3年3組 理科学習指導案 日 時 平成18年10月21日(土) …3年3組 理科学習指導案...

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3年3組 理科学習指導案 日 時 平成18年10月21日(土)公開Ⅱ場 所 第 1 理 科 室(北舎2階)授業者 南 部 浩 一1.単元名 エネルギー 

   1章 いろいろなエネルギー2.「学ぶ喜びを味わう」授業の創造をめざして研究内容(1) 学習環境の整備と教材・教具の開発 生徒一人一人が教科の本質を歩みきるために,追究過程でのつまずきに対応したり,追究を広げたり深めたりしていくためのヒントを与えたり物的環境の手助けをしたりと,生徒の必然に応じた指導・援助をしていく。本時の追究の中で生徒がつまずくであろうと考えられる場面での手だてを以下のように描いた。 ・回路をつくるのに戸惑っている班には,回路図を提示する。 ・エネルギーの移り変わりの事実を見つけることに戸惑っている生徒に,モーターから発する音や,モーターや導線の温度に着目させる。

 ・変換前後のエネルギーの総量の保存に気付いていない生徒に,エネルギーの移り変わりを図示しながら推測させるようにする。

 自分たちの発想で追究を広げたり深めたりしていく営みを「それなら実験」として位置づけ,奨励し,認め励ましている。そうした営みを積み重ねることで自ら学ぶ力が育つと考える。 生徒が問題解決に向けた歩みの中で見い出した事実を,仲間と交流する営みを大切にしていく。交流で得られた事実を基につくりあげられた見方や考え方を客観性のあるものへと高めていくようにする。研究内容(2) 学ぶ喜びを実感できるような指導計画・学習過程の在り方 本単元では,人間は日常生活でいろいろなエネルギーを利用していること,エネルギーにはいろいろな姿があり,それらが相互に移り変わることを理解することがねらいである。さらに,人間は,いろいろなエネルギーを自分たちにとって利用しやすいエネルギーに変換していることや環境との調和を考えたエネルギーの有効利用を考えていかなければならないというエネルギーについての見方や考え方を養っていきたいと考える。 1章「いろいろなエネルギー」では,エネルギーにはいろいろな姿があり,それらのエネルギーは相互に移り変わること,変換前後のエネルギーの総量は保存されることを学ぶ。そして,エネルギーは保存されているが,初めのエネルギーは,他のエネルギーに移り変わってしまうために,目的のエネルギーに移り変わったときに,減少してしまうことを見出させたい。 そこで,単元を通して生徒の意識をできるだけ具体的なつぶやきや様相で描き,前時の生徒のどの意識が,本時につながり次時につながっていくのかを明らかにする。そして生徒のつぶやきや様相を注意深く観察し,タイミングよく問い返したり,全体で取り上げたりすることで,授業を方向付けていくようにする。つまり教師自身が見通しをもって,指導・援助に生かしていくようにするのである。そうすることが教科の本質をたくましく歩む姿につながると考える。 本時は,第1章6時間目にあたり,変換前の電気エネルギーが熱エネルギーなどに移り変わってしまうため,変換後の電気エネルギーは減少してしまうことを見出させる。そして,変換前後のエネルギーの総量は保存されていることを理解させたい。そのために,導入では,以下の2つの豆電球の明かりを比較させる。 ①電気エネルギーを光エネルギーに変えた豆電球の明かり ②電気エネルギーを運動エネルギー,運動エネルギーを光エネルギーに変えた豆電球の明かり②の明かりが①の明かりよりも暗くなる事実から疑問をもち,エネルギーの変換と変換前後のエネルギーの量に関心をもたせる。 次に,変換後の電気エネルギーが減少した事実や,電気エネルギーが音エネルギーと熱エネルギーに移り変わっていく事実を,実験によって確かめる。そのために,電気エネルギーの減少については変換前後の電流の大きさで調べればよいこと,熱エネルギーに移り変わっていることについてはデジタル温度計で調べればよいことを確認する。実験から得た事実から,エネルギーの移り変わりと量を関連づけて考察していく。 エネルギーの移り変わりと量の変化を黒板に図示することで,変換前後のエネルギーの総量は保存されていることを理解させていきたい。研究内容(3) 指導と評価の在り方 「なぜそれをするのか」と問いかけることで意識を顕在化し,その子のよさを価値付け,方向付けていくなど,教師による言葉かけを大切にしていく。そして生徒たちに自信をつけさせたり,自分のよさに気づかせたりしていく(学ぶ喜びの実感)。 問題追究活動を歩みきった満足感・成就感を味わうことができるように,授業の終末に,自由記述による振り返りの場を設定する。そして自分の歩みのよさを自由記述の振り返りの中で表現している姿を価値づけたり,広めたりしていく。 

