデジタルによる従来とは異なる小売り での体験を求めるようになる
ブランドへの意識が高まり、差別化された製品・サービスでは利益が生まれる
9
石油精製マージンは縮小基調にあり、効率的な輸送・配送が利益を生む鍵になる
10
欧州・中東からの競合他社がアジアの小売り 市場への参入を覗う
11
自動車における多様性が進む(自動運転車、 電気自動車等)
8
12
▪ さらなるキャッシュ創出の推進
– 需要と石油精製能力のバランスを今後も継続して意識
– 製油所の操業効率(オペレーション・調達等)の一層の改善を推進
▪ 需要の今後の質的変化への対応の推進(重油留分の軽油などへの精製促進等)
▪ これらの取り組みをモデル化の上、海外へ展開
▪ 流通・小売りの最適モデルの追求
▪ 社会・消費者からのニーズの変化に対応できるSSサービスモデルの進化
▪ これらの取り組みをモデル化の上、海外へ展開
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