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第1章 人生の切り替えを洋上で

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第1章 人生の切り替えを洋上で

第1章

第1章

人生の切り替えを洋上で

人生の切り替えを洋上で

第Ⅰ部

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世界一周クルーズ

現役を勇退したら時計の無い生活をしてみたいと強く思うようになってきました。それ

に心から好きなことを始めたいとも思うようになってきました。誰に気を遣うことも無く

自分で好きなように生きてみる時が、余生の始まりであろうと思います。

世に生を受けて成す仕事は自分らしく社会に貢献する使命を果たされなければならな

い。それがライフワークになれば幸せなことですがそれは稀なことかもしれません。

などと思う内に古希を迎えてしまいました。これまでの50年近くは、自分の能力を引き

出してくれた上司に恵まれた時期と、常にリスクを背負いながらの起業を決意して仲間に

恵まれ、止ることなく突き進んだベンチャービジネスで新たに自分の潜在能力を試してき

ました。

しかし、起業して4半世紀を過ぎた頃から、目まぐるしく変化する環境に戸惑いながら

も、これ以上自分がその席にいることが果たして適切であろうかと考え、寧ろ今後は若い

世代に交代して再起動する方が旨く行くような気がして現役を退くことにしました。

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第1章 人生の切り替えを洋上で

世の中は自分が思うようにはならないことは

よく承知していますが、2008年にはリーマ

ンショックを受け、これまでのビジネスを振り

出しに戻すほどのショックを受けてしまいまし

た。こ

の試練を乗り越えられるか否かの心配より

も、何としても乗り越えてこれまでお世話に

なった方々にご心配をかけないよう、事業の継

続を第一と考え、社員にも大きな忍耐と協力を

受けて乗り切ってきました。

2012年6月末に現役を勇退してから、世

代交代と同時に晴れて自由人となり、余生の始

まりのため切り替えの時間も必要であると考え

ていました。

愈々、世界一周クルージングの実現に向けて

世界一周105日クルーズ寄港地

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計画を始めました。

世界一周クルーズは日本船籍で3、4社が企画運営しています。何れも110日前後の

日数で20数寄港地を旅行する。参加する方は若い方は少なく70代を中心、いわゆるグラン

ドシニア層です。シングルでの参加も10%位はおられるようです。

今回、私たちが参加する﹁飛鳥Ⅱ2013年世界一周クルーズ﹂はまさにその代表的な

企画です。これまでにもパシフィックビーナスや日本丸に4回乗船して、日本近海をク

ルージングして船旅の心得を体験してきました。

昨年の9月から飛鳥Ⅱの船内見学会や説明会に参加して、二人の健康状態が対応可能か

どうか、それぞれ人間ドックや検診を受けました。特に家内は生涯薬を飲み続けなければ

ならない事情もあり、改めて主治医の診断を受けて、何とか許可をもらい実現にこぎつけ

ました。

新しい名刺とドレスコード

飛鳥Ⅱの乗船確定がして、そろそろ旅行の準備に入ろうとしていた時期に、三越旅行部

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第1章 人生の切り替えを洋上で

から乗船に当たり二人の名刺作成の問い合わせがありました。

やっと名刺を使わない生活に慣れかけていたので、いまさら何を言っているのかと言葉

を疑いました。

これまでは何かと肩書きの世界で生きてきたので、この堅苦しさから解放され、肩の力

を抜いた自由な生活に入ったことを喜べる時期でもありましたので、即座に要らないとお

断りしておきましたが、暫くするとまた、窓口の方から是非お持ちになられることをお勧

めしたいとの申し出でありました。

よく話を聞いてみるとなるほどプライベートでの活用用途があることに気付かされて、

注文することにしました。

殆どの乗船客は既に現役を勇退された自由の身で、名刺を持たれない方が多いとのこ

と、それぞれの経歴とは関係ありませんが、新しくワンチーム﹁飛鳥Ⅱ2013年世界一

周クルーズ﹂で105日の旅をするにあたり、﹁あなたはだーれ﹂とお互いに尋ねたり尋

ねられたりする場面が起きてくることは容易に想像できます。

そこで﹁飛鳥Ⅱ2013年世界一周クルーズ﹂の文字と写真入りで、ご夫婦の連名の名

刺が考案され、喜ばれたサービスの一つとして提案されています。多くの方がお作りに

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なっている、中には2箱も作られる方もあるとの事。納得して私たちも持つことにしまし

た。想

えば昔、父が一人身になって良く海外旅行に出かけていました。出かける途中で我が

家に立ち寄って、只の氏名が記された名刺を置いて行ったことを思い出します。

昨年11月、日本丸で屋久島に4泊5日のクルージングに参加。ある方と親しくなり、会

社の名刺をお渡ししたもののプライベートなお付き合いには違和感がありました。

今回、頂いた名刺には旅行会社ごとに嗜好を凝らせたデザインになっていました。

新しい名刺と共に船内での装いが大切なようです。ドレスコードもその一つではないか

と考え参考のために付記しておきます。

ドレスコードは﹁一人一人のお客様が、その夜にふさわしいおしゃれで船内の雰囲気を

盛り上げる﹂という目的から生まれたルールです。夕刻5時ころからの装いで﹁フォーマ

ル﹂﹁インフォーマル﹂﹁カジュアル﹂の3つに分けられ、それぞれの目安についてガイド

がなされています。

◦フォーマル︵各項はイラストによる説明入りです︶

男性:タキシード、ダークスーツなど、和服もOK。

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