授業68-1

○指導計画

1章「いろいろなエネルギー」6 エネルギー  10月全7時間第3学年

物体がもつエネルギーを調べよう

○多くの事例を交流することで,エネルギーを持っているものをイメージしやすくする。

○エネルギーを変換する器具や機械は,何を変換してどんな形のエネルギーになるのかをはっきりさせる。 ○定義はエネルギーを持っているすべてのものに当てはまる事柄であることをおさえる。○提示事例がエネルギーを持っているものかどうかを,定義から考えさせることで,エネルギーを持つ状態を意識させる。○実験道具を動かしながら,使い方や工夫できるところを探らせ,どう条件を変えたらよいかを考えさせる。

○条件を統一して実験を行うよう班ごとで どんな実験をし,どんな結果をだし どう処理するのか 」という見通しをはっきりさせてから実験に取り組ませる。

○どんなグラフを作るかをはじめに確認しておくことで,実験の意図を理解して,意欲的に実験に取り組めるようにする。

 質量や高さを変えた時の位置エネルギーの大きさを調べる実験を行い,グラフ化した結果からそれぞれの 条件と位置エネルギーの大きさとの関係を導き出すことができる。

【技能・表現】  物体の高さや質量を変えた時のエネルギーの大きさを工夫して調べ,結果をわかりやすくまとめることができる。

☆授業観察☆ノート(実験レポート)

評価規準指導・援助環境構成

1.エネルギーを持っているものにはどんなものがあるか。またそれらはどんなことができるのか。また,エネルギーを持っているものに共通して言えることは何だろうか。

 ・ガソリン→自動車→動く ・灯油→ストーブ→熱→蒸発 ・食べ物→ヒト→動く   ・モーター→動く  ・ガスコンロ→熱→沸騰  ・熱は気体を膨張させ動かす  ・ エネルギーをもっているものは何かを動かすことができる 2.エネルギーについての説明を聞く。   エネルギーとは他の物体を動かす能力であり,他の物体を動かす能力をもっている物体を  「エネルギーをもっている状態」であると言う。 3.高いところにある物体はエネルギーを持っているかを,小球を落として木片が動く様子か  ら考える。  ・落ちてぶつかれば木片を動かすことができる  ・どんなものが木片をよりたくさん動かすのだろうか ・小球をより高いところから落とすと木片はたくさん移動するだろう ・重ければ重いほど大きなエネルギーを持つだろう

  高い位置にある物体がもつエネルギーの大きさは,高さや質量とどんな関係があるのだ  ろうか。 4.ある高さを持った物体が持つ位置エネルギーの大きさについて高さや質量とどんな関係が  あるのか調べてみよう。 5.班ごとで実験計画の確認をしてから実験を行う。  ・条件設定:高さだけ,質量だけを変え,木片の  移動距離を記録する。 ・ 高さと移動距離,質量と移動距離でグラフを作  り,関係を調べる。6.実験結果を工夫してまとめ,グラフから考察し,ノートにまとめる。  ・高いほど移動距離(エネルギー)は大きい。  ・質量が大きいほど移動距離(エネルギー)は大きい ・同じ高さから同じ質量の小球を使ってもっと木片を動かすことはできないだろうか。7.まとめる   高い位置にある物体がもつエネルギーの大きさは,高いほどエネルギーが大きく,質  量が大きいほどエネルギーが大きい。8.本時の振り返りをする。 ・高さを持っている重たいものは,それだけ多くのエネルギーを持っているんだね。 ・エネルギーの大きさは他にはどんなことに関係しているのかな。

      

物体がもつエネルギーを調べよう

本 時 の 学 習 活 動ねらい節時

・観察・実験などを行い,位置エネルギーや運動エネルギー,また,さまざまなエネルギーが相互に移り変わることなど,エネルギーについての原理・法則や基本的な概念を理解し,知識を身につける。

