新免疫療法(nitc)による がん治療 - 前立腺癌 多発骨 …新免疫療法...

Post on 16-Aug-2020

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前立腺癌前立腺癌前立腺癌前立腺癌 多発骨転移多発骨転移多発骨転移多発骨転移、、、、当院治療当院治療当院治療当院治療 4444 年年年年 9999 ヶヶヶヶ月間月間月間月間でででで卒業卒業卒業卒業 患者様は 71 歳の男性で、平成 13 年 2 月に激しい腰痛と背部痛が認められ、国

立病院の泌尿器科で前立腺癌(未分化腺癌)による多発骨転移と診断され、それ以

来歩くことができず車イス生活を余儀なくされた状態でした。担当医から息子様へ

は『末期癌で極めて予後が悪い』との説明がなされていました。

ただちに入院となり、プロスタール 1 日 4 錠とゾラデックスを月に 1 回のホルモ

ン療法が開始されました。入院時の前立腺癌の腫瘍マーカーPSA 値は 4700 ng/ml

(基準値 4.0 ng/ml 以下)と異常高値を示しましたが、1 ヶ月目には 32.4 ng/ml ま

で低下しました。

その後、平成 13 年 5 月に、当院を受診されました。

初診時の PSA 値は 4.5 ng/ml(基準値 4.0 ng/ml 以下)まで低下しておりました。

骨転移のマーカーである 1CTP は 14.2 ng/ml(基準値 4.5 ng/ml 未満)と高値を示

し、ALP も 327 IU/ml(基準値 260 IU/ml 以下)と高値を示していました。

また、免疫検査では、NK 細胞の比率は 33%(11.0%以上が活性化)、活性化 NK 細

胞比率(NKP(+))は 32%(10%以上が活性化)、NKT 細胞比率は 10.9%(10%以上

が活性化)と高い活性を示しました。IFN-γは 10.4 IU/ml(10 IU/ml 以上が活性化)、

IL-12 値は 9.8 pg/ml(7.8 pg/ml 以上が活性化)とわずかに活性化が認められましたが、

充分とはいえない程度でした。

しかし、2 ヵ月目の平成 13 年 7 月には、IFN-γ値は 31.4 IU/ml、IL-12 は 41.3 pg/ml

と著しく改善しております。PSA 値も 1.9 ng/ml と基準値域に入り、以後順調に低下

しています。

前立腺癌の治療に対する新免疫療法(NITC)の各種免疫能力の貢献度について多変量

解析したところ、Th1 サイトカインの IL-12 が最も貢献度が高く、次が NK 細胞でし

た。この患者様の場合は、IL-12 は初め充分でなかったのですが、治療開始後に著しく

改善しました。また、NK 細胞と NK 細胞活性化は治療開始時より強力でした。

平成 13 年 8 月(3 ヶ月後)に、背部痛が激しく、痛みをとる目的で放射線療法を放医研で、多発骨転移の中で、最も痛みの集

中する胸椎に受けております。

新免疫療法(NITC)と併用を続けておりましたホルモン療法は、平成 16 年 5 月にはカソデックス(途中プロスタールより変

更)を中止し、その3ヵ月後にゾラディクスも中止しました。しかし、PSA 値は低下したままです。

新免疫療法(NITC)は、IL-X 6.0g/日、IL-Y 3.0g/日、さめ軟骨 20g/日、クレスチン 3.0g/隔日、そしてソニフィラン注とピシ

バニール 5KE を 1A/週からそれぞれ開始しましたが、平成 14 年 1 月より、ソニフィランの筋肉注射を中止し、ピシバニール

の経口投与も月に 1 回に減薬されました。平成 17 年 2 月からはクレスチンを中止し、平成 17 年 8 月より IL-X 6.0g/日の単独

投与としても、PSA 値は 0.2 ng/ml 以下と低下したままでした。平成 18 年 2 月からは IL-X の投与も中止し、PSA の値を現

在は経過観察しているところです。

平成 13 年 2 月の新免疫療法(NITC)開始前の骨シンチと平成 14 年 5 月の骨シンチを比較し、有効と診断されました。平成

17 年 6 月に放射線科専門病院で骨シンチを受け異常を認めないとの診断を受けております。

平成 23 年 1 月息子様より電話を頂き、『父は元気にしています』とご連絡を頂きました。

新免疫療法新免疫療法新免疫療法新免疫療法(NITC)(NITC)(NITC)(NITC)開始前開始前開始前開始前

治療開始後治療開始後治療開始後治療開始後 1111 年年年年

H13 年 2 月

H14 年 5 月

オリエント三鷹クリニック

http://www.orient-ct.ne.jp/

0 10 20 30 40 500

25

50

75

100

125

150

IFNγ

(IU

/ml)、

IL-1

2(pg

/ml)

治療期間(月)

IFNγ:10以上が良好

IL-12:7.8以上が良好

IFNγ:10以上

IL-12:7.8以上

0 10 20 30 40 505

10

15

20

25

30

35

40

45

NK細

胞比

率(

%)

,活性

化N

K細

胞比

率(%

)

治療期間(月)

NK細胞比率:11以上が良好

活性化NK細胞比率:10以上が良好

NK細胞比率:11以上

活性化NK細胞比率:10以上

0 10 20 30 40 5005

1015202530354045

0

50

100

150

200

250

300

350

400

治療期間(月)

PSA:基準値4.0以下

ICTP:基準値4.5以下

:ALP:基準値260以下

PSA

(ng/

ml)、

ICT

P(ng

/ml)

AL

P (I

U/m

l)

ALP基準値:260以下

ICTP基準値:4.5以下

PSA基準値:4.0以下

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