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「すざく」による HESS J1427-608 の観測
○藤永貴久 、森浩二 、木村祥一 、馬場彩 、堂谷忠靖 、尾崎正伸 、内山秀樹 、寺田幸功 、松本浩典 、Gerd Pueflhofer
1 JAXA 宇宙研、2 東工大、3 宮崎大、4 青山学院大、5 東大、6 埼玉大、7 名大、8 University Tuebingen
1,2 3 3 4 1,2
1 5 6 7 8
天文学会2011年秋季年会 2011/09/21 鹿児島大学
目次
1. Introduction
2. すざくでの観測結果
3. XMM-Newton アーカイブデータの解析結果
4. 考察
5. まとめ
HESS 未同定天体
Hinton (2007)
銀河中心
60 deg 80 deg
4 deg
1
H.E.S.S. 望遠鏡が TeV ガンマ線銀河面探査で発見 (Aharonian+ 2006)
- これまでに 50個程度発見されている - 程度まで粒子が加速されている - 銀河系内の宇宙線加速天体として注目されている - 6割はパルサー星雲、次いで超新星残骸など
1012 eV
X線観測で期待される効果 2
光子のエネルギー
エネルギーフラックス シンクロトロン
放射
X線 TeV逆コンプトン散乱
π 崩壊0
青: 電子起源赤: 陽子起源
TeV 電子: シンクロトロン放射 @ X線 + 逆コンプトン放射 @ TeVTeV 陽子: 星間物質との衝突で生成される中性パイオンの崩壊 @ TeV
・X線観測により 電子 or 陽子 の切り分けが可能・フラックス比 だと 陽子を明らかに加速
TeV 粒子から期待される電磁波スペクトル
FTeV(1! 10 TeV)FX(2! 10 keV)
>> 1
HESS J1427-608 3
Aharonian et al. (2008)
電波 (843 MHz) のイメージ
TeV 強度
Aharonian et al. (2008)
電波 (843 MHz) のイメージ
! TeV 放射の広がり: !=2.4-4.8分角
! TeV ガンマ線フラックス:
! 他の波長で対応天体と思われるものは知られていない。
「すざく」で 104 ks 観測した (2010年1月13日~16日)
FTeV = 2.5! 10!12 erg s!1 cm!2
TeV ガンマ線のイメージ
グレースケール: 843 MHz
黒の contour: H.E.S.S.
緑の contour: ROSAT
すざく XIS イメージ 4
! 2-8 keV で有意な放射を発見! source 固有の広がり
TeV
0.5-2.0 keV 2.0-8.0 keV
! " # $ %
!&'(!!#
(!!)
*+,-./01.2/34+,-./5!(/10467-!"8
975.1-42/:0+6/.;2/42-.20/310467-8
<,=1>,/01?71@/A0+:7@2
BC520D1.7+-
576,@1.2?/EFGHI*GJ
2-8 keV の radial profile
! = 1!.3± 0!.1
すざく XIS スペクトル 5
1.54! 1022 cm!2
この方向の galactic absorption
(Kalberla+ 2005)
! 強い星間吸収! ソフトな放射
(2-10 keV)
!"!#
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%&'(&)*'+,-./0&'),)!!,1(2
!!3
405610,-76.189/0&:,)07'96.'(:3
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=
!
?&(98+,-1(23
NH = 13.0+3.0!2.5 (1022 cm!2)
! = 3.5+0.6!0.5
Flux = 1.1+0.5!0.3 (10!12 erg s!1 cm!2)
photon index
星間吸収
スペクトル抽出領域 半径4.5分角
XMM-Newton イメージ&スペクトル 6
点源の寄与を見積もるため XMM-Newton のアーカイブデータを解析した(観測日: 2007年8月9日 観測時間: 21 ks)
8
7
6
5
4
3
2
1
0
22
21
2019
18
16 15
141312
11 10
9
876
5
4
32
1
点源を検出! 視野内: 22個
! すざく source 領域内: 4個
!"!#
!"!$
!"!%
"&"!
'()*(+,)-./012()+.+!!.3*4
!!5
6277*8.$.91,().+12:0*+
! !""&# ; #
!$
!;
"
;
$!
<(*:=-./3*45
スペクトル (点源 4つ合計)
MOS1
MOS2
pn
Flux = 3.3+0.8!0.7 (10!14 erg s!1 cm!2)
NH = 1.7+0.8!0.7 (1021 cm!2)
(2-10 keV) " #=2.0 に固定
考察(1) 「すざく」で受かった放射 7
「すざく」 XMM-Newton
X線天体 5 分角程度まで広がった放射
点源 4つ
2.0 (固定)
フラックス (2-10 keV)
!
「すざく」で受かった天体に対する点源の寄与は数%以下
「すざく」で受かった放射は真に広がっている
「すざく」と XMM-Newton の比較
(10!12 erg s!1 cm!2) 0.033+0.008!0.007
3.5+0.6!0.5
1.1+0.5!0.3
考察(2) TeV ガンマ線の起源 8
! フラックス比 = 1.9 " TeV ガンマ線には電子からの成分が存在
! 既知のパルサー星雲との比較
HESS J1427-608 既知のパルサー星雲1.5 ~ 2.2 程度
X線放射の位置 TeV 放射と重なっている 離れていても数十分角以内X線放射の大きさ TeV 放射より少し小さい TeV 放射と同じか小さい
X線 pulsation 受かっていない 受かる場合がある
!X
・X線放射は TeV 放射と関係があり、パルサー星雲の可能性がある。・しかし、パルサー星雲だとしても XMM-Newton で受かった点源は
associate したパルサーとは考えにくい ( が 80倍異なるため)
・ソフトな 非熱的X線放射を示すパルサー星雲候補天体は少ない。 (HESS J1632-478 (Balbo+ 2010) に次いでこの天体が 2例目)
NH
3.5+0.6!0.5
まとめ 9
! 広がり: TeV ガンマ線より少し小さい! ソフトなスペクトル! ! XMM-Newton のアーカイブデータより、点源の寄与は無視できることが分かった
「すざく」の観測により HESS J1427-608 のX線対応天体を発見した
! TeV ガンマ線は電子を起源とする成分を含んでいる。! Morphology からパルサー星雲の可能性がある。
! = 3.5+0.6!0.5
Flux = 1.1+0.5!0.3 (10!12 erg s!1 cm!2)
すざく XIS パワースペクトル 補足1
source
XIS0
source
XIS1
source
XIS3
annulus
XIS0
annulus
XIS1
annulus
XIS3
90分 45分
90分 45分
! 衛星の軌道周期以外に時間変動は見つからなかった。
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