・位置エネルギーやさまざまなエネルギーが相互に移り変わることを見いだす観察・実験を行い,基礎操作を習得するとともにエネルギーの移り変わりについて,みずからの考えを導き出し,観察・実験の報告書を作成し,発表することができる。

・位置エネルギーやさまざまなエネルギーが相互に移り変わることを調べる方法を考え,観察・実験などを行い,規則性を見いだすことができる。

・エネルギーの変換に興味・関心をもち,進んで観察・実験を行い,それらの事象を日常生活と関連づけて考察しようとする。

知識・理解観察・実験の技能・表現科学的な思考自然事象への関心・意欲・態度

 本単元では,エネルギーに関する観察・実験を通して,エネルギーの基礎について理解するとともに,これらの事象を日常生活と関

連づけて科学的な見方や考え方を養い,エネルギーに対する興味・関心を高めるようにする。

○単元の学習指導目標

 1章「いろいろなエネルギー」では,エネルギーに関する観察・実験や体験を通して,エネルギーには,運動エネルギー,位置エネ

ルギー,電気エネルギー,熱エネルギーや光エネルギーなど,さまざまなすがたがあることを理解するとともに,エネルギーが相互に変換されること,および,エネルギーが保存されることを日常生活と関連づけて科学的に考察しようとする意欲と態度を養う。

○1章の学習指導目標

○1章の評価規準

授業68-2

物体がもつエネルギーを調べよう

【科学的思考】位置エネルギーと運動エネルギーが移り変わるときに, 力学的エネルギーが保存されることを説明できる。

☆発言内容☆ノートへの記述

○エネルギーの形は移り変わるものであることを意識させる。 ○事象提示では球の動きかたの事実に注目させ,事実から考えるよう促す。○振り子の運動を何度も行い,観・ 察し,事実をしっかりと見て記録するよう促す。 ○勢いという概念で説明しがちで あった日常生活に見られる様々な事象をエネルギーの保存という考えで説明するよう促す。 エネルギーは運動により減少すると考える生徒には,減少したエ ネルギーはどこへ行ったのだろうという問いかけをする。

1.運動エネルギーの実験について工夫した点を振り返る。 「速さを大きくするためにどんな工夫をしましたか。」 ・高さ(位置) を大きくすることでぶつかる時の速さ を大きくした。 ・位置エネルギーは運動エネルギーに変わる。 2.振り子を提示する。  どこまで振り子はあがるだろうか,予想してみよう。 ・途中でじゃましなかったら同じ高さまで上がってまた戻ってくるのだから,途中で糸を妨げ  たら勢いでもっと上まであがるだろう ・もとよりも高くなるなんてことはないだろう。 3.演示実験(図のようにはならないことを確認する) ・なぜ上がらないのだろう。

  振り子の運動の様子をエネルギーの考え方で説明してみよう。

4.実験を何度も行い,各位置での振り子の持つエネルギーを考える。 ・反対側では持ち上げた高さと同じ高さまで上がる。 →はじめに持っていた位置エネルギーよりも大きくエネルギーを持つことはない。・最も運動エネルギーが大きいところは一番下の点である。  →一番位置が低いところは最も位置エネルギーが運動エネルギーに変わりきった点である。 ・実験を行い,そのままにしておくとだんだん振れる大きさが小さくなっていき,そのうち止ま る。→摩擦によって違うエネルギーに変えられ,減少する。 5.エネルギーの移り変わりについてまとめる 。 ・位置エネルギーと運動エネルギーの和を力学的エネルギーといい,保存される。  ・おもりのもっていたエネルギーは減らないので振り子が最初の高さと同じ高さまで上がる ・おもりが最下点にきた時もっとも速さが早くなることから,位置エネルギーがだんだん運   動エネルギーに変わっていき,また位置エネルギーに変わっていくことがわかる。  ・振り子の運動は,実際には空気の抵抗や糸と支点の摩擦などにより,力学的エネルギーが   損失していくため,徐々に振れは小さくなる。 6.本時の振り返りをする ・エネルギーの形は変わってもその総計は大きくも小さくもならず保存されるんだ。

 振り子の各地点で持っているエネルギーの種類を調べる活動を行い,位置エネルギーと運動エネルギーが相互に移り変わることに気づき,エネルギーが移り変わるときには力学的エネルギーが保存されることが理解できる。

