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空間情報を活用した防災技術
空間情報技術G(アジア航測、国際航業、パスコ、RESTEC)共同発表
第1回 防災推進国民大会 平成28年8月28日
日本防災プラットフォーム
取締役 島村 秀樹
株式会社 パスコ
※企業名あいうえお順
熊本地震での空間情報の活用
◎地殻変動の把握
陸域観測衛星「だいち2」のレーダーで被災地域を観測・解析した。益城町から阿蘇山にかけ、布田川断層帯に沿う形で地表面に激しい変動が見られることが分かった。
地震前の3月7日と地震後の今月18日に撮影した被災地域の画像を比較した結果、14日に震度7を記録した益城町役場から、16日未明の地震で崩落した阿蘇大橋にかけ、激しい地表面の変動を示すしま模様が現れた。
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熊本地震での空間情報の活用
◎被災状況調査(高精度な3次元画像)
航空機およびヘリによる被災調査では、対象地域に対して膨大な斜め写真を撮影する。最近の技術では、連続した斜め写真から、対象地域を立体的に再現する技術が開発され、高精度な3次元画像が迅速に作成できるようになってきた。
【アジア航測】新幹線脱線ケ所・高速道路損傷箇所・益城地区【国際航業】 熊本城・阿蘇大橋付近・阿蘇郡南阿蘇村・立野・西原村【パスコ】 九州自動車道路陥没・阿蘇大橋・熊本城
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• 平成28年熊本地震 熊本城 3Dモデル(動画)
• 平成28年4月熊本県熊本地方の地震 阿蘇大橋付近(動画)
◎衛星画像や航空写真からの建物被害判読
1)災害廃棄物の発生量を把握し、仮置場や処理能力の過不足の早期把握2)市街地整備の方向性を定めるために建物被災の全容の早期把握
熊本地震での空間情報の活用
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災害名 発生月 災害廃棄物量推計 処理期間
平成28年4月熊本地震 平成28年4月 100~130万トン ―
東日本大震災 平成23年3月 3100万トン 約3年(福島県除く)
阪神淡路大震災 平成7年1月 1500万トン 約3年
◎災害リスク情報システム
1) 異常気象に対する気象庁の予測情報による早期帰宅や避難2) 被災画像や自動車の通行実績情報をもとに被災状況や補給経路の確認
降雨情報
台風情報
地震情報
気象庁 自動車メーカー 航空測量会社
熊本地震での空間情報の活用
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被災画像と通行実績データとの重畳
被災画像データ通行実績データ
自然災害に備えた空間情報の活用
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平常時
災害発生時復旧・復興時
・基礎データの蓄積と整備・被災時の訓練・配置計画・ハザードマップの作成・ハード(システム)対策
・災害規模の状況把握・被災箇所の位置把握・現地への支援ルート等
の意思決定資料
・被害規模の把握・復興計画の立案・工事状況の把握
©JAXA
©EADS Astrium GmbH
災害フェイズと空間情報
災害発生
平常時:国土空間データ基盤整備【インドネシア】
国土空間データ基盤(NSDI)は、行政機関や民間企業などが整備している国土の空間データ(地図等)のうち、基礎的なものを社会インフラとして整備した。
■NSDIプロジェクト (JICAローンによる)
1/50,000
1/10,000
農業省
海洋省
林野省
公共事業省
エネルギー省
環境省
統計省
国土省
ジャカルタ市
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西ジャワ県
平常時:ハザードマップ【国内】
ハザードマップは、自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したもの。
想定される噴火のシナリオをもとに避難誘導をイメージして課題解決していく。
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JAXAが開発したGSMaP(衛星全球洪水マップ)は、複数衛星を用いて、準リアルタイム(観測から約4時間遅れ)に、1時間ごとの降雨分布データを提供するシステムである。このデータを河川モデルに入力して、河川の氾濫を予測し、地域住民に洪水警報を伝えるシステムを開発した。
平常時:洪水警報システム【フィリピン・ベトナム・バングラ】
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平常時:状態監視のシステム 【国内】
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- 11 -1:259,600
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2008年5月 中国・四川大地震 北川付近の被災状況判読
災害発生時:災害モニタリング・解析
3次元計測結果 オリジナルデータ 地表データ グリッドデータ 等高線データ
タイ国では、2011年7月から断続的に続いた大雨により、全国61県に広がる大規模な洪水が発生し、バンコク郡/工業集積地のアユタヤ等も被害を受けた。(航空レーザ計測調査)概要:氾濫域の詳細な地形(精密標高)データ作成航空レーザ計測をもとに作成された成果:
・チャオプラヤ川流域マスタープランの策定・災害復興支援無償の概略設計(短期的に対策)・緊急的洪水情報システムの構築および長期的運用
可能な洪水管理システムの計画策定
精密な標高データの整備
復興期:洪水対策プロジェクト【タイ国】
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総務省:G空間×ICT推進会議資料より(2013年)
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今後の空間情報を活用した防災技術
空間情報(G空間)×ICTによる日本の強みを生かした技術の提供
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