位置エネルギーと運動エネルギーの移り変わりを調べよう

              3

【技能・表現】条件を定めながら,物体の質量や速さを変えた時のエネルギーの大きさを調べ,グラフ化できる。

☆授業観察☆ノート(実験レポート)

○位置エネルギーは高さがある物体が持つエネルギーの形であることを再認識させる。 ○エネルギーがなくなったととらえがちであるが,異なる形のエネルギーになったことに注目させることで,エネルギーの保存を意識させる。○実験を工夫して行おうとする意欲の見られる発言を価値づける。○どうすれば速さや質量を変えて実験ができるかを工夫させる。○落とす高さを変える工夫をさせる。 ○位置エネルギーの量を変えることが運動エネルギーの量を大きくすることに気づくようにする。

1.位置エネルギーの実験からわかったことと疑問点を交流する。  ・物体の質量が同じの時,位置が高いほどエネルギーは大きい。(比例) ・高さが同じの時,質量が大きいほど位置エネルギーは大きい。(比例) ・ぶつかる直前は位置エネルギーはゼロである。  ・ぶつかる寸前には位置エネルギーはどうなってしまったのだろうか。 2.ある高さから小球を落とし木片を動かす様子を演示し,運動エネルギ ーについての説明を

聞く。  ・木片にぶつかる寸前は高さはないので位置エネルギーという形ではないが,ぶつかれば木片

を動かすことができる。このような速さを持つ物体が持つエネルギーを運動エネルギーと言う。

3.この運動エネルギーを大きくして,さらに木片を  多く動かすにはどうしたらよいかについて考える。  ・もっと速く小球をぶつける。 ・もっと大きい質量の小球をぶつける。4.本時の問題をつくる。

  運動エネルギーの大きさをもっと大きくするにはどうしたらよいだろうか。 5.実験方法を工夫して,物体の速さを変えた時と物体の質量を変えた時の木片の移動距離を調

べる。6.グラフ化するなどわかりやすく結果をまとめ,考察を書き,ノートにまとめる。 ・同じ程度の速さでも質量の大きなものにすると,より木片が大きく移動することから,大き

なエネルギーを持つようになることがわかる。 7.発表し,交流する。  ・速さや質量を大きくすると,木片の移動距離も  大きくなることから,大きな運動エネルギーを  持つようになる。 8.まとめる  運動エネルギーの大きさをもっと大きくするには,物体の速さや質量を大きくすればよい。

9.本時の振り返りをする。 ・物体の速さを速くしたり,質量を大きくしたりすると,運動エネルギーが大きくなるん  だね。 ・速さが2倍になるとエネルギーの大きさは何倍になるのだろうか。

 小球の質量や速さを変えた時のエネルギーの大きさを調べる実験を行い,グラフ化した結果から運動エネ ルギーが物体の質量と速さに関係があることを見いだすことができる。

授業68-3

【科学的思考】日常生活の中で見られるエネルギーの移り変わりの例を具体的に指摘することができる。

☆発言内容☆ノートへの記述

○生活の中でも様々なエネルギーの形の変換が行われていることを想起させる。○それぞれのエネルギーを前にたどり,エネルギーの源は太陽の光エネルギーであることまで押さえる。その際,生物の光合成は光のエネルギーを使った働きであることを思い出させる。○日常生活の中で見られるエネルギーの移り変わりについて,具体的にどんな家電製品が当てはまるかを考えさせる。

1.エネルギーの移り変わりについて考える。 「図の①~⑨の部分で行われているエネルギーの移り変わりを説明してみよう。」                  ①ダム        位置エネルギー→電気                  ②電車        電気エネルギー→運動                  ③ジェットコースター 位置エネルギー→運動                  ④火力発電所     熱エネルギー→電気                  ⑤バーベキュー    炭の化学エネルギー→熱                  ⑥時計        電気エネルギー→運動                  ⑦自動車       化学エネルギー→運動                  ⑧電灯        電気エネルギー→光                  ⑨ストーブの上の                  やかんの蒸気    熱エネルギー→運動 2.具体的なエネルギーの移り変わりの例を説明する。 ・火おこし機で火がついたのは,運動エネルギーが熱エネルギーに変わったからだ。・手動発電機で電球がついたのは,運動エネルギーが電気エネルギーに変わったのだ。

  なぜ人類はエネルギーの形を変えるのだろうか

3.教科書P60の図14をもとに,身のまわりで移り変わっている エネルギーを見つける。

4.エネルギーの源についての説明を聞く。 ・それぞれのエネルギーのもとをたどるとほとんどが化石エネ ルギーであり, それらは有限な資源であることを補足する。

 人間はエネルギーの形を変えることで,エネルギーを自分た ちが使いやすいものにしている。

5.本時の振り返りをする。 ・エネルギーの形が変わるから,人間は便利に暮らしていけるんだね。効率よく変換でき  る技術が開発されれば,もっと便利になるのかな。

エネルギーの移り変わりを身近な具体例で説明する活動を行い,エネルギーの形を変えることで生活に役 立てていることを多くの例で説明することができる。

【知識・理解】熱や光もエネルギーであることを実験結果から説明できる。

☆発言内容☆ノートへの記述

○構造がわかりにくく,電気が何に変換されているのか分かりにくいものには説明を加える。○多くの事例を挙げて考えることで,電気エネルギーの様々な活用例を知る。○空気を温めてガラス管の中の水・ が移動する実験や,光電池を使っ てモーターや車 おもちゃ を走らせる実験を行う。 ○一度電気から変換されたものを用いることで,形が変わってもエネルギーを持っていることを意識させる。 ○第1学年の「音」や第2学年の「電気」の学習を想起させる。○それぞれのエネルギーが変換されて生活に役立っている例がないか考えさせる。

1.電気エネルギーをどんな形で使っているのか考える。「我々の日常の生活で最も多く様々な形で利用しているエネルギーは電気エネルギーであり,身の回りには多くの種類の電化製品がある。人はそれらを使うことにより文化的な生活を送ることができる。それぞれの電化製品はスイッチを入れることで,電気エネルギーをどんな形で使っているのだろうか。」   ・蛍光灯→光     ・電気コンロ→熱      ・扇風機→運動,風 ・冷蔵庫→熱の吸収  ・MDカセット→運動,音  ・時計→針の動き,音 2.本時の問題づくりをする。 「電気エネルギーはいろいろな形になってあらわれてくるが,電化製品から出てきた熱や光,音などもエネルギーといえるのだろうか。」   電気が形を変えた熱や光や音もエネルギーと言えるのだろうか 。

3.実験をする。 ○実験1: 手で暖める代わりに電気コンロで暖める。 ・フラスコを手で暖めたら水が外へ動いた。 ・手を放してしばらくすると今度は内側へ水が動いた。 ・電熱線の熱で水が動いたので,電気から作られた熱もエネル  ギーをもつと言える。  ○実験2:スポットライトの光を光電池に当てる。  ・電気から作られた光を光電池に当てたら,電気が作られ,さ  らにその電気でモーターが動いたので,光もエネルギーを  もっていると言える 4.他のエネルギーについて考える。 「音もエネルギーであるといえるのか。音で何かが動いた事を  体験したことはないか。」 ・ライブ会場においてスピーカーから出てくる音で,胸がどんどん響く。 ・雷が鳴ると窓ガラスがびりびりと揺れる。「実験で扱ったもの以外で熱や光や音がエネルギーであることを説明できる例を出してみよう」 ・蒸気機関車は水を熱で水蒸気に変えて走るから,熱もエネルギーだ。 ・ソーラーカーは太陽の光で動いているのだから,光もエネルギーだ。  熱や電気,音も他の物体を動かすことができるのでエネルギーであると言える。

5.本時の振り返りをする。 ・光や音がエネルギーをもっているとは思っていなかったので驚きだった。身の回りを探す と,他にももっとありそうな気がする。 ・位置エネルギーが運動エネルギーに移り変わってもその総量が保存されるみたいに,他の エネルギーでも同じことが言えるのかな。

 熱や光が,異なる形のエネルギーに移り変わる実験を行い,電気エネルギーが形を変えた熱や光もエネ ルギーの一種であることに気づき,日常にある例でも熱や光がエネルギーであることを説明できる。

                       エネルギーにはどんなすがたがあるか

 4

授業68-4

エネルギーにはどんなすがたがあるか

1.事象を観察し,問題意識をもつ。 A:電気エネルギー → 光エネルギー B:電気エネルギー → 運動エネルギー →    電気エネルギー → 光エネルギー ・Aの方は,電気エネルギーが光エネルギーに変わった。 ・Bの方は,電気エネルギーが運動エネルギーに,運動エネルギー  が電気エネルギーに,電気エネルギーが光エネルギーに変わった。Aよりも暗くなった。なぜだろう。

2.問題づくりをする。

  電気エネルギー → 運動エネルギー → 電気エネルギー → 光エネルギーで,豆電球が暗くなったのはなぜだろうか。

3.予想を交流する。「どうして豆電球は暗くなったのだろう。」 ・電気エネルギーが運動エネルギーになったところで,エネルギーが減ってしまうから。 ・電気エネルギーが運動エネルギーに変わるときに別の何かに変わっているのではないか。4.調べる方法を確認する。「どうやって調べますか。」 ①変換前後の電流の大きさを比較する。 ②デジタル温度計で変換前後のモーターや導線の温度を比較する。 ③他のエネルギーに移り変わっているかどうかを調べる。5.班で分担して実験を行う。 ①変換前後の電流の大きさを比較する。 ・電流は0.7Aから0.3Aになった。やっぱり電流は弱くなっている。 ②デジタル温度計で変換前後のモーターや導線の温度を比較する。 ・モーターの表面温度は22.7℃から23.5℃に上昇した。 ・導線の温度は22.7℃から23.7度に上昇した。 ・熱エネルギーにも変わっているみたいだ。6.結果をもとに,豆電球が暗くなった理由を考察し,交流する。 ・初めの電気エネルギーは,熱や音のエネルギーに変換された分が減少したと思う ・初めの電気エネルギーは他のエネルギーに移り変わるから減少していくけど,移り変わったエネルギーを全部足せば初めの電気エネルギーと同じになると思う。

  初めの電気エネルギーが他のエネルギーに移り変わったから,暗くなった。  変換前後のエネルギーの総量は変化しない。

7.本時の振り返りをする。 ・発電所でつくられる電気エネルギーも,家庭に来るまでに熱エネルギーなどに変換されてしまって,減ってしまうのではないかな。どのぐらい減るのかな。

・「それなら実験」に挑戦して,電気エネルギーが他のエネルギーに移り変わる時のきまりが分かった。自分たちで追究する楽しみが味わえてよかった。

【科学的な思考】 変換後の電気エネルギーが減少するのは,他のエネルギーにも変換されているからであることを見いだし,移り変わったエネルギーをすべて合わせれば,変換前の電気エネルギーと等しいことを説明することができる。

☆発言内容☆ノートへの記述

○エネルギーの移り変わりに着目している姿(つぶやきや発言)を価値付ける。○AとBの2つの事象から,エネルギーが移り変わっていることを確認する。○豆電球が暗くなったのは,熱エネルギーへの移り変わりが原因だと考えた生徒の考えを意図的に取り上げ,自分の考えを問う。○2学年「電流のはたらき」で学習した電流のはたらきによって発熱することを想起した姿を価値付ける。

電気エネルギーを変換させ,再び電気エネルギーを取り出す実験を行い,変換後の電流値が小さくなる事実,モーターから発する音や,モーターや導線から発生する熱から,豆電球が暗くなるのは,電気エネルギーが他のエネルギーに移り変わり,変換前後のエネルギーの総量は等しいことを説明することができる。

【関心意欲態度 】どんなエネルギーも同じジュール(J)という単位で表すことができることに興味・関心を持つ。

☆行動観察☆ノートへの記述

○具体例を出してそこから変換させる。○1Wの電力を1秒間使用したときの電気エネルギーが 1Jである。○省エネの計算など生活と直接関わる題材を行う。○教科書の説明の例題の数字を用いて計算するよう促す。

1.いろいろなエネルギーについて単位、計算式の説明を聞く。 (教科書59ページ) ・「物体を動かす能力をもつ」 ものや,すでに定義された種類のエネルギーに変換できるもの は,それ自身がエネルギーであると考える。  ・熱エネルギー:50gの水の温度を60 ℃上昇させるのに必要なエネルギー量は12600Jであ  る。  ・運動エネルギー:全体の質量が 60kgで5m/秒で走っているときのエネルギー量は750Jであ る。  ・電気エネルギー:40Wの電球を1分間付けるのに必要なエネルギー量は2400Jである。  ・位置エネルギー:1mの高さにある約100 gのミカンが持つエネルギーの大きさは1Jであ  る。 2.身の回りのものがどれだけのエネルギーを消費しているかについて,例題を計算する。

  身のまわりのエネルギーの量をJで計算して変換してみよう

例1:1時間教室の電気を付けたままにしたときに消費される電気エネルギーを計算しよう。

例2:それは50gの水がどれだけ熱せられる分の熱エネルギーになるか 。

例3:それは60kgの質量のものがどれだけの速さで走っている運動エネルギーにあたるか。

例4:それは約100gのミカンがどれくらいの高さにある位置エネルギーにあたるか。 3.本時の振り返りをする。 ・いろんなエネルギーが一つの単位であるジュール(J)で計算できて、身の回りのエネル  ギーの量を計算で出すことができるようになった。  ・電気を付けっぱなしにすると多くのエネルギーを無駄にすることだと思った。

6(本時)

 エネルギーの変換の例題を解く活動を行い、エネルギーには様々な姿があるがジュール(J)という1つのエネルギー単位で表すことができることに関心を持つ。

                       エネルギーにはどんなすがたがあるか

A B

授業68-5

・変換後の電気エネルギー

が減少しているわけにつ

いて,自分なりの見方や

考え方をもつことができ

ているか。

(つぶやき・発言)

・自分の結果や仲間の結果から,変換後の電気エネルギーが減少するのは,他のエネルギーにも変換されているからであるという科学的な見方や考え方をもつことができているか。

  (つぶやき・発言)

  (ノート記述)

・電気エネルギーは運動エ

ネルギーや熱エネルギー

や音エネルギーに移り変

わり,その変換前後のエ

ネルギーの総量は保存さ

れることを説明すること

ができるか。

  (つぶやき・発言)

  (ノート記述)

 <方法> ・発言内容 ・ノートへの記述

評価

・エネルギーの移り変わりに

着目している姿(つぶやき

や発言)を価値付ける。

・AとBの2つの事象から,

エネルギーが移り変わって

いることを確認する。

・豆電球が暗くなったのは,

熱エネルギーへの移り変わ

りが原因だと考えた生徒の

考えを意図的に取り上げ,

自分の考えを問う。

・2学年「電流のはたらき」

で学習した電流のはたらき

によって発熱することを想

起した姿を価値付ける。

・調べ方の見通しをもってい

るかの確認をするために,

生徒の表情やつぶやきを注

意深く観察する。困ってい

る子がいれば個別に言葉か

けをする。

・問いかけを通して,今の時点ではっきりしたことを整理させる(「はっきりした事実は何?」「そこから何が言える?」(→顕在化)。その追究方法や内容のよさを価値付ける(→価値付け)。次の歩みを方向付ける(→方向付け)・相談に乗りながら,「それなら実験」に挑戦できるようにヒントを与えたり,挑戦している仲間を全体に広めたりする。

・互いの事実を比較する中で

共通点,相違点をはっきり

させ,真実を見抜いていこ

うとする姿勢を価値づけ

る。

・学ぶ喜びを味わうことがで

きるように,自分の問題解

決活動の歩みを振り返る時

間と場を保障する。

・自分の問題解決活動の歩み

のよさを自由記述の振り返

りの中で表現している姿を

価値づける。

指導・援助 

1.事象を観察し,問題意識をもつ。 A:電気エネルギー → 光エネルギー B:電気エネルギー → 運動エネルギー →    電気エネルギー → 光エネルギー ・Aの方は,電気エネルギーが光エネルギーに  変わった。豆電球は明るい。 ・Bの方は,電気エネルギーが運動エネルギー  に,運動エネルギーが電気エネルギーに,電  気エネルギーが光エネルギーに変わった。Aよりも暗くなった。なぜだろう。

2.問題づくりをする。「今日はどんな問題にしますか。」

  電気エネルギー → 運動エネルギー → 電気エネルギー → 光エネルギーで,  豆電球が暗くなったのはなぜだろうか。

3.予想を交流する。「どうして豆電球は暗くなったのだろう。」 ・初めの電気エネルギーが運動エネルギーになったところで,エネルギーが減ってしまうからだと思う。

 ・床を転がるボールが摩擦力によって,そのうち止まってしまうのと同じように,エネルギーがだんだん減っていってしまうからかな。

 ・電気エネルギーが運動エネルギーに変わるときに,別の何かに変わっているのではないかな。モーターが回るとモーターが熱くなるから,熱エネルギーとか。

4.調べる方法を確認する。「どうやって調べますか。」 ①変換前後の電流の大きさを比較する。 ②デジタル温度計で変換前後のモーターや導線の温度を比較する。 ③他のエネルギーに移り変わっているかどうかを調べる。

5.班で分担して実験を行う。 ①変換前後の電流の大きさを比較する。 ・電流は0.7Aから0.3Aになった。やっぱり電流は弱くなっている。 ②デジタル温度計で変換前後のモーターや導線の温度を比較する。 ・モーターの表面温度は22.7℃から23.5℃に上昇した。 ・導線の温度は22.7℃から23.7度に上昇した。 ・熱エネルギーにも変わっているみたいだ。6.「それなら実験」に挑戦する。

7.

8.結果をもとに,豆電球が暗くなった理由を考察し,交流する。 ・初めの電気エネルギーは,熱や音のエネルギーに変換された分が減少したと思う ・初めの電気エネルギーは他のエネルギーに移り変わるから減少していくけど,移り変わったエネルギーを全部足せば初めの電気エネルギーと同じになると思う。

9.本時のまとめをする。  初めの電気エネルギーが他のエネルギーに移り変わったから,暗くなった。   変換前後のエネルギーの総量は変化しない。

10.本時の振り返りをする(自由記述による振り返り)。「振り返りを書こう。」 ・発電所でつくられる電気エネルギーも,家庭に来るまでに熱エネルギーなどに変換されてしまって,減ってしまうのではないかな。どのぐらい減るのかな。

・「それなら実験」に挑戦して,電気エネルギーが他のエネルギーに移り変わる時のきまりが分かった。自分たちで追究する楽しみが味わえてよかった。

学 習 活 動

               つかむ             

/    

      追究する             /  まとめる

<本時の評価規準>【科学的な思考】 変換後の電気エネルギーが減少するのは,他のエネルギーにも変換されているからであることを見いだし,移り変わったエネルギーをすべて合わせれば,変換前の電気エネルギーと等しいことを説明することができる。

 最初は豆電球が暗くなった理由がよく分からなかった。電流を調べてみたら,確かに変換後は弱くなっていた。弱くなったわけを班の仲間と考えて,モーターと導線の熱に目を向けて調べてみた。すると発熱していることが分かった。他のどの班も同じ結果だったので,確かに熱エネルギーにも変換されているのだと思った。音の大きさを測った班があって,音の大きさも大きくなったことが数値で分かって納得した。音エネルギーにも変換されているんだ。「それなら実験」に挑戦できて満足したし,変換前後のエネルギーの総量は保存されることも納得できた。

本時の「学ぶ喜びを味わう」生徒の姿(例)

3.本時のねらい

 電気エネルギーを変換させ,再び電気エネルギーを取り出す実験を行い,変換後の電流値が小さくなる事実,モーターから発する音や,モーターや導線から発生する熱から,豆電球が暗くなるのは,電気エネルギーが他のエネルギーに移り変わり,変換前後のエネルギーの総量は等しいことを説明することができる。4.本時の展開(6/7)

 他の班はどうなったのかな。結果を交流してみよう。黒板に結果をまとめよう。

 変換前後の電圧の大きさはどうなのかな。やっぱり弱くなるのかな。

 電池の数を増やして確かめてみよう。変換の前後で変化はどうなるのかな。

 モーターが音を出しながら動いている。音の大きさを測ってみよう。

 どの班も同じ結果だ。やっぱり電気エネルギーは減少し,熱エネルギーに移り変わっていると思う。

 電圧は3.0Vだったのが1.5Vになった。やっぱり電圧も弱くなっているんだ。

 やっぱり電池を増やす前と同じ結果だった。電池を増やした分,変化は大きくなった。

 エコログで調べてみたら,78dbの音が出ていた。音エネルギーにも移り変わっていると思う。

結果の交流をする。「結果を発表しよう。」

変換後は変換前に比べて,電流は弱くなり,モーターや導線の温度は上昇した。

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授業68-6

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